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JP4020092B2 - 半導体発光装置 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体発光装置に関するものである。
近年、青色発光ダイオード(LED)や紫外LEDといった短波長のLEDと、これらのLEDからの光によって蛍光を発する蛍光体とを用いた白色LEDが盛んに開発され、実用化されている。図8は、白色LEDの例を示す断面図である。図8に示す白色LED100は、窒化物半導体を含んでおり青色光を発する発光素子101と、発光素子101を窪み102a内に収容するケース102と、窪み102aを覆い、発光素子101からの青色光LBの一部を黄色の蛍光に変換する板状の蛍光体103とを備えている。そして、発光素子101からの青色光LBと蛍光体103において発生した黄色光とが合成された白色光LWが、蛍光体103から出射される。
また、図8に示したもの以外にも、例えば蛍光体を含む樹脂で発光素子を覆った構成が、特許文献1及び2に開示されている。また、発光素子上に蛍光体を塗布した構成が、特許文献3及び4に開示されている。また、スパッタ法を用いて発光素子上に蛍光体膜を形成した構成が、特許文献5に開示されている。
特開平07−99345号公報 特開平10−93146号公報 特開平11−31845号公報 特開平11−46019号公報 特開平11−46015号公報
上記各特許文献に開示された白色LED、または図8に示した白色LEDでは、以下の問題点を生じることを本発明者らは見出した。ここで、図9(a)は、これらの白色LEDからの白色光に含まれる青色光及び黄色光の、出射中心軸方向を基準とする観察角度に応じた光強度の変化を示すグラフである。なお、図9(a)においては、白色LEDからの出射光の中心軸方向を観察角度0度としている。また、図9(b)は、これらの白色LEDの観察角度による色合いの違いを示す図である。
図9(a)に示すように、発光素子から出射されて蛍光体を透過した青色光(図中のグラフB2)の強度は、比較的小さい観察角度のときに大きくなり、観察角度が大きくなるにつれて急激に減少する。これは、発光素子からの青色光のうち、発光素子の光取出し面から該光取出し面に対してほぼ垂直な方向に出射される青色光の割合が高く、光取出し面に対して斜めに出射される青色光の割合が低いことに起因する。他方、蛍光体において発生する黄色光は、蛍光体内において様々な方向へ向けて発光する。これにより、蛍光体から出射される黄色光の強度は、観察角度が大きくなるにつれてなだらかに減少する。したがって、図9(b)に示すように、観察角度が小さいとき(図中X)には白色光に含まれる青色光成分が多くなり、青っぽい白色に見えてしまう。また、観察角度が大きいとき(図中Y)には白色光に含まれる黄色光成分が多くなり、黄色っぽい白色に見えてしまう。
このように、従来の白色LEDにおいては、観察角度によって白色光の色合いが異なるという問題があった。本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、観察角度による光の色合いの変化を抑えることができる半導体発光装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による半導体発光装置は、第1の波長範囲(370nm〜480nm)に含まれる第1の光を発光し、該第1の光を取り出す光取出し面を有する半導体発光素子と、半導体発光素子の上方に、第1の光を受ける光入射面、及び光出射面を有し、第1の光の一部を第1の波長範囲よりも長波長である第2の波長範囲(550nm〜610nm)にピーク波長を有する第2の光に変換し、第1及び第2の光を光出射面から出射する焼結蛍光板とを備え、焼結蛍光板の光入射面及び光出射面のうち少なくとも一方の面が凹凸形状を有しており、焼結蛍光板の光入射面及び光出射面のうち少なくとも一方の面における、光取出し面の投影を含む領域の凹凸形状の平均傾斜角が、当該面の他の領域の凹凸形状の平均傾斜角よりも大きいことを特徴とする。
上記した半導体発光装置では、焼結蛍光板の光入射面及び光出射面のうち少なくとも一方の面が凹凸形状を有している。これにより、半導体発光素子から出射された第1の光が該凹凸形状によって屈折するので、第1の光が焼結蛍光板から拡散して出射されることとなる。従って、発光素子の光取出し面からほぼ垂直な方向に出射された第1の光が焼結蛍光板を透過する際に拡散するので、比較的小さな観察角度における第1の光の強度の割合を従来の白色LEDより小さく抑えるとともに、比較的大きな観察角度における第1の光の強度の割合を従来の白色LEDより大きくすることができる。よって、この半導体発光装置によれば、第1の光の強度分布を第2の光の強度分布に近づけることができるので、第1の光と第2の光とを合成した光の、観察角度による色合いの変化を低減することができる。また、上記した半導体発光装置では、焼結蛍光板の光入射面及び光出射面のうち少なくとも一方の面における、光取出し面の投影を含む領域の凹凸形状の平均傾斜角が、当該面の他の領域の凹凸形状の平均傾斜角よりも大きい。これにより、半導体発光素子の光取出し面からほぼ垂直方向に出射される第1の光を、斜め方向に出射される第1の光と比較してより効果的に拡散させることができるので、比較的小さな観察角度における第1の光の強度の割合をさらに小さく抑えるとともに、比較的大きな観察角度における第1の光の強度の割合をさらに大きくすることができる。
また、半導体発光装置は、焼結蛍光板の光入射面及び光出射面のうち少なくとも一方の面における、光取出し面の投影を含む領域の凹凸形状の表面に、該凹凸形状よりも微細な凹凸形状をさらに有することを特徴としてもよい。これにより、半導体発光素子の光取出し面からほぼ垂直方向に出射される第1の光を、斜め方向に出射される第1の光と比較してより効果的に拡散させることができるので、比較的小さな観察角度における第1の光の強度の割合をさらに小さく抑えるとともに、比較的大きな観察角度における第1の光の強度の割合をさらに大きくすることができる。
