JP5033766B2 - 永電磁チャック - Google Patents
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Description
図9に示す永電磁チャックでは、底板100の一面側に載置された複数の永久磁石102,102・・の各々に、コイル106が巻回された鉄芯104が立設されている。鉄芯104の上端面は、吸着物品110を載置する作業面となる。
かかる永久磁石102、鉄芯104及びコイル106は、隣接するものと仕切板108によって仕切られている。この仕切板108の上端面も、吸着物品110を載置する作業面となる。
この様に、作業面に吸着物品110を吸着した後に、コイル106,106・・への直流電流の通電を停止しても、吸着物品110の吸着状態を保持できる。
他方、作業面に導かれた磁力の消磁は、コイル106,106・・への直流電流の通電方向を交互に切り換えて、コイル106,106・・の各々に減衰交番磁界を発生させることによって行っている。
つまり、永電磁チャックの磁化曲線を図10に示す。かかる磁化曲線を呈する永電磁チャックにおいて、その吸着力を調整するには、図10に示す磁化曲線のうち、左上に示す減磁範囲で調整可能である。
しかし、かかる減磁範囲において、磁化曲線の傾斜は直線状ではなく、その調整は困難である。
但し、永電磁チャックでは、吸着物品を吸着した後に、コイルに通電する直流電流を停止しても、その吸着を維持でき、停電時でも吸着を維持できる利点がある。また、コイルへの通電は短時間ですみ、コイルへの長時間の通電による発熱に因る精度の低下を回避できる利点もある。
そこで、本発明の課題は、吸着物品の吸着力の調整を容易に行うことができないという従来の永電磁チャックの課題を解決し、吸着物品の吸着力の調整を容易に行うことができる永電磁チャックを提供することにある。
しかし、コイルに対して、作業面に導かれた磁力を減ずる方向に通電する直流電流の通電時間を、タイマーによって調整することは、図10の磁化曲線に示す如く、永電チャックの減磁範囲では、磁化曲線の傾斜が直線状ではなく、所望の吸着力を得ることは極めて困難であり、且つ調整した吸着力にバラツキが発生し易いことが判明した。
このため、本発明者等は、永電磁チャックの吸着力を容易に調整でき且つ調整した吸着力にバラツキの少なくできないか検討した。その結果、交流電流の周期と同期したパルス信号を受信して、交流電流を全波整流する整流回路を駆動する整流回路駆動回路を設け、最大吸着力を作業面に発生させるように着磁した永電磁チャックに対し、交流電流の周期と同期した所定数のパルス信号を整流回路駆動回路に送信して整流回路を駆動し、整流回路から平滑化することなく出力した直流電流を、その通電方向を切り換えてコイルに通電して、作業面に導かれた磁力を減磁することによって、所望の吸着力を容易に得ることができることを見出し、本発明に到達した。
更に、制御部に、吸着力と等間隔に目盛られた磁力調整目盛との関係を示す減磁パターンであって、前記磁力調整目盛に対応して、整流回路駆動回路に送信されるパルス信号数が定められた減磁パターンを記憶した記憶部と、前記磁力調整目盛の目盛を制御部に入力する入力手段とを設け、最大吸着力から前記入力手段より入力した磁力調整目盛の目盛に対応する吸着力に調整するように、前記減磁パターンに従って、前記制御部から整流回路駆動回路に交流電流の周期に同期して所定数のパルス信号を送信することによって、所望の吸着力を簡単に得ることができる。
この記憶部に、複数の減磁パターンを記憶し、前記減磁パターンの一つを選択して制御部に入力する減磁パターンの選択手段を設けることによって、所望の吸着力を最も安定して得られる減磁パターンを選択できる。
この様に、作業面の磁力の減磁を、交流電流の周期と同期されたパルス信号に対応して駆動される整流回路から平滑化することなく出力される直流電流をコイルに通電して行うことによって、コイルに通電する直流電流の通電時間をタイマーで規制する場合に比較して、作業面での吸着力を正確に調整できる。
