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JP3965858B2 - 乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置 - Google Patents
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JP3965858B2 - 乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置 - Google Patents

乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客コンベア移動手摺の帆布と化粧ゴムとを融着する際に用いられる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にデパート、駅等にエスカレータやオートライン等の乗客コンベアが多数設置されており、このような乗客コンベアには、乗客が踏段上で移動する際に把持する移動手摺が設けられている。
【0003】
図11はこの種の乗客コンベアに設けられる一般的な移動手摺の構成を示す図である。この図11に示す移動手摺4は、C字型断面を有し、積層される複数枚の帆布101と、これらの帆布101間に設けられる複数本の抗張体102と、前記の帆布101の表面を覆う化粧ゴム103とから構成されており、帆布101の内側にスライダ面104が形成されている。
【0004】
このような乗客コンベアの移動手摺4にあっては、化粧ゴム103の意匠性が特に重要視されるが、化粧ゴム103は常時、乗客に掴まれるため汚れが生じるとともに、後述する図12の踏段51と同期して駆動されるため、化粧ゴム103は図示しない駆動輪により屈曲を強いられて経年的に亀裂が生じる。また、図示しないガイドレール面を走行する帆布101は同様に経年的に摩耗し、帆布101内部の抗張体102の飛び出し等の重大事故を発生させる。したがって、上述した帆布101および化粧ゴム103の経年劣化が生じる前に、定期的に移動手摺4を交換するようになっている。そして、このような移動手摺4の交換を行なう際、新設の移動手摺4を図示しない欄干上に巻き掛けた後、移動手摺4の両端部を連結して無端状にする必要がある。
【0005】
次に、移動手摺4の両端部を連結する際の化粧ゴム103の融着時の状態を図10を用いて説明する。すなわち、図10の移動手摺4の連結部30の近傍に、正規の融化が行われていない簡易加硫化粧ゴム31があり、この簡易加硫化粧ゴム31は、未融着帆布32上に糊で貼付ける耳部未加硫化粧ゴム34および背部未加硫化粧ゴム33の融着作業と同時に融化される。
【0006】
次に、移動手摺4の交換時に未融着帆布32と未加硫化粧ゴム33、34とを加熱加圧し、両者を融着する従来の加熱加圧装置について図6、図7を用いて説明する。なお、図6は従来の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を示す縦断面図、図7は図6の加熱加圧装置の側面図である。
【0007】
図6に示す従来の加熱加圧装置は、未融着帆布32と未加硫化粧ゴム33、34とその近傍の簡易加硫化粧ゴム31とを挟み込んで加熱する上金型1、下金型2および中金型3と、これらの上金型1、下金型2をそれぞれ全長にわたって加熱する一対の電熱体5と、上金型1、下金型2および中金型3を締結する複数組の締結用ボルト6、ナット7とから構成されている。上金型1、下金型2は、断面がC字型を成す移動手摺4に対して、化粧ゴム103の表面形状に当接する当接面を有し、その当接面は鏡面仕上げされており、また、下金型2には、融着時の余分な化粧ゴムを加熱加圧装置外部に逃がすバリ穴2aが設けられている。
【0008】
次に、上述した加熱加圧装置を踏段51上に設置する作業を図12を用いて説明する。すなわち、図12に示すように加熱加圧装置を複数の踏段51に沿って斜め方向に配置し、この状態で加熱加圧装置がずれないようにベース53にストッパー52をあてがい、踏段51上に設置するようになっている。
【0009】
次に、上記の加熱加圧装置を用いた融着作業について図8を用いて説明する。なお、図8の(a)は加熱加圧装置の長手方向の縦断面図、図8の(b)は加熱加圧装置の長手方向の温度分布を示す図である。図8の(b)において横軸上のA,B,C,Dは加熱加圧装置の長手方向の部位を示し、両側の部位A〜B間および部位C〜D間は簡易加硫化粧ゴム31の部分に相当し、中間の部位B〜C間は未融着帆布32の部分に相当する。また、縦軸上のT1は化粧ゴムの再融化限界温度を表わし、T2は化粧ゴムの融着下限温度を示し、T3は融着上限温度を示す。
【0010】
図8の(a)に示す加熱加圧装置を用いて新設の移動手摺4を装着する際、まず図11に示す帆布101および抗張体102を接続した後、帆布101のうち、図8に示す未融着帆布32をC字型に予備成形して移動手摺4形状を成形する。次いで、図10に示す背部未加硫化粧ゴム33を未融着帆布32に貼付けた面を加熱加圧装置の下金型2を載せて、図8の(a)に示すように中金型3をはめ込み、耳部未加硫化粧ゴム34を貼付けて上金型1を設置する。
【0011】
