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JP4026288B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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JP4026288B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池、特にリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池のような二次電池において、正極と負極との間等に存在する電解質層の材料として、従来のリチウム塩を溶媒に溶解してなる電解液に代えて、非流動性電解質を用いたものが注目されている。このような非流動性電解質からなる電解質を用いた電池は、従来の電解液のような流動性電解質からなる電解質を用いた電池に比して、液漏れの懸念が少なく安全性が高められているので、ラミネートフィルムのような軽量且つ薄型であり、加工も容易な材料をケースに使用できるという利点がある。特に、非流動性電解質として、従来使用されてきた電解液を高分子によって保持して非流動性電解質とした電池は、電解液の特性を生かしたままで、上記の利点を得ることが可能であり、実用化もされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非流動性電解質を使用した二次電池においては、充電に伴うガス発生が問題となる。即ち、充電によって電解質が負極表面等電極表面において分解してガスが発生することがあるが、従来の電解液においてはガス抜き、すなわち液中の気体の移動が容易であるのに対し、電極表面に非流動性電解質が存在すると、電極表面で発生したガスが非流動性電解質の存在によって除去しにくくなり、その結果、電極と電解質層との接触界面を実質的に減少させてしまう。この現象は、充放電時の電極活物質の使用率を低下させることになり、サイクル特性やレイト特性を悪化させることにつながることは勿論、ケースとしてラミネートフィルム等の形状可変性を有するものを使用した場合には、電池の形状やサイズを変えることにつながり、著しい問題となる。
【0004】
また、プロピレンカーボネートは、広い温度領域でイオン伝導度が高く、また、高沸点溶媒である故に特に高温での使用においても揮発、液漏れの問題がないという点で優れており、電解液の溶媒として極めて有効であることが知られている。一方で、プロピレンカーボネートは負極等の電極表面で分解してガスを発生させやすいので、プロピレンカーボネートを含有する電解液を高分子によって保持して非流動化した非流動性電解質を使用すると、ガス発生の問題はより深刻となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、その目的は、電極表面に非流動性電解質が存在する場合において問題となるガス発生を有効に防止し、電池特性、生産性、安全性に優れた二次電池を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、電解質層に酸無水物を存在させればよいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、正極と負極との少なくとも一方の電極との接触部分に非流動性電解質を有する電解質層とを含有する電池要素を有するリチウム二次電池において、該電解質層が酸無水物を含有することを特徴とするリチウム二次電池。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する酸無水物は、通常化学構造上、以下の特徴のものを使用できる。即ち、分子内に2個のカルボニル基が1個の酸素原子を間に挿んで並列するものであり、個々のカルボニル基の炭素は上記酸素原子とカルボニル炭素原子以外に1個の炭素原子と結合する。具体的には、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。
【0007】
【化1】
Figure 0004026288
【0008】
(ここで、A及びBは、カルボニル炭素と結合する炭素原子を末端とする有機残基である。また、有機残基AとBとは互いに結合して環状構造を形成してもよい)
有機残基A及びBとしては、それぞれ又は全体として、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基等であってもよい。また、エステル基やエーテル基等を有する有機残基であってもよい。
【0009】
好ましくは、有機残基AとBとは互いに結合して環状構造を形成する。このような環状構造の酸無水物、すなわちカルボニル基が環構成の一部をなす化合物は、ガス発生の抑制効果が特に大きい。
分子量は一般的に300以下が好ましい。分子量が大きすぎると、酸無水物ユニットの効果よりも他の構造による充放電へ阻害要因の影響が高まり、イオン伝導を阻害し逆効果となることがある。さらに、充放電時の不可逆容量を抑制し、サイクル寿命の観点から、分子中に水酸基、カルボキシル基およびアミノ基等の官能基を持たない構造のものが効率の点で有効である。
【0010】
特に好ましい酸無水物の具体例としては、コハク酸無水物、無水メチルコハク酸、無水2,2−ジメチルコハク酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水グルタル酸、無水メチルグルタル酸、無水3,3−テトラメチレングルタル酸、3−オキサビシクロ(3.1.0)ヘキサン−2,4−ジオン、無水3,3−ジメチルグルタル酸、ジヒドロクマリン等が挙げられる。
【0011】
使用する酸無水物は、無論複数種を併用してもよい。
これらの酸無水物の使用量は、電解質層を形成する電解質に対して、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、最も好ましくは0.07重量%以上であり、また、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、最も好ましくは7重量%以下とする。使用量が多すぎる場合、酸無水物が電解質中でリチウムイオン移動の阻害因子となり、イオン伝導度が低下し、内部抵抗が上昇し、その結果、高レートでの容量の低下を招くことがある。逆に、使用量が少なすぎると、本発明の効果が不十分となり、特に初期の充電時に電解質溶媒の分解等によるガスが発生し、その結果、充電時の抵抗の増加と充放電容量の低下を招くことがある。
