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JP3973431B2 - 耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具 - Google Patents
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JP3973431B2 - 耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具 - Google Patents

耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜で被覆されている、耐汚染性、汚染除去性、および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来の一般的な上塗り用光硬化性樹脂組成物(塗料)の被膜が形成された塗膜付き木質建材または木質家具は、その塗膜表面が油性マジックインキ(R)等で汚染された場合、ウエスで空拭きしても汚れが落ちない。また、その汚れが落ちても一過性で継続性がないという問題、すなわち塗装してから一定期間は汚染除去性能が良好であるが、時間がたてば汚染除去が不可能になるという問題を有していた。
【0003】
一方、従来より、汚染除去性に優れた被膜を形成することができる塗料として、シリコーン系光硬化性塗料組成物がある。しかしながら、このシリコーン系光硬化性塗料組成物は、スプレーやフローコーターによる塗装方法では、表面平滑性に優れた被膜を形成し難いという問題があるため、木質建材または木質家具に用いるのは困難であった。
【0004】
したがって、耐汚染性、汚染除去性に優れるとともに、表面平滑性に優れる被膜が形成された木質建材または木質家具の出現が望まれている。
なお、特開平10−204127号公報には、特定のフルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを必須の構成成分とする水酸基含有フッ素共重合体に不飽和酸クロライドを反応させることにより、硬質で接着性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性、耐熱性に優れた塗膜を形成し得る含フッ素共重合体が開示されている。
【0005】
また、特開平11−171933号公報には、特定のフルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを必須の構成成分とする含フッ素共重合体は、保存安定性に優れ、硬質で耐汚染性、耐薬品性、耐候性、耐熱性に優れた塗膜を形成し得ることが開示されている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、耐汚染性、汚染除去性に優れるとともに、表面平滑性に優れた塗膜で被覆されている塗膜付き木質建材または木質家具を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係る耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具は、
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)フッ素含有オレフィンから誘導される成分単位(b1)、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導される成分単位(b2)、および水酸基含有不飽和エーテルから誘導される成分単位(b3)を含有する共重合体(1)と、不飽和イソシアネート(2)との反応により形成され、重合性不飽和基を含有する光硬化性フッ素含有樹脂と、
(C)光重合開始剤と
を含有する光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜で木質建材または木質家具表面が被覆されていることを特徴とする。
【0008】
前記光硬化性樹脂組成物が、さらに、(D)(メタ)アクリレート系モノマーを含有している光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
前記木質建材が、床材であることが好ましい。
また、前記木質建材が、壁材であることも好ましい。
さらに、前記木質建材が、カウンターテーブル材であることが望ましい。
【0009】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜で被覆された塗膜付き木質建材または木質家具について具体的に説明する。
〔塗膜付き木質建材または木質家具〕
本発明に係る塗膜付き木質建材または木質家具は、後述する光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜で木質建材または木質家具表面が被覆されてなる。このような木質建材としては、具体的には、床材(フローリング材)、壁材、カウンターテーブル材、天井材、ドア材等が挙げられる。本発明の木質建材としては、床材(フローリング材)、壁材、カウンターテーブル材を用いることが好ましい。
【0010】
このような塗膜の膜厚は、その用途によって異なるため、特に限定されないが、塗膜が木質建材表面に形成される場合には、5〜300μm、好ましくは10〜250μmであることが望ましく、木質家具表面に形成される場合には、5〜300μm、好ましくは50〜200μmであることが望ましい。さらに、上記木質建材が床材(フローリング材)である場合にはその塗膜の膜厚は、5〜300μm、好ましくは10〜200μmが望ましく、壁材である場合には5〜100μm、好ましくは10〜70μmであることが望ましい。本発明の塗膜付き木質建材または塗膜付き木質家具は、後述する光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜により木質建材または木質家具の表面が上記範囲で被覆されているため、耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた特性を有する。
【0011】
塗膜付き木質建材または木質家具の調製方法
本発明に係る塗膜付き木質建材、または塗膜付き木質家具は、後述する光硬化性樹脂組成物を光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜で木質建材表面または木質家具表面を被覆することにより調製される。
