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JP4013545B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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JP4013545B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報に基づいて記録媒体に対して記録を行う画像記録装置に関し、更に詳しくは、医用画像撮影装置などの入力装置で得られた医用画像情報をインクジェット記録するに適した画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩感光材料からなる放射線写真フィルムを使用しないで医用放射線画像情報を得る方法が工夫されるようになった。例えば、輝尽性蛍光体を主体とするイメージングプレートを用い、放射線画像を一旦蓄積後、励起光を用いて輝尽発光光として取り出し、この光を光電変換することによって画像信号を得る放射線画像読取装置(Computed Radiography、以後CRと略す)が普及してきている。。
【0003】
また、最近では放射線蛍光体や放射線光導電体とTFTスイッチング素子などの2次元半導体検出器を組み合わせて放射線画像情報を読み取る装置(FlatPanel Detector、以下FPDと略す)も提案されている。
【0004】
さらに、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)や磁気共鳴画像形成装置(MRI装置)など単純X線撮影以外の放射線画像入力装置も普及している。これらの医用画像入力装置は画像情報をデジタル信号の形で提供することが多い。
【0005】
これらの医用画像を診断するに際には、光透過性記録媒体及び/または反射記録媒体に画像情報を記録してハードコピーの形で観察する方法が多く用いられている。
【0006】
医用画像情報を記録媒体に記録する医用画像記録装置としては、銀塩記録材料を用いた光透過性記録媒体上にレーザ露光することによって画像を記録する方式がよく用いられている。しかし、この銀塩記録材料では、現像、定着、乾燥といったプロセスが必要になると言う問題がある。
【0007】
そこで、最近ではインクジェット方式の記録装置を用いて医用画像を記録する可能性にも期待が寄せられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に各種画像記録では、画像記録後から長時間にわたる濃度変化が発生することが多く、画像記録直後では、観察するたびに濃度階調が異なったように見えてしまうことがある。
【0009】
特に、インクジェット方式の画像記録では、使用するインクに含まれる溶媒が気化するにつれて濃度が低下し、しばらく経つと濃度が安定するという特性を有している(図10参照)。
【0010】
また、光透過性記録媒体の場合に、記録媒体中に残存する溶媒によって透過光が散乱し、濃度が高くみえる。そして、溶媒が気化するにつれて、濃度が低下してくる。
【0011】
特に、医用画像の場合には即時性が要求され、画像記録直後に診断することが多い。さらに、医用画像の場合、診断という用途から、高画質が要求されており、濃度変化の発生は好ましくない。
【0012】
なお、インクジェット方式の画像記録の場合、図10のように保存条件によっては1週間程度で濃度が安定する場合があるため、1週間後(図11(a)のT=1week)の状態を見越して目標濃度階調を設定し、記録時(図11(a)のT=0)の濃度階調を定めている。
【0013】
この場合、図10または図11(b)のように、記録直後は濃度変化が大きい状態になっている。したがって、上述した即時性を要求される医用画像の診断の用途には適していないものがあった。
【0014】
本発明の目的は、上述の問題点を解消することであり、記録後の濃度変化にかかわらず、所望の濃度階調の画像の記録が可能な画像記録装置を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上説明した課題は以下に述べる各解決手段により解決される。
(1)請求項1記載の発明は、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する画像記録装置であって、画像信号値と目標濃度との特性を示す目標濃度階調特性Doを設定する目標濃度階調特性設定手段と、画像記録されてからの所定の経過時間tを設定する経過時間設定手段と、画像記録後における画像濃度変動を予測するための情報である濃度変動因子情報に基づいて、画像記録終了後から前記経過時間t経過時における濃度階調特性を予測する濃度階調特性予測手段と、前記濃度階調特性予測手段により予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、ずれの許容値として指定された値aに対して、|D(t)−Do|<a、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う濃度階調特性補正手段と、を有し、前記濃度階調特性補正手段により補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する、ことを特徴とする画像記録装置である。
【0016】
この発明では、予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、指定値aに対して、|D(t)−Do|<aの関係を満たすように濃度階調特性の補正を行っており、この補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録している。
【0017】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になる。
【0018】
