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JP4033463B2 - リン酸誘導体基及びスルホン酸(塩)基を有するアクリルアミド(共)重合体、それを用いた導電材及び導電性樹脂組成物、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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JP4033463B2 - リン酸誘導体基及びスルホン酸(塩)基を有するアクリルアミド(共)重合体、それを用いた導電材及び導電性樹脂組成物、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

リン酸誘導体基及びスルホン酸(塩)基を有するアクリルアミド(共)重合体、それを用いた導電材及び導電性樹脂組成物、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電材(導電性樹脂)、親水性樹脂等の原料として有用なリン酸誘導体基及びスルホン酸(塩)基を有するアクリルアミド(共)重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スルホン酸塩基等の電解質基を有するアクリルアミド系重合体は、繊維、紙・パルプ用改質剤、水処理剤、塗料、コーティング剤、接着剤、写真用フィルムの中間層、感光性樹脂、石油回収用増粘剤、医療用ポリマー、化粧品用添加剤、帯電防止剤、界面活性剤用の添加剤、導電性樹脂、各種分散剤等の広い用途において使用されている。
【0003】
例えば特許文献1は、下記式(13):
【化27】
Figure 0004033463
(式中Mは水素、アンモニウム又はアルカリ金属を示す)により示される繰り返し単位が80重量%以上で、アクリル酸、メタクリル酸、p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-メタアクリロイルオキシエチルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸並びにこれらの酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体を20重量%以下有し、且つ0.05重量%以下の架橋成分を含有する非水溶性で自重の500倍以上の高吸水性を有するスルホン酸塩基含有アクリルアミド系架橋樹脂を開示している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5-339322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1のスルホン酸塩基含有アクリルアミド系架橋樹脂は、電解質基としてスルホン酸塩基のみを有するものである。電解質基含有アクリルアミド系重合体の導電性、親水性等の性能向上を図るには、電解質基含有アクリルアミド系重合体がスルホン酸塩基とその他の電解質基とを両方含むのが好ましい。特に電解質基含有アクリルアミド系重合体を導電性樹脂として用いる場合の耐酸化性向上及び低コスト化のためには、電解質基としてリン酸誘導体基を含むのが好ましい。しかしリン酸誘導体基及びスルホン酸塩基を両方含むアクリルアミド系重合体は見出されていないのが現状である。
【0006】
従って、本発明の目的は、リン酸誘導体基及びスルホン酸(塩)基を有するアクリルアミド(共)重合体、それを用いた導電材及び導電性樹脂組成物、並びにそれらの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)(共)重合体とリン酸源化合物とを反応させることにより得られた(共)重合体、及びその(共)重合体の少なくとも一部を加水分解したアクリルアミド(共)重合体は、リン酸誘導体基とスルホン酸(塩)基とを有することを見出し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明の第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、下記一般式(3):
【化28】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位からなるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応せしめてなり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体の少なくとも一部が、前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基による分子内架橋及び/又は分子間架橋により結合されて、下記一般式(4):
【化29】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じであり、Yはリン酸誘導体基を表す。)により表され、前記一般式(4)におけるYが下記一般式(5):
【化30】
Figure 0004033463
(ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基、及び/又は下記一般式(6):
【化31】
Figure 0004033463
(ただしtは0又は1を表す。)により表されるオキシ塩化リン誘導体基である構成単位が形成されていることを特徴とする。
【0009】
前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と前記リン酸源化合物との配合割合は、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基に対する前記リン酸源化合物のモル比が、前記アミド基:前記リン酸源化合物=1:0.01〜1であるのが好ましい。
【0010】
本発明の第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の少なくとも一部を加水分解したことを特徴とする。
【0011】
本発明の第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が有する前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基を全て加水分解してなり、下記一般式 (1)
【化32】
Figure 0004033463
(ただし R 1 は水素又はメチル基であり、 R 2 及び R 3 は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、 R 4 は炭素数1〜3のアルキレン基であり、 M は水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位からなり、前記一般式 (1) における X は下記一般式 (2)
【化33】
Figure 0004033463
(ただし k は0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基又は水素であり、前記一般式 (2) により表されるリン酸誘導体基と前記水素のそれぞれのモル%は、前記一般式 (2) により表されるリン酸誘導体基=1〜 100 、前記水素= 99 〜0であることを特徴とする。
【0012】
のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、下記一般式(14):
【化34】
Figure 0004033463
(ただしMは上記式(1)と同じである。)により表される構成単位からなり、前記一般式(14)におけるX'は下記一般式(15):
【化35】
Figure 0004033463
により表されるホスホン酸基又は水素であり、前記ホスホン酸基と前記水素のそれぞれのモル%は、前記リン酸誘導体基=1〜100、前記水素=99〜0であるのが好ましい。第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体において、前記リン酸誘導体基と前記水素のそれぞれのモル%は、前記リン酸誘導体基=80〜100、前記水素=20〜0であるのが好ましい。
【0013】
本発明の第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、下記一般式(3):
【化36】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位と、下記式(11):
【化37】
Figure 0004033463
により表されるアクリルニトリル骨格単位とからなるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応せしめてなり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体の少なくとも一部が、前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基による分子内架橋及び/又は分子間架橋により結合されて、下記一般式(4):
【化38】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じであり、Yはリン酸誘導体基を表す。)により表され、前記一般式(4)におけるYは下記一般式(5):
【化39】
Figure 0004033463
(ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基、及び/又は下記一般式(6):
【化40】
Figure 0004033463
(ただしtは0又は1を表す。)により表されるオキシ塩化リン誘導体基である構成単位が形成されていることを特徴とする。
【0014】
前記一般式(3)により表される構成単位と前記アクリルニトリル骨格単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式(3)により表される構成単位]=5〜95、[前記アクリルニトリル骨格単位]=95〜5であり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と前記リン酸源化合物との配合割合は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基に対する前記リン酸源化合物のモル比が、前記アミド基:前記リン酸源化合物=1:0.01〜1であるのが好ましい。
【0015】
本発明の第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の少なくとも一部を加水分解したことを特徴とする。
【0016】
本発明の第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体が有する前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基を全て加水分解してなり、 (a) 下記一般式 (10)
【化41】
Figure 0004033463
(ただし R 1 は水素又はメチル基であり、 R 2 及び R 3 は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、 R 4 は炭素数1〜3のアルキレン基であり、 k は0〜2の整数を表し、 M は水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位と、 (b) 下記一般式 (3)
【化42】
Figure 0004033463