具体的には、木質建材または木質家具表面に、予め着色処理および/または目止め処理を施した後、その表面に下塗り塗膜、中塗り塗膜を順に形成し、さらにその上に光硬化性樹脂組成物からなる上塗り塗膜を形成する。また、上記着色処理の補正として着色塗膜により着色することもでき、具体的には、下塗り塗膜から上塗り塗膜の間で着色塗膜を形成させる。またさらに、光硬化性樹脂組成物の塗装前に、着色塗膜の上に、柄付けのために印刷を行なってもよい。
【0012】
これらの塗料の塗装方法としては、たとえばフローコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、ローラー塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法などが挙げられ、自動化してもよく、手動にて塗装してもよい。このような塗料の塗装は、ゴムないしスポンジロールコーター、スプレー、フローコーター、バキュームコーターなどの塗装機を用いて行なわれる。これらの塗装機は、一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
【0013】
上記下塗り塗膜を形成する下塗り用塗料としては、アクリルラッカー、酸硬化アミノアルキド樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂系紫外線硬化型塗料、エポキシアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、ウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、エステルアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料等が挙げられ、
上記中塗り塗膜を形成する中塗り用塗料としては、アクリルラッカー、ポリウレタン樹脂塗料、ウレタンポリエステル樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂系紫外線硬化型塗料、エポキシアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、ウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、エステルアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料等が挙げられる。
【0014】
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物を上塗り塗料として用いる場合、下塗り用塗料としてはウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、中塗り用塗料としてはウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料、またはエポキシアクリレート樹脂系紫外線硬化型塗料を用いることが好ましい。
また、光硬化性樹脂組成物の塗布量は、その用途によって異なるため、特に限定されないが、木質建材に塗布する場合には、ウェット状態で通常3〜100g/m2、好ましくは8〜70g/m2が望ましく、木質家具に塗布する場合には、ウェット状態で通常3〜150g/m2、好ましくは5〜100g/m2であることが望ましい。さらに、上記木質建材が床材(フローリング材)である場合には、光硬化性樹脂組成物の塗布量は、ウェット状態で通常5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2であることが望ましく、壁材に用いる場合、ウェット状態で通常3〜100g/m2、好ましくは5〜70g/m2であることが望ましい。
【0015】
この光硬化性樹脂組成物の塗装回数は、特に制限はなく、一回または二回以上でもよい。
上記のようにして木質建材または木質家具の表面に塗布された光硬化性樹脂組成物の塗布面に、電子線または光、好ましくは光を照射してウェット状態の塗膜を硬化させることにより、汚染除去性に優れるとともに、表面平滑性に優れた硬化塗膜(被膜)が形成された塗膜付き木質建材または木質家具が得られる。
【0016】
この電子線照射は、従来公知の照射方法により行なうことができる。たとえば200kV、3〜10Mradの条件で電子線照射して塗膜を硬化させる。
また、光照射の光は、紫外線または可視光線であり、光照射は、従来公知の照射方法により行なうことができる。たとえば高圧水銀ランプは、80〜120W/cm1灯で、ベルトスピードは5〜20m/分であり、灯数を増すことにより、ベルトスピードを早くすることができる。また、W/cmの能力を増すことにより、ベルトスピードを早くすることができる。
【0017】
本発明においては、光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜は、上塗り塗膜であることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で、その塗膜表面にさらに別の塗膜を形成することもできる。
本発明に係る塗膜付き木質建材または木質家具は、上記のような方法により光硬化性樹脂組成物から形成される被膜(塗膜)で木質建材または木質家具表面が被覆された塗膜付き木質建材または木質家具である。
【0018】
上記塗膜を形成する光硬化性樹脂組成物について具体的に説明する。
光硬化性樹脂組成物
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物は、
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)光硬化性フッ素含有樹脂と、
(C)光重合開始剤と、必要に応じ、
(D)(メタ)アクリレート系モノマー
を含有してなり、着色塗膜または透明被膜を形成し得る組成物である。
【0019】
このような光硬化性樹脂組成物には、さらに溶剤を含有させることもできるが、本発明においては、該組成物は実質的に溶剤を含有していないことが特に好ましい。このような実質的に溶剤を含有しない光硬化性樹脂組成物によれば、より安全に塗装作業を行うことができ、さらに、耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性により優れた被膜(塗膜)で表面が被覆された塗膜付き木質建材または木質家具を得ることができる。またさらに、実質的に溶剤を含有しない光硬化性樹脂組成物から得られる塗膜付き木質建材または木質家具は、それらから溶剤が揮散することがないため住宅環境を汚染することがなく、人体に対する安全性が高い。
