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JP3993613B2 - 磁石及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、磁石、特に表面に保護層が形成された磁石及びその製造方法に関する。
近年、金属磁石として、25MGOe以上の高エネルギー積を示す、いわゆる希土類磁石(R−Fe−B系磁石;Rはネオジム(Nd)などの希土類元素を示す。以下、同様。)が盛んに開発されている。このような希土類磁石としては、例えば、特許文献1では焼結により形成されるものが、また特許文献2では高速急冷により形成されるものが開示されている。
一般に、金属磁石は、比較的容易に酸化される金属を含むことから耐食性が低い。特に、上述した希土類磁石は高エネルギー積を示すものの、主成分として極めて容易に酸化される希土類元素及び鉄を含有するため、金属磁石の中でも特に耐食性が低い傾向にあった。
このような磁石の耐食性を改善することを目的として、表面に保護層を形成することが提案されている。この中でも、特許文献3では、希土類磁石を酸化性雰囲気下にて200〜500℃で加熱することで、保護層を形成することが提案されている。
特開昭59−46008号公報 特開昭60−9852号公報 特開平5−226129号公報
しかしながら、上記特許文献3においては、酸化性雰囲気下において特定の温度で保護層を形成することが提案されているが、このような方法によっても、磁石、特に希土類磁石の腐食を十分に防止し得る保護層を満足に形成することができない場合が多かった。このため、得られた希土類磁石は、耐食試験による粉ふきや重量減少の発生を十分に防止するのが未だ困難なものであった。
また、近年、希土類磁石は、ハイブリッド自動車におけるモーター用磁石としての利用が検討されている。この場合、希土類磁石はエンジン周辺で用いられ、150℃を超えるような高温に晒されることになる。ところが、上記特許文献3に記載の希土類磁石は、このような高温環境下では腐食劣化が生じ易い傾向にあり、保護層の耐熱性の点で未だ改良の余地があった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、十分な耐食性を有するとともに、優れた耐熱性を有する磁石及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、金属磁石素体の表面上に、組成の異なる複数の層を形成することで、従来に比して優れた耐食性と耐熱性が得られるようになることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の磁石は、金属磁石素体と、この金属磁石素体の表面上に形成された保護層とを備え、保護層は、金属磁石素体を覆う酸化物層と、酸化物層を覆う金属塩層とを有することを特徴とする。
このように、本発明の磁石は、保護層として、金属磁石素体を覆う酸化物層に加えて金属塩層を備えている。このため、従来の酸化物層を一層のみ形成した磁石に比して、金属塩層で覆わることによって、より優れた耐熱性を有するようになる。ここで、金属塩層は、金属磁石素体の表面に直接付着させると、素体に対する密着性が悪いため、使用時に剥離等を生じ易いものである。これに対し、本発明の磁石においては、金属磁石素体上に、酸化物層を介して金属塩層を設けているため、金属塩層の素体への密着性が極めて良好となる。その結果、本発明の磁石は、上述のような保護層の剥離による耐食性の低下も少ないものとなる。
また、磁石の表面に更に塗装等が施される場合には、上記金属塩層は金属磁石素体と塗膜との密着性を高め得るという特性をも発揮し得る。このため、金属塩層を表面に備える本発明の磁石は、塗膜に対する接着性が優れるものとなり、塗装後の耐食性及び耐熱性にも極めて優れるものとなる。
また、本発明の磁石は、金属磁石素体と、この金属磁石素体の表面上に形成された保護層とを備え、保護層は、金属磁石素体を覆い希土類元素を含有する第1の層と、第1の層を覆い第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない第2の層と、第2の層を覆う金属塩層とを有することを特徴としてもよい。
このように、金属磁石素体と金属塩層との間に2つの層を有することによって、磁石は、一層優れた耐食性及び耐熱性を有するものとなる。特に、上記第2の層は、希土類元素の含有量が第1の層よりも少ないので、第1の層に比して酸化され難く、このような組み合わせの第1及び第2の層を備える磁石は、優れた耐食性を発揮し得る。なお、第2の層において、「第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない」とは、希土類元素を実質的に含有しない場合も含むこととする。
