JP4082921B2 - 天井吊り木受構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側面に吊り部材取付け金具が固定される縦長矩形断面の吊り木受本体を備えた天井吊り木受材を用いた天井吊り木受構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に木造家屋等の建築物においては、上層階の床部材は床梁によって下方から支持され、下層階の天井部材は吊りボルト等の吊り部材を介して上方の床梁から支持される。一方、下層階の天井部材を床梁から支持すると、人の歩行や家具類の移動等によって上層階の床に生じた振動が床梁を介して天井部材に伝達され、下階層の部屋に騒音や振動を生じやすい。
【0003】
これに対し、天井部材を支持する専用の梁として、天井吊り木受材を、床梁とは別の独立した部材として床梁と直接接しないように並べて配置し、この天井吊り木受材から下階層の天井部材を吊り下げることにより支持して、上層階からの振動の伝達を回避するようにした天井吊り木受構造が開発されている。このような天井吊り木受構造によれば、天井吊り木受材は、天井部材や照明器具、空調器具等による相当の大きさの荷重を効率良く支持できるように、例えば45mm×105mm、2インチ×8インチ、2インチ×10インチ等の大きさの縦長矩形断面を有する木製部材を縦にした状態で架設することによって構成され、また天井吊り木受材の側面には吊りボルト等の吊り部材を取り付けるための吊り部材取付け金具が固定されることになる。
【0004】
しかしながら、上記従来の天井吊り木受材を床梁から独立させた天井吊り木受構造によれば、図4(a)に示すように、縦長矩形断面を有する天井吊り木受材50の側面に吊り部材取付け金具51が固定されることになり、したがって天井吊り木受材50の中心線C1と、吊り部材取付け金具51に取り付けられて天井部材を支持する吊り部材52の軸心C2とが同一直線上に位置しないで離れた状態となるため、図4(b)に示すように、天井吊り木50には曲げモーメントによる曲げ応力が負荷されて、捻れるように湾曲した形状となりやすい。このような天井吊り木50の湾曲は、ある程度は避けられないものとされているが、湾曲が大きすぎる場合や長期に亘って湾曲した状態となる場合には、天井のむくりが小さくなりやすく、またドアを開けた際などに天井の揺れが生じて重量床衝撃音性能の低下を招きやすい。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、簡易な構成であるにもかかわらず曲げ応力に効果的に抵抗して、湾曲することによる不具合を回避することが可能な天井吊り木受材及び該天井吊り木受材を用いた天井吊り木受構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
側面に吊り部材取付け金具が固定される縦長矩形断面の吊り木受本体と、該吊り木受本体と共に全体としてT字形の断面形状を形成する矩形断面の吊り木受補強材とを備え、建築物の上層階の床を支持する床梁と直接接することなく並べて配置されて、前記吊り部材取付け金具に取付けられる吊り部材を介して下階層の天井部材を支持すると共に、前記吊り木受本体の中心軸と、前記吊り部材の軸心がずれていることによる曲げモーメントに抵抗できるようにした天井吊り木受構造であって、該天井吊り木受材は、横に寝かせて配置した前記吊り木受補強材の下側の側面に縦にした前記吊り木受本体の上端面を当接して固定することにより構成され、且つ前記吊り部材取付け金具は、前記吊り木受本体の下端から梁成の1/3以内の領域において前記吊り木受本体の側面に固定され、該吊り部材取付け金具に取り付けられる吊り部材を介して野縁受を支持することを特徴とする天井吊り木受構造を提供することにより、上記目的を達成したものである(請求項1記載の発明)。
【0007】
本発明の天井吊り木構造によれば、前記吊り木受補強材は、2インチ×4インチの矩形断面を有していることが好ましい(請求項2記載の発明)。
【0009】
