JP4019451B2 - 高調波ミキサー回路 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本願に係る発明は、第1の信号と第2の信号とが供給されて、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られる高調波ミキサー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信機の分野においては、アンテナを通じた受信信号と所定の周波数を有した局部発振信号とをミキサー回路に供給し、ミキサー回路によって受信信号をその周波数と局部発振信号の周波数との差の周波数を有した中間周波信号に変換する、スーパーヘテロダイン受信を行うものが主流となっている。このようなスーパーヘテロダイン受信には、イメージ妨害の問題が伴い、その対策のため、スーパーヘテロダイン受信が行われる場合には、通常、イメージ抑圧フィルタを備えることが必要とされる。このイメージ抑圧フィルタは、無線通信機における受信部の小型化に支障をきたすものとなる。
【0003】
それゆえ、無線通信機における受信部のより一層の小型化及び軽量化を図るべく、受信部を、アンテナを通じた受信信号と受信信号の搬送波周波数と等しい周波を有した局部発振信号とをミキサー回路に供給し、ミキサー回路によって受信信号を直接にベースバンド信号に変換する、直接変換方式による受信を行うものとなすことが知られている。直接変換方式による受信が行われる場合には、スーパーヘテロダイン受信が行われる場合に必要とされるイメージ抑圧フィルタを備えることが不要とされる。
【0004】
しかしながら、直接変換方式による受信が行われる場合には、ミキサー回路に受信信号と共に供給される、受信信号の搬送波周波数と等しい周波数を有した局部発振信号がアンテナ側に漏洩し、ミキサー回路において漏洩した局部発振信号に起因する自己検波が行われて、自己検波による干渉が生じるという問題がある。そこで、このような問題を回避すべく、直接変換方式による受信を行うにあたり、受信信号をベースバンド信号に変換するミキサー回路を、第1の信号と第2の信号とが供給されて、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られるものとされる高調波ミキサー回路を用い、その高調波ミキサー回路に、受信信号の周波数の1/2の周波数を有した局部発振信号を第1の信号として供給するとともに、受信信号を第2の信号として供給し、乗算出力信号として受信信号に基づくベースバンド信号を得るようになすことが提案されている。
【0005】
図5は、上述の如くの直接変換方式による受信に適用することができる、従来提案されている高調波ミキサー回路を示す。この図5に示される高調波ミキサー回路にあっては、互いに逆向きにされて並列に接続された一対のダイオード11及び12が備えられており、ダイオード11とダイオード12との並列接続の一端部13及び他端部14に、夫々、短絡スタブ15と開放スタブ16とが接続されている。
【0006】
そして、ダイオード11とダイオード12との並列接続の一端部13に、信号源17からの第1の信号S1が供給されるとともに、ダイオード11とダイオード12との並列接続の他端部14に、信号源18からの第2の信号S2が、信号源インピーダンス19を通じて供給される。その際、第1の信号S1及び第2の信号S2の各々は正弦波信号であって、第1の信号S1の周波数ω1が第2の信号S2の周波数ω2の1/2(ω1=ω2/2)とされ、また、短絡スタブ15及び開放スタブ16の夫々の長さは、第1の信号S1の波長の1/4に相当するものに選定され、従って、第2の信号S2の波長の1/2に相当する。
【0007】
このようなもとで、第1の信号S1の電圧V1(t) 及び第2の信号S2の電圧V2(t) は、下記の数1及び数2のようにあらわされる。
【0008】
【数1】
V1(t) =v1・cos(ω1・t)
【0009】
【数2】
V2(t) =v2・cos(ω2・t)
【0010】
上記数1及び数2において、ω1=2・π・f1,ω2=2・π・f2であり、また、v1≫v2であって、例えば、ダイオード11及び12の夫々の順方向電圧をVfとして、v1=√2・Vfとされる。
【0011】
短絡スタブ15は、第1の信号S1に対しては開放線路として作用し、また、開放スタブ16は、第1の信号S1に対しては短絡線路として作用するので、ダイオード11とダイオード12との並列接続の一端部13に供給された第1の信号S1は、ダイオード11とダイオード12との並列接続の他端部14に接続された信号源18側に漏出することなく、ダイオード11とダイオード12との並列接続の両端間、即ち、一端部13と他端部14との間に印加される。それにより、ダイオード11とダイオード12との並列接続を流れる電流Idp(t)は、下記の数3のようにあらわされる。
【0012】
【数3】
Idp(t)=Is・ exp{V1(t)/VT }−Is・ exp{−V1(t)/VT }
【0013】
上記数3において、Isはダイオード11及び12の夫々の逆方向飽和電流であり、また、VT は熱電圧である。
【0014】
ダイオード11とダイオード12との並列接続は、抵抗が動的変化をするものとされた抵抗素子と考えられ、その動的変化抵抗Rd(t) は、下記の数4のようにあらわされる。
【0015】
【数4】
Rd(t) =V1(t) /Idp(t)
【0016】
一方、開放スタブ16は、第1の信号S1の周波数ω1の2倍の周波数ω2を有した第2の信号S2に対しては開放線路として作用し、また、短絡スタブ15は、第2の信号S2に対しては短絡線路として作用する。さらに、チョークコイル20は、第2の信号S2に対して高インピーダンスを呈する。それゆえ、ダイオード11とダイオード12との並列接続の他端部14に信号源インピーダンス19を通じて供給される第2の信号S2は、ダイオード11とダイオード12との並列接続を通じて短絡スタブ15に流出する。
【0017】