なかでも、第2の層における希土類元素の含有量は、第1の層における希土類元素の含有量の半分以下であると好ましく、第2の層は、希土類元素を実質的に含有していないとより好ましい。こうすれば、第2の層は、更に優れた耐食性を発揮し得る。
また、第2の層は、遷移元素及び酸素を含有するとより好ましい。遷移元素及び酸素を含有し、第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない第2の層は、より一層酸化され難いことから、このような第2の層を備える磁石は、更に優れた耐食性を具備するものとなる。
さらに、本発明の磁石においては、金属磁石素体は、希土類元素及び希土類元素以外の遷移元素を含むものであり、第1の層は、上記希土類元素、上記遷移元素及び酸素を含有し、第2の層は、上記遷移元素及び上記酸素を含有し、且つ、第1の層よりも希土類元素の含有量が少ないとより好ましい。
こうすれば、金属磁石素体に隣接する第1の層は、金属磁石素体と同じ希土類元素を含むことからかかる素体に対する密着性が良好となる。また、この外側に形成された第2の層は、遷移元素及び酸素を含有し、第1の層よりも希土類元素の含有量が少ないことから酸化され難い。このため、これらの両層を備える磁石は、保護層の剥離等も極めて少ないものとなり、更に耐食性に優れるものとなる。
また、上記第1の層における希土類元素、第1の層における遷移元素、及び、第2の層における遷移元素は、金属磁石素体由来の元素であるとより好ましい。つまり、第1及び第2の層は、磁石素体が反応等によって変化して形成されるものであると好ましい。特に、第1の層における希土類元素、第1の層における遷移元素、及び、第2の層における遷移元素は、金属磁石素体の主相を構成する元素であるとより好ましい。かかる構成とすれば、各層の密着性が一層良好となるほか、それぞれが極めて緻密な膜となり得る。その結果、磁石の耐食性が更に良好となる。
より具体的には、本発明の磁石における金属塩層は、Cr、Ce、Mo、W、Mn、Mg、Zn、Si、Zr、V、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と、P、O、C及びSからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを含むものであると好ましい。これらの元素を含む金属塩層は、極めて優れた耐食性及び耐熱性を有するものとなる。
特に、金属塩層は、りん酸塩又は硫酸塩からなる層であると、特に優れた耐食性及び耐熱性を有するものとなるため、好適である。
本発明はまた、上記本発明の磁石を好適に製造する方法を提供する。すなわち、本発明の磁石の製造方法は、希土類元素を含む金属磁石素体の表面上に保護層を形成する磁石の製造方法であって、金属磁石素体を熱処理して、金属磁石素体を覆い希土類元素を含有する第1の層、及び、第1の層を覆い第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない第2の層を形成する第1工程と、第1工程後の金属磁石素体を化成処理して、第2の層の表面上に化成処理層を形成する第2工程と含み、第1工程において、金属磁石素体の表面上に第1の層及び第2の層が形成されるように、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも一つの条件を調整することを特徴とする。
このような製造方法によれば、金属磁石素体の表面上に、かかる素体が変質してなる第1及び第2の層が良好に形成され、また、化成処理によって化成処理層である金属塩層が良好に形成される。そして、このような構成を有する磁石は、上述の如く、極めて優れた耐食性及び耐熱性を有するものとなる。
本発明によれば、十分な耐食性を有するとともに、優れた耐熱性を有する磁石及びその製造方法を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、磁石として、希土類元素を含む希土類磁石を例に挙げて説明することとする。
図1は、本実施形態の希土類磁石を示す模式斜視図であり、図2は図1に示す希土類磁石のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。図1、2に示すように、希土類磁石1は磁石素体3(金属磁石素体)と、その磁石素体3の表面を被覆する保護層5とを備えている。また、保護層5は、磁石素体3側から順に、第1の層6、第2の層7及び第3の層8を備えている。以下、希土類磁石1の各構成についてそれぞれ説明する。
(磁石素体)
まず、磁石素体3について説明する。磁石素体3は、希土類元素を含有する永久磁石である。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素のことをいう。ここで、ランタノイド元素には、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が含まれる。
