JP4042453B2 - 印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷校正用インクジェット記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクジェットプリンタのヘッドから、微小液滴を吐出させて、紙やフィルムの基材上に画像を形成するものである。
近年、その画像形成機構の単純さに加え、吐出される液滴の微小化、ドットの高解像度化をはじめ、記録される画像や文字の鮮明性、高速化、低騒音、ドット濃度が高いこと、また、記録される色再現範囲が拡がっていることなどから様々な用途に急速に普及している。
一般家庭において、年賀状など葉書の文面や画像を記録するのに、インクジェットプリンタを用いたり、デジタルカメラで記録された画像をインクジェットプリンタで出力するのはその一例である。
また、街中にある商業用看板が、インクジェットプリンタから出力されたものであるなど、その用途は、パーソナルユースのみならず、業務用にも拡大しつつある。
【0003】
しかしながら、これら記録媒体の性能が向上すると共に、様々な用途に普及しつつある中で、印刷校正用途として、十分満足するようなインクジェット記録媒体は未だに得られていないのが現状である。
その理由として、インクジェット記録媒体を印刷校正用として用いるには、インク吸収性などのインクジェット記録媒体としての性能は勿論、所望する印刷用紙の色相、明度、地合、光沢等の風合いを考慮することをはじめ、インクジェット記録部の画像に、印刷物と同等の質感を持たせなければならないからである。
【0004】
インクジェット記録媒体を印刷校正用途として用いるには、オフセット印刷やグラビア印刷で得られる、色再現範囲をカバーすることが必須であるが、これを達成するには、通常、高発色が得られるようにインク受容層の材料を設計したり、所望する色再現範囲をカバーできる量のインクを、インクジェットプリンタから吐出させることが考えられる。
一般的に、オフセット印刷やグラビア印刷の色再現範囲をカバーするには、一般家庭やオフィスで通常印刷に使用するインク量よりもかなり多くのインクを吐出させる必要がある。
従って、インクジェット記録媒体には、印刷の色再現範囲をカバーできる量のインクを吸収する性能が第一に求められるが、上述したデジタルカメラなどの出力体に使用される光沢紙では、十分なインク吸収性を有するものはなく、マットタイプの一部のものしか満足するものがないというのが現状である。
【0005】
一方、従来の光沢紙のような十分なインク吸収性を有さないインクジェット記録媒体に対し,所望する印刷の色再現範囲をカバーできる量のインクをインクジェットプリンタから吐出させると、滲みや乾燥不良といった問題が生じるだけでなく、2色以上の液滴が重なることでビーディングと呼ばれる色ムラが生じ、とても印刷校正用として使用することはできない。
【0006】
ここで、印刷の色再現範囲をカバーできる量のインクを吸収できたとしても、光沢紙へのインクジェット記録によって得られるものは、見た目には非常に綺麗であるが、オフセット印刷、或いはグラビア印刷より得られる印刷調の画像ではなく、銀塩写真調の画像であり、さらに光沢紙自体の表面が非常に高光沢なため、印刷用紙の風合いとは大きく異なり、印刷校正用として使用することは不可能である。
【0007】
一方、印刷の色再現範囲をカバーできる量のインクを吸収できるマット紙に関しては、確かにインクの吸収自体は問題ないが、インクジェット記録によって得られる画像は、マット紙タイプ特有の白抜けや色むら、さらにインク中の染料の浸透に伴う濃度低下が発生し、印刷校正用としては使用することは不可能である。
【0008】
また現状、印刷校正用として市販されているインクジェット記録媒体でさえも、印刷の色再現範囲を十分にカバーするだけのインク吸収性を有するものは皆無であり、さらに、このような記録媒体にはインク中の溶媒を吸収させることを目的とするインク受容層や、インク中の染料を選択的に捕捉させるインク受容層を設けるなど、基材上に複数の層が積層されているのが一般的である。
そのため、基材上に各層を積層するごとに表面粗さが大きくなってしまい、インクジェット記録媒体表面はかなり荒れたものとなっている。
このインクジェット記録媒体表面の荒れは、うねりやギラツキとして現れ、記録媒体の質感に影響を及ぼす。つまりインクジェット記録媒体表面の凹凸が大きいことで、これら記録媒体と、印刷用紙とは風合いが異なるばかりでなく、インクジェット記録により得られる画質は、このうねりやギラツキのため、非常に劣ったものに見え、印刷物の質感とは大きく異なるものとなり、印刷校正用として使用することは不可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、インクジェット記録媒体の最表面に形成させるインク受容層、および基材表面に設ける下地層を改良することで、記録媒体表面の荒れに起因するうねりやギラツキがなく、滲みがなく十分なインク吸収性を有し、印刷用紙の風合いや印刷物と同等の質感が得られる印刷校正用インクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決しようとする手段】
請求項1に記載の発明は、基材上に湿式シリカフィラーとバインダーを主成分とする下地層を設け、かつ、転写用基材上に、乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とする表面層を設けた転写材を、前記下地層上に、表面層側を重ね合わせ、乾燥後、転写用基材を剥離してなり、