図1に示す永電磁チャックは、円形状の本体部16に、磁石部10,10・・が放射状に配設されている。この磁石部10は、図1(a)(b)に示す様に、永久磁石としてのアルニコ磁石12をコイル14が巻回されている。かかるアルニコ磁石12上には、スぺーサ18が載置され、更に磁石部10,10・・の全面は、載置板20が載置されている。
かかる載置板20には、磁石部10に対応する部分は、セパレータ22によって囲まれている。
尚、隣接する磁石部10,10は、図1(c)に示す様に、本体部16に形成された仕切部24によって仕切られている。
この整流回路30は、サイリスタによって構成されており、整流回路駆動回路34よって駆動される。
また、極性切換回路32は、整流回路30から平滑化されることなく出力された直流電流を、載置板20の作業面に吸着力を発生させるように、アルニコ磁石12の磁力を増磁する正磁力をコイル14に発生させる通電方向と、載置板20の作業面に発生した吸着力を減少するように、アルニコ磁石12の磁力を減磁する逆磁力を発生させる通電方向とに切り換える。
かかる極性切換回路32及び整流回路駆動回路34は、制御部36によって制御されている。
この制御部36には、周期検出回路35によって検出された整流回路30で整流される交流電流の周期をカウントする周期カウント部38と、周期カウント部38でカウントされた周期と同期して、整流回路駆動回路34と極性切換回路32とに所定の信号を発信する出力同期部40とが設けられている。更に、制御部36には、減磁パターンデータが記憶された第1記憶部42と、消磁パターンデータが記憶された第2記憶部44とが設けられている。
かかる制御部36に入力する入力手段として、後述する様に、第1記憶部42に記憶された減磁パターンの磁力調整目盛を指定し且つ着磁指令を入力する入力手段45と、第1記憶部42に記憶された複数の減磁パターンの一つを選択する減磁パターン選択指令を入力する入力手段46と、消磁指令を入力する入力手段48が設けられている。
また、出力同期部40からは、図3(E)に示す様に、極性切換回路32に対し、整流回路30から出力された直流電流のコイル14への通電方向を切り換える切換信号が、交流電流の周期と同期して発信される。この切換信号が、アルニコ磁石12の磁力を増磁する方向に直流電流をコイル14に通電(正通電)する正信号であった場合、極性切換回路32を経由した直流電流の波形は、図3(D)に示す様に、整流回路30から出力された直流電流の波形と同一向きである。他方、出力同期部40から送信された切換信号が、図3(E)に示す様に、アルニコ磁石12の磁力を減磁する方向に直流電流をコイル14に通電(逆通電)する逆信号であった場合、極性切換回路32を経由した直流電流の波形は、図3(D)に示す様に、整流回路30から出力された直流電流の波形と逆向きとなる。
この様に、出力同期部40からのパルス信号に対応する直流電流をコイル14に逆通電することによって、載置板20の作業面での吸着力を容易に調整できる。このことを図4に示す。図4は、コイル14に整流回路30から出力された直流電流を正通電して載置板20の作業面に最高吸着力を付与した後、極性切換回路32によって通電方向を逆通電に切り換え、載置板20の作業面での吸着力を調整する際に、出力同期部40からのパルス信号数と載置板20の作業面での吸着力との関係を示すグラフである。この際に、直流電流の電圧は一定とした。このパルス信号に対して、整流回路30から出力される直流電流の波形は、図3に示す様に、1:1で対応している。
かかる図5(a)から明らかな様に、吸着力調整領域での起磁力と吸着力との関係は直線関係にはなく、起磁力の変化に対する吸着力の変化割合が小さい領域と大きい領域とが併存する。このため、コイル14に逆通電する直流電流の電流値(又は電圧値)を変更して吸着力を調整することは困難である。
また、タイマーによって、整流回路30から平滑化することなく出力された直流電流の通電時間を調整して、載置板20の作業面での吸着力を調整する場合には、図5(b)に示す様に、タイマーがONされた時点及びUPされた時点の一方又は両方において、直流電流の一部(直流電流の山の一部)がカットされることがある。この様に、直流電流の山の一部がカットされると、図4に示す様に、パルス数の少ない領域でのパルス1個当たりの吸着力の変化割合(換言すれば、直流電流の1山当たりの変化割合)が大きい領域では、吸着量に対する影響が大きくなる。このため、図5(b)に示す如く、直流電流の波形の一部がカットされるタイマーによってコイル14への通電量を調整する場合には、調整した吸着力にバラツキが発生し易くなる。
