JP3985867B2 - 乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベヤで搬送されるクリンカの量を管理するクリンカ量計測装置に関し、特に、石炭火力発電ボイラの炉底に堆積するクリンカを搬出する乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭焚きボイラでは、ボイラの運転中に灰出しを行わなければならないが、このときにボイラの底部灰出口から空気が侵入するとボイラの効率を低下させるため、ボイラが気密を保てるようにする機構が必要である。よく用いられる灰出し方法は、ボイラ炉底に開口を設けその下に水槽を設置して、炉底に落ちてきたクリンカを水に受けて液封すると共に冷却し、冷却されたクリンカを水底からコンベヤで搬出したり水噴射ポンプで圧送する湿式灰出し法である。しかし、湿式灰出し法は、水の処理や補機動力にコストがかかるため、効率がよくない。
【0003】
そこで、炉底に堆積するクリンカをそのまま乾灰コンベヤで搬出する乾式処理法が開発されている。
この方法は、ボイラの底にピットを形成し、このピットの底に乾式クリンカコンベヤを配設したボイラ装置で実施する。乾式クリンカコンベヤは、金属製の網で形成したコンベヤベルトに金属板を隙間なく相互に摺動可能に敷いてクリンカ灰が下にこぼれないようにすると共にコンベヤ端部のローラを巻回して回転できるようにしたもので、高温のクリンカが載ってもこれに耐える。
【0004】
また、ピットの一端に狭いトンネルが設けられて、クリンカベルトの一端はこのトンネル内に進入して、クリンカコンベヤの端部に設備された排出ホッパにクリンカ灰を落とす。排出ホッパの底には粉砕機が設けられクリンカ灰粒度を調整した上で次の搬送コンベヤに落とされる。クリンカ灰の搬出時にも、トンネルとホッパによりボイラ底部は一定の気密を維持できるようになっている。
ボイラ中で石炭を燃焼させると、炉内で発生したクリンカがピットの底の乾灰コンベヤ上に堆積するので、適当な時間毎にコンベヤを運転してボイラの外に搬出して処理する。
【0005】
しかし、クリンカの性状や発生量は、石炭種や発電量によって変化するので、運転間隔を状況に合わせて調整しないと、搬出量が過大になって下流に設けられる破砕機などの装置に対して過剰な負荷になったり、量が過小で効率が低下したりする。このため、これまでは作業者が乾灰コンベヤ上のクリンカ堆積状況を監視し、手動でコンベヤを作動させていた。したがって、これらの手動作業を自動化する要求があった。
【0006】
コンベヤ上の堆積状況を測定する計測装置として、たとえば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。
特許文献1に開示された装置は、生ゴミなどを燃焼処理するストーカ焼却炉におけるゴミ層の厚さを測定して燃焼を管理するものである。供給フィーダで供給される生ゴミ等は炉内の輻射熱によって乾燥され、その後着火・燃焼する。従来は、試験運転で得られた最適量を用いて生ゴミ供給量としていたが、継続的に処理を行うためにはゴミ層の厚さを管理する必要がある。本文献に開示された装置は、ゴミ層に対向する位置にレーザ源とレーザ検出器を備えて、火炎の波長を避けた波長のレーザを照射して反射光を観察することにより、火炎下のゴミ層の高さあるいは形状を測定するようにしたものである。計測位置を複数としたり、三次元方向のレーザ走査により、広範囲のゴミ層の形状を求めて、ゴミ供給量、ストーカのスピード、空気供給量などを調整して、効率的な燃焼ができるとされている。
【0007】
また、特許文献2に開示された装置は、コンベヤ上方からレーザ光をほぼ垂直に照射してできる光切断面をテレビカメラで撮って観察することにより、移送中の物体を監視したり、運搬量を検出するもので、特にゴミ焼却炉などにおいて炉の負荷を一定に保持したり負荷に応じて燃焼条件を調整するために供給コンベヤに適用する目的で開発されたものである。従来使用されてきた、計量コンベヤや光電素子を用いた堆積レベル検出付きコンベヤなどの問題点を解決して、コンベヤで運搬される物の高さや瞬時的な供給量変化を正確に検出できる装置であるとされている。