(ただし R 1 R 4 及び M は前記一般式 (10) と同じである。)により表される構成単位と、
(c) 下記式 (11)
【化43】
Figure 0004033463
により表されるアクリルニトリル骨格単位とからなり、前記一般式 (10) により表される構成単位及び前記一般式 (3) により表される構成単位の和と前記アクリルニトリル骨格単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式 (10) により表される構成単位 前記一般式 (3) により表される構成単位]=5〜 95 、[前記アクリルニトリル骨格単位]= 95 〜5であり、前記一般式 (10) により表される構成単位と前記一般式 (3) により表される構成単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式 (10) により表される構成単位]=1〜 100 、[前記一般式 (3) により表される構成単位]= 99 〜0であることを特徴とする。
【0017】
のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体及び第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、前記分子内架橋による構成単位、(a) 下記一般式(7):
【化44】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、
(b) 下記一般式(8):
【化45】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、及び
(c) 下記一般式(9):
【化46】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
【0018】
のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体及び第のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、前記一般式(4)により表される構成単位と、下記一般式(10):
【化47】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、kは0〜2の整数を表し、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位とを有し、それぞれのモル%が[前記一般式(4)により表される構成単位]=99〜0、[前記一般式(10)により表される構成単位]=1〜100であるのが好ましい。
【0019】
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の第一の製造方法は、下記一般式(12):
【化48】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)を重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応させることを特徴とする。
【0020】
前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と前記リン酸源化合物との反応により得られたリン酸誘導体基含有アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体の少なくとも一部を加水分解するのが好ましい。
【0021】
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の第二の製造方法は、下記一般式(12):
【化49】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)を重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物と、水とを反応させることを特徴とする。
【0022】
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の第一の製造方法は、下記一般式(12):
【化50】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)と、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する他の不飽和単量体とを共重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応させることを特徴とする。
【0023】
前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と前記リン酸源化合物との反応により得られたリン酸誘導体基含有アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体の少なくとも一部を加水分解するのが好ましい。
【0024】
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の第二の製造方法は、下記一般式(12):
【化51】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)と、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する他の不飽和単量体とを共重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物と、水とを反応させることを特徴とする。前記他の不飽和単量体はアクリルニトリルであるのが好ましい。
【0025】
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の第一及び第二の製造方法、並びに本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の第一及び第二の製造方法において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)はターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸であるのが好ましい。ジメチルホルムアミド及び/又はジメチルスルホキシドを反応溶媒として用いるのが好ましい。
【0026】
本発明の導電材は、第一〜第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体のいずれかを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の導電性樹脂組成物は、(a) 第一〜第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体のいずれかと、 (b) ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びメラミン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の重合体とを含む混合物からなることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
[1] リン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
本発明の第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、下記一般式(1):
【化52】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位からなる。一般式(1)において、Xは下記一般式(2):
【化53】
Figure 0004033463
(ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基又は水素であり、リン酸誘導体基と水素のそれぞれのモル%は、リン酸誘導体基=1〜100、水素=99〜0である。
【0029】
第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法は、下記一般式(3):
【化54】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)を繰り返し単位とするアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、リン酸源化合物とを反応せしめ、得られた反応物(第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体)が含むリン酸誘導体基を全て加水分解することを基本とする。第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が含むリン酸誘導体基のうちの一部を加水分解することにより得られる反応物を、第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体とする。以下第一〜第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法について詳細に説明する。
【0030】
(1) アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体
アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体は、下記一般式(12):
【化55】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体を重合せしめてなる。アクリルアミドアルカンスルホン酸単量体は、活性水素を有しない第3級アミンと錯塩を形成していてもよい
【0031】
アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体としては、下記式(16):
【化56】
Figure 0004033463
に示すターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS)を用いるのが好ましい。ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸は、例えば三菱レイヨン(株)から市販されている。
【0032】
アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体の重合手順について述べる。重合反応は、原料のアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体及び生成する重合体の双方が溶解する共通溶媒中で、アンモニウムパーサルフェート(APS)、カリウムパーサルフェート(KPS)、アセチルパーオキサイド、イソプロピルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤、2, 2’-アゾビスイソブチロニトリル、2, 2 ’-アゾビス(2, 4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2, 2 ’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジメチル2, 2 ’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、あるいはラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシ・ピバレート等の過酸化物系開始剤、過酸化水素等の重合開始剤を用いて、ラジカル重合により行う。
