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JP3976546B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
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JP3976546B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートフィルムに形成される絶縁膜などの薄膜を基板に転写することによって該基板に前記薄膜を形成する薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの製造に用いるウエハの大口径化や液晶パネルなどの大面積化に伴い、大面積に適合した薄膜形成方法が必要となってきた。また、LSI製造技術における多層配線技術の分野においては、多層配線を実現するために絶縁膜の表面を高い精度で平坦化する必要があり、大面積化に加えて、薄膜形成における表面の平坦化技術への要求も高まってきている。そこで、これらの要求を満足すべく、加圧転写方法によって基板に薄膜を形成する薄膜形成技術が提案されている。
【0003】
この薄膜形成装置としては、例えば特開平10−189566号公報に記載された装置がある。この装置では、処理容器の内部に形成される薄膜形成室内において、加熱ヒータを内蔵する試料台(本発明の基板保持手段に相当)が設けられており、薄膜形成対象となる半導体ウエハや液晶パネル用ガラス基板など(以下、「基板」という)を保持可能となっている。また、薄膜形成室内には、試料台の下方に転写板(本発明のフィルム保持手段に相当)が試料台と対向しながら配置されており、シートフィルムに形成される薄膜を試料台上の基板に対向させながら、該シートフィルムを保持している。なお、この転写板にも、試料台と同様に、加熱ヒータが設けられており、転写板に保持されたシートフィルムを加熱可能となっている。
【0004】
また、この薄膜形成室には真空ポンプが連通されており、基板を試料台によって保持するとともに、シートフィルムを転写板に保持し、さらに薄膜形成室を密閉した後、真空ポンプによって薄膜形成室内を排気する。また、真空ポンプで薄膜形成室内を排気減圧しながら、基板を保持する試料台と、シートフィルムを保持する転写板とを相互に近接移動させることによって、基板とシートフィルムとを相互に押し付けてシートフィルム上の薄膜を基板に転写する。こうして、基板上に薄膜を形成すると、基板とシートフィルムとを元の位置に移動させた後、薄膜形成室内を大気圧に戻し、薄膜が形成された基板と、薄膜転写後のシートフィルムとを処理容器から搬出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来装置では薄膜形成室内を排気減圧しているため、試料台への基板の保持方式として真空吸着方式を採用することが難しく、機械的に保持していた。すなわち、基板の周縁部に対して爪部材や支持ピンなどの係合部材を係合させて基板を試料台に保持していた。そのため、次のような問題が生じていた。
【0006】
薄膜形成装置により薄膜の転写を行うのに先立って、基板に対して種々の処理(集積回路を形成するためのプロセス処理)が施されており、バルク状態とは異なり基板に反りや撓みなどが生じており、基板は歪んでいる。そして、この基板を上記したように基板の周縁部のみを機械的に保持したのでは、基板が歪んだ状態のまま基板は試料台に保持されることとなり、薄膜形成処理によって基板に形成される薄膜の面内均一性が低下するという問題があった。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、優れた面内均一性で薄膜を基板に転写することができる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するため、その下面が吸着面となって該吸着面で基板を静電吸着により保持する基板保持手段と、基板保持手段に対向配置され、シートフィルムに形成される薄膜を基板に向けた状態で該シートフィルムを保持するフィルム保持手段と、基板保持手段に内蔵され、基板を加熱する加熱手段と、昇降移動自在で、しかも回動自在に支持されたリフタと、リフタの下端部に固着され、基板を載置可能な爪部材と、リフタを昇降駆動して爪部材に載置された基板を吸着面に密着しない程度に近接する近接位置と、基板を吸着面に密着する吸着位置とに位置決めするリフト駆動部と、リフト駆動部を制御して爪部材に載置された基板を近接位置に位置決めした状態で加熱手段により基板を所定温度に加熱した後に爪部材に載置された基板を吸着位置に位置決めして基板を基板保持手段に保持させる制御手段と、基板保持手段およびフィルム保持手段のうち少なくとも一方を移動させることで、基板とシートフィルムとを加熱状態で相互に押し付けて薄膜を基板に転写する加重手段とを備えている。
