JP4014848B2 - 廃棄物処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を処理する廃棄物処理システムに係り、特に有機物を含む各種の廃棄物から有害物質の発生を抑制しつつ極めて効率良くクリーンガスを得ることができ、有効なエネルギーを回収し、ガスリサイクル等の確立を図ることができる廃棄物処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機物を含む一般廃棄物まはた産業廃棄物等の処理システムとして、乾留による熱分解を利用するもの(例えば特公平8−24904号公報、特開平9−79548号公報等)がある。この処理システムにおいて、金属を含む有機性廃棄物を分離する際、発生したガスからエネルギーを回収している。
【0003】
たとえばこれらの処理システムでは、廃棄物をシュレッダで粉砕した後に熱分解炉で高熱の下で熱分解処理して熱分解ガスと固形物とに分離する。次に固形物に含有される金属を分離したのち、固形物と熱分解ガスを、酸化剤あるいは必要に応じてコークス等を添加して、高温の加熱ガスに変換している。
【0004】
このような処理システムから排出される二次物質は、同工程内のエネルギ源として利用される物質と、処理システムから排出される物質とに二分される。この処理システムでは、リサイクルできる物質を最小のエネルギで製造および処理することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公知技術や他の従来処理システムでは、有害ガスの発生抑制が必ずしも十分ではなく、またクリーンガスの回収効率あるいはリサイクル性が低い。さらには処理能力や装置耐久性が低い等の問題があり、有機物を含む廃棄物の処理に対しては未だ定着し得る技術とはなっていないのが実情である。
【0006】
即ち、熱分解炉で発生した有機性の熱分解ガスに含まれる高分子炭化水素を分解して低分子の炭化水素とするためには、1000℃前後の高温環境でガス改質する必要があるが、この高温度を得るために、ガス改質器において熱分解ガスのかなりの部分を燃焼させてしまうため、回収効率の点で改良の余地がある。また、固形物をガス化する工程でも、それに含まれる金属酸化物を溶融無害化するために、1400℃前後の高温度が必要となり、この高温度を得るため、固形物中の可燃成分の大部分を燃焼してしまっている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、廃棄物中に含まれる有機物のガス化を向上させることができ、さらに可燃性ガスの回収率を一層向上させることができる廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理物となる廃棄物を熱分解する熱分解炉と、この熱分解によって生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器と、ガス改質器から供給される可燃性ガスを冷却する第1熱交換器と、熱分解炉から排出される固体残さをガス化溶融することにより可燃性ガスと溶融スラグを生成するガス化溶融炉と、ガス化溶融炉から供給される可燃性ガスを冷却する第2熱交換器と、ガス改質器およびガス化溶融炉で各々生成する可燃性ガス中の有害成分を除去するガス浄化装置と、を備え、ガス改質器またはガス化溶融炉に、酸化剤注入機構を設け、ガス浄化装置で有害成分が除去された可燃性ガスを、廃棄物処理システム内の第1熱交換機および第2熱交換機より上流側へ流量を制御しつつ戻しラインを介して戻し、可燃性ガスを冷却する第1熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス改質器の制御温度+300℃より小さく、可燃性ガスを冷却する第2熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス化溶融炉の制御温度+300℃より小さいことを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0009】
本発明は、ガス改質器は反応空間を形成する耐火壁を有し、耐火壁外面温度と雰囲気温度との差は50℃以下となることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0010】
本発明は、ガス改質器の耐火壁外面に、内部空間を有する2重壁が設けられていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0011】
本発明は、ガス改質器の2重壁の内部空間に空気が満たされていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0012】
本発明は、ガス改質器の2重壁の内部空間に断熱材が満たされていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0013】
本発明は、ガス改質器の2重壁の内部空間を真空とすることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0014】
本発明は、ガス改質器の酸化剤注入機構は大気中の平均酸素濃度を上回る濃度の酸化剤をガス改質器に注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0015】
本発明は、ガス改質器の酸化剤注入機構は乾燥させた空気を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0016】
本発明は、ガス改質器の酸化剤注入機構は酸素を富化した空気を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0017】
本発明は、 ガス改質器の酸化剤注入機構は酸素を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0019】
本発明は、ガス化溶融炉は反応空間を形成する耐火壁を有し、耐火壁外面温度と雰囲気温度との差は50℃以下となることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0020】