【0008】
しかし、乾式クリンカコンベヤを用いた石炭焚きボイラの灰出し装置では、ボイラ底が長矩形であって乾灰コンベヤの長さは数10mにも及ぶこと、ボイラ内は極めて高温であるため設置できるセンサや、設置位置、スペースなどに制約があること、さらに、測定対象の石炭灰が高温になっているため利用する光線の波長に制約があることなどの条件がある。このようなコンベヤに上記開示方法を適用するためには、レーザ装置や検出器に厳重な冷却装置を付属させる必要があり、また1式当たりの測定範囲から極めて多数の測定装置を設置する必要とするなど、実用上の困難がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−283443
【特許文献2】
特開平5−306909
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、発電ボイラの底に配設された乾灰コンベヤ上のクリンカ堆積量を的確に把握して提示する簡単なクリンカ量計測装置を提供することであり、また、従来の監視装置を利用して安価に構成することもできるクリンカ量計測装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置は、コンベヤの端部に設置されコンベヤの進行方向に撮影するカメラと、カメラの出力を入力して画像処理する画像処理装置を備え、コンベヤ上のクリンカ灰の状態を撮影した映像に画像処理を施すことにより、特定の位置における堆積状態の変化を検出して堆積量を推定することを特徴とする。
【0012】
たとえば、コンベヤを収めたピットの側壁に対するクリンカ灰の上面位置を観察することによって、クリンカ灰の堆積量は的確に推定することができる。クリンカ灰の堆積量が所定の値を越えるときには、コンベヤ制御装置を作動させてコンベヤを駆動しクリンカを自動的に搬出することもできる。
また、コンベヤがクリンカ灰を運び出すピットの排出口において排出口を背景としたクリンカ灰の表面プロフィールを観察して、過大に堆積する前にコンベヤを運転して、排出口や排出路中でクリンカ灰が詰まることを防止することができる。
また、カメラ視野の手前位置でクリンカ灰などが異常に堆積すると、画面の下部に暗い影が出現するので、この有無を観察することにより異常状態を検出して、作業者に通告し処理を促すことができる。
【0013】
上記のような各位置における映像は、コンベヤの端部上方に設置した1台のカメラを用いて一挙に取得することができるので、それぞれの位置についてそれぞれに適合する画像処理を行うことによって、必要な情報を形成することができる。
クリンカ排出直後のコンベヤにクリンカが薄く堆積した状態の画像を初期画像として記憶しておいて、測定時の画像と初期画像の差分を取ることにより、堆積量を推定する。時間が経つと堆積するクリンカ灰以外の物は、画像中で変化をしないので、差分を取ることにより相殺され、得られた差分画像はクリンカ灰の増加分を表すものとなる。たとえば、クリンカの縁を観察していて縁の高さの増加代に基づいて堆積量を知ることができる。
【0014】
ただし、画面は遠近法に従って手前が大きく、離れればそれだけ小さく写るので、距離に基づいた縮尺換算に注意しなければならない。しかし、通常は、クリンカの降灰状態はコンベヤの長手方向においてほぼ同等であるから、コンベヤ上の堆積量を推定するためには、ピット側壁の適当な領域を切り出してクリンカ表面位置の観察を行えば足りる。
したがって、カメラの視野を固定しておけば、撮影した画面中の一定領域をトリミングして差分処理を行い、クリンカ表面の高さの増加を見ることでコンベヤ上のクリンカ堆積量を推定することができる。なお、演算領域の位置を確認するため、画面中の画像に現れる梁や仕切りなどの位置に注目して切り出し領域の修正をすることができるようにしておくことが好ましい。
【0015】
また、ピットの排出口は暗く写っているので、その暗い開口の位置で堆積したクリンカ灰の表面を捉えて、高さの平均値が所定の高さを超えたときにコンベヤを作動させて、クリンカ灰がそれ以上堆積しないようにすることが好ましい。
