JP4023932B2 - 等速ジョイント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定式の等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固定式のボールジョイントとして、図4に示したものが従来から知られている。その等速ジョイントは、外輪1の球形内面2に複数のトラック溝3を形成し、内輪4の球形外面5に複数のトラック溝6を設け、外輪側トラック溝3と内輪側トラック溝6間に組込んだボール7を外輪1と内輪4間に組込まれた保持器8で支持し、上記外輪の軸方向断面におけるトラック溝3の曲率中心Aと内輪の軸方向断面におけるトラック溝3の曲率中心3をジョイントの角度中心0に対して左右に等距離オフセットしている。
【0003】
ここで、上記保持器8はボール7を収容する複数のポケット9を有し、外周および内周には、外輪1の球形内面2に接触案内される球形外面10および内輪4の球形外面5に接触案内される球形内面11が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示す等速ジョイントにおいては、外輪1と内輪4とが角度をとって回転トルクを伝達するとき、外輪1の球形内面2と保持器8の球形外面10は面接触する状態で相対的に移動するため、接触部において潤滑切れが生じて発熱し、外輪1が温度上昇し易いという問題がある。
【0005】
また、外輪1に対する保持器8の組込みは、図5(I)、(II)に示すように、外輪1の軸心と保持器8の軸心を直交し、保持器8のポケット9が外輪1の隣接するトラック溝3間と対向する状態で外輪1内に保持器8を挿入し、外輪1の球形内面2の中心と保持器8の球形外面10の中心とが一致する状態で、保持器8を軸心と直交する直線を中心に90°回転させるようにしているが、外輪1内に保持器8を挿入するとき、保持器8の球形外面10が隣接する外輪側トラック溝3の入口におけるエッジ12の対向内端に干渉して外輪1内に保持器8を挿入することができない。
【0006】
そこで、従来の等速ジョイントにおいては、図5および図6に示すように、外輪1の入口にチャンファ13を形成すると共に、トラック溝3の入口におけるエッジ12の両端にもチャンファ14を形成して保持器8の挿入を可能としているが、トラック溝3の入口に形成するチャンファ14の加工に手間がかかり、加工コストが高くつくという問題もある。
【0007】
この発明は、外輪の温度上昇を抑制することを第1の課題とし、トラック溝の入口にチャンファを加工しなくとも保持器の組込みを可能とすることを第2の課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、外輪の球形内面の中心と内輪の球形外面の中心を同一中心とし、外輪の球形内面に形成された曲線状のトラック溝と、内輪の球形外面に設けられた曲線状のトラック溝間にボールを組込み、そのボールが収容されるポケットを有する保持器に上記外輪の球形内面と面接触する球形外面および内輪の球形外面と面接触する球形内面を設け、上記外輪の軸方向断面におけるトラック溝の曲率中心と内輪の軸方向断面におけるトラック溝の曲率中心を等速ジョイントの角度中心に対して左右に等距離オフセットした等速ジョイントにおいて、前記保持器の球形外面に周方向に延びる2条の溝を保持器の幅中心線に対して左右対称に設け、この2条の溝の間隔を隣接する外輪側トラック溝の入口におけるエッジの対向内端間の寸法に略等しくした構成を採用している。
【0009】
上記のように、保持器の球形外面に溝を形成することにより、その溝で潤滑油を保持することができる。このため、外輪と内輪が角度をとってトルクを伝達するとき、溝に保持された潤滑油によって外輪の球形内面と保持器の球形外面の接触部を潤滑することができる。このため、潤滑切れによる外輪の温度上昇を防止することができる。
【0010】
また、2条の溝を保持器の幅中心線に対して左右対称に設け、この2条の溝の間隔を隣接する外輪側トラック溝の入口におけるエッジの対向内端間の寸法に略等しくすることにより、外輪内部に対する保持器の組込み時に、保持器が隣接する外輪側トラック溝の入口におけるエッジの対向内端に干渉するのを防止することができる。このため、上記トラック溝の入口におけるエッジの端部にチャンファを形成する必要がなくなり、加工コストの低減を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1に示すように、等速ジョイントは、外輪20、内輪30、ボール40および保持器50から成る。
【0012】
外輪20は閉塞端に軸21を有する。外輪20には球形内面22が設けられ、その球形内面22に複数のトラック溝23が等間隔に形成されている。
【0013】
一方、内輪30には球形外面31が設けられ、その球形外面31に外輪20のトラック溝23と半径方向で対向する複数のトラック溝32が形成されている。
【0014】
外輪20の軸方向断面におけるトラック溝23の曲率中心Aと内輪30の軸方向断面におけるトラック溝32の曲率中心Bは、ジョイントの角度中心0に対して左右に等距離オフセットしている。
【0015】
ボール40は外輪20のトラック溝23と内輪30のトラック溝32間に組込まれている。このボール40を保持する保持器50は、外輪20の球形内面22と面接触する球形外面51と、内輪30の球形外面31と面接触する球形内面52が設けられている。また、保持器50には、ボール40を支持する複数のポケット53が形成されている。
【0016】
保持器50の球形外面51には周方向に延びる2条の溝54が保持器50の幅中心線に対して左右対称に形成されている。
【0017】
