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JP4053766B2 - 一酸化炭素発生炉 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉内の中央で底面の上に堆積するようにコークスを供給し、その底面に設けた酸素吹き込みノズルから炉内に酸素を供給してコークスを燃焼させる一酸化炭素発生炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記一酸化炭素発生炉として知られている従来のものでは、底面の中央に設定された円周上に、等間隔に3個の酸素吹込みノズルが設けられている。酸素吹き込みノズルの上面には噴射口が開口され、その上面は炉内に露出している。
【0003】
一酸化炭素発生炉内に供給されたコークスを上記3個の酸素吹き込みノズルから酸素を吹き込んで燃焼させると、炉内の下部では二酸化炭素が発生し酸化ゾーンが形成される。
【0004】
炉内の上部では、酸素濃度が低くなり上記二酸化炭素が還元されて一酸化炭素が発生し還元ゾーンが形成される。
【0005】
上記酸化ゾーン内では、コークスの燃焼によって発生する熱で炉壁が溶融して焼損するおそれがある。炉壁の焼損を防ぐため、一酸化炭素発生炉の側面を外側からウォータジャケットで包囲し、ウォータジャケットに冷却水を供給して炉壁を冷却する。
【0006】
炉壁付近では上記冷却水によって燃焼が抑制されるため、炉壁付近にコークスが集中すると燃焼効率が低下する。
【0007】
そこで、底面の中央に堆積するようにコークスを供給することによって、酸化ゾーン内の中央部で最も燃焼が活発になるようにしている。
【0008】
ところで、上記コークスは一酸化炭素発生炉の上部に設置されているホッパーに貯蔵されている。ホッパーの出口は一酸化炭素発生炉の上部に設けられたコークスの供給口に接続されている。その接続部にはスライド自在な仕切り板が取り付けられており、コークスの供給口が開口する方向にその仕切り板をスライドすることにより、コークスが自由落下により炉内に供給される。
【0009】
上記従来の一酸化炭素発生炉では、コークスを底面の中央に堆積させるために、コークスの供給口の角度をコークスが炉内のほぼ中心に落下するように調整している。従って、上記コークスの供給口から炉内に供給されたコークスは、炉内の中央付近を頂点に底面の上に山形に堆積する。
【0010】
しかしながら、上記のようにコークスを供給した場合は、炉内の中央ではコークスの供給量が周囲よりも多いために、酸化ゾーンの中央部では酸素の供給量が不足し、燃焼が不十分になるおそれがある。
【0011】
そこで従来は炉の中央で酸素の供給量が不足することを防ぐために、上記3個の酸素吹き込みノズルから各々供給する酸素を増量していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の一酸化炭素発生炉では、酸素吹き込みノズルから供給される酸素を増量すると酸化ゾーン全体の酸素の供給量は増加するが、3個の酸素吹き込みノズルが設置された位置からでは、コークスの供給が集中する炉内の中央で周囲よりも大量の酸素を供給することができないため、燃焼むらが生じるという不都合があった。
【0013】
また、燃焼むらが生ずる度により大量の酸素を供給することにより、酸素吹き込みノズルに過度の負担をかけることになり、酸素吹き込みノズルの寿命を縮めるおそれがあった。
【0014】
さらに、酸素吹き込みノズルから大量の酸素を供給すると、ノズル付近でコークスの燃焼が活発化し、周囲よりも早くスラッグが発生しやすくなるため、スラッグが酸素吹き込みノズルを閉塞するおそれがある。スラッグによって酸素吹き込みノズルが閉塞されると、ノズルから離れたところではまだ十分に燃焼していないコークスが残っているにもかかわらず、スラッグを除去するために一酸化炭素発生炉の運転を停止しなければならない。従って、酸素吹き込みノズルがスラッグによって閉塞されやすい一酸化炭素発生炉では、一酸化炭素発生炉の運転を停止してスラッグの除去作業を頻繁に行わなければならないため、稼動効率が低下するという不具合があった。