【0009】
このように構成された発明では、基板が静電吸着により基板保持手段に保持されるため、薄膜を形成しようとする基板に歪みが生じていない場合はもちろんのこと、該基板に歪みが生じている場合であっても、基板が基板保持手段に沿って確実に保持されて歪みが解消され、常に歪みのない状態で基板が基板保持手段に保持される。そして、このようにして歪みがない状態で基板への薄膜転写が行われ、優れた面内均一性で薄膜が基板に形成される。しかも、爪部材に載置された基板を基板保持手段の吸着面(下面)に密着しない程度に近接する近接位置に位置決めした状態で基板保持手段に内蔵された加熱手段により所定温度に加熱した後に爪部材に載置された基板を基板保持手段の吸着面に密着する吸着位置に位置決めして該基板を基板保持手段に保持させているので、基板の熱膨張が進行してから基板は基板保持手段によって静電吸着される。これにより、近接位置において基板は加熱処理により熱膨張するが、該基板は爪部材に載置されているだけなので、不必要なストレスが基板にかかるのを防止することができる。その結果、基板に形成されている素子や配線などに対するダメージを抑制することができる。
【0011】
ここで、基板保持手段のうち基板を静電吸着する吸着面の形状や大きさなどについては任意であるが、特に該吸着面を凹凸形状に仕上げるのが好適である。というのも、吸着面を鏡面状態に仕上げると、基板を保持した際に基板と吸着面とが密着し、薄膜の転写を行った後に基板を吸着面から剥離するのが難しくなるのに対して、凹凸形状に仕上げることによって、基板を基板保持手段に沿って確実に保持して歪みを解消するという効果を達成しつつ、基板と吸着面とが密着するのを防止して基板のハンドリングを容易なものとすることができる。
【0012】
また、この種の薄膜形成装置では、基板への薄膜の転写を処理容器の内部、つまり薄膜形成室内で行うことが多いが、この場合、薄膜形成室内の圧力と、凹部と基板との間の気圧との差を小さくして吸着面からの基板の剥離を容易なものとするために、例えば吸着面の凹部を薄膜形成室に連通させるのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる薄膜形成装置の一実施形態を示す図である。この薄膜形成装置は、その内部が後述するようにして薄膜を基板に転写するための薄膜形成室11となっている処理容器1を有している。また、この処理容器1の側面底部には、排気口12が設けられており、この排気口12に薄膜形成室11の圧力を調整する圧力制御ユニット2が接続されている。
【0017】
この圧力制御ユニット2では、バタフライバルブ21を介して真空ポンプ22が薄膜形成室11と連通されており、バタフライバルブ21を開いた状態で、装置全体を制御する制御部3からの動作信号に応じて真空ポンプ22が作動すると、薄膜形成室11内が排気減圧される。また、圧力制御ユニット2には、バタフライバルブ21の開度をコントロールするバルブコントローラ23が設けられており、制御部3からの開度信号に応じてバルブコントローラ23がバタフライバルブ21の開閉、さらには開度を調整することで薄膜形成室11からの排気量を調整し、薄膜形成室11内の圧力(真空度)を制御可能となっている。なお、この実施形態では、薄膜形成室11内の圧力を精度良く制御するために、薄膜形成室11内の圧力を測定する圧力計31を設け、この圧力計31の測定結果を制御部3に出力し、この測定結果に基づくフィードバック制御を実行している。
【0018】
