JP4041637B2 - X線透視検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に非破壊検査に使用するX線透視検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非破壊検査法は、周知のように、被検体を破壊することなく、その内部構造を検査するもので、なかでもX線透視検査装置は、様々な製品の非破壊検査において利用されている。
【0003】
このような非破壊検査が利用されている製品の一つに、電子、電気機器がある。これは、電子機器の小型、軽量化に伴い、電子部品の実装技術において、リードフレームなどを用いず、基板に直接電子部品を実装する技術が開発され、目視では部品と基板との接合点を確認することが出来なくなって来ているために、近年、特に多く利用されているものである。
【0004】
例えば、基板に電子部品を実装するときBGA(ボールグリッドアレイ)を用いた高密度実装技術では、電子部品と基板の間にボール状のハンダを縦横アレイ状にならべて接合し、基板上の配線と電子部品の端子とを電気接続をするものである。
【0005】
このような高密度実装された製品の検査に用いられる従来のX線透視検査装置を図9に示す。
【0006】
電子部品の実装技術において、その検査に用いられるX線透視検査装置、特にBGA品の検査に用いるX線透視検査装置は、ボールのつぶれ具合や、浮きなどを検査するため基板面垂直方向だけでなく、傾斜した方向からの透視が必要である。このため、被検体を傾斜させた方向から透視できるようにするための旋回機構が備えられている。
【0007】
図9に示す装置では、X線管101から放射されたX線ビーム103が被検体104を透過し、上方に固定された2次元の検出器102で検出され透過像が得られる。X線管101と検出器102は、図示していない旋回機構によって一体で旋回されて透視角度を変更する。被検体104は、テーブル105に載置される。テーブル105は、XYスライド機構106でテーブル面に沿って移動される。このXY移動は被検体104の検査個所を透過像視野に入れるために使用される。傾斜する方位は、回転機構107によって被検体とXYスライド機構全体を回転させることで変更される。また、X線管101と検出器102は、それぞれ図示していない昇降機構で昇降でき、透過像の拡大率が変更できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成された従来のX線透視検査装置では、まず、旋回軸108が常に被検体104の注目面上にくるわけではないので、傾斜させたときに注目個所が視野からずれてしまう問題がある。
【0009】
次に、傾斜なしの状態で回転中心が視野中心になるように機構調整しておいても、傾斜させた場合に注目面上の回転中心が視野中心からずれてしまう。したがって、傾斜透視時に傾斜方位を変更すると注目個所が視野からずれてしまう問題がある。また、X線管101と検出器102の昇降機構の調整が悪いと、拡大率変更のとき視野ずれが生じる問題もある。
【0010】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、透視の傾斜角を変更しても被検体の注目個所が透過像視野からずれることのないX線透視検査装置を提供することにある。また、他の目的は、透視の拡大率を変更しても被検体の注目個所が透過像視野からずれることのないX線透視検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、X線透視検査装置において、X線源と、前記X線源からのX線ビームを検出するX線検出器と、被検体を前記X線ビーム内に位置決めするテーブルと、前記X線検出器で得られたデータから前記被検体の透過像を表示する表示部と、前記テーブルをテーブル面に沿って移動させ前記被検体上の注目位置を変更させる第1のスライド機構と、前記テーブルと前記第1のスライド機構をテーブル面に沿って回転させる回転機構と、前記テーブルと前記第1のスライド機構と前記回転機構及び前記回転の軸を前記テーブル面に沿って移動させる第2のスライド機構と、前記X線源および前記X線検出器のうち、少なくとも前記X線検出器を前記テーブル面に沿った軸に対し旋回させる旋回機構と、前記旋回にともなって前記被検体上の注目位置が、この注目位置を設定するためのデータと予め求められている較正量とに基づいて、前記透過像視野からはずれないように前記第2のスライド機構によって前記テーブルを移動させる視野ずれ補正手段と、を有することを要旨とする。
【0012】
この発明は、補正手段が、旋回を行ったときの被検体の注目面上の視野中心の動きを計算し、これにあわせて回転中心を第2のスライド機構により移動させることで常に回転中心が注目面上の視野中心に合わせるようにしたものである。したがって、第1のスライド機構で被検体の注目位置を回転中心に、一度合わせれば旋回および回転を行っても注目位置は透過像視野からずれない。なお、ここで注目面とは、注目位置(点)を通ってテーブル面に平行な面のことである。
【0013】
上記の課題を解決するために請求項2記載の発明は、X線源と、前記X線源からのX線ビームを検出するX線検出器と、被検体を前記X線ビーム内に位置決めするテーブルと、前記テーブルをテーブル面に沿って移動させる第1のスライド機構と、前記テーブルをテーブル面に沿って回転させる回転機構と、前記X線源および前記X線検出器のうち、少なくとも前記X線検出器を前記テーブル面に沿った軸に対し旋回させる旋回機構と、前記X線検出器で得られたデータから前記被検体の透過像を表示する表示部と、前記回転と前記旋回にともなって前記被検体の注目位置が、この注目位置を設定するためのデータと予め求められている較正量とに基づいて、透過像視野からはずれないように前記第1のスライド機構により前記テーブルをスライド移動させる視野ずれ補正手段と、を有し、前記較正量は、被検体のテーブル面から距離の異なる2つの注目点について、X線検出器のみを旋回させたときの2つの角度において、それぞれ該2つの注目点が表示されている透過像画面の同一位置にくるように前記スライド機構をスライド移動させたときの移動量と当該注目点を設定するためのデータとに基づいてX線源の位置較正量として得られることを要旨とする。