また、半導体発光装置は、焼結蛍光板の光出射面上に、複数の開口が形成された光反射膜をさらに備えることを特徴としてもよい。また、半導体発光装置は、焼結蛍光板の光出射面上に、複数の光反射膜をさらに備えることを特徴としてもよい。これらのうち少なくとも一方の構成によって、焼結蛍光板を透過しようとする第1の光の一部が、焼結蛍光板の光出射面に設けられた光反射膜において反射し、焼結蛍光板内に戻される。従って、焼結蛍光板内において第2の光に変換される第1の光の割合が高まり、観察角度による第1の光の強度分布に近い強度分布を有する第2の光を好適に発生させることができる。従って、第1の光と第2の光とを合成した光の、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、半導体発光装置は、光出射面における光取出し面の投影を含む領域の光反射膜による被覆率が、光出射面における他の領域の光反射膜による被覆率よりも大きいことを特徴としてもよい。これによって、半導体発光素子の光取出し面からほぼ垂直方向に出射される光強度の大きな第1の光に焼結蛍光板内を長く通過させて、この第1の光のうち第2の光に変換される割合を増すことができるので、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、半導体発光装置は、半導体発光素子の光取出し面と対向する焼結蛍光板の部分の平均厚さが、焼結蛍光板の他の部分の平均厚さよりも厚いことを特徴としてもよい。前述したように、半導体発光素子の光取出し面からほぼ垂直方向に出射される第1の光の強度は、斜め方向に出射される第1の光の強度よりも大きい傾向がある。この半導体発光装置では、ほぼ垂直方向に出射される第1の光の焼結蛍光板内の光路が、斜め方向に出射される第1の光の焼結蛍光板内の光路よりも長くなる。従って、この半導体発光装置によれば、半導体発光素子の光取出し面からほぼ垂直方向に出射される光強度の大きな第1の光に焼結蛍光板内を長く通過させて、この第1の光のうち第2の光に変換される割合を増すことができるので、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、半導体発光装置は、半導体発光素子を載置する載置面と、載置面に対して斜めに形成され、載置面を囲むように設けられた斜面とを有する容器をさらに備え、焼結蛍光板の端面が光入射面に対して斜めに形成されており、容器の斜面が焼結蛍光板の端面を支持していることを特徴としてもよい。これによって、焼結蛍光板から容器へ熱を伝達する面の面積を広くすることができ、焼結蛍光板における放熱効率を高めることができる。
本発明による半導体発光装置によれば、観察角度による光の色合いの変化を抑えることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による半導体発光装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明による半導体発光装置の実施形態の構成を示す側面断面図である。図1を参照すると、本実施形態の半導体発光装置1は、ケース3と、LED5と、蛍光板7と、リード端子11とを備えている。
ケース3は、LED5を収容するための容器である。ケース3は、LED5を載置する載置面3aと、載置面3aに対して斜めに形成され、載置面3aを囲むように設けられた斜面3bとを有している。ケース3は、例えば金属などの導電性を有する材料を含んでおり、後述するLED5のカソード電極と半導体発光装置1の外部配線とを電気的に接続する役割を果たす。また、載置面3a及び斜面3bのうち少なくとも一方の面には、LED5からの光L1を好適に反射するように、例えば銀めっきなどによって光反射膜が形成されていることが好ましい。
LED5は、本実施形態における半導体発光素子である。LED5は、AlInGa1−x−yN(1≧x≧0,1≧y≧0)といった窒化物半導体からなる発光層を有しており、波長370nm〜480nmの範囲内に含まれる第1の波長範囲の波長成分を含む第1の光L1を発光する。第1の光L1は、LED5の光取出し面5aから取り出される。第1の光L1の全光量のうち多くの部分は、光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射されて蛍光板7に入射する。また、第1の光L1のうち、光取出し面5aまたはLED5の側面から斜め方向に出射される部分は、ケース3の斜面3bにおいて反射した後、蛍光板7に入射する。
LED5は、光取出し面5aとは反対側の面5bとケース3の載置面3aとが対向するように載置面3a上に載置されている。LED5の面5bには図示しない第1の電極が設けられており、この第1の電極と載置面3aとは、例えばAuSnはんだといった図示しない導電性接着剤によって接合されている。また、光取出し面5aには図示しない第2の電極が設けられており、この第2の電極は、ボンディングワイヤ15を介してリード端子11と電気的に接続されている。リード端子11は、例えば金属といった導電性材料からなり、ケース3を貫通するように設けられている。リード端子11とケース3とは、絶縁性部材13によって互いに絶縁されている。リード端子11は、半導体発光装置1の外部配線と電気的に接続され、LED5を駆動するための電圧をケース3との間に印加される。
蛍光板7は、本実施形態における蛍光部である。蛍光板7は、例えばCu及びIが添加されたZnSSeといった蛍光材料が板状に成形されてなる。蛍光板7は、LED5の光取出し面5aと対向する光入射面71、及び該光入射面71に対してLED5とは反対側に位置する光出射面72を有している。蛍光板7は、LED5からの第1の光L1を光入射面71に受ける。また、蛍光板7は、第1の光L1の一部によって励起され、第1の波長範囲よりも長波長であり波長550nm〜610nmの範囲内に含まれる第2の波長範囲の波長成分を含む、第2の光を発光する。具体的には、この第2の光は、上記第2の波長範囲内にピークを有し、波長450nm〜750nmの範囲内に裾を引くブロードな発光スペクトル成分を含む。蛍光板7は、発生した第2の光と、蛍光板7を励起させた残りの第1の光L1とを含む白色光L3を、光出射面72から出射する。