また、この処理容器1の上面周縁部には、導入口13が設けられており、この導入口13を介して一定流量の窒素ガスが薄膜形成室11内に供給されている。すなわち、この導入口13はマスフローコントローラ14を介して窒素ガス供給源(図示省略)と接続されており、制御部3から与えられるガス供給信号に基づきマスフローコントローラ14が導入口13を介して薄膜形成室11に供給される窒素ガスの流入量をコントロールしている。なお、この実施形態では、後で説明する基板Wへの絶縁膜(薄膜)の転写を良好に行うために窒素ガスを供給しているが、薄膜形成室11に供給するガス種はこれに限定されるものではなく、転写処理に適したガスを供給すればよい。
【0019】
こうして圧力調整の対象となっている薄膜形成室11には、第1、第2のプレート4,5が上下に対向して収容されている。これらのプレートのうち、第1のプレート4では、第2のプレート5と対向する下面が基板Wを静電吸着する吸着面41となっており、この吸着面41により基板Wを静電吸着して保持するように構成されており、本発明の「基板保持手段」として機能している。ここで、薄膜形成対象となる基板Wとしては、例えば円板状に形成された半導体ウエハと、この半導体ウエハ上に電極配線としてAl配線をパターニングした構造を有するものがあり、以下においては、この基板Wのパターン形成面側に後述する絶縁膜(薄膜)を転写する場合について説明する。
【0020】
図2は第1のプレートを下方から見た図である。また、図3および図4は第1のプレートの部分拡大図である。これらの図に示すように、第1のプレート4の吸着面41は凹凸形状に仕上げられている。この実施形態では、厚みが約50μm程度で、かつ円柱台形状を有する凸部411が吸着面41全体に複数個設けられており、これらの凸部411の頂部が基板Wの上面全体に当接して基板Wを水平姿勢で静電的に保持する(図4)。また、この保持状態では、基板Wと凹部412との間に空隙部SPが形成され、しかも各空隙部SPは薄膜形成室11と連通されている。
【0021】
また、第1のプレート4には、図1に示すように加熱手段として加熱ヒータ42が内蔵されている。この加熱ヒータ42は制御部3から与えられる基板温度信号に基づきヒータコントローラ43によって制御され、25°C〜300°Cの間で加熱制御される。そして、第1のプレート4は処理容器1内に吊設され、加重モータ71によって昇降されるように構成されている。
【0022】
このように構成された第1のプレート4には、複数のリフタ44が昇降方向と平行に移動自在で、しかも回動自在に支持されており、各リフタ44の下端部に爪部材45が固着されて基板Wの周縁部を支持可能となっている。このため、図示を省略するリフト駆動部に対して制御部3から下降指令が与えられると、図3(a)に示すようにリフト駆動部によってリフタ44は下方に移動し、爪部材45を吸着面41の下方側に移動させた後、さらにリフタ44を回動させて爪部材45を吸着面41の周縁部と対向位置決めさせて爪部材45への基板Wの載置を可能とする。この明細書では、同図(a)の位置を「基板搬入位置」と称する。
【0023】
また、制御部3からリフト駆動部に上昇指令が与えられると、リフト駆動部は爪部材45を吸着面41と対向させたままリフタ44を上方に移動させて爪部材45を吸着面41側に移動させる。ここで、この実施形態では、後述するように基板Wの熱膨張の影響を抑えるために、リフタ44を2段階(近接位置、吸着位置)に位置決めすることが可能となっている。すなわち、リフタ44を所定量だけ上昇させて爪部材45に支持された基板Wが第1のプレート4に密着しない程度に近接する「近接位置」に位置決め可能であり(同図(b))、またリフタ44をさらに上昇させて該基板Wが第1のプレート4に密着する「吸着位置」に位置決めすることが可能となっている(図4(a))。こうして、この吸着位置に位置決めされると、爪部材45に支持された基板Wの上面(非パターン形成面)は吸着面41の凸部411に当接し、制御部3からの信号を受けて第1のプレート4が静電吸着動作を開始することで基板Wがしっかりと第1のプレート4に保持される。
【0024】
こうして基板Wの静電吸着が完了すると、制御部3からリフト駆動部に退避指令が与えられ、リフト駆動部は図4(b)に示すようにリフタ44を約90゜回動させて爪部材45を吸着面41および基板Wから退避させた後、さらにリフタ44を上昇させて爪部材45を吸着面41よりも上方位置に退避させて後述する転写処理において爪部材45が装置各部と干渉するのを防止している。なお、この明細書では、同図(b)の位置を「退避位置」と称する。
【0025】
