JP4084866B2 - 消磁用電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流を電磁チャックの励磁コイル等に通電方向を交互に切り換えて供給する消磁用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の消磁用電源装置の1つとして、所定電圧の減衰交番電流を励磁コイルに供給して電磁チャック及び工作物を消磁するものがある(特公昭61−19095号公報参照)。
【0003】
この従来の装置は、交流を直流に整流し、得られた直流を切換回路において極性(すなわち、通電方向)を交互に切り換えるとともに、励磁コイルへの通電時間(切換周期)を漸減させ、それにより減衰交番電流を発生させている。
【0004】
減衰交番電流は、励磁コイルへの通電時間を漸減させるいわゆる消磁パターンを用いて行われる。消磁パターンは、通電時間を漸減させる時間の配列からなり、また消磁用電源装置内のクロックパルス発生器から発生される一定周波数のパルス信号の周期Tの整数倍の時間を基に作成される。
【0005】
しかし、従来の装置では、消磁パターン作成の基礎となるパルス信号の周期Tが、整流する交流の周期と一致していないとともに、整流された直流中の交流成分の周期tとも一致しないため、励磁コイルへの通電時間が交流成分の周期tの整数倍とならず、しかも極性切換(通電方向切換)のタイミングも交流成分の周期に同期していない。
【0006】
上記の結果、従来の装置では、通電時間が同じであっても、切換回路の出力電圧にばらつきが生じることを避けることができず、励磁コイルに流れる電流にばらつきが発生していた。特に、そのようなばらつきは短い通電時間の場合に大きな影響を与えるから、消磁パターンの最後の段階において大きな影響が生じ、消磁効果に大きなばらつきが発生する。
【0007】
また、従来の装置においては、消磁対象物である工作物の、形状、材質及び大きさ等により最適な消磁パターンを選択することはできるが、初期通電時間、通電時間の減衰比、極性切換回数等を変更するたびに、新たな消磁パターンを作成し、メモリーに書き加えなければならず、その結果消磁パターン用のメモリー容量が非常に大きくなる。
【0008】
【解決しようとする課題】
上記のことから、各通電時間を整流された直流中の交流成分の周期の整数倍の周期とし、しかも切換のタイミングをそのような交流成分の周期に同期させることが望ましい。
【0009】
また、1つの消磁パターンによる消磁動作をその消磁パターンの最初から実行することなく、その消磁パターンの途中から実行することを可能にしてメモリーの容量を小さくすることが望ましい。
【0010】
【解決手段、作用および効果】
本発明の消磁用電源装置は、交流を直流に変換する整流回路に供給される交流の周期を検出してその周期に対応したパルス信号を発生する周期検出回路と、励磁コイルへの通電方向を指定する複数の動作指定信号及び励磁コイルへの通電期間を指定する複数の時間指定信号を含む少なくとも1つの消磁パターンが記憶されたメモリー回路と、整流回路に入力する交流の周期に同期した制御信号を励磁コイルに供給する励磁電流を切り換える切換回路に出力する処理回路とを含む。
【0011】
処理回路は、所定のアドレスをメモリー回路に指定してそのアドレス内の信号をメモリー回路から出力させ、周期検出回路から出力されるパルス信号を計数してそのパルス信号数がメモリー回路から得られる時間指定信号に対応する値と一致するたびにメモリー回路に指定するアドレスを変更し、出力された動作指定信号及びパルス信号を基に制御信号を出力する。
【0012】
処理回路は、所定のアドレス内の信号をメモリー回路から出力させ、周期検出回路から出力されるパルス信号数がメモリー回路から得られた時間指定信号に対応する値と一致するたびにメモリー回路に指定するアドレスを変更し、周期検出回路の出力パルス信号数がメモリー回路からの時間指定信号に対応する値と一致するたびに、基の状態に戻される。これにより、動作指定信号及び時間指定信号がメモリー回路から順次出力される。
【0013】
処理回路は、また、メモリー回路から出力される動作指定信号と周期検出回路から出力されるパルス信号とを基に、整流前の交流の周期に同期した制御信号を切換回路に出力する。このような制御信号は、動作指定信号とパルス信号とのアンド条件により発生することができる。これにより、切換回路は、整流された直流をその極性を交互に切り換えて励磁コイルに供給する。消磁動作は、所定のアドレスから始まる消磁パターンの動作が完了したことにより終了する。
【0014】
