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JP4075345B2 - 自動巡航制御装置 - Google Patents
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JP4075345B2 - 自動巡航制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車両に追従して自車両を自動走行させる自動巡航制御装置に係り、特に、運転者の集中度に応じて接近警報距離を変化させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における運転者の状態検出機能を用いた車両用追従走行制御装置としては、例えば、特開平10−166895号公報(以下、従来例という)に記載されたものが知られている。
【0003】
この従来例では、運転者の顔をカメラにて撮像し、この顔画像を画像処理することにより、運転者の状態を検知する運転者検出手段を有している。これにより、運転者が脇見運転や居眠りをしていることを検知することができるので、追従走行制御中に運転者が脇見運転をした場合には、警報を発する。更には、脇見運転状態の危険度に応じて通常の追従走行制御を中断し、運転者に注意喚起を促す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例に記載された車両用追従走行制御装置では、運転者の顔を撮像し、その顔画像を画像処理することによって運転者の状態を検知する運転者検出手段を絶対的な手段として用いている。従って、運転者が脇見運転をしていないにも関わらず、誤検出をした場合には、警報が出力されるので、煩わしいと感じるときがある。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、警報による煩わしさを解消することのできる自動巡航制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、自車両に搭載され、当該自車両と先行車両との車間距離を検出し、この検出結果に基づいて、自車両を前記先行車両に追従させて走行制御する自動巡航制御装置において、自車両の前方に対する運転者の視認状態を検出する運転者状態検出手段と、自車両が前記先行車両に接近して減速制御を行った際の前後での、前記運転者状態検出手段が検出した運転者の視認状態変化に基づいて、前記減速制御の前後を通じて前記運転者が車両前方を視認し続けているかどうかを示す運転集中度を判定する運転集中度判定手段と、自車両と先行車両との接近状況に応じて警報を発すると共に、該警報を発する際の、自車両と先行車両との間の接近警報距離を、前記運転集中度判定手段による判定結果に応じて調整する警報手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記運転者状態検出手段は、前記運転者の顔部位を撮影し、撮影された顔画像に基づき、運転者が車両前方を監視しているかどうかを検出し、前記運転集中度判定手段は、前記運転者状態検出手段より得られる運転者の状態から、運転者が車両前方を監視しているかどうかを示すポイントを累計し、このポイント数に応じて、運転者の集中度を判定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記警報手段は、自車両と先行車両との間の車間距離が、前記運転集中度判定手段による判定結果に基づいて設定した接近警報距離以下となった場合に、警報を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記運転集中度判定手段にて判定される運転集中度に応じて、自車両と先行車両との車間距離が前記接近警報距離以下となった際の、自車両の減速方法を変化させる減速制御手段を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記運転集中度判定手段による判定結果に応じて、自動巡航制御を規制する自動巡航制御規制手段を具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記運転者状態検出手段にて検出される運転者の前方監視姿勢を学習する前方監視姿勢学習手段を具備し、当該前方監視姿勢学習手段にて得られる前方監視姿勢のデータに基づいて、前記運転集中度判定手段における運転集中度の判定を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、車両の走行環境をセンシングし、このセンシングの結果に応じて前記警報手段の警報タイミング、及び前記減速制御手段の減速方法を変化させる走行環境センシング手段を具備したことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、減速制御の作動前における運転者の状態と、減速制御作動後の運転者の状態とに基づき、減速制御の前後を通じて運転者が車両前方を視認し続けているかどうかによって、自動巡航制御中の運転者がどれだけ運転に集中しているかを判断し、この判断結果に応じて、接近警報距離を設定している。