【0014】
この発明は、回転および旋回したときの被検体の注目面上の視野中心の動きを計算し、これに合わせて被検体をスライド機構により移動させることで常に注目面上の注目位置が視野中心に合わせられるようにしたものである。したがって、スライド機構で被検体の注目位置を視野中心に一度あわせれば旋回および回転をおこなっても注目位置は透過像視野からずれないようにできる。さらに、この発明は、X線検出器のみが旋回される構成において、テーブル面からの距離が既知で互いに異なる2つの注目点に対し、それぞれ同一の旋回時のスライド移動量を求め、その比から幾何的にテーブル面とX線源の距離を計算して、X線源の位置較正量として装置に記憶させるようにしたものである。これにより、正確にX線源の位置が求められる。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、前記請求項1記載の構成において、前記旋回機構が、前記X線源および前記X線検出器の両方を一体的に旋回させることを要旨とする。
【0016】
この発明は、請求項1の構成において、X線源およびX線検出器の両方を一体的に旋回させるようにした場合でも、旋回および回転を行ったときに注目位置が透過像視野からずれないようにしようとするものである。
【0017】
上記の課題を解決するために請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のX線透視検査装置において、前記較正量が、少なくとも3つの旋回角において、被検体の注目点が透過像画面上の同一位置にくるように第1のスライド機構または第2のスライド機構を移動させて、旋回角とそのときのスライド機構の移動量と当該被検体の注目点を設定するためのデータとに基づいて旋回軸の位置較正量として得られることを要旨とする。
【0018】
この発明は、旋回機構によって旋回される角度範囲の中の少なくとも3つの旋回角において、画面の同一位置と注目面上の注目点とのずれを、スライド機構の移動量として読み取り、この読み取り値を用いて方程式を解いて旋回軸の位置較正量として装置に記憶させる。そして、装置の実使用時に視野ずれ補正手段は、この旋回軸の位置較正量を用いて自動的に視野中心の動きを計算し、第1または第2のスライド機構によりスライドを移動させることで、正確に、かつ確実に視野ずれを補正することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために請求項5の記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のX線透視検査装置において、前記X線源を前記被検体に接近離反させる第1の昇降機構と、前記X線検出器を前記被検体に接近離反させる第2の昇降機構と、予め記憶された第1および第2の昇降機構による接近離反の位置の複数の組み合わせに対する透過像の視野のずれ量をもとに、該第1および第2の昇降機構による接近離反の位置から視野のずれ量を計算し、前記被検体の注目位置が視野からずれないように、前記テーブルを前記スライド機構によりスライド移動させる拡大率視野ずれ補正手段と、を有することを要旨とする。
【0020】
この発明は、接近離反の位置zs、zdを任意に選択して、透過像の拡大率を変更しても接近離反の位置zs、zdの複数の組み合わせから例えば補間によりその位置に最適な視野中心のずれ量を計算して、注目位置が透過像視野からずれないようにしたものである。
【0021】
上記の課題を解決するために請求項6記載の発明は、請求項1に記載のX線透視検査装置において、前記較正量が、被検体のテーブル面から距離の異なる2つの注目点について、X線検出器のみを旋回させたときの2つの角度において、それぞれ該2つの注目点が表示されている透過像画面の同一位置にくるように前記スライド機構をスライド移動させたときの移動量と当該注目点を設定するためのデータとに基づいてX線源の位置較正量として得られることを要旨とする。
【0022】
この発明は、X線検出器のみが旋回される構成において、テーブル面からの距離が既知で互いに異なる2つの注目点に対し、それぞれ同一の旋回時のスライド移動量を求め、その比から幾何的にテーブル面とX線源の距離を計算して、X線源の位置較正量として装置に記憶させるようにしたものである。これにより、正確にX線源の位置が求められる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
(第1の実施の形態の構成)
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係るX線透視検査装置の概略構成を示す図面である。
【0025】
図1に示すX線透視検査装置は、大別して、X線を被検体に照射してその透過像を検出するための機構部分と、機構部分の動作を制御し、また各種データを処理する制御部分からなる。
【0026】
機構部分は、X線を照射するX線管1、X線を検出する検出器2、被検体4を載置するテーブル5、テーブル5をテーブル面に沿った方向に移動させるXYスライド機構6、テーブル5をテーブル面に沿って回転させる回転機構7、回転の軸をテーブル面に沿った方向に移動させるxyスライド機構8、およびX線管1と検出器2を旋回させる旋回アーム9によって構成されている。
【0027】