【0033】
まず攪拌器、還流冷却器付き反応器に(アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体+溶媒)からなる溶液を投入し、40〜90℃、好ましくは50〜80℃に昇温する。所定温度到達直後に重合開始剤を添加する。このとき若干の発熱があり、重合開始を確認することができる。所定温度に到達してから約1時間間隔で重合開始剤を2〜3回添加し、その後1時間程度重合反応を継続する。反応温度は最初から最後まで一定である必要はなく、重合末期に温度を上げて未反応単量体を極力少なくする方法をとってもよい。
【0034】
溶媒としては水、ジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用する。水には少量の水溶性溶媒を共存させてもよく、係る水溶性溶媒としてメタノール、ジオキサン、イソプロピルアルコール、エーテル等が挙げられる。
【0035】
重合溶液はスルホン酸(塩)基含有アクリルアミド単量体成分の初期濃度が10 〜40 質量%であるのが好ましく、20 〜30 質量%であるのがより好ましい。重合開始剤のトータル使用量は、単量体成分を100とした場合に重量比で0.1 〜10であるのが好ましく、0.1〜3であるのがより好ましい。
【0036】
反応後の溶液は、重合体だけでなく、未反応の単量体、重合度の不十分な成分等の不純物も含んでいるので、精製を行う。精製は、重合溶液を貧溶媒中に投入することにより粘性固体を析出させ、貧溶媒をデカンテーション法により除去することにより行う。反応溶液を貧溶媒中に投入する前に、重合溶液の固形分濃度が40 〜60 質量%になるまで濃縮してもよい。貧溶媒としてはクロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、n-ヘキサン等が好ましく、中でもクロロホルムとアセトンを1:1の容積比で混合したものがより好ましい。貧溶媒は反応生成物の有姿の2倍容積〜15 倍容積と大過剰量使用する。貧溶媒による粘性固体の洗浄操作は必要に応じて繰り返せばよい。
【0037】
(2) 第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
(i) 製造方法
第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の合成手順について述べる。まず攪拌器、還流冷却器付き反応器に(上記(1)で調製したアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体+溶媒)からなる溶液を投入し、30〜80℃、好ましくは50〜80℃に昇温する。所定温度到達後に所定量のリン酸源化合物を添加する。リン酸源化合物は一括添加してもよいが、2回以上に分けて添加するのが好ましい。リン酸源化合物を2回以上に分けて添加することにより、発熱反応の暴走を防止し、70〜80℃の適性反応温度に制御しやすい。また得られる重合体におけるリン酸源化合物由来のリン酸誘導体基による変性率が、リン酸源化合物の添加量から計算される値に近くなる。但し2回以上に分割添加することに限定する趣旨ではない。リン酸源化合物の添加により発熱があり、90℃程度まで反応温度が上昇することもある。その後反応溶液を70〜90℃に保ち、0.5〜2時間反応を継続して終わる。次いで70 ℃程度で(反応温度が70 ℃を超える場合は70 ℃程度まで自然冷却した後)、非加熱状態において反応溶液の4〜8倍容積の貧溶媒を投入することにより40〜50℃に液温を降下させ、粘性固体を析出させ、吸引ろ過により粘性固体を濾別する。
【0038】
リン酸源化合物は、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましく、無水リン酸であるのがより好ましい。アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体とリン酸源化合物との配合割合は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基に対するリン酸源化合物のモル比が、アミド基:リン酸源化合物=1:0.01〜1であるのが好ましく、1:0.8〜1であるのがより好ましい。
【0039】
反応を促進し、かつ副生成物の生成を抑制するため、反応溶液は原料の初期濃度が20〜50質量%であるのが好ましく、20〜30質量%であるのがより好ましい。溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMF)及び/又はジメチルスルホキシド(DMSO)を用いるのが好ましく、収率向上のためにはジメチルホルムアミドを単独で用いるのがより好ましい。これらの溶媒に、活性水素を有しない非極性溶媒を必要に応じて混合してもよい。非極性溶媒としては、例えばジオキサン、トルエン、キシレン、トリクレン、パークレン等を挙げることができる。混合割合は、溶媒全体を100質量%として非極性溶媒を30質量%以下とするのが好ましい。
【0040】
反応後の溶液は、所望の重合体が主成分であるが、高沸点溶剤を含んでいるので、精製を行う。精製は上記(1)でアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体について述べたのと同じ方法により行えばよい。精製することにより、導電性に優れたリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が得られる。
【0041】
洗浄後の反応物(第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体)を乾燥する。乾燥はオーブン等を用いて60〜80℃で、6〜24時間熱風乾燥するのが好ましい。
【0042】
(ii) 第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
かくして得られる第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、下記一般式(4):
【化57】
Figure 0004033463
(ただしR1〜R4及びMは一般式(1)と同じであり、Yはリン酸誘導体基を表す。)により表される分子内架橋及び/又は分子間架橋による構成単位を含む。一般式(4)におけるYは下記一般式(5):
【化58】
Figure 0004033463
(ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基、及び/又は下記式(6):
【化59】
Figure 0004033463
(ただしtは0又は1を表す。)により表されるオキシ塩化リン誘導体基であるのが好ましい。
【0043】
第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体)は、リン酸源化合物としてリン酸及びポリリン酸(ピロリン酸、トリリン酸等)を用いた場合、下記式(17):
【化60】
Figure 0004033463
(ただしkは0〜2の整数を表す。)により表される構成単位も含む。
【0044】
第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体)は、リン酸源化合物としてオキシ塩化リン(塩化ホスホリル、塩化ピロホスホリル等)を用いた場合、下記式(18):
【化61】
Figure 0004033463
(ただしtは0又は1を表す。)により表される構成単位も含む。
【0045】
リン酸源化合物として無水リン酸を用いた場合、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、例えば下記式(19):
【化62】
Figure 0004033463
により表される反応式に従って合成される。上記式(19)において、a、bはそれぞれモル比を示し、a≧2bである。上記式(19)において下記一般式(20):
【化63】
Figure 0004033463
により表され、分子内架橋を表す構成単位は、下記式(7):
【化64】
Figure 0004033463
により表される構成単位、下記式(8):
【化65】
Figure 0004033463
により表される構成単位、及び下記式(9):
【化66】
Figure 0004033463
により表される構成単位からなる群から選ばれた少なくとも一種である。
【0046】
リン酸源化合物として無水リン酸を用いた場合、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、上記式(7)〜(9)により表されるような分子内架橋成分を主成分として有するものと推定される。その根拠は、上記(i)で述べた方法により、一般式(4)により表される構成単位を主成分とする重合体を調製し、これを加水分解した場合に、重合体の粘度が上がる点にある。一般式(4)により表される構成単位を主成分とする重合体の架橋が分子間架橋を主成分とするのであれば、加水分解した場合に重合体の粘度が下がると考えられる。
【0047】
第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、アミド基がリン酸源化合物により変性された構成単位と、未変性の構成単位のそれぞれのモル%が、変性構成単位=1〜100、未変性構成単位=99〜0であるのが好ましい。第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、30質量%のジメチルホルムアミド溶液を調製した場合の25℃における粘度が10〜20000cpsの黄褐色固体である。変性構成単位と未変性構成単位のそれぞれのモル%は、変性構成単位=80〜100、未変性構成単位=20〜0であるのがより好ましい。
【0048】
得られた第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基は、解離していてもよいし、錯塩又は金属塩を形成させても良い。錯塩を形成させる場合には、活性水素を有しない第3級アミンと錯塩を形成するのが好ましい。金属塩を形成させる場合には、アルカリ金属と金属塩を形成させるのが好ましい。
【0049】
(3) 第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
(i) 第一の製造方法
第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、例えば下記式(21):
【化67】
Figure 0004033463
に示すように、上記(2)で述べた第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基を全て加水分解することにより調製することができる。
【0050】
加水分解手順について述べる。まず攪拌器、還流冷却器付き反応器に(第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体+溶媒)からなる溶液を投入し、40〜80℃、好ましくは70〜80℃に昇温する。所定温度到達直後に水を添加し、2時間程度反応を継続する。水の添加量は、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基を全て加水分解するに足る量であればよく、例えばリン酸誘導体基がピロホスホン酸基である場合、ピロホスホン酸基とのモル比が1以上となるようにし、好ましくは1.5以上となるようにする。