図2(I)、(II)は、外輪20の軸心に対して保持器50の軸心を直交して、外輪20内に保持器50を挿入する保持器50の組込み途中の段階を示し、保持器50に設けられた2条の溝54の間隔は、隣接する外輪側トラック溝23の入口におけるエッジ24の対向内端24aの間隔と略等しくなっている。
【0018】
上記のように、保持器50の球形外面51に形成された2条の溝54の間隔を隣接する外輪側トラック溝23の入口におけるエッジ24の対向内端24aの間隔と略等しくすると、図2(I)、(II)に示すように、外輪20の軸心と保持器50の軸心が直交し、保持器50のポケット53が隣接する外輪側トラック溝23間に対向する状態で外輪20内に保持器50を挿入するとき、外輪側トラック溝23の入口におけるエッジ24の内端24aに保持器50が干渉するのを防止することができ、外輪20内に保持器50をスムーズに挿入することができる。
【0019】
なお、外輪20内に挿入された保持器50は、軸心と直交する直線を中心に90°回転して外輪20内に収納する。
【0020】
また、上記のように、保持器50の球形外面51に溝54を形成すると、その溝54は潤滑油の溜りとしての機能を発揮する。このため、図1に示す等速ジョイントの外輪20と内輪30とが角度をとってトルクを伝達するとき、溝54に保持された潤滑油によって外輪20の球形内面22と保持器50の球形外面51の接触面を潤滑することができる。
【0021】
このため、球形内面22と球形外面51の接触面における潤滑切れを防止し、摩擦による外輪20の温度上昇を抑制することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、保持器の球形外面に形成した溝によって潤滑油を保持することができ、その潤滑油によって保持器の球形外面と外輪の球形内面の接触部を潤滑することができるため、潤滑切れによる外輪の温度上昇を抑制することができる。
【0023】
また、保持器の球形外面に2条の溝を、保持器の幅中心に対して左右対称に形成し、その2条の溝の間隔を、隣接する外輪側トラック溝の入口におけるエッジの対向内端間の間隔と略等しくしたことによって、外輪の軸心と保持器の軸心を直交して外輪内に保持器を挿入する挿入時に、保持器が外輪側トラック溝の入口におけるエッジの端部に干渉するのを防止することができる。
【0024】
このため、外輪側トラック溝の入口におけるエッジの両端にチャンファを形成する必要がなくなり、加工コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る等速ジョイントの縦断正面図
【図2】(I)は同上の等速ジョイントにおける外輪に保持器を組込む途中の状態を示す縦断正面図、(II)は側面図
【図3】同上の保持器を示す斜視図
【図4】従来の等速ジョイントを示す縦断正面図
【図5】(I)は保持器の組込み途中の状態を示す縦断正面図、(II)は側面図
【図6】同上の外輪と保持器の一部分を示す側面図
【符号の説明】
20 外輪
22 球形
23 トラック溝
24 エッジ
24a 内端
30 内輪
31 球形外面
32 トラック溝
40 ボール
50 保持器
53 ポケット
54 溝
Claims (1)
- 外輪の球形内面の中心と内輪の球形外面の中心を同一中心とし、外輪の球形内面に形成された曲線状のトラック溝と、内輪の球形外面に設けられた曲線状のトラック溝間にボールを組込み、そのボールが収容されるポケットを有する保持器に上記外輪の球形内面と面接触する球形外面および内輪の球形外面と面接触する球形内面を設け、上記外輪の軸方向断面におけるトラック溝の曲率中心と内輪の軸方向断面におけるトラック溝の曲率中心を等速ジョイントの角度中心に対して左右に等距離オフセットした等速ジョイントにおいて、前記保持器の球形外面に周方向に延びる2条の溝を保持器の幅中心線に対して左右対称に設け、この2条の溝の間隔を隣接する外輪側トラック溝の入口におけるエッジの対向内端間の寸法に略等しくしたことを特徴とする等速ジョイント。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP32195098A JP4023932B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 等速ジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32195098A JP4023932B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 等速ジョイント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000145803A JP2000145803A (ja) | 2000-05-26 |
| JP4023932B2 true JP4023932B2 (ja) | 2007-12-19 |
Family
ID=18138249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32195098A Expired - Fee Related JP4023932B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 等速ジョイント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4023932B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-12 JP JP32195098A patent/JP4023932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2000145803A (ja) | 2000-05-26 |
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