【0020】
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)
本発明で用いられる光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)としては、従来より公知の光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂を使用することができ、脂肪族、芳香族のいずれの(メタ)アクリレート系化合物からなる樹脂でもよい。
本発明で用いられる光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)は、1分子中に2個以上のアクリロイル基(CH2=CH−CO−)またはメタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)を有する光硬化性(メタ)アクリレート系モノマーを重合して得られる樹脂である。
【0021】
このような光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)の具体例としては、たとえばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどの光硬化性(メタ)アクリレート系モノマーを重合して得られる樹脂が挙げられる。
これらの光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0022】
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)を構成するエポキシ(メタ)アクリレートは、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシアクリレート、
ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシアクリレート、
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシアクリレート、
フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシアクリレート
などが挙げられる。
【0023】
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)を構成するウレタン(メタ)アクリレートは、たとえばジイソシアネート類とポリオール類とヒドロキシアクリレート類とを反応させることによって得られ、分子中に官能基としてアクリロイル基(CH2=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)と、ウレタン結合(−NH・COO−)とを有する。
【0024】
ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられるジイソシアネート類としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)[HMDI]、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]、キシリレンジイソシアネート[XDI]などが挙げられる。
【0025】
ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられるポリオール類としては、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられるヒドロキシアクリレート類としては、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート[HEA]、2-ヒドロキシエチルメタクリレート[HEMA]、2-ヒドロキシプロピルアクリレート[HPA]、グリシドールジメタクリレート[GDMA]、ペンタエリスリトールトリアクリレート[PETA]、ポリカプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0026】
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)を構成するポリエステル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、無水フタル酸とプロピレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、トリメリット酸とジエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0027】
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)を構成するポリエーテル(メタ)アクリレートは、たとえば1,2,6-ヘキサントリオール等のポリオールを、塩基性または酸性触媒(BF3 、NaOH)の存在下に、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドと反応させ、次いで、得られたポリエーテルと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより合成される。
【0028】
上記のような光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)は、光硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、15〜75重量部、好ましくは20〜65重量部、さらに好ましくは25〜55重量部の割合で用いられる。
光硬化性フッ素含有樹脂(B)
本発明で用いられる光硬化性フッ素含有樹脂(B)は、フッ素含有オレフィンから誘導される成分単位(b1)、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導される成分単位(b2)、および水酸基含有不飽和エーテルから誘導される成分単位(b3)を含有する共重合体(1)と、不飽和イソシアネート(2)とから形成され、重合性不飽和基(二重結合)を含有している。