ここで、ダイオード11とダイオード12の並列接続を動的変化抵抗Rd(t) を有した抵抗素子21として考えると、信号源18からの第2の信号S2は、図6に示される如くに、信号源インピーダンス19と抵抗素子21とによる分圧回路に供給されることになる。そして、抵抗素子21の両端間に得られる第2の信号S2についての分圧成分Sdが、チョークコイル20を通じ、乗算出力信号として出力端子22に導出される。
【0018】
信号源インピーダンス19と抵抗素子21とによる分圧回路における抵抗素子21についての分圧比N(t) は、信号源インピーダンス19の値をRsとして、下記の数5のようにあらわされる。
【0019】
【数5】
N(t) =Rd(t) /(Rs+Rd(t) )
【0020】
抵抗素子21の動的変化抵抗Rd(t) は、数4からして、第1の信号S1の周波数ω1の2倍の周波数(2・ω1)をもって変化するので、分圧比N(t) も第1の信号S1の周波数ω1の2倍の周波数(2・ω1)をもって変化する。図7は、信号源インピーダンス19の抵抗値が50Ωである場合における分圧比N(t) を実線をもって示し、第1の信号S1の電圧V1(t) を破線をもって示す。
【0021】
そして、信号源18からの第2の信号S2が信号源インピーダンス19と抵抗素子21とによる分圧回路に供給されることにより、抵抗素子21の両端間に得られる第2の信号S2についての分圧成分Sdの電圧Vdp(t) は、下記の数6のようにあらわされる。
【0022】
【数6】
Vdp(t) =V2(t) ・N(t)
【0023】
分周比N(t) は、理想的には周波数を2・ω1、即ち、第1の信号S1の周波数ω1の2倍とし、デューティ・ファクタを50%とする矩形波パルス波形を有する信号となるので、分圧成分Sd、即ち、出力端子22に導出される乗算出力信号は、第1の信号S1の周波数の2倍の周波数を有する信号と第2の信号S2とが乗算されて得られる信号となる。
【0024】
分周比N(t) についての理想的な矩形波パルス波形は、フーリエ級数を用いてあらわすと下記の数7の如くである。
【0025】
【数7】
【0026】
また、抵抗素子21の両端間に得られる第2の信号S2についての分圧成分Sdである乗算出力信号の電圧Vdp(t) は、理想的には下記の数8のようにあらわされる。
【0027】
【数8】
【0028】
上記数8において、n=1とされるとき、第1の信号S1の周波数の2倍の周波数を有する信号と第2の信号S2との乗算出力信号が得られ、第2の信号S2が帯域信号である場合には、そのベースバンド信号が乗算出力信号として得られる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図5に示される従来提案されている高調波ミキサー回路は、その構成において、逆向きとされた一対のダイオード11とダイオード12との並列接続の両端部に、短絡スタブ15と開放スタブ16とが夫々接続されているので、その全体の集積回路化には適していない。即ち、短絡スタブ15及び開放スタブ16の夫々は、第1の信号S1の波長の1/4に相当する長さを有するものとされるが、第1の信号S1が、例えば、携帯無線電話システムに用いられている準マイクロ波とされる場合にあっても、短絡スタブ15及び開放スタブ16の長さは比較的大とされることになり、短絡スタブ15及び開放スタブ16を含めた高調波ミキサー回路全体を集積回路化することが困難とされるのである。
【0030】
また、図5に示される従来提案されている高調波ミキサー回路にあっては、第1の信号S1の振幅v1が、例えば、√2・Vf(Vfはダイオード11及び12の夫々の順方向電圧)とされているが、順方向電圧Vfは、通常、例えば、−1.5mV/℃程度の温度係数を伴うものとなる。従って、仮に順方向電圧値Vfの温度係数が−1.5mV/℃であるとすると、例えば、−20℃から80℃までの温度変化範囲においては、順方向電圧Vfが150mVも変化してしまうことになる。斯かるもとにあっては、例えば、低温時あるいは高温時において、図6に示される如くの、第2の信号S2に対しての信号源インピーダンス19と抵抗素子21(ダイオード11とダイオード12との並列接続)とによる分圧回路における抵抗素子21についての分圧比N(t) が大幅に変動することになって、その波形が、例えば、図8に示される如く、デューティ・ファクタを50%とする矩形波パルス波形という理想的なものとは著しく異なったものとされる。その結果、抵抗素子21の両端間に得られる第2の信号S2についての分圧成分Sd、即ち、チョークコイル20を通じて出力端子22に導出される乗算出力信号に関する周波数変換利得が低下してしまうという不都合が生じる。
【0031】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明は、第1の信号と第2の信号とが供給されて、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られるものとされるにあたり、全体の集積回路化に好適であって、かつ、温度変化の影響を受け難いものとされる高調波ミキサー回路を提供する。