JP4045394B2 - ホログラム記録方法、ホログラム再生方法およびフィルタリング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の画像をホログラムとして記録し、再生する方法および装置、およびホログラムの記録再生過程で、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、ウェーブレット変換、マツチトフィルタリングなどの空間周波数フィルタリングを行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラムメモリは、画像をページごとに一括して記録再生できる高速性と、光記録媒体の同一体積内に多重させて複数ページの画像を記録できる大容量性とを備えているので、次世代のコンピュータファイルメモリなどとして注目されている。
【0003】
また、ホログラムメモリでは、単に画像を記録再生するだけでなく、画像解析、画像圧縮、画像分解、画像検索などのために空間周波数フィルタリングを行うことができる。空間周波数フィルタリングは、光学的フーリエ変換によって、入力画像の2次元スペクトルを求め、空間周波数フィルタによって、そのスペクトルを変化させるもので、種々の演算ができる代表的な並列光コンピューティング技術であり、光学的コンボリューションと考えることができる。
【0004】
空間周波数フィルタリング(以下では「フィルタリング」と略する)の代表的なものに、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタおよびバンドパスフィルタがある。
【0005】
一般に、画像スペクトルの低周波成分は画像の大まかな構造に対応し、エッジや微細構造は高周波成分に寄与する。ローパスフィルタは、画像スペクトルの低周波成分のみを透過させ、高い周波数成分のノイズを除去することができる。ハイパスフィルタは、逆に高周波成分のみを透過させ、画像の境界部分を抽出したり、微細構造を強調する目的で使用される。また、ある空間周波数帯のみを透過させるバンドパスフィルタは、画像圧縮や画像解析に利用されている。
【0006】
さらに、ホログラフィ技術を用いると、空間周波数フィルタに複素振幅特性を持たせることができるので、光学的コリレーションを行うことができ、パターン認識や検索処理が可能となる。
【0007】
一般に、波動の複素振幅分布を、そのまま直接的に記録することはできない。直接的には光の強度分布のみが測定可能で、写真は強度分布のみを記録している。これに対して、ホログラフィでは、複素振幅分布にキャリア成分を導入することによって、複素振幅分布の記録再生を可能にしている。
【0008】
このホログラフィの特性を利用したフィルタにマツチトフィルタがある。これは、信号対雑音比を最大にするフィルタであり、参照画像と入力画像との相関演算によって、ある2次元画像中に特定のパターンが存在するか否か、および存在する場合には存在する位置を検出することができる。
【0009】
さらに、よりロバストで識別能力の高いマツチトフィルタとして、位相オンリーマツチトフィルタ(J L.Horner et al.,APPLIED OPTICS Vol.23 pp.812−816(1984)参照)や、ウェーブレットマツチトフィルタ(Y.Sheng et al.,OPTICSLETTERS Vol.18 pp.299−301(1993)参照)が考えられている。
【0010】
位相オンリーマツチトフィルタは、入力物体フーリエ変換像の位相成分と参照物体フーリエ変換像の位相成分のみが記録されたフィルタである。このマツチトフィルタは、光の利用効率が高いことに加え、相関値が自己相関でδ関数となることから、一般的なマツチトフィルタと比較して、より高い識別能力を有する。
【0011】
ウェーブレットマツチトフィルタは、画像の特徴が輪郭部分に集中していることを利用して、ウェーブレット変換によって参照画像および入力画像の低周波成分を除去し、それぞれの高周波成分の間で相関演算を行うことによって、高い識別能力を得るものである。
【0012】
図23〜図25を用いて、従来のホログラム記録再生方法およびフィルタリング方法を示す。
【0013】
ホログラム記録時には、図23に示すように、平行光1によって画像91を照明して物体光2を得、この物体光2をレンズ92によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3を光記録媒体93に照射すると同時に、平面波の参照光5を光記録媒体93に照射して、光記録媒体93中にホログラムを記録する。
【0014】
ホログラム再生時には、図24に示すように、上記のようにホログラムが記録された光記録媒体93に記録時と同じ参照光5を照射して、そのホログラムから物体光の光路上に回折光6Aを得、その回折光6Aをレンズ94によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7Aを光検出器95上に結像させる。
【0015】
再生像のフィルタリングを行う場合には、光記録媒体93とレンズ94との間に2次元の透過率分布を有するフィルタ100を配置して、回折光6Aのフーリエスペクトル中の所望の空間周波数成分のみを取り出す。
【0016】
例えば、ローパスフィルタリングを行う場合には、回折光6Aのフーリエスペクトル中の空間的に中心部に位置する低周波スペクトルのみをフィルタ100を透過させて、周辺部に位置する高周波スペクトルは遮断し、ハイパスフィルタリングを行う場合には、逆に、中心部に位置する低周波スペクトルは遮断して、周辺部に位置する高周波スペクトルのみをフィルタ100を透過させる。
【0017】
画像間の相関演算を行う場合には、図25に示すように、平行光1によって画像96を照明して物体光2aを得、この物体光2aをレンズ97によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3aを読み出し光として、図23の方法によって画像91がホログラムとして記録されている光記録媒体93に照射して、そのホログラムから参照光の光路上に回折光6Bを得、その回折光6Bをレンズ98によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7Bを光検出器99上に結像させる。
【0018】
図23の記録方法において、簡単のため、物体光の波数ベクトルkは参照光の波数を基準にするとして、フーリエ変換前の物体光2をOexp(−ikr)、フーリエ変換後の物体光3をoexp(−ik’r)、参照光5をR(=R*)とすると、光記録媒体93中に記録されるホログラムTは、次式で与えられる。ただし、式(1)以下の式では、便宜上、α(アルファ)を「比例」を意味する記号として用いる。
【0019】
Tα|R+oexp(−ik’r)|2
=|R|2+|o|2
+R*oexp(−ik’r)
+Ro*exp(ik’r) …(1)。
【0020】
図24の再生方法において、このホログラムTに参照光5として、記録時の参照光5と同じ参照光R(=R*)を照射した場合、回折光は、次式で与えられる。
【0021】
RTα{R|R|2+R|o|2
+RR*oexp(−ik’r)
+RRo*exp(ik’r)}…(2)。
【0022】
参照光R(=R*)は平面波であることと、式(2)の第3項が物体光の光路上に回折されることから、回折光6Aである再生回折光Iは、
Iαoexp(−ik’r) …(3)
で表される。
【0023】
この再生回折光Iがレンズ94によって逆フーリエ変換されることによって、回折光7Aとして物体光Oexp(−ikr)が得られる。
【0024】
一方、図25の相関演算方法において、上記のホログラムTにフーリエ変換後の物体光3aとして、記録時の物体光3と同じ物体光oexp(−ik’r)を照射した場合、回折光は、次式で与えられる。
【0025】
oexp(−ik’r)T
α{oexp(−ik’r)|R|2
+oexp(−ik’r)|o|2
+oexp(−ik’r)R*oexp(−ik’r)
+oexp(−ik’r)Ro*exp(ik’r) …(4)。
【0026】
この式(4)の第4項が参照光の光路上に回折されるので、回折光6Bである再生回折光Iは、
Iαoo* …(5)
で表される。
【0027】
この再生回折光Iがレンズ98によって逆フーリエ変換されることによって、回折光7Bとして物体光の自己相関値O★O*が得られる。ただし、
O★O*=−∞ ∞∫o(r′)o*(r′−r)dr′ …(6)
である。−∞ ∞∫は、−∞から∞までの積分を意味する。
【0028】