【0015】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、酸素吹き込みノズルに過剰な負担をかけずに、ほとんどのコークスが供給される炉内の中央で周囲よりも酸素の供給量が多くなるようにし、かつコークスの燃焼むらが生じにくい一酸化炭素発生炉を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る一酸化炭素発生炉は、底面の中央に堆積するようにコークスを供給し、その底面に設けた酸素吹き込みノズルから炉内に酸素を供給してコークスを燃焼させる一酸化炭素発生炉において、底面の中心に1個の酸素吹き込みノズルと、その酸素吹き込みノズルを中心とする円周上に等間隔に6個の酸素吹き込みノズルとを設けたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、上記6個の酸素吹き込みノズルから供給された酸素が炉内の中心に向かって集中し、さらに底面の中心に設けられた酸素吹き込みノズルからも直接酸素が供給されるため、酸素の供給量は炉内の中心で最も多くなる。
【0018】
上記円周上に等間隔に設ける酸素吹き込みノズルを6個にすることにより、底面の中心に設けた酸素吹き込みノズルを含めて、すべての酸素吹き込みノズルについて隣り合う酸素吹き込みノズルとの間の距離を等距離にすることができる。従って、隣り合う酸素吹き込みノズルの間の酸素の供給量はいずれもほぼ同量になる。
【0019】
なお、底面の形状を円形に形成し、上記6個の酸素吹き込みノズルを設ける円の半径を底面の半径の約2分の1にした場合、炉内に自由落下して供給されるコークスのほとんどは上記円の内側で山形に堆積する。上記円の外側ではコークスは裾野状に広がるため供給量はきわめて少なくなるが、酸素も上記6個の酸素吹き込みノズルから底面の周縁に向かって放射状に拡散するため、供給量は逓減していく。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は略円錐形の一酸化炭素発生炉の本体である。本体1の上部は、母線の傾斜の角度が下部よりも緩やかに形成されている。その本体1の上部にはコークスの供給口11が設けられている。
【0021】
上記傾斜の角度は、コークスの供給口11からコークスを供給した場合に、コークスが一酸化炭素発生炉内部の中央で底面15の上に山形に堆積するように定められる。従ってコークスの供給量のほとんどは一酸化炭素発生炉の中央に集中し、周辺付近でのコークスの供給量は非常に少なくなる。
【0022】
コークスの供給口11にはコークスを貯蔵するホッパー2の出口が接合されている。ホッパー2の出口とコークスの供給口11との接合部には、炉内へのコークスの供給を調整するために、スライド自在な仕切り板21が差し込まれている。ホッパー2から炉内にコークスを供給する場合は、仕切り板21をホッパー2の出口を開放する方向にスライドする。一方、所定量のコークスが炉内に供給されると、仕切り板21をホッパー2の出口を遮断する方向にスライドしてコークスの供給を中止することができる。
【0023】
本体1の上部には、コークスの供給口11とは別の位置に一酸化炭素の送出口12が開口されている。一酸化炭素の送出口12には一酸化炭素の送出管3が接続されている。
【0024】
なお、コークスの供給口11から炉内にコークスを供給する際に、コークスの粉が一酸化炭素の送出口12の側に飛散して、生成された一酸化炭素にコークスの粉が混じってしまう場合がある。そこで、コークスの供給口11には、コークスの粉が一酸化炭素の送出口12の方向に飛散する進路を遮断する位置に飛散防止板13が取り付けられている。
【0025】
本体1の側面の外周は、ウォータジャケット4によって包囲されている。本体1の上部を包囲するウォータジャケット4の上部42は漏斗状に形成され、その上部42の側面にジャケットオーバーフロー口43が開口されている。ジャケットオーバーフロー口43には排水管44が接続されている。
【0026】
ウォータジャケット4には、ウォータジャケット4の下部に設けられた冷却水入口管45から冷却水が供給される。冷却水入口管45から継続的に冷却水を供給すると、冷却水は本体1を冷却しながら次第に上部42に向かう。冷却水がジャケットオーバーフロー口43に達すると、排水管44を通って冷却水排水槽5に流れ込む。
【0027】
上記のような構成で本体1を冷却することにより、常に新たな冷却水がウォータジャケット4に供給されるため、コークスが燃焼して熱が発生しても、本体1の側面の焼損は防止される。なお、本体1の側面を冷却する冷却水の動きを白抜きの矢印で示した。
【0028】
