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JP4030211B2 - 溶接スパッタ付着防止装置 - Google Patents
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JP4030211B2 - 溶接スパッタ付着防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接スパッタ付着防止装置に係り、より詳しくは、複数の金属製の排気管がそれらの一端部側面で溶接により1つにまとめられ、そのまとめられた一端部の開口部に対して着脱可能に取り付けられる溶接スパッタ付着防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、例えば自動車部品として使用される複数の金属製の排気管を溶接で1つにまとめる場合、図8に示すように、まず排気管81の一端部側面の4箇所が溶接82により接合される。その後、1つにまとめられた排気管81の一端面が溶接により接合されることとなる。ここで、溶接方法として例えばアーク溶接のメタル・イナートガス溶接(以下、単に「ミグ溶接」という)を用いた場合、図9に示すように、電極の金属棒83と母材の排気管81との間にアークが発生し、ノズル84から連続的に送出される金属棒83の一部がアークの熱で溶融すると同時に、その溶融した金属棒83が排気管81の一端面に付着して溶接される。そして、ノズル84を移動させながら、複数の排気管81の一端面を溶接で接合するようにしている。
【0003】
すなわち、相互に隣接する排気管81の隙間から外部に排気ガスが漏出しないようにするため、図10に示すように、排気管81の一端面同士が密閉状態となるように溶接され、十字状の溶接ビード85が形成されている。この場合、図9に示すように、溶接ビード85以外の部分にも、溶接時において溶接スパッタ86が飛散して、排気管81の開口部87から排気管81の内面に付着してしまうことがある。
【0004】
そこで従来、排気管の内面に溶接スパッタが付着してしまうのを防止するために、例えば以下に示すような方法が採用されている。
【0005】
(1)排気管の内面に対して、溶接スパッタの付着を防止するための付着防止剤が塗布されている。ここで、排気管の内面上において付着防止剤が存在する部分では、溶接時に溶接スパッタが飛散した場合でも、付着防止剤によって溶接スパッタの付着力が弱められるため、その部分に溶接スパッタが付着することはない。このようにして、排気管の内面に対する溶接スパッタの付着が防止されている。
【0006】
(2)シート状の防炎材(セラミックウール)が排気管の内面に沿うように巻いて詰められ、この防炎材によって溶接スパッタが付着しないように排気管の内面が保護されている。
【0007】
(3)それぞれの排気管の内部形状に対応した金具が排気管の内部に嵌合されることにより、溶接時に溶接スパッタが飛散した場合でも、この金具に溶接スパッタが付着することとなる。このようにして、排気管の内面に対する溶接スパッタの付着防止が図られている。
【0008】
(4)排気管を水浴中に浸漬させるとともに、排気管の溶接部分の一端面だけを水面上に露出させるようにする。ここで、溶接時に溶接スパッタが飛散した場合でも、溶接スパッタが水で十分に冷やされれば、溶接スパッタの付着力は弱められる。そのため、排気管の内面に溶接スパッタが付着することはなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した(1)〜(4)の方法によって一応の溶接スパッタの付着防止は可能となるものの、これらの方法では、必ずしもその的確な付着防止効果が得られるとは限らない。また、溶接時における作業性も悪い。
【0010】
すなわち、上記(1)の方法では、溶接時の熱によって付着防止剤の蒸発する部分が生じるため、その部分では溶接時に飛散した溶接スパッタが排気管の内面に付着してしまう。また、それぞれの排気管の内面に対して、付着防止剤を塗布しなければならないため、溶接時における作業性が悪くなる。
【0011】
上記(2)の方法では、排気管の内面に沿うように防炎材が巻いて詰められているだけなので、その密着性にはバラツキが生じやすく、排気管の内面と防炎材との間には隙間があいてしまう。また、防炎材を長期使用した場合には、防炎材がほつれてしまい、ほつれた部分では排気管の内面が露出してしまう。
【0012】
従って、排気管の内面と防炎材との間の隙間や防炎材がほつれた部分から、溶接時に飛散した溶接スパッタが付着するおそれがある。また、それぞれの排気管に防炎材を詰める作業を要するため、その作業には手間がかかる。
【0013】
上記(3)の方法では、溶接時の熱に起因して排気管が変形することにより、排気管と金具との間には部分的に隙間が生じてしまうため、飛散した溶接スパッタがその隙間から付着するおそれがある。また、排気管が溶接時の熱で変形したり、溶接ビードが排気管の内面側に膨出形成されたりするため、排気管からその内部形状に対応した金具を取り出すことができなくなるおそれがあり、作業に困難を有する。