【0029】
この共重合体(1)において、上記成分単位(b1)を誘導させることができるフッ素含有オレフィンとしては、分子中に少なくとも1個のフッ素原子を有するオレフィンであって、具体的には、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。
【0030】
これらのフッ素含有オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。このような組み合わせとしては、たとえばフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの組み合わせが好ましく、フッ化ビニリデン(VDF)とテトラフルオロエチレン(TFE)との配合比率(VDF/TFE)は、好ましくは0.05/1〜2.0、さらに好ましくは0.1/1〜1.5/1である。
【0031】
また、上記成分単位(b2)を誘導させることができる重合性不飽和基含有シリコーンとしては、一般式[I]または[II]で表わされる反応性シリコーンオイルが好ましく用いられる。
1−[Si(CH32−O]n−Si(CH32−R2 ・・・[I]
一般式[I]において、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ビニル基、または−(CH2)r−O−CO−(CH3)C=CH2 を表わす。またR2は、ビニル基、または−(CH2)r−O−CO−(CH3)C=CH2 を表わす。nは1〜420であり、rは1〜6である。
【0032】
CH2=CH(CH2m−O−R3−OH ・・・[II]
一般式[II]におけるR3は、上記一般式[I]におけるR2と同じである。
これらの一般式で示される反応性シリコーンオイルとしては、たとえば片末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサン、片末端がアクリル変性されたポリジメチルシロキサン、両末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらシリコーンの数平均分子量(Mn)は、200〜30,000の範囲内にあることが好ましい。
【0033】
これらのシリコーンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記成分単位(b3)を誘導させることができる水酸基含有不飽和エーテルとしては、具体的には、
ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール等のアルキルビニルエーテル類;
エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、n-プロピルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシブチル等のアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル等のメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
【0034】
これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記共重合体(1)は、上記成分単位(b1)、(b2)および(b3)の他に、他の共重合可能な単量体から誘導される成分単位を、本発明の目的を損なわない範囲で含ませることができる。このような他の共重合可能な単量体としては、たとえばエチレン、プロピレン等のオレフィン類などが挙げられる。
【0035】
共重合体(1)における上記成分単位(b1)の含有量は、通常15〜85モル%、好ましくは30〜80モル%であり、上記成分単位(b2)の含有量は、通常0.001〜30モル%、好ましくは0.005〜25モル%であり、上記成分単位(b3)の含有量は、通常1〜50モル%である。
上記のような成分単位(b1)、成分単位(b2)および成分単位(b3)を含有する共重合体(1)は、これらの成分単位を誘導することができる各単量体を所定割合で混合し、重合開始剤を用いて共重合させることにより調製することができる。
【0036】
上記重合開始剤としては、具体的には、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジn-プロピルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
【0037】
これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合反応条件等に応じて適宜選ばれるが、通常は、使用する単量体全量に対して、0.005〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲内で選ばれる。
上記の重合方法については、特に制限はなく、たとえば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを採用することができるが、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン等を溶媒として用いる溶液重合法や、水性溶媒中での乳化重合法が好ましい。
【0038】
上記不飽和イソシアネート(2)としては、具体的には、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、4-イソシアネートブチルメタクリレート、4-イソシアネートブチルアクリレート、不飽和モノアルコール1モルとジイソシアネート化合物1モルとの反応生成物、不飽和モノアルコール2モルとトリイソシアネート化合物1モルとの反応生成物などが挙げられる。
【0039】
上記不飽和モノアルコールとしては、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、アリルアルコールなどが挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0040】
上記トリイソシアネート化合物としては、具体的には、イソシアヌレート結合HDI、イソシアヌレート結合IPDI、TMP変性HDI、TMP変性IPDIなどが挙げられる。