一方、制御部分は、照射するX線を制御するX線制御部14、各機構の動作を制御する機構制御部15、各種データの処理や各部の制御と後述する視野ずれの補正計算、および較正のための計算を行なうデータ処理部16、および透過像の表示を行なう表示部17によって構成されている。
【0028】
このX線透視検査装置においては、X線管1と検出器2は旋回アーム9上に対向して取り付けられており、旋回軸11に対して一体で旋回される。旋回アーム9は、図示しない旋回機構によって旋回される。
【0029】
また、X線管1と検出器2は、旋回アーム9上で、それぞれ独立した昇降機構(不図示)によって昇降位置zs、zd方向に昇降され、X線ビーム3内に保持された被検体4に対して、それぞれ近づけたり、遠ざけたりすることができ、この昇降位置の変更によって撮影倍率が変更できるようになっている。また、X線管1は、X線焦点F(X線発生点)が数ないし数十μmのマイクロフォーカスX線管を用いている。
【0030】
このX線透視検査装置において、被検体4は、水平なテーブル5に載置される。そして、テーブル5はXYスライド機構6によりX、Y2つの水平方向にスライド移動される。またテーブル5はXYスライド機構6ごと、回転機構7により水平面に沿って回転され、さらにテーブル5はXYスライド機構6および回転機構7ごと、xyスライド機構8によりx、y2つの水平方向にスライド移動される。
【0031】
XY移動は、被検体中の検査個所の変更に、旋回は透視角度の傾斜に、回転は傾斜方位の変更に使用される。
【0032】
検出器2は、X線像増強管とテレビカメラを組み合わせたもので、2次元の透過像を映像信号として出力する。映像信号はデータ処理部16に取り込まれ表示部17に表示される。
【0033】
X線制御部14は、データ処理部16からの指令によってX線管1の管電圧と管電流の制御、およびX線のON/OFFを制御する。
【0034】
機構制御部15は、データ処理部16からの指令で機構部を制御するとともに、機構部の状態をデータ処理部16に送る。
【0035】
データ処理部16および表示部17は、通常のパソコンに代表されるコンピュータを利用したもので、インターフェース、メモリ、ディスク、マウス、キーボードなどを備えている。またデータ処理部16は、操作者の指令で各機構の動作やX線のON/OFFの指令を出すとともに透過像の処理や記憶を行なうように、所定のソフトウエアによって動作する。そして、本実施の形態ではデータ処理部16が下記補正式にしたがって、自動的に位置補正を行うための計算を行っている。
【0036】
なお、図1ではX線遮蔽部材や、機構部分の支持部材など、直接発明の構成に関わらない部分は省略した。
【0037】
(第1の実施の形態の作用)
次に、図1を参照して本実施の形態における作用を説明する。
【0038】
操作者は、被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力する。その後、X線をONすると表示部17に透過像が表示される。操作者はさらに、XY移動で注目位置を透過像視野にいれ、昇降位置zs、zdを変更することで透過像の拡大率を変更し、旋回させることで透視角度を傾斜させ、回転させて傾斜方位を変更する。
【0039】
〈旋回視野ずれ補正〉
図2を参照して、旋回視野ずれ補正を説明する。図2aは正面図、図2bは平面図である。
【0040】
データ処理部16は、X線管1と検出器2が旋回アーム9によって旋回するにつれて、被検体4上の注目位置が透過像視野からずれないようにするための位置補正値x、yを算出する。x、yは次式により計算される(導出省略)。
【0041】
η=x0−x00 …(1)
ΔL=(δ−d)・tanθ+η・(1/cosθ−1) …(2)
x=x0+ΔL …(3)
y=y0 …(4)
各式中、dは操作者の入力した値、θは旋回角、δ、x00、x0、およびy0は較正量である。図2を参照して、各値をさらに説明すると、dはテーブル5の上面と被検体4の注目面18との距離、θは垂直からの旋回角、δはテーブル面基準の旋回軸11の高さ、ηはX線焦点Fと検出器中心Dを結ぶ中心線19のθ=0°のときの旋回軸からのずれ、x0、y0は中心線19のθ=0°のときの注目面18との交点A(=視野中心)のxy座標(正確には、回転中心がA点に一致するxy送り読値)である。x00は旋回軸11のx座票(=x0−η)である。各値は図示の方向を+にとる。
【0042】
このようにして算出されたxおよびyに基づいて、xyスライド機構8によりx、yを移動することで、X線管1と検出器2を旋回させた場合でも、被検体4の注目位置を常に旋回視野内に位置させておくことができる。
【0043】
〈旋回視野ずれ較正〉
次に、図2を参照して、この装置における旋回視野ずれ較正を説明する。
【0044】
この較正は、実使用に先立って較正量δ、x00、x0、y0を求める操作である。
【0045】
較正を行うためには、操作者は被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力し、昇降位置zs、zdを標準位置zs0、zd0に設定する。
【0046】
次に、透過像を目視し、XYスライド機構6によるXY移動と、回転機構7による回転を行ないながら被検体4上の注目点を回転中心に合わせる。すなわち、回転させたとき注目点を中心に回転するようにする。
【0047】
次に、画面中央に十字カーソルを表示させ、少なくとも3つの旋回角においてそれぞれ注目点(回転中心)が透過像の画面中央にくるようにxyスライド機構8によってxyを移動させ、このときのxyの読値を読み込ませる。3組の読値から方程式が解けて旋回軸の位置が求められる。なお、少なくとも3つの旋回角は、例えば基準旋回角(θ=0°)、最大旋回角(max角)、および基準旋回角と最大旋回角の略中間の角の3つとする。
【0048】
データ処理部16は、読値、x0、y0、θ1、x1、y1、θ2、x2、y2および入力値dを用いて次式によりδ、x00を計算する(導出省略)。
【0049】