なお、上記記載において、吊り木受本体の下端から梁成の1/3以内の領域に吊り部材取付け金具が固定されるとは、当該吊り部材取付け金具を固定するための固定クギ、固定ビス等の固定金具が打ち込まれる箇所が上記領域に位置していることを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係る天井吊り木受構造10は、例えばツーバイフォー工法による木造家屋等の建築物において、上層階の床部材20を下方から支持する床梁21とは別途に、当該床梁21と平行に並べて天井吊り木受材11を配置し、この天井吊り木受材11から下階層の天井部材12を支持して、上層階の床部材20から下階層の天井部材12に振動が伝達されるのを効果的に回避できるようにしたものである。
【0011】
そして、本実施形態によれば、天井吊り木受構造10を構成する天井吊り木受材11は、吊り部材取付け金具としての吊りボルト取付け金具15が側面に固定される縦長矩形断面の吊り木受本体13と、矩形断面を有し、横に寝かせて配置されることにより、当該矩形断面の下側に配置された側面に吊り木受本体13の上端面を当接させる吊り木受補強材14とからなり、吊り木受本体13の上端面を吊り木受補強材14の下側の側面の略中央に当接させていることにより、天井吊り木受材11は、全体としてT字形の断面形状を備えている。
【0012】
また、本実施形態の天井吊り木受構造10は、吊り木受本体13と吊り木受補強材14とからなる天井吊り木受材11を用いて構成され、また吊りボルト取付け金具15は、吊り木受本体13の下端から天井吊り木受材11の梁成の1/3以内、好ましくは1/4以内の領域において吊り木受本体13の側面に固定されている。この吊りボルト取付け金具15には、吊り部材としての吊りボルト16が取り付けられ、この吊りボルト16を介して野縁受17が天井吊り木受材11から支持される。
【0013】
本実施形態によれば、天井吊り木受材11の吊り木受本体13は、天井吊り木受材11が架設されるスパンに応じた例えば2インチ×8インチの大きさの縦長矩形断面を有する木製部材であって、矩形断面の短辺部である端面を上下に向けて配置させつつ縦にした状態で架設されることにより、天井部材や照明器具、空調器具等による相当の大きさの荷重を効率良く支持する。また、吊り木受本体13は、床梁21の両端が支持される例えば胴差(図示せず。)に、その両端が受け材(図示せず。)を介して支持されることによって架設されると共に、床梁21と平行に並べて複数本配置されることになる。
【0014】
天井吊り木受材11の吊り木受補強材14としては、2インチ×4インチの矩形断面を有し、スーバイフォー工法における間柱用の材料として一般的に用いられる木製部材を採用することができ、例えば75mm程度の長さのビスを例えば455mm程度のピッチで複数打ち込んで、天井吊り木受材11がT字形の断面形状となるように吊り木受本体13に固定される。吊り木受補強材14がT字形に取り付けられて天井吊り木受材11が構成されていることにより、吊り木受本体13のみによって構成された天井吊り木受材と比較して、曲げねじれ抵抗が効率良く増大し、天井吊り木受材11を捻れるように湾曲変形させようとする荷重に対して効果的に抗することが可能になる。
【0015】
天井吊り木受材11の吊り木受本体13に取り付けられる吊りボルト取付け金具15としては、従来の天井吊り木受構造に用いられる公知の取付け金具を用いることができ、この吊りボルト取付け金具15には、取り付け高さを調整可能な公知の吊りボルト16が取り付けられる。また本実施形態によれば、吊り木受本体13の側面において、吊りボルト取付け金具15は、吊り木受本体13の下端から天井吊り木受材11の梁成hの1/3以内の領域に例えば固定ビス等を打ち込んで固定されている。吊りボルト取付け金具15が天井吊り木受材11の下端部分の領域に固定されることにより、吊りボルト取付け金具15を介して天井吊り木受材11に負荷される荷重の偏心を抑制することができ、これによって天井吊り木受材11を捻れるように湾曲変形させようとする荷重に対して更に効果的に抗することが可能になる。
【0016】
