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JP3976966B2 - シートスライド装置のレッグ構造 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートスライド装置のガイドレールを、床面に対して固定的に支持するシートスライド装置のレッグ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、たとえば自動車のフロントシートに代表されるような、いわゆるスライドシートに装備されるシートスライド装置118は、一般に、シートの固定されるランナ(アッパレールともいう)120を、床面114に固定されるガイドレール(ロアレールともいう)112に対し、ローラ122、スチールボール124等の転動子を介して前後方向にスライド可能に組み付けることにより形成されている。
【0003】
この種のシートスライド装置118においては、ガイドレール112が、長手方向に沿って延びるスリット状の開口126をその上面に有して形成され、ガイドレール内にその基部120aの内挿配置されたランナ120の延出片120bが、この上面開口を介して上方に延出されている。そして、このランナの延出片120bに、シート(図示しない)がブラケット等を介して連結、固定されるとともに、前後端にそれぞれ固定的に設けられたフロント、リヤのレッグ110を介して、ガイドレールが床面114に固定されている。
【0004】
レッグ、特にリヤのレッグ110としては、図示のような、ガイドレール112の載置、固定されるガイドレール側固定部110-1と、床面114に接地、固定される床面側固定部110-2とを一体に備えた段違い形状のものが一般的に知られている。そして、この形状のレッグ110においては、ガイドレール112の配置ガイドを兼ねる補剛片116が、その基部110aの左右側辺に、上方への折曲のもとで立設され、この補剛片により、その剛性強化がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車のフロントシート等においては、図4に示すように、シートベルトの連結されるベルトアンカー、たとえばシートベルトのタングの挿着されるバックル128が、シートスライド装置のランナ120の延出片120bに固定配置されている。そして、このバックル(ベルトアンカー)128は、緊急時等において着座者からシートベルトに作用する過大な荷重のもとでシートのセンター寄りの斜め上方(図中矢印F方向)に牽引されるため、シートスライド装置のランナ120には、シートセンター方向(図中右方)に傾倒させる力が、バックルから付与されることになる。
【0006】
上述したように、シートスライド装置のレッグ110は、通常、高い剛性を有する形態に形成されている。つまり、この公知の構成においては、床面114に対して強固に保持されたガイドレール112に対し、ランナ120が過大な荷重(入力荷重F)のもとでシートセンター方向に傾倒しようとするため、その入力荷重が、ガイドレールの上面開口126の外側開口端126aに集中的に作用する虞れが多分に考えられる。
【0007】
また、剛性の高いレッグ110に対してガイドレール112を傾倒させようとする力、つまり入力荷重Fは、ガイドレール、レッグ間を固定するリベット132にも集中しやすいことから、その入力荷重の程度によっては、レッグからのガイドレールの剥離を伴う可能性も否定できない。
【0008】
そこで、通常は、ガイドレールの肉厚化等によるランナに対する保持力強化、あるいは溶接等によるガイドレールに対する固定力強化等を、ガイドレールの安全性を一層確実にするための対応策としてあげ、これらによって、ガイドレール、ひいてはシートスライド装置の一層の安全強化をはかっている。しかしながら、前者のガイドレールの肉厚化等は、ガイドレールの大型化、重量化等を伴い、また、後者の溶接等による固定力強化はその作業の煩雑化等を伴いやすいため、コスト面等の点から考えて、汎用性に優れた安全強化策であるとはいずれもいい難い。
【0009】
この発明は、シートスライド装置に対する、汎用性に優れた安全強化を可能としたシートスライド装置のレッグ構造の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明の実施の一形態によれば、一対の補剛片を拡開形状とすることによるレッグの剛性低下設定によって、レッグを、特定荷重以上の入力荷重のもとでのみ、少なくともその左右方向に座屈変形可能としている。そして、この左右方向へのレッグの座屈変形によって、ガイドレールを荷重の入力左右方向に傾倒可能としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1、図2に示すように、この発明に係るシートスライド装置のレッグ構造においては、レッグ10が、ガイドレール12の載置、固定されるガイドレール側固定部10-1と、床面14に固定される床面側固定部10-2とを一体に備えた、たとえば段違い形状に折曲形成されている。そして、ガイドレール12の配置ガイドを兼ねる補剛片16を、上方への折曲のもとでその基部10aの左右側辺に立設した、いわゆる剛性強化のなされた形態に、このレッグ10は形成されている。
【0013】
