JP4044764B2 - 繊維製品仕上げ剤組成物及び該仕上げ剤組成物を用いた繊維製品の仕上げ加工方法、並びにそれで仕上げ加工された繊維製品 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、繊維製品用仕上げ剤組成物に関する。更には、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルの持つ機能を付与することのできる仕上げ剤に関する。本発明の繊維仕上げ剤組成物で加工した繊維製品は、着用時、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルが皮膚へ移行することで、ビタミンCの効能を皮膚へ付与することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、繊維製品の仕上げ加工において、化粧品に使用される成分を主成分とした仕上げ剤で繊維を加工し、着用時、皮膚との摩擦により、それら成分が皮膚に移行することで、化粧料や皮膚外用剤と同様のスキンケア効果を期待した特殊加工法や特殊加工繊維素材が開発されている。
具体的には、天然保湿成分であるピロリドンカルボン酸を綿に付与したスキンケア素材、抗炎症作用を有するアロエ抽出物を付与したスキンケア素材(加工技術 Vol34, No.6, 1999, 353−356)が、開示されている。
【0003】
また、化粧料用の油相成分の応用としては、化粧料に天然油相成分として広く使用されているスクワランを主成分としたスキンケア仕上げ剤(加工技術 Vol.34, No.5, 1999, 322−325)が、また、動・植物抽出物の応用例としては、保湿効果のあるトレメラエキスやコラーゲン産生促進効果のあるブンエキス、レイシエキスを使用したスキンケア加工剤、及び加工技術( Vol.34, No.4, 1999, 259−264)が、それぞれ開示されている。
同様に、抗炎症剤であるグリチルリチン酸及びその塩や誘導体を繊維上に定着させる仕上げ加工が(特願平8−288115)、また、消炎作用及び又は鎮痛作用を有する疎水性生理活性物質を、マイクロカプセル化して、繊維上に定着させる加工が(特願平9−189251)、それぞれ開示されている。
【0004】
一方、L−アスコルビン酸は、過酸化脂質抑制、コラーゲン産生促進、メラニン形成遅延等の目的で、化粧料の一成分として使用されてきた。また、酸化防止剤や栄養強化剤として食品の添加剤にも用いられてきた。特に、L−アスコルビン酸は、チロシナーゼ活性阻害効果に代表されるメラニン形成遅延効果を持つことから、主に、美白を目的とした化粧料に配合されてきた。
このような機能を持つL−アスコルビン酸は、上記したいわゆる繊維製品のスキンケア仕上げ加工への応用が期待できる成分であるが、以下の問題により、実用上の使用が困難であった。
【0005】
L−アスコルビン酸はそれ自体の経時安定性が悪く、酸化による分解や着色が生じ、これを繊維に付着させた場合、乾燥工程時の熱による分解や着色が起こる。また、繊維製品に付着したL−アスコルビン酸は経時的に分解するので、スキンケア仕上げ加工の効果が持続しない。しかも、L−アスコルビン酸で加工された繊維製品は、流通段階で着色が生じ、著しく商品価値が低下する。
また、L−アスコルビン酸は水溶性であるので、繊維への親和性に乏しく、本品の効果を発揮させる程の高濃度に繊維上に吸着させることが出来ないばかりか、繰り返し洗濯により容易に繊維から脱離してしまう。
【0006】
そこでL−アスコルビン酸のこのような欠点を改良し、繊維製品のスキンケア仕上げ加工に、実用に耐えるレベルで使用することを目的に、種々の技術が開示されている。
【0007】
L−アスコルビン酸を油溶性の誘導体として、繊維に加工する方法が行われている。
具体的には、特開昭63−104971や特開昭62−84072で開示されているジエステル誘導体、トリエステル誘導体を、他の油(シリコーン、流動パラフィン、トリグリセライド、エステル油等)に混合し、更にそれを乳化物としたうえで、繊維に加工する方法が知られている。
この方法で使用されるL−アスコルビン酸誘導体のうち、エンジオール部水酸基の一方のみがエステル化されたものは、経時安定性が不充分である。また、油に対する溶解性が小さいので、安定な乳化物が調製し難く、繊維に高濃度に吸着させることができず、洗濯に対する堅牢度も小さい。一方、エンジオール部水酸基の双方をエステル化したジエステル、トリエステルの場合も、経時安定性は、向上するものの不充分であり、油への溶解性は依然改善されないままである。従って、安定な乳化物が調製し難く、繊維に高濃度に吸着させることが困難で、洗濯に対する堅牢度も小さい。
【0008】
