JP4020283B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電印加方式によりポリエステルフィルムを製造する方法に関し、さらに詳しくは、冷却ドラムと溶融樹脂シートとの間に空気の微小気泡が巻き込まれることによって生じる表面欠陥を発生させることなく、高速で未延伸ポリエステルフィルムをキャスト製膜した後、縦延伸及び横延伸工程の条件を規程することによって、厚みムラが小さく、耐劈開性にも優れ、ボーイング現象が改良された、特に写真フィルム用支持体として有用なポリエステルフィルムを製造する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂を急冷固化してキャストシートフィルムを得る方法のひとつとして、特公昭37−6142号公報により提案されているように、ダイより吐出したシート状の溶融樹脂に静電印加することにより冷却ドラムと密着せしめるフィルム製造方法(いわゆる静電印加方式)が従来から用いられている。
【0003】
また、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルの合成において、金属触媒を加えることが必要であることは、高分子実験学5「重縮合と重付加」(高分子学会高分子実験学編集委員会編,共立出版,1980年発行)などの文献により公知である。
【0004】
ところで、上記静電印加方式により、キャストシートの製膜速度を高めようとすると、ある限界速度以上の領域では、溶融樹脂シートと回転する冷却ドラムとの間にエアを巻き込み、冷却後のシート面状にエア巻き込み跡の凹凸が現れ、実用上価値のあるフィルムが製造できないものであった。
【0005】
そこで、エア巻き込みが発生する限界速度をさらに高めるために、ポリエステルの合成に用いる金属触媒含有量を増やし、溶融樹脂シートの比抵抗値を下げることにより、静電印加によるシートと冷却ドラムとの密着性をよくしてエアの巻き込みを抑制することが考えられる。しかし、金属触媒含有量を増やすと、熱劣化により色味が変化したり、溶融樹脂中の金属性凝集異物が発生したりする等の問題があった。
【0006】
したがって、その製膜するシートの用途に応じて許容できるシート面状を定め、それぞれ最適と思われる処方の樹脂を用いて、限界速度範囲内でキャスト製膜しているのが現状である。特に、写真用フィルムなど異物発生の許容レベルが厳しい用途においては、金属触媒含有量も自ずから限界があり、製膜速度と色味の変化及び金属性凝集物の発生との調和を保って製膜する技術が各種提案されていた。
【0007】
例えば、特開平2−9688号公報には、ポリエステルの溶融時の比抵抗を500,000〜500,000,000Ω・cmとすることにより、均一なポリエチレンテレフタレートフィルムを製膜する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、比抵抗が小さい(すなわち、金属触媒が多い)領域では熱劣化による着色が生じ、比抵抗が大きい(すなわち、金属触媒が少ない)領域では高速でのエアー巻込み制御ができないものであり、結局、写真フィルム用のポリエステルフィルムを高速製膜することはできなかった。
【0008】
また、特開平8−291216号公報には、ポリエステルの溶融時の比抵抗を1,000,000〜10,000,000Ω・cmとし、特開平2−9686号公報で提案された方法よりも比抵抗値を狭く限定することによりエアー巻込みを制御する方法が提案されており、この方法は高速製膜でき好ましいものであった。しかしながら、色味や金属性凝集異物などの点に関しては、写真用フィルムの特性を十分に満足させることができるものではなかった。
【0009】
また、特開昭61−219622号公報には、液体の薄膜を塗布した回転している冷却ドラム表面にシート状の押出物を接触せしめ冷却固化してなる熱可塑性重合体よりシートを成形する方法(いわゆる水塗布方式)において、ダイを冷却ドラムの回転軸を含む鉛直面より前方に位置せしめ、かつこのダイの溶融した熱可塑性重合体の吐出角度を鉛直面に対し傾斜せしめて、シート状の押出物のダイから冷却ドラム表面までの走行距離を短絡せしめることを特徴とする熱可塑性重合体シートの成形方法が提案されており、さらに、特開昭61−237619号公報には、上記特開昭61−219622号公報の内容につけ加えて、吐出口の両側端部にシート耳部の調整板を設けて吐出直後の溶融物シートをその両側端が調整板に接する状態で進行させる成形方法が開示されている。
【0010】
ところが、特開昭61−219622号公報、特開昭61−237619号公報で提案された水塗布方式による製膜方法は、シートフィルム表面に水滴跡が残らないように水塗布条件を設定するのが難しく、写真フィルム用支持体のように面状欠陥の許容レベルが厳しい用途に適用するにはかなり精密な制御装置が必要になるなどコスト採算性もよくないものであった。
【0011】
また、静電印加方式によりポリエステル樹脂シートのキャスト製膜を行うに当たり、特開昭61−219622号公報、特開昭61−237619号公報に見られるようにダイの吐出角度を傾斜せしめるとすると、リップ開度調整用のヒートボルト設置が困難になり、粗調整時の手調整の作業スペースも冷却ドラムより高い位置に設けなければならないなど不都合が多いものであった。
【0012】
以上のように、従来提案されている技術では、色味や金属性凝集異物などの問題のない写真用フィルムとして有用なポリエステルフィルムを、エアー巻込み等の面状欠陥を発生させることなく、高速で安定にキャスト製膜することはできなかった。
【0013】
ところで、写真フィルム用支持体として有用なフィルムを製造するにあたり、厚みムラが小さいことと同時に劈開しにくいことが要求されている。
【0014】
従来の技術によると、縦延伸区間や延伸張力の規定、多段階の縦延伸、縦延伸直前のフィルム結晶化度の規定など、縦延伸工程における条件規定により厚みムラ減少を図っているものがあるが、ポリエステルの中にはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのように、応力と伸度との関係が一対一対応でないもの、すなわち、ある応力に対して二種類以上の伸度があり得るため、延伸中のフィルムにおいても幅方向、流れ方向共に伸びムラが発生しやすいものがある。
【0015】
これを避けるには応力と伸度との関係が一対一対応になる領域まで延伸すればよく、例えば、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの場合、縦延伸倍率を5倍前後で延伸すれば、伸びムラのない状態、すなわち、厚みムラの小さい延伸フィルムを製造できる。しかし、この縦延伸倍率を5倍前後で延伸された延伸フィルムは劈開しやすく、写真フィルム用支持体フィルムとして有用なものではない。
【0016】
一方、写真フィルム用支持体として求められる耐劈開性を満足しようとすると、縦延伸倍率を4倍未満にしなければならず、この領域で従来の技術で設定されている条件の延伸を行うと、厚みムラの大きなシートフィルムしか得られなかった。
【0017】
