JP4020264B2 - 鞍乗型車両におけるシート支持構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、車体フレームのリヤフレームにシートの車幅方向の両端部を支承させた鞍乗型車両におけるシート支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鞍乗型車両の一例である自動二輪車のシートは、プラスチック製の底板の上にウレタンフォームなどからなるクッション材を載せ、このクッション材に表皮を被せた構造が採られている。このシートを自動二輪車の車体フレームに固定するためには、車両の前後方向(長手方向)における前記底板の前端部を燃料タンクの後部に係合させるとともに、後端部をリヤフレームにボルトによって締結させることによって行われている。また、車両の前後方向におけるシートの中央部分では、前記底板から下方へ突出するように一体に形成された脚部が前記リヤフレームに支承されており、乗員の体重を車体フレームで支えることができるように構成されている。
【0003】
一方、自動二輪車としては、オフロードを走破する速度を競うための、いわゆるモトクロッサーがある。この種の自動二輪車は、車両を軽量化するために2サイクルエンジンが用いられることが多かった。2サイクルエンジンを搭載したモトクロッサーは、キック式のスタータが用いられ、スタータモータは使用されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、モトクロッサーに4サイクルエンジンを搭載し、スタータモータを装備することを考えている。
【0005】
ここで、スタータモータを装備するに当たっては、これに給電するためのバッテリーをシートの下方に搭載することが好ましいが、このようにすると、シートが下方に大きく撓んだとき、シートの底板がバッテリーに当たってしまうという問題が起きる。
【0006】
シートの底板が大きく撓むのは、例えば車両がジャンプして着地したときなどで乗員の体重が衝撃荷重となってシートに加えられたときなどである。すなわち、大きな荷重がシートに加えられることによって、前記底板に突設された脚部が車両内側へ倒れるように傾斜するとともに、車両の幅方向における底板の中央部が前後方向から見て下方へ湾曲するから、底板が下方へ大きく撓むことになる。
【0007】
なお、バッテリーは重量物であるから、車両の重心を理想的な位置に近付ける上で、上記バッテリーの搭載位置は制約を受ける。例えば、バッテリーをシートの下方とは別の部位に搭載することは困難であるし、シートの下方に位置する他の部品と干渉するおそれがあって、下げることも容易でない。
【0008】
シートの位置を高くしたり、シートを撓み難いように例えば底板を金属によって形成すれば、上述した不具合を解消することもできる。しかし、シートが高くなると乗員の着座位置が高くなって乗車時の重心が高くなってしまうし、シートが全く撓まないと乗員に違和感を与えてしまう。また、シートを厚みが薄くなるように形成して前記底板をバッテリーから上方へ離間させれば、前記不具合を解消することはできる。しかし、この構成を採ると、クッション材が薄くなることから、着座時、乗員の尻がクッション材を介して底板に当たるような不快感を乗員に与えてしまう。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、座り心地が低下することがないようにしながら、シートが撓み難くなる鞍乗型車両におけるシート支持構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の鞍乗型車両におけるシート支持構造は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0012】
請求項1の発明は、車両の前後方向に延びるシート9を設け、このシート9の車両の幅方向における両端部を車体フレーム4のリヤフレーム26に支承させた鞍乗型車両におけるシート支持構造において、前記リヤフレーム26におけるシート9の前記両端部と対応する部位に荷重受け用の突片35を上方へ突出するように設け、前記シート9の底板51が、車両の幅方向におけるこの底板51の中央部を構成して前後方向に延びる平板部51aと、車両の幅方向における前記底板51の両端部であって前記突片35と対向する部位に形成され、前記平板部51aより上方に位置付けられて前記突片35に支承される支承板61と、車両の幅方向における前記平板部51aの端部および前記各支承板61の車両内側の端部とを接続する縦壁51bとを備え、前記両支承板61どうしの間、かつ、前記両縦壁51bどうしの間に位置するように前記平板部51aの上にシート表面側のクッション材52より硬い内側クッション材53,54を設けたものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記突片35の上端部に車両の後方へ向けて突出する係合爪を設けるとともに、この係合爪の下方に臨んで係合する係合片62をシート9の底板51に設けたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記内側クッション材53,54は、硬さの異なるものを層状に複数重ねることによって形成され、底板51に近い ものほど相対的に硬くなるように構成されているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従がってこれを説明する。