L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等の水溶性誘導体を、マイクロカプセル化して繊維に定着させる技術が知られている。この方法によれば、経時安定性は向上するが、マイクロカプセル自体の繊維に対する吸着性が乏しいので、繊維に高濃度に定着させ難い。また、ウレタン樹脂等のバインダーを使用しないと洗濯堅牢度を確保することが困難であり、加工方法が煩雑となる。マイクロカプセルを調製すること自体も、製造工程が煩雑であり、コスト高となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、経時的に安定で着色等の問題がなく、繰り返し洗濯に対する堅牢度が良好な、L−アスコルビン酸仕上げ加工を行うことの出来る繊維製品仕上げ剤組成物、及びその組成物を使用した、簡便な繊維製品仕上げ加工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の事情に鑑み鋭意研究した結果、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルを含有し、更には、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルとアルキル第4級アンモニウム塩を含有する繊維仕上げ剤を使用することで、経時的に安定で着色等の問題がなく、繰り返し洗濯に対する堅牢度が良好な、L−アスコルビン酸仕上げ加工が可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルは、直鎖又は分岐した炭素数8〜24のアルキル又はアルケニル残基を脂肪酸残基として持つ。これらは、油に対して良好な溶解性を示し、繊維仕上げ剤中に容易に配合できるので、繊維に対する吸着性に富み、かつ耐洗濯性に優れる。また、経時的に極めて安定であり、着色や変臭が生ずることがなく、長期経時的にビタミンC活性を示す。
本発明に用いられるL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルは、例えば、特開平6−247956で開示されているものである。
【0012】
本発明に用いられるL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルは、直鎖又は分岐した炭素数8〜12のアルキル又はアルケニル残基を脂肪酸残基として持つものである。
その脂肪酸残基が分岐、あるいは不飽和であることで、得られる誘導体が液状となり、油への溶解性が更に高まるので好ましい。特に、その脂肪酸残基が、イソオクタン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレイン酸から選択される1種以上であると、得られる誘導体の繊維への吸着性がより向上し、更に好ましい。
【0013】
これらのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルは、経時的に極めて安定であり、着色や変臭が生ずることがなく、長期経時的にビタミンC活性(過酸化脂質抑制、コラーゲン産生促進、メラニン形成遅延等)を示す。
これらL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルの、本発明の繊維製品仕上げ剤組成物中の配合量は特に限定されないが、組成物中に0.1〜50.0重量%、特に0.5〜30.0重量%が好ましい。
また、使用の際は、対象とする繊維重量に対して、0.01〜10.0%owf(繊維重量に対するL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルの重量%)、更に0.05〜10.0%owf、特に0.05〜5.0%owfとなるように用いるのが好ましい。
【0014】
本発明では、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルに加えて、アルキル第4級アンモニウム塩を併用すると、繊維への吸着性を向上させ、加工後の洗濯に対する耐久性を確保する点で、更に好ましい。
【0015】
アルキル第4級アンモニウム塩は、本発明の仕上げ剤を調製する際に、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル、更には、他の油相成分(一般的に繊維仕上げ剤として使用される油相成分、シリコーン油、流動パラフィン、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、高級アルコール等)、及び、水の一部と、相転移以上の温度で混合するときに、液晶組成物を形成する。
【0016】
更には、この液晶組成物に、水相の残分を添加混合することで、アルキル第4級アンモニウム塩からなる2分子膜多層構造中にL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルを内包した小胞体水分散物を得ることができる。この2分子膜小胞体は、これ自体、繊維に対する吸着性が大きく、従って、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルを内包した小胞体の希薄溶液に繊維を浸漬することで、繊維に、高濃度に、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルを付着させることができる。加えて、この2分子膜小胞体は、繊維に対する親和性が大きいので、加工後の耐洗濯性に優れ、洗濯に対して耐久性の良いL−アスコルビン酸仕上げ加工を行うことができる。
【0017】
以上の2分子膜小胞体を形成し得るアルキル第4級アンモニウム塩としては、炭素数8〜22のアルキル基を少なくとも1つ有するものであり、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムブロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアロイルN,N―ジメチルエチレンジアミドジメチル硫酸4級化物、ジステアロイルジエチレントリアミンジメチル硫酸4級化物等が挙げられる。