本発明は、ガス化溶融炉の耐火壁外面に、内部空間を有する2重壁が設けられていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0021】
本発明は、ガス化溶融炉の2重壁の内部空間に空気が満たされていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0022】
本発明は、ガス化溶融炉の2重壁の内部空間に断熱材が満たされていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0023】
本発明は、ガス改質器の2重壁の内部空間を真空とすることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0024】
本発明は、ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、大気中の平均酸素濃度を上回る濃度の酸化剤をガス化溶融炉に注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0025】
本発明は、ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、乾燥させた空気を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0026】
本発明は、ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、酸素を富化した空気を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0027】
本発明は、ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、酸素を酸化剤として注入することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0029】
本発明は、被処理物となる廃棄物を熱分解する熱分解炉と、この熱分解によって生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器と、ガス改質器から供給される可燃性ガスを冷却する第1熱交換器と、熱分解炉から排出される固体残さをガス化溶融することにより可燃性ガスと溶融スラグを生成するガス化溶融炉と、ガス化溶融炉から供給される可燃性ガスを冷却する第2熱交換器と、ガス改質器およびガス化溶融炉で各々生成する可燃性ガス中の有害成分を除去するガス浄化装置と、を備え、ガス浄化装置で有害成分が除去された可燃性ガスを、廃棄物処理システム内の第1熱交換機および第2熱交換機より上流側へ流量を制御しつつ戻しラインを介して戻し、可燃性ガスを冷却する第1熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス改質器の制御温度+300℃より小さく、可燃性ガスを冷却する第2熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス化溶融炉の制御温度+300℃より小さいことを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0030】
本発明は、ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは熱分解炉の入口に接続されていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0031】
本発明は、ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインはガス改質器の入口に接続されていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0032】
本発明は、ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインはガス化溶融炉の入口に接続されていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0033】
本発明は、ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは第1熱交換器の入口に接続されていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0034】
本発明は、ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは、熱分解炉の入口、ガス改質器の入口、ガス化溶融炉の入口、第1熱交換器の入口のうち、2つ以上に接続されていることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0035】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図21は、本発明による廃棄物処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0036】
図1に示すように、廃棄物処理システム1は、被処理物となる廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解炉2と、熱分解炉2から生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器3と、ガス改質器3で生成する可燃性ガスを冷却する第1熱交換器4と、第1熱交換器4を通った可燃性ガスからダスト分を除去するバグフィルタ5とを備えている。
【0037】
また熱分解炉2から排出される固体残さは、ガス化溶融炉7に送られてガス化溶融処理され、可燃性ガスと溶融スラグとを生成する。ガス化溶融炉7から生成する可燃性ガスは第2熱交換器8で冷却され、バグフィルタ5を通った可燃性ガスと合流する。その後、合流後の可燃性ガスはスクラバ(ガス浄化装置)6において、可燃性ガス中の有害成分が除去された後、クリーンガスとなって外方へ排出される。