磁石素体3の構成材料としては、上記希土類元素と、希土類元素以外の遷移元素とを組み合わせて含有させたものが例示できる。この場合、希土類元素としては、Nd、Sm、Dy、Pr、Ho及びTbからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が好ましく、これらの元素にLa、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb及びYからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を更に含有したものであるとより好適である。
また、希土類元素以外の遷移元素としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が好ましく、Fe及び/又はCoがより好ましい。
より具体的には、磁石素体3の構成材料としては、R−TM−B系やR−Co系のものが例示できる。前者の構成材料においては、RとしてはNdを主成分とした希土類元素が好ましい。また、TMとしてはFe、Co等の遷移元素が挙げられる。さらに、後者の構成材料においては、RとしてはSmを主成分とした希土類元素が好ましい。
磁石素体3の構成材料としては、特に、R−Fe−B系の構成材料が好ましい。このような材料は実質的に正方晶系の結晶構造の主相を有しており、また、この主相の粒界部分に希土類元素の配合割合が高い希土類リッチ相、及び、ホウ素原子の配合割合が高いホウ素リッチ相を有している。これらの希土類リッチ相及びホウ素リッチ相は磁性を有していない非磁性相であり、このような非磁性相は通常、磁石構成材料中に0.5〜50体積%含有されている。また、主相の粒径は、通常1〜100μm程度である。
このようなR−Fe−B系の構成材料においては、希土類元素の含有量が8〜40原子%であると好ましい。希土類元素の含有量が8原子%未満である場合、主相の結晶構造がα鉄とほぼ同じ結晶構造となり、保持力(iHc)が小さくなる傾向にある。一方、40原子%を超えると希土類リッチ相が過度に形成されてしまい、残留磁束密度(Br)が小さくなる傾向にある。
Feの含有量は42〜90原子%であると好ましい。Feの含有量が42原子%未満であると残留磁束密度が小さくなり、また、90原子%を超えると保持力が小さくなる傾向にある。さらに、Bの含有量は2〜28原子%であると好ましい。Bの含有量が2原子%未満であると菱面体構造が形成されやすく、これにより保持力が小さくなる傾向にあり、また28原子%を超えると、ホウ素リッチ相が過度に形成されて、これにより残留磁束密度が小さくなる傾向にある。
上述した構成材料においては、R−Fe−B系におけるFeの一部が、Coで置換されていてもよい。このようにFeの一部をCoで置換すると、磁気特性を低下させることなく温度特性を向上させることができる。この場合、Coの置換量は、Feの含有量よりも大きくならない程度とすることが望ましい。Co含有量がFe含有量を超えると、磁石素体3の磁気特性が低下する傾向にある。
また上記構成材料におけるBの一部は、炭素(C)、リン(P)、硫黄(S)又は銅(Cu)等の元素により置換されていてもよい。このようにBの一部を置換することによって、磁石素体の製造が容易となるほか、製造コストの低減も図れるようになる。このとき、これらの元素の置換量は、磁気特性に実質的に影響しない量とすることが望ましく、構成原子総量に対して4原子%以下とすることが好ましい。
さらに、保持力の向上や製造コストの低減等を図る観点から、上記構成に加え、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ビスマス(Bi)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、ガリウム(Ga)、銅(Cu)、ハフニウム(Hf)等の元素を添加してもよい。これらの添加量も磁気特性に影響を及ぼさない範囲とすることが好ましく、具体的には、構成原子総量に対して10原子%以下とする。また、その他、不可避的に混入する成分としては、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、カルシウム(Ca)等が考えられ、これらは構成原子総量に対して3原子%程度以下の量で含有されていても構わない。
このような構成を有する磁石素体3は、粉末冶金法によって製造することができる。この方法においては、まず鋳造法やストリップキャスト法等の公知の合金製造プロセスにより所望の組成を有する合金を作製する。次に、この合金をジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等の粗粉砕機を用いて10〜100μmの粒径となるように粉砕した後、更にジェットミル、アトライター等の微粉砕機により0.5〜5μmの粒径となるようにする。こうして得られた粉末を、好ましくは600kA/m以上の磁場強度を有する磁場のなかで、0.5〜5t/cmの圧力で成形する。