また、物体光3aとして任意の画像の物体光を照射すれば、その画像96とホログラムTとして記録されている画像91との相互相関値を得ることができ、マツチトフィルタリングを行うことができる。
【0029】
図26は、同図(A)に物体光として示す多数のアルファベットが配列された画像をホログラム記録し、そのホログラムに同図(B)のようなアルファベット「K」を示す画像を検索画像として照射した場合である。この場合、同図(C)に示すように、相関像としては記録画像のアルファベット「K」の位置に自己相関ピークが現れ、他のアルファベットとの間の相互相関値は自己相関値に比べて小さくなる。したがって、記録画像中に検索画像「K」が存在すること、およびその存在する位置を知ることができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のフィルタリング方法では、2次元の透過率分布を有するフィルタ100によって、回折光6Aのフーリエスペクトルの、ある周波数成分を透過させ、他の周波数成分を遮断するので、フィルタ100の出力側では、遮断された周波数成分が失われてしまって、他の周波数の再生像を得ることができない。すなわち、フィルタ100をローパスフィルタとする場合には、フィルタ100の出力側で回折光6Aの高周波スペクトルが失われてしまい、逆にフィルタ100をハイパスフィルタとする場合には、フィルタ100の出力側で回折光6Aの低周波スペクトルが失われてしまう。
【0031】
そのため、ローパスフィルタリングとハイパスフィルタリングを同時に行う場合には、回折光6Aを2光波に分離して、それぞれの光路中にローパスフィルタおよびハイパスフィルタを設け、逆フーリエ変換用のレンズ94および光検出器95も、それぞれの光路上に設ける必要があり、再生光学系が複雑かつ大型になってしまう。
【0032】
そこで、この発明は、第1に、フーリエスペクトルの各周波数成分が失われることなく、かつ装置の複雑化および大型化を来たすことなく、ホログラム記録再生過程において、所望の空間周波数特性のフィルタリングを行うことができ、ローパスフィルタリングとハイパスフィルタリングなど、互いに相補的なフィルタリングを同時に行うこともできるようにするものである。
【0033】
また、上述した従来のマツチトフィルタリング方法では、図26のような高次の空間周波数成分が多い画像については、自己相関値と相互相関値を比較的容易に区別できるものの、図27(A)のような低次の空間周波数成分が多い画像については、円形、四角形、三角形という、それぞれの形状によらず、それぞれの画像スペクトルのほとんどの周波数成分が一致するため、例えば、同図(B)に示すように三角形の画像を検索画像とした場合、相関像は、同図(C)に示すように自己相関値と相互相関値を区別しにくいものとなり、画像検索が難しくなる。
【0034】
そこで、図28(A)(B)に示すように、あらかじめ記録画像および検索画像から、それぞれの画像の特徴が集中している輪郭部分(高周波成分)を抽出して、これら輪郭画像間で相関演算を行うことが考えられており、この方法によれば、同図(C)に示すように自己相関値と相互相関値を比較的容易に区別できるようになる。
【0035】
例えば、コンピュータを用いて輪郭部分を抽出する方法や、特開平4−306787号に記載のように光学的ハイパスフィルタリングによって輪郭部分を抽出する方法が提案されている。
【0036】
しかしながら、この方法によると、輪郭部分を抽出するという、相関演算のための特別の前処理が必要となり、ホログラムメモリの高速検索性という特長が失われてしまう。ホログラムメモリは、高速転送性および高速検索性と大容量性とを兼ね備えてこそ、有用性を発揮できるものである。
【0037】
また、識別能力の高いマツチトフィルタとして考えられている上述した位相オンリーマツチトフィルタは、高S/Nの相関像が得られるものの、記録画像の振幅情報が欠落するため、もとの画像を再生することができないという問題がある。同様に、上述したウェーブレットマツチトフィルタも、高S/Nの相関像が得られるものの、記録画像の低周波成分が欠落するため、もとの画像を再生することができないという問題がある。そのため、これらのマツチトフィルタは、相関演算には有効であるが、データを記録再生するホログラムメモリとしての機能を失うことになる。
【0038】
そこで、この発明は、第2に、ホログラムメモリとしてのデータ記録再生機能と高速性および大容量性を失うことなく、識別能力の高いマツチトフィルタリングを行うことができるようにするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
この発明のホログラム記録方法では、
コヒーレント光を画像情報によって空間的に強度変調して直線偏光の物体光を生成し、この物体光をフーリエ変換してフーリエ変換像を得るとともに、前記コヒーレント光から参照光を生成し、
前記フーリエ変換像または前記参照光を空間的に偏光変調して、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射されるフーリエ変換像および参照光として、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光を生成し、
そのフーリエ変換像と参照光とを、前記光記録媒体に同時に照射し、前記光記録媒体中で干渉させて、前記光記録媒体中にホログラムを記録する。
【0040】
この発明のホログラム再生方法では、
画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、読み出し光を照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光成分を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記物体光の画像の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分を抽出する。
【0041】
この発明のフィルタリング方法では、
被検索画像によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
検索画像によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られた、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、別のフーリエ変換像を、読み出し光として照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光成分を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記被検索画像と前記検索画像との間の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分についての相関演算値を得る。
【0042】
【作用】
光誘起複屈折性を示す材料は、これに入射する光の偏光状態に感応し、入射光の偏光方向を記録することができる。例えば、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子は、直線偏光を照射すると、光異性化が誘起されて、直線偏光の方向に応じて屈折率の異方性を生じ、偏光方向を記録し、保存することができる。
【0043】
通常のホログラムは、物体光と参照光の偏光を、それぞれ空間的に一様にし、かつ互いに同一方向にして、記録する。
【0044】
これに対して、上記の光誘起複屈折性を示す材料は、物体光と参照光の偏光方向を互いに変えて、例えば互いに直交させて、ホログラムを記録することができる。例えば、0°の偏光の物体光を、90°の偏光の参照光によって、ホログラムとして記録することができ、その記録された物体光は、90°の偏光の読み出し光によって、0°の偏光の回折光として読み出すことができる。
【0045】
また、物体光または参照光の偏光を空間的に変調して、ホログラムを記録することもできる。例えば、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の物体光を、空間的に一様な0°の偏光の参照光によって、ホログラムとして記録することができ、その記録された物体光は、空間的に一様な0°の偏光の読み出し光によって、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の回折光として読み出すことができるとともに、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の読み出し光によって、空間的に一様な0°の偏光の回折光として読み出すことができる。