【0038】
他方、スクラバ6から生成する汚水は、水処理装置9において処理される。
【0039】
またガス改質器3およびガス化溶融炉7には、酸化剤を注入するための酸化剤注入機構3a,7aが各々取付けられている。
【0040】
ところで図2に示すように、ガス改質器3は内部に反応空間10aを形成する耐火壁10を有しており、この耐火壁10には熱分解炉2から送られる熱分解ガスと酸化剤注入機構3aから注入される酸化剤が流入する入口11が設けられている。また、耐火壁10の反応空間10a内には、制御用温度計12が設置されている。
【0041】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。図1に示すように、一般廃棄物あるいは産業廃棄物が一辺が最大約100mm程度の寸法に破砕され、さらに必要に応じて乾燥した後、熱分解炉2に投入される。熱分解炉2では、空気を遮断した条件で廃棄物を、有機化合物の熱分解温度以上、すなわち400〜650℃の温度で間接加熱する。この間接加熱により、廃棄物に含まれる有機化合物は熱分解し、ガスと固体残さに分解する。
【0042】
熱分解炉2で生成した熱分解ガスは、ガス改質器3に送られる。ガス改質器3では、導入した熱分解ガスを、酸化剤注入機構3aから注入された酸化剤により反応させ、この際の反応熱を効率良く利用することにより900〜1200℃の高温度を得て、熱分解ガス中の高分子量炭化水素から低分子量炭化水素への改質を完全に行うことができる。この際、ガス改質器3内において、有害なダイオキシン類もこの高温加熱によって、完全に分解し無害化することができる。次に、改質された可燃性ガスは第1熱交換器4に導入され、直接冷却ないしは間接冷却により導入ガスを230〜160℃にまで数秒以内で急冷する。その後、第1熱交換器4からの可燃性ガスは、バグフィルタ5で除塵された後、スクラバ6へ導かれて有害成分が除去される。
【0043】
一方、熱分解炉2で生成した固体残さは、ガス化溶融炉7に送られる。ガス化溶融炉7では、導入した固体残さを酸化剤注入機構7aから注入された酸化剤により反応させ、この際の反応熱を効率良く利用することにより1200〜1600℃の高温度を得て、固体残さ中の炭素を一酸化炭素へガス化する。さらに、ガス化溶融炉7内において、反応熱により、固体残さ中の灰を溶融しスラグとして回収する。ガス化溶融炉7内で生成した一酸化炭素を主体とする可燃性ガスは、第2熱交換器8に導入され、この第2熱交換器8内で直接冷却あるいは間接冷却により数秒以内で急冷される。
【0044】
第2熱交換器8内で冷却されたガス化溶融炉7からの可燃性ガスは、ガス改質器3からの可燃性ガスと合流し、スクラバ6へ導入される。スクラバ6では、除塵・水洗浄・アルカリ溶液洗浄・酸性溶液洗浄・固体吸着剤による洗浄のうち1つあるいは2つ以上の組み合わせにより、生成した可燃性ガスをクリーンな燃料ガス(クリーンガス)へ変換する。
【0045】
このように、ガス改質器3とガス化溶融炉7において、熱分解ガスおよび固体残さと、酸化剤との反応熱を効率良く利用することにより、燃料ガスである可燃性ガスの回収量を増加させることができる。この間、図2に示すように、ガス改質器3において、耐火壁10の外面温度は外方の雰囲気温度+50℃以下に保たれている。
【0046】
次に図3乃至図21により本発明の変形例について説明する。図3に示す変形例はガス改質器の構成が異なるのみである。他の構成は図1および図2に示す実施の形態と略同一であり、図1および図2に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
図3に示すように、改質器3の耐火壁10の外面に内部空間15aを有する2重壁15が設けられている。本実施の形態によれば、改質器3の耐火壁10の断熱性を高めることができる。
【0048】
なお図4に示すように、図3において説明した改質器3の2重壁15内の内部空間15aを空気層16で充てんしてもよい。
【0049】
さらに図5に示すように、図3において説明した改質器3の2重壁15内の内部空間15aに断熱材17を充てんしてもよい。
【0050】
また図6に示すように、図3において説明した改質器3の2重壁15内の内部空間15aを真空状態として真空層18を形成してもよい。
【0051】
図7に示す変形例はガス改質器の構成が異なるのみである。他の構成は図1および図2に示す実施の形態と略同一であり、図1および図2に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図7に示すように、ガス改質器3の酸化剤注入機構3aから酸化剤として、酸素濃度が大気中の平均酸素濃度を上回る酸化剤がガス改質器3内に注入される。
【0053】
なお、図8に示すように、ガス改質器3の酸化剤注入機構3aから酸化剤として、乾燥させた空気をガス改質器3内に注入してもよい。
【0054】
また図9に示すように、ガス改質器3の酸化剤注入機構3aから酸化剤として、酸素を富化させた空気をガス改質器3内に注入してもよい。
【0055】
また図10に示すように、ガス改質器3の酸化剤注入機構3aから酸化剤として、酸素をガス改質器3内に注入してもよい。
【0056】
さらに図11に示すように、第1熱交換器4の入口における可燃性ガス温度は、ガス改質器3内の制御温度+300°より小さいことが好ましい。
【0057】
図12に示す変形例において、ガス化溶融炉7が特定の構成を有している。他の構成は図1および図2に示す実施の形態と略同一であり、図1および図2に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
図12に示すように、ガス化溶融炉7は反応空間20aを形成する耐火壁20を有しており、この耐火壁20には熱分解炉2から送られる固体残さと酸化剤注入機構7aから注入される酸化剤が注入する入口21が設けられている。また耐火壁20の反応空間20a内には、制御用温度計22が設置されている。
【0059】
また耐火壁20の外面は、外方の雰囲気温度+50℃以下に保たれている。
【0060】