すなわち、特開昭60−178025号公報には、ポリエステルフィルムの縦延伸工程において、その延伸区間を30〜800mmとし、かつその際の延伸張力を0.2〜10kg/mm2とすることで幅方向のヤング率、厚みムラなどのばらつきを抑制する手段が提案されている。しかしながら、この手段だけでは、厚みムラの小さいポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムを得ることができなかった。
【0018】
また、特公平7−71821号公報には、縦延伸を多段階で行うことにより厚み均一性に優れたポリエステルフィルムを得ることができる手段が提案されているが、総合縦延伸倍率が4.0倍以上では、写真フィルム用支持体フィルムとして求められる耐劈開性のレベルを満足できず、次工程以降の加工で破損等が生じるものであった。
【0019】
さらに、特開平6−210719号公報には、縦延伸直前のフィルム結晶化度を0.5〜25%とすることでポリエステルフィルムの厚みムラを抑制する手段が提案されてり、結晶化の方法のひとつとして、予備延伸、すなわち、縦延伸2段化における1段目延伸を1.2〜2.5倍の延伸倍率で行っている。しかしながら、このような手段では、フィルム結晶化度を0.5〜25%の範囲内に調整しても、総合縦延伸倍率が4.0倍未満では厚みムラの小さい延伸フィルムを得ることができなかった。
【0020】
以上のように、従来提案されている手段では、写真フィルム用支持体として最低限必要な特性、すなわち、耐劈開性を満足した上で厚みムラを小さくすることはできないものであった。
【0021】
また、写真フィルム用支持体として有用なポリエステルフィルムを製造するにあたり、ボーイングが小さいことが要求されている。
【0022】
このボーイングは、テンター入口においてポリエステルフィルム幅方向に直線を引いた後、テンター出口においてその直線がどの程度湾曲しているかをポリエステルフィルム幅当たりの変形量として定義したものであり、ボーイングが小さいほど幅方向の物性値の分布も小さく、従って、写真フィルム用支持体として望ましい。このボーイング現象は、縦延伸後のポリエステルフィルムをテンターにより横延伸する過程において、クリップで固定されていないポリエステルフィルム中央部のみ熱収縮することにより、幅方向で分子配向に分布ができるため生じていると考えられる。
【0023】
従来、ボーイングを小さくするための技術は種々提案されており、延伸ゾーンと熱固定ゾーンの間にフィルム幅以上の長さを持つ中間冷却ゾーンを設けたもの、中間冷却ゾーンでのガラス転移点以下への冷却、冷却工程での再横延伸、冷却工程での横方向の緩和などのプロセスを加えたものなどあるが、樹脂の種類や速度などの条件が変わると、これらの提案された技術の範囲ではボーイング現象改良効果が出せない領域があり不十分であった。
【0024】
すなわち、特開平3−193328号公報には、延伸ゾーンと熱固定ゾーンとの間にフィルム幅以上の長さを持つ中間冷却ゾーンを設けて、ガラス転移点以下に冷却することでボーイング現象を改良する手段が提案されているが、この手段においては、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いた場合、上記ガラス転移点以下に冷却する条件ではボーイング現象を改良することができなかった。
【0025】
また、特開平3−216326号公報、特開平4−142916号公報、特開平4−142917号公報、特開平4−142918号公報においても、中間冷却ゾーンでのガラス転移点以下への冷却、冷却工程での再横延伸、冷却工程での横方向の緩和などのプロセスを加えた手段が提案されている。しかしながら、これらの公報で提案されている手段は、その提案された条件で行なったとしても、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いた場合については、ボーイング現象を改良することができなかった。
【0026】
さらに、これらの手段は、いずれも製膜速度が変わった場合の影響について考慮されておらず、汎用性が低いものであった。
【0027】
特開平3−207632号公報、特開平3−193329号公報には、上記中間冷却ゾーンにニップロール群を有するようにしたものであるが、写真フィルム用支持体フィルムを製膜した場合、致命的なスリキズ、段ムラなどを発生させる原因になりやすく、製膜安定性がないと思われる。
【0028】
以上のように、従来提案されている手段では、ボーイング現象が小さい写真フィルム用支持体フィルムを、製膜速度が変わった場合でも安定に供給することができなかった。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来ポリエステルフィルム等を製造する技術は種々提案されているが、色味や金属性凝集異物などの問題のないポリエステルフィルムをエアー巻込み等の面状欠陥を発生させることなく、高速で安定にキャスト製膜することができず、また、耐劈開性を満足した上で厚みムラを小さくすることができず、さらに、ボーイング現象が小さいポリエステルフィルムを製膜速度が変わった場合でも安定に供給することができないものであった。
【0030】
本発明は、以上の問題点を解決し、熱劣化による色味の変化や金属性凝集異物を発生させることなく、従来よりもキャスト速度が高い領域で、安定な面状の未延伸フィルムをキャスト製膜し、耐劈開性に優れるとともに厚みムラが小さく、ボーイング現象が小さいフィルムを製膜速度が変わった場合でも安定して製造できる二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、使用する樹脂の静電抵抗値(添加する金属触媒量)をある範囲に限定すると同時に、ダイ位置をある範囲内に設定することにより、未延伸ポリエステルフィルムをキャスト製膜した後、縦延伸工程の2段階分割化、および、それぞれの延伸ゾーンにおける遠赤外ヒータと延伸ロールとの間隙などの位置関係の条件、それぞれの延伸工程における延伸倍率の条件などがある範囲内に限定された状態で縦延伸され、さらに、テンター内の延伸温度、中間ゾーンの温度、その通過時間及び熱固定温度をある条件範囲内に限定された状態で横延伸することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0032】
すなわち、本発明の要旨は、溶融したポリエステル樹脂をダイにより冷却ドラムに押出し静電印加方式でキャスト製膜する製膜工程と、この製膜工程で製膜された未延伸ポリエステルフィルムを縦方向に延伸する縦延伸工程と、この縦延伸工程で縦方向に延伸されたポリエステルフィルムを横方向に延伸する横延伸工程とを有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、
前記製膜工程は、 溶融押出されるポリエステル樹脂の比抵抗が5×10 6 〜3×10 8 Ω・cmに調整されており、かつ、冷却ドラムの回転軸を含む鉛直面よりドラム回転側で角度αの範囲が30〜90度の位置に設置されたダイを通して溶融樹脂をシート状に広げるものであり、この角度αが、冷却ドラムの回転軸をO、回転軸Oの直上の冷却ドラムの周面の点をA、ダイリップから鉛直線を引いて冷却ドラム周面と交差する点をBとした時の∠AOBであり、