ΔL1=x1−x0 …(5)
ΔL2=x2−x0 …(6)
a1=tanθ1 …(7)
b1=1/cosθ1−1 …(8)
c1=ΔL1 …(9)
a2=tanθ2 …(10)
b2=1/cosθ2−1 …(11)
c2=ΔL2 …(12)
η=(c1・a2−c2・a1)/(b1・a2−b2・a1) …(13)
δ=d+(−c1・b2+c2・b1)/(b1・a2−b2・a1) …(14)
x00=x0−η …(15)
データ処理部16はδ、x00とx0、y0を較正量として記憶し、実使用時の視野ずれ補正計算を行なう。なお、較正量x00はかわりにηを用いるようにしてもよい。
【0050】
〈拡大率視野ずれ較正〉
次に、図3を参照して、拡大率視野ずれ較正を説明する。
【0051】
これは昇降位置zs、zdを移動させたときの視野ずれ較正である。θ=0°において、昇降位置zs、zdで標準位置zs0、zd0のときの視野中心AはA’にずれる。これは昇降zs、zdの方向がそれぞれ正確には垂直でないためである。
【0052】
この較正は次のように行なう。まず、操作者は、旋回角θ=0°に固定し、透過像を見ながら被検体4の注目点を回転中心と合わせる。次に、昇降位置zs、zdの組み合わせを変えながら、注目点(回転中心)が画面中央にくるようにxyを移動させ、このときのxy読値を読み込ませる。データ処理部16は、この組み合わせ、x0(zs,zd)、y0(zs,zd)を較正量として記憶する。
【0053】
〈拡大率視野ずれ補正〉
次に、図3を参照して拡大率視野ずれ補正を説明する。
【0054】
データ処理部16は、昇降位置zs、zdが変化するごとに、下記式により較正量から2次元の補間計算で昇降位置zs、zdに対応するx0’、y0’を計算する。実使用時にx0、y0のかわりにこのx0’、y0’を用いれば拡大率変更による視野ずれが補正できる。
【0055】
x0’,y0’←zs,zd,x0(zs,zd),y0(zs,zd)より補間 …(16)
x0=x0’ …(17)
y0=y0’ …(18)
(第1の実施の形態の効果)
以上のように、本実施の形態では、X線源とX線検出器を一体で旋回させた場合に、データ処理部16によって、被検体4の注目面18上の視野中心Aの動きにあわせて、回転中心をxyスライド機構8により移動させることとしているので、常に回転中心が注目面上の視野中心に自動的に合うようになる。したがって、XYスライド機構6で被検体4の注目面上の注目位置を回転中心に一度あわせれば、旋回および回転を行なっても注目位置は透過像視野からずれない。
【0056】
また、3つの旋回角において、視野中心と注目面上の回転中心(すなわち注目点)とのずれがxy読値として求まり、これにより旋回軸の位置が計算で求められ、旋回軸の位置(δ,x00)と基準旋回角(θ=0°)における視野中心と回転中心の位置関係(x0,y0)を較正量として装置に記憶させることができる。これにより簡便に旋回視野ずれ補正の較正を行うことができる。
【0057】
また、昇降位置zs、zdを任意に選択して透過像の拡大率を変更しても、昇降位置zs、zdの複数の組み合わせから補間によりその位置に最適な視野中心のずれ量が計算でき、注目位置が透過像視野からずれないようにできる。
【0058】
さらに、昇降位置zs、zdの組み合わせを変えながら、注目点(回転中心)が視野中心にくるようにxyを移動させたときのxy読値を記憶させることで簡便に拡大率視野ずれ補正の較正が行える。
【0059】
(第1の実施の形態の変形形態)
以上説明した旋回視野ずれ較正および拡大率視野ずれ較正は、注目点を回転中心に合わせて行なったが、これは必須ではない。すなわち、一度基準の昇降位置zs、zdおよびθ=0°においてx0、y0が得られれば、後は基準からの視野の相対ずれのみ求めればよい。相対ずれ測定は、注目点を回転中心と合わせなくてもよく、また、xy移動ではなく、XY移動を用いてもよい。さらに、この場合、注目点は視野中心でなく画面上の一定の点ならどこに合わせてもよい。
【0060】
また、拡大率視野ずれ補正では、補間計算を行なったが、補間計算でなく、関数をフィッティングで求めて記憶させ、この関数で計算してもよい。
【0061】
図4は第1の実施の形態の変形形態を説明するための図面である。
【0062】
第1の実施の形態においては、旋回軸11はy軸と平行としたが、傾いていても視野ずれ補正ができる。
【0063】
今仮に、xyスライド機構の軸が図のx’、y’のようにξだけ傾いている場合、旋回視野ずれ補正は、前述の式(3)、(4)でx、yを計算したあと、下記式(18)および(19)によりx’、y’に座標変換し、xyスライド機構を移動させればよい。
【0064】
x’=x・cosξ−y・sinξ …(19)
y’=x・sinξ+y・cosξ …(20)
なお、式中ξは新たな較正量である。
【0065】
また、この場合の旋回視野ずれ較正においては、読値、x0’、y0’、x1’、y1’、x2’、y2’からまずをξを求める。
【0066】
Δx1=x1’−x0’ …(21)
Δy1=y1’−y0’ …(22)
Δx2=x2’−x0’ …(23)
Δy2=y2’−y0’ …(24)
abΔL1=√(Δx1^2+Δy1^2) …(25)
abΔL2=√(Δx2^2+Δy2^2) …(26)
ξ=atan[{(Δy1/Δx1)・abΔL1+(Δy2/Δx2)・abΔL2}/(abΔL1+abΔL2)] …(ウェイト付平均)(27)
このξは、新たな較正量として記憶する。
【0067】
次に、読値、x0’、y0’、x1’、y1’、x2’、y2’を下記式(28)および(29)により座標変換を行なって、それぞれ、x0、y0、x1、y1、x2、y2に変換してから式(5)ないし(15)の計算をすればよい。
【0068】
x=x’・cosξ+y’・sinξ …(28)
y=−x’・sinξ+y’・cosξ …(29)