【0046】
逆に、空間的に一様な0°の偏光の物体光を、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の参照光によって、ホログラムとして記録することができ、その記録された物体光は、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の読み出し光によって、空間的に一様な0°の偏光の回折光として読み出すことができるとともに、空間的に一様な0°の偏光の読み出し光によって、空間的に中心部が0°で、周辺部が90°の偏光の回折光として読み出すことができる。
【0047】
これを利用して、この発明のホログラム記録方法では、上記の方法によって光誘起複屈折性を示す光記録媒体中にホログラムを記録する。
【0048】
例えば、フーリエ変換された物体光を空間的に一様な0°の偏光として、参照光は、物体光の低周波スペクトルに対応する中心部分が90°の偏光で、物体光の高周波スペクトルに対応する周辺部分が0°の偏光の空間偏光分布とする。
【0049】
このようにして記録されたホログラムに、再生時、例えば、空間的に一様な0°の偏光の参照光を照射すると、ホログラムに記録された物体光は、低周波スペクトルについては、90°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の参照光によって偏光が90°回転して、90°の偏光の回折光成分として読み出され、高周波スペクトルについては、0°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の参照光によって偏光が回転することなく、0°の偏光の回折光成分として読み出されて、ホログラムからの回折光は、物体光と同じ振幅分布を有するものの、低周波スペクトルが90°の偏光となり、高周波スペクトルが0°の偏光となる。
【0050】
したがって、回折光の光路上に偏光素子を配置して、その方位を90°に調整すれば、物体光の低周波スペクトルのみからなる低周波再生像が得られ、ローパスフィルタリングを行うことができる。また、偏光素子の方位を0°に調整すれば、物体光の高周波スペクトルのみからなる高周波再生像が得られ、ハイパスフィルタリングを行うことができる。
【0051】
記録時の参照光の空間偏光分布をマツチトフィルタに対応したものにして、画像検索時、例えば、検索画像の空間的に一様な0°の偏光の物体光を被検索画像が記録されているホログラムに照射すれば、ホログラムからの回折光として、ある空間周波数成分と他の空間周波数成分とで偏光が90°異なるものが得られ、偏光素子によって、必要な空間周波数成分を取り出すことによって、相互相関像に対して自己相関像の強度が高い、高S/Nの相関像を得ることができ、ホログラムメモリとしてのデータ記録再生機能と高速性および大容量性を失うことなく、識別能力の高いマツチトフィルタリングを行うことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
〔光記録媒体の一例…図1〜図7〕
この発明の方法で用いる光記録媒体は、図1(A)に示すように、ガラス基板などの透明基板11の一面側に光記録層12を形成したものとし、または図1(B)に示すように、光記録層12のみからなるものとする。
【0053】
光記録層12としては、光誘起複屈折性を示し、入射光の偏光方向を記録し、保持できるものであれば、どのようなものでもよいが、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子が好ましい。また、その光異性化する基または分子としては、アゾベンゼン骨格を含むものが好適である。
【0054】
光記録層12の最も好ましい材料の一つは、図2に示す化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルである。この材料は、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性によって、入射光の偏光方向を記録し、保持することができる。
【0055】
発明者は、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルが、物体光または参照光の空間偏光分布をホログラムとして忠実に記録再生できることを、図3〜図5に示す光学系によって確認した。
【0056】
光記録媒体10は、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録層を備えたものである。図3の記録光学系の光源21としては、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルに感度のあるアルゴンイオンレーザの発振線515nmを用いた。
【0057】
この光源21からの光を、偏光板(1/2波長板)22に透過させて、所定方位(その方位を0°とする)の直線偏光とし、その直線偏光を、レンズ23および24によって口径の広い平行光1にして、偏光変調可能な空間光変調器31に入射させた。
【0058】
空間光変調器31としては、図4に示すように、透明基板32および33の内面に透明電極34および35が形成され、透明電極34,35間に電気光学変換部材36として液晶が装填された、電気アドレス型の空間光変調器を用いた。これは、プロジェクタ用の液晶パネルから偏光板を取り除いたもので、各画素Pxごとに入射光の偏光を任意に回転させることができる1/2波長板として機能させることができる。
【0059】
変調用信号によって、この空間光変調器31の、図6(A)に示すように、一方向に10分割された画素領域31a〜31jを制御して、空間光変調器31を透過した光として、図6(B)に示すように、一方向に10分割された空間部分において、0°から90°まで、偏光方向が10°ずつ変化した物体光2を得た。
【0060】
この物体光2を、レンズ25によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3を、光記録媒体10に照射すると同時に、光源21からの光から得た、空間的に一様な0°の偏光の参照光5を、光記録媒体10に照射して、光記録媒体中にホログラムを記録した。
【0061】
再生時には、図5に示すように、上記のようにホログラムを記録した光記録媒体10に、記録時と同じ、空間的に一様な0°の偏光の参照光5を照射して、そのホログラムから回折光6Aを得、その回折光6Aを、レンズ61によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7Aを、偏光ビームスプリッタ64で反射させて、再生光8pとして光検出器63p上に結像させるとともに、偏光ビームスプリッタ64を透過させて、再生光8sとして光検出器63s上に結像させた。
【0062】
その結果、再生光8pとしては、図6(C)に示すように、一方向に10分割された空間部分において、最大強度から最小強度まで、光強度が段階的に変化した画像が得られ、再生光8sとしては、図6(D)に示すように、一方向に10分割された空間部分において、逆に最小強度から最大強度まで、光強度が段階的に変化した画像が得られた。
【0063】
これら2つの画像間の光強度分布比から、再生光8p(回折光7A)の偏光分布を算出した結果、図7に示すように、物体光2の偏光角と再生光8p(回折光7A)の偏光角が同じであることがわかった。物体光2の偏光角と再生光8sの偏光角は、90°相違する。
【0064】
したがって、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルは、物体光の空間偏光分布をホログラムとして忠実に記録再生することができる。参照光の空間偏光分布についても、同様である。
【0065】
〔ホログラム記録再生装置およびフィルタリング装置の実施形態…図8および図9〕
図8は、この発明のホログラム記録再生装置およびフィルタリング装置の一実施形態を示し、一つの装置で、ホログラムの記録再生、ウェーブレット変換を含むフィルタリング、およびマツチトフィルタリング(相関演算)を行うことができるようにした場合である。
【0066】
図8では、物体光3および3aと参照光5が光記録媒体10に同時に照射され、回折光6Aおよび6Bが光記録媒体10から同時に得られるように示しているが、後述するように、記録時には、物体光3および参照光5のみが照射され、再生時には、参照光5のみが照射されるとともに、回折光6Aのみが得られ、相関演算時には、物体光3aのみが照射されるとともに、回折光6Bのみが得られる。