次いで、上下別に設けた図示しない温度計を読み取りながら、電熱体5の図示しない電源を入切り操作して、図8の(b)に示すように化粧ゴムの融着下限温度T2から融着上限温度T3までの温度域で所定時間融着作業を行う。
【0012】
次いで、上記した加熱加圧装置を用いた加圧作業として、図6および図7に示した複数組の締結用ボルト6、ナット7を作業者が手作業により締めつけることで上金型1と下金型2で移動手摺4を挟圧し、電熱体5を通電して上金型1、下金型2を加熱する。また、融着時に化粧ゴム103の不足を避けるため、未加硫化粧ゴム33、ゴム34を余分にセットする。これにより、上金型1と下金型2には隙間が発生するが、未加硫化粧ゴム33、34の融化に従い、余分な化粧ゴムがバリ穴2aより下金型2外部に流動したり、金型1〜3の両端部に流動するため、上金型1が次第に沈込み加圧力が低下する。
【0013】
次に、上記の融着作業時の加圧力低下について図9を用いて説明する。なお、図9は従来の加熱加圧装置による融着時の上金型の変化量を示す図である。ここで、図9の横軸は融着時間を示し、この横軸上のt0は融着作業終了時を示す。また、図9の縦軸は上金型1の変位量を示す。
【0014】
上述した加熱加圧装置を用いて融着作業を行なう際、融着開始において上金型1の変化量が0であり、その後、未加硫化粧ゴム33、ゴム34の融着が進むにつれて、融着終了時t0には図9に示すように上金型1の変位量Δhまで沈み込む。したがって、加圧力を保持するために作業者が手作業で融着中に複数個の締結用ボルト6、ナット7の増締めを行う必要が生じる。
【0015】
このようにして所定時間の加熱加圧作業を行ない終了した時に、所定の温度まで冷却し、所定締結圧力で締め付けていた締結用ボルト6、ナット7を解放した後、移動手摺4を加熱加圧装置から取出すようになっている。
【0016】
なお、この種の従来技術に関連するものとして、例えば特開昭63−147795号公報に記載されているように、電熱体による加熱温度制御手段を設けた乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置が提案されている。この従来の加熱加圧装置は、上面用および下面用電熱体の電源を作業員が入切り操作することに対して、上面および下面用電熱体の上限温度を規制し、予め設定した所定の温度内で加熱できるように電源を入切制御する温度差制御手段を設けてある。
【0017】
また、例えば、特開平7−10451号公報に記載されているように、移動手摺4の上面と下面を押圧する上金型1と下金型2に電熱体5を設けることに加えて、上金型1に嵌合して移動手摺4内側に挿入される中金型3にも他の電熱体を設けたものも提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の加熱加圧装置では、図8(a)に示すように、上金型1および下金型2の全長(部位A〜D)にわたって電熱体5が設置されているため、図8(b)に示すように部位A〜Dの全域で化粧ゴムの再融化限界温度T1を越えてしまう。すなわち、上金型1、下金型2に挟圧されている部位B〜Cの未融着部長さと部位A〜Bおよび部位C〜Dの簡易融着部長さとの和が金型1〜3の長さと同じであり、この金型1〜3の全長にわたって化粧ゴムは融化するため、余分な化粧ゴムがバリ穴2aに流動したり、金型1,2の端部方向に流動する。そして、前記の余分な化粧ゴムが金型1,2端部に達した場合、周囲温度が急速に再融化限界温度T1以下となるため、上記の化粧ゴムの流動が急速に止まり、これによって、簡易加硫化粧ゴム31の近傍に化粧ゴムの凹凸が発生するという問題がある。また、既に化粧ゴムと帆布とが融着している部分をも加熱加圧してしまうことから、この部分を再度融着させる必要があり融着作業回数が増えるという問題もある。
【0019】
また、移動手摺4の融着中に図7に示す加熱加圧装置の複数組の締結用ボルト6、ナット7を増締めを行うが、これも手作業であるため、作業者負担が増大して加熱加圧作業の効率を著しく低下させるという問題もある。
【0020】
また、図12に示すように乗客コンベアの踏段51上に設置する際に、加熱加圧装置を正確に設置することが困難であるため、加熱加圧装置がずれた場合に移動手摺4の融着作業に不具合が発生するという問題もある。
【0021】
本発明は、上記した従来技術における実情を鑑みてなされたもので、その第1の目的は、移動手摺の加熱加圧作業を行なう際に加熱加圧装置の長手方向の端部で化粧ゴムの融着温度より低くでき、融着作業回数を低減して作業の短縮化を図ることのできる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を提供することにある。
【0022】
