JP3985885B2 - レール研削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道線路におけるレール頭部を研削するためのレール研削装置に係り、特に、レール溶接の仕上研削や、敷設されたレールの保守作業においての局部的損傷や局部的凹凸箇所の修正等、研削精度が必要とされる際に使用するレール研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在のレール溶接工法には、ゴールドサミット溶接、エンクローズアーク溶接、ガス圧接、フラッシュバット溶接が存在するが、いずれの工法においてもレール同士の溶接部に余盛り部が発生する。この余盛り部は、作業員の操作により、溶接部上にハンドグラインダー(研削機)の回転砥石部を押し当て、粗研磨を行った後に仕上研削を行っている。
【0003】
この研削精度は、在来線の場合、1mのスパンで基準値に対する高低(レール頭部の高低誤差)が+0.5mm以内、−0.1mm以内に収まることが要求され、通り(レール頭部側面の誤差)が+0.5mm以内、−0.5mm以内に収まることが要求される。同じく新幹線の場合、2mのスパンで基準値に対する高低が+0.3mm以内、−0.1mm以内に収まることが要求され、通りが+0.3mm以内、−0.3mm以内に収まることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したレール溶接作業は線路路盤上で行うため、作業条件が悪く、しかも手作業であるにもかかわらず、列車スピードアップ化に伴い、その研削作業には上記のような仕上精度が要求されるため、作業時間を費やし、技能者育成にも時間がかかるという問題があった。
【0005】
また、敷設されたレールに対しても、局部的損傷や局部的凹凸箇所の修正のため研削作業が必要になる場合がある。
これは、列車のスピードアップ化に伴い、列車振動が増幅し、レール溶接頭頂面の落ち込みやレールの局部的な落ち込み(凹凸部位)が発生するからである。レールに発生する凹凸部位は、列車が通過することにより、レールの寿命を縮めるとともに、騒音や振動の発生源となっている。
【0006】
この凹凸部位を修復するため、定期的にレール研削装置が備えられた研削車輌を走行させることが行われているが、大掛かりな装置であるため、頻繁に走行させることができず、そのため研削周期(二年に一回等)が長くなり、発生した凹凸部位の修復を全てカバーすることが困難である。このため、現実的には、レール溶接作業の場合と同様に、作業員の操作によるハンドグラインダー(研削機)を使用しての研削を行い、レールの延命を図っているのが現状である。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、レール溶接後のレール頭部仕上げ研削や、列車通過に伴いレールに生じる凹凸部位の研削に対して、作業者の熟練を必要とせずに容易に所望の研削精度を確保でき、且つ、作業時間の短縮化が図れるレール研削装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係るレール研削装置は、レールをクランプしてレールに固定されるレールクランプ手段と、このレールクランプ手段に装着されるレール面追従手段と、このレール面追従手段に装着されるレール研削手段と、を具備して構成されている。
レールクランプ手段は、レール頭部側を固定可能とするクランプ機構が中央に装着された一対のレール支持板間に、レールの両側面においてその長尺方向にそれぞれ平行となる各ガイド棒を架設している。
レール面追従手段は、前記レールクランプ手段の各ガイド棒に沿って移動可能な走行装置が装着された固定盤と、固定盤に対して回動可能に軸着された回動板と、回動板に往復移動可能に装着されたスライド体とを有している。
そして、前記スライド体の固定盤側に誘導部を設け、前記固定盤の前記回動軸を囲む上方及び側方に誘導孔を形成し、前記誘導部が回動板に形成された長孔を介して誘導孔に嵌合するように装着することにより、前記スライド体に装着された作動桿がレール面の頭部に追従して動作するようになっている。
レール研削手段は、レール頭部に対向するように前記レール面追従手段のスライド体の作動桿に装着されている。
【0009】
このレール研削装置によれば、レールに対して各レール支持板をクランプ機構により固定することにより、レールの両側面においてその長尺方向にそれぞれ平行となる各ガイド棒を位置させることができる。
【0010】
そして、レール面追従手段は、この各ガイド棒に沿って移動可能な走行装置を有しているので、レール支持板間において、レール面追従手段をレールの長尺方向に往復運動させることができる。