蛍光板7の光入射面71及び光出射面72は、それぞれ凹凸形状を有している。ここで、光入射面71及び光出射面72の凹凸形状とは、LED5からの第1の光L1に対する凹凸形状を指し、該凹凸形状によって第1の光L1が屈折するように形成されたものである。また、光入射面71及び光出射面72の凹凸形状とは、高さ(深さ)が例えば40nm〜10μm程度ある凸部または凹部、或いはその両方を有する平面または曲面が、無秩序もしくは規則的に配置された形状を意味する。ここで、凹凸形状の高さ(深さ)は、上記のように40nm以上10μm以下の範囲内であることが好ましく、これにより、波長約400nm〜800nmの可視光を効果的に屈折させることができる。なお、凹凸形状の表面にさらに微小な凹凸形状が形成されているような場合には、微小な凹凸形状の高さ(深さ)が上記範囲にあることが好ましい。
また、蛍光板7の光入射面71の面積は、LED5の光取出し面5aの面積よりも大きく設定されることが好ましい。換言すれば、LED5の光取出し面5aを蛍光板7の光入射面71に投影したときの投影面が光取出し面5aに含まれるような大きさで光入射面71が設けられることが好ましい。なお、ここでいう光入射面71の面積とは、光入射面71の外形寸法によって求まる領域の大きさを指すものとする。
また、蛍光板7の端面81は、光入射面71に対して斜めに形成されている。厳密には、蛍光板7の端面81は、光入射面71の凹凸形状を平滑化したときの面、或いは光入射面71の凹凸形状をならしたときの面に対して斜めに交差するように形成されている。そして、蛍光板7は、端面81とケース3の斜面3bとが対向するようにケース3に嵌め込まれており、端面81が斜面3bに支持されるとともに、端面81と斜面3bとが接着剤17によって互いに固定されている。
なお、図示しないが、蛍光板7の光入射面71、ケース3の載置面3a及び斜面3b、及びLED5の表面によって囲まれる領域は、第1の光L1を透過する樹脂によって満たされていることが好ましい。これによって、LED5の光取出し面5a内外の屈折率差、及び蛍光板7の光入射面71内外の屈折率差を緩和し、LED5から蛍光板7への第1の光L1の入射効率を高めることができる。また、蛍光板7の光出射面72は、白色光L3を透過する樹脂によって覆われていることが好ましい。これによって、蛍光板7の光出射面72内外の屈折率差を緩和し、白色光L3の出射効率を高めることができる。また、光出射面72を覆う樹脂をレンズ状に成型すれば、白色光L3を集光する集光レンズとしての機能を持たせることもできる。なお、上記樹脂としては、エポキシ樹脂や、シリコーン樹脂などが例示される。
上記構成を備える半導体発光装置1は、次のように動作する。すなわち、半導体発光装置1の外部に設けられた配線を介してリード端子11とケース3との間に駆動電圧が印加されると、LED5の光取出し面5aから第1の光L1が出射される。第1の光L1は、その光量のうち多くの部分が光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射され、蛍光板7の光入射面71に入射する。また、第1の光L1の他の部分は、光取出し面5aから斜め方向に出射され、ケース3の斜面3bにおいて反射した後、蛍光板7の光入射面71に入射する。第1の光L1は、蛍光板7の光入射面71に入射する際に、光入射面71に形成された凹凸形状によって様々な方向(主に、LED5の光取出し面5aの法線方向に対する角度が広がる方向)に屈折しながら入射する。
蛍光板7の光入射面71に第1の光L1が入射すると、蛍光板7内において第1の光L1の一部が蛍光材料を励起する。そして、蛍光板7内において第2の光が発生する。他方、蛍光材料を励起することなく蛍光板7を透過した第1の光L1は、蛍光板7の光出射面72から出射する。第1の光L1は、蛍光板7の光出射面72から出射する際に、光出射面72に形成された凹凸形状によって様々な方向(主に、LED5の光取出し面5aの法線方向に対する角度が広がる方向)に屈折しながら出射する。そして、蛍光板7の光出射面72から出射した第2の光と第1の光L1とが合成されて、白色光L3となる。白色光L3は、半導体発光装置1の外部へ取り出される。
以上に述べた本実施形態による半導体発光装置1は、次の効果を有する。すなわち、本実施形態の半導体発光装置1では、蛍光板7の光入射面71及び光出射面72が凹凸形状を有している。これにより、LED5から出射した第1の光L1が該凹凸形状によって屈折するので、第1の光L1が蛍光板7から拡散して出射することとなる。
ここで、図2は、蛍光板7から出射する白色光L3に含まれる第1の光L1(図中のグラフB1)及び第2の光(図中のグラフY1)の、出射中心軸方向を基準とする観察角度に応じた光強度の分布を示すグラフである。このグラフに示すように、本実施形態の半導体発光装置1においては、LED5の光取出し面5aからほぼ垂直な方向に出射された第1の光L1が蛍光板7において拡散することにより、第1の光L1の全光量のうち小さな観察角度における光量割合を従来の白色LED(図9参照)より低下させるとともに、大きな観察角度における光量割合を従来の白色LEDより大きくすることができる。これにより、第1の光L1及び第2の光それぞれの観察角度による強度の分布を近づけることができる。
従って、本実施形態の半導体発光装置1によれば、第1の光L1と第2の光とが合成されてなる白色光L3の、観察角度による色合いの変化を抑えることができる。
なお、本実施形態の半導体発光装置1では光入射面71及び光出射面72の双方が凹凸形状を有しているが、光入射面71及び光出射面72のうちいずれか一方のみ凹凸形状を有する構成であっても、上記効果を好適に得ることができる。特に、光入射面71が凹凸形状を有することによって、第1の光L1が光入射面71において全反射されにくくなり、蛍光板7に第1の光L1を効率よく取り込むことができる。また、光出射面72が凹凸形状を有すれば、光出射面72から第1の光L1及び第2の光を効率よく出射することができる。