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路は、エミッタが共通接続されて第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ,エミッタが共通接続されて第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ,エミッタが共通接続されて第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ、及び、エミッタが共通接続されて第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタが設けられ、第1及び第5のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第1の共通接続点と第2及び第6のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第2の共通接続点との間に、第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給されるとともに、第3及び第7のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第3の共通接続点と第4及び第8のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第4の共通接続点との間に、第1の信号の電圧に所定のオフセット電圧が加えられて得られる電圧が供給され、また、第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタが、各々が第2の信号によって変調されて得られる一対の差動電流である、第2の信号の電圧が大である程大とされる第1の電流と第2の信号の電圧が大である程小とされる第2の電流とを、夫々生じさせる第1及び第2の電流端子の一方及び他方に夫々接続されるとともに、第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタが、各々が第2の信号によって変調されて得られる一対の差動電流である、第2の信号の電圧が大である程小とされる第3の電流と第2の信号の電圧が大である程大とされる第4の電流とを、夫々生じさせる第3及び第4の電流端子の一方及び他方に夫々接続されて、第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタが第1の電流端子に接続されるとき、第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタが第3の電流端子に接続され、第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタが第2の電流端子に接続されるとき、第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタが第4の電流端子に接続される状態がとられる。そして、斯かるもとで、第1,第4,第6及び第7のトランジスタの夫々のコレクタが共通接続されて形成される第5の共通接続点、及び、第2,第3,第5及び第8のトランジスタの夫々のコレクタが共通接続されて形成される第6の共通接続点が、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られる出力端子とされる。
【0033】
このように構成される本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路にあっては、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタに、各々が第2の信号によって変調された第1の電流及び第2の電流の一方及び他方が夫々流れるとともに、第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタに、各々が第2の信号によって変調された第3の電流及び第4の電流の一方及び他方が夫々流れ、その際、第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタに第1の電流が流れるとき、第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタに第3の電流が流れ、第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタに第2の電流が流れるとき、第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタに第4の電流が流れる状態とされる。そして、第1及び第5のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第1の共通接続点と第2及び第6のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第2の共通接続点との間に、第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給され、また、第3及び第7のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第3の共通接続点と第4及び第8のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第4の共通接続点との間に、第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給される。
【0034】
それにより、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタのうちの第1のトランジスタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタのうちの第4のトランジスタ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタのうちの第6のトランジスタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタのうちの第7のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和と、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタのうちの第2のトランジスタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタのうちの第3のトランジスタ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタのうちの第5のトランジスタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタのうちの第8のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和との差の電流は、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有する信号と第2の信号との乗算結果をあらわすものとされる。そして、この第1,第4,第6及び第7のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和と第2,第3,第5及び第8のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和との差の電流は、一対の出力端子に導出される。