【0011】
また、レール面追従手段は、固定盤に対して回動板が回動するに際して、固定盤に形成された誘導孔を誘導部が移動し、回動板に装着されたスライド体が往復移動することにより、スライド体に装着された作動桿のレール研削手段をレール面の頭部に追従して動作させることができる。
【0012】
そして、このレール研削装置において、固定盤、回動板、スライド体はそれぞれ一対設けられ、各固定盤にそれぞれ誘導孔が形成され、作動桿がスライド体間に架設されていることが好ましい。固定盤に対して回動板を安定して回動可能とするためである。
【0013】
固定盤に設けた誘導孔は、二つの円弧状孔を連結して構成されている。この円弧状孔をスライド体に形成された誘導部が移動することにより、スライド体に装着された作動桿がレール面の頭部を囲むような軌跡で移動する。
【0014】
誘導部は、スライド体の固定盤側に突出して装着された回転可能なローラーで構成することにより、誘導孔内をスムーズに移動することが可能となる。
【0015】
また、レール研削手段は、緩衝手段を介して作動桿に装着されている。これにより、レール研削手段で発生する振動が作動桿側へ伝わることを遮断する。
【0016】
スライド体上には、レール面の研削精度を測定するための測定装置が装着されている。スライド体が装着された回動板は、走行装置によりレールの長尺方向で往復運動が可能であり、また、スライド体及び誘導部によりレール面を追従するように移動可能であるので、レール面の長尺方向やこれに直交する方向での研削精度を容易に測定することができる。
【0017】
レール支持板に装着されるクランプ機構は、レール支持板中央から外側に突出して装着される平板状の垂直保持板と、この垂直保持板上に装着され鉛直方向に延設する締結軸を有する押え金具と、この締結軸に対して鉛直方向に移動可能に装着された締結ナットと、レール顎部を両側から押えるとともにレール頭部を前記垂直保持板とで挟むため前記締結ナットに連結された各L字形状のキャッチ片対と、を具備している。
【0018】
そして、一対のキャッチ片は、一対のキャッチ片の開口側がレール頭部幅より広く拡開される解除状態と、レール顎部を両側から押える締結状態との間を往復動作するように構成されたリンク機構を介して前記締結ナットに連結して構成されている。
【0019】
また、垂直保持板の中央下面には、レールの長尺方向に沿った凸部が設けられている。レール面の頭部が変形している場合でも確実に接するようにし、垂直保持板が水平面に載置されるように構成している。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るレール研削装置の実施の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1はレールに装着されたレール研削装置の斜視説明図、図2はレールに装着されたレール研削装置の正面説明図、図3はレールに装着されたレールクランプ装置の斜視説明図である。図4(a)(b)はレールに装着されたレールクランプ装置の側面説明図である。図5はレールクランプ装置の一側の平面説明図である。
【0021】
レール研削装置は、図1及び図2に示すように、レール100に確実に固定されるレールクランプ機(レールクランプ手段)1と、このレールクランプ機1に対してレールの長尺方向に沿って往復移動可能に装着されるレール研削機2とから構成されている。レール研削機2は、レール面追従手段3と、このレール面追従手段3に装着されるレール研削手段90とを具備し、更にレール面追従手段3には、レール面の研削精度を測定するための測定装置4が装着されている。
【0022】
先ず、レールクランプ機1の構成について、図1及び図3を参照しながら説明する。
レールクランプ機1は、レール100上に載置可能なように下部中央にレール頭部が嵌合する溝部11を有する一対のレール支持板10,10と、これらレール支持板10を間隔をおいて連結するため、レール100を中心にしてレール支持板10,10間にそれぞれレール100に対して平行に架設された2本の円筒状のガイド棒12,12とを有している。
【0023】
レール支持板10の外側面には、図4に示すようなクランプ機構が装着されている。
すなわち、各レール支持板10,10中央の溝部11上に、外側に突出する平板状の垂直保持板13がレール支持板10の内面側からビス止めして装着されている。
