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JP4149389B2 - ドーム型屋根の架設方法 - Google Patents
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Description

本発明は、とりわけ上水場及び農業用水のタンク屋根など、比較的小型のドーム型屋根に好適に用いることができるドーム型屋根の架設方法に関するものである。
従来、タンクやスタジアム等の構造物にドーム型屋根を架設する方法としては、ドームの開口部に棟材や梁材等の骨組みを巡らし、その骨組みに面材を張設してゆくことでドーム型屋根を形成する方法や、ドーム型屋根を架設対象となる構造物とは別の箇所で予め組み立てておき、そのドーム型屋根を吊り上げる等で構造物上に運搬し、構造物の上縁付近とドーム型屋根の辺縁部を連結することで形成する方法などが用いられてきた。
また、安全性や施工の容易性等を目的として、例えば、タンク底部中央位置に吊上げ支柱を樹立し、吊上げ支柱の周囲のタンク底部上において網目状ドーム架構を組立て構成し、この網目状ドーム架構を吊上げ支柱により所定高さに吊上げたのち、円筒状タンク側壁体の頂部周辺と網目状ドーム架構を連結材で連結し、網目状ドーム架構を円筒状タンク側壁体により支承させ、吊上げ支柱を解体除去したのち中心部の連結材を組付ける方法が開示されている。
特公昭45−1779号公報
しかしながら、骨組みに面材を張設してゆく方法では、適宜必要箇所に支保工を組み上げて骨組みを架設し、面材を張設後に解体した支保工を小さい通気口や点検口等から撤去してしており、架設における支保工に係わる手間が煩雑なものとなる。また構造物上における架設に要する時間が長くなり、その間は構造物が使用できなくなり、また高所作業が必要であり安全性にも難点があった。
また予めドーム型屋根全体を組み立てておく方法では、ドーム型屋根を吊り上げるのに非常に大掛かりな機器が必要となり、更にドーム型屋根自体も吊り上げに耐えうる強度を持たせる必要があった。また、ドーム型屋根を組み立てるのに周囲に別途ドーム型屋根と同程度以上の面積の敷地が必要となり、敷地が得られない箇所にはかかる方法は適用できないものであった。
また特許文献1に記載の如き方法では、別途敷地は必要ではないものの円筒状タンクの底面において網目状ドーム架構を組み立てる必要があり、網目状ドーム架構が出来上がるまでの期間建造物は使用できず、また吊上げ支柱を解体撤去するのに狭い出入り口から行う必要があった。
本発明は、上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、別途必要とされる敷地がドーム型屋根より小さい面積で済み、また安全で、容易且つ迅速に形成が可能となり得るドーム型屋根の架設方法を提供せんとするものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、予め構築された円筒形の構造物上部の開口部を覆うドーム型屋根の架設方法であって、ドーム型屋根の中央から放射状に5〜8体に等分に分割した扇形の分体を下方から組立治具により支持しながら予め形成し、ドーム型屋根の中央直下に設けた支保工により支持しつつ順次前記分体を前記構造物上部の開口部に架設してドームを形成すると共に、前記組立治具は、前記分体の骨組みを扇形の先端部及び周縁部で保持する両端保持部と、接続プレートをそれぞれ分体内面の曲率に沿う所定の高さに保持するプレート保持部とを備えたものであって、前記骨組みは前記接続プレートを保持した状態で前記接続プレート間にアングル材が取り付けられて形成され、骨組みが前記プレート保持部及び前記両端保持部により保持された状態で面板を張設して前記分体が形成されるようになされたことを特徴とするものである。
また前記プレート保持部は、上端から固定ピンが突設されたものであって、該固定ピンが前記接続プレートに穿設されたピン孔に着脱自在に挿通されて、接続プレートが保持されることを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明に係わるドーム型屋根の架設方法によれば、組立治具を用いて下方から支持しながらドーム型屋根を形成する分体を予め形成し、形成した分体を順次架設してゆくことで、構造物上部などで形成するより安全で、容易且つ迅速にドーム型屋根を形成することができる。また分体はドーム型屋根の1/5〜1/8の面積であり、別途必要とされる面積はドーム型屋根全体の場合よりはるかに小さいものとなる。更に分体はドーム型屋根を等分に分割していることで、一体の組立治具により全ての分体を組み立てることが可能である。
