JP4016441B2 - ターボ式血液ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工心肺のみならず各種の循環補助等に使用され、体外もしくは体内に設置するターボ式血液ポンプに関する。
【0002】
【従来技術】
従来から存在するターボ型血液ポンプとしては、遠心式と軸流式血液ポンプがある。前者はインレットより入った血液がインペラー内で軸に対してほぼ直角に屈曲し、後者はインレットより入った血液がインペラー内で軸に対して平行に流れる。遠心式血液ポンプの羽根は軸に対して捻れのない2次元構造を採っており、従って羽根出口角度は上部と下部で異なることはない。
【0003】
多数の遠心式血液ポンプは軸シールを有する。軸シールを有する遠心式血液ポンプは、軸シールの耐久性から2週間以上の長期の連続駆動は困難であり、また、軸シールは血栓の好発生部位でもあり、抗血栓性にも問題がある。さらに、遠心式血液ポンプの最適な回転数が低いので、必要とする吐出量を得るためにはインペラーを大きくする必要がある。遠心式ポンプで一般的なインペラーの直径は40〜80mmと比較的大型である。
【0004】
軸流式血液ポンプはインペラーの直径が5〜16mmと小型であるが、人工心肺を駆動できるほどの駆出力を持ったものはない。充分な駆出力を得るためには高回転にする必要があり、そうすると血液損傷を免れられない。
【0005】
また、従来から、人工心肺体外循環回路等の使用される血液ポンプとしては、溶血が少なく、かつ微生物汚染防止の機能に優れているという観点から、ローラ型ポンプが用いられていた。
しかし、ローラ型ポンプは大型であるため患者に近づけにくい等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、下記各課題を解決した血液ポンプを提供することにある。
〔小型化〕
血液ポンプを小型化し、充填量を減らすことは極めて大きな意義がある。近年、輸血による感染やアレルギーを回避するため、無輸血開心術が盛んに行われている。無輸血開心術を成功させるためには回路の充填量を減らすことが重要である。特に新生児や幼小児の開心術や補助循環では、充填量を減らし、患者の血液の稀釈率を減少させることは、生体への侵襲を減らすために重要である。
【0007】
また血液ポンプを小型化し術野に設置することができれば、回路の大幅な短縮も可能となる。このためにも、回路の充填量を減少させ、かつ術野の妨げにならない小型の血液ポンプが必要である。
【0008】
血液ポンプを体内に留置する場合にも、出来うる限り小型化し、埋め込みの解剖学的制約を軽減し、外科的手技を簡便化することが必要である。特に、心嚢内に2個の血液ポンプを埋め込み、両心補助を行おうとする場合には小型化は必須である。近年、ターボポンプを用いた長期使用体内収納型人工心臓の開発が積極的に行なわれているが、従来の遠心ポンプを用いたものはポンプ本体の大きさから解剖学的に胸腔内収納には限界がある。一方、軸流ポンプは回転子(インペラー)を高回転にすると充分な流量が得られるが、溶血が大きい。そのため回転数を低く、インペラーの翼を大きく設計し、溶血の軽減を図っているが、回転数を低く設計することはポンプの水力効率を低下させる結果となっている。したがって、心切除を伴わない胸腔内収納全心機能置換型人工心臓としての補助能力があり、血液適合性にも優れた小型血液ポンプの開発が必要である。
【0009】
〔高効率化と十分な駆出力〕
血液ポンプは本来の機能である十分な駆出力を有していなければならないのは勿論であるが、その上に血液流れの剥離、衝突、渦流発生、キャビテーション発生等を抑え、効率の高い羽根構造とする必要がある。すなわち、効率が高いということは、回転子(インペラー)の回転が安定し、耐久性の向上にもつながる。また、下記に述べる通り、発熱を減少させ、溶血や血栓形成の低下にも寄与する。
【0010】
〔溶血軽減〕
溶血軽減には血液にかかる剪断応力および発熱を極力低下させることが重要である。例えば、経皮的心肺補助においては、ポンプを高回転で比較的長期間使用し、かつ患者の中には重症の腎不全や肝不全を伴っている場合が少なくなく、このような症例においては、血液ポンプの僅かな溶血も致命的となりうる。
【0011】
〔血栓形成〕