この変形形態によれば、旋回軸11とxyスライド機構の軸が傾いていても視野ずれ補正ができる。また、簡便に較正できる。
【0069】
[第2の実施の形態]
(第2の実施の形態の構成)
第2の実施の形態の構成は、図1に示した第1の実施の形態によるX線透視検査装置において、X線管1と図示しないX線管昇降機構が旋回せず、フロア側に支持されている点が、第1の実施の形態と異なるのみで、その他の構成は第1の実施の形態によるX線透視検査装置と同様である。
【0070】
(第2の実施の形態の作用)
操作者は、前述した第1の実施の形態と同様に、被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力し、X線をONし、XY移動で注目位置を透過像視野にいれ、昇降位置zs、zdを変更することで透過像の拡大率を変更し、旋回させることで透視角度を傾斜させ、回転させて傾斜方位を変更する。
【0071】
〈旋回視野ずれ補正〉
まず、図5を参照して、本実施の形態の装置における旋回視野ずれ補正を説明する。図5aは正面図、図5bは平面図で、図2と同一記号を用いている。
【0072】
データ処理部16は、旋回につれて、自動的に移動させるx、yを前出の式(1)、(3)および(4)、ならびに下記式(2’)を用いて計算する(導出省略)。
【0073】
ΔL=−(Ds+d)・((Dd−δ)・sinθ+η・(1−cosθ))/(Ds+(Dd−δ)・cosθ+η・sinθ+δ) …(2’)
前述したように、式中、dは操作者の入力した値、θは旋回角、δ、x00、x0、y0は較正量である。DsはX線焦点とテーブル表面の距離、Ddはθ=0°のときのテーブル表面と検出器の検出面の距離である。Ds、Ddは、一度較正しておけばデータ処理部16は昇降位置zs、zdの送り量から認知でき、この値を計算に用いる。
【0074】
〈旋回視野ずれ較正〉
次に、同じく図5を参照して、旋回視野ずれ較正を説明する。この較正は、実使用に先立って較正量δ、x00、x0、y0を求める操作である。
【0075】
構成には、操作者は第1の実施の形態と同様に、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力し、昇降位置zs、zdを標準位置zs0、zd0に設定し、注目点を回転中心に合わせ、3つの旋回角においてそれぞれ注目点(回転中心)が画面中央にくるようにxyを移動させ、このときのxy読値を読み込ませる。なお、旋回角は、基準旋回角(θ=0°)、最大旋回角(max角)、および基準旋回角と最大旋回角の略中間の角の3つとする。
【0076】
データ処理部16は、読値、x0、y0、θ1、x1、y1、θ2、x2、y2におよび入力値dを用いてδ、x00を前出の式(5)ないし(15)のうち、式(5)、(6)、(13)、(15)を共通に用いて、他の式の代わりに以下の式を用いて計算する。なお、式(5)、(6)、(13)、(15)は共通である(導出省略)。
【0077】
a1=−sinθ1+(1−cosθ1)・ΔL1/(Ds+d) …(7’)
b1=1−cosθ1+sinθ1・ΔL1/(Ds+d) …(8’)
c1=−Dd・sinθ1−(Ds+Dd・cosθ1)・ΔL1/(Ds+d) …(9’)
a2=−sinθ2+(1−cosθ2)・ΔL2/(Ds+d) …(10’)
b2=1−cosθ2+sinθ2・ΔL2/(Ds+d) …(11’)
c2=−Dd・sinθ2−(Ds+Dd・cosθ2)・ΔL2/(Ds+d) …(12’)
δ=(−c1・b2+c2・b1)/(b1・a2−b2・a1) …(14’)
〈拡大率視野ずれ較正〉
次に、図3を参照して、本実施の形態における拡大率視野ずれ較正を説明する。これは昇降位置zs、zdを移動させたときの視野ずれ較正である。
【0078】
これには、まず、第1の実施の形態の場合と同様に、基準旋回角θ=0°において、昇降位置zs、zdの組み合わせを変えながら、注目点(回転中心)が画面中央にくるようにxyを移動させ、このときのxy読値を読み込ませる。データ処理部16は、この組み合わせ、x0(zs,zd)、y0(zs,zd)を較正量として記憶する。
【0079】
〈拡大率視野ずれ補正〉
次に、同じく図3を参照して、本実施の形態における拡大率視野ずれ補正を説明する。
【0080】
これは第1の実施の形態の場合と同様に、昇降位置zs、zdが変化するごとに較正量から補間計算で昇降位置zs、zdに対応するx0’、y0’を計算することで行なわれる。実使用時には、前出の式(16)、(17)、(18)によって、x0、y0のかわりにx0’、y0’を用いれば拡大率変更による視野ずれが補正できる。
【0081】
〈X線焦点位置の較正〉
次に、X線焦点位置の較正について説明する。図6は、X線焦点位置較正の説明図である。ここでは、X線焦点とテーブル表面間の距離Dsを較正する。
【0082】
まず、操作者は昇降位置zs、zdを最大倍率の位置に固定し、第1の被検体4を載置して、被検体4の注目面18の位置dを入力し、2つの旋回角(基準旋回角(θ=0°)および最大旋回角(max角))において、注目点がそれぞれ画面の一定位置にくるようにxyを移動させ、それぞれxyの値を読み込ませる。
【0083】
次に、被検体4の注目面18の位置dの異なる第2の被検体の注目点について同様にxyを読み込ませる。
【0084】
データ処理部16は、入力値、d1、d2と、読み取った値、x01、y01、x1、y1、x02、y02、x2、y2により次式でDsを計算する(導出省略)。
【0085】
ΔL1=√((x1−x01)^2+(y1−y01)^2) …(30)
ΔL2=√((x2−x02)^2+(y2−y02)^2) …(31)
k=ΔL1/ΔL2 …(32)
Ds=(k・d2−d1)/(1−k) …(33)
処理部16は、このDs値と、このときのzs値を記憶すれば、任意のzs読値におけるDs値を認知することができる。