前記効果に加え、プレート保持部により接続プレートを、両端保持部で扇形となる骨組みの先端部及び周縁部を分体の内面に沿うような位置に保持した状態で接続プレート及びアングル材により骨組みを形成することで、接続プレート及びアングル材の位置合わせが極めて容易なものとなり、通常は極めて困難である三次元曲面の構造物の組み立てを容易に行うことができ、また安定した状態で接続プレート、アングル材及び面板の取り付けを行うことができ
また請求項の発明によれば、簡便な構造により接続プレートが所定の位置からずれるのを防止でき、また分体の組み立てが完了すれば、ピンが着脱自在に嵌挿されていることで分体を上方に移動させることで簡単にピン孔からピンを外すことができるものとなり好ましい。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は、本発明に係わるドーム型屋根の架設方法に用いられる組立治具の一例を示す説明図である。組立治具Jは、H型鋼からなる外枠J1が扇形に組み立てられ、両側縁の外枠J1間に、H型鋼からなる「く」字型の三本の中横枠J2が差し渡されて取り付けられている。扇形の外枠J1の先端部と周縁部には、それぞれ両端保持部J3及びJ4が設けられ、外枠J1及び中横枠J2の上面には、ドーム型屋根を形成する分体における接続プレートが位置する箇所にそれぞれプレート保持部J5が突設されている。
図2〜図4は、組立治具Jを用いたドーム型屋根を構成する分体の形成の一例を示すもので、まず突設されたプレート保持部J5のそれぞれの上端に下側接続プレート14Aが保持される。下側接続プレート14A間に、予め必要寸法となされたアングル材12が差し渡されると共に、下側接続プレート14Aにボルト止め等により固定される。
ここで、プレート保持部J5の先端は、図3に示す如く上端に天端プレートJ51が取り付けられ、天端プレートJ51から上方に、下側接続プレート14Aを保持するピンJ6が突設されている。下側接続プレート14Aに穿設されたピン孔14A1が、ピンJ6に上方から挿通されることで、下側接続プレート14AはピンJ6により上方向に着脱自在に保持される。天端プレートJ51はピンJ6の取り付けに便宜を図るのみではなく、下側接続プレート14Aの動揺を低減することにも働き、プレート保持部J5先端への取り付けは分体の曲率に合わせた角度で取り付けておくのが好ましい。尚、下側接続プレート14Aの周縁部付近には、アングル材12をボルト止めするボルト孔14A2が、アングル材の取付方向の各々に対して穿設されている。
またプレート保持部J5の先端部は、図4に示す如き形状としてもよい。プレート保持部J5は丸パイプを用いて形成されたもので、その上端は閉塞されて半球状の上面J52が形成されている。半球状の上面J52の頂部に一体のピンJ6が取り付けられ、そのピンJ6が下側接続プレート14Aに穿設されたピン孔14A1に挿通されて、下側接続プレート14Aの位置が仮固定される。下側接続プレート14Aは、半球状の上面J52上に仮固定されることで、本固定がなされるまではピンJ6を中心に角度が変更可能となされ、プレート位置を調節して本固定時における便宜を図ることができる。
かかる方法にて順次下側接続プレート14A間にアングル材12を取り付けてゆき、取り付けるべきアングル材12を全て取り付けた段階で、図5に示す如く、更に上側接続プレート14Bを下側接続プレート14A各々の上方においてアングル材12に取り付け、骨組み15が形成される。尚上側接続プレート14Bについても、下側接続プレート14Aと同様にピン孔を穿設し、ピンJ6に着脱自在に挿通させて保持するようにしてもよい。骨組み15は、扇形の先端部と周縁部がそれぞれプレート状の両端保持部J3及びJ4により、骨組み15を垂直に受けるようになされており、安定して骨組み15は支持され、併せて中間部分がプレート保持部J5により下方から支持されていることで、組立治具J上において極めて安定した状態が保たれている。最後に形成された骨組み15に対し、面板13を上側接続プレート14Bやアングル材12にボルト止め等により取り付けて順次張設してゆき、面板13間の隙間をコーキング材等により塞いで分体の形成は完了する。
かかる方法によりドーム型屋根を構成する分体を形成することで、地上等の安定した場所で分体を形成でき、その分体を順次架設することができることでドーム型屋根の架設は安全で、容易且つ迅速なものとなるが、更に球形の一部分を構成するドーム型屋根は三次元曲線より構成されるものであり、それを分割して分体を形成するのは各々の部材について位置合わせを行うのが極めて困難であるが、両端保持部J3、J4及びプレート保持部J5によりその位置合わせを容易に行うことができ、とりわけ分体を架設するにおいて重要となる扇形の両側縁の直線部を確実に形成することが可能となり得る。