また、本実施形態のように、蛍光板7の光入射面71の面積は、LED5の光取出し面5aの面積よりも大きいことが好ましい。これによって、LED5の光取出し面5aから出射された第1の光L1のうち斜め方向に出射された第1の光L1を蛍光板7に好適に入射させることができるので、LED5において発生した第1の光L1を効率よく利用することができる。
また、本実施形態のように、蛍光板7の端面81が光入射面71に対して斜めに形成されており、端面81がケース3の斜面3bに支持されていることが好ましい。蛍光板7においては、第1の光L1の一部を第2の光に変換する際に、ストークスシフトに起因するエネルギーロスによって熱が生じる。蛍光板7の端面81がケース3の斜面3bに支持されることによって、蛍光板7において発生した熱を蛍光板7からケース3へ好適に伝達することができる。また、蛍光板7の端面81を斜めに形成し、この端面81を斜面3bが支持することによって、蛍光板7からの熱をケース3へ伝達する面の面積を広く確保することができ、蛍光板7の放熱効率を高めることができる。また、例えば蛍光板の光入射面とケース上面とを接着する場合と比較して、蛍光板に接着のための接着代が必要ないので、蛍光板7の外形寸法を小さくすることが可能となる。また、蛍光板7の端面81は、光を遮蔽する部材(例えば、本実施形態のケース3)によって覆われていることが好ましい。これにより、蛍光板7の端面81から光が漏れることを防ぎ、観察角度による白色光L3の色合いの変化をさらに低減することができる。
なお、半導体発光装置1では、LED5の光取出し面5aもまた凹凸形状を有することが好ましい。これによって、LED5からの第1の光L1の光取出し効率を高めることができるとともに、第1の光L1が拡散して蛍光板7に入射するので、観察角度による第1の光L1の強度変化をさらに抑えることができる。また、蛍光板7の光入射面71、ケース3の載置面3a及び斜面3b、及びLED5の表面によって囲まれる領域に満たされる樹脂、及び蛍光板7の光出射面72を覆う樹脂は、例えばガラスビーズやSiO2,TiO2といった光拡散材を含むことが好ましい。これによって、白色光L3がより一層拡散するので、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、本実施形態のLED5のように窒化物半導体からなる発光層を有する半導体発光素子では、第1の光L1が青色光だけでなくその周辺波長(例えば紫外光、近紫外光)の光を含む場合がある。このような紫外光や近紫外光といった光は、樹脂を劣化させ易い。これに対し、本実施形態の半導体発光装置1では、LED5からの第1の光L1が蛍光板7を通過する際に、第1の光L1に含まれる紫外光や近紫外光が蛍光板7に吸収されるので、蛍光板7を覆うように設けられる樹脂の劣化を抑えることができる。
(第1の変形例)
次に、上記実施形態の半導体発光装置1の変形例について説明する。図3(a)は、第1の変形例による半導体発光装置1aの構成を示す側面断面図である。また、図3(b)は、蛍光板7aの光入射面73の拡大図である。本変形例の半導体発光装置1aと上記実施形態の半導体発光装置1との相違点は、蛍光板7aの光入射面73の表面形状である。なお、半導体発光装置1aの他の構成については、上記実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
図3(a)及び図3(b)を参照すると、本変形例の蛍光板7aの光入射面73における凹凸形状は、複数の微小な円柱19が光入射面73の面方向に並んで配置された、いわゆるフォトニック結晶構造を呈している。円柱19同士のピッチpは例えば2μmであり、円柱19の径dは例えば1μmであり、円柱19の高さhは例えば1μmである。なお、LED5からの第1の光L1を蛍光板7aに効率よく入射させるために、円柱19の高さhは40nm以上5μm以下であることが好ましい。
本変形例による半導体発光装置1aは、次の効果を有する。すなわち、この半導体発光装置1aによれば、蛍光板7aの光入射面73における凹凸形状が複数の円柱19を含むフォトニック結晶構造を呈することによって、LED5から出射した第1の光L1が蛍光板7aへ拡散しながら入射するとともに、第1の光L1の蛍光板7aへの入射効率を高めることができる。
本変形例では、光入射面73の凹凸形状が複数の円柱19を含んでいるが、光出射面72の凹凸形状が複数の円柱19を含んでも良い。これによって、蛍光板7aを透過した第1の光L1及び蛍光板7aにおいて発生した第2の光の光出射面72からの取り出し効率を高めることができるので、半導体発光装置1aの発光効率を高めることができる。また、光入射面73(光出射面72)の凹凸形状は、円柱19のかわりに、四角柱や六角柱など、円柱以外の柱形状を含んでもよい。
(第2の変形例)
図4(a)は、第2の変形例による半導体発光装置1bの構成を示す側面断面図である。本変形例の半導体発光装置1bと上記実施形態の半導体発光装置1との相違点は、蛍光板7bの光出射面74の形状である。なお、半導体発光装置1bの他の構成については、上記実施形態と同様である。
図4(a)を参照すると、本変形例の蛍光板7bの光出射面74においては、LED5の光取出し面5aの投影を含む領域74aの凹凸形状の平均傾斜角が、他の領域の凹凸形状の平均傾斜角よりも大きくなるように、凹凸形状が形成されている。換言すれば、領域74aにおける凹凸形状が、他の領域における凹凸形状よりも急峻な側面でもって形成されている。平均傾斜角が大きい凹凸形状としては、例えば隣り合う凸部の頂点同士の間隔(或いは、隣り合う凹部の底同士の間隔)が他の領域よりも狭く形成されている形状や、隣り合う凸部の高さ(或いは、隣り合う凹部の深さ)が、他の領域よりも高く(深く)形成されている形状などが例示される。
