JP3966652B2 - 軌道作業車 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、軌道作業車に関し、更に詳細には、電車軌道上を走行する軌道走行車両の車体上に作業装置を有し、電車軌道上を走行して作業装置による作業を行なう軌道作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
軌道作業車としては、例えば、軌道走行車両の車体上に高所作業装置を有した軌道走行高所作業車がある。軌道走行高所作業装置は、例えば、車体上に旋回動、起伏動、伸縮動自在なブームを配設し、このブームの先端に作業者が搭乗する作業台を取り付けて構成され、ブームの作動により作業台を所望の高所位置に移動することができるように構成されている。この軌道走行高所作業車は軌道上を走行して作業現場まで移動し、作業現場において作業者が搭乗した作業台を所望の高所位置に移動させ、作業者によるトロリ線の保守・点検等の作業が行なわれる。
【0003】
ところで、トロリ線には通常は電車に供給される電流が流れており、この通電状態のままでトロリ線の保守・点検作業等が行なわれると、作業者が感電する虞がある。このため、一般的には、作業の前に作業区間内におけるトロリ線への電力供給を停止させてから作業が行なわれる。
【0004】
しかしながら、電力供給を停止させてもトロリ線に残留電圧が存在したり、作業中に誤ってトロリ線に電力供給がされたり、電力供給が停止されている作業区間を越えて電力供給が行なわれている区間に作業車が入り込んだ場合には、作業台に搭乗した作業者が感電する虞がある。このため、車両の車体に、トロリ線と当接接触可能な導電性を有する接触部材とこの接触部材と軌道走行用車輪とを電気的に接続した接地回路とを有した感電防止装置を有した車両が提案されている。これにより、トロリ線の残留電圧による電流を接地回路を介して軌道側(地面側)に流すことで残留電圧を低下させることができる。また、作業中にトロリ線に電力供給がされたり、電力供給が行なわれている区間に作業車が入り込んだ場合には、トロリ線は接地回路を介して軌道側に短絡されているので、変電所の遮断機を作動させてトロリ線への電力供給を停止させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感電防止装置を有した作業車であっても、作業を行なう前に接触部材をトロリ線に当接接触させてトロリ線の残留電圧を低下させる接地作業を誤って怠ると作業台に搭乗した作業者が感電する虞がある。また、感電防止装置の操作の有無に関係なく作業台の昇降移動は独立して操作することができるので、感電防止装置の接地作業の前に作業台の移動操作が行なわれ、トロリ線に残留電圧が存在している場合には、作業台に搭乗した作業者が感電する虞がある、という問題が生じる。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、感電防止装置を誤操作した場合でも作業台に搭乗した作業者が感電する虞のない軌道作業車を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の軌道作業車は、電車軌道用のレール及びこのレールの上方に配設された電力供給用のトロリ線とを有してなる電車軌道を走行する軌道作業車(例えば、実施形態における軌道高所作業車1)であって、レール上を走行する導電材料製の軌道走行用車輪(例えば、実施形態における鉄輪29)を有した軌道走行車両と、軌道走行車両の車体上に昇降動自在に設けられた作業装置(例えば、実施形態における伸縮ブーム17、作業台25)と、作業装置を昇降動させるアクチュエータ(例えば、実施形態における伸縮シリンダ19、起伏シリンダ21)と、車体上若しくは作業装置上に昇降動自在に設けられ、トロリ線と当接接触可能で導電性を有する接触部材(例えば、実施形態におけるスリ板45)と、接触部材と軌道走行用車輪とを電気的に接続する接地回路(例えば、実施形態における接地切替スイッチ49、第1接地線81、第2接地線83、第3接地線84)と、接触部材がトロリ線に当接接触しているか否かを判定する判定手段(例えば、実施形態における当接接触判定回路98)と、判定手段により接触部材がトロリ線に当接接触していると判定されない限り、作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータ(例えば、実施形態における伸縮シリンダ19、起伏シリンダ21)の作動を規制するアクチュエータ作動規制手段(例えば、実施形態における作動規制回路99)とを有して構成される。