血栓形成はポンプの耐久性を極端に低下させる。抗血栓性が十分でないと、ヘパリンを患者に投与する必要があり、輸液ラインの長期の確保やヘパリンの合併症である出血傾向が生じ、長期使用は困難となる。血栓形成の予防には、ポンプ内の血液のよどみをなくし、特に軸周囲の血液の洗い流しに優れた構造とすることが重要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、(II)前記インペラーを回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および(III)前記インペラーを回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、該血液ポンプが下記(1)〜(3)の要件を満足することを特徴とするターボ式血液ポンプを提供することにより前記課題を解決することができた。
(1) インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さいこと、
(2) インペラーの羽根が捻れのある曲面で形成された3次元構造であること、
(3) 側面から見て羽根下面の軸に対する取り付け角度(δ)が、0゜<δ<90゜であること。
【0013】
本発明のターボ式血液ポンプにおいては、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ前記インペラーの羽根の少なくとも一部の面が回転軸に対して平行でない3次元構造を有する羽根(以下、羽根構造1とも言う)とするか、前記インペラーの羽根を出口上端部で該出口上端部を含む仮想円周に対してなす角度と出口下端部で該出口下端部を含む仮想円周に対してなす角度が異なるもの(以下、羽根構造2とも言う)とするか、あるいは前記インペラーの羽根自体が捻れのある曲面で形成された3次元構造(以下、羽根構造3とも言う)とすることにより血液の流れの無用な乱れを減弱する等の高い効率を奏するターボ式血液ポンプを提供することにより前記課題を解決することができた。
【0014】
さらに、前記回転子(インペラー)の羽根としては、前記羽根構造1と前記羽根構造2を組み合わせた羽根構造(以下、羽根構造4とも言う)、あるいは前記羽根構造1と前記羽根構造3を組み合わせた羽根構造(以下、羽根構造5とも言う)、前記羽根構造2と前記羽根構造3を組み合わせた羽根構造(以下、羽根構造6とも言う)のものが好ましい。
【0015】
本発明のターボ式血液ポンプにおいて、回転子(インペラー)空間部の羽根先端と該回転子(インペラー)を回転可能に収納するケーシング外縁部の間に形成される空間(ボリュートとも言う)は、流れの最適化の理由から血液出口に向けて断面積が順次広くなるように形成するのが好ましい。また、ケーシングと回転子(インペラー)の羽根上部、もしくは下部とのクリアランス(隙間)は小さい方が効率的であるが、反面剪断力により血液の損傷が大きくなるので、通常0.1〜1.0mm程度である。
【0016】
以下、本発明のターボ式血液ポンプの構成について詳細に説明する。
〔斜流化について〕
ターボ式ポンプには遠心ポンプと斜流ポンプと軸流ポンプがあるが、斜流ポンプでは回転子(インペラー)内の血液の流れは軸に対して平行でも直角でもなく、その中間の斜めに流れる。流体にエネルギーを与えるために、遠心力利用するため、回転子(インペラー)は軸流と異なり、羽根入口より羽根出口の方の直径を大きくする。また、斜流化する場合(以下、斜流型とも言う。)にはポンプ側面から見て羽根下面の軸に対する取り付け角度(δ)を、0゜<δ<90゜、好ましくは0゜<δ<65゜、さらに好ましくは25゜<δ<65゜である。工学的見地から、斜流型ターボ式ポンプの最適比速度は、遠心式ポンプより高く、したがって、高回転で高い効率が得られる。高回転が可能となることにより、回転子(インペラー)の羽根径を小さくでき、かつ効率を落とすことなく、ポンプの小型化と駆出力の確保が可能となる。
【0017】
〔回転子(インペラー)の羽根について〕
1.羽根の3次元構造
本発明のターボ式血液ポンプでは、回転子(インペラー)の羽根の上部と下部では入口、出口とも径が異なるため、ポンプ内の血液の流れの最適化を検討した結果、該羽根として、前記羽根構造1〜6、好ましくは羽根構造3〜6を有するものが斜流型あるいは非斜流型であっても好ましいこと、特に斜流型において好ましいことが判明した。
なお、羽根構造2の場合、通常軸方向平面図(図5)に示すように、羽根上部端7の方が羽根下部端8より外側の円周(仮想円周D)に到達するので、出口上端部で該円周に対して羽根のなす角度αは、出口下端部で内側の円周(仮想円周C)に対して羽根のなす角度βに比較して小さくなる。
すなわち、本発明のターボ式血液ポンプにおいて、前記のような回転子(インペラー)の羽根を回転軸に対して捻れを持つ3次元構造とすることにより、流れの剥離、衝突、渦流発生、キャビテーション発生等の無用な血液流の乱れを減弱することができ、また、これらは血液の剪断応力を減らし、ポンプ内の損失に伴う熱の発生を押さえ、溶血軽減、高回転での回転子(インペラー)の羽根と回転軸の耐久性の向上、血栓予防等の効果を奏する。