上記酸無水物によって、電解質層は負極及び/又は正極の界面等におけるガス発生を防止することができる。
【0012】
正極と負極との間に存在する電解質層は、全体として電解質塩の移動に関与する電解質からなるが、少なくとも正極又は負極との接触部分が非流動性電解質として構成されれば前記酸無水物の効果が得られる。即ち、例えば、正極と負極との間に多孔性のスペーサを設け、スペーサ内部においては従来公知の電解液を存在させると共に、スペーサと正極及び/又は負極との間には非流動性電解質を存在させることができる。また、電解質層中の電解質全体を非流動性電解質から構成させることもできる。
【0013】
非流動性電解質は、イオン導電性を有する固体を有する完全固体型の電解質であってもよいが、電解質塩と溶媒とを有する電解液を高分子にて保持して非流動化した半固体状の電解質を用いるのが、高いイオン伝導性を確保する上で好ましい。
半固体状の電解質を用いる場合に使用する電解液としては従来公知の電解液を使用することができる。
【0014】
電解液の溶質としての電解質塩としては、通常各種のリチウム塩を使用することができ、具体的にはリチウム電池の電解液に一般的に使用されるLiPF6、LiCl4、LiBF4、LiCF3SO3等が例示できるが、中でも、LiPF6が高いイオン伝導度と高率の放電特性を与える点で特に好ましい。電解液中に含まれるこれらの電解質塩の濃度は、電解液全体1Lに対し、0.5モル以上2.0モル以下の範囲で使用するのが、高いイオン伝導特性を与えるので好ましい。
【0015】
電解液に使用する溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の有機溶媒を挙げることができる。好ましくは、溶媒はプロピレンカーボネートを含有する。その結果、広い温度領域で高いイオン伝導度を得ることができ、高温での使用においても揮発、液漏れの問題が少ないという効果を得ることができると共に、本発明の効果が顕著となる。特に好ましくは、溶媒は、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有する。また、溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の高沸点の溶媒とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の低沸点溶媒との混合溶媒を使用することもできる。
【0016】
半固体状電解質における上記電解液の使用量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
【0017】
なお、半固体状電解質を使用する場合の、半固体状電解質中の上記酸無水物の使用量は、上記電解液に対して、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、最も好ましくは0.07重量%以上であり、また、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、最も好ましくは7重量%以下とする。使用量が多すぎる場合、酸無水物が電解質中でリチウムイオン移動の阻害因子となり、イオン伝導度が低下し、内部抵抗が上昇し、その結果、高レートでの容量の低下を招くことがある。逆に、使用量が少なすぎると、本発明の効果が不十分となり、特に初期の充電時に電解質溶媒の分解等によるガスが発生し、その結果、充電時の抵抗の増加と充放電容量の低下を招くことがある。
【0018】
半固体状電解質において電解液を保持する高分子としては、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分子や、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等、上記機能を有する各種の高分子を挙げることができる。これら高分子の電解液に対する濃度は、使用する高分子の分子量等にもよるが、通常0.1−30重量%である。濃度が低すぎると電解液を保持しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じることがある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。
【0019】
半固体状電解質を形成する方法としては、前記電解液をポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアルキレンオキシドのイソシアネ−ト架橋体、フェニレンオキシド、フェニレンスルフィド系ポリマ−等の重合体などに浸すことによって得ることができるが、重合性ゲル化剤を含有する電解液に紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施す方法(1)や、常温で半固体状電解質を形成する高分子を電解液中に高温溶解したものを冷却する方法(2)のような、半固体状電解質前駆体を非流動化処理に供する方法が好ましく用いられる。
【0020】
重合性ゲル化剤含有電解液を用いる前者の方法(1)の場合、重合性ゲル化剤としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものがあげられる。具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレートなどが使用でき、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマーなども使用できる。好ましくは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するオキシアルキレングリコール系化合物である
【0021】