【0067】
光記録媒体10は、例えば図2に示した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルによって形成し、かつディスク形状としたものである。
【0068】
光学ヘッド50の光源21としては、光記録媒体10に感度のあるコヒーレント光を発するものを用いる。光記録媒体10が側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる場合には、例えばアルゴンイオンレーザの発振線515nmを用いる。
【0069】
この光源21からの光を、ビームスプリッタ29に入射させ、記録時または相関演算時には、シャッタ51を開いて、ビームスプリッタ29を透過した光を、偏光板(または1/2波長板)22に透過させて、所定方位(その方位を0°とする)の直線偏光とし、その直線偏光を、レンズ23および24によって口径の広い平行光1にして、空間光変調器39に入射させる。
【0070】
コンピュータ89によって、空間光変調器39には、記録する画像または検索画像を表示して、空間光変調器39を透過した光として、0°の偏光の物体光2または2aを得る。空間光変調器39としては、透過型の液晶パネルなどを用いることができる。
【0071】
この物体光2または2aを、レンズ25によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3または3aを、光記録媒体10に照射する。
【0072】
記録時または再生時には、シャッタ52を開いて、ビームスプリッタ29で反射した光を、さらにミラー53で反射させ、レンズ54および55によって口径の広い平行光にして、偏光変調可能な空間光変調器31に入射させる。空間光変調器31としては、例えば図4に示したような電気アドレス型の空間光変調器を用いる。
【0073】
そして、コンピュータ81によって、空間光変調器31の各画素を制御して、空間光変調器31を透過する光を空間的に偏光変調し、空間光変調器31を透過した光として、記録時には、後述のように空間周波数フィルタの形状に応じた空間偏光分布を有し、再生時には、もとの画像を再生するときには、記録時と同じ空間偏光分布を有し、フィルタリングを行うときには、例えば空間的に一様な0°の偏光の、平面波の参照光4を得る。
【0074】
この参照光4を、レンズ56および57からなる縮小光学系58によって縮小し、さらにミラー59で反射させて、参照光5として光記録媒体10に照射する。
【0075】
再生時には、シャッタ51を閉じて物体光を遮断し、相関演算時には、シャッタ52を閉じて参照光を遮断する。
【0076】
再生時には、光記録媒体10に記録されているホログラムに、上記のような参照光が照射されることによって、そのホログラムから物体光の光路上に回折光6Aが得られる。その回折光6Aを、レンズ61によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7Aを、検光子62に入射させ、検光子62を透過した回折光8Aを、光検出器63上に結像させる。検光子62は、後述のように方位を調整する。
【0077】
相関演算時には、光記録媒体10に記録されているホログラムに、上記のように検索画像の物体光3aが照射されることによって、そのホログラムから参照光の光路上に回折光6Bが得られる。その回折光6Bを、レンズ66によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7Bを、検光子67に入射させ、検光子67を透過した回折光8Bを、光検出器68上に結像させる。検光子67は、後述のように方位を調整する。
【0078】
この実施形態では、モータ40により光記録媒体10を、図9の矢印19で示すように回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて、複数のホログラムを記録することができるとともに、複数のホログラムから画像を検索することができる。
【0079】
さらに、ヘッド移動機構70により光学ヘッド50を、図9の矢印71で示すように光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状の記録トラックを形成するようにホログラムを記録することができるとともに、その同心円状の記録トラックに記録されているホログラムから画像を検索することができる。
【0080】
〔ホログラムの記録再生とフィルタリング…図10〜図16〕
(ホログラム記録…図10)
図8の装置で、光記録媒体10中にホログラムを記録するには、図10に示すように、空間的に一様な0°の偏光のフーリエ変換された物体光3を、光記録媒体10に照射すると同時に、参照光5として、空間周波数フィルタの形状に応じた空間偏光分布を有する平面波を生成して、光記録媒体10に照射する。
【0081】
例えば、再生像のローパスフィルタリングまたはハイパスフィルタリングを行う場合には、図10に示すように、参照光5を、物体光3の低周波スペクトルに対応する中心の円形部分5aが90°の偏光で、物体光3の高周波スペクトルに対応する他の部分5bが0°の偏光の空間偏光分布とする。
【0082】
これによって、物体光3の低周波スペクトルは、90°の偏光の参照光成分によってホログラム記録され、物体光3の高周波スペクトルは、0°の偏光の参照光成分によってホログラム記録される。
【0083】
(もとの画像の再生…図11)
このようにしてホログラムが記録された光記録媒体10から、もとの画像を再生する場合には、記録時と同じ空間偏光分布を有する参照光を、光記録媒体10のホログラムが記録された領域に照射する。例えば、記録時の参照光を図10に示したような空間偏光分布とした場合には、再生時の参照光も図11に示すような空間偏光分布とする。
【0084】
これによって、ホログラムに記録された物体光3は、低周波スペクトルについては、90°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、90°の偏光の参照光成分によって読み出され、高周波スペクトルについては、0°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の参照光成分によって読み出されて、ホログラムからの回折光6Aは、図11に示すように空間的に一様な0°の偏光となる。
【0085】
したがって、検光子62の方位を0°に調整することによって、検光子62を透過した回折光8Aとして、物体光3の低周波スペクトルおよび高周波スペクトルからなる再生像が得られ、もとの画像を再生することができる。
【0086】
(ローパスフィルタリングとハイパスフィルタリング…図12および図13)
再生像のローパスフィルタリングまたはハイパスフィルタリングを行う場合には、再生時の参照光を、記録時の参照光とは異なる空間偏光分布とする。例えば、図12に示すように、再生時の参照光を空間的に一様な0°の偏光とする。
【0087】
これによって、ホログラムに記録された物体光3は、低周波スペクトルについては、90°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の参照光によって偏光が90°回転して、90°の偏光の回折光成分として読み出され、高周波スペクトルについては、0°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の参照光によって偏光が回転することなく、0°の偏光の回折光成分として読み出されて、ホログラムからの回折光6Aは、物体光3と同じ振幅分布を有するものの、図12に示すように、低周波スペクトル6Aaが90°の偏光となり、高周波スペクトル6Abが0°の偏光となる。
【0088】
したがって、検光子62の方位を90°に調整することによって、検光子62を透過した回折光8Aとして、物体光3の低周波スペクトルのみからなる低周波再生像が得られ、ローパスフィルタリングを行うことができる。また、検光子62の方位を0°に調整することによって、検光子62を透過した回折光8Aとして、物体光3の高周波スペクトルのみからなる高周波再生像が得られ、ハイパスフィルタリングを行うことができる。
【0089】
さらに、検光子62の方位を45°に調整すれば、それぞれ検光子62の方位を90°または0°に調整するときに比べて低い光強度となるが、検光子62を透過した回折光8Aとして、物体光3の低周波スペクトルおよび高周波スペクトルからなる画像が得られ、もとの画像を再生することができる。