【0008】
このように構成された軌道作業車によれば、判定手段により接触部材がトロリ線に当接接触していると判定されない場合には、作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動をアクチュエータ作動規制手段が規制する。このため、接触部材をトロリ線に当接接触させる除電作業を行なわなければ作業をすることができないので、作業者が感電する虞を未然に防止することができる。
【0009】
第1の本発明に係る軌道作業車においては、判定手段が、接触部材をトロリ線に押圧して当接接触させる押圧機構と、接触部材がトロリ線から受ける力を検出する荷重検出手段とから構成され、荷重検出手段により検出された力が所定値を越えているときに、接触部材がトロリ線と当接接触していると判定するように構成されている。
第2の本発明に係る軌道作業車においては、判定手段が、接触部材の昇降移動位置を検出して接触部材がトロリ線と当接接触する位置にあるか否かを判定する位置判定手段から構成され、位置判定手段により接触部材がトロリ線と当接接触する位置にあると判定されたときに、接触部材がトロリ線と当接接触していると判定するように構成されている。
【0010】
また、前述した軌道作業車は、接触部材及び軌道走行用車輪間を接地回路と並列に電気的に接続された検出回路(例えば、実施形態における第1電圧検出線85、第2電圧検出線86、第3電圧検出線87、電圧検出切替スイッチ88)と、検出回路に設けられ接触部材及び軌道走行用車輪間の電圧を検出する電圧検出手段(例えば、実施形態における電圧検出器53)と、軌道走行用車輪がレール上に当接しているか否かを判定する車輪当接判定手段(例えば、実施形態における鉄輪当接判定回路100)とを有し、車輪当接判定手段により軌道走行用車輪がレール上に当接していると判定されている状態で電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、および判定手段により接触部材がトロリ線に当接接触していることを判定している状態で電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、の少なくともいずれかの場合には、作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動をアクチュエータ作動規制手段が規制するようにしてもよい。
【0011】
車輪当接判定手段により軌道走行用車輪がレール上に当接していると判定されている状態で電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、例えば、接触部材がトロリ線に接触不良な状態にある場合には、トロリ線に残留電圧が残る虞がある。この場合には作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動をアクチュエータ作動規制手段が規制する。また、判定手段により接触部材がトロリ線に当接接触していると判定している状態で電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、例えば、接地回路が電気的に接続不良である場合にはトロリ線に残留電圧が残る虞がある。この場合には作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動をアクチュエータ作動規制手段が規制する。
【0012】
