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JP4083438B2 - Fet増幅器バイアス回路 - Google Patents
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JP4083438B2 - Fet増幅器バイアス回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FET増幅器バイアス回路に関し、さらに詳細には、FET増幅器を多段構成した衛星通信システムにおける低雑音増幅装置(LNA:Low Noise Amplifier)などに用いて好適なFET増幅器バイアス回路に関する。
【0002】
なお、本明細書における「FET増幅器」とは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)あるいはFETの代わりに高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)を用いた増幅器を意味するものとする。
【0003】
また、本明細書においては、FETとHEMTとを総称して「電界効果型トランジスタ」と称するものとする。
【0004】
【従来の技術】
従来のFET増幅器バイアス回路としては、例えば、特公平3−11682号公報(以下、「第1公報」と称する。)に開示された「電界効果トランジスタ用温度補償バイアス回路」や、第1公報に開示されたFET増幅器バイアス回路を改良した特開平9−270641号公報(以下、「第2公報」と称する。)に開示された「電界効果トランジスタ用バイアス回路」が知られている。
【0005】
ここで、図1には、第1公報に開示されたFET増幅器バイアス回路が示されている。
【0006】
この図1に示されたFET増幅器バイアス回路は、電界効果トランジスタに一定のドレイン電流、ドレイン・ソース間電圧を自動的に供給し、電界効果トランジスタを使用したマイクロ波増幅器の利得の温度変動を補償することを目的として、ソース接地形の電界効果トランジスタのゲートバイアスを自動的に決定してドレイン電流を制御するオートバイアス回路である。
【0007】
一方、図2には、第2公報に開示されたFET増幅器バイアス回路が示されている。
【0008】
この図2に示されたFET増幅器バイアス回路は、図1に示されたFET増幅器バイアス回路において問題となる、PNPバイポーラトランジスタのVBEの温度特性を補償することを目的として提案されたものである。
【0009】
この目的を達成するために、図2に示されたFET増幅器バイアス回路においては、所定の温度係数を備える温度素子が、ブリーダ抵抗に直列に接続されている。
【0010】
ここで、温度素子として、PNPバイポーラトランジスタのVBEの温度特性と似た温度特性を備える温度素子を用いれば、図2に示すFET増幅器バイアス回路の温度特性を安定させることができる。
【0011】
図2に示すFET増幅器バイアス回路においては、温度素子の温度特性がPNPバイポーラトランジスタのVBEの温度特性を打ち消す方向に働くことになり、これによって電界効果トランジスタのドレイン電流が一定に保持され、電気特性の劣化、熱暴走などが防止される。
【0012】
ところで、従来のFET増幅器バイアス回路は、上記において説明したように構成されているものであって、FETバイアス段トランジスタのVBEに対する温度補償を行うものであり、また、温度素子の温度係数に依存しているものであって自由に温度係数の設定を行うことができず、温度素子で決まるほぼ直線的な温度補償をかけることしかできないという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、FET増幅器の温度変化にともなう増幅度の増減に起因する相互変調歪みの悪化や発振、あるいは、ドレイン電流の増減に起因する消費電流の増大などの問題を解消するために、ドレイン電流をきめ細かく制御することを可能としたFET増幅器バイアス回路を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるFET増幅器バイアス回路は、温度素子により周囲温度を検知し、折れ線回路により温度素子が検知した周囲温度の傾きを制御してドレイン電流を周囲温度によって増減させ、FET増幅器の増幅度を一定に保たせるように動作させるものである。
【0015】
さらに、本発明によるFET増幅器バイアス回路は、温度素子の後段に整流回路を配置して、任意の温度からバイアス電流の制御を開始するようにして、部分的な温度補償を可能とした温度補償回路を実現し、FET増幅器の増幅度を一定に保たせるように動作させるものである。