【0035】
従って、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路にあっては、第1の信号が所定のオフセット電圧を伴って供給されるとともに第2の信号が供給されて、一対の出力端子に、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られることになる。そして、第1の信号が、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタを夫々流れる電流を変調する事態は生じないことになり、第1〜第4の作動対において自己検波による干渉が生じるという問題はない。
【0036】
このような本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路は、開放スタブ及び短絡スタブのいずれも備える必要がないので、その全体の集積回路化に好適である。また、所定のオフセット電圧はダイオードの順方向電圧とは無関係に設定され、それにより、ダイオードの順方向電圧の温度変化により周波数変換利得が低下してしまうという問題は生じない。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路の一例を示す。
【0038】
図1に示される例においては、エミッタが共通接続されて第1の差動対を形成する第1のトランジスタ31及び第2のトランジスタ32,エミッタが共通接続されて第2の差動対を形成する第3のトランジスタ33及び第4のトランジスタ34,エミッタが共通接続されて第3の差動対を形成する第5のトランジスタ35及び第6のトランジスタ36、及び、エミッタが共通接続されて第4の差動対を形成する第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が設けられている。これらの第1〜第8のトランジスタ31〜38は、それらのいずれもがNPN形とされており、また、各々のエミッタ領域面積が実質的に等しくされている。
【0039】
第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32と第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36とについて、第1のトランジスタ31のベースと第5のトランジスタ35のベースとが共通接続されて第1の共通接続点が形成されるとともに、第2のトランジスタ32のベースと第6のトランジスタ36のベースとが共通接続されて第2の共通接続点が形成される。また、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34と第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38とについて、第3のトランジスタ33のベースと第7のトランジスタ37のベースとが共通接続されて第3の共通接続点が形成されるとともに、第4のトランジスタ34のベースと第8のトランジスタ38のベースとが共通接続されて第4の共通接続点が形成される。そして、第1の共通接続点と第2の共通接続点との間に、第1の信号S1を発する信号源40とオフセット電圧Vkを供給する直流電源41とが直列に接続されている。また、第3の共通接続点と第4の共通接続点との間に、信号源40とオフセット電圧Vkを供給する直流電源42とが直列に接続されている。
【0040】
第1の信号S1は、例えば、周波数ω1を有した正弦波信号であって、その電圧V1(t) は前述の数1によりあらわされるものとされる。そして、第1の共通接続点と第2の共通接続点との間に配された信号源40と直流電源41とは、信号源40が発する第1の信号S1の電圧V1(t) から直流電源41が供給するオフセット電圧Vkが減じられることになる極性をもって、直列接続されている。それにより、第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々のベース間及び第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々のベース間の夫々には、第1の信号S1の電圧V1(t) からオフセット電圧Vkが減じられて得られる電圧が供給されることになる。
【0041】
一方、第3の共通接続点と第4の共通接続点との間に配された信号源40と直流電源42とは、信号源40が発する第1の信号S1の電圧V1(t) に直流電源42が供給するオフセット電圧Vkが加えられることになる極性をもって、直列接続されている。それにより、第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々のベース間及び第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々のベース間の夫々には、第1の信号S1の電圧V1(t) にオフセット電圧Vkが加えられて得られる電圧が供給されることになる。
【0042】