【0018】
2.羽根の直径(φ)
本発明のターボ式血液ポンプの羽根の直径(φ)は、4〜80mm程度の範囲、より好ましくは15〜40mm程度の範囲である。
回転子(インペラー)の羽根の直径(φ)が15〜30mm程度の血液ポンプは、長期埋込人工心臓用として適当であり、また直径(φ)が20〜40mm程度の血液ポンプは、前記直径(φ)が15〜30mm程度の血液ポンプに比較して高楊程であるので、人工心肺用あるいは体外式補助循環用として好適である。
【0019】
3.羽根の材質および厚さ
羽根を形成する材質としては、▲1▼人体に無害であること(生体適合性に優れる)、▲2▼長期耐久性に優れること、▲3▼精密加工が可能であること、▲4▼抗血栓性等の血液適合性に優れていること、▲5▼適切な硬度を有していること等のような特性を有する材料、例えばアクリル、ポリカーボネート、フッ素樹脂等のような合成樹脂、あるいはステンレス、チタン、チタン合金あるいはファインセラミック等が挙げられる。
また、羽根の厚さはあまり薄いと耐久性が問題になるし、厚いと駆動エネルギーがかかる。例えば材質がアクリルの場合は、1.5〜2.0mm程度の厚さ、また、ポリカーボネートの場合は、1.0〜1.5mm程度の厚さであり、ステンレス、チタンあるいはチタン合金等の場合は、0.5〜1.5mm程度の厚さである。
さらに、ポンプ内の流路を維持するために、あるいは流れの効率化のために羽根基部より羽根先端に向けて羽根の厚さを変えることもできる。羽根の厚さを羽根基部から先端に向けて順次薄くすると流れの剥離を減少し、ポンプ出口での乱流を減らすことができる。また羽根の厚さを順次厚くすると入口部での縮少率を小さくして流路を確保できる。
【0020】
4.羽根の数について
羽根の数は、通常2〜6枚、好ましくは3〜5枚である。2枚未満では安定した駆動はえられず、6枚を越えると製作困難である。
【0021】
〔回転子(インペラー)の軸について〕
1.軸を形成する材料
回転子(インペラー)の軸は、上記の▲4▼と▲5▼のような特性を有する材料、例えばステンレス、チタン、セラミック等が挙げられ、また該軸を軸受けする軸受けとしては、上記の特性(前記▲4▼と▲5▼)に加え、特に耐磨耗性に優れた材料、例えば超高密度ポリエチレンのような高耐久性プラスチックが挙げられる。
2.軸受け構造
▲1▼駆動磁石と従動磁石の磁気結合(マグネットカップリング)
図3に示すように回転子(インペラー)の羽根4に磁石ケーシング14を付属させ、磁石ケーシング14内に従動磁石15を付属させ、該従動磁石15と前記ケーシング14外に設置した駆動磁石16とを回転子(インペラー)軸に対して半径方向に磁気結合させることにより、磁気結合の力が軸12にかからず、軸に無用なストレスを与えないので、上部軸の軸端17と上部軸の軸受け9は、磨耗や熱の発生が少ない点接触あるいはピポット軸受けが好ましい。
ただ、駆動磁石と従動磁石の磁気結合を半径方向に磁気結合した場合、半径方向にぶれを生ずることがあるので、下部軸端18は下部軸受け13と円筒状の面接触とし、これにより下部軸受けがはずれことはなく、フェールセーフ機構として働く。
【0022】
また、図4に示すように回転子(インペラー)の羽根4に従動磁石15を直接配置し、該従動磁石15と前記ケーシング3外に設置した駆動磁石16とを回転子(インペラー)軸に対して垂直方向に磁気結合させたものであっても良い。そして、この垂直方向に磁気結合させた場合、下部軸端18は、半径方向にぶれを生ずることがないので、上部軸の軸端17と上部軸の軸受け9と同様に、下部軸端18と下部軸受け13は点接触あるいはピポット軸受け構造で軸結合させても良い。
前記従動磁石15と駆動磁石16としては、回転子(インペラー)の慣性重量を減らし、回転数コントロールの応答性を高め、回転子の安定性を高めると共に軸の耐久性を向上させ、ポンプ内の剪断応力を低下させて溶血を減少させ、ポンプ全体の小型化にもつながる等の理由から希土類磁石が特に好ましく、該希土類磁石としては、ネオジニウム、サマリウムコバルト等で作製された磁石が挙げられる。
【0023】
〔回転子(インペラー)の製法について〕
▲1▼ 羽根を形成する材質がアクリル、ポリカーボネート、フッソ樹脂等のような場合、該合成樹脂を適当な成形方法、例えば、ポリカーボネートを射出成形で羽根に成形し、該羽根に磁石ケーシングを接着剤により接着させるか、あるいは羽根と磁石ケーシングを一体的に成形して製造された磁石ケーシング付属羽根と軸を組み合わせて製造することができる。