【0090】
また、図13に示すように、偏光素子として検光子62の代わりに偏光ビームスプリッタ64を設けて、ホログラムからの回折光6Aをレンズ61によって逆フーリエ変換した後の回折光7Aを、偏光ビームスプリッタ64を透過した90°の偏光の回折光8Lと偏光ビームスプリッタ64で反射した0°の偏光の回折光8Hとに分離し、回折光8Lを光検出器63L上に結像させ、回折光8Hを光検出器63H上に結像させるように構成すれば、ローパスフィルタリングとハイパスフィルタリングを同時に行うことができる。
【0091】
(実験例)
図10の方法によってホログラムを記録し、図12の方法によってローパスフィルタリングおよびハイパスフィルタリングを行った。
【0092】
光記録媒体10としては、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用い、図8の光源21としては、アルゴンイオンレーザの発振線515nmを用い、その光強度を5W/cm2とした。
【0093】
空間光変調器39および31としては、それぞれ、一画素の大きさが42μm×42μmで、640×480画素のプロジェクタ用液晶パネル1.3型を用いた。ただし、空間光変調器31については偏光板を取り外して用いた。縮小光学系58は、空間光変調器31を透過した参照光4を1/4に縮小するものとした。
【0094】
空間光変調器39に、記録画像として図14(A)に示す画像を表示し、記録時の参照光は、図10に示したような空間偏光分布として、光記録媒体10中にホログラムを記録した。物体光フーリエスペクトルは、図14(B)に示すものである。
【0095】
再生時の参照光を、図12に示したように空間的に一様な0°の偏光として、記録されたホログラムに照射し、検光子62の方位を90°に調整したところ、回折光8Aとして、図14(C)に示す低周波再生像が得られた。また、検光子62の方位を0°に調整したところ、回折光8Aとして、図14(E)に示す高周波再生像が得られた。低周波スペクトルは、図14(D)に示すものであり、高周波スペクトルは、図14(F)に示すものである。
【0096】
(他のフィルタリング)
記録時の参照光を、図15(A)に示すように、フーリエ変換された物体光の所定空間周波数帯に対応する環状部分5dが90°の偏光で、その内側の部分5cおよび外側の部分5eが0°の偏光の空間偏光分布とし、再生時の参照光を、図15(B)に示すように、空間的に一様な0°の偏光とすれば、図16(A)に示すようなバンドパスフィルタ特性のフィルタリングと図16(B)に示すようなバンドエリミネータ特性のフィルタリングを、図12のように検光子62を用いる場合には検光子62の調整方位に応じて選択的に、図13のように偏光ビームスプリッタ64を用いる場合には同時に、行うことができる。
【0097】
また、記録時の参照光の空間偏光分布を上述した空間偏光分布と変えることによって、空間周波数特性が1次関数で表される微分フィルタや空間周波数特性が2次関数で表されるラプラシアンフィルタ(文献「S.H.Lee:Opt.Eng.,13,196(1974)」参照)などのフィルタリングを行うことができる。さらに、GaborフィルタやWaveletフィルタ(文献「Y.Li and Y.Zhang:Opt.Eng.,31(1992)1865−1885」参照)を構成して、記録画像の多重解像度解析、画像符号化、画像圧縮などに応用することも可能である。
【0098】
(記録時の参照光を一様な偏光とする場合)
上述したフィルタリングの例は、記録時の参照光を空間周波数フィルタの形状に応じた空間偏光分布を有するものとし、再生時の参照光を空間的に一様な0°の偏光とする場合であるが、逆でもよい。
【0099】
すなわち、記録時の参照光は空間的に一様な0°の偏光とし、再生時、例えばローパスフィルタリングまたはハイパスフィルタリングを行う場合には、再生時の参照光を、図10(同図は記録光学系であるが)に参照光5(上述した例では記録時の参照光であるが)として示したような空間偏光分布とする。
【0100】
これによって、ホログラムに記録された物体光3は、低周波スペクトルについては、0°の偏光の参照光によって記録されたものが、90°の偏光の参照光成分によって偏光が90°回転して、90°の偏光の回折光成分として読み出され、高周波スペクトルについては、0°の偏光の参照光によって記録されたものが、0°の偏光の参照光成分によって偏光が回転することなく、0°の偏光の回折光成分として読み出されて、ホログラムからの回折光6Aは、上述した例と同様に、図12に示すように、低周波スペクトル6Aaが90°の偏光となり、高周波スペクトル6Abが0°の偏光となる。
【0101】
したがって、上述した例と同様に、検光子62の方位を90°に調整することによって、ローパスフィルタリングを行うことができるとともに、検光子62の方位を0°に調整することによって、ハイパスフィルタリングを行うことができる。
【0102】
また、この場合、再生時の参照光も空間的に一様な0°の偏光とすれば、もとの画像を再生することができる。さらに、再生時の参照光を、図15(A)に参照光5(上述した例では図15(A)の参照光5は記録時の参照光であるが)として示したような空間偏光分布とすれば、バンドパスフィルタリングまたはバンドエリミネータフィルタリングを行うことができる。
【0103】
すなわち、上述した例では、記録時に空間周波数フィルタの形状(特性)が定められるのに対して、この例では、再生時に空間周波数フィルタの特性を任意に設定し、変更することができる。
【0104】
〔ウェーブレット変換…図17〜図19〕
この発明のフィルタリング方法は、ウェーブレット変換に適用することができる。光学的ウェーブレット変換については、文献「D.Mendlovic and N.Konforti:Opt.Eng.,32(1993)6542−6546」などに詳細に示されているが、ここでは、簡単のために、一次元信号f(x)を用いて示す。
【0105】
信号パターンf(x)のウェーブレット変換は、
Wf(a,b)=−∞ ∞∫f(x)h* a,b(x)dx …(7)
で定義される。−∞ ∞∫は、−∞から∞までの積分を意味する。
【0106】
ここで、ha,b(x)は、
ha,b(x)=a−1/2h{(x−b)/a} …(8)
で与えられるドーターウェーブレットであり、マザーウェーブレット関数のスケールaとトランスレートbで与えられる。
【0107】
典型的なマザーウェーブレットは、例えば、
h(x)=exp{(x/xo)2/2}exo(i2πωox)…(9)
で与えられる。ただし、ωoは空間周波数である。
【0108】
このガウシャンエンベロープを持つマザーウェーブレットh(x)は、Standard Morlet waveletとして知られている(文献「J.M.Combes,et al.,eds.,Wavelet:Time−Frequency Methods and Phase Space(Springer−Verlag,Berlin,1989)」参照)。
【0109】
ウェーブレット変換は、スケールaを適切な関係とすることを基礎とし、画像の空間周波数に対応したサンプリングレートでの画像分解を実現する。そのため、画像の多重解像度解析や画像圧縮などに有用である。
【0110】
多くの実用的な応用では、信号は離散的にサンプリングされ、そのため離散的なスケールaが用いられる。このとき、スケールaは、
a=aom …(10)
で定義される。ここで、ao>1であり、mは整数である。
【0111】
この定義によって、式(7)は、
Wf(m,b)=−∞ ∞∫f(x)h* m,b(x)dx …(11)
と書き換えられる。ここで、ドーターウェーブレットは、
hm,b(x)=(1/aom/2)h{(x−b)/aom}…(12)
で与えられる。
【0112】
式(7)または式(11)に戻ると、ウェーブレット変換は、信号パターンf(x)とドーターウェーブレットha,b(x)またはhm,b(x)との相関値であることがわかる。
【0113】
したがって、ドーターウェーブレットha,b(x)またはhm,b(x)の複素共役フーリエ変換像H* a,b(ω)またはH* m,b(ω)がフーリエ変換面にあり、信号パターンf(x)が入力面にあれば、ウェーブレット変換は古典的な二重回折光学系と等価である。そして、図10に示した記録光学系および図11に示した再生光学系は、この条件を満足する。
【0114】
図8の装置で、ウェーブレット変換を行うには、例えば、記録時の参照光は、図17(A)に示すように、上記のスケールmに対応する環状部分5qが90°の偏光で、その内側の部分5pおよび外側の部分5rが0°の偏光の空間偏光分布とし、再生時の参照光は、図17(B)に示すように、空間的に一様な0°の偏光とする。
