JP4060209B2 - 復調方法および復調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号列の復調方法および復調装置に関し、特に、信号列内のデータ部分の前段階の同期部分における雑音の影響を回避する復調方法および復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気媒体に記録されたデータの復調時や通信における受信データの復調時には、情報を有する本来のデータ部分の前段階の同期部分においてタイミングをとり、ずれやぶれが生じないようにしている。このために、信号列内のデータの先頭の制御情報に同期のための信号(ビット)が書き込まれている。この同期のための信号は、同じパルス幅のものが数回続くようになっている。この同期部分での復調において、読み間違えまたは記録されたデータや受信データに混入した雑音等によって、それ以降のデータが本来のデータと異なることがある。以下にデータの変調と復調について説明し、その問題点を指摘する。なお、ここではMFM(Modified Frequency Modulation)方式による変復調について説明する。
【0003】
図4は、変調の状態遷移図である。ビット列の中の1つのビット0とビット1を信号の状態とし、状態が遷移したとき、つまりビットが変わったときにエンコード出力が得られる。ここで、エンコード出力は、例えばパルス幅とする。ビット0が続いたとき、ビット0の後端で反転する。ビット0からビット1に変わったとき、ビット1の中央で反転する。ビット1が続いたときにはビット1の中央で反転し、ビット1からビット0に変わるときには反転はしない。このため、出力されるパルス幅は、2,3,4のいずれかになる。以下に、具体的なビット列が図4の変調の状態遷移図に従って、どのようなパルス幅になるかを見る(図5参照)。
【0004】
図5はビット列とこのビット列を変調したパルス幅を示すものである。ビット列「0001000110100101」の初めのビットは「0」であり、次も「0」となっている。図4の変調の状態遷移図によれば、ビット0が続いているので、パルス幅は2となる。上記ビット列の3番目の「0」から「1」に変わるときには、ビット1の中央で反転するので、パルス幅は3となる。このようにして図4の変調の状態遷移図に従ってエンコードされると、図5の下段の数字列のようなパルス幅となる。次にこのようにしてエンコードされたパルス幅の数字列がデコード(復調)され、ビット列になるのを見る。
【0005】
図6は、復調の状態遷移図である。スタートは任意に定めることができるので、ここではパルス幅2の状態Dをスタートとする。なお、同じパルス幅2であっても状態の異なることがある。図6では状態Aが状態Dと同じくパルス幅2である。また、パルス幅3にも状態Bと状態Eがある。パルス幅4は状態Cとする。図7を参照して、エンコードされたパルス幅がデコードされてどのようなビット列へなるかを見る。
【0006】
図7は同期部分からデータ本体に入る部分までのビット列を示す。エンコードされた最初のパルス幅は「2」であるため、図6に従って、スタートより状態Dとなる。図7のパルス幅では、パルス幅「2」、つまり状態Dが続いているため、デコードすると、ビット列が「0」となる。同期部分からデータ本体に移るときにパルス幅が「2」から「3」へ移る。これにより、状態が状態Dから状態Bに遷移する。図6の復調の状態遷移図を参照すると、状態Dから状態Bに遷移したときには、ビット列が「01」となる。パルス幅「3」の次はパルス幅「2」となっているので、状態はさらに状態Bから状態Aへ遷移する。このとき図6の復調の状態遷移図を参照すると、ビット列が「1」となる。さらに次はパルス幅が4となっているので、状態はさらに状態Aから状態Cへ移る。このとき図6の復調の状態遷移図を参照すると、ビット列が「01」となる。このようにして、パルス幅はデコードされ、ビット列になる(非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
笹瀬巌、外4名、「次世代ディジタル変復調技術」、トリケップス、1995年5月31日、p.45,46
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
次に同期部分に雑音が入った場合の問題を考えてみる。図8は同期部分の3つ目のパルス幅に雑音が入った場合においてデコードした例を示す。最初と2つ目のパルス幅は「2」であるので、上述した図7の場合と同様に、状態Dが続くことにより、ビット列「0」が得られる。3つ目をデコードすると、状態が状態Dから状態Bに移るため、ビット列「01」を得る。この後、4つ目以降には雑音が入っていないので、パルス幅「2」が続く。これは状態が状態Bから状態Aに遷移し、状態Aが続くことを示している。これにより、ビット列「1」が連続して得られる。同期部分からデータ本体に移る際には、パルス幅が「2」から「3」になることによって、状態が状態Aから状態Eに移行する。これによりビット列「0」が得られる。これは、正常な場合に得られる正しいビット列とは異なっている(図7参照)。図8において最下段のビット列は正しいビット列を示す(図7のビット列と同じ)。
