JP4043077B2 - マグネトロンスパッタ装置およびそれに使用するマグネットユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空中で薄膜を形成するマグネトロンスパッタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ターゲットと対向して配置された基板の上に薄膜を形成するスパッタ装置では、膜厚のバラツキの精度向上、ターゲット材料の利用効率向上、ハイレート化などの目的から、マグネトロンスパッタ装置が多く用いられている。
【0003】
マグネトロンスパッタ装置は、図8に示すように構成されている。
スパッタ室31にはターゲット32と基板33とを対向して配置し、ターゲット32の背面側にマグネットユニット34を配置している。35はバッキングプレート、36は基板ホルダー、37はアースシールドである。
【0004】
このスパッタ室31には、希ガス導入バルブ38を介してアルゴンガス39が導入され、またスパッタ室31の雰囲気は真空排気バルブ40を介して高真空ポンプユニット41に接続されて排気されている。42は高電圧電源である。
【0005】
このようなマグネトロンスパッタ装置では、ターゲット32の裏面側に配置したマグネットユニット34により構成される磁界の影響により、電力印加時にターゲット32の表面上に高密度プラズマ領域43が形成される。
【0006】
このようにマグネットユニット34の磁界の作用を受けることによりターゲット表面上のプラズマ密度が高くでき、マグネットユニット34を使用しないスパッタ工法と比較して、スパッタレートが10〜30倍早いという特徴がある。
【0007】
また、所望していた磁場分布を得ようとマグネットユニット34におけるマグネット片の配置の形状が複雑になってきており、マグネット片の配置を決定しマグネットユニットを作成しても、所望していた磁場分布が得られないことも多い。
【0008】
この時、従来のようにマグネット片をマグネットホルダーに接着剤で接着した場合には修正するのが困難である。そこで、図9の(a)に示すように非磁性材のマグネットホルダー13と磁性材のヨーク11とを張り合わせ、マグネットホルダー13の孔14aにマグネット片15′を挿入し、マグネット片15′をヨーク11に吸着させると共に、隣接するマグネット片15′とマグネット片15′との磁気の反発力で孔14aの内周面に押し付けられて保持されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようなマグネットユニット4において、マグネット片15′の配置を修正する必要が発生した場合には、図9の(b)に示すように孔14aから引き抜こうとするマグネット片15′に手持ちのマグネット20を合わせて引き抜くのであるが、磁力が強力になるほど、また、マグネット片15′の配置が密になるほど、取り外したいマグネットの周辺の他のマグネット片15′の磁力の影響を受けて、取り外したいマグネット片15′にマグネット20を合わせることが困難になって、マグネット片15′の配置の修正作業の作業性が悪い。
【0010】
本発明はマグネット片15′の配置の修正作業の作業性が良好なマグネットユニットとこのマグネットユニットを有するマグネトロンスパッタ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のマグネットユニットは、ヨークに穿設した貫通孔から操作棒を差し込んでマグネットホルダーからマグネット片を取り出しやすくしたことを特徴とする。
【0012】
この本発明によると、マグネット片の配置の修正作業の作業性が良好なマグネットユニットとこのマグネットユニットを有するマグネトロンスパッタ装置を実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のマグネットユニットは、対向して配置されたターゲットと基板のうちの少なくとも一方の背面側に配置され、ターゲット表面上のプラズマ密度を高くするように作用するマグネットユニットであって、複数のマグネット片と、前記マグネット片を挿入するための複数の第1の貫通孔が並列に穿設された非磁性材料からなるマグネットホルダーと、前記マグネットホルダーの片面に配設され前記第1の貫通孔に連通する第2の貫通孔が穿設されたヨークとを備え、かつマグネットホルダーの前記第1の貫通孔の数は前記マグネット片の数よりも多く、前記第1の貫通孔がマグネットホルダーに千鳥足配列に配置されたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載のマグネットユニットは、請求項1において、第2の貫通孔に雌ねじを形成したことを特徴とする。
請求項3記載のマグネットユニットは、請求項1または請求項2において、マグネットホルダーの第1の貫通孔のうちのマグネット片が挿入されていない貫通孔のうちの少なくとも一部に、非磁性材料からなる錘を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載のマグネットユニットは、請求項2において、マグネットホルダーの第1の貫通孔のうちのマグネット片が挿入されていない貫通孔のうちの少なくとも一部に、非磁性材料からなり端部にヨークの第2の貫通孔に形成されている雌ねじに螺合する雄ねじが形成された錘を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載のマグネトロンスパッタ装置は、請求項1〜請求項4の何れかのマグネットユニットを設けたことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図5は本発明のマグネットユニット50を使用したマグネトロンスパッタ装置を示す。
【0018】
スパッタ室31にはターゲット32と基板33とを対向して配置し、ターゲット32の背面側にマグネットユニット50を配置している。