【0018】
L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルとアルキル第4級アンモニウム塩の混合比は、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル:アルキル第4級アンモニウム塩(重量比)として、好ましくは5:95〜90:10、より好ましくは10:90〜80:20、更に好ましくは20:80〜60:40である。
また、上記の2分子膜小胞体を得る場合、前記のアルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールの混合物も好適に使用できる。アルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールを組み合わせることで、得られる小胞体の繊維への吸着力を、更に、向上させることができる。
【0019】
高級アルコールとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、牛脂アルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0020】
アルキル第4級アンモニウム塩と高級アルコールの混合比
アルキル第4級アンモニウム塩:高級アルコール(重量比)として、好ましくは20:80〜95:5、より好ましくは30:70〜70:30、更に好ましくは40:60〜60:40である。
【0021】
本発明では、油相成分として、繊維仕上げ剤に通常使用されている油、及びまたは化粧品に通常使用されている油を配合することができる。
具体的には、エステル系の油相成分としては、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12−18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
【0022】
炭化水素系の油相成分としては、スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0023】
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
【0024】
シリコーン系の油相成分としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
【0025】
フッ素系の油相成分としては、パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0026】
本発明では、更に、通常繊維用仕上げ剤、及びまたは化粧品に使用される界面活性剤を併用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、α―アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシルイセチオン酸塩、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0027】
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。また、脂肪酸アミドジアルキルアミン等の第3級アミン及びその塩も挙げられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
【0029】
ノニオン性界面活性剤としては、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
【0030】
天然系界面活性剤としては、レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
本発明では、更に、通常繊維用仕上げ剤、及びまたは化粧品に使用される水溶性溶剤、及びまたは糖類を併用することができる。
多価アルコール、糖としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3―メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0032】
本発明の繊維製品仕上げ剤組成物は、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルと、好ましくは、アルキル第4級アンモニウム塩またはアルキル第4級アンモニウム塩及び高級アルコールの混合物と、更に、必要により配合される他の油相成分とを予め混合したもの、または別々に、水相に攪拌下添加することで乳化分散させ、調製することができる。その際に、ホモミキキサー、パドル式乳化機、高圧ホモジナイザー等の、繊維仕上げ剤を製造する際に、一般的に使用される乳化機械が好適に使用できる。
【0033】