また、もう一方のプレート、つまり第2のプレート5は、図1に示すように第1のプレート4の下方に軸線を一致させて配設され、その上面でシートフィルムFを保持可能となっており、本発明の「フィルム保持手段」として機能している。すなわち、この第2のプレート5は、プレート本体50と、そのプレート本体50の上面側でシートフィルムFを保持可能な石英製のステージ51とで構成されている。このシートフィルムFは基板Wより大きい円形に形成され、表面には薄膜となる絶縁膜が形成されている。本実施形態においては、シートフィルムFとして熱可塑性樹脂フィルムを用いている。また薄膜としてはSOG材料の絶縁膜形成用塗布液を用い、これをシートフィルムF上に塗布することにより1μm以上の厚さで絶縁膜が形成されている。また、この実施形態ではシートフィルムFのハンドリング性を向上させるために図5ないし図9に示すように一対のリングRup,Rdwを用いて一体化したリング体RFを形成し、このリング体RFの状態でシートフィルムFの搬送を実行している。ここでは、第2のプレート5のさらなる構成説明に先立って、シートフィルムFのハンドリング構成について図5ないし図9を参照しつつ説明する。
【0026】
図5はリング体の分解組立斜視図であり、図6はリング体の組立斜視図であり、図7は図5のA−A線断面図であり、図8は図5のB−B線断面図であり、図9は図6のC−C線断面図である。
【0027】
このリング体RFは、上リングRupと下リングRdwとでシートフィルムFを挟み込むことによってシートフィルムFを保持したものである。この上リングRupは円環形状を有するアルミニウムリングであり、その上面部の4箇所に磁性体、例えば鉄系または鉄合金系材料よりなる鉄プレート91が嵌め込まれている。これらの鉄プレート91は搬送ロボットのフィルム用ハンド(図12の符号82)に設けられる電磁石によって電磁吸着される電磁吸着部となっている。また、鉄プレート91を避けるように複数の永久磁石92が上リングRupを貫通して設けられている。
【0028】
一方、下リングRdwも上リングRupと同一形状を有するアルミニウムリングであり、上リングRupに設けられた永久磁石92と対応する位置に永久磁石93が下リングRdwを貫通して設けられている。ここで、永久磁石92の下面側磁極と、永久磁石93の上面側磁極とが互いに反対極性となっており、シートフィルムFを挟んで上リングRupおよび下リングRdwを配置すると、両永久磁石92,93が互いに引き付けあい、シートフィルムFを挟み込んだ状態で磁力吸着により保持する。また、後述するようにシートフィルムFを用いた薄膜形成が完了すると、シートフィルムFを挟み込むことなしに、両リングRup,Rdwが直接重なり合って相互に磁力吸着保持されてリング対Rup,Rdwが形成される。
【0029】
このように、この実施形態では、両永久磁石92,93ともリングを貫通して設けられているが、貫通配置すること自体は必須構成要件ではなく、両永久磁石92,93により所定の磁力吸引力を得ることができればよい。また、上リングRupおよび下リングRdwの一方のみに永久磁石を設け、他方を磁性体を配置するようにしたり、永久磁石の代わりに電磁石を用いるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0030】
さらに、上リングRupおよび下リングRdwの外側面には、それぞれ同一箇所に切り込み部94,95が設けられている。各切り込み部94,95はリングカセット(図示省略)や他の装置においてリング体RFやリング対を位置決めするために機能している。なお、ここでは、上リングRupおよび下リングRdwの両方に位置決め部を設けているが、いずれか一方のみ位置決め部を設けてもよいことはいうまでもない。
【0031】
図1に戻って第2のプレート5の構成説明を続ける。この第2のプレート5の周縁部には、一対のリングRup,Rdwを上下から挟み込んでリング体RFを保持する上クランプ53および下クランプ54が設けられている。これらのクランプのうち下クランプ54はプレート本体50に固定されている。そして、もう一方のクランプ、つまり上クランプ53が上下方向に移動可能となっており、後述するタイミングで上方移動して第2のプレート5に対するリング体RFの搬入出を可能とする一方、下方移動して下クランプ54とでリング体RFを挟持して固定する。
【0032】
また、上クランプ53の近傍に、シートフィルムFの周縁部を圧下して張力を付与する張力付与部材55が配置されており、後述するタイミングでシートフィルムFを下方に押し下げて緊張させる。