【0051】
反応を促進し、かつ副生成物の生成を抑制するため、反応溶液は原料の初期濃度が20〜50質量%であるのが好ましく、20〜40質量%であるのがより好ましい。溶媒は、上記(2)で述べた第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の合成に使用するものと同じでよい。得られた粘性固体は、上記(1)でアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体について述べたのと同じ方法により精製するのが好ましい。
【0052】
(ii) 第二の製造方法
第三のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、上記(1)で述べたスルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体と、リン酸源化合物と、水とを反応させることによっても調製することができる。リン酸源化合物としては、上記(2)で述べた第一のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体を合成する場合と同じでよいが、無水リン酸が好ましい。
【0053】
合成手順について述べる。まず攪拌器、還流冷却器付き反応器に(アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体+溶媒)からなる溶液を投入し、30〜50℃に昇温する。所定温度到達後に水を添加し、さらに数分後にリン酸源化合物を添加する。リン酸源化合物は一括添加するのが好ましい。これにより第一のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の生成反応が促進され、収率が向上する。但し一括添加することに限定する趣旨ではない。リン酸源化合物の添加により発熱があり、通常80〜90℃程度まで反応温度が上昇する。その後70〜80℃に保ち、0.5〜2時間反応を継続する。
【0054】
アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、リン酸源化合物と、水とを反応させる際の原料比は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基1モルに対して、リン酸源化合物が0.5〜1モルであり、水の添加量はリン酸源化合物の加水分解に必要な量であることを基本とする。例えばリン酸源化合物が、無水リン酸である場合、アミド基1モルに対して無水リン酸の添加量を0.5モルとし、水の添加量は無水リン酸と等モルとする。但し無水リン酸及び水は、上記モル比よりも5〜15%過剰に添加するのが好ましい。反応を促進し、かつ副生成物の生成を抑制するため、反応溶液は原料の初期濃度が20〜50質量%であるのが好ましく、20〜40質量%であるのがより好ましい。溶媒は、上記(2)で述べた第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の合成に使用するものと同じでよい。得られた粘性固体は、上記(1)でアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体について述べたのと同じ方法により精製するのが好ましい。
【0055】
(iii) 第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
かくして得られる第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、30質量%のジメチルホルムアミド溶液を調製した場合の25℃における粘度が10〜20000cpsである。前記リン酸誘導体基と前記水素のそれぞれのモル%は、リン酸誘導体基=80〜100、水素=20〜0であるのが好ましい。
【0056】
アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体として、上記式(16)により表されるものを用いた場合、第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、下記一般式(14):
【化68】
Figure 0004033463
(ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基である。)により表されるものとなる。一般式(14)において、X'は下記一般式(15):
【化69】
Figure 0004033463
により表されるホスホン酸基又は水素であり、ホスホン酸基と水素のそれぞれのモル%は、ホスホン酸基=1〜100、水素=99〜0である。ホスホン酸基と水素のそれぞれのモル%は、ホスホン酸基=80〜100、水素=20〜0であるのが好ましい。
【0057】
得られた第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のホスホン酸基は、解離していてもよいし、錯塩又は金属塩を形成させても良い。錯塩を形成させる場合には、活性水素を有しない第3級アミンと錯塩を形成するのが好ましい。金属塩を形成させる場合には、アルカリ金属と金属塩を形成させるのが好ましい。
【0058】
(4) 第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
(i) 第一の製造方法
第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、例えば下記式(22):
【化70】
Figure 0004033463
(但しc、dはそれぞれモル比を示し、c>dである。)に示すように、上記(2)で述べた第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体を部分的に加水分解することにより調製することができる。
【0059】
加水分解手順は、水の添加量を、第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が含むリン酸誘導体基の少なくとも一部を加水分解するに足る量とする以外は、上記(3)(i)で述べた第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体を調製する場合と同じである。第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が含むリン酸誘導体基が、例えばピロホスホン酸基である場合、水の添加量は、ピロホスホン酸基とのモル比が0.01〜0.96となるようにするのが好ましい。
【0060】
(ii) 第二の製造方法
第二のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、上記(1)で述べたスルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体と、リン酸源化合物と、水とを反応させることによっても調製することができる。合成手順は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、リン酸源化合物と、水とを反応させる際の原料比を、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基1モルに対して、リン酸源化合物を0.01〜1モルとする以外は、上記(3)(ii)で述べた第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体を調製する場合と同じである。例えばリン酸源化合物が無水リン酸である場合、水の添加量を無水リン酸と等モルとする。
【0061】
(iii) 第二のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体
かくして得られる第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、アミド基がリン酸源化合物により変性された構成単位と、未変性の構成単位のそれぞれのモル%が、変性構成単位=1〜100、未変性構成単位=99〜0であるのが好ましく、変性構成単位=80〜100、未変性構成単位=20〜0であるのがより好ましい。第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、リン酸誘導体基により変性されたアミド基のうち上記式(10):
【化71】
Figure 0004033463
により表される加水分解基が1〜100モル%であるのが好ましく、80〜100モル%であるのがより好ましい。
【0062】
第二のホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体を30質量%のジメチルホルムアミド溶液を調製した場合の25℃における粘度は、10〜20000cpsである。
【0063】
上記(2)で第一のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体について述べたように、リン酸源化合物として無水リン酸を用いた場合、第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、未加水分解成分として、上記式(7)〜(9)により表されるような分子内架橋成分を主成分として有するものと推定される。
【0064】
得られた第二のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基(加水分解された基及び加水分解されていない基の両方を指す)は、解離していてもよいし、錯塩又は金属塩を形成させても良い。錯塩を形成させる場合には、活性水素を有しない第3級アミンと錯塩を形成するのが好ましい。金属塩を形成させる場合には、アルカリ金属と金属塩を形成させるのが好ましい。
【0065】
[2] リン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体
本発明の第一〜第三のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体は、上述の通りいずれもアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体を基本物質として合成することができる。本発明において、基本物質であるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体は、アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体と分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する他の不飽和単量体とを共重合してなる共重合体であってもよい。アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)単量体と共重合し得る不飽和単量体は次の2群(1)、(2)に大別できる。
【0066】
(1) 官能基を含有する不飽和単量体
官能基を含有する不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つの官能基と、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。官能基としては、酸性基、アルコール性水酸基、アルキルアミノ基(アミド基も有するものも含む)等を挙げることができる。酸性基を含有する不飽和単量体としては、酸性基としてリン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及び水酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種を有するものが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格等を挙げることができる。
