JP4084882B2 - 配管用自在継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス配管などに用いられる配管用自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配管用自在継手を図4及び図5を参照して説明する。この配管用自在継手は、軸方向スライド自在に相嵌合された外筒1と内筒5とを備えており、それらの外筒1及び内筒5のそれぞれの外側端部に、管接続口部21,61を備えたボールジョイント機構2,6が設けられている。これらのボールジョイント機構2,6のそれぞれは、球面状の滑り面22,62を持っており、これらの滑り面22,62の滑り作用によって上記管接続口部21,61が外筒1や内筒5の軸線に対し一定範囲内で角変位することができるようになっている。したがって、この配管用自在継手によれば、一方のボールジョイント機構2の管接続口部21に接続される管(不図示)と他方のボールジョイント機構6の管接続口部61に接続される管(不図示)とを、一定の曲り角度を持たせて接続することが可能である。
【0003】
また、この配管用自在継手の外筒1の内側端部に、筒状のスライドハウジング3が取り付けられている。このスライドハウジング3には、ダストシール31、スライドリング32、気密用シール材33、耐火性パッキン34、気密用シール材35及びスライドリング36が外側から内側に順に並んで保持されており、気密用シール材33,35が、上記内筒5の外周面によって形成されたシール面51に密着状態で摺動可能となっている。そして、上記気密用シール材33,35が内筒5の上記シール面51に密着したまま外筒1と内筒5とが軸方向でスライド自在になっている。したがって、地震時などでの一方のボールジョイント機構2の管接続口部21に接続された管と他方のボールジョイント機構6の管接続口部61に接続される管との遠近方向での変位が、外筒1と内筒5との軸方向摺動によって吸収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の配管用自在継手においては、管路からのガスの漏洩を防ぐための気密用シール材33,35が密着状態で摺動するシール面51が、外部に露出している内筒5の外周面によって形成されている。そのため、そのシール面51に塵芥などの異物が付着したり、また、特に屋外配管においてはそのシール面51に付着した雨水などが原因となってそのシール面51が腐食したりして、シール性に悪影響を及ぼすというおそれがあった。さらに、建物の引込み管などに用いられるガス配管のように自在継手の表面全体を塗装して建物の美観を保つような場合には、シール面51に施された塗膜がシール性に悪影響を及ぼすというおそれがあった。
【0005】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、外筒と内筒との隙間の気密性を保つためのシール部分を外部に露出しない部分に形成することによって、内筒の外周面に塵芥などの異物や雨水が付着したり塗膜が施されたりしたとしても、そのシール部分のシール性が悪影響を受けるおそれのない配管用自在継手を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、外筒とその外筒に挿入されている内筒との隙間に塵芥や雨水などが侵入することを防いで上記シール面を防護することのできる配管用自在継手を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、当該配管用自在継手の気密性を保つためのシール部分に耐火性パッキンを使って耐火性を持たせる場合に、その耐火性パッキンの削りかすなどが気密用シール材に付着してそのシール性能を低下させることのない配管用自在継手を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の配管用自在継手は、軸方向スライド自在に相嵌合された外筒と内筒のそれぞれの外側端部に、球面状の滑り面を持ちかつ管接続口部を備えたボールジョイント機構が設けられた自在継手において、上記外筒の内周面がシール面として形成されていると共に、上記内筒の内側端部に、上記シール面に対して密着状態で摺動可能な気密用シール材を保持したシール材保持部が設けられており、上記シール材保持部に、上記外筒の上記シール面と摺動可能なスライドリングと、上記シール面との間に隙間を形成して上記シール面に対して非接触になっている耐火性パッキンとが保持されている、というものである。
【0009】
この発明の配管用自在継手は、管路の気密性を保つためのシール面とそのシール面に密着状態で摺動する気密用シール材とが外筒の内周面とその外筒に挿入されている内筒のシール材保持部とに振り分けて設けられているので、シール面や気密用シール材が外部に露出しない。そのため、シール面や気密用シール材に塵芥や雨水が付着してシール性に悪影響を及ぼしたり、そのシール面に塗膜が施されてシール性に悪影響を及ぼしたりするおそれがなくなる。