【0016】
こうした本発明によるFET増幅器バイアス回路は、例えば、FET増幅器を多段構成した低雑音増幅器などのようなFET増幅器に、温度素子とオペアンプとにより増幅度の補償を行うFET増幅器バイアス回路として用い、全体の増幅度の安定化を図ることができる。
【0017】
即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、FET増幅器のドレイン電流を周囲温度の変化に合わせて増減し、上記FET増幅器が一定の増幅度を保つように作動させるFET増幅器バイアス回路であって、周囲温度を検知して該検知した温度に対して一定の傾きで電圧を出力する温度素子と、上記温度素子の出力を上記温度素子が検知した第1の温度から制御するようにして出力する第1の折れ線回路と、上記温度素子の出力を上記温度素子が検知した第2の温度から制御するようにして出力する第2の折れ線回路と、上記温度素子の出力と上記第1の折れ線回路の出力と上記第2の折れ線回路の出力とを加算もしくは減算してFET増幅器へ出力する加算回路とを有し、上記温度素子の出力を上記第1の折れ線回路と上記第2の折れ線回路とで制御することにより、上記温度素子で検知した温度に応じてドレイン電流を増減して、上記FET増幅器の増幅度を周囲温度の変化に対して一定とするようにしたものである。
【0018】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、さらに、上記加算回路の出力のレベルを制御するレベル変換回路とを有するようにしたものである。
【0019】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または2のいずれか1項に記載の発明において、上記第1の折れ線回路は第1の整流回路よりなり、上記第2の折れ線回路は第2の整流回路よりなるようにしたものである。
【0020】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項3に記載の発明において、上記温度素子の出力を上記第1の整流回路および上記第2の整流回路で制御して、上記温度素子が検知した任意の温度からバイアス電流制御を開始するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基づいて、本発明によるFET増幅器バイアス回路の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0022】
図3には、本発明によるFET増幅器バイアス回路の実施の形態の一例を示す回路図が示されている。この図3に示すFET増幅器バイアス回路は、基本的には図1および図2を参照しながら説明した従来のFET増幅器バイアス回路に、さらに温度素子と、整流回路による折れ線回路と、加算回路と、非反転増幅回路によるレベル変換回路とを接続した構成となっている。
【0023】
また、図4には、FET増幅器における周囲温度対増幅度を表すグラフが示されており、さらに、図5には、FET増幅器におけるドレイン電流対増幅度を表すグラフが示されている。
【0024】
ここで、FET増幅器においては、図4の周囲温度対増幅度を表すグラフに示されているように、常温に対し周囲温度が上がるに従って増幅度は下がり、逆に、周囲温度が下がれば増幅度は上がるようになる。
【0025】
一方、FET増幅器においては、図5のドレイン電流対増幅度を表すグラフに示されているように、一定のバイアス状態からドレイン電流を増やすと増幅度が上がり、ドレイン電流を下げると増幅度が下がるようになる。
【0026】
上記したことを勘案して、図3に示すFET増幅器バイアス回路においては、周囲温度の変化を温度素子で検知し、折れ線回路により図6の周囲温度対ドレイン電流の補正グラフに示すように温度の傾きを制御して、レベル変換回路を介してバイアス回路に電圧を供給するようにしている。このようにして、周囲温度によってドレイン電流を制御することにより、図7の周囲温度対増幅度の補正後のグラフに示すように温度にかかわらず一定の増幅度が得られるようになる。
【0027】
次に、上記した図3に示すFET増幅器バイアス回路について、さらに詳細に説明する。
【0028】
この図3に示すFET増幅器バイアス回路は、PNPバイポーラトランジスタ18のエミッタ端子と正電源+V1との間に、温度素子48と、整流回路100および整流回路102による折れ線回路と、加算回路104と、非反転増幅回路106によるレベル変換回路とを介して、ドレイン電流制御用の抵抗21を直列に接続している。