そして、前方への集中の度合いが高いと判断された運転者に対しては、接近警報距離が短くなるようにし、集中の度合いが低いと判断された運転者に対しては、接近警報距離が長くなるようにしている。従って、車両前方への集中度が高い運転者に対しては、警報の出力やブレーキ制御が頻繁に行われないので、煩わしさを低減することができ、より運転者の感覚に合わせることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、減速制御の前後における運転者の顔画像を撮影し、この顔画像の変化に基づいて、運転者の前方への集中の度合いを判断する。つまり、減速制御前には脇見運転をしており、減速制御後に前方を向いた場合には、前方への集中度が低いと判断し、減速制御の前後双方において、車両前方を向いている場合には、前方への集中度が高いと判断する。そして、この判断結果をポイントとして累計して、総合的な集中度を求めている。従って、より運転者の現状に合った、集中度の判断を行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、先行車両と自車両との間の車間距離が、接近警報距離よりも短くなった際に、警報信号が出力されるので、運転者は先行車への接近を即時に認識することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、運転者の運転集中度の応じて、車両を自動減速する際の減速方法を変化させることができる。例えば、車両前方への集中度の高い運転者の場合には、減速の要する時間が長時間になるように設定し、車両前方への集中度の低い運転者の場合には、減速に要する時間が短くなるように設定することができる。これにより、自動制御されるブレーキタイミングをより運転者の感覚に合わせることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、自動巡航制御走行中の運転者の運転集中度が極端に低い場合は、自動巡航制御の動作を制限することができる。従って、自動巡航装置の本来あるべき姿である前方監視義務は運転者にあるという取り扱い方法を理解している運転者に、当該自動巡航制御装置の使用を限定することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、運転集中度の判定基準としている運転者の前方監視姿勢の個人差を学習したり、個人差による前方監視姿勢の判定難易度を学習することができるので、運転者状態検出手段の検出精度の向上を図ることができ、且つ、検出時間の短縮化が可能となる。また、前方監視姿勢の判定が容易であると判定された場合については、警報手段、減速制御手段、自動巡航制御のコントロールをより早い段階で、精度良く行うことができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、雨、雪などの天候の変化や、昼間、夜間などの走行環境の違いによっても、警報信号の出力タイミングや、減速制御手段の減速方法を可変することができるので、より一層運転者の感覚にあった自動巡航制御が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る自動巡航制御装置は、自車両と先行車両との間の距離を検出することによって、先行車両に追従しながら自車両を走行させる用途として用いるものである。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動巡航制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、該自動巡航制御装置100は、自車両と先行車両との間の車間距離を検出する車間距離センサ101と、運転者の状態を検出する運転者状態検出手段200と、この運転者状態検出装置(運転者状態検出手段)200より得られる運転者状態のデータに基づいて、運転者が車両の前方に集中しているかどうかを判定する運転集中度判定装置(運転集中度判定手段)300と、運転者の運転集中度、先行車との間の車間距離、及び車両に搭載される車速センサ102より与えられる車速データに基づいて、自車両の車速を制御する車速制御装置(車速制御手段)103と、を具備している。