ここで、LED5の光取出し面5aの投影を含む領域74aとは、光取出し面5aの法線によって該光取出し面5aを光出射面74に投影したときの、投影面に相当する領域を含む領域を指すものとする。
本変形例による半導体発光装置1bは、次の効果を有する。すなわち、この半導体発光装置1bでは、LED5の光取出し面5aから出射される第1の光L1のうち、ほぼ垂直方向に出射される第1の光L1が傾斜角の大きな凹凸によって拡散し、斜め方向に出射される第1の光L1が傾斜角の小さな凹凸によって拡散するので、垂直方向に出射する第1の光L1が、斜め方向に出射する第1の光L1よりも広角度に拡散する。従って、この半導体発光装置1bによれば、小さな観察角度における第1の光L1の強度割合を効果的に抑えつつ、大きな観察角度における第1の光L1の強度割合を増すことができるので、第1の光L1及び第2の光それぞれの観察角度による強度分布をさらに近づけ、白色光L3の観察角度による色合いの変化をより効果的に抑えることができる。
なお、本変形例では、光出射面74における凹凸の平均傾斜角を領域によって異ならせているが、光入射面における凹凸の平均傾斜角を領域によって異ならせてもよい。具体的には、光入射面においてLED5の光取出し面5aの投影を含む領域の凹凸の平均傾斜角が、他の領域の凹凸の平均傾斜角よりも大きくなるように、光入射面の凹凸形状を形成してもよい。これによって、蛍光板に入射する第1の光L1のうち、光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射された第1の光L1が傾斜角の比較的大きな凹凸によってより広角度に拡散しながら蛍光板に入射するので、光出射面74における凹凸の平均傾斜角を領域によって異ならせた場合と同様の効果を得ることができる。
また、本変形例では、光出射面74(または光入射面)における凹凸の平均傾斜角を領域によって異ならせることにより第1の光L1をより広角度に拡散させているが、図4(b)に示すように、光出射面75(または光入射面)における光取出し面5aの投影を含む領域の凹凸75aの表面に、該凹凸75aよりも微細な凹凸75bをさらに有することによっても、第1の光L1をより広角度に拡散させることができる。このような凹凸形状を蛍光板の光入射面及び光出射面の少なくとも一方が有することによって、本変形例と同様の効果を得ることができる。
(第3の変形例)
図5(a)は、第3の変形例による半導体発光装置1cの構成を示す側面断面図である。本変形例の半導体発光装置1cが上記実施形態の半導体発光装置1と相違する点は、蛍光板7の光出射面72上に光反射膜21が設けられている点である。なお、半導体発光装置1cの他の構成については、上記実施形態と同様である。
本変形例において、光出射面72上の光反射膜21は、光出射面72の一部を覆うように形成される。ここで、図5(b)は、蛍光板7の光出射面72上に設けられた光反射膜21の形状の一例として、光反射膜22を示す拡大平面図である。図5(b)を参照すると、光反射膜22は、複数の開口22aを有しており、該開口22aにおいて蛍光板7の光出射面72が露出している。また、図5(c)は、光反射膜21の形状の他の一例として、光反射膜23を示す拡大平面図である。図5(c)を参照すると、蛍光板7の光出射面72上に複数の光反射膜23が互いに隔離して設けられている。
また、光反射膜21〜23の光出射面72に対する被覆率は、光出射面72における光取出し面5aの投影を含む領域において比較的大きく、他の領域において比較的小さいことが好ましい。
また、光反射膜21〜23は、例えばAgといった金属を、レジストパターンを介して蒸着等により光出射面72に成膜し、レジストパターンを除去することによって、好適に形成される。
本変形例による半導体発光装置1cは、次の効果を有する。すなわち、半導体発光装置1cでは、蛍光板7を透過しようとする第1の光L1の一部が、蛍光板7の光出射面72に設けられた光反射膜21(または光反射膜22,23)において反射し、蛍光板7内に戻される。従って、蛍光板7内において第2の光に変換される第1の光L1の割合が高まり、観察角度による第1の光L1の強度分布に近い強度分布を有する第2の光を好適に発生させることができる。従って、第1の光L1と第2の光とを合成した白色光L3の、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、本変形例のように、光出射面72の光取出し面5aの投影を含む領域における光反射膜21(または光反射膜22,23)による被覆率が、光出射面72の他の領域における被覆率よりも大きいことが好ましい。これによって、LED5の光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射される光強度の大きな第1の光L1に蛍光板7内を長く通過させて、この第1の光L1のうち第2の光に変換される割合を増すことができるので、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、図5(b)に示したように、光反射膜22が複数の開口22aを有するような構成では、光反射膜22が一体に繋がっているため、蛍光板7において発生した熱を光反射膜22を介して効率よく放出することができる。この際、光反射膜22は、例えば金属などの熱伝導率が高い材料からなることが好ましい。
(第4の変形例)
図6は、第4の変形例による半導体発光装置1dの構成を示す側面断面図である。本変形例の半導体発光装置1dが上記実施形態の半導体発光装置1と相違する点は、蛍光板7dの厚さが部位によって異なる点である。なお、半導体発光装置1dの他の構成については、上記実施形態と同様である。
図6を参照すると、本変形例の蛍光板7dは、次の特徴を有する。すなわち、LED5の光取出し面5aと対向する蛍光板7dの部分76の平均厚さが、蛍光板7dの他の部分の平均厚さよりも厚く形成されている。ここで、蛍光板7dの平均厚さとは、蛍光板7dの厚み方向における、光入射面71の凹凸形状の表面と光出射面72の凹凸形状の表面との距離の当該部分における平均値を指すものとする。