【0014】
上記(4)の方法では、十分に水冷されなかった溶接スパッタが付着力を残したまま飛散して、排気管の内面に付着してしまうおそれがある。また、排気管を水浴中に浸漬させた状態で溶接作業を行うため、溶接電流のリークによって感電するおそれがあり、その作業は困難なものとなってしまう。
【0015】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気管の内面に対する溶接スパッタの付着を確実に防止することができると共に、溶接時における作業性の向上を図ることのできる溶接スパッタ付着防止装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、金属材料からなる複数の排気管がそれらの一端部側面で溶接により1つにまとめられ、そのまとめられた一端部の開口部に対して着脱可能に取り付けられる溶接スパッタ付着防止装置であって、前記取付後に前記排気管の一端面のアーク溶接が施される部分を露出させると共に、前記開口部を閉塞するように配設された閉塞部材と、前記閉塞部材に対して進退移動可能に支持されると共に、前記排気管の内面に対して接離可能に配設されたスライド部材と、前記スライド部材の進退移動を調整する調整手段とを備えたことをその要旨としている。
【0017】
上記請求項1に記載の発明によれば、調整手段によって溶接スパッタ付着防止装置のスライド部材が閉塞部材に対して好適に進退移動可能に調整される。このため、閉塞部材に対して支持されたスライド部材の進退移動により、スライド部材が排気管の内面に対して接離可能な状態となるため、1つにまとめられた排気管の一端部の開口部に対して溶接スパッタ付着防止装置が安定した状態で着脱可能に取り付けられる。そして、排気管の開口部に溶接スパッタ付着防止装置が取り付けられた後に、閉塞部材で閉塞されなかった部分、すなわち排気管の一端面が露出した部分に対してアーク溶接が施される。
【0018】
また、溶接スパッタ付着防止装置を排気管の開口部に対して取り付けた場合、アーク溶接が施される露出した排気管の一端面以外の部分において、閉塞部材が開口部を閉塞するようになると共に、閉塞部材に支持されたスライド部材が排気管の内面に対して接触した状態となっている。このため、排気管の一端面の露出した部分にアーク溶接を施して溶接スパッタが飛散した場合でも、閉塞部材及びスライド部材の少なくとも一方に溶接スパッタが付着することとなり、溶接スパッタが排気管の開口部から排気管の内面に付着することはない。このとき、アーク溶接によって複数の排気管の一端面は接合されて、それらの一端面には溶接ビードが形成される。
【0019】
さらに、溶接スパッタ付着防止装置を開口部から取り外す場合、排気管の一端面に形成された溶接ビードが排気管の内面側に膨出しているときでも、スライド部材の進退移動により、スライド部材が排気管の内面に対して接離可能な状態となっているため、排気管の開口部から溶接スパッタ付着防止装置が円滑に取り外される。
【0020】
以上のように、調整手段で調整された溶接スパッタ付着防止装置のスライド部材を閉塞部材に対して進退移動させて、スライド部材を排気管の内面に対して接離可能な状態とするだけで、1つにまとめられた排気管の一端部の開口部に対する溶接スパッタ付着防止装置の着脱作業が容易に行われるため、溶接時における作業性の向上が図られる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶接スパッタ付着防止装置において、前記調整手段はスプリングの付勢力をネジで調整するようにしたものであることをその要旨としている。
【0022】
上記請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、ネジを螺入又は螺退させるだけで、スプリングの付勢力が簡単に調整されると共に、排気管の内面に対して接離可能な状態となるように閉塞部材に対するスライド部材の進退移動も調整されるようになる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の溶接スパッタ付着防止装置において、前記閉塞部材及び前記スライド部材は、前記排気管の金属材料よりも熱伝導率の高い金属材料にて形成されたものであることをその要旨としている。
【0024】
上記請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、アーク溶接を施して溶接スパッタが閉塞部材及びスライド部材の少なくとも一方に飛散した場合でも、排気管よりも熱伝導率の高い閉塞部材及びスライド部材は溶接スパッタの熱を逃し易いため、溶接スパッタは閉塞部材及びスライド部材上で直ぐに冷却されて閉塞部材及びスライド部材には付着しにくい。そのため、溶接スパッタは、閉塞部材及びスライド部材上に載置された状態となり、閉塞部材及びスライド部材上から容易に除去される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の溶接スパッタ付着防止装置を、自動車の排気システムの一部を構成する排気マニホルドに適用した一実施の形態について、図1〜図7に従って説明する。なお、図8及び図10も併せ参照して説明する。