【0022】
車速制御装置103は、運転集中度判定装置300にて判定される運転集中度に応じて自車両の減速方法を変化させる機能を有している。また、運転者の運転集中度に応じて、車速制御装置103による自動巡航制御を規制する機能を有している。
【0023】
更に、自車両と先行車両との間の車間距離が短くなったときに、これを運転者に通知する警報装置(警報手段)110と、車速制御装置103の制御下で、車両のスロットル107に駆動信号を出力するアクチュエータ104、トランスミッション108に駆動信号を出力するアクチュエータ105、及びブレーキ109に駆動信号を出力するアクチュエータ106と、を有している。
【0024】
運転者状態検出装置200は、例えば運転者の顔を撮影するTVカメラで構成される。
【0025】
運転集中度判定装置300は、車速制御装置103の制御により車両の減速制御が作動したときの、作動前、作動後のそれぞれの運転者の状態(運転者状態検出装置200で検出される状態)を比較して、運転者の集中度を判定するものである。
【0026】
次に、第1の実施形態に係る自動巡航制御装置100の動作を、図2〜図4に示すフローチャート、及び図5〜図8に示す説明図を参照しながら説明する。
【0027】
まず、図2に示すステップ201の処理では、当該自動巡航制御装置100がOFFからONになった時点を判定している。ステップ201で、運転者が自動巡航制御装置100の起動スイッチ(図示省略)をONにしたと判定された場合は、ステップ202に移行し、運転集中度ポイント(この詳細については、後述する)の初期化を行う。これは、それ以前の自動巡航走行の情報は、走行環境の違いがあることや、運転者そのものが代わっていることもあると考えられるからである。
【0028】
ステップ201で、自動巡航制御装置100のスイッチがOFFまたはONの状態のままであったり、ONからOFFにしたと判定された場合は、ステップ203に移行する。ステップ203では、運転者の状態検出を行う。運転者の状態検出は、運転者の前方に取り付けたTVカメラ(運転者状態検出装置200)で顔を撮影する。そして、図5に示すように、通常運転者が前方を監視している姿勢の時に眼が存在する領域内に眼が存在するか否かにより、或いは、眼の開度情報を得ることによって、運転者が車両の前方を見ているか、或いは下方を見ているかを判定する。
【0029】
運転者状態検出装置200として、TVカメラを使うものの他には、図6に示すように、車両のハンドルを保持する状態をセンシングする方法や、シートの体圧分布変化、シートベルトの引っ張られ量の変化でセンシングする方法を用いることも可能である。
【0030】
次の、ステップ204では、自動巡航制御装置100がONの状態であるかどうかを判定し、ONでない場合はステップ201に戻り、待機状態としてこのループの判定を繰り返す。他方、ステップ204で、自動巡航制御装置がONであると判定された場合にはステップ205に移行する。
【0031】
ステップ205では、自動巡航制御装置100が、スロットル107のOFF、トランスミッション108のシフトチェンジ、ブレーキ109のONなどの減速制御を行ったかどうかの判定を行う。
【0032】
これらの減速制御が行われていない場合、または既に行われた状態になっている場合はステップ201に戻り同様のループ判定を繰り返す。また、ステップ205で減速制御が行われたと判定されたときは、ステップ206に移行し、運転者の状態検出結果に基づく前方監視状態の判定を行う。
【0033】
このステップ206では、減速制御があった時点を基準とし、その後の(減速制御後の)運転者の状態が、前方監視状態にあるか否かの判定を行う。そして、前方監視状態にあると判定された場合はステップ207に移行して減速制御があった時点の直前の運転者状態をチェックする。
【0034】
運転者が前方監視状態であったか否かのチェックは、ステップ203で継続して行われているので、所定範囲での結果をメモリしておけば時間を遡っての判定は可能である。
【0035】
そして、減速制御が行われる前後における、運転者の前方監視状態の変化に応じて、後述するように、運転集中度の度合いを示すポイントを設定する。ステップ208は、運転者の集中度が低いと見なした場合であり、ポイントを減算(−1)する。ステップ209では、運転者の集中度が高いと見なした場合であり、ポイントを加算(+1)する。更に、ステップ210では、運転者の状況が判断できないと見なした場合であり、ポイントを保留(±0)する。
【0036】
以下、ステップ206、及びステップ207の判定によって、ステップ208〜209に移行する処理内容を図7、及び図8を用いて説明する。