本発明で用いられる光硬化性フッ素含有樹脂(B)は、上記のような共重合体(1)と不飽和イソシアネート(2)とを反応させることにより得られる。
【0041】
この反応は、特に限定されるものではないが、共重合体(1)を溶媒に溶解した溶液に、不飽和イソシアネート(2)を滴下しながら加え、撹拌下に行なうことが好ましい。
また、共重合体(1)と不飽和イソシアネート(2)との反応割合は、イソシアネート基/水酸基の比で、0.1〜1の範囲内で選ばれる。
【0042】
反応温度は、通常10〜130℃、好ましくは25〜85℃である。
反応に使用する溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、キシレン等の芳香族炭化水素類などが好ましい。
反応触媒としてジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物を使用することが好ましい。
【0043】
本発明に用いられる光硬化性フッ素含有樹脂(B)は、光照射による硬化が可能であるため、短時間で硬化を完了させることができる。
光硬化性フッ素含有樹脂(B)(固形分)は、光硬化性樹脂組成物全体(固形分)100重量部に対して、1〜25重量部、好ましくは4〜20重量部、さらに好ましくは7〜15重量部の割合で用いられる。
【0044】
また、光硬化性フッ素含有樹脂(B)は、塗膜を形成する該樹脂(B)単独、または該樹脂(B)を溶剤または(メタ)アクリレート系モノマーに溶解させた状態で光硬化性樹脂組成物に配合されるが、本発明においては、塗膜を形成する該樹脂(B)を溶剤または(メタ)アクリレート系モノマーに溶解させた状態で用いることが好ましい。
【0045】
光硬化性フッ素含有樹脂(B)を上記割合で用いると、汚染除去性に優れるとともに、スプレー、フローコーターまたはロールコーターによる塗装方法を採用しても表面平滑性に優れる被膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を得ることができる。
光重合開始剤(C)
本発明で用いられる光重合開始剤(C)としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンジルジメチルケタール(別名、2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフェノン)、ジエトキシアセトフェノン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル- ジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル- トリクロロアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2- ヒドロキシ-2- メチルプロパン-1- オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2- ヒドロキシ-2- メチルプロパン-1- オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)- フェニル(2-ヒドロキシ-2- プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2- モルホリノプロパン-1等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3'- ジメチル-4- メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2-クロルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。中でも、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましく用いられる。
【0046】
上記のような光重合開始剤(C)は、光硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部の割合で用いられる。
(メタ)アクリレート系モノマー(D)
本発明で必要に応じて用いられる(メタ)アクリレート系モノマー(D)としては、具体的には、アクリレート、メタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2(2- エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
【0047】
上記のような(メタ)アクリレート系モノマー(D)は、反応性希釈剤として1種単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
(メタ)アクリレート系モノマー(D)は、必要に応じて、光硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、通常5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部、さらに好ましくは15〜25重量部の割合で用いられる。
【0048】
その他の成分
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物中に、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)、光硬化性フッ素含有樹脂(B)、光重合開始剤(C)および(メタ)アクリレート系モノマー(D)の他に、必要に応じて、重合禁止剤、非反応性希釈剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。このように、光硬化性樹脂組成物にはさらに非反応性希釈剤(溶剤)を配合することもできる。しかしながら、上述のように、本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物は、実質的に溶剤を含有しないことが特に好ましいため、その場合、非反応性希釈剤(溶剤)は該組成物中に実質的に配合されない。
【0049】
光硬化性樹脂組成物の調製