前記縦延伸工程は、未延伸ポリエステルフィルムをロール周速差により縦方向に延伸する1段目縦延伸工程と2段目縦延伸工程とを有し、1段目及び2段目縦延伸工程において、未延伸ポリエステルフィルムの加熱手段として遠赤外ヒータを用いるとともに、遠赤外ヒータと延伸ロールとの間隙を5〜40mm、延伸ロール間の間隙を3〜40mmに設定し、1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルムを延伸倍率1.05〜1.5倍で縦延伸し、その後一度ガラス転移点以下に冷却し、さらに2段目縦延伸工程で総合縦延伸倍率2.5〜3.9倍となるように延伸して縦延伸ポリエステルフィルムを得るものであり、
前記横延伸工程は、縦延伸ポリエステルフィルムをテンター内に通し、横延伸ゾーンでガラス転移点以上、ガラス転移点+50℃以下の範囲で横延伸した後、横延伸温度(横延伸ゾーン最終部におけるポリエステルフィルム表面温度)+20℃以上、熱固定温度(テンター内におけるポリエステルフィルム表面の最高温度)−20℃以下の範囲に設定した中間ゾーンを3〜30秒通し、その後、熱固定ゾーンで融点−30℃以上、融点−5℃以下の範囲で熱固定処理を行うものであり、前記ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることにより、上記課題を達成したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるポリエステルは、ジオールとジカルボン酸とから重縮合により得られるものであり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などで代表されるものであり、また、ジオールとしてはエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−P−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられる。これらのポリエステルは、ホモポリマーであっても、成分が異なるモノマーとの共重合体あるいはブレンド物であっても良い。共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのカルボン酸成分などが挙げられる。
【0034】
上記ポリエステルの製造におけるエステル化反応、エステル交換反応にはそれぞれ公知の触媒を使用することができる。エステル化反応は特に触媒を添加しなくても進行するが、エステル交換反応に時間がかかるため、ポリマーを高温で長時間保持しなければならず、結果、熱劣化を生じるなどの不都合がある。そこで、下記に示すような触媒を加えることによりエステル交換反応を効率よく進めることができる。
【0035】
例えば、エステル交換反応の触媒としては、酢酸マンガン、酢酸マンガン4水和物、酢酸コバルト、酢酸マグネシウム、酢酸マグネシウム4水和物、酢酸カルシウム、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛2水和物、酢酸鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛等が一般に使用される。これらは単独に使用しても混合して使用しても良い。
【0036】
本発明においては、 溶融押出されるポリエステル樹脂の比抵抗が5×106〜3×108Ω・cmに調整されている。比抵抗が5×106Ω・cm未満であると、黄色味が増加するとともに、異物の発生が多くなるものであり、比抵抗が3×108Ω・cmを超えると、 エア巻込み量が大きくなりフィルム面に凹凸が発生するものである。
【0037】
このポリエステル樹脂の比抵抗を調整するには、前記金属触媒含有量を調整することにより行う。一般に、ポリマー中の金属触媒含有量が多いほどエステル交換反応が速く進行し、比抵抗値も小さくなるのであるが、金属触媒含有量が多すぎるとポリマー中に均一に溶けなくなり、凝集異物発生の原因になる。本願発明においては、この金属触媒の含有量を調整することにより、ポリエステル樹脂の比抵抗を所定の範囲に調整する。
【0038】
また、ポリエステル樹脂中には、重合段階でリン酸、亜リン酸及びそれらのエステル並びに無機粒子(シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナなど)が含まれていても良いし、重合後ポリマーに無機粒子等がブレンドされていても良い。さらに、公知の熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、遮光剤、フィラー類、難燃化剤等を添加しても良い。
【0039】
本発明においては、上述したポリエステル樹脂を用いて写真フィルム用支持体として有用なフィルムを製造するのであるが、このポリエステルフィルムの製造方法を実施する装置の概略を図面を参照して説明する。
【0040】
図1はポリエステルフィルムの製造装置の概略を示す図で、この図において、10はポリエステルフィルムをキャスト製膜する製膜工程部、20はこの製膜工程部10で製膜されたポリエステルフィルム1を縦方向に延伸する縦延伸機、30は縦延伸機20で縦方向に延伸されたポリエステルフィルム1を横方向に延伸する横延伸機、40は横延伸機30で延伸されたポリエステルフィルム1を巻き取る巻取り機である。そして、製膜工程部10にはダイ11及び冷却ドラム12が設けられ、縦延伸機20には最初に延伸する1段目縦延伸機21及び2段目縦延伸機22が設けられている。
【0041】
製膜工程について説明する。
まず、上記ポリエステル樹脂を十分乾燥後、例えば、融点+10〜50℃の温度範囲に制御された押出機、フィルター及びダイを通じてシート状に溶融押し出しし、回転する冷却ドラム上にキャストして急冷固化したフィルムを得る。ここで、ダイは、冷却ドラムの回転軸を含む鉛直面よりドラム回転側で角度αの範囲が30〜90度の位置に設置されており、好ましくは45〜60度の位置に設置する。この角度αは、冷却ドラムの回転軸をO、回転軸Oの直上の冷却ドラム周面の点をA、ダイリップから鉛直線を引いて冷却ドラム周面と交差する点をBとした時の∠AOBである。ダイの位置を規定する角度αが30度未満であると、エアの巻き込み量が大きくなりフィルム表面に凹凸が発生する。なお、角度αの範囲はその定義より、必然的に90度が最大になる。
【0042】
上記角度αを図2を参照して説明する。
図2は、角度αの定義を説明するダイと冷却ドラムとの位置関係を示す模式図である。図2において、11はダイ、12は冷却ドラムである。この冷却ドラム12の回転軸をO、この回転軸Oの直上の冷却ドラム12の周面の点をA、ダイ11のリップから鉛直線を引いて冷却ドラム12の周面と交差する点をBとすると、αは∠AOBである。なお、図中Sは、エアギャップである。
【0043】
そして、以上のような位置に設置されたダイにより、シート状に拡げられた溶融樹脂を冷却ドラムと挿む位置(溶融シートの反冷却ドラム面側)にワイヤーピニング装置などの静電印加装置が設置されていて、10〜30kVの高電圧を溶融シートに印加することで、溶融シートと冷却ドラムの密着性を上げ、急冷固化した未延伸のポリエステルフィルムを得るものである。このようにして得られた未延伸ポリエステルフィルムは、縦延伸工程に送られ縦延伸される。
【0044】
縦延伸工程について説明する。