【0115】
図17(A)の記録時の参照光の空間偏光分布は、式(12)の、あるmの値を持つドーターウェーブレットhm,b(x)の複素共役フーリエ変換像H* m,b(ω)に対応しており、その偏光角を90°とし、他の偏光角を0°とするものである。
【0116】
このような空間偏光分布の参照光によって、0°の偏光のフーリエ変換された物体光をホログラム記録する。その記録されたホログラムを、図17(B)に示したような0°の偏光の参照光で読み出すと、物体光のスケールmに対応する空間周波数成分のみの偏光が90°回転するので、その空間周波数成分を検光子や偏光ビームスプリッタで分離することによって、スケールmのウェーブレット変換像を得ることができる。
【0117】
図18は、図14(A)に示した画像につき、このようなウェーブレット変換を行った場合を示し、図18(A)は変換前の記録画像、図18(B)は得られたスケールmのウェーブレット変換像である。
【0118】
空間的に一様な0°の偏光の参照光によって、0°の偏光のフーリエ変換された物体光をホログラム記録し、その記録されたホログラムを、スケールmのドーターウェーブレットhm,b(x)が90°の偏光を持つような参照光で読み出しても、ウェーブレット変換像を得ることができる。この場合には、図19(A)(B)(C)に示すように読み出し用の参照光の空間偏光分布をスケールmに従って変化させることによって(それぞれ、部分5m1,5m2,5m3が90°の偏光である)、様々なスケールのウェーブレット変換像を得ることができる。
【0119】
図19(D)(E)(F)は、図14(A)に示した画像につき、このように読み出し用の参照光の空間偏光分布をスケールmに従って変化させてウェーブレット変換を行った場合に得られた、それぞれm=1,2,3のウェーブレット変換像を示す。
【0120】
〔マツチトフィルタリング…図20〜図22〕
図8の装置で、マツチトフィルタリングを行うには、記録時、図20に示すように、被検索画像の0°の偏光のフーリエ変換された物体光3を、参照光5によってホログラム記録する。このとき、同図に示すように、参照光5は、上記のウェーブレット変換のスケールmに対応する環状部分5qが90°の偏光で、その内側の部分5pおよび外側の部分5rが0°の偏光の空間偏光分布とする。
【0121】
相関演算時(画像検索時)には、図21に示すように、検索画像の0°の偏光のフーリエ変換された物体光3aで、上記のように記録されたホログラムを読み出す。このとき、レンズ66の焦点位置には、記録されている被検索画像と読み出し光としての検索画像が等しければ、自己相関像が得られ、被検索画像と検索画像が異なれば、相互相関像が得られる。
【0122】
この場合、被検索画像の0°の偏光のフーリエ変換された物体光3は、図20に示した空間偏光分布の参照光によってホログラム記録されているので、相関像スペクトルとして得られる回折光6Bは、スケールmに対応する空間周波数成分については、90°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の物体光3aによって偏光が90°回転して、90°の偏光の回折光成分として読み出され、その他の空間周波数成分については、0°の偏光の参照光成分によって記録されたものが、0°の偏光の物体光3aによって偏光が回転することなく、0°の偏光の回折光成分として読み出される。
【0123】
すなわち、この場合の相関像スペクトルは、従来のマツチトフィルタリングとは異なり、スケールmに対応する空間周波数成分と、その他の空間周波数成分とで、偏光が90°異なるものとなる。
【0124】
したがって、図21に示すように検光子67の方位を90°に調整することによって、検光子67を透過した回折光8Bとして、スケールmに対応する空間周波数成分のみからなる相関像が得られ、スケールmに対応するスペクトル間での演算結果の相関値を分離することができる。
【0125】
図22は、上記のマツチトフィルタリング方法によって、同図(A)に物体光として示す9人の顔写真が配列された画像をホログラム記録し、そのホログラムに同図(B)のような一人の顔写真からなる画像を検索画像として照射した場合である。
【0126】
この場合、図21の検光子67を透過する前の回折光7Bは、図22(C)に示すような相関像となって、図27(C)に示した相関像と同様に自己相関値と相互相関値を区別しにくいが、検光子67を透過した後の回折光8Bは、図22(D)に示すような相関像となって、自己相関値と相互相関値を容易に区別することができる。これは、検光子67を透過した後の回折光8Bとしては、被検索画像と検索画像の0次を含まない、画像形状に依存したスペクトル間でのみ相関演算が行われたからである。
【0127】
具体的に、図22(C)の相関像は、本人の顔の画像との自己相関像の強度と他人の顔の画像との相互相関像の強度が、ほぼ等しく、本人の認証が不可能である。これは、顔の頬の部分に代表される低次の空間周波数スペクトルが、9人全員の顔で共通であるためである。これに対して、図22(D)の相関像は、相互相関像に対して自己相関像の強度が非常に高くなり、自己相関像のみが強く現れる。これは、人の顔に特徴のある空間周波数スペクトル間で相関演算が行われた結果である。
【0128】
この発明のマツチトフィルタリングは、まさに光学的ウェーブレットマツチトフィルタリングである。ウェーブレットマツチトフィルタリングでは、高S/Nの相関像を得るには、取り扱う画像に応じてスケールmを適切に設定する必要がある。
【0129】
なお、従来のウェーブレットマツチトフィルタリングについては、文献「J.Widjada and Y.Tomita,Optics Communications,117,123−126(1995)」などに示されている。
【0130】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば、フーリエスペクトルの各周波数成分が失われることなく、かつ装置の複雑化および大型化を来たすことなく、ホログラム記録再生過程において、所望の空間周波数特性のフィルタリングを行うことができ、ローパスフィルタリングとハイパスフィルタリングなど、互いに相補的なフィルタリングを同時に行うこともできる。
【0131】
また、この発明によれば、ホログラムメモリとしてのデータ記録再生機能と高速性および大容量性を失うことなく、識別能力の高いマツチトフィルタリングを行うことができる。
【0132】
すなわち、この発明によれば、高精細なアナログ画像をホログラムメモリに蓄積しておき、再生像または相関像の必要な偏光成分を抽出するだけで、所望の空間周波数成分の再生像または相関像を、必要な分解能および高S/Nで出力することができる。
【0133】
また、ウェーブレット変換などの画像処理機能も有し、ホログラムメモリからウェーブレット変換像などの処理された画像を高速に出力することによって、CPUの負担を大きく低減させることができる。そのため、高速性および大容量性を備えるデジタルデータ用ファイルメモリとしてのみならず、高精細画像用サーバとして利用することも可能となる。
【0134】
さらに、古い特許などに代表される電子化されていないドキュメントなどを、アナログ画像としてホログラムに蓄積しておき、キーワードとなる文字や文章によって、ページ内およびページ間で、高精度かつ高速に検索することができる。そのほか、高精細の画像からターゲットの位置を検出し、あるいは顔写真や指紋に代表される個人を識別する情報のデータベースから、検索する情報を、高精度かつ高速に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に用いる光記録媒体の一例を示す図である。
【図2】この発明の方法に用いる光記録媒体の材料の一例の化学式を示す図である。
【図3】実験に用いた記録光学系を示す図である。
【図4】偏光変調可能な空間光変調器の一例を示す図である。
【図5】実験に用いた再生光学系を示す図である。
【図6】実験に用いた物体光の偏光分布と実験結果の再生光の強度を示す図である。
【図7】実験結果の、物体光の偏光角に対する再生光の偏光角を示す図である。
【図8】この発明のホログラム記録再生装置およびフィルタリング装置の一実施形態を示す図である。
【図9】図8の実施形態での光記録媒体の回転と光学ヘッドの移動を示す図である。
【図10】この発明のホログラム記録方法の一例を示す図である。
【図11】この発明のホログラム再生方法の一例を示す図である。