【0067】
(i) リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、下記一般式(23):
【化72】
Figure 0004033463
(ただしR5は水素又はアルキル基であり、R6は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体が好ましい。R5はH又はCH3であり、R6はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
【0068】
一般式(23)により表されるリン酸基含有不飽和単量体のうち、本発明に好適に使用できる単量体の構造式を表1に示し、これらの単量体の物性を表2に示す。これらの単量体はユニケミカル(株)から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし、本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。
【0069】
【表1】
Figure 0004033463
【0070】
【表2】
Figure 0004033463
【0071】
リン酸基は上記[1]でリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基について述べたのと同じく、解離していてもよいし、アンモニウムイオンと錯塩を形成していても良いし、アルカリ金属と金属塩を形成していても良い。一般式(23)で表されるリン酸基含有不飽和単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0072】
(ii) スルホン酸基含有不飽和単量体
スルホン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、下記一般式(24):
【化73】
Figure 0004033463
(ただしR7は水素又はメチル基である。)により表される化合物、下記一般式(25):
【化74】
Figure 0004033463
(ただしR8は水素又はメチル基であり、Zは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(26):
【化75】
Figure 0004033463
(ただしR9は水素又はメチル基であり、Qは−O−基又は−NH−基であり、Zは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
【0073】
上記一般式(24)〜(26)のいずれかにより表されるスルホン酸基含有不飽和単量体としては、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0074】
ただしアリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸は、そのアリル基が、退化(的)連鎖移動(degradative chain transfer)を起こすので、共重合体を調製する場合には使用量を僅少にするのが好ましい。具体的には、多くても10質量%程度の使用量にする。
【0075】
スルホン酸基は上記[1]でリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体のリン酸誘導体基について述べたのと同じく、解離していてもよいし、アンモニウムイオンと錯塩を形成していても良いし、アルカリ金属と金属塩を形成していても良い。
【0076】
(iii) カルボン酸基を含有する不飽和単量体
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0077】
(iv) アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体
アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体としては、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0078】
(v) アルキルアミノ基を含有する不飽和単量体
アルキルアミノ基を含有する不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
【0079】
(2) 官能基を含有しない不飽和単量体
官能基を含有しない不飽和単量体(官能基非含有不飽和単量体)としては、(1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和単量体はすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類;置換又は無置換のスチレン類;塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル類が好適に使用される。1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなども共重合体の耐化学薬品性を改良する目的をもって使用される。またパーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル基含有ビニル類;ハイドロフルオロアルキル基含有ビニル類等は、共重合体の耐熱性改善に好適である。
【0080】
(3) 各不飽和単量体の使用割合
リン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体に用いるスルホン酸(塩)基含有アクリルアミド単量体(イ)と、他の不飽和単量体(ロ)とのモル比(イ)/(ロ)は、100/1〜5/95の範囲であるのが好ましく、100/1〜40/60の範囲であるのがより好ましい。また他の不飽和単量体(ロ)の中で、官能基を含有する不飽和単量体(1) とそれ以外の不飽和単量体(2) のモル比は、導電性にプラス効果をもたらす不飽和単量体(1) が支配的になるように、不飽和単量体(1)/不飽和単量体(2) =100/0〜50/50の範囲とするのが好ましい。
【0081】
(4) リン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の基本物質であるアクリルアミドアルカンスルホン酸共重合体は、単量体原料として上記他の不飽和単量体が加わる以外は、上記[1](1)に記載の合成手順に従って製造することができる。本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体は、アクリルアミドアルカンスルホン酸共重合体を基本物質として上記[1]の(2)〜(4)に記載の方法と同様にして調製することができる。
【0082】
[3] キャスト膜
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体を含有するポリマー溶液を調製し、これを用いてフィルム状に成型することによりキャスト膜が得られる。ただしキャスト膜を製造する際の造膜性や、得られるキャスト膜の強度、耐水性、耐薬品性等を向上させるために、本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体と相溶し得るその他の重合体を混合し、導電性樹脂組成物とするのが好ましい。
【0083】
(1) 混合し得る他の重合体
本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体と相溶し得るその他の重合体としては低級アルコール溶解性高分子及び親水性高分子が好ましい。低級アルコール溶解性高分子としては、ポリアミド樹脂、水溶性ウレタン等を挙げることができる。親水性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、セルロース及びその変性物等を挙げることができる。ポリアミド樹脂は、キャスト膜を作製する際の造膜性や、得られるキャスト膜の強度、耐水性、耐薬品性等を向上させる効果を有する。ポリビニルアルコールは、キャスト膜の導電性を向上させる効果を有する。ポリビニルアルコールを用いてキャスト膜を作製する場合、耐水性を持たすためにポリアミド樹脂又はメラミン樹脂を添加するのが好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合は、その重合度、融点、鹸化度等を適宜考慮し、必要に応じたものを選択する。
【0084】
ポリアミド樹脂は、ポリマー溶液を調製するための溶媒に対する溶解性を有するものであれば特に限定されない。ポリアミド樹脂の分子量は、1,000 〜1,000,000であるのが好ましく、2,000 〜500,000であるのがより好ましく、5,000 〜150,000であるのがさらに好ましい。
【0085】
好ましく用いることのできるポリアミド樹脂としては、下記一般式(27):
【化76】
Figure 0004033463
(ただし一般式(27)において、R10及びR11は置換または無置換のアルキレン基を表し、R12はメチレン基を表し、R13は置換または無置換のアルキル基を表し、mとwはアルコキシメチル基置換比を表し、10≦m≦50、50≦w≦90であって、mとwとの和は100である。)により表されるN-アルコキシメチル化ナイロンが挙げられる。
【0086】
一般式(27)において、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数3〜20の置換又は無置換のアルキレン基を表す。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン等が挙げられる。R10及びR11としては炭素数5〜11の無置換のアルキレン基が好ましく、n-ペンチレンがより好ましい。R12はメチレン基を表す。
【0087】
R13は炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基を表す。置換基としてはR10及びR11について述べたものと同様でよい。好ましいR13はメチルである。
【0088】
mとwはアルコキシメチル基置換比を表し、mとwとの和は100である。10≦m≦50、50≦w≦90であるのが好ましく、20≦m≦30、70≦w≦80であるのがより好ましい。mが10未満だと溶媒への溶解性が低下するので好ましくない。また置換基の立体障害のためmを50超にすることは困難である。
【0089】
一般式(27)のN-アルコキシメチル化ナイロンの具体例としては、ナイロン-6、ナイロン-66、ナイロン-12、共重合ナイロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられるが、好ましくはナイロン-6又はナイロン-66のN-メトキシメチル化ナイロン類である。また商品としてはナガセケムテックス(株)から製販されているトレジンF30K、トレジンMF-30、トレジンEF-30T等が挙げられる。
【0090】
ホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体とその他の重合体との比率[(ホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体)/(その他の重合体)]は、キャスト膜を作製する際の造膜性の観点からは、固形分重量ベースで5/5以下であるのが好ましい。但し係る比率が1/9未満だと導電性が不十分である。