【0086】
旋回軸11がy軸から傾いている場合でも、そのまま(30)ないし(33)でDsが求められる。
【0087】
Dsの値は視野ずれに敏感に影響するが、この方法で簡単に、かつ正確に較正することができる。
【0088】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態においては第1の実施の形態と同じ効果を上げることができる。それに加えて、透視角の傾斜を行なったときでもX線焦点Fを被検体4に近づけることができ、拡大率が大きく取れる利点がある(ただしX線管はX線放射角が広い型を用いないと傾斜角が十分取れない)。
【0089】
また、X線焦点とテーブル表面間の距離Dsを簡単にまた正確に較正することができる。
【0090】
(第2の実施の形態の変形形態)
本第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、相対ずれのみを測定する場合は、旋回視野ずれ較正および拡大率視野ずれ較正のいずれにおいても、注目点を回転中心と合わせる工程は必須ではない。また、xy移動の代わりにXY移動を用いてもよいし、さらには、注目点は視野中央でなく画面上任意の一定の点に合わせればよい。
【0091】
また、X線焦点位置較正もxy移動の代わりにXY移動を用いても同様に較正することができる。
【0092】
さらに、旋回軸11がy軸から傾いていても視野ずれ補正と較正が可能である。
【0093】
[第3の実施の形態]
(第3の実施の形態の構成)
第3の実施の形態の構成は、図1に示した第1の実施の形態におけるX線透視検査装置からxyスライド機構8を除いた構成であり、その他の構成は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0094】
(第3の実施の形態の作用)
操作者は、第1の実施の形態と同様に被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力し、X線をONし、XY移動で注目位置を透過像視野にいれ、昇降位置zs、zdを変更することで透過像の拡大率を変更し、旋回させることで透視角度を傾斜させ、回転させて傾斜方位を変更する。
【0095】
〈回転・旋回視野ずれ補正〉
図7を参照して、回転および旋回視野ずれ補正を説明する。図7aは正面図、図7bは平面図で、図2と同一記号を用いている。
【0096】
データ処理部16は、回転および旋回につれて、自動的に移動させるX、Yを次のように計算する。
【0097】
η=x0−x00 …(34)
ΔL=(δ−d)・tanθ+η・(1/cosθ−1) …(35)
X=(x0+ΔL)・cosφ+y0・sinφ …(36)
Y=−(x0+ΔL)・sinφ+y0・cosφ …(37)
各式中、前述したように、dは操作者の入力した値、θは旋回角、φは回転角、δ、x00、x0、y0は較正量である。図7を参照して、各値をさらに説明すると、dはテーブル5の上面と被検体4の注目面18との距離、θは垂直からの旋回角、δはテーブル面基準の旋回軸11の高さ、ηは中心線19のθ=0°のときの旋回軸からのずれ、x0、y0は視野中心Aのxy座標(回転中心C基準)である。x00は旋回軸11のx座票(=x0−η)である。
【0098】
データ処理部16は、この計算値X、Yを操作者が手動操作したX、Yに加算してXYスライド機構6を制御する。これにより、操作者が望む注目位置を透過視野に入れるとともに、回転、旋回を行なっても視野からずれないようにすることができる。
【0099】
〈回転・旋回視野ずれ較正〉
さらに、図7を参照して、回転および旋回視野ずれ較正を説明する。
【0100】
この較正は、実使用に先立って較正量δ、x00、x0、y0を求める操作である。操作者は、まず、被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に披検体4の注目面18の位置dを入力し、昇降位置zs、zdを標準位置zs0、zd0に、および回転角φを約0°に設定する。
【0101】
次に、少なくとも3つの旋回角(例えば基準旋回角(θ=0゜)、最大旋回角(max角)、および中間角)において、それぞれ注目点が透過像画面の一定位置にくるようにXYを移動させ、このときのXY読値を読み込ませる。
【0102】
データ処理部16は、読値、X0、Y0、θ1、X1、Y1、θ2、X2、Y2、および入力値dを用いて次式によってδ、ηを計算する(導出省略)。
【0103】
ΔL1=√((X1−X0)^2+(Y1−Y0)^2)・(X1−X0)/abs(X1−X0) …(38)
ΔL2=√((X2−X0)^2+(Y2−Y0)^2)・(X2−X0)/abs(X2−X0) …(39)
a1=tanθ1 …(40)
b1=1/cosθ1−1 …(41)
c1=ΔL1 …(42)
a2=tanθ2 …(43)
b2=1/cosθ2−1 …(44)
c2=ΔL2 …(45)
η=(c1・a2−c2・a1)/(b1・a2−b2・a1) …(46)
δ=d+(−c1・b2+c2・b1)/(b1・a2−b2・a1) …(47)
次に、データ処理部16は、予め求めて入力されているx0、y0を使って、下記式(48)によりx00を求め、δ、x00とx0、y0を較正量として記憶し、実使用時の視野ずれ補正計算を行なう。
【0104】
x00=x0−η …(48)
なお、x0、y0の較正は、次のようにして行うことができる。
【0105】
まず、操作者は、旋回角度を基準旋回角度(θ=0°)に、昇降位置zs、zdを標準位置zs0、zd0に固定し、被検体4の注目点が回転中心にくるよう回転させながらXY移動させ、透過像上の注目点の中心からのずれと透視拡大率から標準zs、zdでのx0、y0を求めることで、x0、y0の較正が行われる。
【0106】