また、図1に示される例にあっては、第2の信号S2を発する信号源44が接続された電流源部45と電流源部46とが設けられている。第2の信号S2は、例えば、第1の信号S1の周波数ω1の2倍に相当する周波数ω2を有した正弦波信号であって、その電圧V2(t) は前述の数2によりあらわされるものとされる。
【0043】
電流源部45は、電流端子45A及び45Bを有しており、信号源44が発する第2の信号S2によって変調される一対の差動電流である電流I1及び電流I2を、電流端子45A及び45Bに夫々生じさせる。電流I1と電流I2とは、電流I1が第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程大とされるとき、電流I2が第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程小とされる関係、あるいは、電流I1が第2の信号S2の電圧V2 (t) が大である程小とされるとき、電流I2が第2の信号S2の電圧V2 (t) が大である程大とされる関係にあるものとされる。
【0044】
そして、電流源部45における電流端子45A及び45Bには、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々における共通接続されたエミッタ、及び、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々における共通接続されたエミッタが、夫々接続されている。それにより、共通接続された第1のトランジスタ31のエミッタ及び第2のトランジスタ32のエミッタには電流I1が分流して流れ、また、共通接続された第3のトランジスタ33のエミッタ及び第4のトランジスタ34のエミッタには電流I2が分流して流れる。
【0045】
電流源部46は、電流端子46A及び46Bを有しており、信号源44が発する第2の信号S2によって変調される一対の差動電流である電流I3及び電流I4を、電流端子46A及び46Bに夫々生じさせる。電流I3と電流I4とは、電流I3が第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程小とされるとき、電流I4が第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程大とされる関係、あるいは、電流I3が第2の信号S2の電圧V2 (t) が大である程大とされるとき、電流I4が第2の信号S2の電圧V2 (t) が大である程小とされる関係にあるものとされる。
【0046】
そして、電流源部46における電流端子46A及び46Bには、第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々における共通接続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々における共通接続されたエミッタが、夫々接続されている。それにより、共通接続された第5のトランジスタ35のエミッタ及び第6のトランジスタ36のエミッタには電流I3が分流して流れ、また、共通接続された第7のトランジスタ37のエミッタ及び第8のトランジスタ38のエミッタには電流I4が分流して流れる。
【0047】
さらに、図1に示される例にあっては、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32のうちの第1のトランジスタ31のコレクタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34のうちの第4のトランジスタ34のコレクタ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36のうちの第6のトランジスタ36のコレクタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38のうちの第7のトランジスタ37のコレクタが共通接続されて第5の共通接続点が形成され、その第5の共通接続点から出力端子47Aが導出されている。また、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32のうちの第2のトランジスタ32のコレクタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34のうちの第3のトランジスタ33のコレクタ,第4の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36のうちの第5のトランジスタ35のコレクタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38のうちの第8のトランジスタ38のコレクタが共通接続されて第6の共通接続点が形成され、その第6の共通接続点から出力端子47Bが導出されている。これら出力端子47A及び47Bは、対を成している。
【0048】
このようなもとで、電流源部45と電流源部46とは、実質的に同等の特性を備えていて、信号源44からの第2の信号S2の電圧が0であるとき、電流I1,I2,I3及びI4の夫々として直流電流I0を発生し、また、電流I1,I2,I3及びI4の形成にあたっての相互コンダクタンスgmを有するものとされる。
【0049】
電流源部45における電流端子45A及び45Bに夫々得られる電流I1及びI2の夫々の値I1(t) 及びI2 (t) と、電流源部46における電流端子46A及び46Bに夫々得られる電流I3及びI4の夫々の値I3(t) 及びI4(t) とは、下記の数9によってあらわされる。
【0050】
【数9】
I1(t) =I0/2+gm・V2(t)
I2(t) =I0/2−gm・V2(t)
I3(t) =I0/2−gm・V2(t)
I4(t) =I0/2+gm・V2(t)
【0051】
第1〜第8のトランジスタ31〜38の夫々について、そのコレクタ電流をIc,ベース−エミッタ間電圧をVBE, 逆方向コレクタ飽和電流をIs,熱電圧をVT (VT =k・T/q,kはボルツマン係数,Tは絶対温度,qは電子の単位電荷)とすると、下記の数10により示される関係が成立する。