このように判定手段を設けることで接触部材のトロリ線への当接接触の有無を判定することができ、軌道走行用車輪がレール上に当接しているか否かを判定することができる。また、検出回路及び電圧検出手段を設けることで、接触部材のトロリ線への接触不良や接触部材とレール感の電気的接続不良が発生しても、電圧検出手段によりトロリ線に残留する残留電圧の有無を確実に判定してアクチュエータの作動を規制することで、作業者の感電を未然に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態は電車軌道用のレール上を走行する時に軌道走行用車輪をレールに当接させて回転駆動する軌陸高所作業車の態様を示す。図1は本発明の軌陸高所作業車を示す。軌陸高所作業車1は、同図に示すように、道路上を走行するトラックをベースとして構成されており、車体3の前方には運転キャビン5を有し、運転キャビン5の下方には前輪(道路走行用前輪)7が設けられ、車体3の後側下方には後輪(道路走行用後輪)9が設けられている。後輪9は車体3に設けられた図示しないエンジンに接続されており、このエンジンの駆動力により後輪9が回転駆動するように構成されている。前輪7と後輪9の各後方には先端部を接地させて車体3を安定支持するアウトリガジャッキ11が設けられている。車体3の略中央下部には軌陸作業車1自体を持ち上げる図示しないセンタジャッキが設けられている。
【0014】
車体3の後端上部には旋回動自在な旋回台13が設けられ、旋回台13の下方の車体3内には旋回モータ15が設けられ、この旋回モータ15の作動により旋回台13が旋回動するように構成されている。旋回台13の上部には伸縮ブーム17の基端部が枢結されている。伸縮ブーム17内には伸縮シリンダ19が内蔵され、この伸縮シリンダ19を伸縮作動させることで伸縮ブーム17が伸縮作動するように構成されている。伸縮ブーム17の下面と旋回台13の底部間には起伏シリンダ21の両端部が枢結されており、この起伏シリンダ21が伸長作動すると伸縮ブーム17が起伏作動するように構成されている。
【0015】
旋回モータ15・起伏シリンダ21・伸縮シリンダ19の駆動は、エンジンの駆動力を取り出す図示しないPTO機構を介して行なわれ、取り出された駆動力により図示しない油圧ポンプを回転駆動させる。油圧ポンプから吐出する作動油の供給を制御することで旋回モータ15・起伏シリンダ21・伸縮シリンダ19が作動する。ここで、PTO機構のON・OFF作動は運転キャビン5内に設けられたPTO切替スイッチ22の切替操作により行なわれる。
【0016】
伸縮ブーム17の先端部には上下方向に揺動自在に枢結された棒状の作業台支持部材23が枢結されている。この作業台支持部材23の上部には作業者が搭乗可能な作業台25が取り付けられている。伸縮ブーム17の先端部内には図示しないレベリングシリンダが内蔵され、このレベリングシリンダの先端部が作業台支持部材23の下端部に枢結されている。レベリングシリンダは伸縮ブーム17の起伏作動に連動して作動し、作業台支持部材23を常に垂直状態に保持している。このため、作業台25は常に水平状態に保持されている。また、作業台25上には起伏シリンダ21・伸縮シリンダ19・旋回モータ15の作動を操作するブーム操作装置27と、運転キャビン5の上方に配設されレールR上での作業に際してトロリ線Tに残留する電気をレールRに逃がす接地装置41を操作する接地操作装置43とが設けられている。
【0017】
車体3の前後のアウトリガジャッキ11の各後方には、鉄輪29が鉄輪保持フレーム31に回転自在に保持された状態で設けられている。鉄輪保持フレーム31は、車体3に固設された支持フレーム33に対して張出および格納自在に枢支されており、図示しない鉄輪昇降シリンダの伸縮作動により、鉄輪29がレールR上へ張り出されたり格納されたりする。
【0018】
軌陸高所作業車1は作業台25に搭乗した作業者の感電を防止すための感電防止装置40を有し、この感電防止装置40の全体構成を図2を使用して説明する。感電防止装置40はスリ板45をトロリ線Tに付勢する付勢装置47と、トロリ線Tに残留する電気を左側レールLR又は右側レールRRのいずれか一方に流すための接地切替スイッチ49と、図1に示す鉄輪29がレールRに当接しているか否かを導通の有無により検出する第1及び第2導通チェック検出器51,52と、スリ板45とレールR間の電位差を検出する電圧検出器53と、図1に示す伸縮ブーム17の作動を制御するコントローラ55と、図1に示す作業台25を昇降動させる起伏シリンダ21及び伸縮シリンダ19とを有して構成されている。
【0019】