この点、出力同期部40からのパルス信号に対して、整流回路30から平滑されることなく出力される直流電流は、図3に示す様に、1:1で対応している。このため、パルス信号数によってコイル14に逆通電する直流電流量を正確に制御でき、図5(b)に示す如く、直流電流の一部がカットされることを回避して、調整された吸着力のバラツキを可及的に少なくできる。
従って、図6に示す複数の減磁パターンから所定のパターンを選択し、磁力調整目盛を指定することによって、載置板20の作業面での吸着力を決定できる。この磁力調整目盛は、目盛と目盛との中間領域は指定できない。
かかるパターンの選択は図2に示す入力手段46から行うことができ、磁力調整目盛の指定は入力手段45から行うことができる。入力手段45では、着磁指令も制御部36に向けて発信できる。
更に、制御部36では、出力同期部40から、整流回路30に入力される交流電流の周期と同期して、整流回路駆動回路34にパルス信号を発信して整流回路30を駆動し、整流回路30から平滑化されることなく出力される直流電流を、極性切換回路32を経由してコイル14に正通電して、コイル14に正磁力を発生させる。かかる正磁力によって載置板20の作業面の吸着力を最高吸着力まで高める。
この様に、載置板20の作業面の吸着力を最大吸着力とすることによって、載置板20等に残留磁気が存在していても、得られる最大吸着力は一定しているからである。
更に、制御部36では、出力同期部40から極性切換回路32に切換信号としての逆信号を発信し、整流回路30に入力される交流電流の周期と同期して、整流回路30から平滑化することなく出力される直流電流の通電方向を逆通電に切り換え、載置板20の作業面に導かれている磁力を減磁する逆磁力がコイル14から出力されるようにする。
また、特定されたパルス信号数に対応して、出力同期部40からは、整流回路30に向けて、整流回路30に入力される交流電流の周期と同期して、整流回路30を駆動するパルス信号を発信し、整流回路30からは出力同期部40から発信されたパルス信号に対応する直流電流が出力される。この直流電流は、極性切換回路32を経由してコイル14に逆通電され、載置板20の作業面に導かれている磁力を減磁する逆磁力をコイル14から発生させる。
かかる出力同期部40からのパルス信号は、選択された減磁パターンによって特定されたパルス信号数に到達するまで発信される。このパルス信号数は、周期カウント部38によってカウントされており、所定数のパルス信号数が発信されたとき、周期カウント部38からの停止信号によって、出力同期部40からのパルス信号の発信は停止する。
この様にして、載置板20の作業面の吸着力を、選択した減磁パターンの磁力調整目盛に対応する吸着力とすることができる。
尚、図6には、三種類の減磁パターンを示したが、一種類の減磁パターンであっても、三種類以上の多数の減磁パターンであってもよい。
かかる消磁は、入力手段48から消磁開始の指令が入力された制御部36では、載置板20の作業面に導かれている磁力を、コイル14に減衰交番磁界を発生して消磁するように、極性切換回路32と整流回路駆動回路34とを制御する。この制御は、第2記憶部44に記憶されている消磁パターンに従って行われる。
この消磁パターンによる消磁の際に、図2に示すブロック図の(B)〜(E)の箇所での電流波形を図7に示す。図7においては、整流回路30に入力される交流電流の波形は、図3に示されており省略した。
消磁の際に、出力同期部40からは、整流回路駆動回路34に対しては、図7(C)に示す様に、交流電流の周期と同期してパルス信号が連続して発信され、整流回路30からは、図7(B)に示す様に、平滑化することなく直流電流が連続して出力される。