【0037】
ステップ206で減速制御が行われた状況にあるにも関わらず、運転者が前方監視状態にならない場合は、運転者の状態検出においてセンシング限界を超える状態が発生していると見なし、ステップ210に移行し運転集中度ポイントについては加算も減算も行わない保留状態(±0)とする。
【0038】
この状況を運転者をTVカメラでモニタする例で説明すると、図7(c)に示すように運転者の顔の一部に強い直射光が当たり目の位置や状態が検出できない状況となっていると判定する。
【0039】
また、ステップ206で自動巡航制御装置100による減速制御が行われた直後は前方監視状態にあり、ステップ207で自動巡航制御装置100の減速制御前は前方監視状態になかったと判定された場合は、自動巡航走行中に車両前方に対する注意力がかなり落ちていると判断し、ステップ208に移行し、運転集中度ポイントを減算する。
【0040】
この状況にある運転者をTVカメラでモニタする例で説明すると、図7の(b)に示すように減速制御がなされるまでは、脇見状態にあった運転者が自動巡航装置100の減速制御に気づいて慌てて車両前方を見た状況が発生したと判定する。
【0041】
また、ステップ206で自動巡航制御装置100の減速制御した直後は前方監視状態にあり、ステップ207で自動巡航制御装置100の減速制御前も同様に前方監視状態にあったと判定された場合は、自動巡航走行中であっても運転者は常に前方に必要十分な注意を払っていると判断し、ステップ209に移行して運転集中度ポイントを加算する。
【0042】
この状況にある運転者をTVカメラでモニタする例で説明すると、図7の(a)に示すように自動巡航制御装置100の制御に関係なく、運転者は常に車両の前方の監視を行っていると判定する。このようにして、運転集中度ポイントは、自動巡航制御装置100が行う減速制御のタイミングを捕らえ、その前後における運転者の状況に応じて、ポイントの加算、減算を行っていく。
【0043】
この時系列な処理状況を示したのが図8である。同図において、運転者が集中していると判定されたときを「○」で示し、集中していないと判定されたときを「×」で示している。そして、減速制御の前後における、運転者の集中度の変化に応じて、運転集中度ポイントが変化することが理解される。また、ポイントの上限値が「10」まで(詳細については後述する)とされていることが理解される。このように、運転者が車両前方を監視しているかどうかを示すポイントを累計し、このポイント数に応じて運転者の集中度を判定することによって、より運転者の現状に合った、集中度の判断を行うことができる。
【0044】
次に、図3のステップ301以降のフローチャートの処理内容について説明する。ステップ301では、運転集中度ポイントが減算されたかどうかを判定している。運転集中度ポイントが減算された場合は、ステップ302に移行して減算カウンタをインクリメントし、運転集中度ポイントが加算または保留された場合は、ステップ303に移行して減算カウンタをクリアする。つまり、減算カウンタでは、運転集中度ポイントとは別に、連続してポイントが減算された回数をカウントしている。
【0045】
その後、ステップ304に移行し、運転集中度ポイントが上限値を超えたかどうかの判定が行われ、他方、ステップ306で運転集中度ポイントが下限値を超えたかどうかの判定が行われる。
【0046】
運転集中度ポイントが上限値または下限値を超えている場合は、ステップ305、ステップ307で各々の値(即ち、上限値または下限値)で固定する。この処理は、運転集中度ポイントが制限なしに加算または減算され続けてしまうと、その後、運転集中度が変化しても適切なコントロールがし難くなることを防いでいる。
【0047】
次に、図4のステップ401以降のフローチャートの処理内容について説明する。ステップ401では運転集中度ポイントが予め設定された所定値αを超えたかどうかを判定しており、αを越えた場合には、自動巡航走行中であっても前方監視を怠らずに行っているとして、ステップ405で必要最小限と考える接近警報となるように接近警報距離Da(警報信号を出力する必要があると判断される車間距離)を短距離Da1にセットし、ブレーキ制御距離Dbは標準距離Db1とする。従って、車間距離がこの接近警報距離以下となったところで、警報装置110より警報信号が出力され、ブレーキ制御距離以下となったところで、自動的にブレーキ109による減速が行われる。ここで、ブレーキ109による減速制御は、運転集中度ポイントの大きさに応じて変更することができる。例えば、運転集中度ポイントが高い場合には、減速に要する時間を長時間とし、運転集中度ポイントが低い場合には、減速に要する時間を短時間とすることができる。