縦延伸工程を実施する縦延伸機について図3を参照して説明する。図3は縦延機の概略図である。この図において、21は1段目縦延伸機(1段目延伸工程)、22は2段目縦延伸機(2段目延伸工程)であり、これらの縦延伸機21、22は、周速が異なる加熱延伸ロール23と冷却延伸ロール24とが設けられるとともに、加熱延伸ロール23の上方に遠赤外線ヒータ25が設けられている。また、1段目縦延伸機21と2段目縦延伸機22の間には、温調パスロール26が設けられている。なお、図中Xは、後述する1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルム1を縦延伸した後、ガラス転移点以下に冷却する際、ポリエステルフィルム1の温度を測定する位置を示している。
【0045】
以上のような縦延伸機で縦延伸工程が行われるが、この縦延伸工程は、1段目及び2段目縦延伸工程において、未延伸ポリエステルフィルムの加熱手段として遠赤外ヒータを用いるとともに、遠赤外ヒータと延伸ロールとの間隙を5〜40mm、延伸ロール間の間隙を3〜40mmに設定し、1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルムを延伸倍率1.05〜1.5倍で縦延伸し、その後一度ガラス転移点(Tg)以下に冷却し、さらに2段目縦延伸工程で総合縦延伸倍率2.5〜3.9倍となるように延伸して縦延伸ポリエステルフィルムを得るものである。
【0046】
上記遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙及び延伸ロール間の間隙を図4を参照して説明する。図4は、1段目縦延伸機21(2段目縦延伸機22も同様)の拡大図であり、遠赤外線ヒータ延伸ロールとの間隙は、図中δで表示され、延伸ロール間の間隙は、図中hで表示されている。
【0047】
縦延伸工程において、遠赤外ヒータと延伸ロールとの間隙は5〜40mmであり、好ましくは10〜30mmである。遠赤外線ヒータ加熱部とロール間隙が5mmより小さい場合、ロール表面にポリエステルフィルムが部分的に溶着するなどのトラブル発生の原因になり、一方、上記間隙が40mmを超えた場合、ポリエステルフィルムの中央部に比べて両端部の加熱効率が悪くなり、伸びムラが大きくなる(すなわち、厚みムラが悪くなる)。
【0048】
縦延伸工程において、延伸ロール間の間隙は3〜40mmであり、好ましくは10〜30mmである。延伸ロール間の間隙が3mmより小さい場合、ポリエステルフィルム表面の一部が回転速度の異なる両ロールに挟まれてスリキズ故障発生の原因になるなど、製造安定性が低く、一方、延伸ロール間の間隙が40mmを超えた場合、延伸ロールに接触していないポリエステルフィルム距離が長くなり、延伸時のネックイン量増大により耳部の波打ちが発生し、伸びムラが大きくなる(すなわち、厚みムラが悪くなる)。
【0049】
縦延伸工程において、1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルムを延伸倍率1.05〜1.5倍で縦延伸し、好ましくは1.1〜1.3倍で延伸する。延伸倍率が1.05未満の場合、縦延伸工程を2段階に分ける効果が小さくなり、その結果厚みムラが大きくなり、一方、上記延伸倍率が1.5倍を超えた場合、1段目延伸の段階で既に伸びムラが大きくなり、その結果2段目延伸終了後の厚みムラが大きくなる。
【0050】
縦延伸工程において、1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルムを縦延伸した後、一度ガラス転移点以下に冷却する。ポリエステルフィルム冷却温度がガラス転移点(Tg)よりも高い領域でしか冷却されなかった場合、1段目延伸工程の下流側ロールから2段目延伸工程の上流側ロールまでのポリエステルフィルム搬送区間でも伸びムラが生じるため、その結果、厚みムラが大きくなる。
【0051】
1段目延伸後のポリエステルフィルム冷却温度の下限については、特に限定されていないが、2段目延伸までに再加熱する必要があるため、ガラス転移点(Tg)よりも極端に低く冷却すると、次工程以降での設備及びランニングコストが大きくなり望ましくない。
【0052】
縦延伸工程において、2段目縦延伸工程で総合縦延伸倍率2.5〜3.9倍となるように延伸する。総合縦延伸倍率2.5未満の場合、厚みムラが大きく、3.9倍を超える場合、劈開しやすくなる。
【0053】
以上のような特定の条件で縦延伸された縦延伸ポリエステルフィルムは、横延伸工程に送られ横延伸される。
【0054】
横延伸工程について説明する。
横延伸工程を実施する横延伸機について図5を参照して説明する。図5は横延伸機の概略図である。この図において、31はテンターで、このテンター31は、熱風などにより個々に温調可能で遮風カーテン32で区分された多数のゾーンからなり、入口より、予熱ゾーンT1、横延伸ゾーンT2、T3、中間ゾーン(徐昇温ゾーン)T4、T5、T6、熱固定ゾーンT7、T8、熱緩和ゾーンT9〜Tn-3及び冷却ゾーンTn-2〜Tnが配置されている。なお、熱緩和ゾーン及び冷却ゾーンは、必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるものである。
【0055】
以上のような横延伸機で横延伸工程が行われるが、横延伸工程は、縦延伸ポリエステルフィルムをテンター内に通し、横延伸ゾーンでガラス転移点(Tg)以上、ガラス転移点(Tg)+50℃以下の範囲で横延伸した後、横延伸温度(延伸ゾーン最終部におけるポリエステルフィルム表面温度、以下同様)+20℃以上、熱固定温度(テンター内におけるポリエステルフィルム表面の最高温度、以下同様)−20℃以下の範囲に設定した中間ゾーンを3〜30秒通し、その後、熱固定ゾーンで融点(Tm)−30℃以上、融点(Tm)−5℃以下の範囲で熱固定処理を行うものである。
【0056】
横延伸工程においては、横延伸ゾーンでガラス転移点(Tg)以上、ガラス転移点(Tg)+50℃以下の範囲で横延伸し、好ましくはガラス転移点(Tg)+25℃以上、ガラス転移点(Tg)+45℃の範囲で横延伸する。横延伸温度がガラス転移点(Tg)未満の場合、延伸中のポリエステルフィルムに破れが生じ、一方、ガラス転移点(Tg)+50℃を超える場合、ポリエステルフィルム幅方向で伸びムラが生じる。
【0057】
また、横延伸ゾーンにおいて横延伸する倍率は3.0〜4.2倍が好ましい。横延伸倍率が3.0未満の場合も4.2を超える場合も、ポリエステルフィルムに厚みムラができるものである。
【0058】
横延伸工程においては、横延伸ゾーンで横延伸した後、横延伸温度+20℃以上、熱固定温度−20℃以下の範囲、好ましくは降温結晶化温度(Tc)±20℃の範囲に設定した中間ゾーンを3〜30秒通す。中間ゾーン温度が、横延伸温度+20℃未満の場合、横延伸終了時フィルムに蓄えられた分子ひずみエネルギーの緩和効果が小さく、その結果、熱固定ゾーンにおいてクリップで固定されていない中央部のみポリエステルフィルムの収縮応力が強く働き、ボーイング現象が大きく現れる。一方、中間ゾーン温度が、熱固定温度−20℃を超える場合、中間ゾーンにおいて熱収縮が生じ、クリップで固定されていない中央部のみ縮んでボーイング現象が大きく現れる。
【0059】
また、中間ゾーン通過時間が3秒未満の場合、横延伸終了時フィルムに蓄えられた分子ひずみエネルギーの緩和効果が小さく、その結果、熱固定ゾーンにおいてクリップで固定されていない中央部のみフィルムの収縮応力が強く働き、ボーイング現象が大きく現れる。通過時間の上限についてはポリエステルフィルムの性能への影響は小さいが、ゾーンが長くなるほど設備コストアップになるので、製造設計点に合わせてゾーンの長さを決めるのが望ましい。