ここで、レッグ10の設けられたシートスライド装置18の概略を説明する。図1を見るとわかるように、シートスライド装置18は、たとえば、ランナ(アッパレールともいう)20を、ガイドレール(ロアレールともいう)12に対し、ローラ22、スチールボール24等の転動子を介して前後方向にスライド可能に組み付けることにより形成されている。
【0014】
この種のシートスライド装置18においては、通常、ガイドレール12が、長手方向に沿って延びるスリット状の開口26をその上面に有する中空形状に形成され(図2参照)、このガイドレール内にその基部20aの内挿配置されたランナ20の延出片20bが、この上面開口を介して上方に延出されている。そして、このランナの延出片20bに、シート(図示しない)がブラケット等を介して連結、固定されるとともに、前後端にそれぞれ固定的に設けられたフロント、リヤのレッグ10を介して、ガイドレール12が床面14に固定されている。
【0015】
なお、このシートスライド装置18の構成は公知であり、このシートスライド装置自体はこの発明の趣旨でないため、ここでは詳細に説明しない。
【0016】
また、図示のような段違い形状のレッグ10は、通常、ガイドレール12のリヤ側に設けられ、略く字形状に折曲形成されたフロント側のレッグ(図示しない)との組み合わせのもとで、ガイドレールは床面14に固定される。
【0017】
ところで、図1に示すように、この種のシートスライド装置18においては、シートベルトの連結されるベルトアンカー、たとえばシートベルトのタングの挿着されるバックル28が、ランナの延出片20bに固定配置されている。そして、このバックル(ベルトアンカー)28は、緊急時等における過大な入力荷重のような、特定荷重以上の入力荷重のもとでシートのセンター寄りの斜め上方(図中矢印F方向)に牽引されるため、緊急時等においては、シートセンター方向(図中右方)に傾倒させる力が、バックルからランナ20に作用されることになる。
【0018】
ここで、レッグの基部10aの左右側辺に設けられた補剛壁16は、通常、直立位置に立設され、従来は、この直立位置での立設のもとで、レッグ10に対する最大限の剛性強化をはかっている。しかしながら、この発明においては、この保護片16を外方、つまりは拡開方向に傾かせることによってその剛性強化の度合いが低下することに着目し、図1、図2を見るとわかるように、この発明では、一対の補剛片を拡開形状とすることによって、レッグ10の剛性低下をはかっている。つまり、従来の構成における補剛片が直立位置に立設されて、ガイドレールの倒れを防止してその傾倒、変形を阻止しているのに対して、この発明では、補剛片を拡開形状とすることにより、ガイドレールを傾倒容易にしている。
【0019】
つまり、この発明においては、一対の補剛片16を拡開形状とすることによるレッグ10の剛性低下設定によって、レッグを、特定荷重以上の入力荷重、つまりは緊急時等における過大な入力荷重のもとでのみ、少なくともその左右方向、ひいては荷重の入力方向となるシートセンター方向(図中右方)に座屈変形可能としている。そして、このシートセンター方向へのレッグ10の座屈変形によって、ガイドレール12、ひいてはシートスライド装置18全体を荷重の入力方向に傾倒可能としている。
【0020】
このような構成において、たとえば緊急時等の過大な入力荷重がバックル28からランナ20に入力すると、レッグ10が、この過大な入力荷重のもとで座屈変形し、この座屈変形に伴うガイドレール側固定部10-1の傾倒のもとで、ガイドレール12、ひいてはシートスライド装置18の全体が、図3に示すようにシートセンター方向に傾倒される。
【0021】
この、シートスライド装置18の傾倒状態においては、過大な荷重の入力方向(矢印F方向)が、ガイドレール12、およびガイドレールの固定面となるガイドレール側固定部10-1の基部10aに対する垂直方向にほぼ一致するため、ガイドレールの上面開口26の外側開口端26a、あるいはリベット32への入力荷重の集中は確実に避けられ、多数箇所を伝達経路として、その入力荷重は床面14に十分、かつ確実に逃がされる。つまり、バックル28からの入力荷重は、ランナ20、ガイドレール12を介し、レッグ10を経て床面14に円滑に逃がされるため、ガイドレールの変形、およびリベット32の破損、損傷等が確実に防止でき、これによって、緊急時等におけるガイドレール、ひいてはシートスライド装置18の一層の安全強化がはかられる。
【0022】
そして、この発明の構成によれば、レッグの補剛壁16を拡開形状とすれば足り、ガイドレールの大型化、重量化、および構成の複雑化等を招くことがないため、コストの上昇等を伴うことのない汎用性に優れた一層の安全強化が、シートスライド装置18に対して容易、かつ確実に行える。
【0023】
なお、この発明の形態においては、補剛片16を根元での折曲角度を変えた単純な拡開形状としているにすぎない。つまり、補剛片16の根元部分は、ガイドレール12を左右側方から挟持可能とする幅のままに残されるため、ガイドレールに対する配置ガイド機能を損なうことはない。従って、汎用性に優れた一層の安全強化が、作業性の低下を伴うことなく容易に確保可能となる。
【0024】
また、この発明の構成においては、レッグ10のみを座屈変形させることによって、シートスライド装置18をシートセンター方向に傾倒させているにすぎないため、緊急時等の過大な荷重の入力後においても、その動作、つまりシートスライド装置のスライドは適切に確保できる。つまり、荷重入力後、着座者の脱出、救出に容易な位置にシートを退避させることが容易であるため、前突等の緊急時後における着座者の脱出、救出の容易化が、この発明によれば確実にはかられる。