また、その第2の目的は、移動手摺の加熱加圧を行なう際に途中で加圧のため増締め作業を無くすことで作業者の負担を削減して作業効率を向上することのできる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上述した第1の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、乗客コンベア移動手摺の帆布と化粧ゴムとを融着する際に用いられる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記帆布と化粧ゴムとの融着部およびその近傍を挟み込んで加熱する上金型、下金型および中金型と、これらの上金型および下金型にそれぞれ設けられる電熱体と、前記上金型、下金型、および中金型の長手方向の中間部に簡易加硫化粧ゴムと未加硫化粧ゴムとを配置すると共に、この両端部に化粧ゴム既加硫部分と絶縁体とを備え、かつ、前記上金型と下金型の各表面に保護材を設け、前記電熱体を通電して前記上金型、下金型および中金型の各温度を前記化粧ゴムの融着温度とするとともに、前記上金型、下金型および中金型の端部位置で発熱を前記絶縁体で遮ることにより前記化粧ゴムの温度上昇を抑える構成にした。
【0024】
このように構成した本発明の請求項1に係る発明では、移動手摺の帆布と化粧ゴムとの融着部を金型で挟み込んで所定の融着温度で加熱するとともに、金型の長手方向の端部位置で化粧ゴムの温度上昇を抑えるので、化粧ゴムの融着部から金型の端部方向へ余分な化粧ゴムが流動する際、この化粧ゴムの流動が次第に止まる。また、すでに化粧ゴムと帆布が融着している部分を所定の融着温度で加熱してしまうこともない。これによって、金型の長手方向の端部で化粧ゴムの凹凸が発生することを防止できるとともに、化粧ゴムの融着作業回数および時間を低減できるので、移動手摺の加熱加圧作業の効率向上を達成することが可能である。そして、前記絶縁体を、例えば熱伝導率の低い複合材で形成すれば、融着作業時に絶縁体の端部の温度を確実に低減することが可能である。
【0025】
また、上記第2の目的を達成するため、本発明の請求項2に係る発明は、乗客コンベア移動手摺の帆布と化粧ゴムとを融着する際に用いられる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記帆布と化粧ゴムとの融着部およびその近傍を挟み込んで加圧する上金型および下金型と、これらの上金型および下金型にそれぞれに設けられる締結用ボルト、ナットおよびばね座金とを備え、これらの締結用ボルト、ナットおよびばね座金で前記上金型および下金型を介して前記帆布と化粧ゴムとを融着前に加圧することにより、これらの帆布と化粧ゴムとの融着による加圧力の変動を抑えるように構成した。
【0026】
このように構成した本発明の請求項2に係る発明では、化粧ゴムの融着が進むに連れて上金型が変位するが、締結用ボルト、ナットおよびばね座金で上金型および下金型を介して弾性付勢することにより、融着中に加圧力を保持するために作業者が手作業で複数組の締結用ボルト、ナットを増締めを行わなくてもよい。これにより、移動手摺の加熱加圧を行なう際に作業者の負担を削減して作業効率を向上することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置の実施の形態を図に基づき説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施形態に係る乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を示す縦断面図、図2は本実施形態の加熱加圧装置を示す側面図、図3は本実施形態の加熱加圧装置により加熱する作業を説明する図、図4は本実施形態の加熱加圧装置による融着時の上金型の変化量を示す図、図5は本実施形態の加熱加圧装置を踏段上に設置した状態を示す側面図である。なお、図1〜図5において前述した図6〜図12に示すものと同等のものには同一の符号を付してある。また、図3の(a)は加熱加圧装置の長手方向の縦断面図、図3の(b)は加熱加圧装置の長手方向の温度分布を示す図である。
【0029】
図1に示す本実施形態の加熱加圧装置は、上金型1、下金型2および中金型3と、上金型1、下金型2をそれぞれ加熱する一対の電熱体5と、上金型1と下金型2を締結する複数組の締結用ボルト6、ナット7および皿ばね座金8と、一端に踏段51の傾斜角度と同一の傾斜角度を有し、当該加熱加圧装置を踏段51上に設置するためのベース9と、上金型1、下金型2の外側に設けられる断熱材10と、上金型1、下金型2にそれぞれ設けられ、締結用ボルト6を取付ける台座11、12とを備えており、上金型1と下金型2の各々の表面には保護材13または金属めっき処理が施されている。また、本実施形態の加熱加圧装置では、図2に示すように、上金型1と下金型2の融着後の取外しを簡易にする取外し用ボルト22を有し、金型1〜3の長手方向の両端部に、融着時の温度上昇を抑える絶縁材21と、冷却媒体が入った冷却用タンク23とが設けられている。
【0030】
図3の(a)において、A,B,C,Dはそれぞれ加熱加圧装置の長手方向の部位を示すものであり、金型1〜3の一端の部位をAとし、他端の部位をDとして、絶縁材21と金型1〜3の接合面の部位をそれぞれ一端に近いほうからB,Cとする。上金型1と下金型2の部位B〜C間には電熱体5が配置されるとともに、部位A〜D間に(すなわち全長にわたって)断熱材10が配置されている。また、金型1〜3の両端の部位A〜B間および部位C〜D間には、それぞれ移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分、および絶縁材21が配置され、中間の部位B〜C間に、簡易加硫化粧ゴム31と未加硫化粧ゴム33、34が配置されている。また、金型1、2の部位A〜D間には各々の金型1、2上に保護材13が配置される。