付勢装置41は、図1に示すように、運転キャビン5のすぐ後方の車体3から上方へ突出し運転キャビン5の上方へ屈曲して設けられた支持部材57と、この支持部材57の先端部に設けられ運転キャビン5の上方に略水平方向に延出する板状の下部基台59と、この下部基台59上に上下方向に伸縮動するシザースリンク機構61と、シザースリンク機構61の上端部に取り付けられた板状の上部基台63と、この上部基台63に取り付けられた接地用パンタグラフ65とを有して構成されている。
【0020】
シザースリンク機構61は下部基台59の車体左右方向の両端部に設けられた一対のリンク機構67と、このリンク機構67を上下方向に伸縮させる図示しない昇降シリンダとを有して構成されている。リンク機構67は2本の棒状のリンク部材69の各中間部を互いに枢結し、一方のリンク部材69の両端部を下部基台59と上部基台63に枢結し、他方のリンク部材69の両端部を下部基台59と上部基台63に枢結且つ前後方向に摺動自在に設けている。このため、2本のリンク部材69が倒伏動すると、リンク機構67が縮小、伸長動してシザースリンク機構61が上下方向に伸縮動する。
【0021】
接地用パンタグラフ65は上部基台63上に取り付けられた基台71と、この基台71に上下方向に揺動自在に設けられた第1アーム73と、第1アーム73の先端部に上下方向に揺動自在に設けられた第2アーム75と、第2アーム75の先端部に上下方向に揺動自在に設けられた第3アーム77と、第3アーム77の先端部に取り付けられたスリ板45とを有して屈伸動自在に構成されている。第1アーム73から第3アーム77には図示しないダンパ等を有した押圧機構が設けられており、接地用パンタグラフ65は折り畳んだ状態でロックされ、ロックを解除すると押圧機構により自動的に上方へ屈伸動してスリ板45をトロリ線Tに常に所定の大きさの力で上方へ付勢する。基台71にはスリ板45がトロリ線Tに当接接触しているか否かを判定するために、トロリ線Tからスリ板45に作用する力を検出する荷重検出センサ79が設けられている。尚、荷重検出センサ79の代わりに昇降シリンダの伸長量を検出するストロークセンサを使用することもできる。この場合には、昇降シリンダの伸長量とスリ板45の上下方向の位置関係を予め定めておき、検出された伸長量が所定値を越えていればスリ板45がトロリ線Tに当接接触していると図2に示すコントローラ55が判定するようにする。
【0022】
図2に示すスリ板45には第1接地線81が接続されている。一方、後鉄輪29Rを構成する左右車輪部材82L,82Rには回転ブラシを介して第2及び第3接地線83,84が接続されている。尚、左右車輪部材82L,82Rは左右のレールLR,RR上をそれぞれ転動するが、左右車輪部材82L,82Rの間は絶縁部82aにより電気的に絶縁されている。このため、第2及び第3接地線83,84はそれぞれ左右車輪部材82L,82Rを介して左右のレールLR,RRと電気的に接続された状態にある。第1接地線81には接地切替スイッチ49が設けられており、接地切替スイッチ49を切り替えると第1接地線81が第2又は第3接地線83,84に接続される。この接地切替スイッチ49は接地切替レバー49Lの操作により作動する。
【0023】
スリ板45には第1接地線81とは別個に接続された第1電圧検出線85が接続され、左右車輪部材82L,82Rには回転ブラシを介して第2及び第3電圧検出線86,87が接続されている。第1電圧検出線85と第2及び第3電圧検出線86,87間には電圧検出切替スイッチ88が設けられており、電圧検出切替スイッチ88を切り替えると第1電圧検出線85と第2電圧検出線86又は第3電圧検出線87が接続される。電圧検出切替スイッチ88は接地切替スイッチ49に連動して作動する。即ち、第1接地線81と第2接地線83が接続されるように接地切替スイッチ49が作動すると、第1電圧検出線85と第2電圧検出線86が接続するように電圧検出切替スイッチ88が作動し、第1接地線81と第3接地線84が接続されるように接地切替スイッチ49が作動すると、第1電圧検出線85と第3電圧検出線87が接続するように電圧検出切替スイッチ88が作動し、接地切替スイッチ49が中立状態では接地切替スイッチ49が中立状態になる前の状態に対応した電圧検出切替スイッチ88の状態が保持される。第1電圧検出線85には抵抗89が設けられており、この抵抗89の両端部には抵抗89に電流が流れたときに両端部間の電位差を検出する電圧検出器53が取り付けられている。