【0026】
図1〜図3に示すように、溶接スパッタ付着防止装置11は、排気マニホルド12の排気管13の開口部14を閉塞するように配設された閉塞部材15と、閉塞部材15に対して進退移動可能に支持されたスライド部材16と、スライド部材16の進退移動を調整するスプリング17等とを備えて構成されている。本実施の形態にあっては、排気マニホルド12は4本のステンレス製の排気管13から形成されると共に、4本の排気管13はそれらの一端部側面の4箇所で溶接により接合されて1つにまとめられている(図8参照)。
【0027】
閉塞部材15は、金属材料の真鍮から略円盤状に形成されており、その中央部分には略十字状の孔18が穿設されている。なお、この閉塞部材15を形成する真鍮は、排気管13を形成するステンレスよりも熱伝導率の高い金属材料である。また、図7に示すように、1つにまとめられた排気管13の一端部の開口部14に対して溶接スパッタ付着防止装置11を取り付けた場合、孔18を介して、排気管13の一端面のミグ溶接が施される部分が露出した状態となる。
【0028】
図1〜図3に示すように、閉塞部材15には進退移動可能にスライド部材16を収容する収容孔19が4つ穿設されており、閉塞部材15の上面には収容孔19を包囲するようにストッパ20が突出形成されている。このストッパ20により、スライド部材16の収容孔19での進退移動が規制されるようになっている。また、閉塞部材15の端部には各収容孔19に連通する雌ネジ21が螺刻されており、それらの雌ネジ21には雄ネジ22が螺合されている。そして、雌ネジ21に対して雄ネジ22を螺入又は螺退させることにより、スプリング17の付勢力が調整されるようになっている。この雄ネジ22にはその螺合状態、すなわち調整されたスプリング17の状態を維持するためにナット23が螺合されている。
【0029】
スライド部材16は、閉塞部材15と同様に金属材料の真鍮から断面略L字状又は断面略逆L字状に形成されており、排気管13の内面に対して接離可能に配設されている。このスライド部材16の閉塞部材15に対する進退移動により、スライド部材16が排気管13の内面に対して接離可能な状態となる。スライド部材16の下部には、それぞれの排気管13の内部形状に対応した形状よりも若干小さめの挿嵌部24が形成されており、挿嵌部24の端部、すなわち排気管13の内面と接触する側の部分には、面取りが施されて湾曲部25が形成されている。なお、この湾曲部25が排気管13の内面に接触した状態では、排気管13と湾曲部25との境界部分には後述する溶接スパッタが侵入しにくい形状となっている。スライド部材16の上部には、ストッパ20に支持された略T字状の支持部26が形成されている。
【0030】
また、スライド部材16には収容孔19に連通する収容部27が凹設され、収容部27に対してスプリング17が伸縮可能な状態で収容されている。このスプリング17は、スライド部材16の進退方向の移動により、その進退移動に追従するように伸縮する。取付前の溶接スパッタ付着防止装置11では、スプリング17の付勢力により、スライド部材16は前進方向に移動された状態で保持されている。
【0031】
本実施の形態では、スライド部材16の進退移動を調整する調整手段として、スプリング17の付勢力を閉塞部材15の雌ネジ21、雄ネジ22及びナット23で調整するようにしたものが用いられている。この調整手段により、スライド部材16の進退移動が好適に調整される。
【0032】
さて、このように構成されてなる本実施の形態の溶接スパッタ付着防止装置は、以下の手順にて使用される。
【0033】
図3に示すように、まず、1つにまとめられた排気管13の一端部の開口部14に対して、溶接スパッタ付着防止装置11を上から取り付けるように配置する。この場合、それぞれの排気管13の開口部14に各スライド部材16の挿嵌部24を対応させるようにする。
【0034】
そして、図4に示すように、排気管13の一端部の開口部14に対して、溶接スパッタ付着防止装置11を上方から取り付ける。このとき、前進方向に移動されていたスライド部材16は、その挿嵌部24の湾曲部25で排気管13の内面に接触すると同時に、スプリング17の付勢力に反して後退方向に移動される。その後、挿嵌部24を排気管13の内面に湾曲部25で接触させながら押入して、排気管13の奥まで挿嵌する。
【0035】