図13に示す変形例は、ガス化溶融炉7の耐火壁20の外面に、内部空間25aを有する2重壁25を設けたものであり、他は図12に示す変形例と略同一である。図13において、ガス化溶融炉7の断熱性を高めることができる。
【0061】
なお、図14に示すように、図13において説明したガス化溶融炉7の2重壁25内の内部空間25aを空気層26で充てんしてもよい。
【0062】
さらに、図15に示すように、図13において説明したガス化溶融炉7の2重壁25内の内部空間25aに断熱材17を充てんしてもよい。
【0063】
また図16に示すように、図13において説明したガス化溶融炉7の2重壁25内の内部空間25aを真空状態として真空層28を形成してもよい。
【0064】
図17に示す変形例はガス化溶融炉7の構成が異なるのみである。他の構成は図1および図2に示す実施の形態と略同一であり、図1および図2に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
図17に示すように、ガス化溶融炉7の酸化剤注入機構7aから酸化剤として、酸素濃度が大気中の平均酸素濃度を上回る酸化剤がガス化溶融炉7内に注入される。
【0066】
なお、図18に示すように、ガス化溶融炉7の酸化剤注入機構7aから酸化剤として、乾燥させた空気をガス化溶融炉7内へ注入してもよい。
【0067】
また図19に示すように、ガス化溶融炉7の酸化剤注入機構7aから酸化剤として、酸素を富化させた空気をガス化溶融炉7へ注入してもよい。
【0068】
また図20に示すように、ガス化溶融炉7の酸化剤注入機構7aから酸化剤として、酸素をガス化溶融炉7内へ注入してもよい。
【0069】
さらに図21に示すように、第2熱交換器8の入口における可燃性ガス温度は、ガス化溶融炉7内の制御温度+300℃より小さいことが好ましい。
【0070】
第2の実施の形態
図22乃至図35は本発明による廃棄物処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
【0071】
図22に示すように、廃棄物処理システム1は、被処理物となる廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解炉2と、熱分解炉2から生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器3と、ガス改質器3で生成する可燃性ガスを冷却する第1熱交換器4と、第1熱交換器4を送った可燃性ガスからダスト分を除去するバグフィルタ5とを備えている。
【0072】
また熱分解炉2から排出される固体残さは、ガス化溶融炉に送られてガス化溶融処理され、可燃性ガスと溶融スラグとを生成するガス化溶融炉7から生成する可燃性ガスは第2熱交換器8で冷却され、バグフィルタ5を通った可燃性ガスと合流する。その後、合流後の可燃性ガスはスクラバ(ガス浄化装置)6において、可燃性ガス中の有害成分が除去された後、クリーンガスとなって外方へ排出される。
【0073】
他方、スクラバ6から生成する汚水は、水処理装置9において処理される。またスクラバ6からの可燃性ガス(クリーンガス)は、戻しライン30を介して、熱分解炉2の入口、ガス改質器3の入口、第1熱交換器4の入口、およびガス化溶融炉7の入口へ戻される。
【0074】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。図22に示すように、一般廃棄物あるいは産業廃棄物が一辺が最大約100mm程度の寸法に破砕され、さらに必要に応じて乾燥した後、熱分解炉2に投入される。熱分解炉2では、空気を遮断した条件で、廃棄物を有機化合物の熱分解温度以上、すなわち400〜650℃の温度で間接加熱する。この間接加熱により、廃棄物に含まれる有機化合物は熱分解し、ガスと固体残さに分解する。
【0075】
熱分解炉2で生成した熱分解ガスは、ガス改質器3に送られる。ガス改質器3では、導入した熱分解ガスは、酸化剤注入機構3aから注入された酸化剤により反応される。この際、反応熱を効率良く利用することにより900〜1200℃の高温度を得て、熱分解ガス中の高分子量炭化水素から低分子量炭化水素への改質を完全に行なうことができる。この際、ガス改質器3内において有害なダイオキシン類も、この高温加熱によって完全に分解し無害化することができる。次に、改質された可燃性ガスは第1熱交換器4に導入され、230〜160℃にまで急冷されて熱が回収される。その後、第1熱交換器4からの可燃性ガスは、バグフィルタ5で除塵された後、スクラバ6へ導かれて有害成分が除去される。
【0076】
一方、熱分解炉2で生成した固体残さは、ガス化溶融炉7に送られる。ガス化溶融炉7では、導入した固体残さを酸化剤注入機構7aから注入された酸化剤により反応させ、この際の反応熱を効率良く利用することにより1200〜1600℃の高温度を得て、固体残さ中の炭素を一酸化炭素へガス化する。さらに、ガス化溶融炉7内において、反応熱により、固体残さ中の灰を溶融しスラグとして回収する。ガス化溶融炉7内で生成した一酸化炭素を主体とする可燃性ガスは、第2熱交換器8に導入されて急冷され、熱が回収される。
【0077】
第2熱交換器8内を冷却されたガス化溶融炉7からの可燃性ガスは、ガス改質器3からの可燃性ガスと合流し、スクラバ6へ導入される。スクラバ6では、除塵・水洗浄・アルカリ溶液洗浄・酸性溶液洗浄・固体吸着剤による洗浄のうち1つあるいは2つ以上の組み合わせにより、生成した可燃性ガスをクリーンな燃料ガス(クリーンガス)へ変換する。
【0078】
本実施形態では、このように、ガス改質器3とガス化溶融炉7において、ごみ由来の有機化合物ないし炭素を、高温度場を用いて有用な燃料ガスへ変換することができる。またこのガス変換に用いた高温度場の熱エネルギーを有効利用するため、ガス改質器3およびガス化溶融炉7の後段に第1および第2熱交換器4,8を設置している。
【0079】