上記のように、整流前の交流の周期に同期したパルス信号を周期検出回路から発生させ、そのパルス信号の発生数がメモリー回路から得られた時間指定信号と一致するたびにメモリー回路に指定するアドレスを変更するならば、切換回路による励磁コイルへの各通電時間が整流された直流中の交流成分の周期の整数倍の周期となり、また通電方向の切換のタイミングがそのような交流成分の周期に同期する。
【0015】
処理回路は、出力すべき信号を記憶しているアドレスを指定するためのアドレス信号を前記メモリー回路に出力するアドレス指定手段と、時間指定信号及びパルス信号を受け、受けたパルス信号を計数し、その計数値が受けた時間指定信号に対応する値に達するたびに、前記アドレス指定手段から出力するアドレス信号を消磁パターンに従う次のアドレス信号に変更するアドレス変更信号を出力する計数手段と、動作指定信号と前記パルス信号とを基に前記制御信号を出力する出力同期手段とを含むことができる。計数手段は、周期検出回路の出力パルス信号数がメモリー回路からの時間指定信号に対応する値と一致するたびに、基の状態に戻される。
【0016】
電源装置は、さらに、用いる消磁パターンの初期アドレスを選択的に設定する初期アドレス設定器を含み、処理回路は、初期アドレス設定手段に設定された初期アドレスを前記メモリー回路に指定した後、パルス信号数が前記メモリー回路から得られる時間指定信号に対応する値と一致するたびに前記メモリー回路に指定するアドレスを変更することができる。
【0017】
初期アドレス設定器を用いた場合、処理回路は、初期アドレス設定器に設定された初期アドレスを途中に含む消磁パターンのうち、初期アドレス設定器に設定された初期アドレスを開始アドレスとし、その開始アドレスから消磁動作を実行させるようにすることができる。このようにすれば、消磁動作を1つの消磁パターンの最初(第1項)から実行することなく、消磁対象物の材質及び大きさ等に応じて途中の任意な項(例えば、第i項)から実行することができるから、メモリーに記憶されている1つの消磁パターンを複数種類の消磁に共通に利用することができ、その結果メモリー回路に記憶された消磁パターン数が少なくても、材質及び大きさ等が異なる多種類の消磁対象物を消磁することができる。
【0018】
しかし、処理回路は、初期アドレスに設定されたアドレスを開始アドレスとする消磁パターンによる消磁をその消磁パターンの最初から消磁動作を実行させるようにしてもよい。この場合、消磁すべき工作物の材質及び大きさ等に応じた複数の消磁パターンをメモリー回路に記憶させておき、初期アドレス設定器を希望する消磁パターンの選択のために用いることが好ましい。
【0019】
電源装置は、さらに、通電方向の切換回数を設定する切換回数設定器を含み、処理回路は、さらに、制御信号または動作指定信号を基に励磁コイルへの通電回数を計数し、その計数値が切換回数設定器に設定された値に達したとき当該処理回路の作動を停止させる作動停止信号を発生する第2の計数手段を含むことができる。このようにすれば、消磁対象物の材質及び大きさ等に応じて、通電方向の切換回数を設定することができるし、1つの消磁パターンの途中から実行することができるから、メモリーに記憶されている1つの消磁パターンを複数種類の消磁に共通に利用することができ、その結果メモリー回路に記憶された消磁パターン数が少なくても、材質及び大きさ等が異なる多種類の消磁対象物を消磁することができる。
【0020】
計数手段は、時間指定信号及びパルス信号を受け、受けたパルス信号を計数し、その計数値が受けた時間指定信号に対応する値に達するたびにキャリー信号を出力する計数手段と、計数手段からのキャリー信号を基に、アドレス指定手段から出力するアドレス指定信号を消磁パターンに従う次のアドレス指定信号に変更するとともに、計数手段の計数値をクリアするアドレス変更信号を出力するアドレス変更信号発生手段とを含むことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、消磁用電源装置10は、交流電源12からの交流電流を整流回路14において直流電流に整流し、整流された直流電流を切換回路16を介して励磁コイル18に供給する電磁チャックにおいていわゆるループ減衰消磁法を実行する装置に適用される。
【0022】
交流電源12は商用交流電源であり整流回路14は全波整流回路または半波整流回路である。切換回路16は、励磁コイルへの通電方向(すなわち、直流の極性)を切り換える一対のリレーと、これらのリレーを同期して駆動させる通電回路とを備えた極性切換回路である。あるいは、切換回路16は、例えば、特開平5−198436号公報に記載されているように、複数のトランジスタを用いたブリッジ回路を含むものであってもよい。励磁コイル18は、電磁チャックの磁気的吸着面すなわち作業面を励磁状態及び非励磁状態に選択的におくための励磁コイルである。
