JP4087264B2 - ドーム型屋根の架設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、とりわけ上水場及び農業用水のタンク屋根など、比較的小型のドーム型屋根に好適に用いることができるドーム型屋根の架設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タンクやスタジアム等の構造物にドーム型屋根を架設する方法としては、ドームの開口部に棟材や梁材等の骨組みを巡らし、その骨組みに面材を張設してゆくことでドーム型屋根を形成する方法や、ドーム型屋根を架設対象となる構造物とは別の箇所で予め組み立てておき、そのドーム型屋根を吊り上げる等で構造物上に運搬し、構造物の上縁付近とドーム型屋根の辺縁部を連結することで形成する方法などが用いられてきた。
【0003】
また、安全性や施工の容易性等を目的として、例えば、タンク底部中央位置に吊上げ支柱を樹立し、吊上げ支柱の周囲のタンク底部上において網目状ドーム架構を組立て構成し、この網目状ドーム架構を吊上げ支柱により所定高さに吊上げたのち、円筒状タンク側壁体の頂部周辺と網目状ドーム架構を連結材で連結し、網目状ドーム架構を円筒状タンク側壁体により支承させ、吊上げ支柱を解体除去したのち中心部の連結材を組付ける方法が開示されている。(例えば、特公昭45−1779号公報)
【0004】
【特許文献1】
特公昭45−1779号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、骨組みに面材を張設してゆく方法では、適宜必要箇所に支保工を組み上げて骨組みを架設し、面材を張設後に解体した支保工を小さい通気口や点検口等から撤去してしており、架設における支保工に係わる手間が煩雑なものとなる。また構造物上における架設に要する時間が長くなり、その間は構造物が使用できなくなり、また高所作業が必要であり安全性にも難点があった。
【0006】
また予めドーム型屋根全体を組み立てておく方法では、ドーム型屋根を吊り上げるのに非常に大掛かりな機器が必要となり、更にドーム型屋根自体も吊り上げに耐えうる強度を持たせる必要があった。また、ドーム型屋根を組み立てるのに周囲に別途ドーム型屋根と同程度以上の面積の敷地が必要となり、敷地が得られない箇所にはかかる方法は適用できないものであった。
【0007】
また特許文献1に記載の如き方法では、別途敷地は必要ではないものの円筒状タンクの底面において網目状ドーム架構を組み立てる必要があり、網目状ドーム架構が出来上がるまでの期間建造物は使用できず、また吊上げ支柱を解体撤去するのに狭い出入り口から行う必要があった。
【0008】
本発明は、上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、架設における支保工に係わる手間が簡便で、構造物上において、安全で、容易且つ迅速に形成が可能となり得るドーム型屋根の架設方法を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成としている。
すなわち、本発明に係わるドーム型屋根の架設方法は、予め構築された円筒形の構造物上部の開口部を覆うドーム型屋根の施工方法であって、予め構築された円筒形の構造物上部の開口部を覆うドーム型屋根の施工方法であって、ドーム型屋根の中央から放射状に5〜8体に分割した分体を予めそれぞれ形成し、ドーム型屋根の中央直下に設けた支保工により支持しつつ順次前記分体をドーム状に架設し、1〜2体の分体分の空間を残した状態で支保工を解体し、解体した支保工を前記1〜2体の分体分の空間から外部に撤去し、その後前記空間に1〜2体の分体を架設するドーム型屋根の架設方法であって、各分体は、上下互い違いに配置して集結された複数の三角形のブロック体からなり、前記三角形の各ブロック体は、アングル材により骨組され、周囲を形成する三角形の三辺のそれぞれの辺に頂点を接続した三角形が前記三角形の内部に形成されたものであり、そしてそれぞれの三角形のブロック体の頂点部へ接続プレートを締結して、ブロック体を順次組み立てて行き、且つ前記アングル材の外側に予め面材が張設されて形成されるものであり、そして、解体した支保工を外部に撤去するための1〜2体の分体分の空間を残して、ドーム状に架設した各分体同士を、前記接続プレートにより固定するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