本変形例による半導体発光装置1dの効果について説明する。前述したように、LED5において発生した第1の光L1の全光量のうち多くの部分は、光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射されて蛍光板7に入射する。本変形例による半導体発光装置1dでは、光取出し面5aと対向する蛍光板7dの部分76の平均厚さが他の部分の平均厚さよりも厚いことによって、光取出し面5aから垂直方向に出射される第1の光L1の蛍光板7d内における光路が、斜め方向に出射される第1の光L1の蛍光板7d内における光路よりも長くなる。従って、本変形例の半導体発光装置1dによれば、LED5の光取出し面5aからほぼ垂直方向に出射される光強度の大きな第1の光L1に蛍光板7内を長く通過させて、この第1の光L1の第2の光への変換効率を高めることができるので、観察角度による色合いの変化をさらに抑えることができる。
また、本変形例では、蛍光板7を凸レンズ形状とすることも可能である。これによって、白色光L3を集光するためのレンズ機能と蛍光機能とを蛍光板7が兼備できるので、部品点数を削減することができる。
以上に述べた実施形態及び各変形例においては、LED5を複数備える構成でもよい。すなわち、ケース3の載置面3a上に複数のLED5を実装することにより、より高輝度の半導体発光装置を実現できる。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ上述した第2及び第4の変形例による半導体発光装置が複数のLED5を備える場合の構成を示す断面図である。図7(a)に示すように、第2の変形例に係る半導体発光装置がLED5を複数備える場合には、複数のLED5それぞれの光取出し面5aの投影を含む光出射面78の複数の領域78aそれぞれにおける凹凸形状の平均傾斜角が、領域78以外の領域における凹凸形状の平均傾斜角よりも大きくなるように、蛍光板7eを形成するとよい。
また、図7(b)に示すように、第4の変形例に係る半導体発光装置がLED5を複数備える場合には、複数のLED5それぞれの光取出し面5aに対向する蛍光板7fの複数の部分77それぞれにおける平均厚さが、他の部分における平均厚さよりも厚くなるように、蛍光板7fを形成するとよい。また、第3の変形例に係る半導体発光装置が複数のLED5を備える場合には、複数のLED5それぞれの光取出し面5aの投影を含む光出射面の複数の領域それぞれにおける光反射膜による被覆率が、他の領域における被覆率よりも大きくなるように、光反射膜を形成することが好ましい。
次に、上記実施形態及び各変形例に対応する実施例について説明する。
(第1の実施例)
本実施例では、上記実施形態に係る半導体発光装置1を作成した。まず、LED5として、n型導電性GaN基板に発光層を設けた青色LEDを作成した。すなわち、n型導電性GaN基板の表面を洗浄し、TMG(トリメチルガリウム)ガス、TMI(トリメチルインジウム)ガス、窒素ガス及びドーパントガスをキャリアガスとともに基板表面上に流し、MOCVD法によりGaN系化合物半導体からなる発光層(n型クラッド層、活性層、及びp型クラッド層を含む)を基板表面上に形成した。そして、p型クラッド層上にアノード電極を、n型導電性GaN基板の裏面上にカソード電極を、それぞれEB(Electron Beam)蒸着法により形成した。その後、発光層が形成された基板に対してスクライビング及びブレーキングを行い、2mm角に分割した。
続いて、ケース3を形成した。ケース3の材料に直径4mmの載置面3a及び斜面3bを形成し、載置面3a及び斜面3bに可視光域で反射係数の高いAgめっきを施した。そして、ケース3に貫通孔を形成し、リード端子11を挿入後、絶縁性部材13により固定した。
続いて、形成したLED5をアノード電極と載置面3aとが対向するように載置面3a上の略中心に載置した。このとき、アノード電極と載置面3aとを、AuSnはんだによって接合した。
続いて、LED5のカソード電極とケース3のリード端子11とをボンディングワイヤ15により接続した。このとき、LED5に比較的大きな電流を流して第1の光L1の強度を高められるように、ボンディングワイヤ15として直径75μmの金ワイヤを用いた。
続いて、蛍光板7を形成した。すなわち、ハロゲン輸送法によりIが拡散された塊状のZnSSe結晶を形成し、この塊状ZnSSe結晶をZn,Cu雰囲気中で加熱することにより、ZnSSe内部にCuを拡散させた。続いて、この塊状ZnSSe結晶を粗い研磨盤を用いて厚さ0.5mmまで研磨することにより光入射面71及び光出射面72を形成した後、ケース3に収まる形状に切り出した。こうして形成された蛍光板7の光入射面71及び光出射面72の表面粗さは、最大高さRmax=1μmであった。
続いて、ケース3の載置面3a及び斜面3bによって形成される窪みに透明樹脂を注入した後、蛍光板7の端面81に導電性フィラーを添加した樹脂接着剤を塗布し、端面81とケース3の斜面3bとを接着固定した。そして、キャスティング法により蛍光板7上にエポキシ樹脂をレンズ状に成型した。こうして、半導体発光装置1を完成させた。
この半導体発光装置1に駆動電圧を印加したところ、LED5において発生した第1の光L1と蛍光板7において発生した第2の光とが互いに補色し合い、白色光L3を観察することができた。さらに、観察角度を変えて観察したところ、白色光L3は観察角度によらず略一様の色度(白色)を呈していた。
(第2の実施例)
本実施例では、上記第1の変形例に係る半導体発光装置1aを作成した。まず、実施例1と同様にして、LED5及びケース3を作成し、LED5をケース3に実装した。