【0016】
図において、符号1は、鞍乗型車両の一例である自動二輪車であり、下記する左右とは車両の前方に向かってのこの車両の幅方向をいうものとする。
【0017】
上記自動二輪車1は、いわゆるモトクロッサーと呼称されるもので、水冷式4サイクルエンジン2が搭載され、このエンジン2によって後輪3を駆動して走行するものである。図1において、4はクレードル型の車体フレームを示し、5は前輪、6はフロントフォーク、7は操向ハンドル、8は燃料タンク、9はシート、10はカウリング、11はサイドカバー、12はマフラーをそれぞれ示す。
【0018】
前記エンジン2は、車両の前後方向(長手方向)におけるシリンダ13の前部に排気管14が接続されるとともに、シリンダ13の後部に気化器15およびエアクリーナ16を有する吸気装置が接続されている。また、このエンジン2のクランクケース17には、スタータモータ18が装備されている。このスタータモータ18は、図3〜図5に示すように、シート9の下方に配設したバッテリー19から給電される。
【0019】
前記車体フレーム4は、従来からよく知られているように、前記フロントフォーク6を回動自在に支持するヘッドパイプ(図示せず)と、このヘッドパイプの上部からエンジン2の上方で後下がりに延びるメインパイプ21(図4参照)と、このメインパイプ21の後端部に接続された左右一対のシートピラーチューブ22と、前記ヘッドパイプの下部から後下がりに延びる左右一対のダウンチューブ23(図1参照)と、このダウンチューブ23の後端部と前記シートピラーチューブ22の下端部とを接続するリヤアームブラケット24などによって形成されている。
【0020】
前記メインパイプ21の後端部には、図2および図4に示すように、ブラケット25を介してリヤフレーム26が取付けられている。また、前記リヤアームブラケット24には、ピボット軸27を介して後輪支持用のリヤアーム28が揺動自在に支持されている。
【0021】
前記リヤフレーム26は、図2,3,6,7に示すように、前記ブラケット25から後上がりに延びる左右一対のシートレール31と、このシートレール31の後端部と前記シートピラーチューブ22の下端部とを接続するバックステー32とから構成されている。前記シートレール31とバックステー32は、それぞれ断面四角形状を呈するアルミニウム合金製のパイプによって形成されている。
【0022】
前記シートレール31には、図6および図7に示すように、前端部にスタータモータ用リレー33(図3―図5参照)およびエアクリーナ16の前側上部を支持するための板状ブラケット34が車両内側へ延びるよう溶接されている。また、前記シートレール31には、車両の前後方向の中途部に後述するシート9の荷重を受けるための係止片35が溶接されている。この係止片35によって本発明に係る突片が構成されている。上記係止片35は、図7に示すように、シートレール31の上面から上方へ延びる縦板36と、この縦板36の上端から車両内側および後方に向かって延びる受圧板37とによって形成されている。この受圧板37における前記縦板36から後方に向かって突出する後端部37aによって、請求項2の発明に係る係合爪が構成されている。また、シートレール31の後端部には、シート9の後端部を固定するためのブラケット38が上方へ突出する状態で溶接されている。
【0023】
前記スタータモータ用リレー33は、図3および図4に示すように、上方と後方を除く四方がリレー用カバー39によって囲まれている。このカバー39は、前記板状ブラケット34にリレー33とともに支持されており、給油時に燃料が燃料タンク8の後壁を伝って流下するようなことがあったとしても、この燃料がスタータモータ用リレー33に付着するのを阻止できるように形成されている。
【0024】
前記エアクリーナ16は、リヤフレーム26のシートレール31とバックステー32との間に形成された空間に収納されたエアクリーナボックス40と、このエアクリーナボックス40の内部に設けられたエアクリーナエレメント41と、エアクリーナボックス40を前記気化器15に接続する吸気ダクト42とによって構成されている。
【0025】
前記エアクリーナボックス40は、複数の部材を組合わせることによって箱状に形成されており、下部がバックステー32に支持される状態で上端部が前記ブラケット34に固定されている。このエアクリーナボックス40を形成する複数の部材のうち、上端部の壁には、これを部分的に下方へ凹ませるようにしてバッテリー支持用ボックス43と空気吸込用ダクト44とが車両の前後方向に並ぶ状態で一体に形成されている。前記空気吸込用ダクト44の空気入口を図4中に符号44aで示す。また、エアクリーナボックス40の左側の壁には、メンテナンス用の開口40a(図3および図5参照)が形成されている。このメンテナンス用の開口40aは、エアクリーナエレメント41を交換したり清掃するためのもので、図2中に符号45で示す蓋体によって開閉される。
【0026】