(2)請求項2記載の発明は、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する画像記録装置であって、画像信号値と目標濃度との特性を示す目標濃度階調特性Doを設定する目標濃度階調特性設定手段と、画像記録されてからの所定の経過時間tを設定する経過時間設定手段と、画像記録後における画像濃度変動を予測するための情報である濃度変動因子情報に基づいて、画像記録終了後から前記経過時間t経過時における濃度階調特性を予測する濃度階調特性予測手段と、前記濃度階調特性予測手段により予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、|D(t)−Do|<0.1の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う濃度階調特性補正手段と、を有し、前記濃度階調特性補正手段により補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する、ことを特徴とする画像記録装置である。
【0019】
この発明では、予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、|D(t)−Do|<0.1の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行っており、この補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録している。
【0020】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になる。
【0021】
(3)請求項3記載の発明は、前記経過時間tに関する時間情報を、画像信号に基づいた画像と共に記録媒体に対して記録する、ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0022】
この発明では、上記(1)〜(2)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、経過時間tに関する時間情報を、画像信号に基づいた画像と共に記録媒体に対して記録するようにしている。
【0023】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、指定された経過時間tが明らかになり、観察に適した時間あるいは時刻が明瞭になる。
【0024】
(4)請求項4記載の発明は、前記経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を記録媒体に対して記録する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0025】
この発明では、上記(1)〜(3)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、複数の経過時間T1とT2とに基づいて複数の画像を記録するようにしている。
【0026】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間T1とT2とにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になるため、複数の経過時間に観察に適した状態となる。
【0027】
(5)請求項5記載の発明は、前記経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を、同一の記録媒体に対して記録する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0028】
この発明では、上記(1)〜(3)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、複数の経過時間T1とT2とに基づいて複数の画像を同一の記録媒体に記録するようにしている。
【0029】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間T1とT2とにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が同一記録媒体上で可能になるため、複数の経過時間に観察に適した状態となる。
【0030】
(6)請求項6記載の発明は、記録媒体に記録された画像の濃度を測定する濃度測定手段を備え、前記濃度測定手段により測定された濃度の情報を濃度変動因子情報とする、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0031】
この発明では、上記(1)〜(5)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、濃度測定手段により測定された濃度の情報を濃度変動因子情報とするようにしている。
【0032】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、実際の濃度に基づいた濃度変動因子情報を参照することで精度の高い濃度階調の画像記録が可能になる。
【0033】
(7)請求項7記載の発明は、画像記録されてからの所定の経過時間tが経過した時点での濃度が等しくなると共に、前記経過時間tが経過した時点以外では異なる濃度となるテストパターンを生成するテストパターン生成手段を備え、前記テストパターン生成手段で生成されたテストパターンを画像信号に基づく画像と共に記録媒体に記録する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0034】
この発明では、上記(1)〜(6)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、画像記録されてからの所定の経過時間tが経過した時点での濃度が等しくなると共に、前記経過時間tが経過した時点以外では異なる濃度となるテストパターンを生成するようにしている。
【0035】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、指定された経過時間tの到来がテストパターンにより視覚的に明らかになり、観察に適した時間あるいは時刻が明瞭になる。
【0036】
(8)請求項8記載の発明は、濃度変動因子情報を測定する濃度変動因子情報測定手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0037】
この発明では、上記(1)〜(7)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、濃度変動因子情報を測定する濃度変動因子情報測定手段により測定された情報を濃度変動因子情報とするようにしている。