排出口におけるクリンカ灰の平均的な表面高さは、切り出した排出口部分について、差分画像をとり、さらに隣接画素間の差分を取るなどして輪郭を検出し、この値をY軸に投影してY軸プロジェクションを形成し、そのピークが生じる高さから求めることができる。具体的には、領域内の画像における画素毎に隣接画素との濃度信号の差分値を求めて輪郭を検出し、これを水平方向に、すなわち同じY値毎に、積算しY軸に展開する方法などによりY軸プロジェクションを求めることができる。
また、画像手前の暗黒部は画面の下側中央位置に限った画像処理により検出することができ、検出された暗黒部の最高位置が所定の閾値を越えるときに警報を発生すればよい。
【0016】
なお、ボイラ底はクリンカ灰が舞い上がって視野を遮ったり、輪郭が不明瞭になったりして、クリンカ灰の稜線を明確に検出できないときがある。ピット排出口における画像処理では、微分画像のY軸プロジェクションの値を用いて判定する。粉塵が発生して視野を損ねるときはプロジェクション値が小さくなり、境界が明瞭であるときはプロジェクション値が大きくなる。そこで、Y軸プロジェクションが所定の値以上ないときは輪郭画像が不明瞭で測定の信頼性が低い可能性が高いので測定結果を採用しないようにすることが好ましい。
【0017】
また、振動や経年変化によってカメラの設置位置が変動すると撮影する領域が変化してクリンカ表面の位置測定結果に誤差をもたらす。そこで、カメラの視野内の特定部位を指定して、この部位が写り込んだ位置をパターンマッチングで検出して、初期における位置との誤差を算出し、検出された誤差に基づいて画面中の映像の位置を修正するようにすることができる。また、この誤差に基づいてカメラの視線方向や設置位置を調整してもよい。
計測結果は、数値表示ばかりでなく、経時変化を図化するなど、直感的に理解しやすい形態で表示するようにしてもよい。
【0018】
ボイラの運転中に、ボイラの内壁にクリンカが付着して発達し、これが剥がれて塊となってコンベヤ上に落下してくることがある。塊の大きさによっては、直ちに排出するなどの処理を行う必要がある。そこで、大塊がコンベヤ上に落ちたときに検出して警報する機構を備えることが好ましい。本発明のクリンカ量計測装置は、カメラの出力画像を所定の間隔で入力し、新しい画像を取得したときに適当時間前の保存画像との差分画像を生成させ、この差分画像を適当な閾値を用いて二値化し、得られた二値化画像に所定面積より大きな像があれば、異常な変化があったと推定して警報するような機構を付属することができる。
なお、このような異常変化を検出したときは、その以前の幾つかの画像を記録しておいて、静止画あるいは動画として再生して観察できるようにしておくことが好ましい。運転員が事象を見逃したときにも、再生して確認することができる。記録画面は、ハードディスクやDVDなどランダムアクセス可能な記録媒体にデジタルデータとして記録しておくと、再生時に頭出しが容易であるなどの利益がある。
【0019】
本発明の乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置は、石炭焚きボイラの炉底に設置した乾式クリンカコンベヤの稼働状態を監視するために従来から設備されているコンベヤ監視カメラの映像出力を利用して経済的に構成することができる。カメラの映像出力は画像処理装置に入力され、画像処理装置が画像処理技術を駆使して必要な情報を生成し、表示装置に表示して運転員の判断を支援したり、入出力装置を介してコンベヤ制御装置に送ってコンベヤの自動運転を行ったりすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を用いて本発明の乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置を詳細に説明する。
図1は本実施例のクリンカ量計測装置のブロック図、図2はその撮像装置の配置を示すボイラ底部構成説明図、図3はカメラの捉える画像の例、図4は画像処理によりクリンカ量を計測する手順を説明する映像図、また、図5は画像処理により排出開口付近のクリンカ堆積状態を検出する手順を説明する映像図、図6はカメラの前面に堆積したクリンカを検出する手順を説明する画像図、図7はクリンカ塊の落下を検出する手順を説明する映像図である。