本実施形態によれば、さらに、吊りボルト16の下端には例えばチャンネル材からなる野縁受17が、従来の天井吊り木受構造と同様に取り付けられると共に、この野縁受17には、当該野縁受17と垂直に延設される野縁18が、クリップ部材19を介して所定間隔をおいて複数固定される。また野縁18の下側には、天井部材12が取り付けられると共に、野縁18の上側には例えば制振ゴム等からなる制振シートや、グラスウール等からなる断熱遮音材20が取り付けられて、天井吊り木受材11から下階層の天井部材12が吊り下げられた天井構造が設置されることになる。
【0017】
そして、本実施形態によれば、天井吊り木受材11及び天井吊り木受構造10は、簡易な構成であるにもかかわらず曲げ応力に効果的に抵抗して、湾曲することによる不具合を容易に回避することができる。すなわち、吊りボルト16を介して天井部材12を支持する天井吊り木受材11は、吊り木受本体13を吊り木受補強材14によって補強したT字形の断面形状を備えており、吊り木受補強材14は一般的な材料を用いて簡易な作業により容易に吊り木受本体13に一体固定することができると共に、曲げねじれ抵抗が増大したT字形の断面形状によって、吊り木受本体13の中心線と吊りボルト16の軸心がずれていることによる曲げモーメントに効果的に抵抗し、吊り木受本体13が捻れるように湾曲した形状となるのを抑制して、天井のむくりを長期にわたって確保することが可能になると共に、ドアを開けた際などに天井の揺れを小さくすることが可能になる。また制振シートや断熱遮音材20が取り付けられて重量が増した天井全体の荷重を無理なく安定して支持することが可能になると共に、重量床衝撃音性能の低下を防ぐことも可能になる。
【0018】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、吊り木受補強材は、2インチ×4インチの矩形断面を有しているものである必要は必ずしもない。
【0019】
【発明の効果】
本発明の天井吊り木受構造によれば、簡易な構成であるにもかかわらず曲げ応力に効果的に抵抗して、湾曲することによる不具合を容易に回避することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る天井吊り木受材及び天井吊り木受構造を説明する略示斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る天井吊り木受材及び天井吊り木受構造を説明する断面図である。
【図3】 本発明の参考例に係る天井吊り木受材を説明する断面図である。
【図4】 (a)及び(b)は、従来の天井吊り木受材が曲げ応力を受けて捻れるように湾曲変形する状況を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 天井吊り木受構造
11 天井吊り木受材
12 下階層の天井部材
13 吊り木受本体
14 吊り木受補強材
15 吊りボルト取付け金具(吊り部材取付け金具)
16 吊りボルト(吊り部材)
17 野縁受
18 野縁
19 クリップ部材
20 上層階の床部材
21 床梁
Claims (2)
- 側面に吊り部材取付け金具が固定される縦長矩形断面の吊り木受本体と、該吊り木受本体と共に全体としてT字形の断面形状を形成する矩形断面の吊り木受補強材とを備え、建築物の上層階の床を支持する床梁と直接接することなく並べて配置されて、前記吊り部材取付け金具に取付けられる吊り部材を介して下階層の天井部材を支持すると共に、前記吊り木受本体の中心軸と、前記吊り部材の軸心がずれていることによる曲げモーメントに抵抗できるようにした天井吊り木受構造であって、
該天井吊り木受材は、横に寝かせて配置した前記吊り木受補強材の下側の側面に縦にした前記吊り木受本体の上端面を当接して固定することにより構成され、
且つ前記吊り部材取付け金具は、前記吊り木受本体の下端から梁成の1/3以内の領域において前記吊り木受本体の側面に固定され、該吊り部材取付け金具に取り付けられる吊り部材を介して野縁受を支持することを特徴とする天井吊り木受構造。 - 前記吊り木受補強材は、2インチ×4インチの矩形断面を有している請求項1記載の天井吊り木受構造。
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