すると、図5,図7に示すように、排気管13の一端部の開口部14に対して、溶接スパッタ付着防止装置11が安定した状態で着脱可能に取り付けられる。この場合、調整されたスプリング17の付勢力により、スライド部材16がその湾曲部25で排気管13の内面を押圧し、その押圧力によって挿嵌部24が排気管13の内面に対して密着した状態で保持されている。なお、図7では、排気管13の内面と挿嵌部24との間に隙間があるように描いてあるが、実際には排気管13の開口部14は閉塞部材15及び挿嵌部24で閉塞されている。この場合、挿嵌部24が排気管13の内面に対して隙間(逃げ)を有し、かつ、閉塞部材15が排気管13の開口部14を閉塞するような構造となっている。
【0036】
その後、排気管13の一端面の露出した部分をミグ溶接で溶接する。すなわち、相互に隣接する排気管13の隙間から外部に排気ガスが漏出しないようにするために、排気管13の一端面同士を密閉状態となるように溶接する。より詳しく説明すると、ミグ溶接機28のノズル29から連続的に送出される金属棒30の一部がアークの熱で溶融すると同時に、その溶融した金属棒30が排気管13の一端面に付着して溶接される。
【0037】
そして、ノズル29を移動させながら排気管13の一端面の所定位置を溶接すると、その溶接部分には十字状の溶接ビード31が膨出形成される(図10参照)。このとき、溶接ビード31以外の部分、すなわち閉塞部材15及び湾曲部25の少なくとも一方に溶接スパッタ32が飛散することがあるが、閉塞部材15及び湾曲部25によって排気管13の内面に溶接スパッタが付着することが確実に防止される。この場合、排気管13よりも熱伝導率の高い金属材料からなる閉塞部材15及び湾曲部25は溶接スパッタ32の熱を逃し易いため、溶接スパッタ32は閉塞部材15及び湾曲部25上で直ぐに冷却されて閉塞部材15及び湾曲部25には付着しにくい。ここで、溶接スパッタ32は、閉塞部材15及び湾曲部25上に載置された状態となり、閉塞部材15及び湾曲部25上から容易に除去される。
【0038】
また、仮に排気管13と湾曲部25との境界部分に向かって溶接スパッタ32が飛散したとしても、湾曲部25の方が排気管13よりも熱伝導率の高い金属材料にて形成されていることと、排気管13と湾曲部25との境界部分には溶接スパッタ32が侵入しにくいこととにより、排気管13と湾曲部25とが溶接スパッタ32で接合されることはない。
【0039】
最後に、図5に示した状態の溶接スパッタ付着防止装置11を排気管13の開口部14から取り外す場合、図6に示すように、溶接スパッタ付着防止装置11を上方に引き上げると、湾曲部25が排気管13の内面に接触しながら移動し、その後に排気管13の内面側に膨出形成された溶接ビード31に湾曲部25が接触する。このとき、後退方向に移動されていたスライド部材16は、その挿嵌部24の湾曲部25で溶接ビード31に接触すると同時に、スプリング17の付勢力に反して更に後退方向に移動される。
【0040】
その後、溶接スパッタ付着防止装置11を更に上方へ引き上げると、湾曲部25が溶接ビード31の外形に沿うように移動し、やがては湾曲部25が溶接ビード31から離間した状態になる。このとき、後退方向に移動されていたスライド部材16は、スプリング17の付勢力で前進方向に移動され、取付前の状態で保持される。このようにして、図6中二点鎖線で示すように、溶接スパッタ付着防止装置11を排気管13の一端部の開口部14から取り外す。以上のようにして、本実施の形態の溶接スパッタ付着防止装置11は使用される。
【0041】
以上詳述した本実施の形態によれば、下記に示す効果が得られるようになる。
【0042】
・本実施の形態では、排気管13の一端面の露出した部分をミグ溶接で溶接する際に、排気管13の開口部14を閉塞部材15及び挿嵌部24で閉塞することとした。このため、溶接スパッタ32が飛散した場合でも、排気管13の開口部14から排気管13の内面に溶接スパッタ32が付着するのを確実に防止することができる。
【0043】
・本実施の形態によれば、排気管13の一端部の開口部14に対する溶接スパッタ付着防止装置11の着脱作業を容易に行うことができるため、ミグ溶接時における作業性の向上を図ることができる。
【0044】
・本実施の形態によれば、雌ネジ21に対して雄ネジ22を螺入又は螺退させるだけで、スプリング17の付勢力を簡単に調整することができると共に、排気管13の内面に対して接離可能な状態となるように閉塞部材15に対するスライド部材16の進退移動も好適に調整することができるようになる。
【0045】
・本実施の形態では、閉塞部材15及び湾曲部25をステンレス製の排気管13よりも熱伝導率の高い真鍮にて形成することとした。このため、ミグ溶接時において溶接スパッタ32が閉塞部材15及び湾曲部25に飛散した場合でも、閉塞部材15及び湾曲部25に溶接スパッタ32が付着するのを抑制し、閉塞部材15及び湾曲部25上から溶接スパッタ32を容易に除去することができる。
【0046】
・本実施の形態によれば、排気管13と湾曲部25との境界部分に向かって溶接スパッタ32が飛散した場合でも、排気管13と湾曲部25とが溶接スパッタ32で接合されるのを未然に防止することができる。
【0047】