【0021】
本実施例のクリンカ量計測装置は、図2に表示したように、石炭火力発電ボイラの火炉の底に設けられた乾灰コンベヤとも呼ばれる乾式クリンカコンベヤにおけるクリンカ灰の堆積状態を計測するために使用されるものである。
適用対象とする石炭焚きボイラは、火炉10の長さがほぼ24m程度あり、胴11の下にピット12が設けられ、火炉の胴11とピット12の間にトランジションホッパ13が設備されている。ピット12の底に、長手方向に運搬移動する乾式クリンカコンベヤ21が設けられている。
【0022】
乾式クリンカコンベヤ21は、金属製網に金属板を隣同士が摺動可能に固定された耐熱ベルトを使用したもので、高温のクリンカ灰や火炉からの輻射熱に十分耐えるようになっている。
乾式クリンカコンベヤ21のコンベヤベルトは、ピット12の天井の開口の一端から他端までの全ての領域をカバーして敷設され、さらにピット12の一端に設けられた搬出用開口14からトンネル15を通って、ホッパ16の上まで繋がっている。ホッパ16はクラッシャを備えており、その下に搬送コンベヤ22が設備されている。ピット12の天井部には適当な間隔で梁18,19を設けて強度を補強してあり、開口は梁によって幾つかに仕切られている。
【0023】
トランジションホッパ13の側部に監視用TVカメラ17が設けられ、降灰の模様を観察できるようになっている。この監視用カメラ17は、本実施例とは独立に利用される。
また、ピット12の乾灰コンベヤ上流側に、コンベヤ画像取得用TVカメラ31が設けられ、ピット12内の乾灰コンベヤ21のベルト移動軸方向に見た映像を取得して、作業員がコンベヤ上のクリンカ灰堆積状態を監視できるように表示できるようにすると共に、図1に示すクリンカ量計測装置30に映像信号を供給する。
【0024】
図3は、コンベヤ画像取得用TVカメラ31で取得した映像の例を示す図面である。取得した映像画面40には、中央下側に遠く搬出用開口14まで延びた乾灰クリンカコンベヤ21の上面が写っており、その両側にピット12の傾斜した可動式の壁が現れている。ピット21の壁には壁の継ぎ目や凹凸、あるいは明暗の斑などが現れている。また、画面40の上半分にピット12の天井部にある梁18,19が写っている。
【0025】
クリンカ量計測装置30は、図1に示すように、画像処理装置32、演算装置33、入出力装置34、および表示装置35から構成され、TVカメラ31の映像出力を取り込んで所定の演算処理を施してコンベヤ上のクリンカ量を推定し、必要なときを見計らってコンベヤ制御装置36を作動させて、コンベヤ21を駆動する。
画像処理装置32は、TVカメラ31の信号出力を入力し、所定の画像処理を施して、クリンカ量の算定に必要な情報を生成し、演算装置33に供給して堆積状態を評価する。この結果は表示装置35に表示すると共に、入出力装置34を介してコンベヤ制御装置36に送られる。
コンベヤ制御装置36は、排出指令信号を受け取ると、乾灰コンベヤ21を自動起動して、ほぼ20mm/sの速度で搭載物を搬出する。搬出された搭載物は、さらにクラッシャで粒度を調整した後、搬送コンベヤ22で図外の次工程に搬送される。
【0026】
図4は、本実施例のクリンカ量計測装置によってコンベヤ上に堆積したクリンカ灰の厚さを計測するときの手順を説明する図面である。
石炭焚きボイラでは、火炉胴11中で発生して降下するクリンカ灰はトランジションホッパ13に案内されてコンベヤ21の上に堆積する。
石炭焚きボイラに設備されたクリンカ量計測装置は、まず、カメラ31によりコンベヤ21にクリンカ灰などが堆積していないうちに撮影した画像を記憶装置に記憶しておく。図4(a)に示したように、画面41に映し出されたクリンカ灰42はコンベヤ21の全面を薄く覆う程度に堆積している。なお、図は、取得する映像を概念的に簡略化して示したものである。
【0027】
カメラ31は連続して映像を取得しており、適当な間隔で映像信号を画像処理装置32に送る。図4(b)に示すように、コンベヤ21上のクリンカ灰44は、時間が経つに従って堆積して表面が上昇し、特にピットの側壁の下遇部を徐々に覆って、顕著な被覆部分を形成する。