ウォータジャケット4の下部には、冷却水入口管45とは別の位置にウォータジャケット4と本体1とを貫通してマンホール14が開口されている。炉内に堆積したスラッグは、一酸化炭素発生炉を消火して運転を停止した後、マンホール14から取り出すことによって除去される。なお、マンホール14は一酸化炭素発生炉の運転中は、蓋14aによって塞がれている。
【0029】
本体1の下方には冷却水が供給されたウォーターカップ6が設置されている。コークスの燃焼によって熱せられた本体1の底面15は、ウォータカップ6の冷却水によって冷却される。
【0030】
本体1の底面15には酸素吹込みノズル7が上面71を炉内に露出させて設けられている。上面71には、噴射口72が開口されている。噴射口72には通風管74が酸素吹き込みノズル7の頭部73を貫通して接続されている。通風管74の下部には炉外から本体1とウォータカップ6との間を通って配設された酸素の供給管75が接続され、酸素吹き込みノズル7に酸素を供給している。
【0031】
酸素の供給管75から酸素吹込みノズル7に供給された酸素は、噴射口72から本体1の内部に吹き込まれ、本体1の下部で酸化ゾーンOが形成される。ホッパー2から本体1の内部に供給されたコークスを上記酸化ゾーンO内で燃焼させると、コークスの表面では炭素の酸化反応が生じ二酸化炭素が生成される。
【0032】
本体1の上部では酸素量が次第に減少し、還元ゾーンDが形成される。上記二酸化炭素は還元ゾーンDに達すると一酸化炭素となる。還元ゾーンDで発生した一酸化炭素は、ダクト31を介して送出管3に接続されている一酸化炭素精製装置(図示せず)に送り込まれ、各種化合物の製造などに供される。
【0033】
なお、酸素吹込みノズル7は、上面71にスラッグが堆積することによって噴射口72が閉塞され炉内への酸素の供給が阻害されるおそれがある。そこでスラッグによる閉塞を阻止するために、酸素吹込みノズル7の上面71を噴射口72から外周に向かって下り傾斜にし、スラッグが噴射口72付近に留まることなく外周に向かって流れるようにした。本実施の形態では上面71は、噴射口72を最上部として半球状に形成したが、噴射口72から外周に向かって下り傾斜にすれば半球状でなくてもよい。
【0034】
また、スラッグによる酸素吹き込みノズル7の閉塞は、比較的微小なスラッグが噴射口72から通風管74に入り込んでも引き起こされる。そこで、通風管74の下端に、掃除口76を設けた。掃除口76はウォータカップ6の底面から外部に露出しているので、通風管74に入り込んだスラッグは、ウォータカップ6を取り外さなくても掃除口76から図示しないノズル突き棒などを挿入して炉内に押し出すことにより除去することができる。なお、掃除をしない場合は、掃除口76の先端はキャップ76aで塞がれてる。
【0035】
図2を参照して、7は、底面15の中央に設定された円15aの円周上に等間隔に6個設けられている酸素吹き込みノズル及び底面15の中心に設けられている酸素吹き込みノズルである。
【0036】
上記6個の酸素吹き込みノズル7から一酸化炭素発生炉内に供給される酸素は、底面15の中心方向に向かって集中する。
【0037】
さらに、円15aの中心に設けられている酸素吹き込みノズル7からも酸素が供給されるため、炉内の中心における酸素の供給量は、上記6個の酸素吹き込みノズル7から底面15の中心に向かって集中して供給される酸素と、底面15の中心に設けられている酸素吹き込みノズル7から直接供給される酸素との総量になる。
【0038】
従って、酸素の供給量は、個々の酸素吹き込みノズル7から供給する酸素の量を増量しなくても炉内の中央で最も多くなる。コークスは炉内の中央付近を頂点として山形に堆積するので、コークスが最も多く供給されるところと酸素が最も多く供給されるところとはほぼ一致する。
【0039】
円15aの内側では、隣り合う二つの酸素吹き込みノズル7の間の距離が離れすぎて酸素の供給量が逓減するところが生じたり、逆に距離が近すぎて逓増するところが生じたりすると燃焼むらの原因となる。
【0040】
上記の円15a上に等間隔に設けた酸素吹き込みノズル7を6個にすることにより、円15aの中心に設けた酸素吹き込みノズル7を含めて、隣り合う酸素吹き込みノズル7の間の距離をすべて等距離にすることができる。その結果、円15aの内側では、隣り合う二つの酸素吹き込みノズル7の間の酸素の供給量は、どこでもほぼ同量になる。
【0041】