【0060】
横延伸工程においては、中間ゾーンを通した後、熱固定ゾーンで融点(Tm)−30℃以上、融点(Tm)−5℃以下の範囲で熱固定処理を行う。熱固定温度が融点(Tm)−30℃未満の場合、ポリエステルフィルムが劈開しやすくなるため、写真フィルム用支持体としては、次工程以降の加工で破損等生じて耐えられないものとなる。一方、熱固定温度が融点(Tm)−5℃を超える場合、フィルム搬送中に部分的なたるみが生じてスリキズ故障などの原因となり、製造安定性がよくない。
【0061】
以上のようにして、耐劈開性を満足し、かつ、厚みムラやボーイング現象が小さい、写真フィルム用支持体として有用な二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができ、この二軸延伸ポリエステルフィルムは巻取機で巻き取られる。
【0062】
【実施例】
[実施例1]
エステル交換反応触媒として酢酸マグネシウム4水和物を、ポリエステル重量に対するマグネシウム原子分の重量割合が60ppmになる量使用し、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂を重合した。この樹脂の溶融時比抵抗は108Ω・cmであった。
【0063】
上記ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂を溶融して、冷却ドラムに対し45度位置に設置された吐出幅500mmのTダイより押し出し、20m/minで回転する直径1mの冷却ドラム(表面温度50℃)上で、450mm幅、1mm厚の未延伸フィルムをキャスト製膜した。
【0064】
得られたキャストフィルムにはエア巻き込みも50μm以上の異物も全く発生していなかった。
【0065】
[実施例2]
実施例1において、ダイ位置を30度(エアギャップ50mm)とした他は、同一条件にてキャスト製膜した。得られたキャストフィルムには50μm以上の異物は全く発生しなかったが、エア巻き込みはギリギリ抑制している状況であった。
【0066】
[実施例3]
実施例1において、ダイ位置を90度(エアギャップ120mm)とした他は、同一条件にてキャストフィルム製膜した。得られたキャストフィルムにはエア巻き込みも50μm以上の異物も全く発生しなかったが、ネックインが少し大きくなりフィルム幅が400mm幅であった。
【0067】
[実施例4]
実施例1において、Mg添加量を105ppmにして重合したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いた以外は、同一条件にてキャストフィルム製膜した。この時の溶融時比抵抗は5×106Ω・cmであった。 得られたキャストフィルムにはエア巻き込みは全く発生しなかったが、50μm以上の異物が1m2中に1〜5個発生した。
【0068】
[実施例5]
実施例1において、Mg添加量を40ppmにして重合したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いる以外は、同一条件にてキャストフィルム製膜した。この時の溶融時比抵抗は3×108Ω・cmであった。 得られたキャストフィルムには50μm以上の異物は全く発生しなかったが、エア巻き込みはギリギリ抑制している状況であった。
【0069】
[比較例1]
実施例1において、ダイ位置を15度(エアギャップ50mm)とした他は同一条件にてキャストフィルム製膜した。得られたキャストフィルムにはエア巻き込み跡が残っていた。
【0070】
[比較例2]
実施例1において、Mg添加量を120ppmにして重合したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いる以外は、同一条件にてキャストフィルム製膜した。この時の溶融時比抵抗は3×106Ω・cmであった。 得られたキャストフィルムには50μm以上の異物が頻発していた。
【0071】
[比較例3]
実施例1において、Mg添加量を30ppmにして重合したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いる以外は、同一条件にてキャストフィルム製膜した。この時の溶融時比抵抗は8×108Ω・cmであった。 得られたキャストフィルムにはエア巻き込み跡が残っていた。
【0072】
〈ダイの設置位置〉
実施例1、2、3及び4と比較例1との比較により、αの範囲が30度よりも小さいとエア巻き込み抑制効果が小さく、表面欠陥が発生するので、ダイの設置位置は、冷却ドラムの回転軸を含む鉛直面よりドラム回転方向で角度αの範囲が30〜90度の範囲内が望ましいことが分かる。なお、αの範囲はその定義より、必然的に90度が最大である。また、αの範囲は、エア巻き込み抑制効果とエアギャップの関係(フィルム幅)を考慮すると45〜60度の範囲がより望ましい。
【0073】
〈溶融時の比抵抗〉
実施例1、4及び5と比較例2及び3との比較により、比抵抗が5×106Ω・cmより小さい場合、ポリエステル中への金属触媒量も多く加えざるを得ず、それに伴い熱劣化によるフィルム中の凝集異物の増加を招き、逆に、比抵抗が3×108Ω・cmより大きい場合、 エア巻き込み抑制効果が小さいため、高速キャスト適性がない。 したがって、溶融ポリエステルの比抵抗は5×106〜3×108Ω・cmであることが望ましいことが分かる。さらに、比抵抗が108Ω・cm付近であることがより望ましいことが分かり、これにより、フィルム中の異物発生は製造故障の心配がほとんどないレベルに到達し、なおかつ、20m/minまでのキャスト速度においてエア巻き込み防止効果が得られる。
【0074】
[実施例6]
実施例1において、冷却ドラムの回転速度を5m/minとする以外は同一条件にてキャストフィルム製膜した。得られたキャストフィルムにはエア巻き込みも50μm以上の異物も全く発生しなかった。
【0075】
このようにして製膜した未延伸フィルムを、表1に示す条件にて縦方向に延伸し(総合縦延伸倍率3.1倍)、厚み約320μmの縦延伸フィルムを製造した。
【0076】
【表1】
【0077】
その後、上記縦延伸フィルムを、表2に示す条件にてテンターにより横方向に3.5倍延伸して、厚み90μmの二軸延伸フィルムを製造した。
【0078】
【表2】
【0079】
[実施例7]
実施例6において、1段目および2段目の遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙を5mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0080】
[実施例8]
実施例6において、1段目および2段目の遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙を40mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0081】
[実施例9]
実施例6において、1段目および2段目の延伸ロール間の間隙を3mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0082】
[実施例10]
実施例6において、1段目および2段目の延伸ロール間の間隙を40mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0083】
