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JP4085533B2 - 車両の衝撃緩和装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の衝撃緩和装置に関し、とりわけ、車両の衝突予測時に車外に向けてエアバッグを膨張展開し、車外の歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することのできる衝撃緩和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車等の車両の衝撃緩和構造としては、例えば図9(a),(b)に示すようなものが知られている(特開平06−144154号公報参照)。
【0003】
ここに示す従来例では、衝撃緩和部材としてのエアバッグ6が前部バンパー11に収納装着されている。
【0004】
そして、車両の衝突予測時にエアバッグカバー61が外れて、エアバッグ6がバンパー11の前面を覆うように車両進行方向の下方に向けて膨張展開して、その前方の歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の構造によれば、エアバッグ6がバンパー11の前方から車両進行方向の下方に向けて膨張展開するような構造となっているため、バンパー11の上面からボンネットフード前端部の範囲に車両の斜め上方からかかる衝撃に対して十分な緩衝作用を得ることができないという問題があった。
【0006】
また、前述のようなバンパー11の上面からボンネットフード前端部の範囲に車両の斜め上方からかかる衝撃に対して十分な緩衝作用を得ようと、上記範囲を十分に覆うためには、エアバッグ6及び該エアバッグ6を膨張展開するインフレータを大きくしなければならず、重量が増加してしまうという問題もある。
【0007】
また、エアバッグ6自体を大きくすると走行時の風の抵抗によりエアバッグ6が持ち上がってしまい、所望範囲に展開することが難しくなる等の問題があった。
【0008】
そこで、本発明は車両の衝突予測時にエアバッグを所望範囲に膨張展開して、確実に歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することのできる車両の衝撃緩和構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、車両の衝突予測時に前方に膨張展開するエアバッグを収容したエアバッグユニットを、車両の前端部の車体構成部材に備えた構造であって、前記エアバッグは、膨張展開時に前記車体構成部材の車幅方向両端部に支持点を有し、エアバッグユニットの作動時に前記車体構成部材の前方で略車幅方向全域の所望範囲に亘って膨張展開可能とされており、前記車体構成部材は、ラジエターコアサポートと、当該ラジエターコアサポートの車幅方向両端部にそれぞれ配置される一対のヘッドランプと、を備え、前記エアバッグを前記ラジエターコアサポート及びヘッドランプの上方に配設すると共に、該エアバッグの両端部を一対の前記ヘッドランプの上面にそれぞれ固定して、前記支持点を形成し、前記エアバッグを、前記ラジエターコアサポートおよびヘッドランプと、該ラジエターコアサポートおよびヘッドランプの上方に配置されるフードと、の間に配設すると共に、該エアバッグの膨張展開時に該フードをロックするフードロックを所要量解除する解除手段を設け、これらフードと、ラジエターコアサポートおよびヘッドランプと、の開口部からエアバッグを膨張展開可能としたことを特徴としている。
【0016】
請求項の発明にあっては、請求項1に記載のエアバッグを膨張展開するインフレータを車幅方向外側に向けて設けたことを特徴としている。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両の衝突予測時に前方に膨張展開するエアバッグを収容したエアバッグユニットを、車両の前端部の車体構成部材に備えた構造であって、前記エアバッグは、膨張展開時に前記車体構成部材の車幅方向両端部に支持点を有し、エアバッグユニットの作動時に前記車体構成部材の前方で略車幅方向全域の所望範囲に亘って膨張展開可能としてあるため、通常の大きさのエアバッグによって所望範囲をカバーすることができるのに加え、エアバッグが展開した時に走行時の風の抵抗によるエアバッグの持ち上がりを防止して、前記エアバッグを所望範囲に展開維持することができるので歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することができる。
【0022】