【0052】
【数10】
Ic=Is・ exp (VBE/VT )
【0053】
これよりして、第1〜第8のトランジスタ31〜38の夫々についてのコレクタ電流Ic1(t) ,Ic2(t) ,Ic3(t) ,Ic4(t) ,Ic5(t) ,Ic6(t) ,Ic7(t) 及びIc8(t) は、下記の数11によってあらわされる。
【0054】
【数11】
Ic1(t) = I1(t) /〔1+ exp{−(V1(t) −Vk)/VT }〕
Ic2(t) = I1(t) /〔1+ exp{(V1(t) −Vk)/VT }〕
Ic3(t) = I2(t) /〔1+ exp{(V1(t) +Vk)/VT }〕
Ic4(t) = I2(t) /〔1+ exp{−(V1(t) +Vk)/VT }〕
Ic5(t) = I3(t) /〔1+ exp{−(V1(t) −Vk)/VT }〕
Ic6(t) = I3(t) /〔1+ exp{(V1(t) −Vk)/VT }〕
Ic7(t) = I4(t) /〔1+ exp{(V1(t) +Vk)/VT }〕
Ic8(t) = I4(t) /〔1+ exp{−(V1(t) +Vk)/VT }〕
【0055】
出力端子47Aには、コレクタ電流Ic1(t) ,Ic4(t) ,Ic6(t) 及びIc7(t) の和が流れ、出力端子47Bには、コレクタ電流Ic2(t) ,Ic3(t) ,Ic5(t) 及びIc8(t) の和が流れる。従って、一対の出力端子47A及び47Bに得られる差動出力電流Icd(t)は、下記の数12によりあらわされる。
【0056】
【数12】
Icd(t)=(Ic1(t) +Ic4(t) +Ic6(t) +Ic7(t) )
−(Ic2(t) +Ic3(t) +Ic5(t) +Ic8(t) )
=2・gm・V2(t)
・〔 tanh{(V1(t) −Vk)/2・VT }
−tanh{(V1(t) +Vk)/2・VT }〕
【0057】
ここで、上記数12における tanh の項を下記の数13に示される如くの、第1の信号S1の電圧V1(t) とオフセット電圧Vkとの関数F{V1(t) ,Vk}とする。
【0058】
【数13】
F{V1(t) ,Vk}= tanh{(V1(t) −Vk)/2・VT }
−tanh{(V1(t) +Vk)/2・VT }
【0059】
関数F{V1(t) ,Vk}は、例えば、図2に示される如く、オフセット電圧VkがVT の4倍以上の場合、第1の信号S1の電圧V1(t) の負から正への変化に伴って、0と−2との間を2回遷移する。そして、第1の信号S1は周波数ω1を有した正弦波信号であるので、関数F{V1(t) ,Vk}は、図3において実線により示される如くに、周波数ω1の2倍の周波数をもって変化する。
【0060】
例えば、第1の信号S1の振幅v1が、オフセット電圧Vkの√2倍(v1=√2・Vk)に選定され、オフセット電圧VkがVT の2倍より十分に大であるようにされると、数13によってあらわされる関数F{V1(t) ,Vk}は、0と−2との間の値を繰り返しとることになる。そして、第2の信号S2は周波数ω2を有した正弦波信号であるので、数12によってあらわされる差動出力電流Icd(t)は、下記の数14に示されるフーリエ級数をもってあらわされる。
【0061】
【数14】
【0062】
上記数14において、n=1とされるとき、差動出力電流Icd(t)が、第1の信号S1の周波数の2倍の周波数を有する信号と第2の信号S2との乗算出力信号として、下記の数15に示される如くに得られ、第2の信号S2が帯域信号である場合には、そのベースバンド信号が乗算出力信号として得られる。
【0063】
【数15】
Icd(t)=8/π・gm・v2・cos(2・ω1・t) ・cos(ω2・t)
=4/π・gm・v2
・〔 cos{ (2・ω1+ω2)・t}
+ cos{ (2・ω1−ω2)・t}〕
−2・gm・v2・cos(ω2・t)
【0064】
上述の如くの図1に示される例は、開放スタブ及び短絡スタブのいずれも用いていず、差動対を成す複数のトランジスタ31〜38,直流電圧源41及び42,電流源部45及び46等を含んで構成されているので、その全体の集積回路化に好適である。また、オフセット電圧Vkがダイオードの順方向電圧とは無関係に設定され、ダイオードの順方向電圧に依存しないので、ダイオードの順方向電圧の温度変化により周波数変換利得が低下してしまうという問題は生じない。
【0065】
【実施例】
図4は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路の一例についての具体構成例を示す。この図4に示される具体構成例は、図1に示される例における直流電圧源41及び42が、2組の差動対を成すトランジスタを含む回路によって構成されたものに相当する。直流電圧源41及び42に対応する部分以外の部分は、図1に示される例と同様であり、それらについては、図1と共通の符号を付して示し、重複説明は省略する。
【0066】
図4に示される具体構成例にあっては、エミッタが共通接続されて差動対を形成するNPN形のトランジスタ51及び52,共通接続されたトランジスタ51及び52の夫々のエミッタに接続された電流源53、及び、トランジスタ51及び52の夫々のコレクタに接続された抵抗素子54,55及び56を含んで形成される電圧発生部57と、エミッタが共通接続されて差動対を形成するNPN形のトランジスタ61及び62,共通接続されたトランジスタ61及び62の夫々のエミッタに接続された電流源63、及び、トランジスタ61及び62の夫々のコレクタに接続された抵抗素子64,65,66及び67を含んで形成される電圧発生部58とが設けられている。そして、トランジスタ51及び52の各々のベース間、及び、トランジスタ61及び62の各々のベース間の夫々に、第1の信号S1を発する信号源40が共通に接続されている。
【0067】