【0024】
前鉄輪29Fを構成する左右車輪部材82L,82Rには回転ブラシを介して第1及び第2当接線90,91が接続されている。尚、前鉄輪29Fは後鉄輪29Rと同様な構成であるので、その説明は省略する。また、後鉄輪29Rを構成する左右車輪部材82L,82Rには回転ブラシを介して第3及び第4当接線92,93が接続されている。第1及び第3当接線90,92と第2及び第4当接線91,93間にはこれらを接続又は遮断する第1及び第2当接スイッチ94,95がそれぞれ設けられている。第1及び第2当接スイッチ94,95は当接切替レバー96の操作により作動し、一方の当接スイッチがON作動すると他方の当接スイッチがOFF作動するように構成されている。第3当接線92と第4当接線93には第1及び第2導通チェック検出器51,52が設けられている。第1導通チェック検出器51は前鉄輪29Fと後鉄輪29RがレールLR上に当接している場合に第1当接スイッチ94がON作動すると、前鉄輪29F・後鉄輪29R・レールR・第1及び第3当接線90,92によって閉回路を形成して導通チェック検出器51が導通であることを検出する。導通であることの検出は前鉄輪29F及び後鉄輪29RがレールR上に当接していることを意味する。尚、第2導通チェック検出器52も第1導通チェック検出器51と同様の機能を有するのでその説明は省略する。
【0025】
次に、コントローラ55を説明する。コントローラ55は作動制御回路97と当接接触判定回路98と作動規制回路99と鉄輪当接判定回路100と電圧判定回路101とを有して構成されている。作動制御回路97はブーム操作装置27や接地操作装置43の操作信号に基づいて旋回モータ15・起伏シリンダ21・伸縮シリンダ19・昇降シリンダ35の作動を制御する作動制御バルブ37の作動をコントロールする。当接接触判定回路98は荷重検出センサ79からの荷重値が所定値を越えている場合にスリ板5がトロリ線Tに当接接触している旨の判定をし、その結果を作動規制回路99に送る。鉄輪当接判定回路100は第1又は第2導通チェック検出器51,52が導通である旨の検出値を出力している場合に前鉄輪29F及び後鉄輪29RがレールR上に当接していると判定し、その結果を作動規制回路99に送る。
【0026】
電圧判定回路101は電圧検出器53により検出された電圧値が所定値(通常は0V)を越えているか否かを判定し、その結果を作動規制回路99に送る。作動規制回路99は、▲1▼PTO切替スイッチ22が操作されてエンジンの駆動力が取り出されている状態から伸縮ブーム17が起仰動する前にスリ板45がトロリ線Tに当接している旨の当接接触判定回路98の判定結果を受け取っていない状態のとき、▲2▼PTO切替スイッチ22が操作されてエンジンの駆動力が取り出されている状態で前鉄輪29F及び後鉄輪29RがレールR上に当接している旨の鉄輪当接判定回路98の判定結果を受け取った場合に、電圧判定回路101が所定値を越えている旨の判定結果を受け取ったとき、▲3▼PTO切替スイッチ22が操作されてエンジンの駆動力が取り出されている状態で当接接触判定回路98によりスリ板45がトロリ線Tに当接している旨の判定結果を受け取った場合に電圧判定回路101が所定値を越えている旨の判定結果を受け取ったときには、作業台25をトロリ線T側へ上昇させる方向の起伏シリンダ21と伸縮シリンダ19に接続された作動制御バルブ37,37の作動を規制する。
【0027】
尚、コントローラ55には作動制御バルブ37、ブーム操作装置27、接地操作装置43、荷重検出センサ79、作動規制解除スイッチ38、PTO切替スイッチ22が電気的に接続されている。作動規制解除スイッチ38は作動規制回路99による作業台25の上昇移動規制を解除したいときに操作する。
【0028】
次に、本発明の軌陸高所作業車1の作用を説明する。最初に、図1に示す車体3上に作業台25を格納し、接地用パンタグラフ65を基台71上に格納しシザースリンク機構61を縮小させて、接地装置41を下部基板59上に格納する。そして、道路上に接地した道路走行用の後輪9を回転駆動させて作業現場に近い踏切まで軌陸高所作業車1を移動させる。そして、車両をレールR上に載置し、鉄輪保持フレーム31を支持フレーム33に対して張出して鉄輪29をレールR上に当接させ、道路走行用の前輪7と後輪9をレールRから上方へ離反した状態にする。そして、鉄輪29を回転駆動させて車両がレールRに沿って作業現場まで移動する。