一方、極性切換回路32には、図7(E)に示す様に、アルニコ磁石12の磁力を増磁する方向に直流電流をコイル14に正通電する切換信号としての正信号と、アルニコ磁石12の磁力を減磁する方向に直流電流をコイル14に逆通電する切換信号としての逆信号とが、出力同期部40から交流電流の周期と同期して交互に発信される。この正信号と逆信号との発信時間は徐々に短くなる。
このため、コイル14に通電される直流電流は、図7(D)に示す様に、アルニコ磁石12の磁力を減磁する方向とアルニコ磁石12の磁力を増磁する方向とに、交互に切り換えられて、コイル14に減衰交番磁界が発生する。
その結果、載置板20の作業面の磁力を、図8に示す様に、(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(6)→(7)→(8)→(9)の順序で徐々に減少させて消磁できる。
また、図1及び図2に示す永電磁チャックでは、永久磁石として、アルニコ磁石12を採用しているが、フェライト系磁石であってもよい。
尚、永電磁チャックの形状も、図9に示す様に、長方形状であってもよいことは勿論のことである。
12 アルニコ磁石
14 コイル
16 本体部
18 スペーサ
20 載置板
22 セパレータ
24 仕切部
30 整流回路
32 極性切換回路
34 整流回路駆動回路
35 周期検出回路
36 制御部
38 周期カウント部
40 出力同期部
42 第1記憶部
44 第2記憶部
45,46,48 入力手段
Claims (4)
- コイルと永久磁石とを具備し、吸着物品が載置される作業面に前記永久磁石の磁力を導いて吸着力が発生するように、前記コイルに直流電流を通電する着磁手段と、前記作業面に導かれている磁力を消磁するように、前記コイルに減衰交番磁界を発生する消磁手段とが設けられている永電磁チャックであって、
交流電流を全波整流した直流電流を平滑化することなく出力する整流回路と、前記交流電流の周期と同期して、前記整流回路から出力された直流電流のコイルへの通電方向を切り換える極性切換回路と、前記交流電流の周期と同期したパルス信号を受信して、前記整流回路を駆動する整流回路駆動回路と、前記極性切換回路と整流回路駆動回路とを制御する制御部とが設けられ、
前記制御部では、前記コイルに整流回路から直流電流を通電して、最大吸着力が発生した前記作業面の磁力に対し、その磁力を減じる方向の逆磁力が前記コイルに発生するように、前記整流回路からの直流電流のコイルへの通電方向を、前記極性切換回路によって交流電流の周期に同期して切り換え、
且つ前記整流回路駆動回路に向けて交流電流の周期に同期した所定数のパルス信号を発信し、前記パルス信号に対応する直流電流を前記整流回路から極性切換回路を経由してコイルに通電して、前記作業面の磁力を減磁して所望の吸着力に調整するように、前記極性切換回路と整流回路駆動回路とを制御することを特徴とする永電磁チャック。 - 制御部には、交流電流の周期と同期して極性切換回路と整流回路駆動回路との各々に所定の信号を発信する出力同期部が設けられ、
前記出力同期部からは、前記極性切換回路に対して、整流回路から出力した直流電流のコイルへの通電方向を切り換える切換信号を発信し、前記整流回路駆動回路に対して、前記整流回路を駆動する所定数のパルス信号を発信する請求項1記載の永電磁チャック。 - 制御部には、吸着力と等間隔に目盛られた磁力調整目盛との関係を示す減磁パターンであって、前記磁力調整目盛に対応して、整流回路駆動回路に送信されるパルス信号数が定められた減磁パターンが記憶された記憶部と、前記磁力調整目盛の目盛を制御部に入力する入力手段とが設けられ、
最大吸着力から前記入力手段より入力された磁力調整目盛の目盛に対応する吸着力に調整されるように、前記減磁パターンに従って、前記制御部から整流回路駆動回路に交流電流の周期に同期して所定数のパルス信号が送信される請求項1又は請求項2記載の永電磁チャック。 - 記憶部には、複数の減磁パターンが記憶され、前記減磁パターンの一つを選択して制御部に入力する減磁パターンの選択手段が設けられている請求項3記載の永電磁チャック。
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