【図12】この発明のフィルタリング方法の一例を示す図である。
【図13】この発明のフィルタリング方法の他の例を示す図である。
【図14】図12の方法の実験結果を示す図である。
【図15】この発明のフィルタリング方法のさらに他の例を示す図である。
【図16】図15の空間周波数フィルタの特性を示す図である。
【図17】この発明のウェーブレット変換方法の一例を示す図である。
【図18】図17の方法の実験結果を示す図である。
【図19】この発明のウェーブレット変換方法の他の例と実験結果を示す図である。
【図20】この発明のマツチトフィルタリング方法の一例の記録光学系を示す図である。
【図21】この発明のマツチトフィルタリング方法の一例の相関演算光学系を示す図である。
【図22】この発明のマツチトフィルタリング方法の一例の実験結果を示す図である。
【図23】従来のホログラム記録方法を示す図である。
【図24】従来のホログラム再生方法およびフィルタリング方法を示す図である。
【図25】従来のマツチトフィルタリング方法を示す図である。
【図26】従来のマツチトフィルタリング方法の実験結果を示す図である。
【図27】従来のマツチトフィルタリング方法の実験結果を示す図である。
【図28】従来のマツチトフィルタリング方法の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
2,2a…物体光
3,3a…フーリエ変換された物体光
5…参照光
10…光記録媒体
21…光源
31,39…空間光変調器
6A,6B,7A,7B,8A,8B…回折光
40…モータ
50…光学ヘッド
58…縮小光学系
62,67…検光子
63,63L,63H,68…光検出器
64…偏光ビームスプリッタ
65…再生像光学系
69…相関像光学系
70…ヘッド移動機構
Claims (26)
- コヒーレント光を画像情報によって空間的に強度変調して直線偏光の物体光を生成し、この物体光をフーリエ変換してフーリエ変換像を得るとともに、前記コヒーレント光から参照光を生成し、
前記フーリエ変換像または前記参照光を空間的に偏光変調して、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射されるフーリエ変換像および参照光として、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光を生成し、
そのフーリエ変換像と参照光とを、前記光記録媒体に同時に照射し、前記光記録媒体中で干渉させて、前記光記録媒体中にホログラムを記録するホログラム記録方法。 - 請求項1のホログラム記録方法において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、前記光記録媒体を回転させるとともに、前記フーリエ変換像および前記参照光を生成して前記光記録媒体に照射する光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるホログラム記録方法。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光を画像情報によって空間的に強度変調して直線偏光の物体光を生成する第1の空間光変調器と、
この物体光をフーリエ変換し、その得られたフーリエ変換像を、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射する第1の結像光学系と、
前記光源からの光から参照光を生成する参照光光学系と、
この参照光を前記光記録媒体に照射する第2の結像光学系と、
前記フーリエ変換像または前記参照光を空間的に偏光変調して、前記光記録媒体に照射されるフーリエ変換像および参照光として、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光を生成する第2の空間光変調器と、
を備えるホログラム記録装置。 - 請求項3のホログラム記録装置において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、当該ホログラム記録装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記光源、前記第1の空間光変調器、前記第1の結像光学系、前記参照光光学系、前記第2の結像光学系および前記第2の空間光変調器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備えるホログラム記録装置。 - 光誘起複屈折性を示す光記録媒体であって、
画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録された光記録媒体。 - 請求項5の光記録媒体において、
前記ホログラムに記録されている画像が、ドキュメントなどのアナログ画像である光記録媒体。 - 請求項5の光記録媒体において、
前記ホログラムに記録されている画像が、顔写真、指紋、またはその他の、個人を識別する画像である光記録媒体。 - 請求項5〜7のいずれかの光記録媒体において、
当該光記録媒体がディスク形状である光記録媒体。 - 画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる読み出し光を照射して、空間的に一様な偏光のホログラム回折光を得、
このホログラム回折光を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記物体光の画像を再生するホログラム再生方法。 - 画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、読み出し光を照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光成分を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記物体光の画像の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分を抽出するホログラム再生方法。 - 画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、読み出し光を照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光を逆フーリエ変換し、その変換後の回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する偏光成分、および前記他の空間周波数成分に対応する偏光成分を、それぞれ光検出器で検出して、前記物体光の画像の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分、および前記他の空間周波数成分に対応する周波数成分を、それぞれ抽出するホログラム再生方法。 - 画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られた空間的に一様な偏光のフーリエ変換像と、空間的に一様な偏光の参照光とによって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
前記フーリエ変換像のある空間周波数成分に対応する空間部分と前記フーリエ変換像の他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる読み出し光を照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光成分を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記物体光の画像の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分を抽出するホログラム再生方法。 - 請求項9〜12のいずれかのホログラム再生方法において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、前記光記録媒体を回転させるとともに、前記読み出し光を生成する読み出し光光学系および前記光検出器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるホログラム再生方法。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光から、画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射することによって、空間的に一様な偏光のホログラム回折光を得るための、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる読み出し光を生成して、前記光記録媒体に照射する、偏光変調用の空間光変調器を含む読み出し光光学系と、