【0025】
ここで、この発明の実施の形態においては、基部10aの左右側辺双方の補剛片16を拡開形状としている。しかしながら、シートベルトからの入力荷重の方向(図1、図3の矢印F方向)、つまりシートセンター方向へのレッグ10の座屈変形のもとでガイドレール12、ひいてはシートスライド装置18を傾倒させれば足りるため、これに限定されず、たとえば、シートセンター側の補剛片のみを拡開形状とし、これによって、シートセンター側での剛性低下設定を行ってもよい。
【0026】
このような構成においても、シートセンター側へのレッグ10の座屈変形のもとで、荷重の入力方向、つまりシートセンター方向へのシートスライド装置18の傾倒が確実に得られるため、シートスライド装置に対する、汎用性に優れた一層の安全強化を可能とした前述の実施の形態と同様の効果が、この構成からも十分に確保可能となる。
【0027】
なお、この発明の実施の形態においては、リヤのレッグを例示しているが、フロントのレッグにもこの発明が応用できることはいうまでもない。
【0028】
また、この発明のシートスライド装置のレッグ構造は、自動車のシート、特にフロントシートに装備されるシートスライド装置に適するとはいえ、これに限定されず、シートベルトアンカーの固定配置される構成のシートスライド装置であれば、自動車のリヤシートや旅客機等の他の車両のシートにも、この発明は十分に応用できる。
【0029】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係るシートスライド装置のレッグ構造によれば、荷重入力方向へのシートスライド装置の傾倒が確実、かつ容易にはかられる。そして、荷重入力方向へのシートスライド装置の傾倒により、ガイドレール、およびガイドレール側固定部基部の垂直方向を荷重入力方向にほぼ一致させることができ、ガイドレールの上面開口の外側開口端、あるいはリベットへの入力荷重の集中は確実に避けられるため、ガイドレールの変形、およびリベットの破損、損傷等の防止により、緊急時等におけるガイドレール、ひいてはシートスライド装置の一層の安全強化がはかられる。
【0031】
そして、この発明の構成によれば、レッグの補剛壁を拡開形状とすれば足り、ガイドレールの大型化、重量化、および構成の複雑化等を招くことがないため、汎用性に優れた一層の安全強化が、シートスライド装置に対して容易、かつ確実にはかられる。また、補剛壁による、ガイドレールに対する配置ガイド機能を損なうこともないため、作業性の低下も確実に防止できる。
【0032】
また、レッグのみを座屈変形させることによって、シートスライド装置を対応方向に傾倒させているにすぎないため、緊急時等の過大な荷重の入力後においても、その動作、つまりシートスライド装置のスライドは適切に確保できる。つまり、荷重入力後、着座者の脱出、救出に容易な位置にシートを退避させることが容易であるため、前突等の緊急時後における着座者の脱出、救出の容易化が、この発明によれば確実にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシートスライド装置のレッグ構造の、通常時における一部破断の概略後面図である。
【図2】シートスライド装置のレッグ構造を示す、ガイドレール、およびレッグの概略分解斜視図である。
【図3】荷重入力時における、シートスライド装置のレッグ構造の、図1に類似する概略後面図である。
【図4】従来の構成を示す、シートスライド装置のレッグ構造の、図1に類似する概略後面図である。
【符号の説明】
10 レッグ
12 ガイドレール
16 補剛片
18 シートスライド装置
20 ランナ
28 バックル(ベルトアンカー)

Claims (2)

  1. 長手方向に沿って延びるスリット状の開口をその上面に有する中空形状に形成されたガイドレールと、ガイドレール内にその基部の内挿配置された延出片を有するランナとをシートスライド装置が持ち、ガイドレールの載置、固定されるガイドレール側固定部と、床面に接地、固定される床面側固定部とを一体に備え、ガイドレールの配置ガイドを兼ねる一対の補剛片が、その基部の左右側辺に、上方への折曲のもとで立設され、一対の補剛片をガイドレールの側面に対し拡開形状とすることによって、ランナを介してガイドレールに働くシートセンター方向へのベルト負荷に対してガイドレールを傾倒容易としたシートスライド装置のレッグ構造。
  2. 長手方向に沿って延びるスリット状の開口をその上面に有する中空形状に形成されたガイドレールと、ガイドレール内にその基部の内挿配置された延出片を有するランナとをシートスライド装置が持ち、ガイドレールの載置、固定されるガイドレール側固定部と、床面に接地、固定される床面側固定部とを一体に備え、ガイドレールの配置ガイドを兼ねる一対の補剛片が、その基部の左右側辺に、上方への折曲のもとで立設され、シートのセンター側に位置する補剛片をガイドレールの側面に対し拡開形状とすることによって、ランナを介してガイドレールに働くシートセンター方向へのベルト負荷に対してガイドレールを傾倒容易としたシートスライド装置のレッグ構造。
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