【0029】
さらに、PNPバイポーラトランジスタ18のベース端子とGNDとの間に直列に抵抗20を接続し、PNPバイポーラトランジスタ18のベース端子と正電源+V4との間に直列に抵抗19を接続し、PNPバイポーラトランジスタ18のコレクタ端子と負電源−V5との間に直列に抵抗17を接続し、FET16のゲート端子をPNPバイポーラトランジスタ18のコレクタ端子に接続し、FET16のドレイン端子をPNPバイポーラトランジスタ18のエミッタ端子に接続し、FET16のソース端子を接地している。
【0030】
正電源+V1に接続された温度素子48には、整流回路100を構成する抵抗37と、整流回路102を構成する抵抗45と、加算回路104を構成する抵抗38とが並列に接続される。
【0031】
ここで、整流回路100は、抵抗31と抵抗35と抵抗36と抵抗37とダイオード32とダイオード33とオペアンプ34とにより構成されている。なお、こうした整流回路100の回路構成は公知であるので、図3を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0032】
また、整流回路102は、抵抗40と抵抗44と抵抗45と抵抗46とダイオード41とダイオード42とオペアンプ43とにより構成されている。なお、こうした整流回路102の回路構成は公知であるので、図3を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0033】
また、加算回路104は、オペアンプ27と抵抗28と抵抗29と抵抗30と抵抗38と抵抗39とで構成されている。なお、こうした加算回路104の回路構成は公知であるので、図3を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0034】
また、非反転増幅回路106は、加算回路104からの出力が入力されるオペアンプ25と抵抗22と抵抗23と可変抵抗24とにより構成されている。なお、こうした非反転増幅回路106の回路構成は公知であるので、図3を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0035】
この図3に示すFET増幅器バイアス回路においては、温度素子48で周囲温度を検知するものであるが、温度素子48で検知される周囲温度に対する電圧の変化の特性は、図8の周囲温度対増幅度を表すグラフに示された特性であるものとする。
【0036】
温度素子48からの出力は、図3における(1)のルートである抵抗38を通り、オペアンプ27と抵抗28と抵抗29と抵抗30と抵抗38と抵抗39とにより構成される加算回路104に入力される。
【0037】
ここで、抵抗38に入力される特性は、図9の周囲温度対増幅度を表すグラフにより示される。
【0038】
一方、図3における(2)のルートを通る温度素子48の出力は、抵抗31と抵抗35と抵抗36と抵抗37とダイオード32とダイオード33とオペアンプ34とにより構成される整流回路100に入力され、正電源+V2を可変してその電圧を温度素子48の温度による出力電圧の任意の電圧に設定する。このことにより、抵抗37と抵抗31とにより決定する増幅度の傾きにより、任意の温度から、温度素子48の出力電圧の傾きの「−(抵抗31の抵抗値/抵抗37の抵抗値)倍」の電圧出力の傾きを得ることができる。
【0039】
この整流回路100におけるダイオード33の出力は、図10の周囲温度対電圧のグラフに示すようになり、図10の周囲温度対電圧のグラフにおけるA点は正電源+V2によって決まり、その出力電圧の傾きは、以下の式1によって決定される。
【0040】
式1−(抵抗31の抵抗値/抵抗37の抵抗値)×温度素子48の温度係数
さらに、図3における(3)のルートを通る温度素子48の出力は、抵抗40と抵抗44と抵抗45と抵抗46とダイオード41とダイオード42とオペアンプ43とにより構成される整流回路102に入力され、負電源−V3を可変してその電圧を温度素子48の温度による出力電圧の任意の電圧に設定する。このことにより、抵抗40と抵抗45とで決定する増幅度の傾きにより、任意の温度から、温度素子48の出力電圧の傾きの「−(抵抗40の抵抗値/抵抗45の抵抗値)倍」の電圧出力の傾きを得ることができる。
【0041】
この整流回路102におけるダイオード42の出力は、図11の周囲温度対電圧のグラフに示すようになり、図11の周囲温度対電圧のグラフにおけるB点は負電圧−V3によって決まり、その出力電圧の傾きは、以下の式2によって決定される。
【0042】