〈拡大率視野ずれ較正〉
次に、図3および7を参照して拡大率視野ずれ較正を説明する。これは昇降位置zs、zdを移動させたときの視野ずれ較正である。
【0107】
本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、旋回角θ=0°、回転角φ=0°において、昇降位置zs、zdの組み合わせを変えながら、注目点が表示されている透過像画面の一定位置にくるように、XYを移動させ、このときのXY読値を読み込ませて、データ処理部16によりXY読値を(標準zs、zdからの差を標準x0、y0に加算して)xy値に変換し、この組み合わせ、x0(zs,zd)、y0(zs,zd)を較正量として記憶する。
【0108】
〈拡大率視野ずれ補正〉
次に、拡大率視野ずれ補正について説明する。拡大率視野ずれ補正は、前述の第1の実施の形態の場合と同様に、昇降位置zs、zdが変化するごとに較正量から補間計算で昇降位置zs、zdに対応するx0’、y0’を計算することで行なわれる。実使用時にx0、y0の代わりにこのx0’、y0’を用いれば拡大率変更による視野ずれが補正できる(計算は前出の式(16)、(17)、(18)と同様である)。
【0109】
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と同じ効果を上げることができるとともに、さらに、xyスライド機構を省略できる利点がある。
【0110】
[第4の実施の形態]
(第4の実施の形態の構成)
第4の実施の形態の構成は、前述した第2の実施の形態によるX線透視検査装置からxyスライド機構8を除いた構成である。その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
【0111】
(第4の実施の形態の作用)
まず、操作者は、第1の実施の形態と同様に被検体4をテーブル5に載置し、データ処理部16に被検体4の注目面18の位置dを入力し、X線をONし、XY移動で注目位置を透過像視野にいれ、昇降位置zs、zdを変更することで透過像の拡大率を変更し、旋回させることで透視角度を傾斜させ、回転させて傾斜方位を変更する。
【0112】
〈回転・旋回視野ずれ補正〉
図8を参照して、回転および旋回視野ずれ補正を説明する。図8aは正面図、図8bは平面図で、図5と同一記号を用いている。
【0113】
データ処理部16は、旋回につれて、自動的に移動させるX、Yを前出の式(34)ないし(37)を用いて計算するが、このうち式(35)のみ次式(35’)を用いる(導出省略)。
【0114】
ΔL=−(Ds+d)・((Dd−δ)・sinθ+η・(1−cosθ))/(Ds+(Dd−δ)・cosθ+η・sinθ+δ) …(35’)
なお、式中、前述したように、dは操作者の入力した値、θは旋回角、φは回転角:δ、x00、x0、y0は較正量である。
【0115】
さらに図8を参照して、DsはX線焦点とテーブル表面の距離、Ddはθ=0°のときのテーブル表面と検出器の検出面間の距離である。Ds、Ddは一度較正しておけば、データ処理部16は昇降位置zs、zdの送り量から認知でき、この値を計算に用いる。
【0116】
データ処理部16は、この計算値X、Yを操作者が手動操作したX、Yに加算してXYスライド機構6を制御する。これにより、操作者が望む注目位置を透過像視野にいれるとともに回転、旋回しても視野からずれないようにできる。
【0117】
〈回転・旋回視野ずれ較正〉
次に、回転・旋回視野ずれ較正は、実使用に先立って較正量δ、x00、x0、y0を求める操作である。操作者は、前述した第3の実施の形態の場合と同様に、被検体4の注目面18の位置dを入力し、昇降位置zs、zdを標準位置zs0、zd0に、および回転角φを約0°に設定し、次に、少なくとも3つの旋回角(例えば基準旋回角(θ=0゜)、最大旋回角(max角)、および中間角)において、それぞれ注目点が透過像画面の一定位置にくるようにXYを移動させ、このときのXY読値を読み込ませる。
【0118】
データ処理部16は、読値、X0、Y0、θ1、X1、Y1、θ2、X2、Y2、および入力値dを用いて、δ、ηを前出の式(38)ないし(47)のうち、式(38)、(39)、(46)を共通に用いて、他の式の代わりに、以下の式を用いて計算する(導出省略)。
【0119】
a1=−sinθ1+(1−cosθ1)・ΔL1/(Ds+d) …(40’)
b1=1−cosθ1+sinθ1・ΔL1/(Ds+d) …(41’)
c1=−Dd・sinθ1−(Ds+Dd・cosθ1)・ΔL1/(Ds+d) …(42’)
a2=−sinθ2+(1−cosθ2)・ΔL2/(Ds+d) …(43’)
b2=1−cosθ2+sinθ2・ΔL2/(Ds+d) …(44’)
c2=−Dd・sinθ2−(Ds+Dd・cosθ2)・ΔL2/(Ds+d) …(45’)
δ=(−c1・b2+c2・b1)/(b1・a2−b2・a1) …(47’)
次に、データ処理部16は、同様に予め求めて入力されているx0、y0を使って前出の式(48)によりx00を求め、δ、x00とx0、y0を較正量として記憶し、実使用時の視野ずれ補正計算を行なう。
【0120】
なお、本実施の形態においては、拡大率視野ずれ較正および拡大率視野ずれ補正は、前述した第3の実施の形態の場合と同様に行なわれる。また、X線焦点位置較正は、前述した第2の実施の形態の場合と同様に行なわれる。
【0121】
(第4の実施の形態の効果)
第4の実施の形態においては、前述した第2の実施の形態と同じ効果を上げることができるとともに、さらに、xyスライド機構8を省略できる利点がある。
【0122】