この垂直保持板13上には押え金具14の底面周囲が溶接して装着され、その中央上方に締結軸15が延設されている。締結軸15は周囲にネジ山を有して構成され、その上端には締結ハンドル16が装着されている。締結軸15には、左右に翼片部17aを有する締結ナット17の中央孔が軸着されている。
また、垂直保持板13の中央下面には、レールの長尺方向に沿った凸部13aが設けられている。
【0024】
締結ナット17の両側には、リンク機構18を介して各L字形状のキャッチ片19,19がそれぞれ連結されている。リンク機構18は、翼片部17aの左右にそれぞれ一対が連結される開閉クランプ18aと、開錠クランプ18bと、各翼片部17aと各開閉クランプ18aとを軸支するピン18cと、各キャッチ片19と各開閉クランプ18aを軸支するピン18dと、開錠クランプ18b同士を連結するピン18eと、開錠クランプ18b間に装着されるロックばね18fと、を具備して構成されている。
【0025】
すなわち、図5に示されるように、翼片部17a及びキャッチ片19を挟むように、一対の開閉クランプ18a,18aの一方が各翼片部17a側でピン18cによって軸支され、他方がキャッチ片19の中央上寄り部でピン18dによって軸支されている。また、ピン18dの前面側にはロッド18gが装着され、前面に開錠クランプ18bの一端が軸支されている。各開錠クランプ18bの前面側の略中央には円柱状凸部18hが形成され、円柱状凸部18h間にロックばね18fが架設されている。
また、垂直保持板13の幅L1及び締結ナット17の翼片部17a間の幅L2は、レール100の頭部のレール幅L0に等しく設計されている。
【0026】
リンク機構18を上記のように構成することにより、キャッチ片19の折曲部がレール顎部を両側から押えて垂直保持板13との間で挟み、キャッチ片19の側面部がレール側面を挟み、この状態で締結ハンドル16を締めつけることにより、締結ナット17及びキャッチ片19を押え金具14に対して上方に移動させ、垂直保持板13の凸部13aと両キャッチ片19,19とでレール頭部を押えつけ、レール100に対してレール支持板10を確実に固定することができる(図4(b)に示す締結状態)。
【0027】
一方、締結状態から締結ハンドル16を緩めた後、キャッチ片19の開口側がレール頭部幅より広く開拡させながらリンク機構18を動作させてキャッチ片19を上方に移動させると、図4(a)に示す解除状態とすることができる。この解除状態は、ロックばね18fの収縮作用でこの状態を保持することができる。
【0028】
次に、レール研削機2の構成について、図1及び図2、図6〜図10を参照しながら説明する。
間隔を開けて配置された一対の扇形状の固定盤20,20に対して、その底面の両端位置に平板21を連結し、平板21,21間の内側にそれぞれ側板22,22を架設して、研削機本体を構成している。
【0029】
各側板21の固定盤近傍位置の四箇所には、レールクランプ機1のガイド棒12に沿って移動可能な走行装置30がそれぞれ装着されている。この走行装置30は、平板21の外側に形成した軸21aに装着されガイド棒12の上面部分にローラー周囲が接する走行ローラー31と、走行ローラー31より中央寄りの側板22端の外側においてガイド棒12の側面部分にローラー周囲が接するよう装着されたサイドローラー32と、サイドローラー32より中央寄りの側板22端の外側に固定されたL字形箱体40の内部においてガイド棒12の下面部分にローラー周囲が接するよう装着された下部ローラー33と、を備えて構成されている。
【0030】
L字形箱体40の下部ローラー33は、レールクランプ機1からレール研削機2を着脱するための着脱機能も兼用している。すなわち、図7に示すように、ガイド棒12の直上位置に対応するL字形箱体40に設けられたクランク軸41に、略コ字形のクランク片42が前記ガイド棒12に対して直交する面で回動可能なように軸着されている。クランク片42の下方先端位置には、ガイド棒12の下面に接して回転する下部ローラー33が装着されている。クランク片42の反ローラー側先端には孔部43が形成され、この孔部43とL字形箱体40内の下方位置に設けられた円柱状突起44との間に、縮み方向に力が生じるコイルバネ45が装着されている。
【0031】
また、L字形箱体40内の上方位置に設けられたハンドル軸46にL字形の開閉ハンドル47が移動可能に軸着されている。開閉ハンドル47の短片側先端部47aは、クランク片42の前記クランク軸41の上方位置に形成された溝部42aに嵌合するようになっている。ハンドル軸46には、これを巻回する巻回部と、この巻回部48aから両側から延長される棒状の支持部48bとを有するバネ48が装着され、前記支持部48bの一方が開閉ハンドル47の下面に接し、他方が前記ハンドル軸46よりやや下方に設けられた突起部49に接することにより、各支持部48bに生じるバネ48の拡開力により開閉ハンドル47の長片側が水平位置に保持されるようになっている。