【0048】
また、ステップ401で運転集中度ポイントが所定値α以下であると判定された場合は、ステップ402に移行する。ステップ402では、運転集中度ポイントが、所定値β(β<α)以上で、且つ、所定値α以下であるかどうかを判定し、運転集中度ポイントがこの範囲内に入っている場合は、自動巡航制御の作動直後、または、自動巡航走行中に少しではあるが前方監視を怠っていることがあると判断して、ステップ404で先行車両への接近警報距離を中距離Da2にセットし、ブレーキ制御距離は標準距離Db1とする。
【0049】
更に、ステップ402で運転集中度ポイントがβ未満であると判定された場合は、自動巡航制御の作動状態を過信し、前方への監視を怠ることが多い運転者であるとして、ステップ403で、先行車への接近警報距離を長距離Da3にセットし、ブレーキ制御距離も遠距離Db2にセットする。この後、ステップ406に移行する。
【0050】
接近警報距離Da[m]は、その値を自車の速度V[m/s]で割って得られる定数T[s]を設定することにより決定される。即ち、DaはV*Tにより求められ、例えば、接近警報距離を短距離Da1にセットする場合には、T=1.5秒、中距離Da2にセットする場合には、T=2.0秒、長距離Da3にセットする場合には、T=2.5秒とすることができる。
【0051】
ステップ406では、連続して脇見を行っている場合にカウントアップされる減算カウンタが所定値以上になっているかどうかを判定し、所定値以上になっている場合はステップ407で、自動巡航制御の作動時における運転者の義務を十分に果たしていないとして自動巡航制御の使用を制限する。即ち、自動巡航制御装置をOFFとする。
【0052】
これにより、自動巡航装置の本来あるべき姿である前方監視義務は運転者にあるという取り扱い方法を理解している運転者に、当該自動巡航制御装置の使用を限定することができる。
【0053】
このようにして、第1の実施形態では、自動巡航制御装置100が行う減速制御のタイミングを捕らえて運転者の状態を判定することによって、運転者が本装置をどのように考えて用いているかを的確に判断できるため、その運転者の使用状況に応じた制御が可能であり、より前方に対する注意を喚起することができる。そして、車両前方への集中度が低い運転者に対しては、比較的早めに接近警報の出力やブレーキ制御が行われるので、安全性の向上に寄与することができる。また、車両前方への集中度が高い運転者に対しては、警報の出力やブレーキ制御が頻繁に行われないので、煩わしさを軽減することができ、より運転者の感覚に合わせることができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9は本発明の第2の実施形態に係る自動巡航制御装置の構成を示すブロック図である。
【0055】
図9に示す自動巡航制御装置150は、図1に示した第1の実施形態の構成に対して、前方監視姿勢学習装置400を付加したものである。その他の構成は、図1に示したものと同様である。
【0056】
以下、上記構成における自動巡航制御装置150の動作の流れを、図10、11に示すフローチャート、及び図12に示す説明図を用いて説明する。このフローの説明では第1の実施形態と同じステップについては省略する。本実施形態が、第1の実施形態と異なる部分は、車速制御装置103を作動させていない時に、運転者の前方監視姿勢を学習することにより、ステップ1003での運転者の状態検出性能を向上させることにある。ここで、図10のステップ1001〜1003までの処理は、図2に示したステップ201〜203までの処理と同一であり、図10のステップ1006〜ステップ1010までの処理は、図2に示したステップ206〜ステップ210までの処理と同一である。但し、ステップ1008〜1010におけるポイントが、「n」となっている点で相違している。
【0057】
図10のステップ1004で、車速制御装置103が作動しているかどうかを判定し、作動していないと判定された場合は、図11のステップ1101に移行する。ステップ1101では、ブレーキ109がOFFからONの状態に変化したかどうかを判定しており、運転者がブレーキ109を踏んだ時点を検知することを目的としている。
【0058】
そして、ブレーキ109がOFFからONの状態に変化した場合には、ステップ1102に移行し、ステアリングが直進状態であるかどうかを判定する。ステップ1101と1102の判定は、運転者が前方を見ていると考えられる可能性が非常に高い状況であることを条件にしている。つまり、ハンドルが直進状態でブレーキを踏む瞬間にある時は、運転者が前方を見ているから行える操作であるといえるからである。
【0059】