式2 −(抵抗40の抵抗値/抵抗45の抵抗値)×温度素子48の温度係数これら(1)のルートを通った出力は抵抗38に入力され、(2)のルートを通った出力は抵抗30に入力され、(3)のルートを通った出力は抵抗39に入力されて、抵抗30と抵抗38と抵抗39と抵抗28と抵抗29とオペアンプ27とで構成される加算回路104に入力されることになる。
【0043】
この加算回路104において、(1)のルートの出力から(2)のルートの出力と(3)のルートの出力とがそれぞれ減算され、図12の周囲温度対出力電圧のグラフに示す周囲温度対出力電圧特性が得られる。
【0044】
ここで、図3に示すFET増幅器バイアス回路における抵抗38に代えて、図13に示す抵抗49と抵抗50と抵抗51とオペアンプ52とで構成する演算回路を使用することにより、(1)のルートと(2)のルートと(3)のルートとを通った出力は、図3に示すFET増幅器バイアス回路における抵抗30と抵抗38に代えて使用する図13に示す演算回路と抵抗39と抵抗28と抵抗29とオペアンプ27とで構成される加算回路に入力されて加算されるため、図14の周囲温度対出力電圧のグラフに示す周囲温度対出力電圧特性が得られる。
【0045】
そして、上記した加算回路104の出力を、オペアンプ25と抵抗22と抵抗23と可変抵抗24とで構成する非反転増幅回路106へ入力することにより、可変抵抗24の抵抗値によってオフセット電圧を調整することにより出力レベルを調整する。この非反転増幅回路106の出力は、PNPバイポーラトランジスタ18と抵抗19と抵抗20と抵抗17とにより構成されるオートバイアス回路に抵抗21を通して入力され、抵抗19と抵抗20とPNPバイポーラトランジスタ18のVBEとで決まるVEを温度に対してほぼ一定として、オペアンプ25の出力をVOとすると「(VO−VE)/抵抗21の抵抗値」で決まるドレイン電流IDが流れることになる。
【0046】
このVOは、図12あるいは抵抗38に代えて図13に示す演算回路を用いた場合には図14に示す温度対出力電圧特性を持っており、抵抗21と温度の傾きと図12あるいは図14におけるA点ならびにB点の温度の補正カーブの変更点とを設定することにより、図7で示す周囲温度対増幅度のグラフの特性に近づけることが可能になり、一般的に図4あるいは図5で示すような直線的ではない周囲温度対増幅度特性あるいはドレイン電流対増幅度特性の補正に対応可能となり、各温度に対して一定の増幅度を得られることになる。
【0047】
次に、図15には、本発明によるFET増幅器バイアス回路の他の実施の形態の一例を示す回路図が示されている。この図15に示すFET増幅器バイアス回路は、基本的には図1および図2を参照しながら説明した従来のFET増幅器バイアス回路に、さらに温度素子と、整流回路と、非反転増幅回路によるレベル変換回路とを接続した構成となっている。
【0048】
以下、上記した図15に示すFET増幅器バイアス回路について、さらに詳細に説明する。
【0049】
この図15に示すFET増幅器バイアス回路は、PNPバイポーラトランジスタ54のエミッタ端子と正電源+V6との間に、温度素子69と、整流回路200と、非反転増幅回路202によるレベル変換回路とを介して、ドレイン電流制御用の抵抗58を直列に接続している。
【0050】
さらに、PNPバイポーラトランジスタ54のベース端子とGNDとの間に直列に抵抗57を接続し、PNPバイポーラトランジスタ54のベース端子と正電源+V8との間に直列に抵抗56を接続し、PNPバイポーラトランジスタ54のコレクタ端子と負電源−V9との間に直列に抵抗55を接続し、FET53のゲート端子をPNPバイポーラトランジスタ54のコレクタ端子に接続し、FET53のドレイン端子をPNPバイポーラトランジスタ54のエミッタ端子に接続し、FET53のソース端子を接地している。
【0051】
正電源+V6に接続された温度素子69には、整流回路200を構成する抵抗67が直列に接続される。
【0052】
ここで、整流回路200は、抵抗63と抵抗66と抵抗67と抵抗68とダイオード64とダイオード65とオペアンプ70とにより構成されている。なお、こうした整流回路200の回路構成は公知であるので、図15を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0053】
また、非反転増幅回路202は、整流回路200からの出力が入力されるオペアンプ62と抵抗59と抵抗60と可変抵抗61とにより構成されている。なお、こうした非反転増幅回路202の回路構成は公知であるので、図15を参照することにより、各回路構成要素の詳細な接続関係の説明は省略する。
【0054】