【0038】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、実際の濃度因子情報を参照することで精度の高い濃度階調の画像記録が可能になる。
【0039】
(9)請求項9記載の発明は、濃度変動因子情報を入力する濃度変動因子情報入力手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0040】
この発明では、上記(1)〜(7)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する際に、濃度変動因子情報を入力する濃度変動因子情報入力手段により入力された情報を濃度変動因子情報とするようにしている。
【0041】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、さらに、入力濃度因子情報を参照することで精度の高い濃度階調の画像記録が可能になる。
【0042】
(10)請求項10記載の発明は、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対してインクジェット記録する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0043】
この発明では、上記(1)〜(9)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する技術を、インクジェット記録に適用する。
【0044】
この結果、各種の濃度変動因子に起因してインクジェット方式の記録後に発生しやすい濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像のインクジェット記録が可能になる。
【0045】
(11)請求項11記載の発明は、画像が記録された記録媒体を加熱する加熱手段を有する、ことを特徴とする請求項10記載の画像記録装置である。
この発明では、上記(1)〜(10)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する技術を、インクジェット記録に適用し、更に、インクジェット記録された記録媒体を加熱するようにしている。
【0046】
この結果、各種の濃度変動因子に起因してインクジェット方式の記録後に発生しやすい濃度変化にかかわらず、加熱により一定の状態にすることが可能になり、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像のインクジェット記録が安定した状態で可能になる。
【0047】
(12)請求項12記載の発明は、医用画像信号に基づいた医用画像を記録媒体に対して記録するものであり、前記濃度階調特性補正手段は、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、|D(t)−Do|<0.05、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0048】
この発明では、上記(1)〜(11)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する技術を、医用画像の記録に対して適用するものであり、|D(t)−Do|<0.05、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行うようにしている。
【0049】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生しやすい濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる医用画像の記録が可能になる。すなわち、高精度な濃度階調特性が要求される医用画像に適した記録が可能になる。
【0050】
(13)請求項13記載の発明は、前記記録媒体が光透過型の記録媒体である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0051】
この発明では、上記(1)〜(12)のように補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する技術を、光透過型の記録媒体に対して適用する。
【0052】
この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に特に発生しやすい濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になる。すなわち、インクの媒体などによって生じる光の散乱などの影響を抑えて、高精度な濃度階調特性が要求される画像に適した記録が可能になる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施の形態に示される具体例の内容に限定されるものではない。
【0054】
〈画像記録装置の全体構成と動作〉
図1は画像記録装置の画像記録に関する機能ブロックを説明するブロック図である。この実施の形態例の画像記録装置100は、インクの吐出により画像記録を行う記録手段として、記録ヘッドユニット120を有している。
【0055】
記録制御手段101は本実施の形態例の画像記録装置100の各部を制御する。また、記録制御手段101は画像記録の際に、記録媒体4へのインク付着量の制御も行う。
【0056】
110は外部の医用撮影装置やストレージ装置からの画像信号が入力され、さらに、各種の情報(濃度変動因子情報、目標濃度階調特性情報、経過時間設定情報、濃度形成要素情報、など)が入力され、必要な画像処理の制御を実行することで、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、目標濃度階調特性Doに対して、|D(t)−Do|<0.1の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う濃度階調特性補正手段としての画像処理制御手段である。なお、外部からの画像信号の入力は、各種ネットワークを介したものであってもよい。この画像処理制御手段110で処理された画像信号が記録制御手段101に送られる。
【0057】