[実施例11]
実施例6において、1段目延伸倍率を1.05倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.7倍であった。
【0084】
[実施例12]
実施例6において、1段目延伸倍率を1.5倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は3.9倍であった。
【0085】
[実施例13]
実施例6において、1段目延伸後フィルム冷却温度を120℃とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0086】
[実施例14]
実施例6において、2段目延伸倍率を2.1倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.5倍であった。
【0087】
[実施例15]
実施例6において、2段目延伸倍率を3.25倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は3.9倍であった。
【0088】
[比較例4]
実施例6において、1段目の遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙を50mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0089】
[比較例5]
実施例6において、2段目の遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙を50mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0090】
[比較例6]
実施例6において、1段目の遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙を4mmとしたところ、ロール表面にフィルムが部分的に溶着し、ラインが停止してしまい、サンプリングができなかった。
【0091】
[比較例7]
実施例6において、1段目の延伸ロール間の間隙を50mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0092】
[比較例8]
実施例6において、2段目の延伸ロール間の間隙を50mmとする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0093】
[比較例9]
実施例6において、1段目の延伸ロール間の間隙を2mmとしたところ、フィルム表面の一部が、回転速度の異なる両ロール間に挟まれ、スリキズ故障を生じた。
【0094】
[比較例10]
実施例6において、1段目延伸倍率を1.03倍、2段目延伸倍率を3.0倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合延伸倍率は3.1倍であった。
【0095】
[比較例11]
実施例6において、1段目延伸倍率を1.6倍、2段目延伸倍率を1.95倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合延伸倍率は3.1倍であった。
【0096】
[比較例12]
実施例6において、1段目延伸後フィルム冷却温度を130℃とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。
【0097】
[比較例13]
実施例6において、2段目延伸倍率を2.0倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.4倍であった。
【0098】
[比較例14]
実施例6において、2段目延伸倍率を3.4倍とする以外は、実施例6と同一条件にて縦延伸フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は4.1倍であった。
【0099】
[比較例15]
実施例6において、横延伸倍率を2.9倍とする以外は、実施例6と同一条件にてフィルムを製膜した。
【0100】
[比較例16]
実施例6において、横延伸倍率を4.5倍とする以外は、実施例6と同一条件にてフィルムを製膜した。
【0101】
以上、実施例6〜15および比較例4〜16の工程条件および性能評価結果を表3に示す。
【0102】
なお、ガラス転移点(Tg)は、二軸延伸後のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムをサンプリングして、示差走査熱量計(津島製作所製:DSC−50)より測定した結果、120℃であった。
【0103】
【表3】
【0104】
〈総合縦延伸倍率〉
1段目延伸倍率×2段目延伸倍率により求めた。
【0105】
〈縦延伸フィルム厚みムラ〉
縦方向30m区間における最大値と最小値の差をフィルム平均厚みで除し、100分率で表した。ただし、比較例6および9はサンプリングできなかったのでデータは存在しない。
【0106】
〈二軸延伸フィルム厚みムラ〉
それぞれの縦延伸条件において製作した縦延伸フィルムをテンターに通し、表2に示す条件で横延伸した後サンプリングしたものを、「縦延伸フィルム厚みムラ」と同様の方法で厚みムラ評価したものである。
【0107】
〈横延伸倍率〉
延伸後の縦横の配向のバランスから、それぞれの縦延伸倍率に応じて選択した。
【0108】
〈耐劈開性〉
二軸延伸フィルムを東洋精機製エルメンドルフ引裂試験機にて切断し、縦方向および横方向の劈開の生じやすさを評価した。
評価基準
◎:劈開発生全くなし
○:劈開の発生確率20%以下
△:劈開の発生確率20%超
【0109】
〈遠赤外ヒータとロールとの間隙〉
実施例6、7及び8と比較例4、5及び6との比較により、遠赤外線ヒータとロールとの間隙(すなわち、遠赤外線ヒータとフィルムとの間隙)が5mmより小さい場合、ロール表面にフィルムが部分的に溶着するなどのトラブル発生の原因になり、一方、上記間隙が40mmを超えた場合、フィルムの中央部に比べて両端部の加熱効率が悪くなり、伸びムラが大きくなるので(すなわち、厚みムラが悪くなる)、遠赤外ヒータ加熱部とフィルム間隙は、5〜40mmの区間が望ましいことが分かる。また、遠赤外ヒータ加熱部と延伸ロールとの間隙は、10〜30mmの区間がより望ましい。これにより、厚みムラはより小さくなり、製造安定性も増すことができる。
【0110】
〈延伸ロール間の間隙〉
実施例6、9及び10と比較例7、8及び9との比較により、延伸ロール間の間隙が3mmより小さい場合、フィルム表面の一部が回転速度の異なる両ロールに挟まれてスリキズ故障発生の原因になるなど、製造安定性が低く、一方、延伸ロール間の間隙が40mmを超えた場合、延伸ロールに接触していないフィルム距離が長くなり、延伸時のネックイン量増大により耳部の波打ちが発生し、伸びムラが大きくなる(すなわち、厚みムラが悪くなる)ので、延伸ロール間の間隙は、3〜40mmの区間が望ましいことが分かる。また、延伸ロール間の間隙は、10〜30mmの区間がより望ましい。これにより、伸びムラはより小さくなり、製造安定性も増すことができる。
【0111】
〈1段目縦延伸倍率〉