【0029】
車両が作業現場に到着すると、作業者は切替スイッチ22を切り替えてエンジンの駆動力を取り出して伸縮ブーム17が作動できる状態にした後に、作業者が運転キャビン5から降り車体3を経由して作業台25に搭乗する。そして、接地切替レバー49Lを操作して接地切替スイッチ49を中立状態にしてスリ板45と後鉄輪29R間の電気的接続を遮断する。そして、作業者が当接切替レバー96を操作して第1当接スイッチ94をON作動させ、第1及び第3当接線90,92を接続させる。第1及び第3当接線90,92が接続されると第1導通チェック検出器51が導通である旨の導通信号を出力し、この導通信号が鉄輪当接判定回路100に送られる。鉄輪当接判定回路100は導通信号に基づいて前鉄輪29F及び後鉄輪29RがレールLR上に当接している旨の判定をし、その結果を作動規制回路99に送る。
【0030】
そして、作業者は接地切替レバー49Lを操作して接地切替スイッチ49を作動させ第1接地線81と第2接地線83とを接続させる。これと同時に第1当接スイッチ94がOFF作動して第1当接線90と第3当接線92とを遮断する。これにより、第1導通チェック検出器51に大電流が流れる虞を防止して、第1導通チェック検出器51を保護することができる。また、接地切替スイッチ49が作動すると電圧検出切替スイッチ88が作動して第1電圧検出線85と第2電圧検出線86が接続され、スリ板45と後鉄輪29R間が電気的に繋がる。
【0031】
そして、作業者は接地操作装置43を操作して昇降シリンダ35を伸長作動させるとともに図1に示す接地用パンタグラフ65を屈伸動させて、スリ板45を上方へ移動させトロリ線Tに当接接触させる。これと同時に、荷重検出センサ79がトロリ線Tからスリ板45に作用する力の大きさを検出し、この検出値が当接接触判定回路98に送られ、この検出値に基づいて当接接触判定回路98は検出値が所定値を越えている旨の判定し、その結果を作動規制回路99に送る。尚、荷重検出センサ79の代わりにストロークセンサを使用する場合には、ストロークセンサのストローク値が当接接触判定回路98に送られ、当接接触判定回路98はこのストローク値が所定値を越えている旨の判定し、その結果を作動規制回路99に送る。
【0032】
ここで、電圧検出器53により検出された検出電圧値は電圧判定回路101に送られ、電圧判定回路101が所定値との大きさの比較を行ない、検出電圧値が所定値を越えている旨の判定をすると、その判定結果が作動規制回路99に送られる。当接接触判定回路98の当接判定結果と鉄輪当接判定回路100の当接判定結果と電圧判定回路101の検出電圧値が所定値を越えた判定結果に基づいて、作動規制回路99が起伏シリンダ21を伸長作動させる作動制御弁37の作動を規制する。
【0033】
当接接触判定回路98が当接判定をし、且つ鉄輪当接判定回路100が当接判定をしていれば、通常はトロリ線Tに残留する電荷は第1接地線81と第2接地線83を通ってレールLRに流れ込む。しかしながら、第1接地線81と第2接地線83が接触不良であったり第2接地線83が後鉄輪29Rに接触不良である場合には、トロリ線Tと後鉄輪29R間の電気的接続が不十分となりトロリ線Tに残留電荷が残る。作業者がこのような状態を知らずに作業台25で作業を行なうと感電する虞があるので、第1及び第2接地線81,83と並列に抵抗89を有した第1及び第2電圧検出線85,86を設け、この抵抗89間の電圧を電圧検出器53が検出することでトロリ線Tに残留する残留電圧を検出することができる。残留電圧が存在すれば作動規制回路99は伸縮シリンダ19や起伏シリンダ21の伸長作動を規制する。このため、電圧検出器53により残留電圧を検出することで、接触不良によるトロリ線Tの残留電圧を検出することができ、作業者の感電を未然に防止することができる。
【0034】
また、作業台25が車体3に格納された状態で、作業者がスリ板45をトロリ線Tに当接接触させたが、接地切替レバー49Lの操作を忘れてスリ板45と後鉄輪29R間を電気的に接続しない状態にした場合には、当接接触判定回路98が当接判定をし、電圧判定回路101により検出電圧値が所定値を越えた旨の判定をし、これらの判定結果に基づいて作動規制回路99が伸縮シリンダ19や起伏シリンダ21を伸長作動させる作動制御弁37の作動を規制する。