その後、得られた成形体を、好ましくは不活性ガス雰囲気又は真空下中、1000〜1200℃で0.5〜10時間焼結させた後に急冷する。さらに、この焼結体に、不活性ガス雰囲気又は真空中、500〜900℃で1〜5時間の熱処理を施し、必要に応じて焼結体を所望の形状(実用形状)に加工して、磁石素体3を得る。
このようにして得られた磁石素体3には、さらに酸洗浄が施されることが好ましい。すなわち、後述する熱処理の前段において磁石素体3の表面に対して酸洗浄が施されることが好ましい。
酸洗浄で使用する酸としては、硝酸を用いることが好ましい。一般の鋼材にメッキ処理を施す場合、塩酸、硫酸等の非酸化性の酸が用いられることが多い。しかし、本実施形態での磁石素体3のように、磁石素体3が希土類元素を含む場合には、これらの酸を用いて処理を行うと、酸により発生する水素が磁石素体3の表面に吸蔵され、吸蔵部位が脆化して多量の粉状未溶解物が発生する。この粉状未溶解物は、表面処理後の面粗れ、欠陥および密着不良を引き起こすため、上述した非酸化性の酸を酸洗浄処理液に含有させないことが好ましい。したがって、水素の発生が少ない酸化性の酸である硝酸を用いることが好ましい。
このような酸洗浄による磁石素体3の表面の溶解量は、表面から平均厚みで5μm以上、好ましくは10〜15μmとするのが好適である。磁石素体3の表面の加工による変質層や酸化層を完全に除去することで、後述する熱処理により、所望の酸化膜をより精度よく形成することができる。
酸洗浄に用いられる処理液の硝酸濃度は、好ましくは1規定以下、特に好ましくは0.5規定以下である。硝酸濃度が高すぎると、磁石素体3の溶解速度が極めて速く、溶解量の制御が困難となり、特にバレル処理のような大量処理ではバラツキが大きくなり、製品の寸法精度の維持が困難となる傾向がある。また、硝酸濃度が低すぎると、溶解量が不足する傾向がある。このため、硝酸濃度は1規定以下とすることが好ましく、特に0.5〜0.05規定とすることが好ましい。また、処理終了時のFeの溶解量は、1〜10g/l程度とする。
酸洗浄を行った磁石素体3の表面から少量の未溶解物、残留酸成分を完全に除去するため、超音波を使用した洗浄を実施することが好ましい。この超音波洗浄は、磁石素体3の表面に錆を発生させる塩素イオンが極めて少ない純水中で行うのが好ましい。また、上記超音波洗浄の前後、及び酸洗浄の各過程で必要に応じて同様な水洗を行ってもよい。
(保護層)
次に、保護層5について説明する。保護層5は、上述の如く、磁石素体3側から順に、第1の層6、第2の層7及び第3の層8を備える3層構造を有している。
第1の層6は、希土類元素を含有する層であり、また、第2の層7は第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない層である。この第1の層6及び第2の層7は、磁石素体3由来の元素及び酸素を含んでいる。より具体的には、磁石素体3における上述した主相を構成する元素及び酸素を含んでいる。
ここで、磁石素体3由来の元素は、磁石素体3の構成材料、特に磁石素体3の主相を構成する材料であって、少なくとも希土類元素及び希土類元素以外の遷移元素が含まれ、さらにB、Bi、Si、Alなどが含まれる場合がある。第1の層6及び第2の層7は、磁石素体3上に塗布等によって別途付着させたものではなく、磁石素体3の構成元素が反応する等して、当該磁石素体3が変化することによってその表面に形成される層である。かかる反応としては、酸化反応が挙げられる。このため、第1及び第2の層6,7には磁石素体を構成しない新たな金属元素は含まれないが、酸素、窒素などの非金属元素が含まれる場合がある。
第1の層6は、磁石素体3由来の希土類元素と酸素とを含有し、より具体的には、酸素、希土類元素及び希土類元素以外の遷移元素を含有していると好ましい。例えば、磁石素体3の構成材料がR−Fe−B系のものである場合、遷移元素としてはFeを主として含み、その構成材料の組成によりCoなどを含んでいてもよい。
また、第2の層7は、磁石素体3由来の元素及び酸素を含有しているが、第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない層である。例えば、磁石素体3の構成材料がR−Fe−B系のものである場合には、遷移元素はFeを主として含み、その構成材料の組成によりCoなどを含んでいてもよい。この第2の層7による更に優れた耐食性を得る観点からは、第2の層7における希土類元素の含有量は、第1の層6における希土類元素の含有量の半分以下であると好ましく、第2の層7が、希土類元素を実質的に含有しない層であると更に好ましい。つまり、第2の層7は、酸素及び磁石素体3に含まれている希土類元素以外の遷移元素を含有する層であると特に好適である。