▲2▼ 羽根を形成する材質がステンレス、チタンあるいはチタン合金等のような場合、前記合成樹脂と同様な方法でも製造することができるが、羽根、軸および磁石ケーシングを含めて一体的に製造、例えばステンレス、チタンあるいはチタン合金等を一体的に削り出して製造すのが好ましい。
【0024】
本発明のターボ式血液ポンプにおいて、回転子(インペラー)の羽根の上部および下部に遮蔽板を有しない完全開放型のもの(フルオープンインペラー)とすることにより、血液のよどみがない構造となり、血栓ができる場所がなく、優れた抗血栓性が達成される。
【0025】
【実施の形態】
以下、本発明のターボ式血液ポンプの実施の形態を示す。
図1は本発明の構成を模式的に示したものである。ケーシング3は上端にインレット1、底面にアウトレット2を有する。回転子(インペラー)の複数の羽根4は、下部には磁石ケーシング14とその内部に従動磁石15を有し、ケーシング外で従動磁石15の内側にある駆動磁石16と磁気結合し、駆動磁石16がポンプ外に設置されたモーターにより回転されて、従動磁石15さらには回転子(インペラー)を回転させて、血液にエネルギーを与える。回転子(インペラー)は軸12により支えられ、軸12はさらに上部軸受け9、下部軸受け13により支えられる。上部軸受け9は上部軸受け支持10により支えられている。
【0026】
羽根入口上部端5と羽根出口上部端7を結ぶ羽根上面は軸12に対して45゜の角度を持ち、羽根入口下部端6と羽根出口下部端8を結ぶ羽根下面は軸12に対して30゜の角度を持つ。すなわち、回転子(インペラー)内の流れは軸12に対して直角でも平行でもなく、斜めの流れである斜流となる。羽根出口では上部端7と下部端8で直径が異なっているため、工学的に流れの最適化を図るために、さらに回転子(インペラー)の羽根4として、前記羽根構造1〜6のうちの1つを採用した。図2に前記羽根の一例の斜視図を示す。
インペラーに付属した従動磁石15とケーシング外の駆動磁石16は回転軸に対して半径方向の磁気結合であり、該結合力は回転軸方向の無用な力を発生せず、回転軸に負担が係らず、回転軸の耐久性を向上させる。上部軸受け9の材質は耐久性に優れたプラスチック、例えば高密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0027】
本実施例では上部軸端11にファインセラミック球を埋め込み、前記軸受け9と組み合わせて点接触とすることにより極めて高い耐久性が得られる。また下部軸受け13も耐久性に優れたプラスチック、例えば高密度ポリエチレン等で円筒状に作製し、これに呼応した円柱状の軸と面接触で軸受けさせることが好ましい。前記のような面接触とすることにより、もし上部軸受け9に僅かな磨耗が生じても、下部軸受け13が外れることはなく、フェールセーフ機構として働き、長期の回転軸の安定性に大きく寄与する。
なお、この実施の態様において、駆動磁石16の代わりに電磁石を設置し、電磁石により従動磁石15を回転させれば、別個にモータを設置する必要がなくなり、さらなる小型化と耐久性の向上が可能である。
以下、本発明の斜流ターボ式血液ポンプのポンプ性能を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0028】
【実施例】
実施例1
〔使用したターボ式血液ポンプの構成および性能の概要〕
使用したポンプは、ボリュート式斜流ポンプで、高さ38mm、ボリュートケーシングを含めた直径48mmである。インペラーは抗血栓性を飛躍的に向上させるためにフルオープンタイプとし、最大径20mm、軸シールのないマグネットカップリングにより駆動される。このポンプは5,800rpmにて、楊程100mmHgに対し流量5L/minの出力を示し、全心機能を置換するのに十分な性能を示した。また、ポンプの最高効率点は、流量6.9L/min、全掲程136mmHg、回転数7,000rpmであり、最高総合水力効率は66%、最高効率点から計算された比速度は368(m、m3、rpm)であった。
【0029】
〔溶血試験〕
ヘバリン加牛新鮮血を血液充填量400mlで用い、流量5L/min、100mmHgの条件下で0〜5時間の溶血試験を行った。同様な試験を市販のDelphin Pumpで行い、その結果を下表1に示した。
溶血係数は0.015g/100Lであり、Delphin Pump(0.033g/100L)の半分以下であった。
【0030】
【表1】
【0031】
以下、本発明の実施態様を示す。