前記下地層に用いる湿式シリカの2次粒径(A)と、表面層に用いる乾式シリカの2次粒径(B)の関係が、5≦A/B≦30を満たすことを特徴とする印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法である。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記表面層を、乾燥前に基材上に転写することを特徴とする、請求項1に記載の印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記下地層と表面層が隣接していることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の印刷校正用インクジェット記録媒体は、図1に示すように、基材1上に、フィラー(例えば、湿式シリカ)とバインダーを主成分とする下地層2と、乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とするを有する表面層3を少なくとも有する2層以上のインク受容層4を設けた構成からなる。
【0021】
ここで、前記下地層に用いる湿式シリカの2次粒径(A)と、表面層に用いる乾式シリカの2次粒径(B)の関係が、5≦A/B≦30の範囲とすることが好ましい。
【0022】
また、印刷校正用インクジェット記録媒体の製造は、まず、基材上にフィラー(例えば、湿式シリカ)とバインダーを主成分とする下地層を設け、かつ、転写用基材上に、乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とする表面層を設けた転写材を、前記下地層上に、表面層側を重ね合わせ、乾燥後、転写用基材を剥離する方法がある。
【0023】
前記以外の方法として、基材上に、転写用基材に、乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とする表面層、フィラー(例えば、湿式シリカ)とバインダーを主成分とする下地層を有するインク受容層を設けた転写材の、前記下地層を重ね合わせ、乾燥後に該転写用基材を剥離することにより得られる方法がある。
【0024】
そして、前記転写材を転写する際、下地層または/および表面層を、乾燥前に基材上に転写することが好ましい。
【0025】
前記転写用基材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロハン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム類、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属シート等を用いることができるが、塗工、貼り合わせ、剥離といった一連の工程上プラスチックフィルム類を用いることが好ましく、さらに耐熱性を考慮するとポリエステルフィルムを用いることがより好ましい。
【0026】
また、基材上に予め成膜されたインク受容層や転写用基材上に塗布されたインク受容層は、それぞれフィラーとバインダーの役割を担う樹脂を主な成分として構成される。
【0027】
インク受容層の表面層中の必須成分である乾式シリカは、燃焼法や加熱法により得ることができる。
インクジェット記録媒体の表面層に、無機微粒子の乾式シリカを用いることで、インク受容層内部に十分空隙が形成されるので高いインク吸収性を付与することができる。同じ無機微粒子としてコロイダルシリカを用いた場合には、乾式シリカほどには十分な空隙が形成されないためにインク吸収性は劣ってしまう。
また、無機微粒子の乾式シリカと屈折率の近い水溶性樹脂を用いることで、該インク受容層を透明にすることができる。
【0028】
乾式シリカと共に用いる水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、またはカチオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、デンプンまたは酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン誘導体、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル等のエーテル結合を有する樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、マレイン酸樹脂等を挙げることができるが、これらに限られたものではない。更に、目的に応じてこれらの水溶性樹脂を2種以上組み合わせて使用しても構わない。
【0029】
予め成膜するインク受容層に用いる基材として特に限定はないが、転写法を用いて製造する際、乾燥時に塗液の溶媒を予め成膜したインク受容層に用いている基材を通して乾燥するのが一般的であることから、基材としては通気性を持ったものが好ましく、より好ましくは、透気度が500秒以下の紙を用いることが好ましい。
【0030】
予め成膜されたインク受容層に用いるフィラーとしては、公知のものから選定することができる。例えば、湿式または乾式の合成非晶質シリカ、軽質または重質炭酸カルシウム、ゼオライト、カオリン、タルク、クレー、マイカ、ハイドロタイルサイト等の粘度鉱物、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機顔料、スチレン系またはアクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料を挙げることができるが、これらに限られたものではない。更に、目的に応じてこれらのフィラーを2種以上組み合わせて使用しても構わない。