これらの重合性ゲル化剤を熱、紫外線、電子線などによって重合させる際、反応を効果的に進行させるため、電解液に重合開始剤をいれておくこともできる。重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイドなどが使用でき、さらに、t―ブチルパーオキシネオデカノエート、α―クミルパーオキシネオデカノエート、t―ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシルー1―メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t―アミルパーオキシネオデカノエートなどのパーオキシネオデカノエート類、t―ブチルパーオキシネオヘプタノエート、α―クミルパーオキシネオヘプタノエート、t―ヘキシルパーオキシネオヘプタノエート、1−シクロヘキシルー1―メチルエチルパーオキシネオヘプタノエート、t―アミルパーオキシヘプタノエートなどのパーオキシネオヘプタノエート類なども使用できる。
【0022】
一方、常温で半固体状電解質を形成する高分子を電解液中に高温溶解したものを冷却する後者の方法(2)の場合、このような高分子としては、電解液に対してゲルを形成し電池材料として安定なものであればどのようなものであっても使用できるが、例えばポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマーなどが挙げられる。また上記の高分子のなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの高分子の重量平均分子量は通常10000−5000000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
なお、非流動性電解質として、上記高分子と電解質塩によって形成した完全固体型の電解質を使用することも可能である。
【0023】
電解質層中には、短絡を防止する上で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。即ち、電解質層中の電解質は、多孔性のスペーサの空隙中に充填されているのが好ましい。スペーサの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することがある。
【0024】
本発明の二次電池に使用される正極及び負極としては、電池の種類に応じて適宜選択すれば良いが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含有する。また、活物質を固定するためのバインダーを含有してもよい。
本発明のリチウム二次電池に使用できる正極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物、硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。また、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。無論、上記の活物質の複数種を混合して用いても良い。活物質が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10μm程度である。
【0025】
本発明のリチウム二次電池に使用できる負極活物質として使用できるものとしては、リチウム金属、リチウム合金の外に、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としてコークス,アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質材料および高結晶炭素を使用することができる。粒状の負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μm程度である。
【0026】
正極、負極に使用できるバインダーとしては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が使用される。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常10000−3000000、好ましくは100000−1000000程度である。低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
【0027】
活物質100重量部に対するバインダーの使用量は通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
電極中には、電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させても良い。導電性材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性材料のDBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に150cc/100g以上が電解液を保持するという理由から好ましい。添加剤としては、トリフルオロプロピレンカーボネート、1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなどが電池の安定性、寿命を高めるために使用することができる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0028】
正極及び/又は負極には、上記の構成成分の外に電解質を含有させるのが、イオン伝導性を高める上で好ましい。この場合に使用する電解質としては、上記電解質層に使用する電解質と同様のものを使用することができる。
電極は、活物質やバインダー等の構成成分と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成することができる。
【0029】
電極の厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎるとレート特性が低下しすぎることがある。
【0030】
正極及び負極の少なくとも一方の電極は、通常集電体を有する。集電体としては、各種のものを使用することができが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体としては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ましくは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極の集電体として銅を使用する。