【0033】
また、このプレート本体50の内部には、加熱ヒータ56が内蔵されており、制御部3から与えられる基板温度信号に基づきヒータコントローラ57によって制御され、シートフィルムFが25°C〜300°Cの間で加熱される。
【0034】
さらに、第2のプレート5は、支え板72上において複数の圧縮コイルばね73によって弾性支持されて配設されることにより、基板WとシートフィルムFを押し付けたとき加重圧力が均一になるようにしている。また、支え板72は、支柱74によって上下動自在に保持され、加重モータ75によって昇降されるように構成されている。このように、この実施形態では、加重モータ71,75によって2つのプレート4,5を互いに逆方向に昇降移動させることで次に説明する薄膜形成手順(転写処理)を行っており、加重モータ71,75が本発明の「加重手段」として機能している。
【0035】
次に、上記した薄膜形成装置を使用した薄膜形成手順について説明する。本実施形態においては、第1のプレート4側に基板Wが搬入される。すなわち、制御部3はリフト駆動部に下降指令を与え、図3(a)に示すように、爪部材45を基板搬入位置に位置決めする。それに続いて、搬送ロボットの基板用ハンド81によって、薄膜を形成すべき基板Wが外部装置から薄膜形成室11内に搬送され、爪部材45の上に載置される。そして、搬送ロボットの基板用ハンド81が薄膜形成室11から退避すると、制御部3はリフト駆動部に対して上昇指令を与え、爪部材45を近接位置に移動させて基板Wの上面(非パターン形成面)を第1のプレート4に密着しない程度に近接させた状態で基板Wを位置決めする(同図(b))。
【0036】
一方、第2のプレート5側では、搬送ロボットのフィルム用ハンド(図示省略)によってリング体RFが搬送され、その下リングRdwが下クランプ54上に載置される。そして、搬送ロボットのフィルム用ハンドが薄膜形成室11から退避すると、上クランプ53が下クランプ54側に下降して上クランプ53と下クランプ54とでリング体RFを保持固定する(図10)。このとき、同図に示すように、シートフィルムFは第2のプレート5の上方位置に配置されている。また、同図への張力付与部材55の図示を省略しているが、この段階では、張力付与部材55によるシートフィルムFの押し下げ緊張は行われていない。
【0037】
これに続いて、制御部3からバルブコントローラ23に、バタフライバルブ21を開く旨の開度信号が出力される。この信号を受けてバルブコントローラ23は完全に閉じられたバタフライバルブ21を開き真空ポンプ22による薄膜形成室11の排気減圧を開始する。
【0038】
そして、ヒータコントローラ43からの制御信号によって加熱ヒータ42を作動させて第1のプレート4を加熱することによって第1のプレート4と密着しないで近接した状態で基板Wを所望の温度に加熱する。つまり、この実施形態では、いわゆるプロキシミティ加熱により基板Wを加熱しており、しかも該基板Wは加熱処理により熱膨張するが、該基板Wは爪部材45上に載置されているだけであるため、不必要なストレスが基板Wにかかるのを防止することができ、その結果、基板Wに形成されている素子や配線などに対するダメージを抑制することができる。
【0039】
こうして、基板Wに対する加熱処理が完了する、あるいは所定温度に達しないまでも上記ストレスが問題とならない程度まで基板Wの熱膨張が進行すると、制御部3はリフト駆動部に対して上昇指令をさらに与え、爪部材45を吸着位置に移動させて基板Wの上面(非パターン形成面)を第1のプレート4に密着させた後、第1のプレート4により静電吸着させる。これによって、図4(a)に示すように基板Wがしっかりと第1のプレート4に保持される。それに続いて、制御部3はリフト駆動部に退避指令を与え、リフト駆動部によって同図(b)に示すように爪部材45を退避位置に移動させて第1のプレート4への基板装着を完了する。
【0040】
また、シートフィルムF側については、ヒータコントローラ57からの制御信号によって加熱ヒータ56を作動させて第2のプレート5を加熱するとともに、制御部3より加重モータ75に信号が送られ、プレート5およびクランプ53,54の昇降移動を開始する。すると、図11に示すように、張力付与部材55によりシートフィルムFは第2のプレート5に対して相対的に押し下げられて緊張状態で基板Wの下面と密着し、基板Wへの絶縁膜の転写を開始する。そして、薄膜形成室11を排気減圧したまま、基板WとシートフィルムFとは所定の加重で一定時間加圧される。その間も基板WとシートフィルムFは所定の温度となるようにヒータ加熱されている。
