JP3975022B2 - 筒状構造物のライニング材除去方法および装置 - Google Patents
筒状構造物のライニング材除去方法および装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、煙突等の筒状構造物を解体あるいは補修するに際して、その内部に内貼りされているライニング材を除去する方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、鉄筋コンクリート造の大規模な煙突の内面には耐火性および断熱性を有するライニング材が内貼りされるが、過去に建設された煙突においてはライニング材として石綿(アスベスト)が多用されていた。
【0003】
近年、石綿の有害性が明らかになったことに伴い、安全なライニング材に貼り替えるために、あるいは既存の煙突を解体するに際して、煙突内面から石綿を除去する必要が生じ、そのような作業を安全かつ効率的に行うための手段が必要とされ、たとえば図4に示すようなライニング材除去装置の開発が進められている。図4に示す除去装置1は、煙突2の上部からその内部に挿入されて吊りフレーム3を介してワイヤー4により吊り支持され、煙突2内面に突っ張るアーム5によって煙突2内の中心部に配置された状態でカッティングヘッド6によりライニング材7を削り落としながら煙突2内を降下する構成のものであり、煙突2外からの遠隔操作により安全かつ効率的な作業を行い得るものである。
【0004】
図5および図6は上記除去装置1におけるカッティングヘッド6の概略構成を示すものである。このカッティングヘッド6は、駆動モータ8により回転させられる上下2枚のフライホイールプレート9の間に3枚のビット10を取り付けた構成とされている。各ビット10は先端にタングステンカーバイドあるいは炭素合金鋼材からなるチップ11が取り付けられた星形をなすもので、大径の取付穴12に取付用のシャフト13が緩挿されることでフライホイールプレート9間において変位自在に装着されており、カッティングヘッド6の回転による遠心力によって径方向外方に自ずと変位してライニング材7に接触しそれを除去するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示しているように煙突2内には横断状態で鉄筋14が設けられている場合がある。その鉄筋14は煙突2を建設する際に型枠のセパレータとして設けられたものがそのまま残されたものであるが、そのような鉄筋14があると上記の除去装置1を降下させることが不可能であるので、それに先立って鉄筋14の切断作業を行い、図5および図6に示すように鉄筋14を切断してから上記の除去装置1によりライニング材7の除去作業を行うようにしている。
【0006】
しかし、鉄筋14を切断除去するといえども完全除去は困難であって、図5および図6に示すようにライニング材7に埋設された部分はそのまま残ってしまうことが通常である。そして、そのような残存鉄筋14aを残したままで上記の除去装置1を用いると、除去装置1が残存鉄筋14aに接触して降下できない場合があるばかりでなく、ビット10が残存鉄筋14aに接触してその周囲のライニング材7を十分に除去できず、また、ビット10が破損したりチップ11が脱落してしまうことが多々あり、その結果、高価なビット10を頻繁に交換しなければならないのでコスト的に不利であるのみならず施工効率も良くないものであった。
【0007】
また、ライニング材7の除去作業を行うに際してはその飛散を防止するためにライニング材7に水を吹きかけて湿潤状態としてから作業を行うことが通常であるが、上記の除去装置1では湿ったライニング材7が2枚のフライホイールプレート9間に入り込んでそこに詰まってしまうことがあり、その場合は各ビット10をフライホイールプレート9間に収納できなくなって煙突2内における除去装置1の昇降に支障を来すことがあった。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、残存鉄筋があっても支障なくライニング材の除去作業を行うことができ、また、除去したライニング材がカッティングヘッドに詰まることも防止し得る有効な除去方法とそのための装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のライニング材除去方法は、煙突等の筒状構造物の内面に内貼りされているライニング材を除去するに際し、前記筒状構造物内を横断する状態で設けられている鉄筋を切断除去した後、該筒状構造物の頂部からその内部にライニング材除去装置を挿入して吊具により吊持し、該除去装置が備えるカッティングヘッドを遠隔操作により作動させて筒状構造物の内面に沿って回転するビットにより前記ライニング材を除去しつつ前記除去装置を降下せしめ、該除去装置が前記鉄筋の設置位置を通過する際には、除去すべきライニング材中に埋設状態で残されている残存鉄筋を前記ビットにより殴打して打ち曲げつつライニング材を除去するものである。
【0010】
請求項2の発明のライニング材除去装置は、請求項1の発明の方法を実施する際に前記筒状構造物の頂部からその内部に挿入されて吊具により吊持されて使用されるものであって、当該除去装置はその下部にカッティングヘッドを有し、該カッティングヘッドはこのカッティングヘッドの回転により筒状構造物の内面に沿って回転して前記ライニング材を除去するとともに前記残存鉄筋を殴打して打ち曲げるビットを有してなるものである。
【0011】