【0031】
また、図3の(b)において、横軸は加熱加圧装置の長手方向の部位を示し、縦軸は加熱加圧装置の内部温度を示すもので、化粧ゴムの融着上限温度をT3とし、融着下限温度をT2とし、移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分の再融化限界温度をT1として表している。
【0032】
また、図4において、横軸は融着時間を示し、縦軸は融着時の上金型の変化量を示すもので、横軸のt0は融着作業終了時を示す。
【0033】
この実施形態の加熱加圧装置にあっては、まず図5に示すように、この加熱加圧装置を複数の踏段51に沿って斜め方向に配置し、この状態で加熱加圧装置をベース9を介して踏段51上に設置する。次いで融着工程として、電熱体5の加熱により所定の予備加熱温度に到達させた後、保護材13を上金型1、下金型2上に設置して、未加硫化粧ゴム33、34を未融着帆布32に貼付け、下金型2の中心またはその近傍に、前記の未融着帆布32が接続されている移動手摺4の未加硫部中心を置いて上金型1と下金型2と中金型3で挟み込み、締結用ボルト6、ナット7と皿ばね座金8を用いて所定加圧力で加圧した後、電熱体5で所定の融着下限温度T2から融着上限温度T3までの温度域を維持しながら融着する。
【0034】
このとき、上記の融着作業において、未加硫化粧ゴム33、34および未融着帆布32を移動手摺の断面C形状に成形するため、図3の(a)に示す部位B〜C間で確実に所定の融着下限温度T2から融着上限温度T3までの温度域で所定時間加熱するとともに所定圧力で加圧する。同時に、移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分の再融着を防止するため、絶縁材21で断熱して金型1、2端部の冷却用タンク23で冷却することにより、図3の(b)に示すように、両端部の部位A〜Dの各温度を再融化限界温度T1以下に下げている。このとき、図3の(a)で示すように、未加硫化粧ゴム33、34の近傍に位置し、正規の融化が行われていない簡易加硫化粧ゴム31は、上記の温度T2〜T3の加熱により未加硫化粧ゴム33、34の融着作業と同時に融化される。そして、移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分のうち、部位A〜B間および部位C〜D間の再融化限界温度T1を超える部分は再融着される。
【0035】
また、上記の融着作業の開始時において、図4に示すように上金型1の変化量が0であるが、未加硫化粧ゴム33、34の融着が進むに連れて変位するが、皿ばね座金8の弾性付勢により融着終了時t0に微少な変位量Δhまで沈み込みを抑えることができる。
【0036】
このようにして所定時間の融着作業を行ない終了した時に、所定の温度まで冷却し、所定締結圧力で締め付けていた締結用ボルト6、ナット7を解放した後、取外し用ボルト22を締付けて上金型1、下金型2を取外し、移動手摺4を加熱加圧装置から取出すようになっている。
【0037】
このように構成した実施形態の加熱加圧装置では、未加硫化粧ゴム33、34の融着が進むに連れて上金型1が変位するが、皿ばね座金8により弾性付勢することにより加圧力を保持できるため、作業者が手作業で融着中に複数組の締結用ボルト6、ナット7を増締めを行わなくてもよい。
【0038】
また、本実施形態の加熱加圧装置では、踏段51上の傾斜面と同一の傾き面を持つベース9により簡易に設置可能であり、従来のように加熱加圧装置がずれないようにベース9にストッパーをあてがう必要がなく、踏段51上に容易に設置できる。
【0039】
また、本実施形態の加熱加圧装置では、図3の(a)に示す部位B〜C間で確実に所定の融着下限温度T2から融着上限温度T3までの温度域で所定時間加熱するとともに所定圧力で加圧することにより、未加硫化粧ゴム33、34および未融着帆布32を移動手摺4の断面C形状に成形できる。同時に、絶縁材21で断熱して金型1、2端部に水を入れた冷却用タンク23で冷却することにより、図3の(b)に示すように、両端部の部位A、Dの各温度を再融化限界温度T1付近に下げ、移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分の再融着を防止できる。この加熱方式により、長手方向の中間の部位B〜C間で未加硫化粧ゴム33、34の融着下限温度T2から融着上限温度T3までの温度域を一定に保ち、かつ両端部の部位A〜B間と部位C〜D間の温度分布はほぼ融着下限温度T2より低く、電熱体5の端部近傍では若干、再融化限界温度T1を超えており、この加熱状態により移動手摺4の化粧ゴム既加硫部分と未加硫化粧ゴム33、34が互いに混融するので均一性が得られる。これにより、前述した図6〜図12に示す従来の場合に比較して、再融化限界温度T1を超える部位の占める率は低く、加熱加圧後の接続線および凹凸が生じることがなくて済むので融着作業の効率化が図れる。
【0040】