記録ヘッドユニット120には、複数種類、ここでは一例として、4種類のそれぞれ濃度の異なる黒インクK1〜K4の記録ヘッド120a〜120dが一列に設けられており、記録制御手段101がら画像信号に応じた記録ヘッド制御信号が供給されている。これらの記録ヘッド120a〜120dは、一体化されていてもよいし、個別に設けられていてもよい。このように、4種類の異なる黒インクを用いて画像を形成することで、医療用診断もしくは参照を目的とする画像として、一層高画質、多階調の画像を得ることができる。多階調が要求される医療用の画像を作成するためには、少なくても3〜4種類の濃度の異なる黒インクを使用することが望ましい。なお、インクジェット記録装置特有の筋ムラを解消するためには、記録ヘッドから記録面に対してまんべんなくインクを吐出する必要があり、その結果、インク吸収量の増加に伴い、インク受像層を厚くしなければならない。インク受像層を厚くすると、記録面表面に傷が発生しやすくなり、一層記録媒体の取り扱いに注意しなければならない。
【0058】
インクジェットヘッドのインク射出機構はピエゾ効果を用いたものでも、瞬時にインクを加熱したとき生ずる気泡(バブル)形成の力を用いたインクジェット方式でもよい。ノズル孔は64〜512個程度が医療用インクジェットとして適切である。インク滴の飛翔速度は2〜20m/sが好ましく、射出1滴のインク量は1〜50ピコリットルが好ましい。
【0059】
130は記録媒体4を主走査方向に搬送する搬送ローラである。140は、記録ヘッドを副走査方向に搬送する記録ヘッド搬送手段である。ここで、搬送ローラ130は、記録媒体搬送信号に基づき、記録媒体4を矢印A方向へ搬送する。また、この記録媒体4の搬送方向に対して直行する方向Bに移動可能に、記録ヘッドユニット120を移動させる記録ヘッド搬送手段140が配置されている。
【0060】
ここで、記録ヘッド搬送手段140はヘッド搬送信号に基づき記録ヘッドユニット120を矢印B方向へ移動させ、各記録ヘッド120a〜120dは記録ヘッド制御信号に基づき記録媒体4上に画像を形成する。記録制御手段101には、画像処理制御手段110から画像信号が送られ、この画像処理制御手段110には、外部の撮影装置やストレージ装置からの画像信号が入力される。なお、画像処理の入力はネットワークを介したものであってもよい。
【0061】
151は各種情報を入力するための情報入力手段であり、たとえば、濃度変動因子情報、目標濃度階調特性情報、経過時間設定情報などが操作者により入力される。
【0062】
なお、濃度変動因子情報とは、画像記録後における画像濃度変動を予測するための情報である。また、目標濃度階調特性(Do)情報とは、画像信号値と目標濃度との特性を示す情報である。そして、経過時間設定情報とは、本実施の形態例において、画像記録終了後から経過時間であり、その経過時間後に適正な濃度になるように画像形成する時間である。
【0063】
152は濃度変動因子測定手段であり、濃度変動因子(内的因子(画像記録装置による因子、インクによる因子、記録媒体による因子)、外的因子(環境による因子、保管状態による因子))の中で測定可能なものを測定するための測定手段であり、各種のセンサなどにより構成される。
【0064】
153は画像形成要素情報記憶手段であり、画像を形成する際の画像形成要素(インク情報(染料重量比、溶媒量)、ディザマトリクス情報(インク使用率、インク液滴数)など)に関する情報を記憶しておくための記憶手段である。
【0065】
図2は以上説明した画像処理制御手段110での、各種の情報(濃度変動因子情報、目標濃度階調特性情報、経過時間設定情報、濃度形成要素情報、など)が入力されて、濃度階調特性D(t)を決定するための演算処理の様子を模式的に示す説明図である。
【0066】
ここで、濃度変動因子情報としては、記録直後までに濃度変化に寄与しうる因子である内的因子によるものと、記録終了以降に濃度変化に寄与しうる因子である外的因子によるものとが存在する。
【0067】
濃度変動因子は極めて多く各因子を個別に扱って濃度階調特性の変動を予測するのは困難であることから、各因子に対応する諸条件を数値化し、各因子に基づいて数個のパラメータとして扱う方法が最も有効である。たとえば、濃度変動の程度を表すパラメータkがあって、各濃度変動因子iにおける状態Si、その重み係数をWiとするとき、k=ΣWiSiとして一般化する方法が最も簡便である。
【0068】
図3は状態Siの設定例を示す特性図である。記録後の濃度変化が急であるときkの値が大きくなるようにパラメータkを設定する。
図3(a)は外的因子に相当する「記録後の気温」を数値化する一例である。気温が高いほどインク乾燥速度は大きいので、より乾燥しやすい条件である気温50℃を最大値S=1、乾燥がおこりにくい条件である気温10℃を最小値S=0、と設定すればよい。
【0069】
図3(b)は内的因子に相当する「記録媒体の種類」を数値化する一例である。たとえば、記録媒体A,B,Cがある場合に、A,B,Cの順に乾燥速度が大きいとすると、状態SをA,B,Cの順で大きくなるように設定すればよい。
【0070】
また、重み係数Wに関して、各濃度変動因子において乾燥過程に影響を及ぼしやすい因子におけるWを大きく設定し、乾燥過程に影響を及ぼしにくい因子におけるWを小さく設定しておけばよく、より正確な濃度変動の予測を行うことが可能となる。
【0071】
濃度変動の予測に実際に用いる各濃度変動因子iの種類、各濃度変動因子における状態の数値設定、重み係数の設定等の情報は、関数化あるいはテーブルとして予め記録装置内部に保持することが好ましい。
【0072】
また、濃度変動を予測するための数個のパラメータを基に、画像診断推奨期間(最短推奨時刻、最長推奨時刻)の算出、または濃度階調特性の決定をすることができる。図2では1個のパラメータkに基づいて画像診断推奨期間の算出お呼び濃度階調特性の決定を行っているが、この方法に限らず複数のパラメータに基づいて求めるようにしてもよい。
【0073】
なお、内的因子によるものとして、画像記録装置による因子(記録ヘッドの個々のばらつき、搬送系や駆動系のばらつき、インク組み合わせなどの画像形成方法の違い)、インクによる因子(インク品種、性能ばらつき、保管状態)、記録媒体による因子(品種、性能ばらつき、保管状態)、がある。また、外的因子によるものとして、環境による因子(記録時の気温,湿度,照度)、保管状態による因子(記録後の状態、シャウカステンの状態、合紙の有無、袋への封入の有無)がある。
