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JP3975686B2 - 歯車伝達用電動モータ及びそれを用いた歯車伝達機構 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ回転力を歯車の噛合いによって被回転伝達部に伝達する歯車伝達用電動モータ及びそれを用いた歯車伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動モータに直結している原動歯車、中間伝達歯車、被回転伝達部に回転力を伝達する伝達歯車などを備えた歯車伝達機構は、各歯車の噛合い位置の速度変動が増幅され、被回転伝達部に特定の回転速度を高精度に伝達できないおそれがある。
【0003】
これを改善する技術として、例えば特開平03-251472 号公報に記載されているように、歯車系列の噛合い位置をピッチ円の周方向にずらすことで、速度変動を相殺するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、歯車伝達機構において速度変動が発生するのは、歯車どうしの噛合い位置ばかりではない。
図8は、電動モータ2のモータ軸4にモータ歯車6が固着し、モータ歯車6に、被回転伝達部に回転力を伝達する伝達歯車8が噛み合っている歯車伝達機構を示すものである。
【0005】
通常の電動モータ2は、図9の破線で示すように、定周期の速度変動が発生している。また、モータ歯車6及び伝達歯車8の噛合い位置にも、図9の一点鎖線で示すように速度変動が発生している。ここで、電動モータ2の最大の速度変動の位相と、モータ歯車6及び伝達歯車8の噛合い位置で発生する速度変動のうちの最大の速度変動の位相が一致してしまうと、図9の実線で示すように、増幅された速度変動が発生してしまい、被回転伝達部に特定の回転速度を高精度に伝達できない場合がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、定周期のモータ速度変動が発生していても、確実に速度変動を低減させることができる歯車伝達用電動モータ及びそれを用いた歯車伝達機構を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1記載の発明は、定周期の速度変動が発生する電動モータであり、発生したモータ回転力を、モータ軸に固着したモータ歯車に噛み合せた伝達歯車を介して被回転伝達部に伝達するために使用する歯車伝達用電動モータにおいて、前記モータ歯車及び前記伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相に、自身が発生しているモータ速度変動のうち最も大きい値の位相を一致させた。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の歯車伝達用電動モータにおいて、前記噛合い速度変動のうち最も小さい値となる速度変動の位相を、伝達トルクが最小となる前記モータ歯車及び前記伝達歯車の1歯どうしが噛み合う位置とした。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の歯車伝達用電動モータにおいて、前記モータ速度変動のうち最も大きい値となる速度変動の位相を、自身の発生トルクが最大になる位置とした。
【0009】
一方、請求項4記載の発明は、定周期の速度変動が発生する電動モータと、この電動モータのモータ軸に固着したモータ歯車と、このモータ歯車に噛み合って被回転伝達部に回転力を伝達する伝達歯車とを備えた歯車伝達機構において、前記モータ歯車及び前記伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相に、自身が発生しているモータ速度変動のうち最も大きい値の位相を一致させた。
【0010】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の歯車伝達機構において、前記噛合い速度変動のうち最も小さい値となる速度変動の位相を、伝達トルクが最小となる前記モータ歯車及び前記伝達歯車の1歯どうしが噛み合う位置とした。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の歯車伝達機構において、前記モータ速度変動のうち最も大きい値となる速度変動の位相を、自身の発生トルクが最大になる位置とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯車伝達機構の1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の歯車伝達機構で使用している電動モータ10の位相特性を示すものである。
【0012】
この電動モータ10は、3相のステータ10aと、8極のロータ10bとを備えた三相8極式電動モータであり、1回転中のトルク変動が24回発生する。そして、図2のモータ展開図にも示すように、一回転中の24回のトルク変動のうち、A相通電時においてA相ステータの磁極中心とロータの磁極中心が一致する位置を回転角0deg と定義すると、回転角0deg の位置で二相通電時の発生トルクが最大となる。
【0013】
次に、図3は、本実施形態の歯車伝達機構で使用している電動モータ10のモータ軸12に固着されているモータ歯車14と、このモータ歯車14に噛み合っている伝達歯車16とを示す図であり、伝達歯車16は、モータ歯車14を介して電動モータ10から伝達されてきた回転力を、図示しない被回転伝達部に伝達する。
【0014】
そして、前記モータ歯車14は、24の歯数を有しており、伝達歯車16との噛合い位置において、図5に示すように回転角に応じて伝達トルクが変化する。そして、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合い位置の伝達トルクは、図5に示すように、歯車の回転とともにのこぎり刃状に変化するが、1回転中に24回の最小の伝達トルク及び最大の伝達トルクが交互に発生する。最小の伝達トルクは、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合いにおいて、図4に示すように、モータ歯車14及び伝達歯車16の1歯どうしが噛み合っているときに発生する。また、最大の伝達トルクは、モータ歯車14及び伝達歯車16の2歯どうしが噛み合っているときに発生する。