【0023】
以下の説明では、整流回路14は、図2(A)に示すような電源電圧を図2(B)に示すような直流電圧に変換する全波整流回路であるものとする。
【0024】
消磁用電源装置10は、交流電源12から整流回路14に供給される交流の周期を周期検出回路20において検出し、周期検出回路20から出力されるパルス信号S1とメモリー回路22から出力される動作指定信号S2とを基に切換回路16を駆動する制御信号S3を出力同期回路24において発生する。パルス信号S1は、交流電源12からの交流に同期した同期パルスである。
【0025】
周期検出回路20は、入力する交流電圧(または、電流)のゼロポイントを検出し、そのゼロポイントに対応するパルス信号S1を出力する。このような周期検出回路20として、ホトカプラを用いて入力電圧のゼロポイントの位置でパルス信号を発生する一般的なゼロポイント検出器を用いることができる。周期検出回路20から出力されるパルス信号S1は、図2(C)に示すように、図2(A)に示す交流電源電圧ACに同期するとともに、図2(B)に示す整流された直流電圧DC中の交流電圧成分に同期する波形を有する。
【0026】
メモリー回路22は、1以上の消磁パターンを記憶している。各消磁パターンは、消磁のための減衰交番磁界を励磁コイル18から発生させる情報である。各消磁パターンは、切換回路16の通電方向を指定する動作指定信号S2と、励磁コイル18への通電時間を指定する時間指定信号S4との組み合わせからなる複数の指示信号とを含む。
【0027】
動作指定信号S2は、励磁コイル18に供給する直流の極性を指定する信号であり、通電方向(極性)を交互に切り換えるための信号として用いられる。これに対し、時間指定信号S4は、直流を励磁コイル18に実際に供給する時間を指定する信号である。
【0028】
動作指定信号S2の一例を図2(D)に示し、制御信号S3の一例を図2(E)に示す。図2(D)に示すように、動作指定信号S2は、励磁コイル18への実際の通電時間(制御信号S3)よりやや長い時間幅を有する。
【0029】
時間指定信号S4は、パルス信号S1の数である。このため、日本の場合、商用交流電源の周波数は、50Hzまたは60Hzであるから、パルス信号S1の発生数により、一回の通電時間指定することができる。
【0030】
各消磁パターンは、また、消磁動作の開始時と、時間的に隣り合う通電期間の間(隣り合う正励磁期間と逆励磁期間との間であり、通電方向の切換時)とに励磁を一時中断する励磁休止期間を含む。各励磁休止期間は、励磁コイル18への通電を一時中断するためのものであり、励磁休止信号により指定される。各励磁休止信号は、励磁コイル18への通電の中止を出力同期回路24に指示する休止指示信号と、励磁休止期間を特定する時間指定信号S4との組み合わせからなる。
【0031】
各消磁パターンは、また、消磁動作の終了時にその旨を指示する終了指示期間を含む。この終了指示期間は、消磁動作終了時(最後)出力される終了信号S10により指示される。
【0032】
指示信号、各励磁休止信号及び終了信号は、1つのアドレスに記録されているか、または、連続する2以上のアドレスに分けて記録されている。各励磁休止信号及び終了信号は、これらが励磁の休止を指定すなわち指示するためのものであるから、一種の指示信号として考慮してもよい。
【0033】
メモリー回路22は、上記のような1以上の消磁パターンを、励磁コイル18への通電方向が交互になるとともに、通電時間が低減するように、消磁パターン毎に連続するアドレスに順次記憶している。メモリー回路22に記憶する消磁パターンの一例を後に説明する図5及び図6に示す。メモリー回路22内の時間指定信号S4は、計数回路26に供給される。
【0034】
動作指定信号S2は、図2(D)に示すように、励磁コイル18への実際の通電時間よりやや長い時間幅を有しており、また時間指定信号S4に対応する数のパルス信号S1が発生されたことにより消滅する。出力同期回路24は、図2(E)に示すように、動作指定信号S2を受けた後に最初のパルス信号S1を受けたときから、動作指定信号S2が消滅するまでの時間幅を有する。
【0035】
計数回路26は、メモリー回路22からの時間指定信号S4を受け、受けた時間指定信号S4をプリセットし、周期検出回路20からのパルス信号S1の計数を開始し、受けたパルス信号数(計数値)が時間指定信号S4に対応する値に達したことによりパルス状のキャリー信号S5をアドレス変更信号発生回路28に出力して初期状態に戻る工程を、時間指定信号S4を受けるたびに実行する。