実施例6、11及び12と比較例10及び11との比較により、延伸倍率が1.05未満の場合、縦延伸工程を2段階に分ける効果が小さくなり、その結果厚みムラが大きくなり、一方、上記延伸倍率が1.5倍を超えた場合、1段目延伸の段階で既に伸びムラが大きくなり、その結果2段目延伸終了後の厚みムラが大きくなるので、1段目の延伸倍率は、1.05〜1.5倍の範囲が望ましいことが分かる。また、1段目の延伸倍率は、1.1〜1.3倍の範囲がより望ましい。これにより、伸びムラはより小さくなる。
【0112】
〈1段目延伸後のフィルム冷却温度〉
実施例6及び13と比較例12との比較により、フィルム冷却温度がガラス転移点温度よりも高い領域でしか冷却されなかった場合、1段目延伸工程の下流側ロールから2段目延伸工程の上流側ロールまでのフィルム搬送区間でも伸びムラが生じるため、結果厚みムラが大きくなるので、1段目延伸後のフィルム冷却温度はガラス転移点温度以下に冷却することが望ましいことが分かる。
【0113】
〈総合縦延伸倍率〉
実施例6、14及び15と比較例13及び14との比較により、総合縦延伸倍率2.5未満の場合、厚みムラが大きく、3.9倍を超える場合、劈開しやすくなるので、総合縦延伸倍率は2.5〜3.9倍の範囲が望ましいことが分かる。
【0114】
〈横延伸倍率〉
横延伸倍率については配向のバランスで決まり、縦延伸倍率に応じて選択する。実施例6、14及び15と比較例15及び16との比較により、横延伸倍率3.0未満の場合厚味ムラが大きく、4.2倍を超える場合は劈開しやすくなるので、総合縦延伸倍率が上記範囲であれば、横延伸倍率は、3.0〜4.2倍の範囲内で延伸するのが望ましい。
【0115】
[実施例16]
実施例6において、横延伸温度を120℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0116】
[実施例17]
実施例6において、横延伸温度を170℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0117】
[実施例18]
実施例6において、中間ゾーン温度を180℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0118】
[実施例19]
実施例6において、中間ゾーン温度を230℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0119】
[実施例20]
実施例6において、各工程での製膜速度をそれぞれ3倍にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。それに伴い、フィルムの中間ゾーン通過時間は3秒になった。
【0120】
[実施例21]
実施例6において、中間ゾーン長さを3.3倍にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。その時のフィルムの中間ゾーン通過時間は30秒になった。
【0121】
[実施例22]
実施例21において、各工程での製膜速度をそれぞれ4倍にする以外は、実施例21と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。それに伴い、フィルムの中間ゾーン通過時間は7.5秒になった。
【0122】
[実施例23]
実施例6において、熱固定温度を238℃にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0123】
[実施例24]
実施例6において、熱固定温度を263℃にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0124】
[比較例17]
実施例6において、横延伸温度を110℃として延伸したところ、フィルム破れが頻発し、二軸延伸フィルムのサンプリングができなかった。
【0125】
[比較例18]
実施例6において、横延伸温度を180℃として延伸したところ、幅方向で伸びムラが生じたため、二軸延伸フィルムのサンプリングができなかった。
【0126】
[比較例19]
実施例6において、中間ゾーン温度を170℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0127】
[比較例20]
実施例6において、中間ゾーン温度を240℃とする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0128】
[比較例21]
実施例6において、各工程での製膜速度をそれぞれ4倍にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。それに伴い、フィルムの中間ゾーン通過時間は2.25秒になった。
【0129】
[比較例22]
実施例6において、中間ゾーンの長さを1/4倍にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。その時のフィルムの中間ゾーン通過時間は2.25秒になった。
【0130】
[比較例23]
実施例6において、熱固定温度を230℃にする以外は、実施例6と同一の条件で90μm厚の二軸延伸フィルムを製膜した。
【0131】
[比較例24]
実施例6において、熱固定温度を265℃にしたところ、フィルム中央部に弛みが生じ、テンター内の装置と接触してスリキズ故障を生じた。
【0132】
以上、実施例16〜24及び比較例17〜24の工程条件及び性能評価結果を表4に示す。
【0133】
【表4】
【0134】
なお、比較例17、18及び24はサンプリングできなかったのでデータはない。また、その他の上記フィルムはいずれもフィルム表面へのスリキズ他の表面欠陥は発生しなかった。
【0135】
物性値については、二軸延伸後のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをサンプリングして、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC−50)により測定した結果、ガラス転移点(Tg)=120℃、降温結晶化温度(Tc)=200℃、融点(Tm)=268℃であった。
【0136】
〈中間ゾーン通過時間(秒)〉
中間ゾーン長さ(m)/製膜速度(m/min)×60により求めた。
【0137】
〈ボーイング(%)〉
図6に示すように、フィルムの幅をW、流れ方向の変形量をCとすると、ボーイング(%)=(C/W)×100で求めた。そして、具体的には、フィルム中央部1200mm幅で評価した。
【0138】
〈二軸延伸フィルムの厚みムラ〉
フィルム幅方向における最大値と最小値の差をフィルム平均厚みで除し、100分率で表した。
【0139】
〈耐劈開性〉
二軸延伸フィルムを東洋精機製エルメンドルフ引裂試験機にて切断し、縦方向および横方向の劈開の生じやすさを評価した。
評価基準
◎:劈開発生全くなし
○:劈開の発生確率20%以下
△:劈開の発生確率20%超
【0140】
〈横延伸温度〉
実施例6、16及17と比較例17及び18との比較により、横延伸温度がガラス転移点未満の場合、延伸中のフィルムに破れが生じ、一方、ガラス転移点+50℃を超える場合、フィルム幅方向で伸びムラが生じるので、横延伸温度は、ガラス転移点℃以上、ガラス転移点+50℃以下の範囲が望ましいことが分かる。また、横延伸温度はガラス転移点+25℃〜ガラス転移点+45℃の範囲がより望ましい。これにより、幅方向の厚みムラが小さくなる。