【0015】
ここで、回転初期に、モータ歯車14及び伝達歯車16の1歯どうしが噛み合う角度θは、モータ歯車14のピッチ円直径をdとし、モータ歯車14の円弧状の歯厚をsとすると、
θ=(s/2)/(d/2) ……… (1)
=s/d …… (2)
となる。
【0016】
そして、本実施形態では、図6に示すように、発生トルクが最大となる回転角が0deg のときに、モータ歯車14及び伝達歯車16の1歯どうしが噛み合う角度θを一致させている。
本実施形態によると、電動モータ10の速度変動は、図7の破線で示すように、一回転中の24回のトルク変動に対応して15deg 毎に大きくなり、回転角が0deg のときに、最大の速度変動となる。一方、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合い位置で発生する速度変動も、図7の一点鎖線で示すように、1回転中に24回の最小の速度変動及び最大の速度変動が交互に発生する。
【0017】
ここで、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合い位置で発生する最小の速度変動の位相は、電動モータ10で発生する大きな速度変動の位相に一致し、当然に、回転角が0deg のときの最大の速度変動の位相にも一致する。
このように、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合い位置で発生する最小の速度変動の位相と、電動モータ10で発生する大きな速度変動の位相とが一致することから、図7の実線で示すように速度変動が相殺され、被回転伝達部に対して速度変動が殆ど発生しない回転力を伝達することができる。
【0018】
したがって、本実施形態の歯車伝達機構は、電動モータ10に定周期の速度変動が発生していても、確実に速度変動を低減させることができる歯車伝達機構を提供することができる。
また、モータ歯車14及び伝達歯車16の噛合い位置で発生する最小の速度変動の位相を、モータ歯車14及び伝達歯車16の1歯どうしが噛み合う位置として割り出し、しかも、電動モータ10が発生する最大の速度変動の位相を、電動モータ10が最大の発生トルクを発生する位置として割り出したので、簡単な手段で速度変動を低減させることができる。
【0019】
また、本実施形態では、速度変動を改善するための機構を電動モータ10に何等付加していないので、電動モータ10の低コスト化も図ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、4記載の発明によると、前記モータ歯車及び前記伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相に、自身が発生しているモータ速度変動のうち最も大きい値の位相を一致させたことから、速度変動を確実に相殺することができる。
【0021】
また、請求項2、3、5、6の発明によると、簡単な手段で速度変動を低減させることができる。
さらに、請求項1、2、3記載の発明によると、速度変動を改善するための機構を電動モータに何等付加していないので、電動モータの低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動モータの発生トルクの特性を示す図である。
【図2】本発明に係る電動モータにおいて発生トルクが最大となる位置を示すモータ展開図である。
【図3】本発明に係るモータ歯車及び伝達歯車の噛合い状態を示す図である。
【図4】図3の要部を拡大した図である。
【図5】モータ歯車及び伝達歯車の伝達トルクの変化を示す図である。
【図6】本発明においてモータ歯車及び伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相と、電動モータが発生するモータ速度変動のうち最も大きい値の位相とを一致させた状態を示す図である。
【図7】本発明の歯車伝達機構の速度変動を示す図である。
【図8】電動モータを備えた歯車伝達機構を示す図である。
【図9】従来の歯車伝達機構の速度変動を示す図である。
【符号の説明】
10 電動モータ
10a ステータ
10b ロータ
12 モータ軸
14 モータ歯車
16 伝達歯車
θ モータ歯車及び伝達歯車の1歯どうしが噛み合う角度

Claims (6)

  1. 定周期の速度変動が発生する電動モータであり、発生したモータ回転力を、モータ軸に固着したモータ歯車に噛み合せた伝達歯車を介して被回転伝達部に伝達するために使用する歯車伝達用電動モータにおいて、
    前記モータ歯車及び前記伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相に、自身が発生しているモータ速度変動のうち最も大きい値の位相を一致させたことを特徴とする歯車伝達用電動モータ。
  2. 前記噛合い速度変動のうち最も小さい値となる速度変動の位相を、伝達トルクが最小となる前記モータ歯車及び前記伝達歯車の1歯どうしが噛み合う位置としたことを特徴とする請求項1記載の歯車伝達用電動モータ。
  3. 前記モータ速度変動のうち最も大きい値となる速度変動の位相を、自身の発生トルクが最大になる位置としたことを特徴とする請求項1又は2記載の歯車伝達用電動モータ。
  4. 定周期の速度変動が発生する電動モータと、この電動モータのモータ軸に固着したモータ歯車と、このモータ歯車に噛み合って被回転伝達部に回転力を伝達する伝達歯車とを備えた歯車伝達機構において、
    前記モータ歯車及び前記伝達歯車の噛合い位置で発生する噛合い速度変動のうち最も小さい値となる位相に、自身が発生しているモータ速度変動のうち最も大きい値の位相を一致させたことを特徴とする歯車伝達機構。
  5. 前記噛合い速度変動のうち最も小さい値となる速度変動の位相を、伝達トルクが最小となる前記モータ歯車及び前記伝達歯車の1歯どうしが噛み合う位置としたことを特徴とする請求項4記載の歯車伝達機構。
  6. 前記モータ速度変動のうち最も大きい値となる速度変動の位相を、自身の発生トルクが最大になる位置としたことを特徴とする請求項4又は5記載の歯車伝達機構。
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