この図15に示すFET増幅器バイアス回路においては、温度素子69で周囲温度を検知するものであるが、温度素子69で検知される周囲温度に対する電圧の変化の特性は、図8の周囲温度対増幅度を表すグラフに示された特性であるものとする。
【0055】
温度素子69からの出力は、抵抗63と抵抗66と抵抗67と抵抗68とダイオード64とダイオード65とオペアンプ70とにより構成される整流回路200に入力され、正電源+V7を可変してその電圧を温度素子69の温度による出力電圧の任意の電圧に設定する。このことにより、抵抗67と抵抗63とにより決定する増幅度の傾きにより、任意の温度から、温度素子69の出力電圧の傾きの「−(抵抗63の抵抗値/抵抗67の抵抗値)倍」の電圧出力の傾きを得ることができる。
【0056】
この整流回路200におけるダイオード65の出力特性は、図10の周囲温度対電圧のグラフに示すようになり、図10の周囲温度対電圧のグラフにおけるA点は正電源+V7によって決まり、その出力電圧の傾きは「−(抵抗63の抵抗値/抵抗67の抵抗値)」で決まる。
【0057】
そして、上記した整流回路200の出力を、オペアンプ62と抵抗59と抵抗60と可変抵抗61とで構成する非反転増幅回路202へ入力することにより、可変抵抗61の抵抗値によってオフセット電圧を調整することにより出力レベルを調整する。この出力は、PNPバイポーラトランジスタ54と抵抗56と抵抗57と抵抗55とで構成するオートバイアス回路に抵抗58を通して入力され、抵抗56と抵抗57とPNPバイポーラトランジスタ54のVBEとで決まるVEを温度に対してほぼ一定として、オペアンプ62の出力をVOとすると「(VO−VE)/抵抗58の抵抗値」で決まるドレイン電流IDが流れることになる。
【0058】
このVOは、図10に示す温度対出力電圧特性を持っており、抵抗58と温度の傾きと図10におけるA点の温度の補正カーブの変更点とを設定することにより、一定のドレイン電流から抵抗63と抵抗67とで決まる傾きで補正をかけることが可能となる。
【0059】
ところで、この図15に示すFET増幅器バイアス回路は、電界効果型トランジスタの多段構成の回路において、図3に示すFET増幅器バイアス回路と組みあわせて用いることが有効であり、特に、FET増幅器全体の増幅度を一定にする際に高温のみ補償が不足した場合に用いると有効である。
【0060】
一方、図16の抵抗70と抵抗71と抵抗72と抵抗73とダイオード74とダイオード75とオペアンプ76とで構成される整流回路300を、図15に示すFET増幅器バイアス回路におけるX点とY点との間に接続された整流回路200の代わりに用いるようにすると、特に、FET増幅器全体の増幅度を一定にする際に低温のみ補償が不足した場合に有効となる。
【0061】
さらに、図17の抵抗77と抵抗78と抵抗79とオペアンプ80とで構成される演算回路を、図15に示すFET増幅器バイアス回路におけるX点とY点との間に接続された整流回路200の代わりに使用することで、一定の温度係数を持った補償が可能である。
【0062】
従って、多段構成の低雑音増幅器においては、それぞれのバイアス回路として図3、図13、図15、図16ならびに図17に示す各回路構成を組みあわせて用いることにより、多段構成の低雑音増幅器における細かい温度補償を実現することが可能となる。
【0063】
即ち、FET増幅器を多段構成したLNAなどの増幅器のバイアス回路として、図3、図13、図15、図16ならびに図17に示す各回路構成を組みあわせた本発明によるFET増幅器バイアス回路を使用することにより、ドレイン電流の細かい制御が可能となって増幅度の安定化を図ることができるようになる。このため、FET増幅器の温度による増幅度の増加による相互変調歪みの悪化、低温時の増幅度の増加による発振、高温時のドレイン電流の増加による消費電流の増大などのような、従来のFET増幅器バイアス回路による温度素子の温度特性に依存した直線的な電圧特性による温度補償では補償しきれなかった問題点を、本発明によるFET増幅器バイアス回路を用いることにより解決することが可能になる。
【0064】
なお、上記した実施の形態においては、電界効果型トランジスタとしてFETを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではないものであり、電界効果型トランジスタとしてHEMTを用いるようにしてもよいことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、FET増幅器の温度変化にともなう増幅度の増減に起因する相互変調歪みの悪化や発振、あるいは、ドレイン電流の増減に起因する消費電流の増大などの問題を、ドレイン電流をきめ細かく制御することにより解消することのできるFET増幅器バイアス回路を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】特公平3−11682号公報(第1公報)に開示されたFET増幅器バイアス回路の回路図である。