【0036】
アドレス変更信号発生回路28は、受けたキャリー信号S5を増幅し、増幅した信号を、メモリー回路22に指定するアドレスを選択された消磁パターンの順次引き続くアドレスに進めるためのアドレス変更信号S6としてアドレス指定回路30に出力するとともに、計数回路26を初期状態に戻すリセット信号S7として計数回路26に供給する。
【0037】
計数回路26は、リセット信号S7をアドレス変更信号発生回路28から受けるたびにリセットされて、初期状態に戻される。計数回路26のリセットは、自身が出力するキャリー信号S5により行ってもよい。
【0038】
アドレス指定回路30は、信号を出力させるべきアドレスをメモリー回路22に指定するいわゆるアドレス回路である。アドレス指定回路30は、アドレス変更信号S6のほかに、初期アドレス設定器32に設定された初期アドレスS8と、端子34に供給される消磁開始信号S9と、メモリー回路22から出力される終了信号S10とを受ける。
【0039】
初期アドレス設定器32は、所定の消磁パターンによる消磁動作の最初のアドレスを指定するものであり、デジタルスイッチ、ロータリースイッチ等のスイッチが用いられる。消磁開始信号S9は、消磁動作の開始を指示する信号であり、装置に備えられた図示しない切換スイッチにより入力される。終了信号S10は、一回の消磁工程が完了したことにより、その消磁パターンによる消磁動作を終了することを指示する信号であり、メモリー回路22から出力される。
【0040】
アドレス指定回路30は、消磁開始信号S9が端子34に入力すると、先ず、初期アドレス設定器32に設定された初期アドレスS8に対応するアドレス内の信号をメモリー回路22から出力させるべく初期アドレスS8に対応するアドレス信号S11をメモリー回路22に供給する。その後、アドレス指定回路30は、アドレス変更信号S6が入力するたびに、メモリー回路22に供給するアドレス信号S11を次のアドレスに進める。
【0041】
上記のようなアドレス指定回路30として、消磁開始信号S9が入力したことにより初期アドレス信号S8をプリセットし、その後信号S6を受信するたびに歩進し、終了信号S10を受けたことにより動作を中止して、初期状態に戻るカウンタを用いることができる。
【0042】
電源装置10において、電源が投入されていると、図2(B)に示す直流DCが整流回路14から出力されているとともに、図2(C)に示すパルス信号S1が周期検出回路20から出力されている。
【0043】
電源が投入された状態において、図示しない切換スイッチが正励磁に切り換えられると、電源装置10は励磁コイル18に正方向に通電する。これにより、電磁チャックの磁気作用面は励磁状態におかれ、工作物は磁気作用面に磁気的に吸着される。
【0044】
電源が投入された状態において、上記の切換スイッチがオフにされると、電源装置10は励磁コイル18への通電を中止する。これにより、電磁チャックの磁気作用面は非励磁状態におかれ、工作物を磁気作用面から取り外すことができる。
【0045】
しかし、工作物に残留する磁気は工作物の材質により異なることから、上記の切換スイッチをオフにしただけでは、工作物を磁気作用面から取り除くことができないことがある。また、工作物によっては、残留磁気を除去することが望まれる。このような場合、上記切換スイッチが消磁に切り換えられ、それにより工作物及び電磁チャックの消磁が行われる。
【0046】
電源が投入されている状態で、切換スイッチが消磁に切り換えられると、消磁開始信号S9がアドレス指定回路30に入力するから、アドレス指定回路30は、先ず初期アドレスS8に対応するアドレス信号S11をメモリー回路22に出力する。これにより、メモリー回路22から励磁休止信号が動作指定信号S2の代わりに出力同期回路24に出力されるから、励磁コイル18への通電は行われない。また、時間指定信号S4が計数回路26に出力されるから、計数回路26は時間指定信号S4をプリセットしてパルス信号S1の計数を開始する。
【0047】
計数回路26の計数値が時間指定信号S4により指定された値になると、計数回路26からキャリー信号S5が出力され、アドレス変更信号発生回路28から信号S6及びS7が出力される。これにより、計数回路26はリセットされ、アドレス指定回路30はメモリー回路22に出力するアドレス信号S11を1だけ進める。
【0048】
最初の励磁休止信号が複数のアドレスに記憶されている場合は、電源装置10は上記工程を複数回実行する。
【0049】