【0010】
請求項2に係る発明の配管用自在継手は、請求項1に記載したものにおいて、上記外筒の内側端部に、上記内筒の外周面と摺動可能なスライドリングを保持した筒状のスライドハウジングが設けられ、このスライドハウジングの端部に、柔軟な合成樹脂で筒状に形成されてその内面が上記内筒の外周面に摺動自在に当接された防塵カバーが嵌合状に保持されている、というものである。
【0011】
この発明の配管用自在継手は、スライドリングの作用によって外筒と内筒との軸方向変位が円滑に行われるようになるだけでなく、防塵カバーによって外筒と内筒との隙間への塵芥の侵入が防止されるので、上記したシール面や気密用シール材が塵芥から防護されてそれらによるシール性が良好に保たれる。
【0012】
請求項3に係る発明の配管用自在継手は、請求項1又は請求項2に記載したものにおいて、上記スライドハウジングにおける上記スライドリング保持箇所の軸方向外側に、上記内筒の外周面に摺動自在に水密状態で密着する防水用シール材が保持されている、というものである。
【0013】
この発明の配管用自在継手は、スライドハウジングにおけるスライドリング保持箇所の軸方向外側に保持されている防水用シール材によって、スライドハウジング及び外筒と内筒との隙間に雨水などの水分の浸入が防止されるので、スライドリングやシール面などの発錆に伴う腐食などが防止される。
【0014】
【0015】
請求項1に係る発明の配管用自在継手は、スライドリングの作用によって外筒と内筒との軸方向変位が円滑に行われるようになるだけでなく、耐火性パッキンが外筒の内周面によって形成されているシール面に対して非接触になっているので、外筒や内筒の膨張収縮などに伴う平常時の外筒と内筒との軸方向変位(軸方向スライド)で耐火性パッキンがシール面と擦れて削れかすを発生することはない。そのため、耐火性パッキンの削れかすが、この耐火性パッキンと共にシール材保持部に保持されている上記気密用シール材に付着してシール性能を低下させるおそれがなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る配管用自在継手の側面図、図2は図1の要部を拡大して示した半裁断面図、図3は図2の要部をさらに拡大して示した部分断面図である。
【0017】
図1の配管用自在継手は、軸方向スライド自在に相嵌合された外筒1と内筒5とを備えている点、それらの外筒1及び内筒5のそれぞれの外側端部に、管接続口部21,61を備えたボールジョイント機構2,6が設けられている点、これらのボールジョイント機構2,6のそれぞれは、球面状の滑り面22,62を持っており、これらの滑り面22,62の滑り作用によって管接続口部21,61が外筒1や内筒5の軸線に対し一定範囲内で角変位することができるようになっている点、などは図4で説明したところと同様である。したがって、図1の配管用自在継手によれば、一方のボールジョイント機構2の管接続口部21に接続される管(不図示)と他方のボールジョイント機構6の管接続口部61に接続される管(不図示)とを、一定範囲内で任意の曲り角度を持たせて接続することが可能である。なお、上記ボールジョイント機構2,6の具体的構成については公知の種々の構成を採用することが可能である。
【0018】
図1にシール材保持部が符号7で示されている。このシール材保持部7は、外筒1に軸方向スライド自在に挿入されている内筒5の内側端部に設けられている。図2及び図3のように、シール材保持部7は、深さの浅い2つの凹入部71,72と深さの深い2つの凹入部73,74とを環状に備えており、深さの浅い2つの凹入部71,72のうち最内端側の凹入部71にスライドリング75が、もう1つの凹入部72に耐火性パッキン76が、それぞれ収容保持されていると共に、深さの深い2つの凹入部73,74のそれぞれにOリングなどのゴム輪でなる気密用シール材77,78が収容保持されている。そして、外筒1の内周面がシール面12として形成されており、このシール面12に、上記気密シール材77,78が密着状態で摺動可能に接触していると共に、上記スライドリング75が摺動自在に接触している。これに対し、上記耐火性パッキン76とシール面12との間には小さな隙間Sが確保されていて、この隙間Sによって耐火性パッキン76がシール面12に対して非接触になっている。耐火性パッキン76とシール面12との間に形成されている上記隙間Sの広さは、火災発生時に火炎が通過しないか、あるいはきわめて通過しにくくなる程度の広さである。したがって、平常時に外筒1と内筒5とが軸方向にスライドしても、耐火性パッキン76がシール面12と擦れて耐火性パッキン76の削れかすが発生してその削れかすが気密用シール材77,78に付着してシール性を低下させるといった事態は起こらない。また、火災発生時に火炎が外筒1と内筒5との隙間に進入してきたとしても、その火炎が耐火性パッキン76のところで阻止されてその内側に配備されている気密用シール材77が火炎にさらされるという事態も防止される。