【0141】
〈中間ゾーン温度〉
実施例6、18及19と比較例19及び20との比較により、中間ゾーン温度が、横延伸温度+20℃未満の場合、横延伸終了時フィルムに蓄えられた分子ひずみエネルギーの緩和効果が小さく、結果、熱固定ゾーンにおいてクリップで固定されていない中央部のみフィルムの収縮応力が強く働き、ボーイング現象が大きく現れる。また、中間ゾーン温度が、熱固定温度−20℃を超える場合、中間ゾーンにおいて熱収縮が生じ、クリップで固定されていない中央部のみ縮んでボーイング現象が大きく現れる。したがって、中間ゾーン温度は、横延伸温度温度+20℃以上、熱固定温度−20℃以下の範囲が望ましいことが分かる。
【0142】
また、中間ゾーン温度は、降温結晶化温度±20℃の範囲がより望ましい。中間ゾーン温度をこの範囲に保つことにより、横延伸終了時フィルムに蓄えられた分子ひずみエネルギーの緩和作用と、クリップで固定されていないフィルム中央部の熱収縮作用のバランスがボーイング現象抑制にとってさらによくなり、結果、ボーイング量がより小さくなる。
【0143】
〈中間ゾーン通過時間〉
実施例6、20及21と比較例21及び22との比較により、通過時間が3秒未満の場合、横延伸終了時フィルムに蓄えられた分子ひずみエネルギーの緩和効果が小さく、その結果、熱固定ゾーンにおいてクリップで固定されていない中央部のみフィルムの収縮応力が強く働き、ボーイング現象が大きく現れる。通過時間の上限についてはフィルムの性能への影響は小さいが、ゾーンが長くなるほど設備コストアップになるので、製造設計点に合わせてゾーンの長さを決めるのが望ましいことが分かる。したがって、中間ゾーンをフィルムが通過する時間は3〜30秒であることが望ましい。
【0144】
〈熱固定温度〉
実施例6、23及24と比較例23及び24との比較により、熱固定温度がTm−30℃未満の場合、フィルムが劈開しやすくなるため、写真フィルム用支持体としては、次工程以降の加工で破損等生じて耐えられないものとなる。一方、熱固定温度がTm−5℃を超える場合、フィルム搬送中に部分的なたるみが生じてスリキズ故障などの原因となり、製造安定性がよくない。したがって、熱固定温度は、Tm−30℃以上、Tm−5℃以下の範囲が望ましいことが分かる。
【0145】
【発明の効果】
本発明は、溶融時の比抵抗がある範囲内になるよう金属触媒添加量が調整されたポリエステルを用いて溶融押し出しし、ある範囲内の位置に設置されたダイを通してシート状に拡げられた溶融樹脂を静電印加方式によりキャスト製膜することにより、熱劣化による色味の変化や金属性凝集異物を発生させることなく、従来よりもキャスト速度が高い領域で安定な面状の未延伸ポリエステルフィルム製膜を可能にし、なおかつ、縦延伸および横延伸工程をある特定の条件下で行うことにより、従来ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムにおいては両立し得なかった耐劈開性と厚みムラ減少を同時に満足し、さらに、フィルム表面にスリキズなどの故障が無くボーイング現象が小さい、写真フィルム用支持体として有用な二軸延伸ポリエステルフィルムを、製膜速度が変わった場合でも安定に製造することを可能にした。
【0146】
また、本発明は写真フィルム用支持体に限定されるものではなく、例えば、印刷用途、磁気記録用途等、特に平面性や異物、耐劈開性などの基準が厳しいポリエステルフィルムの製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリエステルフィルムの製造装置の概略を示す図である。
【図2】 角度αの定義を説明するダイと冷却ドラムとの位置関係を示す模式図である。
【図3】 縦延伸工程を実施する縦延機の概略図である。
【図4】 縦延伸工程における1段目縦延伸機(2段目縦延伸機も同様)の拡大図である。
【図5】 横延伸工程を実施する横延機の概略図である。
【図6】 ボーイング算出法を示す図である。
【符号の説明】
10:製膜工程部
11:ダイ
12:冷却ドラム
20:縦延伸機
21:1段目延伸機
22:2段目延伸機
30:横延伸機
O:冷却ドラムの回転軸
A:冷却ドラム直上点
B:ダイリップ先端より鉛直線を降ろした時、冷却ドラムと交差する点
α:∠AOB
S:エアギャップ
δ:遠赤外線ヒータと延伸ロールとの間隙
h:延伸ロール間の間隙
X:ポリエステルフィルム冷却温度測定位置
Claims (4)
- 溶融したポリエステル樹脂をダイにより冷却ドラムに押出し静電印加方式でキャスト製膜する製膜工程と、この製膜工程で製膜された未延伸ポリエステルフィルムを縦方向に延伸する縦延伸工程と、この縦延伸工程で縦方向に延伸されたポリエステルフィルムを横方向に延伸する横延伸工程とを有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、
前記製膜工程は、溶融押出されるポリエステル樹脂の比抵抗が5×10 6 〜3×10 8 Ω・cmに調整されており、かつ、冷却ドラムの回転軸を含む鉛直面よりドラム回転側で角度αの範囲が30〜90度の位置に設置されたダイを通して溶融樹脂をシート状に広げるものであり、この角度αが、冷却ドラムの回転軸をO、回転軸Oの直上の冷却ドラムの周面の点をA、ダイリップから鉛直線を引いて冷却ドラム周面と交差する点をBとした時の∠AOBであり、
前記縦延伸工程は、未延伸ポリエステルフィルムをロール周速差により縦方向に延伸する1段目縦延伸工程と2段目縦延伸工程とを有し、1段目及び2段目縦延伸工程において、未延伸ポリエステルフィルムの加熱手段として遠赤外ヒータを用いるとともに、遠赤外ヒータと延伸ロールとの間隙を5〜40mm、延伸ロール間の間隙を3〜40mmに設定し、1段目縦延伸工程で未延伸ポリエステルフィルムを延伸倍率1.05〜1.5倍で縦延伸し、その後一度ガラス転移点以下に冷却し、さらに2段目縦延伸工程で総合縦延伸倍率2.5〜3.9倍となるように延伸して縦延伸ポリエステルフィルムを得るものであり、
前記横延伸工程は、縦延伸ポリエステルフィルムをテンター内に通し、横延伸ゾーンでガラス転移点以上、ガラス転移点+50℃以下の範囲で横延伸した後、横延伸温度(横延伸ゾーン最終部におけるポリエステルフィルム表面温度)+20℃以上、熱固定温度(テンター内におけるポリエステルフィルム表面の最高温度)−20℃以下の範囲に設定した中間ゾーンを3〜30秒通し、その後、熱固定ゾーンで融点−30℃以上、融点−5℃以下の範囲で熱固定処理を行うものであり、前記ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。 - 前記横延伸工程における中間ゾーンの温度を降温結晶化温度±20℃の範囲に設定した請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記横延伸工程において、横方向に3.0〜4.2倍で延伸する請求項1又は2記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記ポリエステルフィルムが写真フィルム用支持体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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