前記ホログラム回折光を逆フーリエ変換するレンズと、
その変換後の回折光を検出する光検出器と、
を備えるホログラム再生装置。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光から、画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射することによって、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得るための、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、読み出し光を生成して、前記光記録媒体に照射する、偏光変調用の空間光変調器を含む、または含まない読み出し光光学系と、
前記ホログラム回折光を逆フーリエ変換するレンズと、
その変換後の回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する偏光成分を、検出する光検出器と、
を備えるホログラム再生装置。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光から、画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射することによって、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得るための、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、読み出し光を生成して、前記光記録媒体に照射する、偏光変調用の空間光変調器を含む、または含まない読み出し光光学系と、
前記ホログラム回折光を逆フーリエ変換するレンズと、
その変換後の回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する偏光成分、および前記他の空間周波数成分に対応する偏光成分を、それぞれ検出する光検出器と、
を備えるホログラム再生装置。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光から、画像情報によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られた空間的に一様な偏光のフーリエ変換像と、空間的に一様な偏光の参照光とによって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射することによって、前記フーリエ変換像のある空間周波数成分に対応する空間部分と前記フーリエ変換像の他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得るための、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる読み出し光を生成して、前記光記録媒体に照射する、偏光変調用の空間光変調器を含む読み出し光光学系と、
前記ホログラム回折光を逆フーリエ変換するレンズと、
その変換後の回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する偏光成分を、検出する光検出器と、
を備えるホログラム再生装置。 - 請求項14〜17のいずれかのホログラム再生装置において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、当該ホログラム再生装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記光源、前記読み出し光光学系、前記レンズおよび前記光検出器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備えるホログラム再生装置。 - 被検索画像によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に、
検索画像によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られた、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、別のフーリエ変換像を、読み出し光として照射して、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得、
このホログラム回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光成分を、逆フーリエ変換し、光検出器で検出して、前記被検索画像と前記検索画像との間の、前記ある空間周波数成分に対応する周波数成分についての相関演算値を得るフィルタリング方法。 - 請求項19のフィルタリング方法において、
前記被検索画像と前記検索画像の、少なくともいずれか一方が、ドキュメントなどのアナログ画像であるフィルタリング方法。 - 請求項19のフィルタリング方法において、
前記被検索画像と前記検索画像の、少なくともいずれか一方が、顔写真、指紋、またはその他の、個人を識別する画像であるフィルタリング方法。 - 請求項19〜21のいずれかのフィルタリング方法において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、前記光記録媒体を回転させるとともに、前記別のフーリエ変換像の読み出し光を生成する読み出し光光学系および前記光検出器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるフィルタリング方法。 - コヒーレント光を発する光源と、
この光源からの光を検索画像によって空間的に強度変調して直線偏光の物体光を生成する空間光変調器と、
この物体光をフーリエ変換して、被検索画像によって空間的に強度変調された直線偏光の物体光がフーリエ変換されて得られたフーリエ変換像、および参照光であり、かつ、フーリエ変換像のある空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記ある空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係と、フーリエ変換像の他の空間周波数成分の偏光方向と参照光の前記他の空間周波数成分に対応する空間部分の偏光方向との関係とが異なる偏光状態のフーリエ変換像および参照光によって、ホログラムが記録されている、光誘起複屈折性を示す光記録媒体に照射することによって、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なるホログラム回折光を得るための、前記ある空間周波数成分に対応する空間部分と前記他の空間周波数成分に対応する空間部分とで偏光方向が異なる、または空間的に一様な偏光の、別のフーリエ変換像を、読み出し光として生成して、前記光記録媒体に照射する、偏光変調用の空間光変調器を含む、または含まない読み出し光光学系と、
前記ホログラム回折光を逆フーリエ変換するレンズと、
その変換後の回折光の、前記ある空間周波数成分に対応する偏光成分を、検出する光検出器と、
を備えるフィルタリング装置。 - 請求項23のフィルタリング装置において、
前記被検索画像と前記検索画像の、少なくともいずれか一方が、ドキュメントなどのアナログ画像であるフィルタリング装置。 - 請求項23のフィルタリング装置において、
前記被検索画像と前記検索画像の、少なくともいずれか一方が、顔写真、指紋、またはその他の、個人を識別する画像であるフィルタリング装置。 - 請求項23〜25のいずれかのフィルタリング装置において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、当該フィルタリング装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記光源、前記空間光変調器、前記読み出し光光学系、前記レンズおよび前記光検出器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備えるフィルタリング装置。
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