特に、本発明の繊維製品仕上げ剤組成物は、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル、及びまたは他の油相成分と、水相の全重量の5〜50%、好ましくは10〜30%の水とを、アルキル第4級アンモニウム塩またはこれと高級アルコールの混合物の相転移温度以上で攪拌、混合して、液晶構造を有する組成物を形成させた後、この液晶構造組成物に水相の残量を添加混合することで、アルキル第4級アンモニウム塩からなる2分子膜多層構造中に、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルが内包された小胞体水分散液を形成させて製造することが好ましい。
【0034】
本発明の繊維製品仕上げ剤組成物は、繊維製品に加工される際、耐洗濯性を向上させる目的で、種々の樹脂を併用することができる。これらの樹脂は、一般に繊維加工に使用される樹脂ならいずれの樹脂も好適に使用できるが、弾性があり、繊維への接着機能を有し、かつ、皮膚へのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルが皮膚と接触するのを阻害しないものが好ましい。具体的には、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0035】
本発明の繊維製品仕上げ剤組成物は、次の方法で繊維製品の加工に用いることができる。
(パディング法)
L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル純分として0.01〜20.0重量%、好ましくは0.02〜10.0重量%、より好ましくは0.02〜5.0重量%を含有したパディング液を調製し、絞り率50〜150%で脱水し、乾燥する。(パディング法)
【0036】
(吸尽法)
L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル純分として、加工する繊維製品の重量に対して0.01〜20.0重量%、好ましくは0.02〜10.0重量%、より好ましくは0.02〜5.0重量%を含有する加工液を、繊維製品の重量に対して5〜50倍重量、好ましくは5〜30倍重量調製し、そこへ繊維製品を含浸させ、吸尽させる。(吸尽法)
浸せき温度は、室温〜80℃、好ましくは40〜60℃、浸せき時間は、5〜60分、好ましくは10〜30分である。繊維製品は、浸せき後、脱水、乾燥される。
【0037】
本発明の繊維仕上げ剤組成物は、繊維に対する吸着性が高いので、前記の吸尽法が、特に好適である。
【0038】
本発明の繊維仕上げ剤組成物は、洗濯の際、すすぎ時に、すすぎ液に添加して使用することができる。使用量やすすぎ時間に特に制限はないが、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル純分として、繊維製品の重量に対して0.01〜20.0重量%、好ましくは0.02〜10.0重量%、より好ましくは0.02〜5.0重量%を含有するすすぎ液を、繊維製品の重量に対して5〜50倍重量、好ましくは5〜30倍重量調製し、そこへ繊維製品を含浸させ、すすぎ処理を行う。すすぎ温度は、室温〜80℃、好ましくは40〜60℃、すすぎ時間は、5〜60分、好ましくは10〜30分である。繊維製品は、すすぎ処理後、脱水、乾燥される。本目的には、家庭用洗濯機が、好適に使用できる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。
【0040】
(本発明の繊維仕上げ剤組成物の調製)
真空装置、かき取り攪拌機、加熱装置を備えたステンレス製の1リッター乳化機に、表1の成分及び水の全量の20重量%相当分を仕込み、30mmHgの減圧下、温度70℃(相転移温度より15〜20℃高い温度)で、毎分100回転で60分間攪拌し、液晶構造組成物を得た。更に、同条件で、予め70℃に加温しておいた水の残量を添加し、60分間攪拌し、表1に示す実施例1〜8を得た。同様の調整法で表2の成分仕込み、表2に示す比較例1〜8を得た。
【0041】
【表1】
実施例1〜8
【0042】
【表2】
比較例1〜8
【0043】
(繊維への処理方法)
実施例1〜8、比較例1〜8を、それぞれ精錬漂白済みの綿100%からなる試験生地に対して、L−アスコルビン酸誘導体が純分で0.4%owfになるように濃度調整した処理溶液を、試験生地に対して20倍重量調製した。この処理液中に、試験生地を、40℃×30分間浸せきした後、遠心脱水、熱風乾燥(100〜105℃×15分間)した。(吸尽法)
【0044】
(繊維への吸着量の測定)
上記の処理で得られた試験生地を、約10gに裁断し重量を精秤して、ソックスレー抽出器で抽出を行った。実施例1〜8と比較例4〜8で処理された試験生地については、溶媒にクロロホルムを用いて、比較例1〜3で処理された試験生地については、メタノール1/水1(容量比)混合液を用いて、30分間抽出を行った。得られた抽出液の溶媒を除去後、得られた残分について、高速液体クロマトグラフィーにより、含有するL−アスコルビン酸誘導体を定量した。
【0045】
この定量値と、予め測定しておいた試験生地の精秤値から、L−アスコルビン酸誘導体の繊維への吸着量を、試験生地重量に対するL−アスコルビン酸誘導体の重量%(owf%)として算出した。
【0046】
更に、実施例、及び比較例の洗濯に対する堅牢度を評価する目的で、上記の処理で得られた試験生地1Kgを、下記条件で、洗濯処理を行った。洗濯後の各試験生地について、上記の方法により、L−アスコルビン酸誘導体の吸着量の測定を行い、洗濯堅牢度の指標とした。