第1の層6及び第2の層7の各構成材料の含有量は、EPMA(X線マイクロアナライザー法)、XPS(X線光電子分光法)、AES(オージェ電子分光法)又はEDS(エネルギー分散型蛍光X線分光法)等の公知の組成分析法を用いて確認することができる。ここで、第2の層7における「希土類元素を実質的に含有しない」態様としては、上述した組成分析法によって希土類元素が検出されない態様が考えられる。つまり、この場合、第2の層7においては、希土類元素の含有率が、上記組成分析法による検出限界以下程度となっている。
第3の層8は、第2の層7を覆うように形成されており、主として金属塩から構成される層(金属塩層)である。この第3の層8は、第1の層6や第2の層7とは異なり、磁石素体3が反応する等して形成された層ではなく、磁石素体3の表面上に別途新たに設けられた層である。したがって、第3の層8には、磁石素体3に由来する元素は含まれないこととなる。第3の層8の厚さは、0.01〜10μm程度であると好ましい。
この金属塩から構成される第3の層8は、第1の層6及び第2の層7が形成された磁石素体3に化成処理を施すことにより形成された化成処理層であると特に好ましい。このような化成処理層は、例えば、金属塩からなる多数の小さな板状結晶が第2の層7を覆うように付着した形状を有するものとなる。
第3の層8を構成する金属塩としては、Cr、Ce、Mo、W、Mn、Mg、Zn、Si、Zr、V、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素を含むものが挙げられ、これらの元素とP、O、C及びSからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを含むものが好ましい。具体的には、上記金属元素のリン酸塩又は硫酸塩が好ましく、リン酸塩が特に好ましい。
なかでも、金属塩としては、Mo、Ce、Mg、Zr、Mn及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素と、P、O、C及びSからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを含むものが好ましく、上記金属元素のリン酸塩又は硫酸塩がより好ましく、リン酸塩が特に好ましい。
上記各層からなる保護層5の形成方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。すなわち、保護層5の好適な製造方法においては、まず、磁石素体3を熱処理して第1の層6及び第2の層7を形成した後(第1工程)、第1の層6及び第2の層7が形成された磁石素体3に化成処理を施し、第2の層7の表面上に金属塩を含む第3の層8(金属塩層)を形成する(第2工程)。
第1の層6及び第2の層7は、第1工程において、酸化性ガスを含有する酸化性雰囲気中で、磁石素体3を熱処理(加熱)することにより形成することができる。この第1工程の熱処理においては、磁石素体3の表面に、第1の層6及び第2の層7の両方が形成されるように、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも1つの条件を調整する。なお、かかる熱処理の際には、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間の3つの条件全てを調整することがより好ましい。
ここで、酸化性雰囲気とは、酸化性ガスを含有する雰囲気であれば特に限定されず、例えば、大気、酸素雰囲気(好ましくは酸素分圧調整雰囲気)、水蒸気雰囲気(好ましくは水蒸気分圧調整雰囲気)等の酸化が促進される雰囲気である。酸化性ガスとしては、酸素、水蒸気等が挙げられる。この中で、例えば、水蒸気雰囲気とは水蒸気分圧が10hPa以上の雰囲気であり、その雰囲気には、水蒸気と共に不活性ガスが共存していてもよい。かかる不活性ガスとしては窒素が挙げられる。酸化性雰囲気を水蒸気雰囲気とすることで、より簡易に保護層を形成することができる傾向にある。
上記条件を調整する際には、先ず、磁石素体3を、酸化性ガス分圧、処理温度、処理時間を適宜変化させながら熱処理して、磁石素体3の表層部の構成と、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも1つの条件との相関を求める。次に、その相関に基づき、磁石素体3の表面に第1の層6及び第2の層7の両方が形成されるように、熱処理の際に、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも1つの条件を調整する。
熱処理により第1の層6及び第2の層7を形成するためには、処理温度を、300〜550℃の範囲で調製することが好ましく、350〜500℃の範囲で調整することがより好ましい。処理温度が上記上限値を超えると、磁石素体3の腐食が発生し易くなる傾向にある。一方、上記下限値未満であると、上記第1及び第2の層6,7が良好に形成され難くなる傾向にある。