なお、本実施形態では、上金型1、下金型2にそれぞれ電熱体5を設ける場合を例示したが、さらに中金型3にも同様に電熱体を設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に係る発明では、移動手摺の帆布と化粧ゴムとの融着部を金型で挟み込んで所定の融着温度で加熱するとともに、金型の長手方向の端部位置で化粧ゴムの温度上昇を抑えるので、金型の長手方向の端部位置で化粧ゴムの凹凸が発生することを防止できる。したがって、化粧ゴムの帆布への融着作業回数および時間を低減できるので、移動手摺の加熱加圧作業の効率向上を図れるという効果がある。
【0042】
また、本発明の請求項2に係る発明では、化粧ゴムの融着時に締結用ボルト、ナットおよびばね座金で上金型および下金型を介して弾性付勢することにより、上金型の加圧力を保持するので、作業者が手作業で複数組の締結用ボルト、ナットを増締めを行わなくてもよい。したがって、移動手摺の加熱加圧を行なう際に作業者の負担を削減して作業効率を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態の加熱加圧装置を示す側面図である。
【図3】本実施形態の加熱加圧装置により加熱する作業を説明する図である。
【図4】本実施形態の加熱加圧装置による融着時の上金型の変化量を示す図である。
【図5】本実施形態の加熱加圧装置を踏段上に設置した状態を示す側面図である。
【図6】従来の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置を示す縦断面図である。
【図7】図6の加熱加圧装置の側面図である。
【図8】従来の加熱加圧装置により加熱する作業を説明する図である。
【図9】従来の加熱加圧装置による融着時の上金型の変化量を示す図である。
【図10】化粧ゴム融着時の状態を説明する図である。
【図11】乗客コンベアに設けられる一般的な移動手摺の構成を示す図である。
【図12】従来の加熱加圧装置を踏段上に設置した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 上金型
2 下金型
3 中金型
4 移動手摺
5 電熱体
6 締結用ボルト
7 ナット
8 皿ばね座金
9 ベース
10 断熱体
11 上台座
12 下台座
13 保護材
21 絶縁体
22 取外し用ボルト
23 冷却用タンク
31 簡易加硫化粧ゴム
32 未融着帆布
33 背部未加硫化粧ゴム
34 耳部未加硫化粧ゴム
51 踏段

Claims (18)

  1. 乗客コンベア移動手摺の帆布と化粧ゴムとを融着する際に用いられる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、
    前記帆布と化粧ゴムとの融着部およびその近傍を挟み込んで加熱する上金型、下金型および中金型と、これらの上金型および下金型にそれぞれ設けられる電熱体と、前記上金型、下金型、および中金型の長手方向の中間部に簡易加硫化粧ゴムと未加硫化粧ゴムとを配置すると共に、この両端部に化粧ゴム既加硫部分と絶縁体とを備え、かつ、前記上金型と下金型の各表面に保護材を設け、前記電熱体を通電して前記上金型、下金型および中金型の各温度を前記化粧ゴムの融着温度とするとともに、前記上金型、下金型および中金型の端部位置で発熱を前記絶縁体で遮ることにより前記化粧ゴムの温度上昇を抑えることを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  2. 請求項1記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記上金型および下金型にそれぞれに設けられる締結用ボルト、ナットおよびばね座金とを備え、これらの締結用ボルト、ナットおよびばね座金で前記上金型および下金型を介して前記帆布と化粧ゴムとを融着前に加圧することにより、これらの帆布と化粧ゴムとの融着による加圧力の変動を抑えるようにしたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  3. 請求項1記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記絶縁体を、熱伝導率の低い複合材で形成したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  4. 請求項1または請求項3に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記絶縁体と前記金型との接合部の温度を、前記化粧ゴムの融着温度としたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  5. 請求項1、3、4のいずれかに記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記上金型、下金型および中金型の長手方向の端部で前記化粧ゴムの温度を前記融着温度より低くなるように前記絶縁体の長さを設定したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  6. 