トランジスタ51,52,61及び62の各々は、実質的に同等の特性を有したものとされ、また、電流源53及び63の夫々は共に実質的な定電流Ioを発生する。抵抗素子54,55、64及び65の各々は、実質的に同一の抵抗値Rcを有しており、また、抵抗素子56及び66の各々も、実質的に同一の抵抗値Roを有している。さらに、抵抗素子67は、抵抗値Rkを有している。なお、図4に示されるVccは、電源電圧である。
【0068】
このようなもとで、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々のベース間、及び、第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々のベース間には、それらに対して共通に、トランジスタ52のコレクタとトランジスタ61のコレクタとの間に得られる電圧が供給される。また、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々のベース間、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々のベース間には、それらに対して共通に、トランジスタ51のコレクタとトランジスタ62のコレクタとの間に得られる電圧が供給される。
【0069】
トランジスタ52のコレクタとトランジスタ61のコレクタとの間に得られる電圧は、信号源40から発せられる第1の信号S1の電圧V1(t) に基づく電圧V1’(t) からオフセット電圧Vk’が減じられて得られる電圧であり、トランジスタ51のコレクタとトランジスタ62のコレクタとの間に得られる電圧は、信号源40から発せられる第1の信号S1の電圧V1(t) に基づく電圧V1’(t) にオフセット電圧Vk’が加えられて得られる電圧である。ここで、電圧V1’(t) は、電圧V1(t) に比例した電圧であって、下記の数16によってあらわされ、また、オフセット電圧Vk’は、下記の数17によってあらわされる。
【0070】
【数16】
V1’(t) =V1(t) ・(Rc・Io)/(2・VT )
【0071】
【数17】
Vk’=Rk・Io
【0072】
このように、図4に示される具体構成例にあっては、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々のベース間、及び、第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々のベース間には、それらに対して共通に、数16によってあらわされる電圧V1’(t) から数17によってあらわされるオフセット電圧Vk’が減じられて得られる電圧が供給され、また、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々のベース間、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々のベース間には、それらに対して共通に、数16によってあらわされる電圧V1’(t) に数17によってあらわされるオフセット電圧Vk’が加えられて得られる電圧が供給される。
【0073】
従って、図4に示される具体構成例にあっても、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々のベース間、及び、第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々のベース間には、実質的に、信号源40が発する第1の信号S1の電圧V1(t) から所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給されるとともに、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々のベース間、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々のベース間には、実質的に、信号源40が発する第1の信号S1の電圧V1(t) に所定のオフセット電圧が加えられて得られる電圧が供給されることになる。それゆえ、図4に示される具体構成例に備えられた、第1〜第4の差動対を形成する第1〜第8のトランジスタ31〜38、及び、電流源部45及び46を含んで構成される部分も、図1に示される例の場合と同様な動作を行う。
【0074】
なお、図4に示される具体構成例が、実際に使用されるに際しては、図1に示される例についての説明において述べられたことからして、電圧V1’(t) の振幅がオフセット電圧Vk’の√2倍に選定され、かつ、オフセット電圧Vk’が、例えば、VT の4倍以上とされることが望ましい。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路にあっては、第1の信号が所定のオフセット電圧を伴って供給されるとともに第2の信号が供給されて、一対の出力端子に、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られることになり、その際、第1の信号が、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタを夫々流れる電流を変調する事態は生じないことになり、第1〜第4の作動対において自己検波による干渉が生じるという問題はない。
【0076】
そして、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路は、開放スタブ及び短絡スタブのいずれも備える必要がないので、その全体の集積回路化に好適であるとともに、所定のオフセット電圧はダイオードの順方向電圧とは無関係に設定されて、ダイオードの順方向電圧に依存しないので、ダイオードの順方向電圧の温度変化により周波数変換利得が低下してしまうという問題を回避できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路の一例を示す回路接続図である。