また、前記エアバッグをラジエターコアサポート及びヘッドランプの上方に配設すると共に、該エアバッグの両端部を一対の前記ヘッドランプの上面にそれぞれ固定して、前記支持点を形成してあるため、前記エアバッグの膨張展開時に走行時の風の抵抗によりエアバッグが浮き上がってしまうのを防止して、前記エアバッグを所望範囲に展開維持することができ、確実に歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することができる。
【0023】
さらに、前記エアバッグを、前記ラジエターコアサポート及びヘッドランプと、該ラジエターコアサポート及びヘッドランプの上方に配置されるフードとの間に配設すると共に、該エアバッグの膨張展開時に該フードをロックするフードロックを所要量解除する解除手段を設け、これらフードとラジエターコアサポート及びヘッドランプとの開口部からエアバッグを膨張展開可能としてあるため、前記エアバッグを、前記ラジエターコアサポート及びヘッドランプと該ラジエターコアサポート及びヘッドランプの上方に配置されるフードとの間に配設してあっても、該エアバッグの膨張展開を適正に行わせることができる。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記エアバッグを膨張展開するインフレータを車幅方向外側に向けて設けてあるため、膨張展開時に前記エアバッグの端部を確実に車幅方向に向けて展開させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面と共に詳述する。
【0026】
図1〜3は、本発明を適用した自動車の衝撃緩和構造の一実施形態を示しており、特にこの第1実施形態は車両の衝突予測時に前方に膨張展開し、その前方の歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和するエアバッグ1を収容したエアバッグユニットを、自動車の前端部の車体構成部材の一つであるフロントグリル16の略中央部分に搭載したものである。
【0027】
図1は、エアバッグ1の膨張展開時の作動状態を示す斜視図であり、(a)は前記エアバッグ1の膨張展開途中を、(b)はエアバッグ1の膨張展開完了時を示している。
【0028】
前記エアバッグ1は、その膨張展開時に前記フロントグリル16等、車体構成部材の車幅方向両端部に支持点を有しており、エアバッグユニットの作動時に前記フロントグリル16の前方で略車幅方向全域の所望範囲に亘って膨張展開するようにしてある。
【0029】
ここでいう所望範囲とは、車両が衝突した際に斜め上方から衝撃が入力するバンパ4上方及びフロントフード8の前端部近傍のことである。
【0030】
具体的には、車両の前端部に車幅方向に延びるガイド部2a,2bを設けると共に、該ガイド部2a,2bとスライド可能に係合する係合部3a,3bを前記エアバッグ1の車幅方向両端部に設けて、前記支持点をこれらガイド部2a,2bと係合部3a,3bとで構成してある。
【0031】
しかも、前記ガイド部2a,2bは、前記エアバッグユニットの取付位置から車体構成部材である前記フロントグリル16の前方に配置されるバンパ4の上面近傍に沿って設けてある。
【0032】
その上、前記ガイド部2a,2bは、車両に収容して設けられたレール部2で構成してあり、しかも、該レール部2は、車両の前端部に車幅方向に設けられるバンパ4の構成部材の一つであるバンパリテーナ10に形成してある。
【0033】
図2は、本実施形態の主要部を側面から見た説明図で、具体的には、レール部2は前記バンパリテーナ10の上部を延設して該バンパリテーナ10単体で形成しものや(図2(a))、前記バンパリテーナ10の上面とヘッドランプ7の周延部下面とで構成する(図2(b))ようにしても良い。
【0034】
また本実施形態では、図3に示すように、前記エアバッグ1を膨張展開するインフレータ5a,5bを車幅方向外側に向けて設けてある。
【0035】
以上の実施形態の構造によれば、車両の衝突予測時に前方あるいは後方に膨張展開するエアバッグ1を収容したエアバッグユニットを、車両の前端部の車体構成部材の一つであるフロントグリル16に備えた構造であって、前記エアバッグ1は、膨張展開時に前記車体構成部材の車幅方向両端部に支持点を有し、エアバッグユニットの作動時に前記車体構成部材の前方で略車幅方向全域の所望範囲に亘って膨張展開可能としてあるため、通常の大きさのエアバッグ1によって所望範囲をカバーすることができるのに加え、図1(b)に仮想線で示すように、エアバッグ1が展開した時に走行時の風の抵抗によるエアバッグ1の持ち上がってしまうのを防止して、前記エアバッグ1を所望範囲に展開維持することができるので、歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することができる。