【0032】
上記構造により、手動によりコイルバネ45に抗してクランク片42を回動させ、下部ローラー33がガイド棒12の下面に接すると、バネ48の付勢力により開閉ハンドル47の短片側先端部47aが溝部42aに嵌合し、この状態が保持されることにより、レールクランプ機1に研削機2を装着することができる。そして、開閉ハンドル47の長片側をバネ48に抗して下方へ押し下げると、開閉ハンドル47の短片側先端部47aが溝部42aから外れ、クランク片42がコイルバネ45のバネ力により回動し、案内棒12から下部ローラー33が離脱された状態となり、レールクランプ機1から研削機2を離脱させることができる。
【0033】
次に、レール研削機2が具備するレール面追従手段3、及び、このレール面追従手段3に装着されるレール研削手段90について説明する。
各固定盤20の下方寄りの中央に孔部23が穿孔され、この孔部23に長尺状の回動板51の先端に形成された軸部52が各固定盤20の外(表面)側から軸着されている。回動板51の先端部間には、方形柱状の作動ハンドル53が架設されている。回動板51の表面(固定盤20と反対)側には間隔を置いて上部支持片54と下部支持片55が立設され、この支持片間に円筒状のスライド用軸56が架設されている。
【0034】
また、回動板51の裏面側には、固定盤20の縁部を挟むL字片57が装着され、この縁部を挟むL字片57に装着されたネジ58の先端が前記縁部を押えることにより、回動板51の位置を固定盤20に対して固定するようになっている。
【0035】
回動板51の表面側には、前記スライド用軸56が貫通するよう装着された2個のスライド支持部62が設けられたスライド体61が装着されている。また、固定盤20には、軸着された軸部52を囲む上方及び側方に、二つの円弧状孔を連結して成る誘導孔24が形成されている。この誘導孔24の穿孔位置は、後述するように、レール研削手段90がレール頭部に追従して動作するように設計されている。
【0036】
そして、前記スライド体61の下方端部の裏面(固定盤)側には、スライド用軸56に沿って回動板51に形成された長孔59を貫通して固定盤20側に突出する軸63の端部に誘導ローラー(誘導部)64が装着され、この誘導ローラー64が固定盤20に形成された誘導孔24に嵌合し、誘導ローラー64が回転しながら誘導24孔内を移動することにより、軸63が長孔59を移動してスライド体61が回動板51上を往復移動するようになっている。
【0037】
各スライド体61の上部両側面側には、回動板51に対して隙間を存しさせて挟む板体65が固定され、両スライド体61の板体65で作動桿66の両端部が挟まれるように固定されている。
作動桿66には、昇降装置70が装着され、この昇降装置70の昇降ロッド72に緩衝装置80を介してレール頭部に対向するようにグラインダー(レール研削手段)90が装着されている。グラインダー90には、グラインダー内部のモータ(図示せず)により回転する円柱状の砥石91が装着されている。
【0038】
昇降装置70は、作動桿66を貫通して装着された円柱状の本体71と、本体71内を軸方向に摺動する角柱形状の昇降ロッド72と、昇降ロッド72内に螺着され上端にハンドル73が装着された円柱軸部74と、から構成され、ハンドル73を回転させることにより本体71に対して角柱形状の昇降ロッド72が螺進又は螺退するように構成されている。
【0039】
緩衝装置80は、昇降ロッド71に固定されており、一対の平板81と、平板81間の四隅に装着された緩衝バネ82により構成されている。
【0040】
グラインダー90は、その両端部を、平板81の下面に固定された取り付け片83にナット84で固定するとともに、平板81に装着された固定部材85により、平板81に対して吊り下げるように装着されて、砥石部91の下面が平板81と平行になるように位置している。
【0041】
上記構成により、固定盤20に対して回動板51を軸52を中心に回動させると、スライド体61の誘導ローラー(誘導部)64が誘導孔24内を移動することにより、スライド体61の軸63が長孔59を移動し、回動板51のスライド用軸56に沿ってスライド支持部62が移動し、回動体51上をスライド体61がスライドして移動する。この時、スライド体61に装着された作動桿66及び作動桿66に装着されたグラインダー90がレール頭部に追従して動作可能となる。すなわち、グラインダー90の砥石91の下面がレール面の頭部を囲むような軌跡で移動する。