以上本発明を適用した実施の形態を説明したが、各実施の形態で使用したパラメータ定義や数式表現は、色々可能であり発明を限定するものではない。したがって、当業者により本発明の技術思想の範囲内において、様々に変形可能である。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被検体を透視する際に、旋回や回転により傾斜角を変更し、あるいはX線源やX線検出器と被検体との距離を変えることにより拡大率を変更しても、被検体の注目個所が透過像視野からずれることのないX線透視検査装置を提供することができる。また、本発明によれば、このようなX線透視検査装置において、その較正を簡単に、かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるX線透視検査装置の概略構成を示す図面である。
【図2】第1の実施の形態における旋回視野ずれ補正および較正を説明するための図面である。
【図3】拡大率視野ずれ補正および較正を説明するための図面である。
【図4】旋回軸が傾いている場合の拡大率視野ずれ補正および較正を説明するための図面である。
【図5】第2の実施の形態における旋回視野ずれ補正および較正を説明するための図面である。
【図6】第2の実施の形態におけるX線焦点位置の較正を説明するための図面である。
【図7】第3の実施の形態における回転および旋回の視野ずれ補正、および較正を説明するための図面である。
【図8】第4の実施の形態における回転および旋回の視野ずれ補正、および較正を説明するための図面である。
【図9】従来のX線透視検査装置を示す概略構成を示す図面である。
【符号の説明】
1 X線管
2 検出器
3 X線ビーム
4 被検体
5 テーブル
6 XYスライド機構
7 回転機構
8 xyスライド機構
9 旋回アーム
11 旋回軸
14 X線制御部
15 機構制御部
16 データ処理部
17 表示部
18 注目面
19 中心線
Claims (6)
- X線源と、
前記X線源からのX線ビームを検出するX線検出器と、
被検体を前記X線ビーム内に位置決めするテーブルと、
前記X線検出器で得られたデータから前記被検体の透過像を表示する表示部と、
前記テーブルをテーブル面に沿って移動させ前記被検体上の注目位置を変更させる第1のスライド機構と、
前記テーブルと前記第1のスライド機構をテーブル面に沿って回転させる回転機構と、
前記テーブルと前記第1のスライド機構と前記回転機構及び前記回転の軸を前記テーブル面に沿って移動させる第2のスライド機構と、
前記X線源および前記X線検出器のうち、少なくとも前記X線検出器を前記テーブル面に沿った軸に対し旋回させる旋回機構と、
前記旋回にともなって前記被検体上の注目位置が、この注目位置を設定するためのデータと予め求められている較正量とに基づいて、前記透過像視野からはずれないように前記第2のスライド機構によって前記テーブルを移動させる視野ずれ補正手段と、を有することを特徴とするX線透視検査装置。 - X線源と、
前記X線源からのX線ビームを検出するX線検出器と、
被検体を前記X線ビーム内に位置決めするテーブルと、
前記テーブルをテーブル面に沿って移動させる第1のスライド機構と、
前記テーブルをテーブル面に沿って回転させる回転機構と、
前記X線源および前記X線検出器のうち、少なくとも前記X線検出器を前記テーブル面に沿った軸に対し旋回させる旋回機構と、
前記X線検出器で得られたデータから前記被検体の透過像を表示する表示部と、
前記回転と前記旋回にともなって前記被検体の注目位置が、この注目位置を設定するためのデータと予め求められている較正量とに基づいて、透過像視野からはずれないように前記第1のスライド機構により前記テーブルをスライド移動させる視野ずれ補正手段と、を有し、
前記較正量は、被検体のテーブル面から距離の異なる2つの注目点について、X線検出器のみを旋回させたときの2つの角度において、それぞれ該2つの注目点が表示されている透過像画面の同一位置にくるように前記スライド機構をスライド移動させたときの移動量と当該注目点を設定するためのデータとに基づいてX線源の位置較正量として得られることを特徴とするX線透視検査装置。 - 前記旋回機構は、前記X線源および前記X線検出器の両方を一体的に旋回させることを特徴とする請求項1記載のX線透視検査装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のX線透視検査装置において、前記較正量は、少なくとも3つの旋回角において、被検体の注目点が透過像画面上の同一位置にくるように第1のスライド機構または第2のスライド機構を移動させて、旋回角とそのときのスライド機構の移動量と当該被検体の注目点を設定するためのデータとに基づいて旋回軸の位置較正量として得られることを特徴とするX線透視検査装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のX線透視検査装置において、
前記X線源を前記被検体に接近離反させる第1の昇降機構と、
前記X線検出器を前記被検体に接近離反させる第2の昇降機構と、
予め記憶された第1および第2の昇降機構による接近離反の位置の複数の組み合わせに対する透過像の視野のずれ量をもとに、該第1および第2の昇降機構による接近離反の位置から視野のずれ量を計算し、前記被検体の注目位置が視野からずれないように、前記テーブルを前記スライド機構によりスライド移動させる拡大率視野ずれ補正手段と、を有することを特徴とするX線透視検査装置。 - 請求項1に記載のX線透視検査装置において、
前記較正量は、被検体のテーブル面から距離の異なる2つの注目点について、X線検出器のみを旋回させたときの2つの角度において、それぞれ該2つの注目点が表示されている透過像画面の同一位置にくるように前記スライド機構をスライド移動させたときの移動量と当該注目点を設定するためのデータとに基づいてX線源の位置較正量として得られることを特徴とするX線透視検査装置。
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