従って、酸素吹き込みノズル7から供給する酸素の量を増量しなくても、炉内の中央で最も多くの酸素を供給することができ、また円15aの内側ではいずれの隣り合う二つの酸素吹き込みノズル7の間も酸素の供給量をほぼ均一にすることができるので、酸素吹き込みノズル7に過剰な負担をかけずに、コークスの燃焼むらを防ぐことができる。
【0042】
ところで、炉内に供給されたコークスは、炉内の中央では山形に堆積するが、山形に堆積したコークスの周辺から底面15の周縁までの間では裾野状に広がる。従って、裾野状に広がる個所では、山形に堆積する個所に比べてコークスの供給量は極端に少なくなる。
【0043】
一方、円15aの内側では上記のとおり炉内の中央付近で酸素の供給量が最も多くなり、隣り合う酸素吹き込みノズル7の間の酸素の供給量はいずれもほぼ均一であるが、円15aの外側では上記6個の酸素吹き込みノズル7から供給される酸素は底面15の周縁に向かって放射状に拡散し、次第に酸素の供給量は減少する。
【0044】
従って、円15aの外側では、コークスの供給量に対する酸素の供給量は十分であり、燃焼むらの問題は比較的生じにくい。
【0045】
しかしながら、円15aの大きさによっては、山形に堆積するコークスが円15aの外側まで及ぶ場合や、あるいは円15aの内側からコークスが裾野状に広がる場合が生じる。この場合は、コークスの供給量と酸素の供給量とが対応していない部分があるために、燃焼むらが生じるおそれがある。
【0046】
底面15の形状を円形にし、上記6個の酸素吹き込みノズル7を設けた円15aの半径を底面15の半径の約2分の1にすれば、山形に堆積するコークスはほぼ円15aの内側に供給され、裾野状に広がるコークスは円15aの外側に供給される。従って、コークスの供給量と酸素の供給量とが円15aの内側と外側とのいずれでも対応し、炉内の全体で燃焼むらが生じるのを防ぐことができる。
【0047】
なお、底面15を円形にしたことにより、円15aから底面15の周縁までの距離が上記6個の酸素吹き込みノズル7のいずれからも等距離になる。従って、円15aの外側で底面15の周縁に向かって放射状に拡散する酸素の量は、6個の酸素吹き込みノズル7のいずれからもほぼ同量となる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、酸素吹き込みノズルを設ける位置と数とを調整することにより、コークスが最も多く供給される炉内の中心付近で酸素の供給量が最も多くなり、底面の周縁付近ではコークスの供給量が減少していくのに対応して酸素の供給量も次第に減少するため、コークスの燃焼むらが生じにくくなった。
【0049】
また、酸素吹き込みノズルから供給される酸素の量を増量しなくてもコークスを効率よく燃焼させることができるようになったため、酸素吹き込みノズルに過剰な負担がかからず、酸素吹き込みノズルの寿命を従来よりものばすことができるようになった。
【0050】
酸素吹き込みノズルから噴射させる酸素の量を増量しなくてもコークスを効率よく燃焼させることができるようになった結果、従来よりもスラッグによって酸素吹き込みノズルが閉塞されにくくなったので、スラッグの除去作業の頻度が少なくなり、一酸化炭素発生炉の稼動効率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】一酸化炭素発生炉の側断面図
【図2】一酸化炭素発生炉の底面の上面図
【符号の説明】
1 本体
15 底面
2 ホッパー
3 一酸化炭素の送出管
4 ウォータージャケット
5 冷却水排水槽
6 ウォーターカップ
7 酸素吹込みノズル
71 上面
72 噴射口
73 頭部
74 通風管
75 酸素の供給管
76 掃除口
O 酸化ゾーン
D 還元ゾーン

Claims (2)

  1. 底面の中央に堆積するようにコークスを炉内に供給し、その底面に設けた酸素吹き込みノズルから炉内に酸素を供給してコークスを燃焼させる一酸化炭素発生炉において、底面の中心に1個の酸素吹き込みノズルと、その酸素吹き込みノズルを中心とする円周上に等間隔に6個の酸素吹き込みノズルとを設けたことを特徴とする一酸化炭素発生炉。
  2. 上記底面の形状を円形に形成し、上記6個の酸素吹き込みノズルを設けた円の半径を底面の半径の約2分の1としたことを特徴とする請求項1記載の一酸化炭素発生炉。
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