【0042】
固定盤20に形成される誘導孔24は、図6及び図8に示すように、固定盤20に軸着された軸部52を囲む上方及び側方に、二つの緩やかな円弧状孔24a,24bを中央の軸部上で連結した形状となっている。この誘導孔24は、レール頭部に対するグラインダー90の砥石面の位置を決定し、その位置に応じたローラー(誘導部)64の位置に孔を穿孔し、この孔の軌跡を連続させることで形成したものである。
【0043】
一方側の回動体51の下部支持片55上には、図1に示すように、レール面の研削精度を測定するための測定装置(インジケーター)4が装着されている。測定装置4は先端に測定子5を有して構成され、この測定子5は、接触する凹凸面に対して先端が追従するように伸縮自在に構成されている。したがって、回動板51を鉛直に静止させた場合、測定装置4の測定子5がレール頭部中央上に位置し、レールに沿って移動させることにより、レール頭部中央面の研削精度を測定することができる。
また、測定装置4の下側は、回動板51に装着された支持部材56により、測定装置4が回動板51に対して平行に位置するように測定子5の根元部分が支持されている。
【0044】
上述した例では回動体51上に測定装置4を固定して配置したが、レール面追従手段3を構成するスライド体61に固定されるスライド支持部62上に測定装置4を設けるようにすれば、測定装置4の測定子5がレール面を追従するように動作でき、例えば図10に示すように、測定装置4を45度傾斜させてレール100の頭部端の研削精度を計測することも可能となる。
すなわち、測定装置4の測定子5の先端は、スライド体61の動作によりレール面に追従して移動することにより、レール頭部の周囲面に存在する凹凸を検出し、基準高さに対する高低誤差を測定することができる。
また、測定装置4からの出力データは、作動桿66上に配置された記録装置6に送られるとともに、測定データが記録装置6の印字手段7によりプリント可能なように構成されている。
【0045】
続いて、上述したレール研削装置の使用方法について説明する。
先ず、敷設されているレール100に対してレールクランプ機1を固定するため、一対のレール支持板10の溝部11にレール100が嵌合するようレール上にレールクランプ機1を載置する。この時、開錠クランプ18a及び開閉クランプ18bから構成されるリンク機構18は、締結ナット17の上方に位置し、キャッチ片19の開口側がレール頭部幅より広く開拡する解除状態となっている。
【0046】
次に、リンク機構18を動作させてキャッチ片19を下方に移動させ、キャッチ片19の折曲部がレール顎部を両側から押えて垂直保持板13との間で挟み、キャッチ片19の側面部がレール側面を挟み込む。この状態で締結ハンドル16を締めつけることにより、締結ナット17及びキャッチ片19を押え金具14に対して上方に移動させ、垂直保持板13の凸部13aと両キャッチ片19とでレール頭部を押えつけると、垂直保持板13の幅L1及び締結ナット17の翼片部17a間の幅L2とレール幅L0が等しいので、キャッチ片19が垂直となる(垂直度を有する)締結状態とし、レール支持板10を確実に固定されることによりレール100に対してレールクランプ機1を固定することができる。
【0047】
また、垂直保持板13に凸部13aが形成され、この部分がレール100と当接するようになっているので、頭部が変形している中古レールに対しても垂直度を保持することができる。
また、レール100に対してレールクランプ機1が固定されている時、レールクランプ機のガイド棒12はレール100に対して平行に位置している。
【0048】
現在国内で使用されているレールは、主として50Nと60Kの2種類が存在するが、上記レールクランプ機1をこれらのいずれのレールについて使用することが可能である。すなわち、50N及び60Kのレールは、頭部のレール幅が同じ(65mm)であるため、垂直保持板の幅L1及び締結ナット17の翼片部17a間の幅L2をレール幅L0(65mm)と等しくすることで、締結状態に際してレール面に対しキャッチ片19の垂直度が保持でき、レールの形状が異なる場合においても使用可能であるので両レール兼用とすることができる。
【0049】
続いて、レールクランプ機1に対してレール研削機2を配置する。この時、レール研削機2のL字形箱体40の下部ローラー33は、クランク片42に連結されたコイルバネ45のバネ力により跳ね上げ状態となっている。また、レール研削機2はレールクランプ機1の一端側に位置している。