前記バッテリー支持用ボックス43は、上方に向けて開放する箱状に形成され、前記バッテリー19が収納されている。また、このバッテリー支持用ボックス43の上端部には、バッテリー19を上方から押さえるためのバンド46(図4参照)が取付けられている。前記空気吸込用ダクト44は、前記バッテリ支持用ボックス43の後側に配設されており、エアクリーナボックス40とシート9との間に形成された空間とエアクリーナボックス40内とを連通している。
【0027】
図3および図5において、リヤフレーム26の後端部にはエンジン冷却水のリザーバータンク47が取付けられている。48はマッドガード、49は前記マッドガード48と一体に形成されたリヤフェンダーをそれぞれ示す。
【0028】
前記シート9は、図8(a)に示すように、プラスチックによって所定の形状に成形された底板51と、この底板51の上に設けられた後述する3種類のクッション材52―54と、これらのクッション材52―54を覆う表皮55とによって構成されている。また、このシート9は、図2に示すように、前記燃料タンク8の後上部から車両後部における前記リヤフェンダー49まで車両の前後方向に沿って延びるように形成されており、前端部が燃料タンク8に支持されるとともに、前後方向の中央部と後端部とがリヤフレーム26に支持されている。
【0029】
このシート9の前端部と燃料タンク8との接続部分は、従来からよく知られているように、車両の幅方向における前記底板51の中央部に形成された係合穴57{図8(a)および図9(a)参照}に燃料タンク8の断面T字状の係合突起58(図2参照)が挿入されて係合される構造が採られている。また、車両の前後方向におけるシート9の中央部とリヤフレーム26との接続部分は、底板51の車幅方向の両端部に一体に形成された支承板61(図10参照)が前記係止片35の上端面に当接して係止片35によって支承される構造が採られている。
【0030】
前記支承板61は、図10および図11に示すように、車両の幅方向における上記底板51の両端部における前後方向の略中央部分から後側の部位を部分的に上方へ偏在させるようにして形成されている。なお、前記底板51における支承板61の前端61a{図9(a)参照}より前側の部位の断面形状は、下方に向けて開放するコ字状に形成されている。また、前記支承板61の車両内側の端部から下方に延びる縦壁、言い換えれば、車両の幅方向における底板51の中央部で前後方向に延びる平板部51aと支承板61とを接続する縦壁51bには、図2、図8(b)および図10に示すように、車両の外側方へ突出する係合片62が形成されている。
【0031】
上記係合片62は、支承板61から下方に延びる延在部62aと、この延在部62aの下端から前方に延びる他の延在部62bとによって形成されている。シート9を車両に装着した状態では、前記係止片35に設けられた受圧板37の後端部37a(係合爪)の下方に他の延在部62bが位置し、前記受圧板37は他の延在部62bと支承板61とによって挟持される。
【0032】
シート9の後端部とリヤフレーム26との接続部分は、図12に示すように、底板51に固定された支持板63がシートレール31の後端部の前記ブラケット38に固定用ボルト64によって固定される構造が採られている。また、この接続部分には、前記固定用ボルト64によってサイドカバー11の後端部も共締めされている。
【0033】
シート9のクッション材は、シート9の形成範囲の全域に設けられて表皮55によって覆われるシート表面側のクッション材52と、前記左右一対の支承板61どうしの間に位置するように底板51の平板部51aの上に重ねた状態で設けられた内側クッション材53,54とによって構成されている。
【0034】
前記シート表面側のクッション材52は、従来のシートに用いられているものと同等の材料によって形成されている。このシート表面側のクッション材52を形成する材料としては、例えばウレタンフォームが挙げられる。この実施の形態によるシート表面側のクッション材52は、後述するように内側クッション材53,54が設けられていることから、従来のものより厚みが薄くなるように形成されている。
【0035】
前記内側クッション材53,54は、板状に形成されて層状を呈するように重ねられており、この下側の内側クッション材54の上に上側の内側クッション材53が配設されている。また、これらの内側クッション材53,54は、前記シート表面側のクッション材52より硬い、すなわち衝撃に対する減衰力が大きい材料によって形成されている。詳述すると、この実施の形態による内側クッション材53,54は、シート表面側のクッション材52より硬くかつ底板51よりは軟らかい材料によって形成されており、下側の内側クッション材54が上側の内側クッション材53より相対的に硬くなるように形成されている。この内側クッション材53,54を形成する材料としては、この実施の形態ではマイクロセルウレタンフォーム(商品名ポロン)が用いられている。硬さを変えるためには、成形時に内部に形成される気孔の密度を変えることによって行われている。
【0036】