この第1および第2熱交換器4,8の性能を高い値で維持しシステムの運転の安定性を確保するためには、流入する流体の温度と流量を常時最適値に制御することが有効である。そこで、この最適値制御のために、スクラバ6からのクリーンガスを戻しライン30を介して第1および第2熱交換器4,8より上流側、すなわち熱分解炉2の入口、ガス改質器3の入口、第1熱交換器4の入口およびガス化溶融炉7の入口へ流量を制御しつつ戻す。これにより、第1および第2熱交換器4,8入口の流体の温度と流量を常に最適値に制御することができる。
【0080】
この場合、スクラバ6からのクリーンガスを全量、戻しライン30を介して戻してもよく、スクラバ6から一部のクリーンガスを戻しライン30を介して戻してもよい。
【0081】
次に図23乃至図35により本発明の変形例について説明する。まず図23に示す変形例は、ガス改質器3およびガス化溶融炉7に、外部エネルギ供給部3bおよび外部エネルギ供給部7bから外部エネルギを供給したものである。図23において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
図23において、ガス改質器3およびガス化溶融炉7に外部エネルギ供給部3b,7bから外部エネルギを供給するので、戻しライン30からのクリーンガスとともにガス改質器3およびガス化溶融炉7を適切に加熱することができる。
【0083】
また図24に示すように、熱分解炉2、ガス改質器3、およびガス化溶融炉7に、外部エネルギ供給部2b,3b,7bから外部エネルギを供給してもよい。なお図24において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0084】
さらに図25に示すように、熱分解炉2、ガス改質器3、およびガス化溶融炉7に、外部エネルギ供給部2b,3b,7bから電気エネルギを各々供給してもよい。なお、図25において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】
図26に示す変形例は戻しライン30の構成が異なるが、図26において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0086】
図26に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介して熱分解炉2の入口に戻されるようになっている。また熱分解炉2には、外部エネルギ供給部2bから外部エネルギが供給されるようになっている。
【0087】
また、図27に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスを戻しライン30を介して改質器3の入口に戻してもよい。図27において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
図27に示すように、改質器3にはクリーンガスが供給されるとともに、外部エネルギ供給部3bから外部エネルギが供給される。
【0089】
図28に示す変形例は戻しライン30の構成が異なるが、図28において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0090】
図28に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介してガス化溶融炉7の入口に戻されるようになっている。
【0091】
またガス化溶融炉7には、外部エネルギ供給部7bから外部燃料が供給される。ガス化溶融炉7はクリーンガスと外部燃料とによって適切に加熱される。
【0092】
図29に示す変形例は戻しライン30の構成が異なるが、図29において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0093】
図29に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介して第1熱交換器4の入口に戻される。
【0094】
図30に示す変形例は、ガス改質器3に外部エネルギ供給部3bを設けるとともに、この外部エネルギ供給部3bからガス改質器3内に外部エネルギを供給したものである。図30において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0095】
図31に示す変形例は戻しライン30の構成が異なるが、図31において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0096】
図31に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介して熱分解炉2の入口に戻されるようになっている。
【0097】
また熱分解炉2には、外部エネルギ供給部2bから電気エネルギが供給され、熱分解炉2をクリーンガスと電気エネルギとによって適切に加熱することができる。
【0098】
図32に示す変形例は戻しライン30の構成が異なるが、図31において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0099】
図31に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介してガス改質器3の入口に戻されるようになっている。
【0100】
また、ガス改質器3には、外部エネルギ供給部3bから電気エネルギが供給され、ガス改質器3をクリーンガスと電気エネルギとによって適切に加熱することができる。
【0101】
図33に示す変形例は、戻しライン30の構成が異なるが、図33において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0102】
図33に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介してガス化溶融炉7の入口に戻される。
【0103】
また、ガス化溶融炉7には、外部エネルギ供給部7bから電気エネルギが供給され、ガス化溶融炉7をクリーンガスと電気エネルギとによって適切に加熱することができる。
【0104】
図34に示す変形例は、戻しライン30の構成が異なるが、図34において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0105】