【図2】図1に示される例の動作説明に供される特性図である。
【図3】図1に示される例の動作説明に供される特性図である。
【図4】本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路の一例についての具体構成例を示す回路接続図である。
【図5】従来提案されている高調波ミキサー回路を示す回路接続図である。
【図6】図5に示される高調波ミキサー回路の説明に供される等価回路接続図である。
【図7】図5に示される高調波ミキサー回路の動作説明に供される特性図である。
【図8】図5に示される高調波ミキサー回路の動作説明に供される特性図である。
【符号の説明】
31,32,33,34,35,36,37,38,51,52,61,62トランジスタ 40,44 信号源 41,42 直流電源 45,46 電流源部 47A,47B 出力端子 53,63 電流源54,55,56,64,65,66,67 抵抗素子 57,58電圧発生部
Claims (4)
- エミッタが共通接続されて第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ,エミッタが共通接続されて第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ,エミッタが共通接続されて第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ、及び、エミッタが共通接続されて第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタが設けられたもとで、
上記第1及び第5のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第1の共通接続点と上記第2及び第6のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第2の共通接続点との間に、第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給され、
上記第3及び第7のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第3の共通接続点と上記第4及び第8のトランジスタの夫々のベースが共通接続されて形成される第4の共通接続点との間に、上記第1の信号の電圧に所定のオフセット電圧が加えられて得られる電圧が供給され、
上記第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び上記第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタが、各々が第2の信号によって変調されて得られる一対の差動電流である、上記第2の信号の電圧が大である程大とされる第1の電流と上記第2の信号の電圧が大である程小とされる第2の電流とを、夫々生じさせる第1及び第2の電流端子の一方及び他方に夫々接続されるとともに、
上記第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び上記第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタが、各々が上記第2の信号によって変調されて得られる一対の差動電流である、上記第2の信号の電圧が大である程小とされる第3の電流と上記第2の信号の電圧が大である程大とされる第4の電流とを、夫々生じさせる第3及び第4の電流端子の一方及び他方に夫々接続されて、
上記第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタが上記第1の電流端子に接続されるとき、上記第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタが上記第3の電流端子に接続され、上記第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタが上記第2の電流端子に接続されるとき、上記第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタが上記第4の電流端子に接続される状態とされ、
上記第1,第4,第6及び第7のトランジスタの夫々のコレクタが共通接続されて形成される第5の共通接続点、及び、上記第2,第3,第5及び第8のトランジスタの夫々のコレクタが共通接続されて形成される第6の共通接続点が、上記第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と上記第2の信号との乗算出力信号が得られる出力端子とされることを特徴とする高調波ミキサー回路。 - 上記第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び上記第3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタが、上記第1及び第2の電流端子を有した電流源部に接続されるとともに、上記第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び上記第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタが、上記第3及び第4の電流端子を有した電流源部に接続されることを特徴とする請求項1記載の高調波ミキサー回路。
- 上記第1の信号の周波数の2倍の周波数と上記第2の信号の搬送波周波数とが等しくされることを特徴とする請求項1または2記載の高調波ミキサー回路。
- 上記第1のトランジスタから上記第8のトランジスタまでの8個のトランジスタが、各々のエミッタ領域面積が等しいものとされることを特徴とする請求項1または2記載の高調波ミキサー回路。
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