次に、手動によりコイルバネ45に抗してクランク片42を回動させ、下部ローラー33がガイド棒12の下面に接すると、バネ48の付勢力により開閉ハンドル47の短片側先端部47aが溝部に嵌合し、この状態が保持され、レールクランプ機1にレール研削機2がガイド棒12に沿って走行移動可能に装着される。
【0050】
次に、固定盤20に軸着されている回動板51がレールに対して垂直となるように位置させ、砥石部91がレール頭部面の中央に位置するようにした状態でL字片57及びネジ58から構成される固定手段で固定盤20の縁部を挟んで固定する。
グラインダー90の砥石部91を回転させ、昇降装置70の調整ハンドル73を回転させながら砥石部91を下降させ、レール頭部表面に接触させた後、レール100の長手方向へ沿ってレール研削機2を一端側から他端側へ手動で移動し、更にその往復運動を行う。
【0051】
続いて、グラインダー90の砥石部91の回転を停止させ調整ハンドル73で砥石部91を上昇させ、固定盤20の縁部への固定手段(L字片57及びネジ58)による挟持力を緩めた後、回動板51を回動させることにより鉛直線から一方側へ10度傾斜させ、この位置で再度、固定盤20の縁部を固定手段(L字片57及びネジ58)で固定する。
【0052】
この状態で再びグラインダー90の砥石部91を回転させ、昇降装置70の調整ハンドル73を回転させながら砥石部91を下降させ、レール頭部表面に接触させた後、レール100の長手方向へ沿ってレール研削機2を一端側から他端側へ手動で移動し、更にその往復運動を行う。
【0053】
何回か往復運動を行った後、回動板51に装着された測定装置4を動作させ、レール面の研削精度を測定し、記録装置6の印字手段7から例えばレール頭部の研削面に沿った波線データとして出力させれば、所望の研削精度が得られているかを早く且つ確実に確認することができる。
【0054】
上記操作を10度ずつ段階的に傾斜させて行い、誘導ローラー64が誘導孔24の端部に位置する(回動板51に対する水平面からの角度が5度程度)まで行うことで、レール100の一方面側の研削が完了する。続いて、再度、回動板51を垂直から10度他方面側に位置させ、上記と同様の操作を、他方面側において行うことにより、レール面の頭部周囲における研削作業が完了する。
【0055】
レール研削機2のレールクランプ機1からの取り外し、及びレール100からレールクランプ機1を取り外すには、装着する場合と逆の手順で行えばよい。また、レールクランプ機1にレール研削機2が装着された状態で、両者を一体としてレール100から取り外すことも可能である。
【0056】
上述した構造のレール研削装置によれば、レール100に対して各レール支持板10をリンク機構18により固定することにより、レール100の両側面においてその長尺方向にそれぞれ平行となる各ガイド棒12を位置させることができる。そして、レール面追従手段は、この各ガイド棒12に沿って移動可能な走行装置30を有しているので、レール支持板10間において、レール面追従手段3をレール100の長尺方向に往復運動させることができる。
【0057】
また、レール面追従手段3は、固定盤20に対して回動板51が回動するに際して、固定盤20に形成された誘導孔24を誘導ローラー64が移動し、回動板51に装着されたスライド体61が往復移動することにより、スライド体61に装着された作動桿66のレール研削手段90をレール面の頭部に追従して動作させることができる。
【0058】
また、レール研削手段90は、緩衝装置80を介して作動桿66に装着されているので、レール研削手段90で発生する振動が作動桿66側へ伝わることを遮断し、作動桿66を把持している作業者に不快な振動の伝達を和らげるとともに、作動桿66側でネジ等の緩みが発生し易くなるのを防止できる。
【0059】
スライド体61に設けたスライド支持部62上に、レール面の研削精度を測定するための測定装置4が装着され、スライド体61が装着された回動板51は走行装置30によりレール100の長尺方向で往復運動が可能であり、また、スライド体61及び誘導ローラー64によりレール面を追従するように移動可能であるので、レール面の長尺方向やこれに直交する方向での研削精度を容易に測定することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明のレール研削装置によれば、レールに対して各レール支持板をクランプ機構により固定することにより、レールの両側面においてその長尺方向にそれぞれ平行となる各ガイド棒を位置させ、この各ガイド棒に沿って移動可能であるとともに、レール面の頭部の周囲に沿って移動可能なレール面追従手段を有しているので、レール面の頭部の精度が良好な研削を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例に係るレール研削装置を示すもので、敷設レールに装着された状態の斜視説明図である。