【0074】
画像形成要素情報としては、インク情報(染料重量比、溶媒量)と、ディザマトリクス情報(インク使用率、インク液滴数))がある。
目標濃度階調特性情報としては、画像記録装置のキャリブレーションなどによって、入力装置からの画像信号をリニアな濃度として出力するために得られた情報などが存在する。
【0075】
また、図4は、記録ヘッドユニット120と搬送ローラ130付近の様子を示す側断面図である。この図4において、記録媒体4の移動方向Aと、記録ヘッドユニット120の移動方向Bとは、図1と同じになっている。
【0076】
ここでは、各種の濃度変動因子に起因してインクジェット方式の記録後に発生しやすい濃度変化に対して、記録後の記録媒体4を加熱することにより記録媒体4中の溶媒の気化状態を一定の状態にして、指定された経過時間tにおいて安定した状態で所望の濃度階調となるようにするための、加熱ローラ133、あるいは、赤外ヒータ134、または、空気ノズル135の配置例を示している。
【0077】
この加熱または加温する方法は、一般に熱エネルギーの伝導型、放射型そして対流型がある。伝導型とは、例えば熱せられたドラム(加熱ローラ133など)に接触させることにより物質を加熱するものである。放射型とは例えば、赤外ヒータ134などから遠赤外光を照射することによって物質を加熱することである。対流型とは物質に、空気ノズル135などから熱風などを当てることによる加熱方式である。本実施の形態例においては上記3種のどの方式を用いても構わない。あるいは組み合わせることはより好ましいことである。対流型では加熱された空気を放出する必要がある。また伝導型は記録装置自体の温度が上昇しやすい。放射型は部分的に過熱するには上記2種の方法より容易であって、本実施の形態例では最も好ましい加熱方法である。
【0078】
一方、インクヘッドは常にインクで満たされている状態であって、このインクが乾いてしまうとインクヘッドの微細なノズルがふさがれてしまう不都合が生ずる。したがって、この加熱機能のインクヘッドへの影響を極力小さくせしめる必要がある。本実施の形態例のインクジェット記録システムでは加熱機能で発する温風や赤外光など、インクヘッドを乾燥せしめる要因を軽減する機能を有することは好ましい態様である。これは具体的には加熱機能とインクヘッドとの間に伝熱阻止手段としての伝熱阻止ローラ132などを設けること、あるいは板などの壁を設けること、またエアーカーテンを設けることなどによって実現される。
【0079】
さらにこうした乾燥を軽減するにはプリンタ全体の温度上昇を防ぐ必要がある。そのために、本実施の形態例ではプリント及び加熱の終了後に、記録制御手段101などの制御により、設定した時間を経過すると乾燥機能が自動的に停止することを特徴とする。即ち上記の放射型では遠赤外発光を停止することにより実現できる。伝導型では例えば加熱ローラ133のヒータの電源を切ることで実現できる。対流型では送風ファンの電源を切ることにより実現することができる。これら機能停止については手動で行うことができるが、また一定時間経過後に機能を停止するように記録装置内に設定し、自動的に作動させることができる。記録装置の取り巻く温度が低い場合、記録装置に内蔵した温度センサで外温を検知して、例えば加熱ローラの加温のみ継続して、遠赤外ヒータ電源のみ切断するなど、加熱能力を最大限に引き出すことは好ましい態様である。
【0080】
図5は目標となる目標濃度階調特性Doと、記録直後濃度階調特性D(0)と、経過時間t経過時の濃度階調特性D(t)と、安定時濃度階調特性D(∞)との関係を示す特性図である。
【0081】
ここで、図5(a)は目標濃度階調特性Doを示している。横軸は画像信号値であり、縦軸は濃度である。以下、縦軸と横軸との関係は同様であるとする。
図5(b)は経過時間T=0に設定した場合の記録直後濃度階調特性D(0)を示し、図5(c)は経過時間T=0が経過した時点での濃度階調特性D(0)と安定時濃度階調特性D(∞)とを示している。
【0082】
なお、D(∞)とは、インク滲みなどの画像劣化が進行しないような保存条件下において数日ないし数週間単位で濃度変化がほとんどない安定状態を示すものであって、形式的な記載である。すなわち、実際にT=∞などではなく、十分に時間が経過したことを意味している。
【0083】
ここでは、経過時間T=0と設定しているので、記録直後に目標濃度階調特性Doに一致するように記録直後濃度階調特性D(0)を設定している。このため、経過時間T=0(すなわち記録直後)に適正な濃度階調特性が得られ、医用画像であれば画像記録直後に診断に適した状態になる。また、安定時濃度階調特性D(∞)は、目標濃度階調特性Doと比較すると、画像信号値に対して濃度が低下した状態になる。
【0084】
図5(d)は経過時間T=1hourに設定した場合の記録直後濃度階調特性D(0)を示し、図5(e)は経過時間T=1hourが経過した時点での、記録直後濃度階調特性D(0)と、濃度階調特性D(1hour)と、安定時濃度階調特性D(∞)とを示している。ここでは、経過時間T=1hourと設定しているので、画像記録から1時間後にやや濃度が低下した状態で、目標濃度階調特性Doに一致するように記録直後濃度階調特性D(0)を設定している。このため、経過時間T=1hour(すなわち画像記録から1時間後)に適正な濃度階調特性が得られ、医用画像であれば画像記録から1時間後に診断に適した状態になる。また、安定時濃度階調特性D(∞)は、目標濃度階調特性Doと比較すると、画像信号値に対してやや濃度が低下した状態になる。
【0085】
図5(g)は経過時間T=1weekに設定した場合の記録直後濃度階調特性D(0)を示し、図5(g)は経過時間T=1weekが経過した時点での、記録直後濃度階調特性D(0)と、濃度階調特性D(1week)と、安定時濃度階調特性D(∞)とを示している。ここでは、経過時間T=1weekと設定しているので、画像記録から1週間後にかなり濃度が低下した状態で、目標濃度階調特性Doに一致するように記録直後濃度階調特性D(0)を設定している。このため、経過時間T=1week(すなわち画像記録から1週間後)に適正な濃度階調特性が得られ、医用画像であれば画像記録から1週間後に診断に適した状態になる。また、経過時間tが1週間(1week)と設定されているため、安定時濃度階調特性D(∞)は、濃度階調特性D(1week)および目標濃度階調特性Doと一致している。