また、処理時間は、1分〜24時間の範囲で調整することが好ましく、5分〜10時間の範囲で調整することがより好ましい。処理時間が上記上限値を超えると、磁気特性が劣化する傾向にある。一方、上記下限値未満であると、上記第1及び第2の層6,7が良好に形成され難くなる傾向にある。
酸化性雰囲気が水蒸気雰囲気である場合には、先ず、磁石素体3を、水蒸気分圧、処理温度、処理時間を適宜変化させながら熱処理して、磁石素体3の表層部の構成と、水蒸気分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも一つの条件との相関を求める。次に、その相関に基づき、磁石素体3表面に第1の層6及び第2の層7の両方が形成されるように、熱処理における水蒸気分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも1つの条件を調整する。このとき、処理温度及び処理時間は、上述した範囲内で調整することが好ましい。また、水蒸気分圧は、10〜2000hPaの範囲で調整することが好ましい。
第1の層6と第2の層7との総膜厚は、0.1〜20μmとすることが好ましく、0.1〜5μmとすることがより好ましい。この総膜厚を0.1μm未満としようとすると、第1の層6と第2の層7の両層が良好に形成され難くなる傾向にある。一方、総膜厚が20μmを超えるように第1の層6及び第2の層7を形成するのは困難な傾向にある。また、第2の層7の膜厚は、20nm以上であると好ましい。この膜厚が20nm未満であると、第1の層6の腐食を抑制する効果が不十分となり、希土類磁石1の耐食性が低下する傾向にある。
第3の層8は、上述の如く、第1及び第2の層6,7が形成された磁石素体3の表面に化成処理を施すことによって好適に形成し得る。化成処理に際しては、まず、上述した第1及び第2の層6,7形成後の磁石素体3に対し、アルカリ脱脂剤等を用いて表面を洗浄する。次いで、磁石素体3を化成処理液に浸漬する等により磁石素体3に対して化成処理を行い、第2の層7の表面上に化成処理層からなる第3の層8を形成する。
化成処理に用いる化成処理液としては、上述した第3の層8における金属塩を構成する金属及び酸イオンを含む水溶液が挙げられる。例えば、第3の層8として上述した金属のリン酸塩からなる金属塩層を形成する場合、金属原料、リン酸及び酸化剤を含む化成処理液を用いることができる。
より具体的には、リン酸モリブデンからなる第3の層8を形成する場合、化成処理液としては、金属原料としてモリブデン酸ナトリウム等のモリブデン酸塩やモリブデン酸を含み、これをリン酸及び酸化剤と組み合わせたものが適用できる。また、リン酸セリウムからなる第3の層8を形成する場合には、化成処理液としては、金属原料として硝酸セリウム等のセリウム塩を含み、これをリン酸及び酸化剤と組み合わせたものが適用できる。化成処理液に含有させる酸化剤としては、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸ナトリウム、過酸化水素等が挙げられる。
化成処理の際の化成処理液温度は特に制限されないが、磁石素体3と化成処理液との反応を促進して化成処理層を短時間で形成させる観点から、化成処理液は室温以上に加熱して用いることが好ましく、例えば、30〜100℃とすることが好ましい。また、磁石素体3を化成処理液に浸漬させる時間(化成処理時間)は、特に制限されないが、1〜60分とすることが好ましく、2〜30分とすることがより好ましい。化成処理時間が1分未満であると、化成処理層の形成状態が不均一となる傾向にあり、60分を超えると、化成処理層が厚くなりすぎて緻密性が低下し、得られる希土類磁石の耐食性等が劣化する場合がある。
そして、化成処理の後には、得られた希土類磁石1の表面を水洗して、表面に残存する化成処理液等を十分に除去し、その後、希土類磁石1を加熱する等して十分に乾燥させることが好ましい。乾燥が不十分であると、表面に付着した水分によって希土類磁石1の腐食が引き起こされる場合がある。ただし、乾燥の際の加熱温度は、希土類磁石1の特性を劣化させない程度の温度とすることが好ましい。
例えば、上述したような化成処理を、金属元素を含む基体に対して行う場合には、化成処理は、通常、基体中の金属元素が溶解することによって進行し、これによって安定な化成処理層が形成される。ところが、R−TM−B系のような磁石素体の表面上に化成処理層を直接形成しようとすると、上述したような磁石素体中の希土類リッチ相が選択的に溶解されてしまうため、十分に化成処理層が形成できない傾向にあった。ところが、上記実施形態においては、希土類元素を含む磁石素体3の表面上に、第1及び第2の層6,7を形成させた後に化成処理を行っていることから、このような希土類リッチ相の選択的溶解が極めて生じ難くなっている。このため、本実施形態においては、希土類磁石1の最外層に安定な化成処理層である金属塩層(第3の層8)が形成されることとなる。