上述したように構成されたシート9をリヤフレーム26に取付けるためには、先ず、底板51の係合穴57に燃料タンク8の係合突起58を挿入し、また、底板51の支承板61をリヤフレーム26の係止片35に支承させ、この状態でシート9を前方へ平行移動させる。このようにシート9を動かすことによって、係合穴57に係合突起58が係合するとともに、底板51の係合片62に係止片35の受圧板37が係合する。その後、シート9の後端部の支持板63を固定用ボルト64によってシートレール31の後端部のブラケット38に固定することにより、シート9の取付作業が終了する。
【0037】
上記シート9の支持構造によれば、シート9の底板51は、車両の幅方向における両端部がリヤフレーム26の係止片35に支承されていて高さ方向に変位することがないから、乗員の体重が衝撃荷重となってシート9に加えられるような場合であっても、上記両端部どうしの間の部位が車両の前後方向から見て下方へ湾曲するように弾性変形するだけとなる。
【0038】
このため、従来のシート支持構造では、シートの底板に設けられた脚部がリヤフレームに支承されていて上記衝撃荷重により脚部が傾斜し、これにより、底板自体が下がっていたが、上記構成によれば、このようなことがなく、底板51の下方への変形量を低減することができる。
【0039】
また、シート表面側のクッション材52より硬い内側クッション材53,54がシート9に設けられているから、例えばシート9に衝撃荷重が加えられるように乗員が着座したときには、乗員はシート表面側のクッション材52を介して内側クッション材53,54に座ることになり、シート表面側のクッション材52で緩和できなかった衝撃が内側クッション材53,54で緩和されるようになる。このため、上述したようにシート9の底板51の変形量が少なくなって底板51の弾性では衝撃を緩和し難くなるにもかかわらず、着座するとき、乗員がシート9の底板51に当たるような感覚を乗員に与えることがない。しかも、シート9の厚みを薄くなるように形成しても乗り心地が損なわれることはない。
【0040】
この結果、シート9を撓み難くかつ厚みが薄くなるように形成することができ、シート9の下方近傍にバッテリー19を底板51に接触することがない状態で搭載することができた。
【0041】
さらに、上述したシート支持構造によれば、リヤフレーム26の係止片35の上端部から後方へ向けて突出する受圧板37が設けられるとともに、この受圧板37の下方に臨んで係合する係合片62がシート9の底板51に設けられているから、走行中に乗員の脚によってシート9の側部を上方へ引き上げるような力がこのシート9の側部に加えられたときには、この力が前記受圧板37と前記係合片62との係合部分を介してリヤフレーム26に伝達される。すなわち、シート9をリヤフレーム26に強固に固定することができる。
【0042】
加えて、シート9の内側クッション材53,54は、硬さの異なる2枚のものを層状に重ねることによって形成され、底板51に近い下側の内側クッション材54が上側の内側クッション材53より相対的に硬くなるように構成されているから、乗員がシート9に着座したときの衝撃が相対的に小さいときには、シート9の表面に近い方のクッション材でより多く衝撃が減衰され、前記衝撃が相対的に大きいときには、シート9の底板51に近い方のクッション材でも衝撃が減衰されるようになる。このため、乗員がシート9に着座したときの力の大きさに対応するようにシート9に減衰力を発生させることができる。
【0043】
上述した実施の形態においては、内側クッション材を上側の内側クッション材53と下側の内側クッション材54とによって構成する例を示したが、内側クッション材は1枚でもよいし、3枚以上用いることもできる。また、上記車両は自動三、四輪車であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0045】
請求項1の発明は、車両の前後方向に延びるシートを設け、このシートの車両の幅方向における両端部と対応するリヤフレームの部位に荷重受け用の突片を上方へ突出するように設け、前記シートの底板が、車両の幅方向におけるこの底板の中央部を構成して前後方向に延びる平板部と、車両の幅方向における前記底板の両端部であって前記突片と対向する部位に形成され、前記平板部より上方に位置付けられて前記突片に支承される支承板と、車両の幅方向における前記平板部の端部および前記各支承板の車両内側の端部とを接続する縦壁とを備え、前記両支承板どうしの間、かつ、前記両縦壁どうしの間に位置するように前記平板部の上にシート表面側のクッション材より硬い内側クッション材を設けたものである。
【0046】
この発明によれば、シートの底板は、上記両端部が突片に支承されていて高さ方向に変位することがなく、乗員の体重が衝撃荷重となってシートに加えられるような場合には、上記両端部どうしの間の部位が車両の前後方向から見て下方へ湾曲するように弾性変形する。このため、従来のシート支持構造では、底板に設けられた脚部がリヤフレームに支承されていて、上記衝撃荷重により脚部が傾斜し、これにより、底板自体が下がっていたが、上記発明によれば、このようなことがなく、底板の下方への変形量を低減することができる。
【0047】