ステップ1101と1102の2つの条件に合うと判定された場合は、ステップ1103に移行する。ステップ1103では、前方監視状態にあるという条件に合うかどうかを判定している。この状況を運転者をTVカメラでモニタする例で説明すると、画像全体から二つの眼が、所定の左右間隔で検出できるかどうかを判定する。そして、運転者が前方を見ている可能性が非常に高い場面であるにも関わらず、2つの眼が検出できない場合は、ステップ1105に移行して前方監視状態のチェックループのNG率を算出する。
【0060】
このNG率を具体例で説明すると、図11に示す前方監視状態のチェックループ(ステップ1101、1102、1103、1105のループ)を回った回数に対する、眼が検出できなかったNG回数の比でNG率とする。また、時系列的変化でNG率を算出する場合は過去10回におけるNG回数として更新して算出することもできる。そして、このNG率によって、運転者の個人差による前方監視状態の検出精度を事前に把握することができるので、NG率が低く、より確実に前方監視状態が検出できる運転である判定できれば、図10のステップ1008と1009の加算点(+n)、減算点(−n)を増やすことで、図12の例で示すように、前方監視状態の判定をよりレスポンス良く反映させて行くことも可能である。なお、図12では、n=2となった場合の例を示している。
【0061】
また、図11のステップ1106で前方監視状態のNG率を判定することにより、前記運転集中度ポイントの加算点、減算点のレベルnを、その状況に応じて途中で変更することも可能である。
【0062】
なお、図10に示すフローの終端の▲1▼は、図3,図4に示した処理と同一の処理に移行することを示し(即ち、図3の▲1▼につながる)、図10に示す▲3▼は、図4に示したフローの終端の▲3▼からの流れであることを示している。つまり、第2の実施形態では、図3に示すステップ301〜307の処理、及び図4に示すステップ401〜407の処理と同一の処理を行っている。
【0063】
このようにして、本実施形態に係る自動巡航制御装置150では、上述した第1の実施形態に加え、自動巡航制御が行われていないときの、運転者の状態を学習し、このときに得られるNG率の大きさに基づいて、加算点、及び減算点のレベルを変更するので、NG率が小さいと判断された運転者に対しては、前方監視状態の判定を極めて迅速に行うことができ、図10のステップ1003における状態検出の処理時間の短縮化を図ることができる。
【0064】
その上、運転集中度の判定基準としている運転者の前方監視姿勢の個人差を学習したり、個人差による前方監視姿勢の判定難易度を学習することができるので、運転者状態検出手段の検出精度の向上を図ることができ、且つ、検出時間の短縮化が可能となる。また、前方監視姿勢の判定が容易であると判定された場合については、警報手段、減速制御手段、自動巡航制御のコントロールをより早い段階で、精度良く行うことができる。
【0065】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係る自動巡航制御装置160の構成を示すブロック図である。
【0066】
図13は、第1の実施形態で示した図1の構成に対し、更に走行環境センシング手段500を付加した構成を有している。その他の構成は、図1と同一である。
【0067】
本実施形態では、図14に示すように、ワイパーの作動状態や、外気温、ライトのON、OFF状態に基づいて、以下に示すような走行環境のパターンであると判定する。
【0068】
・パターン1:雪、夜間、(路面凍結)
・パターン2:雨、夜間
・パターン3:雪、昼間、(路面凍結)
・パターン4:雨、昼間
・パターン5:夜間、(路面凍結)
・パターン6:夜間
・パターン7:昼間、(路面凍結)
・パターン8:昼間
そして、上記したパターン1〜パターン8に適応させて、第1の実施形態に示した警報信号の出力タイミングや、ブレーキ制御のタイミングを可変することでより一層運転者の感覚にあった自動巡航制御を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自動巡航制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る自動巡航装置の処理動作を示すフローチャートの、第1の分図である。
【図3】第1の実施形態に係る自動巡航装置の処理動作を示すフローチャートの、第2の分図である。
【図4】第1の実施形態に係る自動巡航装置の処理動作を示すフローチャートの、第3の分図である。
【図5】運転者の目の位置を撮影して、運転者が車両前方に集中しているかどうかを判定する様子を示す説明図である。