【0036】
特に本実施形態の構造によれば、前記車両の前端部に車幅方向に延びるガイド部2a,2bを設けると共に、該ガイド部2a,2bとスライド可能に係合する係合部3a,3bを前記エアバッグ1の車幅方向両端部に設けて、前記支持点をこれらガイド部2a,2bと係合部3a,3bとで構成してあるため、エアバッグ1の膨張展開時には、前記ガイド2a,2bに沿って図中の矢印に示すように前記エアバッグ1を車幅方向に向けて確実に膨張展開すると共に、エアバッグ1が展開した時に走行時の風の抵抗によるエアバッグ1の持ち上がりを防止して、前記エアバッグ1を所望範囲に展開維持することができるので、確実に歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することができる。
【0037】
また、前記ガイド部2a,2bは、前記エアバッグユニットの取付位置から車体構成部材の前方あるいは後方に配置されるバンパ4の上面近傍に沿って設けてあるため、前記エアバッグの端部をエアバッグユニット取付位置から車幅方向両端部に向けて的確にガイドすることができる。
【0038】
しかも、前記ガイド部2a,2bは、車両に収容して設けられたレール部2で構成してあるため、簡単な構造でガイド部2a,2bを構成することができ、コスト的に有利に得ることができるのに加えて、該レール部2は、車両の前端部に車幅方向に設けられるバンパ4の構成部材であるバンパリテーナ10に形成してあるため、新たにガイドレールを設ける必要がないので、部品点数の増加や組み付け工数を増加させることがなく、部品点数を削減して、軽量化を図ることができる。
【0039】
また、前記エアバッグ1を膨張展開するインフレータ5a,5bを車幅方向外側に向けて設けてあるため、膨張展開時には図中矢印に示すように前記エアバッグの端部を確実に車幅方向に向けて展開させることができる。
【0040】
図4〜6は、本発明の第2実施形態を示しており、前記エアバッグ1を、車体構成部材と該車体構成部材上方に配置されるフード8との間に配設したものである。
【0041】
具体的には、図5に示すように、車体構成部材の一つであるラジエターコアサポート6及びヘッドランプ7a,7bの上方に前記エアバッグ1を配設すると共に、該エアバッグ1の両端部11a,11bを前記ヘッドランプ7a,7bの上面にそれぞれ固定して、前記支持点を形成してある。
【0042】
特にこの第2実施形態では、前記エアバッグ1の膨張展開時に前記フード8をロックする図外のフードロックを所要量解除する解除手段14を設け、これらフード8とラジエターコアサポート6やヘッドランプ7a,7bとの間に開口部9を設け、この開口部9からエアバッグを膨張展開可能としてある。
【0043】
この解除手段14としては、例えば、従来のワイヤーケーブル13を引くことによりロック解除となるフードロック構造を利用した場合、エアバッグ1の膨張展開時に該エアバッグ1の展開力を利用して前記ワイヤーケーブル13を引くようにする等が考えられる。
【0044】
具体的に本実施形態では、図6に示すように支点15を有するリンク機構14を設けて、エアバッグ1の膨張展開時に該エアバッグ1の展開力を利用して前記ワイヤーケーブル13を引くようにしている。
【0045】
すなわち、リンク機構14の一端にエアバッグ1の展開力を受ける受け部14aを設け、該受け部14aで受けたエアバッグ1膨張時の展開力を(矢印A)、支点15を介して回転力に変えて、リンク機構14の他端に設けたワイヤーケーブル13との接続部14bに伝え、ワイヤーケーブル13を引き(矢印B)、フードロックを解除するようにしている。
【0046】
なお、ここではリンク機構14によりエアバッグ1の膨張展開時の展開力を利用したが、別途アクチュエータ等を設けても良いことはもちろんである。
【0047】
また、図5に示したように、この第2実施形態においても、前記エアバッグ1を膨張展開するインフレータ5a,5bを車幅方向外側に向けて設けてある。
【0048】
以上の第2実施形態の構造によれば、前記エアバッグ1を車体構成部材であるラジエターコアサポート6及びヘッドランプ7a,7bの上部に配設すると共に、該エアバッグ1の両端部11a,11bを前記ヘッドランプ7a,7bの車幅方向両端部上面に固定して、支持点を形成してあるため、前記エアバッグ1の膨張展開時に走行時の風の抵抗によりエアバッグ1が浮き上がってしまうのを防止して、前記エアバッグを所望範囲に展開維持することができるので、確実に歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することができる。
【0049】