【0031】
予め成膜されたインク受容層に用いるフィラーとして湿式シリカを用いることは、該インク受容層のインク吸収性能が更に向上しより好適である。湿式シリカは、沈降法で合成されたものでも、ゲル法で合成されたものでもどちらでも構わないが、更に好ましくはポーラスな凝集構造をとることで、より高いインク吸収性を有する沈降法シリカを用いるのが好ましい。
【0032】
予め成膜されたインク受容層に用いるフィラーと共に用いるバインダーとしても、公知のものから選定することができる。例えば、ポリビニルアルコール、またはカチオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、デンプンまたは酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン誘導体、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル等のエーテル結合を有する樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル系共重合体ラテックス、ビニル系共重合体ラテックス、アルキッド樹脂ラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール等を挙げることができるが、これらに限られたものではない。更に、目的に応じてこれらの樹脂を2種以上組み合わせて使用しても構わない。
【0033】
それぞれの基材上に塗布するフィラーと樹脂の重量比率は9:1〜4:6の範囲が好ましく、より好ましくは8.5:1.5〜6:4である。この範囲よりフィラーの重量比率が高くなると、成膜時に樹脂のバインド力が不足し、乾燥時にひび割れが発生したり膜が脆くなったりする可能性がある。また、樹脂の重量比率が高くなると、インクジェットプリンタから吐出されたインクの吸収速度が低下する可能性があり、滲みや乾燥不良といった問題が生じる可能性があるからである。
【0034】
それぞれのインク受容層の乾燥塗工量は、2〜35g/m2が好ましいが、乾燥塗工量が増すに連れてコストアップするだけでなく、平滑性が損なわれたり、膜が脆弱になる場合がある。従って,オフセット印刷やグラビア印刷の色再現範囲をカバーするのに要求されるインク量を十分に吸収し、かつ基材上に予め成膜されたインク受容層の凹凸に起因するうねりやギラツキによってインクジェット記録部の画質を低下させない範囲で、インク受容層の乾燥塗工量は必要最小限に抑えることが望ましい。
【0035】
本発明のインク受容層には必要に応じて、染料定着剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、流動性改良剤、サイズ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防カビ剤、耐水化剤、pH調整剤、蛍光増白剤等の添加剤を本発明の目的を妨げない範囲で任意に選択し含有させてもよい。また、所望する印刷用紙の色調に合わせる目的で着色染料または顔料を添加することもできる。
【0036】
基材上に予め成膜されたインク受容層が湿式シリカとバインダーを主成分とし、該インク受容層上に乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とするインク受容層を形成する場合、湿式シリカと乾式シリカのそれぞれの2次粒径に配慮することは、インク吸収性などの性能をインクジェット記録媒体に付与し、かつ印刷用紙の風合いや印刷物と同等の質感を持たせる上でより効果的である。
【0037】
具体的には、湿式シリカ及び乾式シリカの2次粒径をそれぞれA,Bとしたとき、5≦A/B≦30の範囲とすることが好ましい。例えば、2次粒径が200nmの乾式シリカを用いた場合,2次粒径が1μm以上6μm以下の範囲にある湿式シリカを選定する。A/Bが5未満の場合には、インク受容層全体の細孔容積が比較的小さくなるために、印刷校正用として実用上問題となるレベルではないがインク吸収時に極々若干滲む場合がある。また、A/Bが30を超えると、やはり実用上問題となるレベルではないのだが、湿色シリカの2次粒径が大きくなることで基材上に予め成膜されたインク受容層の凹凸が比較的大きくなり、インクジェット記録媒体の見た目にはほとんど認識できないものの、記録媒体表面を凝視したり、斜めの角度から見ることで若干うねりやギラツキが確認されることがある。また、湿式シリカと乾式シリカの2次粒径差が大きくなるために、インク受容層同士を重ね合わせる際に、湿式シリカが存在するインク受容層中の空隙を乾式シリカが埋めてしまい、やはり実用上問題となるレベルではないが、インク吸収時に極々若干滲む場合がある。
【0038】
また、5≦A/B≦30にすることで、基材上に予め成膜されたインク受容層の凹凸が軽減されるので、製造工程上転写法を用いた場合、予め成膜されたインク受容層に対しより均一に転写されるため好ましい。
【0039】