予めドーム型屋根を5〜8体の分体にしておき、これらの分体を順次ドーム状に架設するのみでドーム型屋根が形成できるから、構造物上において安全で迅速且つ容易に形成が可能である。また、解体した支保工を通気口や点検口等よりはるかに大きい分体の1〜2体分の空間から外部に撤去でき、支保工の解体作業を効率的に行うことができる。
【0011】
分体は、1〜2体分の空間を残して支保工を撤去した場合に、既に架設済みの分体同士が固定され、応力が中央部に集中して形状が保持されるものであり、5体より少ないと1〜2体分の空間を残した場合に架設済みの箇所が変形し易くなり、8体より多いと架設は却って煩雑なものとなり、また1〜2体分の空間が狭くなって本発明に係わる方法を用いた場合の利点が小さくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は本発明が適用されるドーム型屋根を有する上水場や農業用水のタンクの一例を示すもので、イ)は斜視図、ロ)はそのA−A断面図である。イ)において、上水場のタンクは円筒状の構造物20上部の開口部に、ドーム型屋根10が設けられることで形成されており、側部にはドーム型屋根10上に昇るための階段30が設置されている。
【0013】
イ)のA−A断面図をロ)に示すが、円筒状の構造物20の内部には上水Wが貯蔵され、上部の開口部にはドーム型屋根10が設けられて塵埃や動物の進入を防止している。上水Wは一般に塩素による殺菌が施されており、その塩素がタンク内に充満することで、ドーム型屋根10や円筒状の構造物20に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0014】
円筒状の構造物20は、コンクリート等腐食の恐れのない材料を用いて形成することで長期間に亘り塩素により腐食される恐れは小さいが、ドーム型屋根10は屋根それ自体の重量や、積雪等による荷重に耐えうる構造とする必要があり、シェル構造となされることで強度は高められているが、更に高い強度を確保するために骨組みに鉄骨を用いたり、鉄筋コンクリートを用いて形成する必要が出てくる。かかる骨組みや、鉄筋が塩素により比較的短時間に腐食されることで、崩落の危険すら生じることから、腐食の度合いに応じてドーム型屋根10は更新する必要があり、その簡易且つ迅速な架設方法が求められてきていた。
【0015】
更に従来の方法では、ドーム屋根の架設完了後、防水のためコーキング処理を全ての隙間に亘って行う必要があり、かかるコーキングは一般に劣化しやすいものであり、前記の如きドーム屋根の更新より早く補修の必要が生じる場合があり、外部からの異物や雨水を遮へいする方法としては不十分なものであった。
【0016】
図2〜図5は、本発明に係わる実施の一形態を示すもので、図2は分割された分体を示す上面図である。正二十面体を基本形状として、正二十面体の一方の頂点をドーム型屋根と見立てると、上面から見たときに5つの正三角形が頂点を接して配置されている。それぞれの正三角形を、本図に示す如く5つの分体1として分割し、分体1を更に頂点から奇数個ずつの列をなすように細分化してブロック体11とすることで、ドーム状の曲面に近似したものとすることができる。正二十面体を基本形状とすることで、5つの分体は全く同一の形状となり、各々の分体1ごとに部材の設計や製作を行う必要がなく、部材が共通化できることで製作に係わる手間や時間を低減することができる。
【0017】
図3は、分体1の形成を示す概略図で、まずイ)に示す如く、アングル材12によりブロック体11の骨組みを作成する。この骨組みをロ)に示す如く、上下互い違いに配置して集結するそれぞれの三角形のブロック体11の頂点部へ接続プレート14をボルト、ビス、リベット等により締結し、アングル材12の外側に面材13を張設することでブロック体11が形成される。ブロック体11を順次組み立てて行き、図2に示す如く形状とすることで分体1が形成される。
【0018】
アングル材12は、形成するのに用いる材質を特に限定するものではないが、比較的軽量で高い強度が得られる金属を用いて形成するのが好ましく、鉄鋼、ステンレス、アルミニウム等の押出型材、H型材、管状体等を用いてよいが、前述の如く塩素により腐食する恐れが高い箇所において用いられるものであり、腐食に強く、また屋根自体を軽量とできるアルミニウムを用いて形成するのが好ましい。
【0019】
また面材13も、形成するのに用いる材質を特に限定するものではなく、樹脂板、金属板等を用いてよいが、腐食に強いアルミニウムを用いて形成するのが好ましく、とりわけアルミニウム箔を貼着した金属樹脂積層複合板が好適に用いることができる。金属樹脂積層複合板は、金属に近い曲げ強度や曲げ弾性率を有しながら軽量であり、面材の強度をそれ程低下させることなくドーム型屋根10を軽量のものとでき、アングル材12や円筒状の構造物20との接続部にかかる負荷を軽減できる。