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物は、上記の諸成分を従来より公知の混合機、分散機、撹拌機等の装置を用い、混合・撹拌することにより得られる。このような装置としては、たとえば混合・分散ミル、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザーなどが挙げられる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、耐汚染性、汚染除去性に優れ、青インク、油性マジックインキ(R)等で、その表面が汚染された場合でも、その汚れを容易に落とすことができ、しかも、表面平滑性に優れる塗膜で被覆された塗膜付き木質建材または塗膜付き木質家具を得ることができる。
【0051】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における仕上がり外観(表面平滑性)、塗膜の付着性および汚染除去性(A)、(B)の評価は、次の方法に従って行なった。
(1)仕上がり外観(表面平滑性)
床材の表面に形成された塗膜を目視にて観察し、塗膜のハジキと透明性で3段階評価した。
【0052】
<3段階評価>
3・・・ 塗膜の波打ちが無く、平滑である。(合格)
2・・・ 僅かに塗膜の波打ちがある。(不合格)
1・・・ 大きな塗膜のうねりがある。(不合格)
(2)塗膜の付着性
塗膜の付着性は、JIS K 5400に基づき、碁盤目試験(2mm幅の碁盤目、セロテープ(R)剥離試験)を行ない、塗膜の残存マス目の数で3段階評価した。
【0053】
<3段階評価>
3・・・ 残存マス目が98〜100個(合格)
2・・・ 残存マス目が90〜97個(不合格)
1・・・ 残存マス目が89個以下(不合格)
(3)汚染除去性(A)
木材表面に形成された塗膜表面を、黒マジック、赤マジック、赤クレヨン、青インキで汚し、その4時間後、24時間後に、水またはJASラッカーシンナーで拭き取って、その表面を目視観察し、汚染除去性を3段階評価した。
【0054】
<3段階評価>
3・・・ 汚れ無し。(合格)
2・・・ 僅かな汚れあり。(合格)
1・・・ 汚れあり。(不合格)
(4)汚染除去性(B)
木材表面に形成された塗膜表面を、黒マジックで汚し、その10秒後にウエスで空拭きをする。この操作を同一箇所にて繰り返し行ない、黒マジックの跡が残るまでの回数で、汚染除去性を3段階評価した。
【0055】
<3段階評価>
3・・・ 10回以上黒マジックを拭き取りできる。(合格)
2・・・ 1〜10回の間で黒マジックの跡が残る。(不合格)
1・・・ 1回で黒マジックの跡が残る。(不合格)
また、実施例、比較例で用いた樹脂組成物の各成分については、次の通りである。
ウレタンアクリレート樹脂(光硬化性)
(1) カヤラッドARC−87(商品名);
日本化薬(株)製のウレタンアクリレート樹脂
(2) カヤラッドDPR047N(商品名);
日本化薬(株)製のウレタンアクリレート樹脂
フッ素含有アクリレート樹脂(光硬化性)
(1) KD−270UV(商品名);
関東電化工業(株)製
KD−270UV(商品名)中のフッ素含有アクリレート樹脂成分含有量=30重量%
KD−270UV(商品名)中のトルエン含有量=70重量%
樹脂固形分中のフッ素含有量=33重量%
(2) KDFワニスU−MC(無溶剤型)(商品名);
関東電化工業(株)製
KDFワニスU−MC(商品名)中のフッ素含有アクリレート樹脂成分含有量=30重量%
KDFワニスU−MC(商品名)中の1,9-ノナンジオールジアクリレート含有量=70重量%
樹脂固形分中のフッ素含有量=33重量%
(メタ)アクリレート系モノマー
(1) ビームセット770(商品名);
荒川化学工業(株)製のN-ビニルホルムアミド
(2) アロニックスM−400(商品名);
東亞合成(株)製のジペンタエリスリトール ペンタおよびヘキサアクリレート
(3) ビスコート260(商品名);
大阪有機化学工業(株)製の1,9-ノナンジオールジアクリレート
(4) ビスコート295(商品名);
大阪有機化学工業(株)製のトリメチロールプロパントリアクリレート
(5) ニューフロンティアGX−8301S(商品名);
第一工業製薬(株)製のメトキシトリエチレングリコールアクリレート
光重合開始剤
(1) バイキュア−55(商品名);
アクゾ ノーベル(株)製のメチル ベンゾイル ホルメート
(2) イルガキュア−184(商品名);
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
艶消し剤
ミズカシールP−802Y(商品名);
水澤化学工業(株)製の非晶性シリカ
ポリジメチルシロキサン系ウレタンアクリレート樹脂
下記の合成例1により得られたポリジメチルシロキサン系ウレタンアクリレート樹脂。
【0056】
【合成例1】
撹拌装置、温度計および還流冷却管を備えた1リットル容量の反応容器に、KF6003[商品名;信越化学工業(株)製、反応性シリコーンオイル]560重量部、コロネートHX[商品名;日本ポリウレタン製、HDIのイソシアヌレートタイプ)118.2重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)47.6重量部、p-メトキシフェノール(2-ヒドロキシエチルアクリレートの重合禁止剤)0.0508重量部、ジブチル錫ジラウレート(ウレタン反応の触媒)0.145重量部、およびトルエン181.4重量部を仕込んで昇温し、80℃で1時間保持した後、ジブチル錫ジラウレート0.435重量部加えて更に80℃で3時間保持した。得られた樹脂溶液を赤外分光光度計(IR)で分析した結果、NCO吸収ピークが消去していた。
【0057】
得られた樹脂溶液は、不揮発分が80.4重量%であり、東京計器社製E型粘度計により測定した粘度が13,930cPs/25℃の白濁溶液であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)は2,210であり、重量平均分子量(Mw)は11,740であり、かつ、分散比(Mw/Mn)は5.32であった。
【0058】
得られた樹脂は、次のような構造式を有するものと推定される。
【0059】
【化1】
Figure 0003973431
【0060】
式中、Xは、下記式[I]
【0061】
【化2】
Figure 0003973431
【0062】
で表わされるイソシアヌレート構造体の環を形成している3個の窒素原子のうち2個の窒素原子に、それぞれ
−(CH2)6−NH−CO−O−C25OCO−CH=CH2
が結合している基を表わし、Rはプロピル基を表わす。
シリコーン変性アクリレート樹脂