【0086】
図6は濃度階調特性の変化のその他の例を表す特性図である。図6(a)は画像信号値に対応する濃度を形成する際に単位面積当たりのインク液滴量、すなわちインク量密度が単調ではない場合を示している。なお、図5(d)や図5(f)の記録直後濃度階調特性D(0)がほぼ直線的な特性になっているものを示しているが、1ドットを複数の液滴で形成する際に、液滴数、染料比、または溶媒比の選択によっては、その選択された状況での濃度の低下状況によって、記録直後濃度階調特性D(0)がステップ状あるいは不連続な特性となることもある。
【0087】
図6(b)は目標階調特性を示していて、設定された経過時間における理想的な濃度階調特性を示す。図6(c)は濃度安定時に図6(b)の濃度階調特性になるように画像を記録する際の、記録直後における濃度階調特性を示す。
【0088】
インク量密度に応じて濃度上昇量が変化するが、図6(a)のように画像信号値に対してインク量密度が非単調増加であるため、随所に濃度階調特性の滑らかさが損なわれ、場合によっては一時的濃度逆転が起こりうる。しかし、濃度安定時における画像濃度を基に濃度階調補正を行うため、濃度安定時には目標階調特性に達する。即時性が要求される場合には、このような画像形成方法によるところが大きいため、本実施の形態例で示すような濃度階調補正方法がなお好ましい。
【0089】
ところで、濃度階調特性D(t)は図7(a)のようになっている。ここで、インク低下分は、インク量にほぼ比例したものとなっている。また、kは、インク乾燥速度に関するパラメータであり、図7(a)において濃度変化量の半値幅(すなわち、D(t)=(D(0)+D(∞))/2、になる上昇濃度半減に要する時間Tに関する値)を示している。
【0090】
ここで、D(t)は、記録直後濃度階調特性D(0)、安定時濃度階調特性D(∞)、k、の3つのパラメータにより数式で表すことができる。
D(t)=H(D(0),D(∞),k,t)
となる。
【0091】
この式は、たとえば、以下のように表すこともできる。
D(t)=D(0)+(D(∞)−D(0))exp(−kt)
である。
る。
【0092】
なお、実際にD(t)は、図7(b)のように、急激な特性、緩やかな特性、これらの平均的な特性などのばらつきを有している。そのばらつきは、図7(c)のような頻度分布を有していて、標準偏差σの正規分布に似た分布となる。
【0093】
従って、予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、|D(t)−Do|<0.1、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行うためには、インクの液滴量、染料比などや上述した各種濃度変動因子を用いて上述した3つのパラメータを正確に計算により求め、D(t)が大抵の濃度域において、3σ<0.1となるように、D(0)を選定する必要がある。すると、99%以上の確率で所定の濃度範囲に収めることができる。
【0094】
なお、その場合、図7(d)のようにディザマトリクスによって複数種類の濃度の異なるインク液滴により画像の1ドットを形成する場合には、ディザマトリクスを形成する各インク液滴について調整をすることで、適切なD(t)とすることが可能になる。
【0095】
なお、医用画像に適用する場合には、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、|D(t)−Do|<0.05、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行うことが望ましい。このようにすることで、高精度な濃度階調特性が要求される医用画像に適した記録が可能になる。
【0096】
なお、発明者が実験により評価した結果、診断に使用する医用画像の場合には、少なくとも、|D(t)−Do|<0.1を満たすことが望ましく、さらに、|D(t)−Do|<0.05を満たすことがより好ましいことを確認した。
【0097】
また、D(t)とDoとのずれの許容値として、操作者からの入力によって指定された値aに対して、|D(t)−Do|<aを満たすように補正をすることも望ましい実施の形態である。この場合、操作者が使用する環境や要望などに基づいて、上記0.1や0.05を指定してもよいし、また、0.15などと指定してもよい。
【0098】
本実施の形態例では、所定の経過時間tに適正な濃度が得られるように記録することを特徴としており、その経過時間tが記録画像上でも明らかになっていることが望ましい。その手法としては、以下のものがある。
【0099】
▲1▼経過時間tに関する時間情報を、画像信号に基づいた画像と共に記録媒体に対して記録する。この場合、記録時刻と経過時間t、あるいは、観察に適した時刻、または、観察に適した時刻の範囲、などを記録する。この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、指定された経過時間tが明らかになり、観察に適した時間あるいは時刻が明瞭になる。
【0100】
▲2▼経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を記録媒体に対して記録する。この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間T1とT2とにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になるため、複数の経過時間に観察に適した状態となる。
【0101】
▲3▼経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を、同一の記録媒体に対して記録する。この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間T1とT2とにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が同一記録媒体上で可能になるため、複数の経過時間に観察に適した状態となる。
【0102】