【0035】
このため、作業者が除電作業を誤っても、電圧検出器53が残留電圧を検出し作動規制回路99が伸縮ブーム17の起仰動を規制するので、作業者の感電を確実に防止することができる。
【0036】
更に、作業台25が車体3に格納された状態で、接地操作装置43によりスリ板45をトロリ線Tに当接させる操作を作業者が忘れた状態で、ブーム操作装置27を操作して伸縮ブーム17を起仰動させようとした場合、当接接触判定回路98による当接していない旨の判定結果に基づいて作動規制回路99が起伏シリンダ21を伸長作動させる作動制御弁37の作動を規制する。即ち、スリ板45をトロリ線Tに当接させる作業は除電作業において最も重要な作業の一つであるので、伸縮ブーム17を作動させる前に除電作業が行なわれていない場合には、作動規制回路99が伸縮ブーム17の起仰作動を規制する。このため、作業者の感電を未然に防止することができる。
【0037】
次に、車両を別の作業現場(トロリ線Tに電力供給がない停電区間)に移動させた場合の軌陸高所作業車1の作用を説明する。トロリ線Tに電力供給がなくトロリ線Tに残留電荷が存在する可能性がない停電区間では、作業者が感電する虞はないので、作業者は作動規制解除スイッチ38を操作して作動規制回路99の作動を規制する。その結果、除電作業を行なう必要がないにも係わらず作業台25の移動が規制される事態を防止することができ、作業全体の作業効率の低下を防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明による作業車の軌道作業車によれば、判定手段により接触部材がトロリ線に当接接触していると判定されない場合には、作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動をアクチュエータ作動規制手段が規制することで、接触部材をトロリ線に当接接触させる除電作業を行なわなければ作業をすることができないので、作業者の感電する虞を未然に防止することができる。
【0039】
本発明ではさらに、判定手段を押圧機構と荷重検出手段とから構成して荷重検出手段により検出された力が所定値を越えているときに接触部材がトロリ線と当接接触していると判定するように構成したり、判定手段を接触部材がトロリ線と当接接触する位置にあるか否かを判定する位置判定手段から構成して位置判定手段により接触部材がトロリ線と当接接触する位置にあると判定されたときに接触部材がトロリ線と当接接触していると判定するように構成したりしている。これにより、トロリ線の高さが変更した区域に軌道作業車が置かれても接触部材の当接接触の判定を確実に行なうことができる。
【0040】
更に、車輪当接判定手段が軌道走行用車輪のレール上の当接を判定している状態で検出電圧値が所定値を越えている場合、判定手段により接触部材がトロリ線へ当接していると判定している状態で検出電圧値が所定値を越えている場合、の少なくともいずれかの場合に、アクチュエータ作動規制手段が作業装置をトロリ線側へ接近させる方向へのアクチュエータの作動を規制するのが好ましい。これにより、接地回路が接触部材な状態であったり作業者が除電作業を誤ったりしても電圧検出手段がトロリ線の残留電荷を検出しアクチュエータ作動規制手段がアクチュエータの作動を規制するので、作業者の感電を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における軌道高所作業車の正面図を示す。
【図2】 本発明の一実施の形態における軌道高所作業車の感電防止装置の全体構成図を示す。
【符号の説明】
1 軌道高所作業車(軌道作業車)
3 車体
17 伸縮ブーム(作業装置)
19 伸縮シリンダ(アクチュエータ)
21 起伏シリンダ(アクチュエータ)
25 作業台(作業装置)
29 鉄輪(軌道走行用車輪)
45 スリ板(接触部材)
49 接地切替スイッチ(接地回路)
51 第1導通チェック検出器(車輪当接判定手段)
52 第2導通チェック検出器(車輪当接判定手段)
53 電圧検出器(電圧検出手段)
81 第1接地線(接地回路)
83 第2接地線(接地回路)