下記の合成例2により得られたシリコーン変性アクリレート樹脂。
【0063】
【合成例2】
撹拌装置、温度計、窒素ガス導入管および還流冷却管を備えた1リットル容量の反応容器に、キシレン190重量部、酢酸ブチル(溶媒)190重量部を仕込んで、窒素ガス雰囲気中で100℃まで昇温した。次いで、この反応容器中に、メタクリル酸メチル(MMA)266重量部、ブチルメタクリレート(BA)19重量部、サイラプレーンTMFM0725[商品名;チッソ(株)製、シリコーンマクロモノマー]38重量部、カレンズMO1[商品名;昭和電工(株)製、NCO基含有アクリルモノマー(CH2=C(CH3)−COO−CH2−CH2−NCO;2-メタクリロキシエチルイソシアネート)]57重量部、およびABN−E[商品名;日本ヒドラジン工業(株)製、2,2'- アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(ラジカル重合開始剤)]15.2重量部からなる混合物を100℃で3時間にわたって滴下し、以下同温度で、滴下終了後30分毎に、ABN−E(商品名)0.38部を4回加えた後、1時間保温した。その後、昇温して120℃で30分保持した後、100℃まで冷却した。更に、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)44.8重量部、酢酸ブチル44.8重量部、p-メトキシフェノール(重合禁止剤)0.0224重量部、およびジブチル錫ジラウレート0.075重量部を加え、100℃で2時間保持した。得られた樹脂溶液を赤外分光光度計(IR)で分析した結果、NCO吸収ピークが消去していた。
【0064】
得られた樹脂溶液は、不揮発分が50.0重量%であり、東京計器社製E型粘度計により測定した粘度が1,870cPs/25℃の半透明溶液であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)は3,700であり、重量平均分子量(Mw)は11,170であり、かつ、分散比(Mw/Mn)は3.02であった。
【0065】
得られた樹脂は、アクリル主鎖に、−NHCO−O(CH2)2OCO−CH=CH2 と−(−Si(CH3)2−O−)n−Si(CH3)2−Rの側鎖を有する構造式を有するものと推定される。
【0066】
【実施例1】
[塗料(樹脂)組成物の調製]
光硬化性(メタ)アクリレート樹脂としてカヤラッドARC−87(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部、光硬化性フッ素含有(メタ)アクリレート樹脂としてKD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)40重量部、(メタ)アクリレート系モノマーとしてビームセット770(商品名;アクリレート系モノマー)10重量部、アロニックスM−400(商品名;アクリレート系モノマー)15重量部、光重合開始剤としてバイキュア−55(商品名)2.5重量部およびイルガキュア−184(商品名)2.5重量部を加え撹拌し、光硬化性塗料組成物を得た。
[塗膜付き木質床材の調製]
まず初めに着色ステインをロールコーターで木質床材に塗布し、80℃×1分乾燥後、その上に下塗りUV塗料[商品名 オーレックスNo.893F、中国塗料(株)製]をロールコーターで塗布してUV硬化させた。次いで、得られた硬化塗膜の上に、中塗りUV塗料[商品名 オーレックスNo.673B、中国塗料(株)製]を同様に塗布、UV硬化させ、上塗り塗料として上記のようにして得られた光硬化性塗料組成物をフローコーターで塗布、UV硬化させて、塗膜付き木質床材を得た。
【0067】
上記のようにして得られた塗膜付き木質床材について、仕上がり外観(表面平滑性)、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0068】
【実施例2】
実施例1において、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)の配合量を35重量部に変更し、かつ、ミズカシールP−802Y(商品名;艶消し剤)5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0069】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0072】
【実施例4】
実施例1において、カヤラッドARC−87(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部の代わりにカヤラッドDPR047N(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部を用い、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)およびビームセット770(商品名;アクリレート系モノマー)の配合量をそれぞれ、30重量部、15重量部に変更し、かつ、アロニックスM−400(商品名;アクリレート系モノマー)15重量部の代わりに、ビスコート260(商品名;アクリレート系モノマー)10重量部およびビスコート295(商品名;アクリレート系モノマー)10重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0073】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0074】
【実施例5】
実施例1において、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)30重量部の代わりに、KDFワニスU−MC(無溶剤型)(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)30重量部を用い、ニューフロンティアGX−8301S(商品名;アクリレート系モノマー)10重量部を追加した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0075】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1のフローコーターでの塗布に代えて、ロールコーターでの塗布に変更した以外は実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0076】