【0091】
ポリアミド樹脂を含むキャスト膜が、耐薬品性、膜強度及び均一性に優れる理由は必ずしも定かではないが、(イ) ポリアミド樹脂が造膜性に優れること、(ロ) ホスホン酸基間の会合により見かけの架橋が生成すること等が寄与しているものと考えられる。特にポリアミド樹脂としてN-アルコキシメチル化ナイロンを用いた場合は、(ハ) ホスホン酸基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体のホスホン酸基及び/又はスルホン酸(塩)基が、N-アルコキシメチル化ナイロンの架橋触媒として作用し、N-アルコキシメチル化ナイロン同士が架橋することも寄与しているものと考えられる。
【0092】
(2) 製造手順
ポリマー溶液は、本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体を含む溶液と、その他の重合体を含む溶液とを混合することにより調製する。このリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体及びその他の重合体のそれぞれを溶解させておく溶媒としては、水又は脂肪族低級アルコールが好ましい。特にその他の重合体としてN-アルコキシメチル化ナイロンを使用する場合は脂肪族低級アルコールを用いる。具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、中でもメタノールが好ましい。これらは2種以上併用してもよい。また併用出来る場合はエステル等の溶媒を共存させてもよい。リン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体とその他の重合体の比率については、上記(1)で述べた通りである。またポリマー溶液の樹脂固形分濃度は5〜30 質量%になるようにするのが好ましい。これにより均一かつ透明度の高いポリマー溶液が得られる。
【0093】
成型方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。例えばポリマー溶液を水平に設置したガラス板上にキャストし、溶媒を蒸発させる方法が挙げられる。溶媒は、キャストしたポリマー溶液を常温で減圧したり、溶媒の沸点より10〜30℃低い温度に加熱したりすることにより蒸発させることができる。キャスト膜は、キャストしたポリマー溶液から溶媒を蒸発させるだけでも製造することができるが、溶媒を蒸発させた後、さらに100 〜130 ℃に加熱することにより製造するのが好ましい。製膜したフィルム(皮膜)に対してさらに加熱或いは加熱と同時に延伸を施すことにより機械的強度を増すこともできる。キャスト法により得られる膜の厚みは通常30 〜500μm、好ましくは50 〜200μm程度である。
【0094】
(3) キャスト膜
かくして得られるキャスト膜は可撓性を有する非常に均一な組成物からなり、相異なる重合体(樹脂)からなる組成物としては非常に珍しい部類のものである。特に、その他の樹脂としてポリビニルアルコールを添加した場合、導電性向上の観点から有利である。
【0095】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0096】
参考例1
反応容器にターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS:三菱レイヨン(株)製、Mw:207)100 gを入れ、ジメチルホルムアミド(DMF)350 gに溶解し、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら70℃に加熱した。これに2, 2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1 gを加え、さらに約1時間間隔で0.1 gのAIBNを2回添加し、その後1時間程度70℃で重合反応を継続した。その後1000 mlのクロロホルム−アセトン混合溶媒(容積比;1:1)を投入し、50 ℃まで自然冷却したところ、反応液は白濁析出した。吸引ろ過によりDMF及びクロロホルム−アセトン混合溶媒を除去した後、400 mlのクロロホルム−アセトン混合溶媒で1回洗浄し、400 mlのテトラヒドロフラン(THF)で1回洗浄し、さらに400 mlのクロロホルム−アセトン混合溶媒で1回洗浄した。次いでオーブン中80℃で24時間熱風乾燥した。さらに固形分測定のために170℃で60分間熱風乾燥した。得られた白色固形分の酸価(1NのKOH水溶液を使用)を測定したところ、297 mg/gであった(理論酸価は270.5 mg/g)。生成物の22 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は、32 cpsであった。
【0097】
実施例1
参考例1と同様にして調製したTBAS重合体の22 質量%DMF溶液333.6 gを反応容器に入れ、撹拌しながら72℃に加熱した。これに無水リン酸(Mw:142)15.347 gを添加したところ、反応液は数秒で88 ℃まで上昇した。撹拌しながら73℃まで25分かけて自然冷却した後、無水リン酸15.186 gをさらに添加したところ、反応液は10数秒で78 ℃まで上昇した。さらに反応溶液を85〜90℃に加熱し、60分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、参考例1と同様にして粘性固体を析出させ、さらに精製した。次いで参考例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は85g(収率:86%)であった。得られた白色固体分の酸価を測定したところ、429 mg/gであり(理論酸価は402 mg/g)、上記式(4)により表される構成単位(但しYはピロホスホン酸基)を主成分とするピロホスホン酸基含有TBAS重合体が生成したことを確認した。生成物の31質量%DMF溶液の粘度(20℃)は50 cpsであった。
【0098】
実施例2
実施例1と同様にしてピロホスホン酸基含有TBAS重合体の31 質量%DMF溶液240gを調製した。これを反応容器に入れ、撹拌しながら58℃に加熱した。これに1.2 gの水を添加した後、80℃まで加温し、90分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、実施例1と同様にして粘性固体を析出させ、さらに精製した。次いで実施例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は65 g(収率:86%)であった。得られた白色固形分の酸価を測定したところ、520 mg/gであり(理論酸価は493 mg/g)、ピロホスホン酸基及びホスホン酸基を1:2のモル比で有するTBAS重合体が生成したことを確認した(加水分解率:約50%)。生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は60 cpsであった。
【0099】
実施例3
水の添加量を0.48 gとした以外は、実施例2と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を有するTBAS重合体を調製した(加水分解率:20%)。得られた生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は53 cpsであった。
【0100】
実施例4
水の添加量を0.96 gとした以外は、実施例2と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を有するTBAS重合体を調製した(加水分解率:40%)。得られた生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は58 cpsであった。
【0101】
実施例5
水の添加量を1.45 gとした以外は、実施例2と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を有するTBAS重合体を調製した(加水分解率:60%)。得られた生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は62 cpsであった。
【0102】
実施例6
水の添加量を1.93 gとした以外は、実施例2と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を有するTBAS重合体を調製した(加水分解率:80%)。得られた生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は66 cpsであった。
【0103】
実施例7
実施例2と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を1:2のモル比で有するTBAS重合体の31 質量%DMF溶液120 gを調製した。これを反応容器に入れ、撹拌しながら70℃に加熱した。これに3gの水を添加した後、80℃まで加温し、120分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、実施例1と同様にして粘性固体を析出・精製した。次いで実施例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は30 g(収率:78%)であった。得られた白色固形分の酸価を測定したところ、613 mg/gであり(理論酸価は585 mg/g)、上記式(14)により表される構成単位(但しX'はホスホン酸基)を主成分とするホスホン酸基含有TBAS重合体が生成したことを確認した(加水分解率:100%)。また生成物の31 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は69.7 cpsであった。
【0104】
得られたホスホン酸基含有TBAS重合体の31 質量%DMF溶液と、ポリビニルアルコール(商品名「ポバールRS-2113」、(株)クラレ製)の水溶液と、トリメトキシメチルメラミン(商品名「スミテックスレジンM-3」、住友化学工業(株)製)とを、固形分比がホスホン酸基含有TBAS重合体:、ポリビニルアルコール:トリメトキシメチルメラミン=5:5:1となるように均一に混合し、20%溶液を調製した。得られたポリマー溶液を、ポリプロピレン製フィルム製の容器に流延し、これを空気流通式乾燥機に入れ、常温から60℃まで昇温して約12時間乾燥した。生成した皮膜をスパチュラで剥離し、透明なフフィルムを得た。これを高温空気流通式乾燥機中120℃で3分間熱処理することにより厚さ100μmのキャスト膜を作製した。得られたキャスト膜はフレキシビリティーに優れていた。作製したキャスト膜について、20℃/RH=70%の条件下で表面固有抵抗を測定した結果、9.9×10Ω・cmであった。表面固有抵抗は、表面固有抵抗測定器(東亜電波工業(株)製SME-8310)により測定した(以下同様)。
【0105】
参考例2
単量体としてTBASを207 g及びアクリルニトリル212 g(モル比=TBAS:アクリルニトリル=1:4)を使用し、参考例1のTBAS重合体を調製した場合と同様にしてTBAS−アクリルニトリル共重合体を調製した。得られた生成物の酸価及び表面固有抵抗値(RH:70%、温度:20℃)を測定した。その結果、生成物の酸価は148 mg/gであった(理論酸価は133.7 mg/g)。生成物の表面固有抵抗値は2.3×108Ω・cmであった。また生成物の19.5 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は、36 cpsであった。