【図2】特開平9−270641号公報(第2公報)に開示されたFET増幅器バイアス回路の回路図である。
【図3】本発明によるFET増幅器バイアス回路の実施の形態の一例を示す回路図である。
【図4】FET増幅器における周囲温度対増幅度を表すグラフである。
【図5】FET増幅器におけるドレイン電流対増幅度を表すグラフである。
【図6】周囲温度対ドレイン電流の補正グラフである。
【図7】周囲温度対増幅度の補正後のグラフである。
【図8】図3における温度素子48で検知される周囲温度に対する電圧の変化の特性を示す周囲温度対出力電圧を表すグラフである。
【図9】図3における抵抗38に入力される特性を示す周囲温度対増幅度を表すグラフである。
【図10】図3の整流回路100におけるダイオード33の出力特性を示す周囲温度対電圧のグラフである。
【図11】図3の整流回路102におけるダイオード42の出力特性を示す周囲温度対電圧のグラフである。
【図12】図3における加算回路104の出力特性を示す周囲温度対出力電圧のグラフである。
【図13】図3における抵抗38Rに代えて使用することのできる演算回路を示す回路図である。
【図14】図13に示す演算回路を図3における抵抗38Rに代えて使用した場合における、図3における加算回路104の出力特性を示す周囲温度対出力電圧のグラフである。
【図15】本発明によるFET増幅器バイアス回路の他の実施の形態の一例を示す回路図である。
【図16】図15における整流回路200に代えて使用することのできる整流回路を示す回路図である。
【図17】図15における整流回路200に代えて使用することのできる演算回路を示す回路図である。
【符号の説明】
16、53 FET
18、54 PNPバイポーラトランジスタ
48、69 温度素子
17、19、20、21、22、23、28、29、30、31、35、36、37、38、39、40、44、45、46、49、50、51、55、56、57、58、59、60、63、66、67、68、71、72、73、77、78、79 抵抗
24、61 可変抵抗
25、27、34、43、52、62、70、76、80 オペアンプ
32、33、41、42、64、65、74、75 ダイオード
100、102、200、300 整流回路
104 加算回路
106、202 非反転増幅回路

Claims (4)

  1. FET増幅器のドレイン電流を周囲温度の変化に合わせて増減し、前記FET増幅器が一定の増幅度を保つように作動させるFET増幅器バイアス回路であって、
    周囲温度を検知して該検知した温度に対して一定の傾きで電圧を出力する温度素子と、
    前記温度素子の出力を前記温度素子が検知した第1の温度から制御するようにして出力する第1の折れ線回路と、
    前記温度素子の出力を前記温度素子が検知した第2の温度から制御するようにして出力する第2の折れ線回路と、
    前記温度素子の出力と前記第1の折れ線回路の出力と前記第2の折れ線回路の出力とを加算もしくは減算してFET増幅器へ出力する加算回路と
    を有し、
    前記温度素子の出力を前記第1の折れ線回路と前記第2の折れ線回路とで制御することにより、前記温度素子で検知した温度に応じてドレイン電流を増減して、前記FET増幅器の増幅度を周囲温度の変化に対して一定とする
    ことを特徴とするFET増幅器バイアス回路。
  2. 請求項1に記載のFET増幅器バイアス回路において、さらに、
    前記加算回路の出力のレベルを制御するレベル変換回路と
    を有することを特徴とするFET増幅器バイアス回路。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載のFET増幅器バイアス回路において、
    前記第1の折れ線回路は第1の整流回路よりなり、
    前記第2の折れ線回路は第2の整流回路よりなる
    ことを特徴とするFET増幅器バイアス回路。
  4. 請求項3に記載のFET増幅器バイアス回路において、
    前記温度素子の出力を前記第1の整流回路および前記第2の整流回路で制御して、前記温度素子が検知した任意の温度からバイアス電流制御を開始する
    ことを特徴とするFET増幅器バイアス回路。
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