このスパッタ室31には、図8と同様に希ガス導入バルブ38を介してアルゴンガス39が導入され、またスパッタ室31の雰囲気は真空排気バルブ40を介して高真空ポンプユニット41に接続されて排気されている。
【0019】
マグネットユニット50はモータ51によって支持軸52の軸芯53の回りに回転駆動されている。
マグネットユニット50は図1と図2に示すように構成されている。
【0020】
マグネットホルダー13は、図9に示した場合と同様に非磁性材料でマグネット片15′を挿入する複数の第1の貫通孔14aが並列に穿設されている。具体的には、マグネットホルダー13はジュラルミン製で、第1の貫通孔14aの大きさは直径が8mmで深さが24mmである。第1の貫通孔14aの配列は、図1に示すように千鳥足配列でマグネットホルダー13のほぼ全面に形成されており、ピッチは9mmである。
【0021】
マグネットホルダー13の片面に接合され第1の貫通孔14aに連通する第2の貫通孔11aが穿設されたヨーク11は、裏面への磁場の影響を遮蔽すると共に表面への磁場強度を強めるために磁性材料の鉄で構成されている。第2の貫通孔11aの直径は第1の貫通孔14aよりも小径であり、この第2の貫通孔11aの内周面には雌ねじ11bが形成されている。
【0022】
マグネットホルダー13の第1の貫通孔14aのうちの一部には図1に示す極性でマグネット片15′が挿入されている。Nはマグネット片15′のN極、Sはマグネット片15′のS極を表しており、NまたはSが記されていない第1の貫通孔14aにはマグネット片15′は挿入されていない。
【0023】
具体的には、マグネットホルダー13の第1の貫通孔14aの大きさが直径が8mmで深さが24mmの場合に、マグネット片15′はほぼ直径が8mmで高さが24mmである。マグネット片15′はネオジュウム製である。
【0024】
マグネットホルダー13の第1の貫通孔14aのうちのマグネット片15′が挿入されていない貫通孔の全てには、図4に示すように錘21がセットされている。錘21は非磁性材料で形成されており、下端にはヨーク11の雌ねじ11bに螺合する雄ねじ21aが形成されている。具体的には、錘21は真鍮製であり、その1個の重量はマグネット片15′の1個と同等の重さに調整されている。
【0025】
このようにマグネットホルダー13の第1の貫通孔14aにマグネット片15′を所定の磁気分布を形成するように挿入することによって、各孔14aに配置したマグネット片15′は隣接するマグネット片15′同士の磁力によって吸着し、かつマグネット片15′の基底にあるヨーク11とも磁力によって吸着してしている。さらに、隣接する孔14に配置されたマグネット片との反発力により孔14の内壁と面接触をしているため、マグネットユニット50を逆さにしてもマグネット15′が落下することはない。
【0026】
マグネット片15′の配置の修正作業が発生した場合には、図3の(b)に示すようにヨーク11に穿設した第2の貫通孔11aから操作棒としてのボルトを差し込んでマグネットホルダー13からマグネット片15′を取り出しやすくなっている。
【0027】
具体的には、図3の(a)に示すようにマグネットホルダー13にセットされたマグネット片15′を取り出す場合には、図3の(b)に示すようにヨーク11の雌ねじ11bに螺合する雄ねじ22aが形成されたボルト22を、ヨーク11の裏面からねじ込んで、取り出そうとするマグネット15′を押し上げて他のマグネット15′よりもマグネットホルダー13の表面から突出させた状態で、図3の(c)に示すように取り外したいマグネット15′に他の手持ちのマグネット20を吸着させて、互いの磁力で引き合わせながら引き抜く。
【0028】
このように、図3の(b)のように取り外したいマグネット片15′を周辺の他のマグネット片15′よりも押し上げた状態で手持ちのマグネット20を合わせるので、周辺の他のマグネット片15′の磁力の影響を受けずに、マグネット20をマグネットホルダー13から取り外そうとする目的のマグネット片15′に容易に押し当てて引き上げることができる。
【0029】
したがって、マグネットホルダー13におけるマグネット片15′の配置の修正作業が容易である。
また、錘21をマグネットホルダー13にセットしたことによって、図5に示したようにマグネットホルダー13を垂直に立てて回転させる場合でも安定した等速度回転が得られる。
【0030】
(実施の形態2)
図6は(実施の形態2)を示す。マグネットユニット50は(実施の形態1)のそれと同一である。
【0031】
(実施の形態1)ではマグネットユニット50は内部が真空のスパッタ室31の外部に設けられていたが、この(実施の形態2)ではターゲット32と基板33とが対向して配置されている真空の第1のチャンバー31aに隣接して真空の第2のチャンバー31bを設け、この第2のチャンバー31bにマグネットユニット50を配設し、第2のチャンバー31bから外部に引き出された駆動軸52を回転させてマグネットユニット50をターゲット32の背面で回転させている。
【0032】
この(実施の形態2)ではターゲット32と基板33とが上下方向に配置されて対向しているため、マグネットユニット50をターゲット32の背面で水平方向に回転させたが、図5に示したようにターゲット32と基板33とが横方向に配置されて対向してマグネットユニット50をターゲット32の背面で垂直回転させ場合にも同様に真空のチャンバー内でマグネットユニット50を回転駆動することができる。
【0033】
上記の各実施の形態では、マグネットホルダー13の第1の貫通孔14の内の前記マグネット片15′がセットされていない貫通孔の全てに錘21をセットしたが、マグネット片15′がセットされていない貫通孔の全てに錘21をセットしなくても、回転バランスを見ながら必要最小限の貫通孔にだけ錘21をセットしてマグネットユニット50を構成することもできる。
【0034】