【0106】
実施例8
参考例2と同様にして調製したTBAS−アクリルニトリル共重合体の19.5 質量%DMF溶液340 gを反応容器に入れ、撹拌しながら75 ℃に加熱した。これに無水リン酸(Mw:142)14.65 gを添加したところ、反応液は10数秒で90 ℃まで上昇した。反応溶液を90℃に保持し、60分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、実施例1と同様にして粘性固体を析出させ、さらに精製した。次いで実施例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は50 g(収率:64.5%)であった。得られた黄褐色固体の酸価は263 mg/gであり(理論酸価は228.6 mg/g)、上記式(4)により表される構成単位(但しYはピロホスホン酸基)とアクリルニトリル骨格単位とを主成分とするピロホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体が生成したことを確認した。得られたピロホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の表面固有抵抗値(RH:70%、温度:20℃)は1.3×105Ω・cmであった。またピロホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の24 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は48 cpsであった。
【0107】
実施例9
実施例8と同様にしてピロホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の24 質量%DMF溶液230 gを調製した。これを反応容器に入れ、撹拌しながら80℃に加熱した。これに0.5 gの水を添加し、80℃で保持し、90分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、実施例1と同様にして粘性固体を析出・精製した。次いで実施例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は40 g(収率:71.8%)であった。得られた黄褐色固体の酸価は298 mg/gであり(理論酸価は282.8 mg/g)、ピロホスホン酸基及びホスホン酸基を1:2のモル比で有するTBAS−アクリルニトリル共重合体が生成したことを確認した。得られたピロホスホン酸基/ホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の表面固有抵抗値(RH:70%、温度:20℃)は1.7×105Ω・cmであった。またピロホスホン酸基/ホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の24 質量%DMF溶液の粘度(20℃)は54 cpsであった。
【0108】
実施例 10
実施例9と同様にしてピロホスホン酸基及びホスホン酸基を1:2のモル比で有するTBAS重合体の24 質量%DMF溶液115 gを調製した。これを反応容器に入れ、撹拌しながら80℃に加熱した。これに2gの水を添加した後、80℃に保持し、120分間撹拌した。次いで70 ℃まで自然冷却した後、実施例1と同様にして粘性固体を析出・精製した。次いで実施例1と同様にして熱風乾燥したところ固形分は20 g(収率:71%)であった。得られた黄褐色固体の酸価は355 mg/gであり(理論酸価は337 mg/g)、上記式(14)により表される構成単位(但しX'はホスホン酸基)とアクリルニトリル骨格単位とを主成分とするホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体が生成したことを確認した。得られたホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の表面固有抵抗値(RH:70%、温度:20℃)は8.9×105Ω・cmであった。またホスホン酸基含有TBAS−アクリルニトリル共重合体の24質量%DMF溶液の粘度(20℃)は59.5 cpsであった。
【0109】
以上の通り、実施例8〜10のリン酸誘導体基/スルホン酸基含有アクリルアミド共重合体の表面固有抵抗値は、参考例2のTBAS−アクリルニトリル共重合体のものに比べて遥かに小さく、本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸基含有アクリルアミド(共)重合体は導電性に優れることが分かる。実施例8〜10のリン酸誘導体基/スルホン酸基含有アクリルアミド共重合体の表面固有抵抗値は10 Ω・cmのオーダーにあり、導電性高分子として優れた部類に入る。
【0110】
実施例1〜7のリン酸誘導体基/スルホン酸基含有アクリルアミド重合体の加水分解率と、それらの31 質量%DMF溶液の粘度との関係を図1に示す。図1から明らかなように、加水分解率に比例して重合体の粘度は上昇しており、実施例1の重合体は、水の添加量に応じて定量的に加水分解されていることが分かる。また実施例1の重合体のピロホスホン酸基による架橋が分子間架橋を主とするのであれば、加水分解した場合に、重合体の粘度が下がると考えられるので、実施例1の重合体は分子内架橋のみを含むといえる。
【0111】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体は、ピロホスホン酸基及び/又はホスホン酸基並びにスルホン酸(塩)基を有するので、導電性に優れる。このため固体電解質として電池分野への応用が期待できる。さらに本発明のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド(共)重合体は、導電材(導電性樹脂)としてだけでなく、医療用ポリマー(特に歯科材料)、金属用接着剤、無機顔料・金属粉用分散剤、繊維用改質剤、紙・パルプ用改質剤、水処理剤、塗料・コーティング剤用防錆性付与剤、接着剤用添加剤、写真フィルム用添加剤、感光性樹脂用添加剤、石油回収剤、化粧品用添加剤、帯電防止剤、界面活性剤等の多様な用途へ利用展開できる可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ピロホスホン酸基/スルホン酸基含有アクリルアミド重合体の加水分解率と粘度との関係を示すグラフである。

Claims (23)

  1. 下記一般式(3):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位からなるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応せしめてなり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体の少なくとも一部が、前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基による分子内架橋及び/又は分子間架橋により結合されて、下記一般式(4):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じであり、Yはリン酸誘導体基を表す。)により表され、前記一般式(4)におけるYが下記一般式(5):
    Figure 0004033463
    (ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基、及び/又は下記一般式(6):
    Figure 0004033463
    (ただしtは0又は1を表す。)により表されるオキシ塩化リン誘導体基である構成単位が形成されていることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体。
  2. 請求項に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と前記リン酸源化合物との配合割合は、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体のアミド基に対する前記リン酸源化合物のモル比が、前記アミド基:前記リン酸源化合物=1:0.01〜1であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体。
  3. 請求項1又は2に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体において、前記分子内架橋による構成単位は、(a) 下記一般式(7):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、
    (b) 下記一般式(8):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、及び
    (c) 下記一般式(9):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の少なくとも一部を加水分解してなり、前記一般式(4)により表される構成単位と、下記一般式(10):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、kは0〜2の整数を表し、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位とを有し、それぞれのモル%が[前記一般式(4)により表される構成単位]=99〜0、[前記一般式(10)により表される構成単位]=1〜100であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体が有する前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基を全て加水分解してなり、下記一般式 (1)
    Figure 0004033463
    (ただし R 1 は水素又はメチル基であり、 R 2 及び R 3 は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、 R 4 は炭素数1〜3のアルキレン基であり、 M は水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位からなり、前記一般式 (1) における X は下記一般式 (2)
    Figure 0004033463
    (ただし k は0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基又は水素であり、前記一般式 (2) により表されるリン酸誘導体基と前記水素のそれぞれのモル%は、前記一般式 (2) により表されるリン酸誘導体基=1〜 100 、前記水素= 99 〜0であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体。
  6. 下記一般式(3):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位と、下記式(11):
    Figure 0004033463