続いて、蛍光板7aを形成した。すなわち、ハロゲン輸送法によりIが拡散された塊状のZnSSe結晶を形成し、ZnSSe内部にCuを拡散させた。続いて、この塊状ZnSSe結晶を研磨盤を用いて厚さ0.5mmまで鏡面研磨することにより光入射面及び光出射面を形成した。そして、光入射面及び光出射面にレジストを塗布し、露光及びRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)を施すことにより、複数の円柱形状からなるフォトニック結晶構造を形成した。このとき、円柱の直径を1μm、高さを1μm、円柱同士のピッチを2μmとした。そして、このZnSSe結晶をケース3に収まる形状に切り出した。
続いて、ケース3の載置面3a及び斜面3bによって形成される窪みに透明樹脂を注入した後、蛍光板7aの端面とケース3の斜面3bとを接着固定し、蛍光板7上にエポキシ樹脂をレンズ状に成型した。こうして、半導体発光装置1aを完成させた。
この半導体発光装置1aに駆動電圧を印加したところ、LED5において発生した第1の光L1と蛍光板7bにおいて発生した第2の光とが互いに補色し合い、白色光L3を観察することができた。さらに、観察角度を変えて観察したところ、白色光L3は観察角度によらず略一様の色度(白色)を呈していた。
(第3の実施例)
本実施例では、上記第2の変形例に係る半導体発光装置1bを作成した。まず、実施例1と同様にして、LED5及びケース3を作成し、LED5をケース3に実装した。
続いて、蛍光板7bを形成した。すなわち、Ce付活YAG粉末(YAlO3:Ce)をプレス成型及び焼結により塊状の蛍光体を作成した。そして、塊状の蛍光体を粗い研磨盤を用いて厚さ0.7mmまで研磨することにより光入射面71及び光出射面74を形成した後、光出射面74の中心付近の表面粗さが比較的粗く、外周付近の表面粗さが比較的細かくなるように光出射面74の外周付近をさらに研磨し、ケース3に収まる形状に切り出した。こうして形成された蛍光板7bの光出射面74の表面粗さは、中心付近で最大高さRmax=約2μm、外周付近で最大高さRmax=約0.5μmであった。
続いて、ケース3の載置面3a及び斜面3bによって形成される窪みに透明樹脂を注入した後、蛍光板7bの端面に樹脂接着剤を塗布し、端面81とケース3の斜面3bとを接着固定した。このとき、LED5の光取出し面5aと蛍光板7bの光入射面71の中心とが対向するように、蛍光板7をケース3に固定した。そして、キャスティング法により蛍光板7b上にエポキシ樹脂をレンズ状に成型した。こうして、半導体発光装置1bを完成させた。
この半導体発光装置1bに駆動電圧を印加したところ、LED5において発生した第1の光L1と蛍光板7bにおいて発生した第2の光とが互いに補色し合い、白色光L3を観察することができた。さらに、観察角度を変えて観察したところ、白色光L3は観察角度によらず略一様の色度(白色)を呈しており、また、光強度も観察角度によらず略一定であった。
(第4の実施例)
本実施例では、上記第3の変形例に係る半導体発光装置1cを作成した。まず、実施例1と同様にして、LED5及びケース3を作成し、LED5をケース3に実装した。なお、LED5のカソード電極とリード端子11とを接続する金ワイヤの直径を50μmとした。
続いて、蛍光板7を形成した。すなわち、ハロゲン輸送法によりIが拡散された塊状のZnSSe結晶を形成し、この塊状ZnSSe結晶をZn,Cu雰囲気中で加熱することにより、ZnSSe内部にCuを拡散させた。続いて、この塊状ZnSSe結晶を粗い研磨盤を用いて厚さ0.4mmまで研磨することにより光入射面71及び光出射面72を形成した後、ケース3に収まる形状に切り出した。こうして形成された蛍光板7の光入射面71及び光出射面72の表面粗さは、最大高さRmax=1.5μmであった。
続いて、蛍光板7の光出射面72上にAgを蒸着することによって、光反射膜21を形成した。このとき、光出射面72の中心付近の光反射膜21による被覆率が比較的大きく、外周付近の光反射膜21による被覆率が比較的小さくなるように、光反射膜21を形成した。そして、ケース3の載置面3a及び斜面3bによって形成される窪みに透明樹脂を注入した後、蛍光板7の端面とケース3の斜面3bとを接着固定し、蛍光板7上にエポキシ樹脂をレンズ状に成型した。なお、このとき、LED5の光取出し面5aと蛍光板7の光入射面71の中心とが対向するように、蛍光板7をケース3に固定した。こうして、半導体発光装置1cを完成させた。
この半導体発光装置1cに駆動電圧を印加したところ、LED5において発生した第1の光L1と蛍光板7bにおいて発生した第2の光とが互いに補色し合い、白色光L3を観察することができた。さらに、観察角度を変えて観察したところ、白色光L3は観察角度によらず略一様の色度(白色)を呈しており、また、光強度も観察角度によらず略一定であった。
(第5の実施例)
本実施例では、上記第4の変形例に係る半導体発光装置1dを作成した。まず、実施例1と同様にして、LED5及びケース3を作成し、LED5をケース3に実装した。なお、本実施例では、発光層が形成された基板を分割する際に、基板を3mm角に分割した。また、ケース3の載置面3aの直径を5mmとした。また、LED5のカソード電極とリード端子11とを接続する金ワイヤの直径を30μmとした。
続いて、蛍光板7dを形成した。すなわち、ZnSSeにCuとIとを混合した粉末状の原料をインプリント技術により焼結成形した。このとき、光入射面71及び光出射面72となる面が粗い凹凸形状を有するように成形した。また、蛍光板7dの中心付近の平均厚さが、外周付近の平均厚さよりも厚くなるように蛍光板7dを成形した。具体的には、蛍光板7dの中心の平均厚さを0.5mmとし、外周の平均厚さを0.3mmとした。
続いて、ケース3の載置面3a及び斜面3bによって形成される窪みに透明樹脂を注入した後、蛍光板7dの端面とケース3の斜面3bとを接着固定し、蛍光板7上にエポキシ樹脂をレンズ状に成型した。なお、このとき、LED5の光取出し面5aと蛍光板7dの光入射面71の中心とが対向するように、蛍光板7dをケース3に固定した。こうして、半導体発光装置1dを完成させた。
この半導体発光装置1dに駆動電圧を印加したところ、LED5において発生した第1の光L1と蛍光板7bにおいて発生した第2の光とが互いに補色し合い、白色光L3を観察することができた。さらに、観察角度を変えて観察したところ、白色光L3は観察角度によらず略一様の色度(白色)を呈しており、また、光強度も観察角度によらず略一定であった。