【0031】
電極層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0032】
また、電池の重量を低減させる、すなわち重量エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
【0033】
集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。
上記のようにして得られた電池要素は、通常ケースに封入される。この際、複数の電池要素を直列又は並列に積層することも可能である。ケースとしては、各種のものが使用できるが、軽量のプラスチックフィルムや金属層とプラスチック層とのラミネートフィルム等の形状可変性ケースが好ましい。その結果、ガス発生の抑制という本発明の効果がより顕著になる。好ましい態様においては、電池要素は、ラミネートフィルムに真空封入される。その結果、軽量・小型で且つ優れた電池性能を有する二次電池とすることが可能である。
【0034】
【実施例】
[正極の製造] 厚さ20μmのアルミニウムからなる集電体に、コバルト酸リチウム(平均粒径5μm)90重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とアセチレンブラック5重量%とを含有する塗料を塗布・乾燥して正極を得た。
[負極の製造] 厚さ20μmの銅からなる集電体に、メソカーボン粒子(平均粒径6μm)87.4重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック22.9重量%とを含有する塗料を塗布・乾燥して負極を得た。
【0035】
[リチウム二次電池の製造]
LiPF6を1mol/Lの割合で含有するプロピレンカーボネートをエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:1)に各種添加剤を所定量加えた電解液93重量%に、ポリエチレングリコールジアクリレート4.67重量%とトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート2.33重量%とを加え、さらに重合開始剤を0.1重量%加えて、半固体状電解質前駆体とした。
前記正極、前記負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、それぞれ前記半固体状電解質前駆体を塗布・含浸させた後、これらを積層し、90℃で5分間加熱することによって、非流動性電解質からなる電解質層を有する電池要素を得た。
得られた電池要素を、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆した形状可変性を有するラミネートフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止して評価用のリチウム二次電池とした。
【0036】
[電池特性評価]
コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を120mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量との比から放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.5Cで充電した後0.2Cで放電し、充電時と放電時とでそれぞれ初期容量を求めた。また、これらの比から初期効率を求めた。ついで、1Cで充電した後2Cで放電し、得られた放電容量を高rate容量とした。さらに、得られた高rate容量と前記0.2Cでの放電容量との比から容量維持率を求めた。
また、リチウム二次電池の初期充電時にラミネートフィルムの外部に現れるガス発生による凹凸の有無を目視観察し、観測できたものをNG、観測できなかったものをOKとした。
【0037】
実施例1〜11及び比較例1
添加剤として、表−1に記載の添加剤を、電解液に対して1重量%使用した結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、酸無水物を添加することにより、高い初期容量と初期効率、優れたレート特性が得られることが分かる。また、ガス発生による変形も抑制されることが分かる。
【0038】
【表1】
Figure 0004026288
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、高い容量、優れたレート特性の二次電池が得られ、また、生産性、安全性に優れた二次電池を得ることができる。本発明によれば、特に充放電の際のガス発生が防止され、二次電池の変形を有効に防止することができる。

Claims (6)

  1. 正極と負極との少なくとも一方の電極との接触部分に非流動性電解質を有する電解質層を含有する電池要素を有するリチウム二次電池において、該電解質層が酸無水物を含有し、酸無水物の使用量が、電解質全量に対して0.001〜20重量%の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 酸無水物が環状構造の酸無水物である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 電池要素が、形状可変性ケースに収納されてなる請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 非流動性電解質が、電解質塩と溶媒とを含有する電解液を高分子によって保持してなる半固体状電解質からなる請求項1乃至3のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
  5. 溶媒がプロピレンカーボネートを含有する請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 溶媒がプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有する請求項5に記載のリチウム二次電池。
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