1.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプ
において、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ側面から見て羽根下面の軸に対する取り付け角度(δ)が、
0゜<δ<90゜
であることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
2.前記取り付け角度(δ)が0゜<δ<65゜、好ましくは25゜<δ<65゜である前記1のターボ式血液ポンプ。
3.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプ
において、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ回転子(インペラー)の羽根が羽根構造1の羽根であることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
4.前記3次元構造の羽根が、湾曲羽根である前記3のターボ式血液ポンプ。
5.前記3次元構造の羽根が、非湾曲羽根である前記3のターボ式血液ポンプ。
6.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプ
において、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ回転子(インペラー)の羽根が羽根構造3の羽根であることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
7.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ回転子(インペラー)の羽根が羽根構造2の羽根であることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
8.前記回転子(インペラー)の羽根が、湾曲羽根である前記7のターボ式血液ポンプ。
9.前記回転子(インペラー)の羽根が、非湾曲羽根である前記7のターボ式血液ポンプ。
10.湾曲羽根が出口上端部で円周に対してなす角度が、羽根出口下端部で円周に対してなす角度に比較して小さいものである前記7〜9のターボ式血液ポンプ。
11.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ回転子(インペラー)の羽根が羽根構造4〜6より選ばれた羽根であることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
12.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さく、かつ側面から見て羽根下面の軸に対する取り付け角度(δ)が、0゜<δ<90゜、好ましくは0゜<δ<65゜、さらに好ましくは25゜<δ<65゜である前記3〜11のターボ式血液ポンプ。
13.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、軸上部(インレット)はピポット軸受構造、軸下部は円筒状の面接触であるすべり軸受構造でそれぞれ軸結合し、かつ回転子(インペラー)に従動磁石が付属し、該従動磁石が前記ケーシング外に設置した駆動磁石と回転子(インペラー)軸にたいして半径方向に磁気結合した軸構造を有することを特徴とするターボ式血液ポンプ。
14.前記13に記載の軸構造を有するものである前記1〜12のターボ式血液ポンプ。
15.(I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、
(II)前記回転子(インペラー)を回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および
(III)前記回転子(インペラー)を回転させる駆動手段を有する血液ポンプにおいて、軸上下部ともピポット軸受構造で軸結合し、かつ回転子(インペラー)に従動磁石が付属し、該従動磁石が前記ケーシング外に設置した駆動磁石と回転子(インペラー)軸に対して軸方向垂直に磁気結合した前記1〜12のターボ式血液ポンプ。
16.駆動磁石および従動磁石の少なくとも1つが希土類磁石である前記1〜15のターボ式血液ポンプ。
17.回転子(インペラー)の羽根が、羽根基部より先端方向に向って厚みが異なるものである前記1〜16のターボ式血液ポンプ。
18.厚みが羽根基部より先端に向って順次薄くなっている前記17のターボ式血液ポンプ。
19.厚みが羽根基部より先端に向って順次厚くなっている前記17のターボ式血液ポンプ。