【0009】
上述したように、同期部分の途中に雑音が入ってしまうと、データ本体をデコードした際に、正しいビット列を得ることができない。特に、図中最後の「×××」となっている部分は、パルス幅が「2」から「4」になる場合がない、つまり状態Dからいく状態がないため、状態遷移から外れ、解釈不能となってしまう。この場合には、エラーとして記録し復号処理を停止したり、状態遷移が解釈可能なパルス幅がくるまで状態を保持するようにしていた。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、同期部分の途中に雑音が入っても、正しい状態に戻すことで雑音の影響を回避する復調方法および復調装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る復調方法および復調装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
【0012】
本発明に係る復調方法(請求項1に対応)は、同期部分における信号列の復調方法において、同期部分で遷移することのない初期処理状態以外の処理状態が継続することを検出し、初期処理状態に強制的に切替えることを特徴とする。初期処理状態に強制的に切替えることにより、その後のデコード処理して得られるビット列を正しいものとし、処理状態を本来の初期処理状態として処理することで信頼性を高める。
【0014】
本発明に係る復調装置(請求項2に対応)は、信号読取り部と、読み取られた信号を整形する整形回路と、処理演算部を備える復調装置において、処理演算部が整形回路によって整形された信号を処理し、信号がどの処理状態にあるかを判別する処理状態判別部と、同期部分において処理演算部が最初に判別した初期処理状態と異なる処理状態が継続することを検出したときに、初期処理状態に強制的に切替える処理状態強制切替部を備えることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、処理における状態遷移図は従来と同じであるため、適宜従来の技術の説明で用いた図4の変調の状態遷移図および図6の復調の状態遷移図を参照する。
【0017】
図1は、復調装置の概略構成図である。復調装置10は信号読取り部11と、読み取られた信号を増幅するアンプ12と、増幅された信号を整形する整形回路13と、処理演算部14とから構成される。処理演算部14はCPU15と、処理状態判別部17と処理状態強制切替部18を格納するメモリ16から構成されている。
【0018】
信号読取り部11で読み取られた信号は、アンプ12で増幅され、整形回路13で整形されて処理演算部14へ入力される。処理演算部14では入力された信号の復調処理が行われる。最初に入力される信号は同期部分であるため、通常、状態Dが続く(図6参照)。しかしながら、図8で示したように、同じ状態が続くはずである同期部分に雑音が入ってしまうと、読み取ったデータが本来のデータと別のものとなってしまう。
【0019】
上述した復調の説明では、状態Dからスタートするとしたが、状態Eからスタートするとした場合にも、同じ状態が続くはずである同期部分に雑音が入ってしまうと、状態Dからスタートするとした場合と同様に読み取ったデータが本来のデータと別のものとなってしまう。そこで、状態Dと状態Eを処理状態T(初期処理状態)とし、その他の状態である状態A,B,Cを処理状態Sと区別する。このように区別することによって、同期部分ではあり得ない状態である状態A,B,Cと、状態D,Eとを判別することができる。
【0020】
処理演算部14の処理状態判別部17では、処理状態Sであるか処理状態Tであるかを判別する。処理状態強制切替部18では、処理状態S計数カウンタによって処理状態Sの回数をカウントし、このカウント数が所定回数、例えば4回継続したときに処理状態を処理状態Sから処理状態Tへ強制的に切替える。同期部分において、このように強制的に処理状態を切替えることによって、切替え後の読み間違いを回避することができる。
【0021】
図2は処理演算部14で行われる処理フローを示す図である。処理状態判別部17によって読み取り開始時に最初に読み取り復調した信号の状態を状態Dにする(ステップS101)。ここで、状態Dは処理状態Tであるため、初期処理状態は処理状態Tである。処理状態強制切替部18によって処理状態S計数カウンタがクリアされる(ステップS102)。ここでは、データ本体の前段階の同期部分であるため、データの先頭は検出されていない。次に終了か否か判断される(ステップS103)。終了でない場合には、パルス幅データを取り込み(ステップS104)、データ先頭が検出済みか否かが判断される(ステップS105)。データ先頭が検出済みである場合には、データ本体のデコード処理が行われ(ステップS106)、終了か否か判断される(ステップS103)。データ先頭が検出済みでない場合には、データ本体検出前のデコード処理を行う(ステップS107)。ここで行われるデコード処理の結果はビット列として蓄積し、次のステップS108でデータ本体パターンを判断するのに使われる。データ先頭のパルスパターンが検出されると(ステップS108)、データ先頭検出済みに移行する(ステップS109)。