上記の各実施の形態では、マグネットホルダー13の第1の貫通孔14aの必要なものには各1個のマグネット片15′をセットしたとして説明したが、図7に示すように複数のマグネット片15′a,15′b,15′cしても同様である。具体的には、第1の貫通孔14の大きさが直径が8mmで深さが24mmの場合に、マグネット片15′a,15′b,15′cはネオジュウム製で、ほぼ直径が8mmで高さが8mmである。
【0035】
上記の各実施の形態では、ヨーク11に穿設された第2の貫通孔11aの内周面には雌ねじを形成したが、このような雌ねじを形成していない場合であっても第2の貫通孔11aから操作棒を差し込んでマグネットホルダー13からマグネット片15′を押し上げることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ヨークに穿設した貫通孔から操作具を押し込んでマグネット片を押し上げることができるので、取り外したいマグネット片に他の手持ちのマグネットを合わせて引き抜く際に、マグネットホルダーに埋められたマグネット片の磁力が強力であっても、マグネット片の配置が密であっても、マグネットホルダーに埋められた取り外したいマグネット片の周辺の他のマグネット片の磁力の影響を受けずに、取り外したいマグネットに他の手持ちのマグネットを合わせることが容易にできる。故に、マグネットの交換が今までよりも容易に交換可能となる。
【0037】
また、ヨークに穿設された貫通孔に雌ねじを形成した場合には、この雌ねじにボルトを螺合させることによってマグネット片の押し上げを安定して行える。
また、ヨークに穿設された貫通孔に雌ねじを形成した場合には、この雌ねじを利用して、錘の雄ねじをマグネットホルダーのマグネット片セットされていない貫通孔に埋め込むことにより、回転バランスを容易にとることができ、マグネットホルダーを垂直に立てて回転させる場合でも安定した等速度回転が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)のマグネットユニットの平面図
【図2】同実施の形態のマグネットユニットの断面側面図
【図3】同実施の形態のマグネットユニットのマグネットホルダーの孔内で保持されたマグネット片を取り出す場合の説明図
【図4】同実施の形態のマグネットユニットのマグネットホルダーの孔に錘を取り付ける場合の説明図
【図5】同実施の形態のマグネットユニットを採用したマグネトロンスパッタ装置の断面図
【図6】別の実施の形態のマグネットユニットを採用したマグネトロンスパッタ装置の断面図
【図7】別の実施の形態のマグネットユニットの断面図
【図8】従来のマグネトロンスパッタ装置の断面図
【図9】従来のマグネットホルダーの断面図
【符号の説明】
11 ヨーク
11a 第2の貫通孔
11b 雌ねじ
13 マグネットホルダー
14a 第1の貫通孔
15’ マグネット片
21 錘
21a 雄ねじ
Claims (5)
- 対向して配置されたターゲットと基板のうちの少なくとも一方の背面側に配置され、ターゲット表面上のプラズマ密度を高くするように作用するマグネットユニットであって、
複数のマグネット片と、
前記マグネット片を挿入するための複数の第1の貫通孔が並列に穿設された非磁性材料からなるマグネットホルダーと、
前記マグネットホルダーの片面に配設され前記第1の貫通孔に連通する第2の貫通孔が穿設されたヨークと
を備え、かつマグネットホルダーの前記第1の貫通孔の数は
前記マグネット片の数よりも多く、前記第1の貫通孔がマグネットホルダーに千鳥足配列に配置された
マグネットユニット。 - 第2の貫通孔に雌ねじを形成した請求項1記載のマグネットユニット。
- マグネットホルダーの第1の貫通孔のうちのマグネット片が挿入されていない貫通孔のうちの少なくとも一部に、非磁性材料からなる錘を設けた請求項1または請求項2記載のマグネットユニット。
- マグネットホルダーの第1の貫通孔のうちのマグネット片が挿入されていない貫通孔のうちの少なくとも一部に、非磁性材料からなり端部にヨークの第2の貫通孔に形成されている雌ねじに螺合する雄ねじが形成された錘を設けた請求項2記載のマグネットユニット。
- 請求項1〜請求項4の何れかのマグネットユニットを設けたマグネトロンスパッタ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20510797A JP4043077B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | マグネトロンスパッタ装置およびそれに使用するマグネットユニット |
Publications (3)
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| JPH1150249A5 JPH1150249A5 (ja) | 2005-05-26 |
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Family
ID=16501544
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP20510797A Expired - Lifetime JP4043077B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | マグネトロンスパッタ装置およびそれに使用するマグネットユニット |
Country Status (1)
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1997
- 1997-07-31 JP JP20510797A patent/JP4043077B2/ja not_active Expired - Lifetime
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