【0020】
かかる構造により、上述の効果に加え、面材13を隙間なく張設できることでドーム内への異物や雨水の侵入を防止でき、コーキングを行う手間やその劣化による補修を行う必要がなくなり、維持に係わる手間や費用を大幅に節減できる。
【0021】
図2及び図3において形成された分体1は、図4に示す如く架設される。円筒状の構造体20の内部には支保工2が設けられ、分体1は支保工2に支持されながら架設される。まず最初の分体1aは、クレーンK等により吊り上げられて円筒状の構造物20の上方に運搬され、支保工2により支持されつつ接続部3において円筒状の構造体20の上縁付近にボルト・ナット、接続部材等により強固に固定される。次に隣接する分体1bが同様に接続部3に固定され、続いて分体1a及び1bが、隣接する分体1a又は1bの接続プレート14にボルト・ナット等により締結されることで分体同士が強固に固定される。
【0022】
更に、分体1c、分体1dが順次同様の方法で接続部3及び隣接する分体1に固定されて図5の斜視図イ)に示す如く、5体の分体の内、1体を残して架設されることとなる。その状態で支保工2を解体し、残った1体分の空間Sから外部に撤去する。上面図ロ)に示す如く分体1a〜1dはそれぞれが固定され、また分体1a〜1dは空間Sを残し、支保工2による支持が失われても自立保持され、最後に空間Sに分体1eが、分体1a〜1dの落下や変形が起こることなく支保工2の頂部21と接続部3に固定されることにより架設され、ドーム型屋根10の架設が完了する。
【0023】
かかる方法によりドーム型屋根10を架設することで、分体1は、中央から放射状に分割されているから、支保工2は中央付近に1体設ければ架設は可能である。また、ドーム型屋根10が分体1に分割されていることで、予め組み立てるのに必要なスペースはドーム型屋根10全体を予め組み立てるよりはるかに小さいものとなり、スペース的な制約を受けることが小さくなる。更に、予め分体1を組み立てておくことで、円筒状の構造物20上で行う作業を少なくでき、安全面に優れると共に、迅速且つ簡便にドーム型屋根10の形成が可能となり得る。
【0024】
【発明の効果】
予めドーム型屋根を5〜8体の分体にしておき、これらの分体を順次ドーム状に架設するのみでドーム型屋根が形成できるから、構造物上において安全で迅速且つ容易に形成が可能である。また、解体した支保工を通気口や点検口等よりはるかに大きい分体の1〜2体分の空間から外部に撤去でき、支保工の解体作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される、ドーム型屋根を有する上水場や農業用水のタンクの一例を示す説明図である。
【図2】 本発明に係わる実施の一形態の、分体の分割された状態を示す上面図である。
【図3】 本発明に係わる実施の一形態の、分体の形成を示す説明図である。
【図4】 本発明に係わる実施の一形態を示す説明図である。
【図5】 本発明に係わる実施の一形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 分体
11 ブロック体
12 アングル材
13 面材
14 接続プレート
2 支保工
3 接続部
10 ドーム型屋根
20 円筒状の構造物
Claims (1)
- 予め構築された円筒形の構造物上部の開口部を覆うドーム型屋根の施工方法であって、ドーム型屋根の中央から放射状に5〜8体に分割した分体を予めそれぞれ形成し、ドーム型屋根の中央直下に設けた支保工により支持しつつ順次前記分体をドーム状に架設し、1〜2体の分体分の空間を残した状態で支保工を解体し、解体した支保工を前記1〜2体の分体分の空間から外部に撤去し、その後前記空間に1〜2体の分体を架設するドーム型屋根の架設方法であって、各分体は、上下互い違いに配置して集結された複数の三角形のブロック体からなり、前記三角形の各ブロック体は、アングル材により骨組され、周囲を形成する三角形の三辺のそれぞれの辺に頂点を接続した三角形が前記三角形の内部に形成されたものであり、そしてそれぞれの三角形のブロック体の頂点部へ接続プレートを締結して、ブロック体を順次組み立てて行き、且つ前記アングル材の外側に予め面材が張設されて形成されるものであり、そして、解体した支保工を外部に撤去するための1〜2体の分体分の空間を残して、ドーム状に架設した各分体同士を、前記接続プレートにより固定するようにしたことを特徴とするドーム型屋根の架設方法。
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