▲4▼画像記録されてからの所定の経過時間tが経過した時点での濃度が等しくなると共に、前記経過時間tが経過した時点以外では異なる濃度となるテストパターン(図8(a)(b)参照)を生成し、記録する。この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になり、かつ、指定された経過時間tの到来がテストパターンにより視覚的に明らかになり、観察に適した時間あるいは時刻が明瞭になる。
【0103】
なお、この▲4▼のテストパターンを使用する場合、図8(a)(b)のようにほぼ同様な濃度のテストパターンを用意し、実際には、図9のaとbのような濃度階調特性で記録を行う。すなわち、インク液滴の溶媒量や染料比などを調節し、濃度変化の異なる2種類の特性を用意する。そして、2種類の濃度階調特性が所定の経過時間t(ここでは、T)で一致するようにしておくことで、Tにおいて2種類のテストパターンの濃度が一致して見え、観察に適した時刻が到来したことを観察者が視覚的に知ることが可能になる。
【0104】
〈その他の実施の形態例〉
記録媒体4に記録された画像の濃度を測定する濃度測定手段を備えておき、濃度測定手段により測定された濃度の情報を濃度変動因子情報とすることも望ましい。この場合、所定の経過時間tで所定の濃度となる画像を予め出力し、それを濃度測定手段で測定することで、キャリブレーションを行うことが可能になり、実際の濃度に基づいた濃度変動因子情報を参照することで精度の高い濃度階調の画像記録が可能になる。
【0105】
また、以上の実施の形態例では、インクジェット方式の画像記録について説明してきたが、記録後に濃度変化が生じる各種の画像記録に適用することが可能である。ただし、インク中の溶媒が気化するインクジェット方式の場合に最適な効果が得られる。
【0106】
また、以上の実施の形態例の画像記録は、各種の画像の記録に適用することが可能であるが、高精度に濃度を出力する必要のある医用画像に適用すると最も効果的である。特に、医用画像を用いた診断の場合に、病巣部分を濃度変化により見つける必要がある場合に効果的である。
【0107】
また、以上の実施の形態例では、光透過の記録媒体でも、反射型の記録媒体でも適用することが可能であるが、光透過性記録媒体の場合に、記録媒体中に残存する溶媒によって透過光が散乱し、濃度が高くみえ、そして、溶媒が気化するにつれて、濃度が低下してくる特性を有するため、所定の経過時間tにおいて適正な濃度を得るために、光透過型の記録媒体において最も良い効果が得られる。すなわち、インクの媒体などによって生じる光の散乱などの影響を抑えて、高精度な濃度階調特性が要求される画像に適した記録が可能になる。
【0108】
また、指定された経過時間T1とT2とにおいて所望の濃度階調となる画像の記録を同一記録媒体上で記録する実施の形態例において、T1として診断を行う時間、また、T2として∞の保管に適する時間を設定すると、診断と保管との両方に1枚の記録媒体で対応することが可能になる。
【0109】
また、図4に示した加熱手段によれば、インク中の溶媒を気化させることで記録直後濃度階調特性D(0)の初期値を下げることができ、濃度低下が緩やかな特性となり、濃度階調特性D(t)の予測がしやすくなるという効果も得られる。
【0110】
以上の実施の形態例における濃度変動因子測定手段152は、温度計/湿度計、照度計、記録媒体/インクの品種を判別するセンサ、等の様々な形態が考えられるが、この限りではない。すなわち、簡便に測定が可能である形態であれば、どの方法を選択してもよい。さらに各濃度変動因子のうち、濃度変動に大きな影響を与えうる因子のみを予め選定し、その測定手段を備えるようにすればコストがかからず効率がよいため望ましい。
【0111】
また、濃度変動因子などを入力する情報入力手段151は、押しボタン、ディップスイッチ、入力キーボード、ディスプレイ上でのタッチパネル、等の様々な形態が考えられるが、この限りではない。すなわち、容易に濃度変動因子を入力できる形態であれば、どの方法を選択してもよい。
【0112】
また、以上の実施の形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態例の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給する為の記録媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0113】
また、画像記録装置100に時計(不図示)を備えておけば、所定の経過時間tのみならず、記録終了時刻および推奨診断時間範囲を記録媒体に記録することができ、ユーザが記録終了時刻を正確に把握していなくとも、その情報を基にユーザは推奨診断時間範囲を容易に把握することができる。
【0114】
また、以上の実施の形態例において、|D(t)−Do|<a、もしくは|D(t)−Do|<0.1、または|D(t)−Do|<0.05、といった補正をするのは、濃度範囲の全域ではなく、所定の濃度範囲において実行すれば良好な結果が得られる。たとえば、医用画像では濃度が2.5以下の範囲、マンモグラフィでは3.5以下の範囲などである。また、下限値についても、適宜定めることができる。
【0115】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、目標濃度階調特性Doと、ずれの許容値として指定された値aとに対して、|D(t)−Do|<a、の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行っており、この補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録している。この結果、各種の濃度変動因子に起因して記録後に発生する濃度変化にかかわらず、指定された経過時間tにおいて所望の濃度階調となる画像の記録が可能になる。また、高精度な濃度階調特性が要求される医用画像にも適した記録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態例の演算の様子を示す説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態例の動作を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態例の装置の構成を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態例における濃度階調特性の変化を示す説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態例における濃度階調特性の変化を示す説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態例における濃度階調特性を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施例におけるテストパターンの様子を示す説明図である。