動作指定信号S2と時間指定信号S4とを含む指示信号を記憶している最初のアドレスがアドレス信号S11により指定されると、電源装置10は、最初の励磁工程に移行する。第1の励磁工程は、以下の通り実行される。
【0050】
先ず、アドレス信号S11に対応するアドレス内の指示信号がメモリー回路22から出力されるから、計数回路26は出力された指示信号中の時間指定信号S4をプリセットしてパルス信号S1の計数を開始する。また、出力同期回路24はパルス信号S1及び動作指定信号S2を基に制御信号S3を切換回路16に出力する。これにより、第1の励磁工程の間、励磁コイル18は所定の方向に通電され、電磁チャックは正または(逆)励磁状態におかれる。
【0051】
次いで、計数回路26の計数値が時間指定信号S4により指定された値になると、キャリー信号S5が計数回路26から出力され、信号S6及びS7がアドレス変更信号発生回路28から出力される。これにより、計数回路26はリセットされ、アドレス指定回路30はメモリー回路22に出力するアドレス信号S11を1だけ進める。
【0052】
動作指定信号S2及び時間指定信号S4が複数のアドレスに記憶されている場合は、電源装置10は上記動作を複数回実行する。中間の励磁休止信号を記憶している最初のアドレスがアドレス信号S11により指定されると、電源装置10は、中間の励磁休止工程に移行する。
【0053】
上記の結果、動作指定信号S2の終了時は、図2に示すように、パルス信号S1の発生時に同期するとともに、電源からの交流AC及び整流された直流DC中の交流成分に同期する。
【0054】
制御信号S3は、図2(E)に示すように、動作指定信号S2が供給された後最初のパルス信号S1が供給されたときから、動作指定信号S2が消滅するまで出力される。このため、消滅時はパルス信号の発生時に同期するとともに、電源からの交流AC及び整流された直流DC中の交流成分に同期し、その結果励磁コイル18への通電の切換が電源からの交流AC及び整流された直流DC中の交流成分に同期する。
【0055】
中間の励磁休止工程においては、先ずアドレス信号S11に対応するアドレス内の励磁休止信号がメモリー回路22から出力されるから、出力同期回路24は励磁コイル18への通電を休止し、動作指定信号計数回路26は供給される時間指定信号S4をプリセットしてパルス信号の計数を開始する。
【0056】
次いで、計数回路26の計数値が時間指定信号S4により指定された値になると、計数回路26からキャリー信号S5が出力され、アドレス変更信号発生回路28から信号S6及びS7が出力され、計数回路26はリセットされ、アドレス指定回路30はメモリー回路22に出力するアドレス信号S11を1だけ進める。
【0057】
中間の励磁休止信号が複数のアドレスに記憶されている場合は、電源装置10は上記動作を複数回実行した後に、第2の励磁工程に移行する。第2の励磁工程は、励磁コイル18への通電方向が異なることを除いて、第2最初の励磁工程と同様に実行される。その後、再び中間の励磁休止工程が実行される。
【0058】
上記の第1及び第2の励磁工程は、両者の間に中間の励磁休止工程を間にして複数回実行される。そのような工程を複数回実行すると、電源装置10は、最後の終了工程に移行する。
【0059】
この終了工程は、終了信号S10を記憶しているアドレスがアドレス信号S11により指定されることにより開始される。アドレス信号S11に対応するアドレス内の終了信号S10がメモリー回路22からアドレス指定回路30に出力され、それにより電源装置10は消磁動作を終了して、待機状態に戻る。
【0060】
励磁コイル18への通電方向は、励磁工程毎に正方向及び逆方向に交互に切り換えられる。また、励磁時間は、漸次減少される。これにより、図3(A)に示すように、極性が交互になりかつ漸次減衰する減衰交番電圧が出力同期回路24から励磁コイル18に供給される。
【0061】
上記のように、制御信号S3がパルス信号S1に同期すると、励磁コイル18への通電の開始時及び終了時が直流DC中の交流成分に同期するから、制御励磁項留への通電時間が同じであれば、常に同じ電流が励磁コイルに供給され、確実に消磁することができる。
【0062】
電源装置10において、最初にメモリー回路に指定するアドレスは、固定であってもよい。この場合、初期アドレスを選択的に設定可能のアドレス設定器32を用いなくてもよいし、アドレス設定器32の設定値を固定としてもよい。
【0063】