アングル材12及び接続プレート14A、14Bは、形成するのに用いる材質を特に限定するものではないが、比較的軽量で高い強度が得られる金属を用いて形成するのが好ましく、鉄鋼、ステンレス、アルミニウム等の押出型材、H型材、管状体等を用いてよいが、前述の如く塩素により腐食する恐れが高い箇所において用いられるものであり、腐食に強く、また屋根自体を軽量とできるアルミニウムを用いて形成するのが好ましい。
また面材13も、形成するのに用いる材質を特に限定するものではなく、樹脂板、金属板等を用いてよいが、腐食に強いアルミニウムを用いて形成するのが好ましく、とりわけアルミニウム箔を貼着した金属樹脂積層複合板が、高強度及び軽量な特性から好適に用いることができる。金属樹脂積層複合板は、金属に近い曲げ強度や曲げ弾性率を有しながら軽量であり、面材の強度をそれ程低下させることなくドーム型屋根を軽量のものとでき、アングル材や円筒状の構造物との接続部への負荷を軽減できる。
上述の方法で形成された分体は、図6に示す如くドーム型屋根として架設される。円筒状の構造体20の内部には支保工2が設けられ、分体1は支保工2に支持されながら架設される。分体1はドーム型屋根のそれぞれ1/6を構成するものであり、分体1aから1fまでが架設されてドーム型屋根が形成されるものである。本図は分体1aから1cまでが、地上に設けられた組立治具Jを用いて組み立てられて架設され、次に分体1dが架設される状態を示す説明図である。イ)において、組立治具Jを用いて形成された四体目の分体1dは、クレーンKにより吊り上げられるが、接続プレート14がプレート保持部J5に着脱自在となされていることで、上方に移動させるのみで分体1dはクレーンKにより吊り上げられる。吊り上げられた分体1dはロ)に示す如く構造体20の上方に運搬され、支保工2により支持されつつ接続部3及び隣接する分体1cとボルト・ナット、接続部材等を用いて円筒状の構造体20の上縁付近に強固に固定される。
更に、組立治具Jを用いて分体1eを形成し、クレーンKにより吊り上げ、円筒状の構造体20の上縁付近に固定することを分体1fまで繰り返し行うことでドーム型屋根が架設される。分体1を形成するのに必要とされる面積は、ドーム型屋根の1/6程度となり周囲に広い組立用地がない場合でも架設するのが可能となり、更に構造体20内での分体の形成も可能で、かかる場合には組立用地を必要とすることなくドーム型屋根の架設を行うことができる。
本発明に係わるドーム型屋根の架設方法に用いられる組立治具の一例を示す説明図である。 本発明に係わるドーム型屋根の架設方法における分体の形成の一例を示す説明図である。 プレート保持部の先端部の一例を示す説明図である。 プレート保持部の先端部の、他の例を示す説明図である。 本発明に係わるドーム型屋根の架設方法における分体の形成の一例を示す説明図である。 本発明に係わるドーム型屋根の架設方法の、実施の一形態を示す説明図である。
符号の説明
1 分体
12 アングル材
13 面板
14A、14B 接続プレート
14A1 ピン孔
15 骨組み
2 支保工
3 接続部
10 ドーム型屋根
20 円筒状の構造物
J 組立治具
J3、J4 両端保持部
J5 プレート保持部
J6 ピン

Claims (2)

  1. 予め構築された円筒形の構造物上部の開口部を覆うドーム型屋根の架設方法であって、ドーム型屋根の中央から放射状に5〜8体に等分に分割した扇形の分体を下方から組立治具により支持しながら予め形成し、ドーム型屋根の中央直下に設けた支保工により支持しつつ順次前記分体を前記構造物上部の開口部に架設してドームを形成すると共に、前記組立治具は、前記分体の骨組みを扇形の先端部及び周縁部で保持する両端保持部と、接続プレートをそれぞれ分体内面の曲率に沿う所定の高さに保持するプレート保持部とを備えたものであって、前記骨組みは前記接続プレートを保持した状態で前記接続プレート間にアングル材が取り付けられて形成され、骨組みが前記プレート保持部及び前記両端保持部により保持された状態で面板を張設して前記分体が形成されるようになされたことを特徴とするドーム型屋根の架設方法。
  2. 前記プレート保持部は、上端から固定ピンが突設されたものであって、該固定ピンが前記接続プレートに穿設されたピン孔に着脱自在に挿通されて、接続プレートが保持されることを特徴とする請求項に記載のドーム型屋根の架設方法。
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