また、例えばシートに衝撃荷重が加えられるように乗員が着座したときには、乗員はシート表面側のクッション材を介して内側クッション材に座ることになり、シート表面側のクッション材で緩和できなかった衝撃が内側クッション材で緩和される。このため、上述したようにシートの底板の変形量が少なくなって底板の弾性では衝撃を緩和し難くなるにもかかわらず、着座するとき、乗員がシートの底板に当たるような感覚を乗員に与えることがない。しかも、シートの厚みを薄くなるように形成しても乗り心地が損なわれることはない。
【0048】
したがって、座り心地が低下するのを防ぎながら、シートを撓み難くかつ厚みが薄くなるように形成することができるから、シートの下方近傍に例えばバッテリーなどの部品を、両者が接触することなく配置することができる。
【0049】
請求項2の発明は、突片の上端部に車両の後方へ向けて突出する係合爪を設けるとともに、この係合爪の下方に臨んで係合する係合片をシートの底板に設けている。
【0050】
上記構成によれば、走行中に乗員の脚によってシート側部を上方へ引き上げるような力がこのシート側部に加えられたときには、この力を係合爪と係合片との係合部分を介してリヤフレームによって受けることができる。
【0051】
このため、シートを強固にリヤフレームに固定することができるから、シートを厚みがより一層薄くなるように形成することができ、シート下方に広い空間を形成することができる。
【0052】
請求項3の発明は、内側クッション材は、硬さの異なるものを層状に複数重ねることによって形成され、底板に近いものほど相対的に硬くなるように構成している。
【0053】
上記構成によれば、乗員がシートに着座したときの衝撃が相対的に小さいときには、シート表面に近い方のクッション材でより多く衝撃が減衰され、前記衝撃が相対的に大きいときには、シート底板に近い方のクッション材でも衝撃が減衰されるようになる。このため、乗員がシートに着座したときの力の大きさに対応するようにシートで減衰力が生じるようになるから、安定した座り心地を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るシート支持構造を採用した自動二輪車の側面図である。
【図2】 図2は、シート部分を拡大して示す側面図である。
【図3】 図3は、ヤフレームの側面図である。
【図4】 図4は、リヤフレームの平面図である。
【図5】 図5は、リヤフレームにエアクリーナボックスおよびバッテリーを取付けた状態を示す斜視図である。
【図6】 図6は、リヤフレームの平面図である。
【図7】 図7は、リヤフレームの側面図である。
【図8】 図8は、シートを示す図で、同図(a)は前側部分の縦断面図、同図(b)は後側部分の側面図で、係合片が形成された部分を破断して描いた図である。
【図9】 図9は、シートの底面図で、同図(a)は前部を示し、同図(b)は後部を示す図である。
【図10】 図10は、図2におけるシートのX−X線断面図である。
【図11】 図11は、図2におけるシートのXI−XI線断面図である。
【図12】 図12は、図2におけるXII−XII線断面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車
4 車体フレーム
9 シート
26 リヤフレーム
35 係止片(突片)
51 底板
51a 平板部
51b 縦壁
52 クッション材
53,54 内側クッション材
61 支承板
Claims (3)
- 車両の前後方向に延びるシート(9)を設け、このシート(9)の車両の幅方向における両端部を車体フレーム(4)のリヤフレーム(26)に支承させた鞍乗型車両におけるシート支持構造において、前記リヤフレーム(26)におけるシート(9)の前記両端部と対応する部位に荷重受け用の突片(35)を上方へ突出するように設け、前記シート(9)の底板(51)が、車両の幅方向におけるこの底板(51)の中央部を構成して前後方向に延びる平板部(51a)と、車両の幅方向における前記底板(51)の両端部であって前記突片(35)と対向する部位に形成され、前記平板部(51a)より上方に位置付けられて前記突片(35)に支承される支承板(61)と、車両の幅方向における前記平板部(51a)の端部および前記各支承板(61)の車両内側の端部とを接続する縦壁(51b)とを備え、前記両支承板(61)どうしの間、かつ、前記両縦壁(51b)どうしの間に位置するように前記平板部(51a)の上にシート表面側のクッション材(52)より硬い内側クッション材(53,54)を設けたことを特徴とする鞍乗型車両におけるシート支持構造。
- 上記突片(35)の上端部に車両の後方へ向けて突出する係合爪を設けるとともに、この係合爪の下方に臨んで係合する係合片(62)をシート(9)の底板(51)に設けたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両におけるシート支持構造。
- 上記内側クッション材(53,54)は、硬さの異なるものを層状に複数重ねることによって形成され、底板(51)に近いものほど相対的に硬くなるように構成されていることを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の鞍乗型車両におけるシート支持構造。
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