・本実施の形態によれば、排気管13の内面に対して溶接スパッタ32が付着するのを防止するために、溶接スパッタ付着防止装置11を使用するだけで済むため、ミグ溶接時における排気マニホルド12の製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
なお、前記実施の形態を次のように変更して実施することもできる。
【0049】
・前記実施の形態では、調整手段として、スプリング17の付勢力を雌ネジ21、雄ネジ22及びナット23で調整するようにしたものを用いたが、例えば油圧や空気圧等を用いてもよく、スライド部材16の進退移動を的確に調整できるものであれば、特に前記実施の形態のものに限定されるわけではない。
【0050】
・前記実施の形態では、閉塞部材15及びスライド部材16を真鍮にて形成したが、例えば銅等の金属材料や耐熱性等に優れたセラミックス等にて形成してもよく、特に真鍮に限定されるものではない。なお、この場合には、排気管13の金属材料よりも熱伝導率の高い材料であるのが望ましい。
【0051】
・前記実施の形態では、溶接方法として、アーク溶接であるミグ溶接を採用したが、例えばメタル・アクティブガス溶接(マグ溶接)を採用してもよく、特に溶接方法はミグ溶接に限定されるものではない。要は、溶接時に溶接スパッタが飛散するような溶接方法に対して適用すればよい。
【0052】
・前記実施の形態では、排気管13をステンレスにて形成したが、例えば鋳鉄等の金属材料にて形成してもよい。
【0053】
・前記実施の形態では、4本の排気管13を用いるようにしたが、排気管の本数は2本以上であれば、その本数は任意である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、排気管の内面に対する溶接スパッタの付着を確実に防止することができると共に、溶接時における作業性の向上を図ることができる。
【0055】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、スプリングの付勢力をネジで簡単に調整することができると共に、排気管の内面に対して接離可能な状態となるように閉塞部材に対するスライド部材の進退移動も調整することができるようになる。
【0056】
請求項3に記載の発明よれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、閉塞部材及びスライド部材に溶接スパッタが付着するのを抑制し、閉塞部材及びスライド部材上から溶接スパッタを容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶接スパッタ付着防止装置の一実施の形態を示す平面図。
【図2】同実施の形態の溶接スパッタ付着防止装置を示す底面図。
【図3】同実施の形態における溶接スパッタ付着防止装置の取付前の断面構造を模式的に示す断面図。
【図4】同実施の形態における溶接スパッタ付着防止装置の取付直前の状態を模式的に示す断面図。
【図5】同実施の形態における溶接スパッタ付着防止装置の取付後の断面構造を模式的に示す断面図。
【図6】同実施の形態の溶接スパッタ付着防止装置を取外す直前の断面構造を模式的に示す断面図。
【図7】同実施の形態における溶接スパッタ付着防止装置の取付後の状態を模式的に示す平面図。
【図8】4本の排気管を1つにまとめた状態を模式的に示す平面図。
【図9】排気管のミグ溶接後の状態を模式的に示す断面図。
【図10】同じく、排気管のミグ溶接後の状態を模式的に示す平面図。
【符号の説明】
11 溶接スパッタ付着防止装置
13 排気管
14 開口部
15 閉塞部材
16 スライド部材
17 スプリング
21 雌ネジ
22 雄ネジ
23 ナット

Claims (3)

  1. 金属材料からなる複数の排気管がそれらの一端部側面で溶接により1つにまとめられ、そのまとめられた一端部の開口部に対して着脱可能に取り付けられる溶接スパッタ付着防止装置であって、
    前記取付後に前記排気管の一端面のアーク溶接が施される部分を露出させると共に、前記開口部を閉塞するように配設された閉塞部材と、
    前記閉塞部材に対して進退移動可能に支持されると共に、前記排気管の内面に対して接離可能に配設されたスライド部材と、
    前記スライド部材の進退移動を調整する調整手段と
    を備えたことを特徴とする溶接スパッタ付着防止装置。
  2. 前記調整手段はスプリングの付勢力をネジで調整するようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の溶接スパッタ付着防止装置。
  3. 前記閉塞部材及び前記スライド部材は、前記排気管の金属材料よりも熱伝導率の高い金属材料にて形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接スパッタ付着防止装置。
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