基材上に予め成膜するインク受容層や転写用基材上に塗布するインク受容層の塗工方法は特に限定されるものでなく、従来公知の塗工方式を適宜選択することができる。塗工方式としては、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター、カーテンコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を挙げて更に具体的に説明する。なお、各実施例中の「部」は「重量%」を意味する。基材上に予め成膜するインク受容層形成用塗工液の組成は、以下に示す組成1〜組成4であり、前記転写用基材上に塗布するインク受容層形成用塗工液は、組成5である。
【0041】
「組成1」
ハイドロタルサイトKW900A(協和化学工業社製:粒径3.95μm)10.8部
ポリビニルアルコールPVA-217((株)クラレ製) 4.6部
水 84.6部
【0042】
「組成2」
ゲル法湿式シリカSYLYSIA380(富士シリシア(株)製:2次粒径8.0μm)11.9部
ポリビニルアルコールPVA-117((株)クラレ製) 5.1部
水 83部
【0043】
「組成3」
沈降法湿式シリカP-526U(水澤化学工業(株)製:2次粒径0.69μm)11.9部
ポリビニルアルコールPVA-117((株)クラレ製) 5.1部
水 83部
【0044】
「組成4」
沈降法湿式シリカX-40(トクヤマ(株)製:2次粒径2.3~2.7μm)11.9部
ポリビニルアルコールR1130((株)クラレ製) 5.1部
水 83部
【0045】
「組成5」
燃焼法乾式シリカ50(日本アエロジル(株)製:2次粒径0.229μm)15部
ポリビニルアルコールPVA-217((株)クラレ製) 3部
水 82部
【0046】
<参考例1>
転写用基材としてポリエステルフィルム(PTH−50 ユニチカ(株)製)を用い、該転写用基材上に組成5の塗工液を、バーコーターを用いて、乾燥塗工量で10g/m2となるように塗工し、表面層とした。この表面層を乾燥前に、予め基材(OKプリンス上質 127.9g/m2、王子製紙(株)製)上に、組成1の塗工液を、エアーナイフコーターを用いて、乾燥塗工量で20g/m2となるように塗工、乾燥した下地層表面に重ね合わせ、乾燥後に、前記転写用基材を剥離することにより、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で18%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0047】
<参考例2>
参考例1において、予め基材上に組成2の塗工液を用いて下地層を形成した以外は、参考例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で18%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0048】
<参考例3>
参考例1において、予め基材上に組成3の塗工液を用いて下地層を形成した以外は、参考例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で21%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0049】
<実施例1>
参考例1において、予め基材上に組成4の塗工液を用いて下地層を形成した以外は、参考例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で20%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0050】
<比較例1>
参考例1と同様に、基材(OKプリンス上質 127.9g/m2、王子製紙(株)製)上に組成1の塗工液を、エアーナイフコーターを用いて、乾燥塗工量で20g/m2となるように、塗工、乾燥した下地層上に、組成5の塗工液を、バーコーターを用いて、乾燥塗工量で10g/m2となるように、塗工、乾燥し、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で10%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0051】
<比較例2>
比較例1において、基材上に組成2の塗工液を用いて下地層を形成した以外は、参考例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体の表面光沢度が60度光沢計で9%の印刷校正用インクジェット記録媒体を製造した。
【0052】
<比較例3>
市販されているインクジェット記録媒体の表面光沢度が、60度光沢計で46%の光沢紙(プロフェッショナルフォトペーパー、キヤノン(株)製)を印刷校正用インクジェット記録媒体とした。
【0053】
<比較例4>
市販されているインクジェット記録媒体の表面光沢度が、60度光沢計で21%の印刷校正用インクジェット記録媒体(INK−JET PROOF Semi−Gloss(パールコートタイプ)厚口、三菱製紙(株)製)を印刷校正用インクジェット記録媒体とした。
【0054】
<比較例5>
市販されているオフセット印刷用コート紙(OKトップコートN 127.9g/m2、王子製紙(株)製)を、オフセット印刷用基材とした。
【0055】
以上の手順によって得られた比較例5を除く印刷校正用インクジェット記録媒体に関しては、インクジェットプリンタとしてBJ F870(キャノン(株)製)を用いてインクジェット記録を行い画像を得た。比較例5のオフセット印刷用基材に関しては、インクジェット記録と同じ画像をY,M,C,Kに色分解し、175線Y,M,C,K4色刷りから成るオフセット印刷を行い画像を得た。