しかも、この実施形態によれば、前記エアバッグ1を、前記ラジエターコアサポート6やヘッドランプ7a,7b等の車体構成部材とこれら車体構成部材の上方に配置されるフード8との間に配設すると共に、該エアバッグ1の膨張展開時に該フード8をロックするフードロックを所要量解除する解除手段14を設け、これらフード8と車体構成部材との開口部9からエアバッグ1を膨張展開可能としてあるため、前記エアバッグ1を、前述のように車体構成部材と該車体構成部材上方に配置されるフード8との間に配設してあっても、該エアバッグ1の膨張展開を適正に行わせることができる。
【0050】
また、前記エアバッグ1を膨張展開するインフレータ5a,5bを車幅方向外側に向けて設けてあるため、膨張展開時に前記エアバッグの端部を確実に車幅方向に向けて展開させることができる。
【0051】
図7は、前記第2実施形態の変形例で、前記第2実施形態のエアバッグ1を車両の左右にそれぞれ分割したエアバッグ1a,1bとして設けたものを示しており、前記第2実施形態の構造と同等の実施効果を得ることができる。
【0052】
以上の第1,2実施形態は、車両の衝突予測時にエアバッグ1を所望範囲に膨張展開して、確実に歩行者や自転車等の障害物に対しての衝撃を緩和することのできる車両の衝撃緩和構造であり、いずれの場合も図7に示すように、車体20の前端部に配設され、歩行者等21との衝突を検出または予測する歩行者検知手段22を備え、該歩行者検知手段22からの信号によって、前記エアバッグ1を膨張展開させるようにしてある。
【0053】
また、上記第1,2実施形態では車両前端部の車体構成部材にエアバッグ1を収容したエアバッグユニットを搭載して、車両の前面衝突予測時に該エアバッグ1を膨張展開するようにした例を示したが、上記構成を車両後端部の車体構成部材に設けて車両の後面衝突時に対応するようにしても良い。
【0054】
またその場合は、歩行者等21との衝突を検出または予測する歩行者検知手段22を車体20の後端部に備え、該歩行者検知手段22からの信号によって、前記エアバッグ1を膨張展開させるようにすることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるエアバッグの膨張展開時の作動を示す説明図。
【図2】同実施形態におけるレール部の説明図。
【図3】同実施形態におけるインフレータの取付を示す上面説明図。
【図4】本発明の第2実施形態におけるエアバッグの膨張展開時の作動を示す説明図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるインフレータの取付を示す上面説明図。
【図6】本発明の第2実施形態におけるフードロックの解放の概念図。
【図7】本発明の第2実施形態の変形例を示す上面図。
【図8】本発明における周辺構造の説明図。
【図9】従来の構造における衝撃緩和構造を示す作動説明図。
【符号の説明】
1 エアバッグ
2 レール部
2a,2b ガイド部
3a,3b 係合部
5 インフレータ
6 ラジエターコアサポート(車体構成部材)
7a,7b ヘッドランプ(車体構成部材)
9 開口部
10 バンパリテーナ
14 解除手段
16 フロントグリル(車体構成部材)

Claims (2)

  1. 車両の衝突予測時に前方に膨張展開するエアバッグを収容したエアバッグユニットを、車両の前端部の車体構成部材に備えた構造であって、
    前記エアバッグは、膨張展開時に前記車体構成部材の車幅方向両端部に支持点を有し、エアバッグユニットの作動時に前記車体構成部材の前方で略車幅方向全域の所望範囲に亘って膨張展開可能とされており、
    前記車体構成部材は、ラジエターコアサポートと、当該ラジエターコアサポートの車幅方向両端部にそれぞれ配置される一対のヘッドランプと、を備え、
    前記エアバッグを前記ラジエターコアサポート及びヘッドランプの上方に配設すると共に、該エアバッグの両端部を一対の前記ヘッドランプの上面にそれぞれ固定して、前記支持点を形成し、
    前記エアバッグを、前記ラジエターコアサポートおよびヘッドランプと、該ラジエターコアサポートおよびヘッドランプの上方に配置されるフードと、の間に配設すると共に、該エアバッグの膨張展開時に該フードをロックするフードロックを所要量解除する解除手段を設け、これらフードと、ラジエターコアサポートおよびヘッドランプと、の開口部からエアバッグを膨張展開可能としたことを特徴とする車両の衝撃緩和装置。
  2. 前記エアバッグを膨張展開するインフレータを車幅方向外側に向けて設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の衝撃緩和装置。
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