【比較例1】
実施例1において、カヤラッドARC−87(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)、ビームセット770(商品名;アクリレート系モノマー)およびアロニックスM−400(商品名;アクリレート系モノマー)の配合量をそれぞれ40重量部、0重量部、20重量部、30重量部に変更し、かつ、ミズカシールP−802Y(商品名;艶消し剤)5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0077】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0078】
【比較例2】
実施例1において、カヤラッドARC−87(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部の代わりにカヤラッドDPR047N(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部を用い、かつ、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)40重量部の代わりに合成例2により得られたシリコーン変性アクリレート樹脂40重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0079】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0080】
【比較例3】
実施例1において、カヤラッドARC−87(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)30重量部の代わりにカヤラッドDPR047N(商品名;ウレタンアクリレート樹脂)33重量部を用い、KD−270UV(商品名;フッ素含有アクリレート樹脂)40重量部の代わりに合成例1により得られたポリジメチルシロキサン系ウレタンアクリレート樹脂3.5重量部および合成例2により得られたシリコーン変性アクリレート樹脂30重量部を用い、アロニックスM−400(商品名;アクリレート系モノマー)の配合量を10重量部に変更し、かつ、ミズカシールP−802Y(商品名;艶消し剤)5重量部、酢酸ブチル3.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0081】
次いで、得られた塗料組成物を用い、実施例1と同様にして、塗膜付き木質床材を調製し、その仕上がり外観、塗膜の付着性、汚染除去性(A),(B)の評価を、上記した方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0082】
【表1】
Figure 0003973431

Claims (6)

  1. (A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
    (B)フッ素含有オレフィンから誘導される成分単位(b1)、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導される成分単位(b2)、および水酸基含有不飽和エーテルから誘導される成分単位(b3)を含有する共重合体(1)と、不飽和イソシアネート(2)との反応により形成され、重合性不飽和基を含有する硬化性フッ素含有樹脂と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)(メタ)アクリレート系モノマーと、
    を含有する光硬化性塗料用組成物から形成される塗膜で木質建材または木質家具表面が被覆されていることを特徴とする耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
  2. (A)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂およびポリエーテル(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の、1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
    (B)フッ素含有オレフィンから誘導される成分単位(b1)、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導される成分単位(b2)、および水酸基含有不飽和エーテルから誘導される成分単位(b3)を含有する共重合体(1)と、不飽和イソシアネート(2)との反応により形成され、重合性不飽和基を含有する硬化性フッ素含有樹脂と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)(メタ)アクリレート系モノマーと、
    を含有し、
    組成物全体100重量部中、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)が25〜55重量部であり、(メタ)アクリレート系モノマー(D)が5〜40重量部であり、また、
    組成物全体(固形分)100重量部中、光硬化性フッ素含有樹脂(B)(固形分)が1〜25重量部である
    光硬化性塗料用組成物から形成される塗膜で木質建材または木質家具表面が被覆されていることを特徴とする、耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
  3. 塗膜を形成する光硬化性塗料用組成物が、実質的に非反応性希釈剤を含有しないことを
    特徴とする、請求項1または2に記載の耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
  4. 前記木質建材が、床材であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
  5. 前記木質建材が、壁材であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
  6. 前記木質建材が、カウンターテーブル材であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具。
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