    により表されるアクリルニトリル骨格単位とからなるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応せしめてなり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体の少なくとも一部が、前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基による分子内架橋及び/又は分子間架橋により結合されて、下記一般式(4):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じであり、Yはリン酸誘導体基を表す。)により表され、前記一般式(4)におけるYは下記一般式(5):
    Figure 0004033463
    (ただしkは0〜2の整数を表す。)により表されるリン酸誘導体基、及び/又は下記一般式(6):
    Figure 0004033463
    (ただしtは0又は1を表す。)により表されるオキシ塩化リン誘導体基である構成単位が形成されていることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体。
  7. 請求項に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体において、前記一般式(3)により表される構成単位と前記アクリルニトリル骨格単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式(3)により表される構成単位]=5〜95、[前記アクリルニトリル骨格単位]=95〜5であり、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と前記リン酸源化合物との配合割合は、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体のアミド基に対する前記リン酸源化合物のモル比が、前記アミド基:前記リン酸源化合物=1:0.01〜1であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体。
  8. 請求項6又は7に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体において、前記分子内架橋による構成単位は、(a) 下記一般式(7):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、
    (b) 下記一般式(8):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位、及び
    (c) 下記一般式(9):
    Figure 0004033463
    (ただしR1〜R4及びMは前記一般式(3)と同じである。)により表される構成単位からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の少なくとも一部を加水分解してなり、前記一般式(4)により表される構成単位と、下記一般式(10):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、kは0〜2の整数を表し、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位とを有し、それぞれのモル%が[前記一般式(4)により表される構成単位]=99〜0、[前記一般式(10)により表される構成単位]=1〜100であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体が有する前記リン酸源化合物由来のリン酸誘導体基を全て加水分解してなり、 (a) 下記一般式 (10)
    Figure 0004033463
    (ただし R 1 は水素又はメチル基であり、 R 2 及び R 3 は水素又は炭素数1〜3のアルキル基で あり、 R 4 は炭素数1〜3のアルキレン基であり、 k は0〜2の整数を表し、 M は水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表される構成単位と、 (b) 下記一般式 (3)
    Figure 0004033463
    (ただし R 1 R 4 及び M は前記一般式 (10) と同じである。)により表される構成単位と、
    (c) 下記式 (11)
    Figure 0004033463
    により表されるアクリルニトリル骨格単位とからなり、前記一般式 (10) により表される構成単位及び前記一般式 (3) により表される構成単位の和と前記アクリルニトリル骨格単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式 (10) により表される構成単位 前記一般式 (3) により表される構成単位]=5〜 95 、[前記アクリルニトリル骨格単位]= 95 〜5であり、前記一般式 (10) により表される構成単位と前記一般式 (3) により表される構成単位のそれぞれのモル%が、[前記一般式 (10) により表される構成単位]=1〜 100 、[前記一般式 (3) により表される構成単位]= 99 〜0であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体。
  11. 下記一般式(12):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)を重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応させることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法。
  12. 請求項11に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と前記リン酸源化合物との反応により得られたリン酸誘導体基含有アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体の少なくとも一部を加水分解することを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法。
  13. 下記一般式(12):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)を重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物と、水とを反応させることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)はターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法。
  15. 請求項11〜14のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法において、ジメチルホルムアミド及び/又はジメチルスルホキシドを反応溶媒として用いることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体の製造方法。
  16. 下記一般式(12):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)と、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する他の不飽和単量体とを共重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物とを反応させることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  17. 請求項16に記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と前記リン酸源化合物との反応により得られたリン酸誘導体基含有アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体の少なくとも一部を加水分解することを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  18. 下記一般式(12):
    Figure 0004033463
    (ただしR1は水素又はメチル基であり、R2及びR3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを表す。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)と、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する他の不飽和単量体とを共重合させ、得られたアクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)共重合体と、無水リン酸、ポリリン酸及びオキシ塩化リンからなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸源化合物と、水とを反応させることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  19. 請求項16〜18のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法において、前記他の不飽和単量体はアクリルニトリルであることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  20. 請求項16〜19のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法において、前記アクリルアミドアルカンスルホン酸(塩)はターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸であることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  21. 請求項16〜20のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法において、ジメチルホルムアミド及び/又はジメチルスルホキシドを反応溶媒として用いることを特徴とするリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体の製造方法。
  22. (a) 請求項1〜5のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体及び/又は(b) 請求項6〜10のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体を含むことを特徴とする導電材。
  23. (a) 請求項1〜5のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド重合体及び/又は(b) 請求項6〜10のいずれかに記載のリン酸誘導体基/スルホン酸(塩)基含有アクリルアミド共重合体と、
    (c) ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びメラミン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の重合体
    とを含む混合物からなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
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