図34に示すように、スクラバ6から出るクリーンガスは戻しライン30を介して第1熱交換器4の入口に戻される。
【0106】
図35に示す変形例は、ガス改質器3およびガス化溶融炉7に、各々外部エネルギ供給部3b,7bを設けたものである。図35において、他の構成は図22に示す実施の形態と略同一であり、図22に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、廃棄物中の有機物のガス化を向上させることができる。また生成された可燃性ガスの回収率を安定させ、かつ向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃棄物処理システムの第1の実施の形態を示す全体構成図。
【図2】図1に示すガス改質器の詳細図。
【図3】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図4】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図5】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図6】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図7】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図8】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図9】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図10】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図11】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図12】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図13】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図14】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図15】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図16】本発明の変形例を示す改質器の詳細図。
【図17】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図18】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図19】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図20】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図21】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図22】本発明による廃棄物処理システムの第2の実施の形態を示す全体構成図。
【図23】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図24】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図25】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図26】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図27】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図28】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図29】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図30】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図31】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図32】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図33】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図34】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【図35】本発明の変形例を示す廃棄物処理システムの全体構成図。
【符号の説明】
1 廃棄物処理システム
2 熱分解炉
2b 外部エネルギ供給部
3 ガス改質器
3a 酸化剤注入機構
3b 外部エネルギ供給部
4 第1熱交換器
5 バグフィルタ
6 スクラバ
7 ガス化溶融炉
7a 酸化剤注入機構
7b 外部エネルギ供給部
8 第2熱交換器
9 水処理装置
10 耐火壁
10a 反応空間
15 2重壁
20 耐火壁
20a 反応空間
25 2重壁
Claims (25)
- 被処理物となる廃棄物を熱分解する熱分解炉と、
この熱分解によって生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器と、
ガス改質器から供給される可燃性ガスを冷却する第1熱交換器と、
熱分解炉から排出される固体残さをガス化溶融することにより可燃性ガスと溶融スラグを生成するガス化溶融炉と、
ガス化溶融炉から供給される可燃性ガスを冷却する第2熱交換器と、
ガス改質器およびガス化溶融炉で各々生成する可燃性ガス中の有害成分を除去するガス浄化装置と、を備え、
ガス改質器またはガス化溶融炉に、酸化剤注入機構を設け、
ガス浄化装置で有害成分が除去された可燃性ガスを、廃棄物処理システム内の第1熱交換機および第2熱交換機より上流側へ流量を制御しつつ戻しラインを介して戻し、