20.回転子(インペラー)の軸がステンレスおよび/またはセラミックあるいはファインセラミックで形成されている前記1〜19のターボ式血液ポンプ。
21.軸受けが高耐久性プラスチックである前記20のターボ式血液ポンプ。
22.高耐久性プラスチックが超高密度ポリエチレンである前記21のターボ式血液ポンプ。
23.回転子(インペラー)が羽根、磁石ケーシングおよび軸を含めて一体的に成形されたものである前記1〜22のターボ式血液ポンプ。
24.従動磁石が回転子(インペラー)の羽根に直接に付着したものである前記1〜23のターボ式血液ポンプ。
25.駆動モーターは、デイスポのブラシDCモーターであり、出荷時より血液ポンプに結合されたものである前記1〜24のターボ式血液ポンプ。
26.駆動磁石が電動磁石である前記1〜25のターボ式血液ポンプ。
【0032】
【効果】
本発明のターボ式血液ポンプは、小型化することが可能で、必要なら胸腔内に収納可能な程度の大きさにすることもできる。ポンプ性能にも優れ、溶血試験の結果も良好であった。このポンプを両心室心尖部に設置し、両心室脱血、肺動脈および大動脈送血による全心機能置換が可能である。流れがスムーズで十分な駆出力(量)が得られたが、溶血試験の結果にみられるように血液損傷は低く抑えることができる。また、血液の淀みが少なく血栓形成が防止できる。さらに本発明のポンプは耐久性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のターボ式血液ポンプの1例の断面模式図である。
【図2】捻じれのある面で形成された3次元構造を有する羽根の一例の斜視図である。
【図3】軸半径方向のマグネットカップリングを示す断面模式図である。
【図4】軸垂直方向のマグネットカップリングを示す断面模式図である。
【図5】軸方向平面図である。
【符号の説明】
1 インレット
2 アウトレット
3 ケーシング
4 羽根
5 羽根入口上部端
6 羽根入口下部端
7 羽根出口上部端
8 羽根出口下部端
9 上部軸受け
10 上部軸受け支持
11 上部軸端
12 軸
13 下部軸受け
14磁石ケーシング
15 従動磁石
16 駆動磁石
17 上部軸端(ピポット軸接触あるいは点接触)
18 下部軸端(面接触)
19 羽根上部緑
20 羽根下部緑
A 入口最大径
B 出口最大径
C 羽根出口下部端を含む仮想円周
D 羽根出口上部端を含む仮想円周
E 羽根入口下部端を含む仮想円周
F 羽根入口上部端を含む仮想円周
→ 磁気結合を表わす
← 磁気結合を表わす
α 出口上端部で仮想円周Dに対して羽根のなす角度
β 出口下端部で仮想円周Cに対して羽根のなす角度
δ 羽根下面の軸に対する取り付け角度
Claims (3)
- (I)回転軸および該回転軸に連結して形成された羽根を有する回転子(インペラー)、(II)前記インペラーを回転可能に収納する空間を有し、かつ血液導入口と血液出口を有するケーシング、および(III)前記インペラーを回転させる駆動手段を有する斜流型ターボ式血液ポンプにおいて、該血液ポンプが下記(1)〜(4)の要件を満足することを特徴とする完全開放型斜流ターボ式血液ポンプ。
(1)インペラーの羽根入口最大径は出口最大径より小さいこと、
(2)インペラーの羽根が捻れのある曲面で形成された3次元構造で、かつ前記羽根がその出口上部端で前記仮想円周に対してなす角度がその出口下部端で前記仮想円周に対してなす角度より小さいものであること
(3)インペラーの羽根がインペラー側面からみて羽根下面の軸に対する取り付け角度(δ)が25゜<δ<65゜で前記回転軸に取り付けられていること。
(4)インペラーの羽根の上部および下部に遮蔽板を有しないこと。 - 前記回転の軸上部はピポット軸受構造、前記回転軸の下部は面接触であるすべり軸受構造でそれぞれ軸結合し、かつインペラーの羽根に付属させた磁石ケーシング内に従動磁石と前記ケーシング外に設置した駆動磁石がインペラー軸に対して半径方向に磁気結合した軸構造を有することを特徴とする請求項1に記載の完全開放型斜流ターボ式血液ポンプ。
- 前記回転軸の上部および下部とも点接触あるいはピボット軸受構造でそれぞれ軸結合し、かつインペラーの羽根に従動磁石が付属し、該従動磁石が前記ケーシング外に設置した駆動磁石とインペラー軸に対して垂直方向に磁気結合した軸構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の完全開放型斜流ターボ式血液ポンプ。
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