請求項1記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、加熱時に前記上金型および下金型を断熱材で覆い、冷却時にこの断熱材を前記上金型および下金型から取外すことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  7. 請求項6に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記上金型および下金型にそれぞれ設けられる電熱体と断熱材とを、前記上金型および下金型と、これらの上金型および下金型のそれぞれ取付けられる上下台座とにより圧着するようにしたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記金型を、移動手摺の長手方向に沿って形成するとともに、前記金型の長さを、前記帆布と化粧ゴムとの融着部長さおよび非融着部長さの和に相当するように設定したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、電熱体を、前記帆布と化粧ゴムとの融着部長さに相当する部分のみに設置したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  10. 請求項2記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記ばね座金が皿ばね座金からなることを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  11. 請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、融着後の前記上金型および下金型の取外しを簡易とする取外し用ボルトを設けたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  12. 請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、一端に踏段の傾斜角度と同一の傾斜角度を有するベースを設置したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  13. 請求項4記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記絶縁材と前記金型の各表面上に、この金型と同形状な保護材を設置することにより、前記絶縁材と前記金型を面一とするとともに前記金型の表面強度を向上させたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  14. 請求項13記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記保護材を、熱伝導率が低く、かつ伝熱面積が小さい薄手のシートとしたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  15. 請求項14記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記保護材を、SUS材もしくはPETフィルムとしたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記保護材が、前記化粧ゴムの光沢度を得る表面粗さを有することを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  17. 請求項16記載の乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、前記保護材と前記金型の各表面上に、前記化粧ゴムの光沢度を得る表面粗さを有するめっき処理を施したことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
  18. 乗客コンベア移動手摺の帆布と化粧ゴムとを融着する際に用いられる乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置において、 前記帆布と化粧ゴムとの融着部およびその近傍を挟み込んで加熱する上金型、下金型および中金型と、これらの上金型および下金型にそれぞれ設けられる電熱体と、前記上金型および下金型の各表面にそれぞれ設けられる保護材と、前記上金型、下金型および中金型の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、融着時の温度上昇を押さえる絶縁体と、前記上金型、下金型および中金型の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、冷却媒体が入った冷却用タンクとを備え、 前記電熱体を通電して前記上金型、下金型および中金型の各温度を前記化粧ゴムの融着温度とし、前記上金型、下金型および中金型の長手方向の端部の位置で発熱を前記絶縁体で遮るとともにこの絶縁体および前記保護材を前記冷却用タンクで冷却することにより前記化粧ゴムの融着温度より低くしたことを特徴とする乗客コンベア移動手摺の加熱加圧装置。
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