【0041】
そして、一連の加重操作が終了して転写処理が完了すると、ヒータコントローラ43,57により加熱ヒータ42,56にそれぞれ停止して第1,第2のプレート4,5の加熱を停止すると同時に、第1のプレート4による静電吸着を停止する。さらに、加重の状態が零となるように制御部3から加重モータ71,75に信号を送り、第1、第2のプレート4,5を元の初期位置に復帰させる。こうすることによって、図12に示すように基板WがシートフィルムFに乗った状態となり、基板WとシートフィルムFが一体的になる。また、両プレート4,5が初期位置に戻った後、バタフライバルブ21を閉じるとともに、真空ポンプ22を停止させる。
【0042】
次に、薄膜形成室11の圧力が大気圧に戻るのを待って、上クランプ53を上昇させてリング体RFの挟持を開放する。そして、搬送ロボットのフィルム用ハンド82をリング体RFの上方位置に進行させ、該ハンド82の電磁石によって上リングRupの鉄プレート91を電磁吸着してリング体RFおよび基板Wを一体的に薄膜形成室11から取り出し、シートフィルムFを剥離する装置に搬送する。
【0043】
以上のように、この実施形態によれば、基板Wを静電吸着により第1のプレート4に保持するように構成しているため、薄膜を形成しようとする基板Wに歪みが生じていない場合はもちろんのこと、該基板Wに歪みが生じている場合であっても、基板Wが第1のプレート4の吸着面41に沿って確実に保持されて歪みを解消することができる。その結果、常に歪みがない状態で基板Wへの薄膜転写を行うことができ、優れた面内均一性で薄膜を基板Wに形成することができる。
【0044】
また、吸着面41全体を鏡面に仕上げるのではなく、凹凸形状に仕上げているため、基板Wと吸着面41とが全面にわたって密着するのを防止して基板Wを第1のプレート4から容易に剥離させることができ、基板Wのハンドリングを容易なものとすることができる。
【0045】
さらに、この実施形態では薄膜形成室11の圧力を低下させているが、基板Wと凹部412との間に空隙部SPが薄膜形成室11と連通しているため、薄膜形成室11内の圧力と、空隙部SPとの間の気圧差が小さくなり、吸着面41からの基板Wの剥離がより一層容易なものとなっている。
【0046】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、凸部411を円柱台形状に仕上げているが、凸部411の形状はこれに限定されるものではなく、任意の形状に仕上げることができる。また、各凸部411の大きさや凸部411の個数についても任意である。
【0047】
また、上記実施形態では、一対のリングRup,RdwによりシートフィルムFを挟み込んでリング体RFを構成し、これを搬送ロボットにより搬送することでシートフィルムFを搬送しているが、シートフィルムFの搬送態様はこれに限定されるものではなく、例えば搬送ロボットがシートフィルムFを直接保持して搬送するようにしてもよい。
【0048】
さらに、上記実施形態では、半導体ウエハや液晶パネル用ガラス基板に薄膜を形成する薄膜形成装置に本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、フォトマスク用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板、配線基板(例えばプリント基板)などの基板に薄膜を形成する場合のみならず、さらにはICカードや太陽電池装置の製造などにおいて基板に薄膜を形成する薄膜形成装置全般に適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、基板を基板保持手段に静電吸着するように構成しているので、基板を基板保持手段に沿って確実に保持して歪みを解消することができ、基板に転写された薄膜の面内均一性を向上させることができる。しかも、爪部材に載置された基板を基板保持手段の吸着面(下面)に密着しない程度に近接する近接位置に位置決めした状態で基板保持手段に内蔵された加熱手段により所定温度に加熱した後に爪部材に載置された基板を基板保持手段の吸着面に密着する吸着位置に位置決めして該基板を基板保持手段に保持させているので、基板の熱膨張が進行してから基板は基板保持手段によって静電吸着される。これにより、近接位置において基板は加熱処理により熱膨張するが、該基板は爪部材に載置されているだけなので、不必要なストレスが基板にかかるのを防止することができる。その結果、基板に形成されている素子や配線などに対するダメージを抑制することができる。