【0056】
印刷校正用インクジェット記録媒体としての評価項目は、インク吸収性、色再現性、未記録部の風合い、記録部のうねりやギラツキとした。その結果を、表6に示す。なお、各評価項目の判定は、○、△、×の3段階で行った。結果が、△以上の判定であれば実用上問題はない範囲である。また、それぞれのインク受容層中のフィラー、乾式シリカの2次粒径の比、A/B値を併記した。
【0057】
<インク吸収性>
インク吸収性は、レッド、グリーン、ブルーのそれぞれ2次色ベタのみを記録したもの及びレッドのベタ記録中にイエロー、マゼンタ、シアン、グリーン、ブルーのベタ細線を記録したものを用い、2次色ベタのみを記録したものとベタ細線を記録したものの滲みを観察した。評価基準は下記の通りとした。
○:細線、2次色ベタに滲みなし
△:細線にやや滲みがあるが、2次色ベタには滲みなし
×:細線、2次色ベタともに滲みあり
【0058】
<色再現範囲>
色再現範囲は、IT8.7/3を用いてインクジェット記録を行い、印画後24時間経ってからL*a*b*の測色を行った。そして、L*a*b*の測色結果を色空間上に表し、比較例5のオフセット印刷で得られる色域との比較を行った。評価基準は下記の通りとした。
○:オフセット印刷の色域を完全にカバーする
△:オフセット印刷の色域を一部若干色再現できない領域がある
×:オフセット印刷の色域と比較して色再現範囲が小さい
【0059】
<風合い>
比較例5で使用した印刷用紙、印刷した画像部と比較したときの風合いを目視にて判定した。インクジェット記録部の画像には、ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データN1a.TIFFを用いた。評価基準は下記の通りとした。
○:インクジェット未記録部が印刷用紙の風合いを有する
△:インクジェット未記録部が印刷用紙の風合いと若干異なる
×:印刷用紙と風合いが全く異なる
【0060】
<うねりやギラツキによる質感>
インクジェット記録部のうねりやギラツキは目視により判定した。インクジェット記録部のうねりやギラツキを判定には、上記のISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データN1a.TIFFを用いた。評価基準は下記の通りとした。
○:うねりやギラツキなし
△:多少うねりやギラツキはあるが、印刷物と比べ記録部の質感は損なわれない
×:うねりやギラツキによって印刷物と比べ記録部の質感は劣る
【0061】
【表1】
【0062】
表1からわかるように、実施例1及び参考例1〜3ではいずれもインク吸収性に問題はなく、オフセット印刷の色域と比較して色再現範囲にも問題はなく、印刷用紙の風合いを有しかつインクジェット記録媒体表面のうねりやギラツキによる画質低下のない印刷校正用に適したインクジェット記録媒体を得ることができた。転写法を用いていない比較例1、2では何れもインクジェット記録媒体表面の凹凸に起因するうねりやギラツキが大きく、それによる画質の低下が目立ち、校正用インクジェット記録媒体としては使用できないものであった。比較例3に関しては、インク吸収性自体は良好で、得られる画像も非常に綺麗であるが、その風合いは明らかに銀塩写真調でありとても印刷調として使用することはできないものだった。比較例4に関しては、印刷用紙の風合いを有しうねりやギラツキはないものの、インク吸収性に問題があり、結果として、色再現範囲が不十分となることより、校正用インクジェット記録媒体としては使用できないものであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の印刷校正用インクジェット記録媒体は、インク受容層が十分なインク吸収性を有し、その結果オフセット印刷やグラビア印刷の色再現範囲を十分カバーすることができ、しかも印刷用紙の風合いや印刷物と同等の質感を兼ね備えている点で非常に優れた印刷校正用インクジェット記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録媒体の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基材
2…下地層
3…表面層
4…インク受容層
Claims (3)
- 基材上に湿式シリカフィラーとバインダーを主成分とする下地層を設け、かつ、転写用基材上に、乾式シリカと水溶性樹脂を主成分とする表面層を設けた転写材を、前記下地層上に、表面層側を重ね合わせ、乾燥後、転写用基材を剥離してなり、
前記下地層に用いる湿式シリカの2次粒径(A)と、表面層に用いる乾式シリカの2次粒径(B)の関係が、5≦A/B≦30を満たすことを特徴とする印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法。 - 前記表面層を、乾燥前に基材上に転写することを特徴とする、請求項1に記載の印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法。
- 前記下地層と表面層が隣接していることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の印刷校正用インクジェット記録媒体の製造方法。
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