画像処理装置32は、入力された画面43と先に記憶しておいた初期画面41の差分を取って差分画面45を生成する。視野の中で経時によって変化しない物は、初期画面41と適宜入力される画面43の両方に写っているため、両者の差分を取ることにより相殺される。したがって、壁、梁、排出口などの構造物の映像が消去されて、差分画面45には、図4(c)に示すように、クリンカ灰の表面増加代46の映像のみが残る。なお、クリンカ灰の表面形状は厳密には両画面で異なるが両者は極めて均質なため、ノイズ水準の光点を除いて相殺され密度の低い領域となる。
【0028】
初期画面41に写っていたクリンカ灰42は乾灰コンベヤの上面に薄く広がっているものでコンベヤの面と変わらないので、差分画面45に残っているクリンカ灰表面増加代46を側面の壁に沿って計ると、これがクリンカ灰の深さに対応することになる。
クリンカ灰の深さは、ピット12の全長に亘ってそれほど変化がないと考えることができるので、画面中に適当な測定領域を指定してそこで深さを算出してコンベヤ全長に亘るクリンカ堆積量を推定することができる。
クリンカ灰の深さはピット12の側壁との関係で確定するので、測定領域は、コンベヤ21の両側の側壁部分51,52に設定する。ここで算定される深さ53,54を使って全堆積量を推定する。両側の壁を利用することにより、堆積状態の偏りを算入することができる。
【0029】
なお、測定領域51,52は、画面中の一定位置に決めることができるが、カメラ31の視野が変化する場合もあるので、梁の位置など、変動のない部分を利用したパターンマッチング処理で偏差を検出し、当初の位置を再現するようにカメラ31の視線調整を行うことが好ましい。また、検出した偏差に基づいて画像中の測定領域の位置を調整するようにしてもよい。
なお、画面の現れるコンベヤ21の表面形状は遠近法に従って遠方に行くほど小さくなり、クリンカ灰の画像についても画素当たりの深さが大きくなるので、深さ測定において適正な精度を確保するためには、測定領域51,52をカメラ31からあまり遠い位置にしないことが好ましい。
【0030】
クリンカ量計測装置によってコンベヤ上に堆積したクリンカ灰の量を推定し、クリンカ量が所定の値を越えるときには、コンベヤ制御装置36を介して乾灰コンベヤ21を駆動して溜まったクリンカを次の処理工程に搬出させる。クリンカ灰はコンベヤの上に堆積するので、ベルトを半回転させるだけで堆積した物を全て搬出することができる。一旦全てのクリンカ灰を搬出した後は、コンベヤを停止して、クリンカがまた所定量堆積するまで運転をしない。
なお、逐次求められた測定値は、表示装置35に数値として表示する他に、堆積状態のトレンドとして作業員に直感的に理解しやすいグラフの形で表示することが好ましい。
【0031】
トンネル15に進入するクリンカの堆積量が大き過ぎると搬出用開口14やトンネル15で詰まったり零れたりして不具合が生じやすい。このため、搬出用開口14の直前の位置でクリンカ灰の堆積状態を把握することが要請される。
図5は、本実施例のクリンカ量測定装置において、搬出用開口14の直前にあるクリンカ灰の堆積状態を管理するための処理手順を説明する図面である。
【0032】
図5(a)に示したように、映像画面の最奥の位置にある搬出用開口14の画像55を背景として、その前のクリンカ灰の画像56が写り込んでいる部分を測定領域57として切り出す。そして、図5(b)に示すように、測定領域57内の画像信号を処理してクリンカ表面の輪郭58を検出する。
ここでは、たとえば近隣の画素同士の明度について微分処理して濃淡勾配から輪郭を求めてもよい。
【0033】
こうして求めた微分画像など、輪郭線情報を画面の座標に対応して有する画面は、測定領域57内について当輪郭線情報値をX軸方向に積算して、Y軸方向に積算値の分布、すなわちY軸プロジェクション59を求めて表示する。図5(c)はこのようにして表示されたY軸プロジェクションの例を示す。
Y軸プロジェクションは、輪郭線が位置する頻度の高い位置にピーク60が現れる。この位置は輪郭線位置の最頻値であり、多くの場合は輪郭線の平均値とすることができ、クリンカ量を代表させることができる。このような機械的な手法によれば、電子計算機を用いて効率よくクリンカの平均高さを求めることができるので、好ましい。