【0047】
洗濯処理条件は、洗濯液として、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを主成分とした市販家庭用洗剤(花王製アタック)5g/リッター水道水溶液を30リッター調製した。この液を用いて、全自動家庭用洗濯機(日立製KWS312)により、室温で30分洗濯、更に30リッターの水道水で15分間すすぎ処理を行い、遠心脱水、熱風乾燥(100〜105℃×15分間)を行った。
結果を、表3に示す。
【0048】
【表3】
L−アスコルビン酸誘導体の吸着量(%owf)
【0049】
表3に見られる様に洗濯後の試験生地についてL−アスコルビン酸誘導体の吸着量は、実施例1〜8のL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルを配合した繊維仕上げ剤を使用した場合のほうが、比較例1〜8のL−アスコルビン酸誘導体を配合した繊維仕上げ剤を使用した場合より、明らかに実施例1〜8の堅牢度が良好であることがわかる。
【0050】
(皮膚への移行性の測定)
上記の処理で得られた試験生地のうち、実施例2、及び比較例5で仕上げ処理されたものを、それぞれ10cm×20cmに裁断して、試験試料を作成した。この試験試料を、男性(20〜40才台)ボランティア3名の前腕部に、3日間接着させることで、試験試料に付着したL−アスコルビン酸誘導体を皮膚へ移行させた。3日後、試験試料を外し、その前腕部の部位について、ストリッピング用テープ(CuDERM COPORATION社製)を用いて、10回ストリッピングを行い、皮膚の角層を回収した。
【0051】
回収したテープを、溶媒にクロロホルムを使用して、超音波洗浄器で、室温×15分間抽出処理を行い、後、溶媒を除去して得られた固形分中のL−アスコルビン酸誘導体を、高速液体クロマトグラフィーで定量した。この定量値を用いて、予め測定しておいた試験試料のL−アスコルビン酸誘導体の吸着量に対する、これらの皮膚への移行率(%)を算出することで、L−アスコルビン酸誘導体の皮膚への移行性を評価した。
結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
L−アスコルビン酸誘導体の皮膚への移行率(%)
【0053】
表4に見られる様に、L−アスコルビン酸誘導体の皮膚への移行率は比較例5に比べ、実施例2が優れている事がわかる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の繊維仕上げ剤を使用することで、経時的に安定で着色等の問題がなく、繰り返し洗濯に対する堅牢度が良好な、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル仕上げ加工を行うことができる。
【0055】
本発明の繊維仕上げ剤に含まれるL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルは、油に対する溶解性が高く、更には、皮脂の主成分である脂肪酸、トリグリセライド、スクワレン等に極めて良好に溶解するので、本発明で加工された繊維製品は、着用時の皮膚との接触で、L−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルが、皮膚に容易に移行し、ビタミンC活性(過酸化脂質抑制、コラーゲン産生促進、メラニン形成遅延等)を皮膚に付与することができる。
Claims (7)
- (a)直鎖、又は、分岐した炭素数8〜24のアルキル又はアルケニル残基を脂肪酸残基として持つL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル〔以下、(a)成分という〕を、水相中に分散した(b)アルキル第4級アンモニウム塩〔以下、(b)成分という〕からなる2分子膜多層構造の小胞体中に内包させた繊維仕上げ剤組成物。
- (a)成分であるL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステルの脂肪酸残基が、イソオクタン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレイン酸から選択される1種以上である請求項1に記載の繊維仕上げ剤組成物。
- (a)成分を0.5〜30.0重量%含有し、(a)成分:(b)成分の重量比が20:80〜60:40である請求項1又は2に記載の繊維仕上げ剤組成物。
- 更に、(c)高級アルコール〔以下、(c)成分という〕を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の繊維仕上げ剤組成物。
- (b)成分と(c)成分の重量比が30:70〜70:30である請求項1〜4の何れか1項記載の繊維仕上げ剤組成物。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の繊維仕上げ剤組成物で、繊維製品を仕上げ加工することを特徴とする繊維製品の仕上げ加工方法。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の繊維仕上げ剤組成物で、仕上げ加工された繊維製品。
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