84 第3接地線(接地回路)
85 第1電圧検出線(検出回路)
86 第2電圧検出線(検出回路)
87 第3電圧検出線(検出回路)
88 電圧検出切替スイッチ(検出回路)
98 当接接触判定回路(位置判定手段、当接接触判定手段)
99 作動規制回路(アクチュエータ作動規制手段)
100 鉄輪当接判定回路(車輪当接判定手段)
R レール
T トロリ線
Claims (3)
- 電車軌道用のレール及びこのレールの上方に配設された電力供給用のトロリ線を有してなる電車軌道を走行する軌道作業車であって、
前記レール上を走行する導電材料製の軌道走行用車輪を有した軌道走行車両と、
前記軌道走行車両の車体上に昇降動自在に設けられた作業装置と、
前記作業装置を昇降動させるアクチュエータと、
前記車体上若しくは前記作業装置上に昇降動自在に設けられ、前記トロリ線と当接接触可能で導電性を有する接触部材と、
前記接触部材と前記軌道走行用車輪とを電気的に接続する接地回路と、
前記接触部材が前記トロリ線に当接接触しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記接触部材が前記トロリ線に当接接触していると判定されない限り、前記作業装置を前記トロリ線側へ接近させる方向への前記アクチュエータの作動を規制するアクチュエータ作動規制手段とを有し、
前記判定手段が、前記接触部材を前記トロリ線に押圧して当接接触させる押圧機構と、前記接触部材が前記トロリ線から受ける力を検出する荷重検出手段とから構成され、前記荷重検出手段により検出された力が所定値を越えているときに、前記接触部材が前記トロリ線と当接接触していると判定するように構成されていることを特徴とする軌道作業車。 - 電車軌道用のレール及びこのレールの上方に配設された電力供給用のトロリ線を有してなる電車軌道を走行する軌道作業車であって、
前記レール上を走行する導電材料製の軌道走行用車輪を有した軌道走行車両と、
前記軌道走行車両の車体上に昇降動自在に設けられた作業装置と、
前記作業装置を昇降動させるアクチュエータと、
前記車体上若しくは前記作業装置上に昇降動自在に設けられ、前記トロリ線と当接接触可能で導電性を有する接触部材と、
前記接触部材と前記軌道走行用車輪とを電気的に接続する接地回路と、
前記接触部材が前記トロリ線に当接接触しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記接触部材が前記トロリ線に当接接触していると判定されない限り、前記作業装置を前記トロリ線側へ接近させる方向への前記アクチュエータの作動を規制するアクチュエータ作動規制手段とを有し、
前記判定手段が、前記接触部材の昇降移動位置を検出して前記接触部材が前記トロリ線と当接接触する位置にあるか否かを判定する位置判定手段から構成され、前記位置判定手段により前記接触部材が前記トロリ線と当接接触する位置にあると判定されたときに、前記接触部材が前記トロリ線と当接接触していると判定するように構成されていることを特徴とする軌道作業車。 - 前記接触部材及び前記軌道走行用車輪間を前記接地回路と並列に電気的に接続された検出回路と、前記検出回路に設けられ前記接触部材及び前記軌道走行用車輪間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記軌道走行用車輪が前記レール上に当接しているか否かを判定する車輪当接判定手段とを有し、
前記車輪当接判定手段により前記軌道走行用車輪が前記レール上に当接していると判定されている状態で前記電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、および前記判定手段により前記接触部材が前記トロリ線に当接接触していると判定している状態で前記電圧検出手段により検出された電圧値が所定値を越えている場合、の少なくともいずれかの場合には、前記作業装置を前記トロリ線側へ接近させる方向への前記アクチュエータの作動を前記アクチュエータ作動規制手段が規制することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の軌道作業車。
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