【0034】
搬出用開口の前におけるクリンカ灰が所定の高さを越える場合は、コンベヤを運転して、クリンカがさらに堆積する前に搬出することにより閉塞事故などを回避することができる。
なお、微分画像のY軸プロジェクション値は、クリンカ輪郭が明確であるときは大きな値となり、粉塵などで視界が悪く輪郭が明瞭でないときは小さくなる。したがって、プロジェクション値が所定の値を下回ったときは測定の信頼性が悪いので、判定の根拠として採用しないようにすることが好ましい。
【0035】
また、図6は画面の手前側にクリンカの影が写るときの処理手順を説明する図面である。映像画面40の下側に検出領域61を設定する。正常なときは、検出領域61の位置にはコンベヤ21に堆積したクリンカが写っている。何らかの異常で、コンベヤ21のカメラ31が設置されている端部側にクリンカが堆積すると、クリンカの山がカメラ31の視野を遮って映像画面40の下側に影62ができる。この影は画像に2値化処理などの画像処理を施すことによって機械的に検出することができる。クリンカの山が発達してカメラの視野を遮り自動運転が不能になると危険なので、このようにして検出したクリンカの影62の頂点が予め決めた閾値63より高くなったら、警報を発して作業員に適切な処理を取ることを促す。
【0036】
また、ボイラの運転を継続しているうちに、ボイラの内壁にクリンカが付着し塊として発達することがあるが、このようなクリンカは、大きな塊となってコンベヤ21の上に落下してくることがある。塊の大きさによっては直ちに排出する必要があるので、運転員が遅滞なくこれに気付いて処理することが求められる。しかし、運転員が常時監視しなければならないとすると他の仕事ができなくなるので、自動的に検出して警報する機構を付属することが好ましい。
図7は、本実施例のクリンカ量計測装置に付属する警報装置が実行するもので、大きな塊がコンベヤ上に落下したときに自動的に検出する手順を説明するものである。
【0037】
コンベヤ画像取り込み用のTVカメラ31から所定の時間間隔で入力した図7(a)にあるような画像70を記憶装置に保存する。新たに画像71が入力されると、図7(b)のような新しい画像71と所定時間前に入力された図7(a)の画像70の差分画像73を生成する。差分画像73は図7(c)に示すように先の状態から変化した部分を表わす。
したがって、新しい画像71中のコンベヤ上に大きな塊72が落下してきたときには、差分画像73の中に大きな図形74が現れる。こうして得られた差分画像73について適当な閾値を用いて2値化画像を生成し、2値化画像中に所定値より大きな面積を持つ図形が検出されたときには、警報を発して作業者に注意を促す。
【0038】
なお、大きな塊を検出したときの画像を一定間隔の静止画あるいは動画として記録しておき、必要に応じて再生できるようにしておくことが好ましい。運転員が塊が落下した瞬間を見逃したときにも、再生した動画等を観察することにより事態を正確に認識することができる。このような記録は、発生毎にデジタルデータとしてハードデスクなどランダムアクセスが可能な記録媒体に頭出し可能に記録しておいて、再生を簡単かつ効率的に行えるようにすることが好ましい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置により、TVカメラを端に備えるだけでボイラ底に堆積するクリンカ灰の量を正確に把握して、必要なタイミングでボイラ底から排出して処理する他、異常堆積を検出して警報するようにすることができるので、乾灰コンベヤの自動運転を可能にすると共に、運転員による異常処理をスムーズに行って、効率のより石炭焚きボイラの運転を行うことができる。なお、TVカメラは従来から使用されている監視用カメラを利用して装置を経済的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリンカ量計測装置の1実施例の構成を説明するブロック図である。
【図2】本実施例のクリンカ量計測装置を適用した石炭焚きボイラおよびクリンカ処理設備を示す概念図である。