可燃性ガスを冷却する第1熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス改質器の制御温度+300℃より小さく、
可燃性ガスを冷却する第2熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス化溶融炉の制御温度+300℃より小さいことを特徴とする廃棄物処理システム。 - ガス改質器は反応空間を形成する耐火壁を有し、耐火壁外面温度と雰囲気温度との差は50℃以下となることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の耐火壁外面に、内部空間を有する2重壁が設けられていることを特徴とする請求項2記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の2重壁の内部空間に空気が満たされていることを特徴とする請求項3記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の2重壁の内部空間に断熱材が満たされていることを特徴とする請求項3記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の2重壁の内部空間を真空とすることを特徴とする請求項3記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の酸化剤注入機構は大気中の平均酸素濃度を上回る濃度の酸化剤をガス改質器に注入することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の酸化剤注入機構は乾燥させた空気を酸化剤として注入することを特徴とする請求項7記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の酸化剤注入機構は酸素を富化した空気を酸化剤として注入することを特徴とする請求項7記載の廃棄物処理システム。
- ガス改質器の酸化剤注入機構は酸素を酸化剤として注入することを特徴とする請求項7記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉は反応空間を形成する耐火壁を有し、耐火壁外面温度と雰囲気温度との差は50℃以下となることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の耐火壁外面に、内部空間を有する2重壁が設けられていることを特徴とする請求項11記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の2重壁の内部空間に空気が満たされていることを特徴とする請求項12記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の2重壁の内部空間に断熱材が満たされていることを特徴とする請求項12記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の2重壁の内部空間を真空とすることを特徴とする請求項12記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、大気中の平均酸素濃度を上回る濃度の酸化剤をガス化溶融炉に注入することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、乾燥させた空気を酸化剤として注入することを特徴とする請求項16記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、酸素を富化した空気を酸化剤として注入することを特徴とする請求項16記載の廃棄物処理システム。
- ガス化溶融炉の酸化剤注入機構は、酸素を酸化剤として注入することを特徴とする請求項16記載の廃棄物処理システム。
- 被処理物となる廃棄物を熱分解する熱分解炉と、
この熱分解によって生成した熱分解ガスを可燃性ガスに改質するガス改質器と、
ガス改質器から供給される可燃性ガスを冷却する第1熱交換器と、
熱分解炉から排出される固体残さをガス化溶融することにより可燃性ガスと溶融スラグを生成するガス化溶融炉と、
ガス化溶融炉から供給される可燃性ガスを冷却する第2熱交換器と、
ガス改質器およびガス化溶融炉で各々生成する可燃性ガス中の有害成分を除去するガス浄化装置と、を備え、
ガス浄化装置で有害成分が除去された可燃性ガスを、廃棄物処理システム内の第1熱交換機および第2熱交換機より上流側へ流量を制御しつつ戻しラインを介して戻し、
可燃性ガスを冷却する第1熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス改質器の制御温度+300℃より小さく、
可燃性ガスを冷却する第2熱交換器入口の可燃性ガスの温度は、ガス化溶融炉の制御温度+300℃より小さいことを特徴とする廃棄物処理システム。 - ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは熱分解炉の入口に接続されていることを特徴とする請求項20記載の廃棄物処理システム。
- ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインはガス改質器の入口に接続されていることを特徴とする請求項20記載の廃棄物処理システム。
- ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインはガス化溶融炉の入口に接続されていることを特徴とする請求項20記載の廃棄物処理システム。
- ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは第1熱交換器の入口に接続されていることを特徴とする請求項20記載の廃棄物処理システム。
- ガス浄化装置からの可燃性ガスの戻しラインは、熱分解炉の入口、ガス改質器の入口、ガス化溶融炉の入口、第1熱交換器の入口のうち、2つ以上に接続されていることを特徴とする請求項20記載の廃棄物処理システム。
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