しかし、初期アドレス設定器32に選択的に設定可能であることが好ましい。そのようにすれば、消磁動作を1つの消磁パターンの最初(第1項)から実行することなく、図3(B)に示すように消磁対象物の材質及び大きさ等に応じて途中の任意な項(例えば、第i項)から実行することができるから、メモリーに記憶されている1つの消磁パターンを複数種類の消磁に共通に利用することができ、その結果メモリー回路に記憶された消磁パターン数が少なくても、材質及び大きさ等が異なる多種類の消磁対象物を消磁することができる。
【0064】
また、消磁すべき工作物の材質及び大きさ等に応じた複数の消磁パターンをメモリー回路に記憶させておき、初期アドレス設定器32を希望する消磁パターンの選択のために用いてもよい。この場合、初期アドレス設定器32に設定されたアドレスを開始アドレス(最初のアドレス)とする消磁パターンによる消磁動作がその消磁パターンの最初から実行される。
【0065】
図4を参照するに、電源装置40は、さらに、通電方向の切換回数を設定する極性切換回数設定器42と、動作指定信号S2(または、制御信号S3)を基に励磁コイル18への通電回数を計数する計数回路44とを含む。計数回路44は、その計数値が極性切換回数設定器42に設定された値に達したとき当該電源装置10の作動を停止させる作動停止信号S12を発生する。作動停止信号S12は、アドレス指定回路30に供給される。
【0066】
電源装置40において、消磁動作の開始アドレス(例えば、第i項)が初期アドレス設定器32に設定され、切換回数(例えば、n)が極性切換回数設定器42に設定され状態において、消磁開始信号S9がアドレス指定回路に入力されると、図3(B)に示すように、アドレス指定回路30は第i項から消磁動作を開始する。
【0067】
上記の消磁動作は、第i項の情報が記憶されたアドレスに対応するアドレス信号S11をアドレス指定回路30からメモリー回路22に出力することにより開始される。極性の切換回数がnになると、作動停止信号S12がアドレス指定回路30に供給されるから、アドレス指定回路30は、これに終了信号S10が供給された場合と同様に、消磁動作を終了して待機状態に戻る。
【0068】
上記のようにすれば、消磁対象物の材質及び大きさ等に応じて、通電方向の切換回数を設定することができるし、1つの消磁パターンの途中から実行することができるから、メモリーに記憶されている1つの消磁パターンを複数種類の消磁に共通に利用することができ、その結果メモリー回路に記憶された消磁パターン数が少なくても、材質及び大きさ等が異なる多種類の消磁対象物を消磁することができる。
【0069】
図5及び図6は、2つのリレーCR1,CR2を切換回路における切換手段として用いた電源装置に用いる消磁パターンの一実施例を示す。図5に示す消磁パターンにおいて、アドレス及びデータは上位及び下部が4ビットずつの16進数で示されている。例えば、アドレスFFは1111,1111に対応する。
【0070】
データ中の上位4ビット(例えば、データ3Fの“3”のビット)は、リレーへの通電状態(非通電時および通電方向)を指定するビットであり、下位4ビット(例えば、データ3Fの“F”のビット)はパルス信号S1の発生数を指定するビットである。
【0071】
このため、たとえば、アドレスFD,FC,FB,FAは、下位の4ビットの和である58のパルス信号S1が発生される間、逆励磁されることを意味する。この場合通電時間は、パルス信号S1の周期をtとすると、58tとなる。
【0072】
上記の実施例において、出力同期回路24,計数回路26,アドレス変更信号発生回路28及びアドレス指定回路30、または、それらに加えて計数回路44をコンピュータまたは中央処理ユニット(CPU)に置き換えてもよい。それらをコンピュータに置き換える場合、コンピュータの内部メモリーをメモリー回路22として利用してもよい。
【0073】
本発明は、上記実施例に限定されない。たとえば、本発明は、電磁チャックに用いられる消磁用電源装置のみならず、一般的な消磁装置に用いられる電源装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源装置の一実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図2】図1の装置における電気信号の波形を示す図である。
【図3】図1の装置における励磁コイルに供給される励磁電圧の波形の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る電源装置の他の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図5】メモリー回路に記憶された消磁パターンの一部の一実施例を示す図である。
【図6】図5に示す消磁パターンに続く消磁パターンの残りの部分を示す図である。
【符号の説明】
10,40 消磁用電源装置