請求項3の発明のライニング材除去装置は、請求項2の発明において、前記ビットは前記カッティングヘッドの下面側に装着され、前記カッティングヘッドの回転による遠心力によって径方向外方に変位してその先端部により前記ライニング材を除去せしめかつ前記残存鉄筋を殴打する構成とされているものである。
【0012】
請求項4の発明のライニング材除去装置は、請求項3の発明において、前記カッティングヘッドには前記ビットの上段側に仕上ビットが装着され、該仕上ビットは前記カッティングヘッドの回転による遠心力によって径方向外側に変位して前記ビットにより除去されずに残されたライニング材を除去せしめる構成とされているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1〜図3は本実施形態の除去装置の要部を示すものであるが、本実施形態の除去装置は図4に示した従来の除去装置1を基本とし、それと同様に煙突2内に吊持されて降下しながらライニング材7を除去するものであるが、従来のカッティングヘッド6に対して改良を加えることで上記の残存鉄筋14aによるビットの損傷を防止し、かつカッティングヘッドへのライニング材7の詰まりを防止するようにしたものである。
【0014】
すなわち、本実施形態の除去装置20におけるカッティングヘッド21は、図1〜図3に示すように、単独のフライホイールプレート22の下面側にビット23および仕上ビット24を装着した構成とされている。
【0015】
上記のビット23は図3に示すようにたとえば厚肉矩形板状の鋼製のもの(いわゆるフラットバータイプのもの)とされていて、これにはその長さ方向に沿う長穴25が設けられ、その長穴25にシャフト26が挿通されることでフライホイールプレート22の下面側に装着されている。このビット23はカッティングヘッド21が回転するとその回転による遠心力によって長穴25の範囲内で自ずと径方向外方に変位し、その先端部によりライニング材7を除去するようになっている。そして、カッティングヘッド21が残存鉄筋14aの位置を通過する際には、そのビット23が残存鉄筋14aを激しくかつ繰り返し殴打して打ち曲げてしまい、これによりその周辺のライニング材7をも支障なく除去できるものとなっている。勿論、このビット23は残存鉄筋14aを打ち曲げることができる十分強度を有しており、このビット23が残存鉄筋14aによって損傷することはない。
【0016】
また、仕上ビット24はたとえば厚肉星形をなす鋼製のもので、その中心部には上記のシャフト26が緩挿する大径の取付穴27が設けられていて、この仕上ビット24もカッティングヘッド21の回転による遠心力によって径方向外側に変位し、先行する上記のビット23では除去できずに残されたわずかなライニング材7をもこの仕上ビット24により完全に除去することができるものとなっている。この仕上ビット24は鋼材の生材あるいは焼き入れされたものであって、図6に示した従来のビット10のようにチップ11を取り付けるようなものではないから、安価であるとともに自ずと長寿命のものである。
【0017】
上記のビット23と仕上ビット24の間には、それらの相互干渉を防止して円滑な作動を確保するためのスペーサ28が介装されている。そのスペーサ28はたとえば略三角形状(おにぎり形)の鋼製のもので、その上下両面には必要に応じて若干の研削加工が施されて双方のビット23,24との間の摩擦抵抗が低減したものとなっており、それらビット23,24の遠心力による変位や回転を拘束しないようになっている。符号29は各スペーサの回転止めとしてそれらに溶接されるストッパとしてのフラットバーである。このように、カッティングヘッド21のフライホイールプレート22の下面側にビット23と仕上ビット24とをスペーサ28を介して重ねて装着したことにより、2枚のフライホイールプレート9の間にビット10を挟み込んだ構成の従来のカッティングヘッド6のようにそれら2枚のフライホイールプレート9の間にアスベスト材7が詰まる余地がなく、したがってビット23や仕上ビット24がカッティングヘッド21の内側に収納不能となって昇降の障害となるようなことがない。
【0018】
なお、ビット23としては上記で例示したような鋼材の生材によるフラットバータイプのものが最適であるが、必ずしもそれに限るものではなく、ライニング材7を除去できるとともに残存鉄筋14aを殴打して打ち曲げることができるものである限りにおいてその形態や材質は変更可能であるし、ライニング材7の詰まりが生じる余地のないように装着する限りにおいてカッティングヘッド21に対する装着の形態も変更可能である。また、そのようなビット23のみによりライニング材7を十分に除去することが可能であるので仕上ビット24は必ずしも併用することはなく、それを省略してビット23のみによる除去作業を行っても良い。あるいは、カッティングヘッド21にまずビット23のみを装着して除去作業を行い、ライニング材7をほぼ除去すると同時に残存鉄筋14aを打ち曲げてしまった後、カッティングヘッド21からビット23を取り外してそれに代えて仕上げビット24を装着し、あらためて仕上げ除去作業を繰り返すことも考えられる。勿論、仕上ビット24としては上記のような鋼材の生材からなる星形ビットを用いることに限るものではないし、スペーサ28の有無や形態は任意であることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明のライニング材除去方法は、除去すべきライニング材中に埋設状態で残されている残存鉄筋をビットにより殴打して打ち曲げつつライニング材を除去するので、残存鉄筋があってもその周囲のライニング材も確実に除去することができ、かつ従来のようにビットが損傷を受けることもない。