【図2】レールに装着されたレール研削装置の正面説明図である。
【図3】レールに装着されたレールクランプ機の斜視説明図である。
【図4】レールクランプ機によりレールをクランプする前後の状態を示すもので、(a)はリンク機構が拡開された状態(解除状態)、(b)はリンク機構が締結された状態(締結状態)を示した側面説明図である。
【図5】レールクランプ機の一方側のリンク機構を上方から見た場合の平面説明図である。
【図6】レールに装着されたレールクランプ機及びレール研削機の一部を示す側面説明図である。
【図7】レール研削機の走行装置を示す構造説明図である。
【図8】レール研削機における回動板及びスライド体の動作を説明するための構造説明図である。
【図9】作動桿に装着される昇降手段,緩衝手段及びグラインダーの連結状態を示す構造説明図であり、(a)はその側面説明図、(b)は昇降手段の断面説明図である。
【図10】レール頭部に対する測定装置の動作を説明するための正面説明図である。
【符号の説明】
1…レールクランプ機(レールクランプ手段)、 2…レール研削機、 3…レール面追従手段、 4…測定装置、 5…測定子、 6…記録装置、 7…印字手段、 10…レール支持板、 12…ガイド棒、 13…垂直保持板、 13a…凸部、 14…押え金具、 15…締結軸、 16…締結ハンドル、 17…締結ナット、 18…リンク機構、 19…キャッチ片、 20…固定盤、 22…側板、 24…誘導孔、 30…走行装置、 31…走行ローラー、 32…サイドローラー、 33…下部ローラー、 40…L字形箱体、 42…クランク片、 47…開閉ハンドル、 51…回動板、 52…軸部、 59…長孔、 61…スライド体、 64…誘導ローラー(誘導部)、 66…作動桿、 70…昇降装置、 80…緩衝装置、 90…グラインダー(レール研削手段)、 91…砥石部
Claims (9)
- レール頭部側を固定可能とするクランプ機構が中央に装着された一対のレール支持板間に、レールの両側面においてその長尺方向にそれぞれ平行となる各ガイド棒を架設したレールクランプ手段と、前記各ガイド棒に沿って移動可能な走行装置が装着された固定盤と、固定盤に対して回動可能に軸着された回動板と、回動板に往復移動可能に装着されたスライド体とを有し、前記スライド体の固定盤側に誘導部を設け、前記固定盤の前記回動軸を囲む上方及び側方に誘導孔を形成し、前記誘導部が前記回動板に形成された長孔を介して誘導孔に嵌合するように装着し、前記スライド体に装着された作動桿がレール面の頭部に追従して動作するレール面追従手段と、レール頭部に対向するように前記作動桿に装着されたレール研削手段と、を具備するレール研削装置。
- 前記固定盤、前記回動板、前記スライド体をそれぞれ一対設け、各固定盤にそれぞれ誘導孔を形成し、前記作動桿がスライド体間に架設された請求項1に記載のレール研削装置。
- 固定盤に設けた前記誘導孔は、二つの円弧状孔を連結して成る請求項1又は請求項2に記載のレール研削装置。
- 前記誘導部は、スライド体の固定盤側に突出して装着された回転可能なローラーである請求項1又は請求項2に記載のレール研削装置。
- 前記レール研削手段は、緩衝手段を介して作動桿に装着された請求項1又は請求項2に記載のレール研削装置。
- 前記スライド体上に、レール面の研削精度を測定するための測定装置を装着した請求項1又は請求項2に記載のレール研削装置。
- レール支持板に装着される前記クランプ機構は、レール支持板中央から外側に突出して装着される平板状の垂直保持板と、この垂直保持板上に装着され鉛直方向に延設する締結軸を有する押え金具と、この締結軸に対して鉛直方向に移動可能に装着された締結ナットと、レール顎部を両側から押えるとともにレール頭部を前記垂直保持板とで挟むため前記締結ナットに連結された各L字形状のキャッチ片対と、を具備する請求項1に記載のレール研削装置。
- 一対のキャッチ片は、一対のキャッチ片の開口側がレール頭部幅より広く拡開される解除状態と、レール顎部を両側から押える締結状態との間を往復動作するように構成されたリンク機構を介して前記締結ナットに連結して成る請求項7に記載のレール研削装置。
- 前記垂直保持板の中央下面に、レールの長尺方向に沿った凸部を設けた請求項7に記載のレール研削装置。
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