【0022】
データ本体検出前のデコード処理が行われ、データ先頭のパルスパターンが検出されないと、処理状態が処理状態Sか否かが判断される(ステップS110)。処理状態が処理状態Sでない場合には、終了か否かが判断される(ステップS103)。処理状態が処理状態Sである場合には、処理状態S計数カウンタを1つカウントする(ステップS111)。カウントされた処理状態S計数カウンタのカウンタ数(S計数カウンタ値)が任意の数N以下であるかが判断される(ステップS112)。Nは、データ本体検出前の同期部分の長さに応じて予め設定する。本実施形態では4とする。
【0023】
S計数カウンタ値が任意の数N以下である場合には、終了か否かが判断される(ステップS103)。S計数カウンタ値が任意の数Nより大きい場合には、補正のために状態をDへ切替える。つまり、処理状態を処理状態Sから処理状態Tへ変更し、処理状態をリセットする(ステップS113)。処置状態が変更されるとともに、処理状態S計数カウンタをクリアする(ステップS114)。
【0024】
次に具体的にデータ本体検出前のデコード処理におけるビット列を示して説明する。図3はパルス幅とこのパルス幅を復調したビット列と状態を示すものである。図3ではデータ本体検出前の同期部分のデコード処理において3つ目のビット列に雑音が入った場合を示している。図6の復調の状態遷移図を参照すると、最初と2つ目のパルス幅が「2」であるので、ビット列は「0」が続き、状態Dが続く。次に3つ目のパルス幅が「3」であるので、ビット列は「1」となり状態Bとなる。これにより、処理状態は処理状態Tから処理状態Sになる。パルス幅3の次はパルス幅2が続くので、図6の復調の状態遷移図によれば、状態Bから状態Aへ遷移し、状態Aが続く。状態B、状態Aは共に処理状態Sである。処理状態は処理演算部14の処理状態判別部17で判別される。処理状態Sが続くと、処理状態強制切替部18によって処理状態を強制的に切替える。図3ではパルス幅3のパルス幅2が続いたとき、すなわち処理状態Tから処理状態Sに変わって処理状態Sが4回続いたときに処理状態を強制的に切替える。図3では処理状態Sの状態Aから処理状態Tの状態Dへ切替えている。このように強制的に処理状態を切替えることによって、その後のデコード処理を正常に戻すので、データ本体をデコードした際に、正しいビット列を得ることができる。以上、MFM(Modified Frequency Modulation)方式による変復調について説明したが、これに限らず、同様の処理を行う方式における同様の問題にも、本願発明は適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0026】
同期部分における信号列の復調において、特定の処理状態が継続することを検出し、処理状態を強制的に切替えるので、同期部分の途中に雑音が入っても、正しい状態に戻すことで雑音の影響を回避し、その後のデコード処理において正しいビット列を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 復調装置の概略構成図である。
【図2】 処理演算部で行われる処理フローを示す図である。
【図3】 パルス幅とこのパルス幅を復調したビット列と状態を示すものである。
【図4】 変調の状態遷移図である。
【図5】 ビット列とこのビット列を変調したパルス幅を示すものである。
【図6】 復調の状態遷移図である。
【図7】 同期部分からデータ本体に入る部分までのビット列を示す。
【図8】 同期部分の3つ目のパルス幅に雑音が入った場合においてデコードした例を示す。
【符号の説明】
10 復調装置
11 信号読取り部
12 アンプ
13 整形回路
14 処理演算部
15 CPU
16 メモリ
17 処理状態判別部
18 処理状態強制切替部
Claims (2)
- 同期部分における信号列の復調方法において、
前記同期部分で遷移することのない初期処理状態以外の処理状態が継続することを検出し、前記処理状態を前記初期処理状態に強制的に切替えることを特徴とする復調方法。 - 信号読取り部と、読み取られた信号を整形する整形回路と、処理演算部を備える復調装置において、
前記処理演算部が前記整形回路によって整形された前記信号を処理し、前記信号がどの処理状態にあるかを判別する処理状態判別部と、
同期部分において前記処理演算部が最初に判別した初期処理状態と異なる処理状態が継続することを検出したときに、前記処理状態を前記初期処理状態に強制的に切替える処理状態強制切替部と、
を備えることを特徴とする復調装置。
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| JP2003045958A JP4060209B2 (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 復調方法および復調装置 |
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