【0019】
また、上記のように、シール面12が外筒1の内周面によって形成されていると、そのシール面12に塵芥や雨水が付着するという事態が起こりにくい。同様に、シール材保持部7が、外筒1に挿入された内筒5の内側端部に設けられていると、そのシール材保持部7に保持されている気密用シール材77,78や、スライドリング75、耐火性パッキン76に塵芥や雨水が付着するという事態が起こりにくい。したがって、シール面12と気密用シール材77,78とによって発揮されるシール性が長期に亘って良好に維持されることになる。配管用継手の表面全体に塗装が施された場合にも同様の作用が発揮される。
【0020】
図1及び図2のように、この配管用継手の外筒1の内側端部に、テーパねじ部13を介して筒状のスライドハウジング3が取り付けられている。このスライドハウジング3には、深さの深い凹入部37と深さの浅い凹入部38とが外側から内側に順に並んで環状に形成されており、それらの凹入部37,38のそれぞれに、防水用シール材39とスライドリング36とが収容保持されている。そして、スライドリング36が内筒5の外周面52に摺動自在に接触し、かつ防水用シール材39が内筒5の外周面52に密着状態で摺動自在に接触している。さらに、スライドハウジング3の端部に、エラストマのような柔軟な合成樹脂で筒状に形成された防塵カバー8が圧入されて装着されており、その防塵カバー8の内周面81が内筒5の外周面に摺動自在に当接している。したがって、スライドハウジング3や外筒1と内筒5との隙間に外部から塵芥が侵入するという事態が主に防塵カバー8によって防止され、雨水が浸入するという事態が防水用シール材39によって防止され、このことが、上記したシール面12と気密用シール材77,78とによるシール性を長期に亘って良好に維持することに役立つ。
【0021】
上記した配管用自在継手は、シール材保持部7とスライドハウジング3とに保持されている2つのスライドリング75,36の作用によって外筒1と内筒5との軸方向変位が円滑に行われる。したがって、地震時などでの一方のボールジョイント機構2の管接続口部21に接続された管と他方のボールジョイント機構6の管接続口部61に接続される管との遠近方向での変位が、外筒1と内筒5との軸方向摺動によって吸収される。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、外筒と内筒との隙間の気密性を保つためのシール部分を外部に露出しなくなるので、内筒の外周面に塵芥などの異物や雨水が付着したり塗膜が施されたりしたとしても、そのシール部分のシール性が悪影響を受けるおそれがなくなり、初期のシール性が長期に亘って良好に維持されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る配管用自在継手の側面図である。
【図2】 図1の要部を拡大して示した半裁断面図である。
【図3】 図2の要部をさらに拡大して示した部分断面図である。
【図4】 従来の配管用自在継手の側面図である。
【図5】 図4の要部を拡大して示した半裁断面図である。
【符号の説明】
1 外筒
2,6 ボールジョイント機構
3 スライドハウジング
5 内筒
7 シール材保持部
8 防塵カバー
12 シール面
21,61 管接続口部
22,62 滑り面
36 スライドリング
39 防水用シール材
77,78 気密用シール材
75 スライドリング
76 耐火性パッキン
81 防塵カバーの内周面
Claims (3)
- 軸方向スライド自在に相嵌合された外筒と内筒のそれぞれの外側端部に、球面状の滑り面を持ちかつ管接続口部を備えたボールジョイント機構が設けられた自在継手において、
上記外筒の内周面がシール面として形成されていると共に、上記内筒の内側端部に、上記シール面に対して密着状態で摺動可能な気密用シール材を保持したシール材保持部が設けられており、上記シール材保持部に、上記外筒の上記シール面と摺動可能なスライドリングと、上記シール面との間に隙間を形成して上記シール面に対して非接触になっている耐火性パッキンとが保持されていることを特徴とする配管用自在継手。 - 上記外筒の内側端部に、上記内筒の外周面と摺動可能なスライドリングを保持した筒状のスライドハウジングが設けられ、このスライドハウジングの端部に、柔軟な合成樹脂で筒状に形成されてその内面が上記内筒の外周面に摺動自在に当接された防塵カバーが嵌合状に保持されている請求項1に記載した配管用自在継手。
- 上記スライドハウジングにおける上記スライドリング保持箇所の軸方向外側に、上記内筒の外周面に摺動自在に水密状態で密着する防水用シール材が保持されている請求項2に記載した配管用自在継手。
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