12 商用交流電源
14 整流回路
16 切換回路
18 励磁コイル
Claims (6)
- 消磁のための減衰交番磁界を励磁コイルに発生させるべく、交流を整流する整流回路から出力される直流を切換回路において通電方向を交互に切り換えて前記励磁コイルに供給する消磁用電源装置であって、前記整流回路に供給される交流の周期を検出してその周期に対応したパルス信号を発生する周期検出回路と、前記励磁コイルへの通電方向を指定する複数の動作指定信号及び前記励磁コイルへの通電期間を指定する複数の時間指定信号を含む少なくとも1つの消磁パターンが記憶されたメモリー回路と、前記交流の周期に同期した制御信号を前記切換回路に出力する処理回路とを含み、
前記処理回路は、所定のアドレスを前記メモリー回路に指定してそのアドレス内の信号を前記メモリー回路から出力させ、前記周期検出回路から出力されるパルス信号を計数してそのパルス信号数が前記メモリー回路から得られる時間指定信号に対応する値と一致するたびに前記メモリー回路に指定するアドレスを変更し、出力された前記動作指定信号及び前記パルス信号を基に前記制御信号を出力する、消磁用電源装置。 - 前記処理回路は、出力すべき信号を記憶しているアドレスを指定するためのアドレス信号を前記メモリー回路に出力するアドレス指定手段と、前記時間指定信号及び前記パルス信号を受け、受けた前記パルス信号を計数し、その計数値が受けた前記時間指定信号に対応する値に達するたびに、前記アドレス指定手段から出力するアドレス信号を消磁パターンに従う次のアドレス信号に変更するアドレス変更信号を出力する計数手段と、前記動作指定信号と前記パルス信号とを基に前記制御信号を出力する出力同期手段とを含む、請求項1に記載の消磁用電源装置。
- さらに、用いる消磁パターンの初期アドレスを選択的に設定する初期アドレス設定器を含み、前記処理回路は、前記初期アドレス設定手段に設定された初期アドレスを前記メモリー回路に指定した後、パルス信号数が前記メモリー回路から得られる時間指定信号に対応する値と一致するたびに前記メモリー回路に指定するアドレスを変更する、請求項1または2に記載の消磁用電源装置。
- 前記処理回路は、前記初期アドレス設定器に設定された初期アドレスを含む消磁パターンのうち、初期アドレス設定器に設定された初期アドレスを開始アドレスとし、その開始アドレスから実行する、請求項3に記載の消磁用電源装置。
- さらに、通電方向の切換回数を設定する切換回数設定器を含み、前記処理回路は、さらに、前記制御信号または前記動作指定信号を基に励磁コイルへの通電回数を計数し、その計数値が前記切換回数設定器に設定された値に達したとき当該処理回路の作動を停止させる作動停止信号を発生する第2の計数手段を含む、請求項2,3または4に記載の消磁用電源装置。
- 前記計数手段は、前記時間指定信号及び前記パルス信号を受け、受けた前記パルス信号を計数し、その計数値が受けた前記時間指定信号に対応する値に達するたびにキャリー信号を出力する計数手段と、前記計数手段からのキャリー信号を基に、前記アドレス指定手段から出力するアドレス指定信号を消磁パターンに従う次のアドレス指定信号に変更するとともに、前記計数手段の計数値をクリアするアドレス変更信号を出力するアドレス変更信号発生手段とを含む、請求項2,3,4または5に記載の消磁用電源装置。
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| JP25147897A JP4084866B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 消磁用電源装置 |
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| JP25147897A JP4084866B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 消磁用電源装置 |
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| JPH1187138A JPH1187138A (ja) | 1999-03-30 |
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-
1997
- 1997-09-02 JP JP25147897A patent/JP4084866B2/ja not_active Expired - Lifetime
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