以上、好適な実施形態に係る希土類磁石1及びその製造方法について説明したが、このような構成を有する希土類磁石1においては、まず、第1の層6及び第2の層7が、磁石素体3の表面が変化することによって形成されたものであるから、緻密な構造を有し、また磁石素体3への密着性に優れるものとなる。このため、磁石素体3に対する外気の影響を良好に低減し得る。また、最外層の保護層である第3の層8は、磁石素体3(第2の層7)の表面上に別途設けられた金属塩層からなる安定な層であるから、磁石素体3由来の層では得られ難い優れた耐熱性を発揮し得る。
従来、保護層としては、磁石素体の表面を酸化して得られる単層の酸化物層、又は、磁石素体の表面に塗布等により形成された樹脂層等が知られているが、単層の酸化物層のみでは十分な耐食性が得られ難く、また、樹脂層のみでは十分な耐熱性(具体的には、120℃程度を超える温度に耐え得る耐熱性)が得られ難い傾向にあった。これに対し、本実施形態の希土類磁石1は、上記構成を有する保護層5を備えていることから、耐食性に優れるのみならず、ハイブリッドカーのモーター等の用途において要求される200℃程度の高温にも耐え得る耐熱性を有するものとなる。
なお、本発明の磁石は、上述した実施形態のものに限定されず、適宜その構成を変更してもよい。すなわち、上述した実施形態では、磁石として希土類元素を含む希土類磁石を例示したが、これに限定されず、本発明は、希土類元素を含まない金属磁石に適用することもできる。
また、本発明の磁石は、磁石素体と金属塩層との間に、必ずしも上記のような第1及び第2の2つの層を有するものでなくともよく、例えば、一層構造の酸化物層のみを有するものであってもよい。このような酸化物層としては、酸素及び磁石素体に由来する元素を含むものが好ましく、希土類磁石においては、磁石素体の主相を構成する元素を含むものがより好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[希土類磁石の製造]
(実施例1)
粉末冶金法により、組成が13.2Nd−1.5Dy−77.6Fe−1.6Co−6.1B(数字は原子百分率を表す。)である鋳塊を作製し、これを粗粉砕した。その後、不活性ガスによるジェットミル粉砕を行って、平均粒径約3.5μmの微粉末を得た。得られた微粉末を金型内に充填し、磁場中で成形した。次いで、真空中で焼結後、熱処理を施して焼結体を得た。得られた焼結体を35mm×19mm×6.5mmの寸法に切り出し加工し、実用形状に加工した磁石素体を得た。
次に、得られた磁石素体を2%HNO水溶液中に2分間浸漬し、その後超音波水洗を施した。それから、この酸洗浄(酸処理)を施した磁石素体を、酸素分圧70hPa(酸素濃度7%)の酸素−窒素混合雰囲気中、450℃で8分間の熱処理を行った。
その後、熱処理後の磁石素体を、0.1Mモリブデン酸ナトリウム、1.0Mリン酸及び0.05M亜硝酸ナトリウムを含む70℃の化成処理液に10分間浸漬して、磁石素体に対して化成処理を行い、表面に化成処理層を形成させた。
得られた希土類磁石を、集束イオンビーム加工装置を用い薄片化し、表面近傍の膜構造を透過型電子顕微鏡(日本電子製のJEM-3010)で観察したところ、磁石素体の表面上には、磁石素体と化成処理層の間に、平均膜厚が2.5μmの層及び平均膜厚が80nmの層の2つの層が、磁石素体側からこの順に形成されていることが確認された。そして、この2つの層に含まれる元素を、EDS(NoraanInstruments社製のVoyagerIII)を用いて分析した結果、磁石素体側の層からは主な成分としてNd,Fe,Oが検出され、化成処理層側の層からはFe,Oが検出され、Ndは検出されなかった。
(実施例2)
まず、実施例1と同様にして、磁石素体を製造した後、酸洗浄を行った。次に、酸素分圧70hPa(酸素濃度7%)の酸素−窒素混合雰囲気中、450℃で8分の熱処理を行った。ここで、熱処理後の磁石素体における表面近傍の膜構造を、オージェ電子分光法による深さ方向分析により解析した。なお、オージェ電子分光には、アルバック・ファイ社製SAM680を使用した。その結果、表面から80nmの深さまではFe、Oを含みNdが検出されない層が形成されており、この層の下側2.5μmには、Nd,Fe,Oを含む層が形成されていることが確認された。
その後、熱処理後の磁石素体を、0.1M硝酸セリウム、1.0Mリン酸及び0.05M亜硝酸ナトリウムを含む80℃の化成処理液に10分間浸漬して、磁石素体に対して化成処理を行い、表面に化成処理層を形成させた。
(比較例1)