【図3】本実施例においてカメラが捉える映像例を示す画像である。
【図4】本実施例において画像処理によりクリンカ量を計測する手順を説明する映像図である。
【図5】本実施例において画像処理により排出開口付近のクリンカ堆積状態を検出する手順を説明する映像図である。
【図6】本実施例において画像処理によりカメラの前面に堆積したクリンカを検出する手順を説明する映像図である。
【図7】本実施例において画像処理によりクリンカ塊の落下を検出する手順を説明する映像図である。
【符号の説明】
10 火炉
11 火炉胴
12 ピット
13 トランジションホッパ
14 搬出用開口
15 トンネル
16 ホッパ
17 監視用TVカメラ
18,19 梁
21 乾式クリンカコンベヤ
22 搬送コンベヤ
30 クリンカ量計測装置
31 コンベヤ画像取得用TVカメラ
32 画像処理装置
33 演算装置
34 入出力装置
35 表示装置
36 コンベヤ制御装置
40,41,43 映像画面
42,44 コンベヤ上のクリンカ灰
45 差分画面
46 クリンカ灰の表面増加代
51,52 クリンカ量測定領域
53,54 クリンカ厚さ
55 搬出用開口画像
56 クリンカ灰画像
57 測定領域
58 クリンカ輪郭
59 Y軸プロジェクション
60 ピーク(クリンカ輪郭平均値)
61 検出領域
62 クリンカの影
63 閾値
70,71 画像
72 変化部分
73 差分画像
74 クリンカ塊
Claims (9)
- ボイラの火炉の下に設けられたピットの底に配設された乾灰コンベヤにおけるクリンカ灰の堆積状態を計測するために使用する計測装置であって、該コンベヤの端部に設置されコンベヤの進行方向を観察する映像を取得するカメラと、該カメラの出力を入力して画像処理する画像処理装置を備え、該コンベヤ上のクリンカ灰の状態を撮影した撮影時刻の異なる複数の画像に画像処理を施し、特定の位置におけるクリンカ堆積状態を検出することによりクリンカの嵩を測定し、該コンベヤ上のクリンカ堆積量を推定することを特徴とする乾灰コンベヤのクリンカ量計測装置。
- 前記特定の位置は、前記撮影した画像中に写る前記乾灰コンベヤの両側の壁の一部の位置であることを特徴とする請求項1記載のクリンカ量計測装置。
- 前記撮影した画像中の前記ピットの端部に設けられた搬出用開口の部分を特定して前記クリンカの画像に画像処理を施して、異常堆積状態を検出し警報することを特徴とする請求項1または2記載のクリンカ量計測装置。
- 前記撮影した画像中の下側に現れるクリンカの影の像に画像処理を施して、異常堆積状態を検出し警報することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクリンカ量計測装置。
- 前記画像処理は複数の画像の差分画像を生成する工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のクリンカ量計測装置。
- 前記画像処理は前記差分画像における画素情報を1軸方向に積算したプロジェクションを生成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載のクリンカ量計測装置。
- 前記プロジェクションが、粉塵の影響で画像が不明瞭で、所定の閾値より小さいときには判定を保留して粉塵の影響を抑制することを特徴とする請求項6記載のクリンカ量計測装置。
- 前記推定されたクリンカ堆積量はトレンドグラフとして表示することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のクリンカ量計測装置。
- 前記カメラの出力画像を所定の間隔で入力し、新しい画像を取得したときに所定の時間前の保存画像との差分画像を生成させ、該差分画像を適当な閾値を用いて二値化し、得られた二値化画像に所定面積より大きな像があれば、異常な変化があったと推定して警報する機構を付属することことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のクリンカ量計測装置。
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