(比較例)
ここで、上記各実施例の効果を検証するために、図8に示した構成の白色LEDを作成した。まず、実施例1と同様にして、LED5及びケース3を作成し、LED5をケース3に実装した。
続いて、ハロゲン輸送法によりIが拡散された塊状のZnSSe結晶を形成し、ZnSSe内部にCuを拡散させた。続いて、この塊状ZnSSe結晶を研磨盤を用いて鏡面研磨することにより光入射面及び光出射面を形成した後、ケース3に収まる形状に切り出した。その後、第1実施例と同様にして蛍光板をケース3に固定し、白色LEDを完成させた。
この白色LEDに駆動電圧を印加したところ、白色光を観察することができた。しかし、観察角度を変えて観察したところ、小さな観察角度では若干青みがかった白色光が観察され、大きな観察角度では黄色っぽい白色光が観察された。
本発明による半導体発光装置は、上記した実施形態、各変形例、及び各実施例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では蛍光板を単層とし、第1の光を受けて第2の光を発生する構成としているが、蛍光板は、互いに異なる波長の蛍光を発する複数の層によって構成されていてもよい。このとき、蛍光板の層は、板状でもよいし、膜状でもよい。このように互いに異なる複数波長の蛍光を蛍光板が発することによって、半導体発光装置は演色性に優れた光を発光することができる。
図1は、本発明による半導体発光装置の実施形態の構成を示す側面断面図である。 図2は、蛍光板から出射する白色光に含まれる第1の光及び第2の光の、出射中心軸方向を基準とする観察角度に応じた光強度の変化を示すグラフである。 図3(a)は、第1の変形例による半導体発光装置の構成を示す側面断面図である。図3(b)は、蛍光板の光入射面の拡大図である。 図4(a)は、第2の変形例による半導体発光装置の構成を示す側面断面図である。図4(b)は、光出射面(または光入射面)における凹凸形状の例を示す図である。 図5(a)は、第3の変形例による半導体発光装置の構成を示す側面断面図である。図5(b)及び図5(c)は、蛍光板の光出射面上に設けられた光反射膜の形状の一例を示す拡大平面図である。 図6は、第4の変形例による半導体発光装置の構成を示す側面断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、それぞれ第2及び第4の変形例による半導体発光装置が複数のLEDを備える場合の構成を示す断面図である。 図8は、白色LEDの例を示す断面図である。 図9(a)は、図8に示した白色LEDからの白色光に含まれる青色光及び黄色光の、出射中心軸方向を基準とする観察角度に応じた光強度の変化を示すグラフである。図9(b)は、図8に示した白色LEDの観察角度による色合いの違いを示す図である。
符号の説明
1,1a〜1d…導体発光装置、3…ケース、3a…載置面、3b…斜面、5a…光取出し面、7,7a〜7f…蛍光板、11…リード端子、13…絶縁性部材、15…ボンディングワイヤ、17…接着剤、19…円柱、21〜23…光反射膜、71,73…光入射面、72,74,75,78…光出射面、81…端面。

Claims (7)

  1. 第1の波長範囲(370nm〜480nm)に含まれる第1の光を発光し、該第1の光を取り出す光取出し面を有する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の上方に、前記第1の光を受ける光入射面、及び光出射面を有し、前記第1の光の一部を前記第1の波長範囲よりも長波長である第2の波長範囲(550nm〜610nm)にピーク波長を有する第2の光に変換し、前記第1及び第2の光を前記光出射面から出射する焼結蛍光板
    を備え、
    前記焼結蛍光板の前記光入射面及び前記光出射面のうち少なくとも一方の面が凹凸形状を有しており、
    前記焼結蛍光板の前記光入射面及び前記光出射面のうち少なくとも一方の面における、前記光取出し面の投影を含む領域の前記凹凸形状の平均傾斜角が、当該面の他の領域の前記凹凸形状の平均傾斜角よりも大きいことを特徴とする、半導体発光装置。
  2. 前記焼結蛍光板の前記光入射面及び前記光出射面のうち少なくとも一方の面における、前記光取出し面の投影を含む領域の前記凹凸形状の表面に、該凹凸形状よりも微細な凹凸形状をさらに有することを特徴とする、請求項に記載の半導体発光装置。
  3. 前記焼結蛍光板の前記光出射面上に、複数の開口が形成された光反射膜をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記焼結蛍光板の前記光出射面上に、複数の光反射膜をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  5. 前記光出射面における前記光取出し面の投影を含む領域の前記光反射膜による被覆率が、前記光出射面における他の領域の前記光反射膜による被覆率よりも大きいことを特徴とする、請求項3または4に記載の半導体発光装置。
  6. 前記半導体発光素子の前記光取出し面と対向する前記焼結蛍光板の部分の平均厚さが、前記焼結蛍光板の他の部分の平均厚さよりも厚いことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  7. 前記半導体発光素子を載置する載置面と、前記載置面に対して斜めに形成され、前記載置面を囲むように設けられた斜面とを有する容器をさらに備え、
    前記焼結蛍光板の端面が前記光入射面に対して斜めに形成されており、前記容器の前記斜面が前記焼結蛍光板の前記端面を支持していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
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