【図6】ハンドルの保持状態により、運転者の集中度を検出する様子を示す説明図である。
【図7】減速制御前後における運転者の状況を示す説明図であり、(a)は集中度が高い場合、(b)は集中度が低い場合、(c)は太陽光により集中度が判断できない場合を示す。
【図8】第1の実施形態に係り、運転集中度ポイントの加算、減算を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る自動巡航制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施形態に係る自動巡航装置の処理動作を示すフローチャートの、第1の分図である。
【図11】第2の実施形態に係る自動巡航装置の処理動作を示すフローチャートの、第2の分図である。
【図12】第2の実施形態に係り、運転集中度ポイントの加算、減算を示す説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る自動巡航制御装置の構成を示すブロック図である。
【図14】走行環境のセンシング結果を示す説明図である。
【符号の説明】
100,150,160 自動巡航制御装置
101 車間距離センサ
102 車速センサ
103 車速制御装置
104 アクチュエータ
105 アクチュエータ
106 アクチュエータ(減速制御手段)
107 スロットル
108 トランスミッション
109 ブレーキ
110 警報装置(警報手段)
200 運転者状態検出装置(運転者状態検出手段)
300 運転集中度判定装置(運転集中度判定手段)
400 前方監視姿勢学習装置(前方監視姿勢学習手段)
500 走行環境センシング手段

Claims (7)

  1. 自車両に搭載され、当該自車両と先行車両との車間距離を検出し、この検出結果に基づいて、自車両を前記先行車両に追従させて走行制御する自動巡航制御装置において、
    自車両の前方に対する運転者の視認状態を検出する運転者状態検出手段と、
    自車両が前記先行車両に接近して減速制御を行った際の前後での、前記運転者状態検出手段が検出した運転者の視認状態変化に基づいて、前記減速制御の前後を通じて前記運転者が車両前方を視認し続けているかどうかを示す運転集中度を判定する運転集中度判定手段と、
    自車両と先行車両との接近状況に応じて警報を発すると共に、該警報を発する際の、自車両と先行車両との間の接近警報距離を、前記運転集中度判定手段による判定結果に応じて調整する警報手段と、
    を具備したことを特徴とする自動巡航制御装置。
  2. 前記運転者状態検出手段は、前記運転者の顔部位を撮影し、撮影された顔画像に基づき、運転者が車両前方を監視しているかどうかを検出し、
    前記運転集中度判定手段は、前記運転者状態検出手段より得られる運転者の状態から、運転者が車両前方を監視しているかどうかを示すポイントを累計し、このポイント数に応じて、運転者の集中度を判定することを特徴とする請求項1に記載の自動巡航制御装置。
  3. 前記警報手段は、自車両と先行車両との間の車間距離が、前記運転集中度判定手段による判定結果に基づいて設定した接近警報距離以下となった場合に、警報を出力することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の自動巡航制御装置。
  4. 前記運転集中度判定手段にて判定される運転集中度に応じて、自車両と先行車両との車間距離が前記接近警報距離以下となった際の、自車両の減速方法を変化させる減速制御手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動巡航制御装置。
  5. 前記運転集中度判定手段による判定結果に応じて、自動巡航制御を規制する自動巡航制御規制手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の自動巡航制御装置。
  6. 前記運転者状態検出手段にて検出される運転者の前方監視姿勢を学習する前方監視姿勢学習手段を具備し、当該前方監視姿勢学習手段にて得られる前方監視姿勢のデータに基づいて、前記運転集中度判定手段における運転集中度の判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の自動巡航制御装置。
  7. 車両の走行環境をセンシングし、このセンシングの結果に応じて前記警報手段の警報タイミング、及び前記減速制御手段の減速方法を変化させる走行環境センシング手段を具備したことを特徴とする請求項4に記載の自動巡航制御装置。
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