【図9】 本発明の実施例におけるテストパターンの濃度階調特性の様子を示す説明図である。
【図10】 濃度階調特性の様子を示す特性図である。
【図11】 濃度階調特性の様子を示す特性図である。
【符号の説明】
100 画像記録装置
101 記録制御手段
110 画像処理制御手段
120 記録ヘッドユニット
130 搬送ローラ
140 記録ヘッド搬送手段
151 情報入力手段
152 濃度変動因子測定手段
153 画像形成要素記憶手段

Claims (13)

  1. 画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する画像記録装置であって、
    画像信号値と目標濃度との特性を示す目標濃度階調特性Doを設定する目標濃度階調特性設定手段と、
    画像記録されてからの所定の経過時間tを設定する経過時間設定手段と、
    画像記録後における画像濃度変動を予測するための情報である濃度変動因子情報に基づいて、画像記録終了後から前記経過時間t経過時における濃度階調特性を予測する濃度階調特性予測手段と、
    前記濃度階調特性予測手段により予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、
    ずれの許容値として指定された値aに対して、
    |D(t)−Do|<a、
    の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う濃度階調特性補正手段と、を有し、
    前記濃度階調特性補正手段により補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する画像記録装置であって、
    画像信号値と目標濃度との特性を示す目標濃度階調特性Doを設定する目標濃度階調特性設定手段と、
    画像記録されてからの所定の経過時間tを設定する経過時間設定手段と、
    画像記録後における画像濃度変動を予測するための情報である濃度変動因子情報に基づいて、画像記録終了後から前記経過時間t経過時における濃度階調特性を予測する濃度階調特性予測手段と、
    前記濃度階調特性予測手段により予測された濃度階調特性に基づいて、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、
    |D(t)−Do|<0.1
    の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う濃度階調特性補正手段と、を有し、
    前記濃度階調特性補正手段により補正された濃度階調特性により、画像信号に基づいた画像を記録媒体に対して記録する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  3. 前記経過時間tに関する時間情報を、画像信号に基づいた画像と共に記録媒体に対して記録する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像記録装置。
  4. 前記経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を記録媒体に対して記録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 前記経過時間tとして異なる複数の値T1,T2を設定し、これら複数の経過時間T1,T2に基づいて、同一の画像信号に基づいた複数の画像を、同一の記録媒体に対して記録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 記録媒体に記録された画像の濃度を測定する濃度測定手段を備え、前記濃度測定手段により測定された濃度の情報を濃度変動因子情報とする、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像記録装置。
  7. 画像記録されてからの所定の経過時間tが経過した時点での濃度が等しくなると共に、前記経過時間tが経過した時点以外では異なる濃度となるテストパターンを生成するテストパターン生成手段を備え、
    前記テストパターン生成手段で生成されたテストパターンを画像信号に基づく画像と共に記録媒体に記録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 濃度変動因子情報を測定する濃度変動因子情報測定手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像記録装置。
  9. 濃度変動因子情報を入力する濃度変動因子情報入力手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 画像信号に基づいた画像を記録媒体に対してインクジェット記録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像記録装置。
  11. 画像が記録された記録媒体を加熱する加熱手段を有する、ことを特徴とする請求項10記載の画像記録装置。
  12. 医用画像信号に基づいた医用画像を記録媒体に対して記録するものであり、
    前記濃度階調特性補正手段は、画像記録後から経過時間t経過時における濃度階調特性D(t)が、
    |D(t)−Do|<0.05
    の関係を満たすように濃度階調特性の補正を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の画像記録装置。
  13. 前記記録媒体が光透過型の記録媒体である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の画像記録装置。
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