【0050】
また、吸着面を凹凸形状に仕上げると、基板を基板保持手段に沿って確実に保持して歪みを解消するという効果を達成しつつ、基板の全体が吸着面と密着するのを防止することができ、静電吸着を解消した際に吸着面からの基板の剥離を容易にならしめて基板のハンドリングを容易なものとすることができる。
【0051】
さらに、吸着面の凹部を薄膜形成室に連通させた場合には、薄膜形成室内の圧力と、凹部と基板との間の気圧との差が小さくなって吸着面からの基板の剥離をより容易なものとすることができ、その結果、基板のハンドリングをより一層容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる薄膜形成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】 第1のプレートを下方から見た図である。
【図3】 第1のプレートの部分拡大図である。
【図4】 第1のプレートの部分拡大図である。
【図5】 リング体の分解組立斜視図である。
【図6】 リング体の組立斜視図である。
【図7】 図4のA−A線断面図である。
【図8】 図4のB−B線断面図である。
【図9】 図5のC−C線断面図である。
【図10】 図1の薄膜形成装置の動作を示す図である。
【図11】 図1の薄膜形成装置の動作を示す図である。
【図12】 図1の薄膜形成装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
1…処理容器
2…圧力制御ユニット
4…第1のプレート(基板保持手段)
5…第2のプレート(フィルム保持手段)
11…薄膜形成室
41…吸着面
42…加熱ヒータ(加熱手段)
44…リフタ
45…爪部材
71,75…加重モータ
411…(吸着面41の)凸部
412…(吸着面41の)凹部
F…シートフィルム
RF…リング体
SP…空隙部
W…基板

Claims (3)

  1. その下面が吸着面となって該吸着面で基板を静電吸着により保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に対向配置され、シートフィルムに形成される薄膜を前記基板に向けた状態で該シートフィルムを保持するフィルム保持手段と、
    前記基板保持手段に内蔵され、前記基板を加熱する加熱手段と、
    昇降移動自在で、しかも回動自在に支持されたリフタと、
    前記リフタの下端部に固着され、前記基板を載置可能な爪部材と、
    前記リフタを昇降駆動して前記爪部材に載置された前記基板を前記吸着面に密着しない程度に近接する近接位置と、前記基板を前記吸着面に密着する吸着位置とに位置決めするリフト駆動部と、
    前記リフト駆動部を制御して前記爪部材に載置された前記基板を前記近接位置に位置決めした状態で前記加熱手段により前記基板を所定温度に加熱した後に前記爪部材に載置された前記基板を前記吸着位置に位置決めして前記基板を前記基板保持手段に保持させる制御手段と、
    前記基板保持手段および前記フィルム保持手段のうち少なくとも一方を移動させることで、前記基板と前記シートフィルムとを加熱状態で相互に押し付けて前記薄膜を前記基板に転写する加重手段と
    を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記吸着面が凹凸形状に仕上げられている請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. その内部が薄膜形成室となっており、その薄膜形成室内で前記基板保持手段および前記フィルム保持手段のうち少なくとも一方が移動されて前記基板への前記薄膜の転写が実行される処理容器をさらに備え、
    前記吸着面の凹部が前記薄膜形成室に連通されている請求項2記載の薄膜形成装置。
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