【0020】
請求項2の発明のライニング材除去装置は、ビットにより残存鉄筋を殴打して打ち曲げる構成であるから、残存鉄筋の周囲のライニング材を確実に除去でき、勿論ビットが損傷を受けることもなく、上記方法を実施するものとして最適である。
【0021】
請求項3の発明のライニング材除去装置は、ビットをカッティングヘッドの下面に装着しているのでライニング材がカッティングヘッドに詰まることがない。
【0022】
請求項4の発明のライニング材除去装置は、ビットの上段側に仕上ビットを設けているので、上記のビットにより除去されずに残されたわずかなライニング材をも仕上ビットにより確実に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である鉄筋切断装置におけるカッティングヘッドの概略構成を示す底面図である。
【図2】 同、側面図である。
【図3】 同、ビットの組立図である
【図4】 従来のライニング材除去装置の概要を示す図である。
【図5】 同装置のカッティングヘッドを示す立面図である。
【図6】 同、断面図である。
【符号の説明】
2 煙突(筒状構造物)
7 ライニング材
14 鉄筋
14a 残存鉄筋
20 ライニング材除去装置
21 カッティングヘッド
22 フライホイールプレート
23 ビット
24 仕上ビット
28 スペーサ
Claims (4)
- 煙突等の筒状構造物の内面に内貼りされているライニング材を除去するに際し、
前記筒状構造物内を横断する状態で設けられている鉄筋を切断除去した後、
該筒状構造物の頂部からその内部にライニング材除去装置を挿入して吊具により吊持し、該除去装置が備えるカッティングヘッドを遠隔操作により作動させて筒状構造物の内面に沿って回転するビットにより前記ライニング材を除去しつつ前記除去装置を降下せしめ、
該除去装置が前記鉄筋の設置位置を通過する際には、除去すべきライニング材中に埋設状態で残されている残存鉄筋を前記ビットにより殴打して打ち曲げつつライニング材を除去することを特徴とする筒状構造物のライニング材除去方法。 - 請求項1記載の方法を実施する際に前記筒状構造物の頂部からその内部に挿入されて吊具により吊持されて使用されるライニング材除去装置であって、
当該除去装置はその下部にカッティングヘッドを有し、該カッティングヘッドはこのカッティングヘッドの回転により筒状構造物の内面に沿って回転して前記ライニング材を除去するとともに前記残存鉄筋を殴打して打ち曲げるビットを有してなることを特徴とする筒状構造物のライニング材除去装置。 - 前記ビットは前記カッティングヘッドの下面側に装着され、前記カッティングヘッドの回転による遠心力によって径方向外方に変位してその先端部により前記ライニング材を除去せしめかつ前記残存鉄筋を殴打する構成とされていることを特徴とする請求項2記載の筒状構造物のライニング材除去装置。
- 前記カッティングヘッドには前記ビットの上段側に仕上ビットが装着され、該仕上ビットは前記カッティングヘッドの回転による遠心力によって径方向外側に変位して前記ビットにより除去されずに残されたライニング材を除去せしめる構成とされていることを特徴とする請求項3記載の筒状構造物のライニング材除去装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07461599A JP3975022B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 筒状構造物のライニング材除去方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07461599A JP3975022B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 筒状構造物のライニング材除去方法および装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000265682A JP2000265682A (ja) | 2000-09-26 |
| JP3975022B2 true JP3975022B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=13552267
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07461599A Expired - Lifetime JP3975022B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 筒状構造物のライニング材除去方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3975022B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5362391B2 (ja) * | 2009-03-05 | 2013-12-11 | 清水建設株式会社 | 煙突内ライニング材除去装置 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP07461599A patent/JP3975022B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000265682A (ja) | 2000-09-26 |
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