実施例1と同様にして磁石素体を形成し、酸洗浄した後、熱処理して希土類磁石を得た。得られた希土類磁石を、実施例1と同様にして透過型電子顕微鏡で観察したところ、磁石素体の表面上には、磁石素体と酸化物層の間に、平均膜厚が5μmの層及び平均膜厚が80nmの層の2つの層が、磁石素体側から順に形成されていることが確認された。そして、この2つの層に含まれる元素を、EDSを用いて分析した結果、磁石素体側の層からは主な成分としてNd,Fe,Oが検出され、酸化物層側の層からはFe,Oが検出され、Ndは検出されなかった。
[特性評価]
(塩水噴霧試験)
実施例1〜2及び比較例1の希土類磁石に対し、JIS K5600−7−1に準拠して、5%の塩水を35℃で、96時間噴霧する塩水噴霧試験を行った。その結果、実施例1〜2の希土類磁石では錆の発生が見られなかったのに対し、比較例1の希土類磁石では錆の発生が見られた。
(耐熱試験)
実施例1〜2及び比較例1の希土類磁石を、新日本石油社製ATF(オートミッショントランスファーフィールド)に、200℃、1000時間の条件で浸漬する浸漬試験を行った。その結果、実施例1〜2希土類磁石は、浸漬後の磁束劣化がいずれも0.2%以下であったのに対し、比較例1の希土類磁石は、5.3%であった。
以上の塩水噴霧試験及び耐熱試験の結果から、実施例1〜2の希土類磁石は、耐食性及び耐熱性の両方の特性に優れるものであることが確認された。
本実施形態の希土類磁石を示す模式斜視図である。 図1に示す希土類磁石のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。
符号の説明
1…希土類磁石、3…磁石素体、5…保護層、6…第1の層、7…第2の層、8…金属塩層。

Claims (10)

  1. 金属磁石素体と、該金属磁石素体の表面上に形成された保護層と、を備え、
    前記保護層は、前記金属磁石素体を覆う酸化物層と、前記酸化物層を覆う金属塩層と、を有することを特徴とする磁石。
  2. 金属磁石素体と、該金属磁石素体の表面上に形成された保護層と、を備え、
    前記保護層は、前記金属磁石素体を覆い希土類元素を含有する第1の層と、前記第1の層を覆い前記第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない第2の層と、前記第2の層を覆う金属塩層と、を有することを特徴とする磁石。
  3. 前記第2の層における希土類元素の含有量は、前記第1の層における希土類元素の含有量の半分以下であることを特徴とする請求項2記載の磁石。
  4. 前記第2の層は、遷移元素及び酸素を含有することを特徴とする請求項2又は3記載の磁石。
  5. 前記金属磁石素体は、希土類元素及び希土類元素以外の遷移元素を含むものであり、
    前記第1の層は、前記希土類元素、前記遷移元素及び酸素を含有し、
    前記第2の層は、前記遷移元素及び酸素を含有し、且つ、前記第1の層よりも前記希土類元素の含有量が少ないことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の磁石。
  6. 前記第1の層における前記希土類元素、前記第1の層における前記遷移元素、及び、前記第2の層における前記遷移元素は、前記金属磁石素体由来の元素であることを特徴とする請求項5記載の磁石。
  7. 前記第1の層における前記希土類元素、前記第1の層における前記遷移元素、及び、前記第2の層における前記遷移元素は、前記金属磁石素体の主相を構成する元素であることを特徴とする請求項5記載の磁石。
  8. 前記金属塩層は、Cr、Ce、Mo、W、Mn、Mg、Zn、Si、Zr、V、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と、P、O、C及びSからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と、を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁石。
  9. 前記金属塩層は、りん酸塩又は硫酸塩からなる層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁石。
  10. 希土類元素を含む金属磁石素体の表面上に保護層を形成する磁石の製造方法であって、
    前記金属磁石素体を熱処理して、前記金属磁石素体を覆い希土類元素を含有する第1の層、及び、前記第1の層を覆い前記第1の層よりも希土類元素の含有量が少ない第2の層を形成する第1工程と、
    前記第1工程後の金属磁石素体を化成処理して、前記第2の層の表面上に金属塩を含む金属塩層を形成する第2工程と、を含み、
    前記第1工程において、前記金属磁石素体の表面上に前記第1の層及び前記第2の層が形成されるように、酸化性ガス分圧、処理温度及び処理時間のうちの少なくとも一つの条件を調整して熱処理を行う、ことを特徴とする磁石の製造方法。
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