JP4088664B2 - 工業用殺菌剤及び工業的殺菌方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業用殺菌剤及び工業的殺菌方法に関する。更に詳しくは、この発明は、金属加工油剤(切削油剤)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、ペイント、ラテックス、糊剤等の工業製品が細菌、真菌等の微生物によって腐敗したり、劣化したりすることを防止するための工業用殺菌剤及び工業的殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属加工油剤(切削油剤)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、ペイント、ラテックス、糊剤等の工業製品は、細菌や真菌(かび、酵母など)による腐敗やかびが生じやすく、従来から種々の工業用殺菌剤が用いられてきた。しかし、微生物のすべてに有効な殺菌剤は少なく、しかも、それらの効果を得るためには多量の殺菌剤の添加が必要であった。
【0003】
上記工業製品のうち、特に殺菌対象系が水を含有し、かつそのpHがアルカリ性である殺菌対象系、例えば金属加工油剤(切削油剤)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー等においては、公知の工業用防腐防かび剤である5−クロロ−2−メチル−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに代表されるイソチアゾロン類や2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−1−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドに代表される臭素含有有機化合物を用いても、その殺菌効果が経時的に低下し、長期間にわたり有効な殺菌効果が期待できないという問題があった(これらの殺菌対象系においては、通常1カ月以上の殺菌効果が要求される)。
【0004】
この発明の有効成分である1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンは、非金属系の低毒性工業用殺菌剤の活性成分として広く知られている。しかしながら、静菌力は強くても殺菌力は弱く、上記のような水性工業製品の微生物汚染の主要な原因菌の1つであるPseudomonas sp. に対しては効果が弱いという欠点があ り、連続使用により発生する耐性菌の問題もあった。
【0005】
また、この発明の有効成分である2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムも、工業用殺菌剤として知られている(昭和61年日本防菌防黴学会発行の 「防菌防黴剤事典」参照)。しかしながら、Pseudomanas sp. に代表されるグラム陰性菌に対する効力が弱く、かつ比較的短期間で効果が低下するため、多量に使用しても単独では必ずしも充分な殺菌効果が発揮されないという問題があっ た。
【0006】
更に、この発明の有効成分であるN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物や置換フェノール化合物は、アルカリ性のpH域で安定な工業用防腐防かび剤として知られている(上記の「防菌防黴剤事典」参照)。しかしながら、N−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物は、かびに対してはその効果が弱いという問題があった。また、菌の発育阻止濃度以下の濃度で使用した場合、その殺菌効果が顕著に低下するため、常時、菌数を測定し、その添加量を管理する必要があった。
【0007】
一方、この発明の有効成分である上記の化合物群の2種を併用する工業用殺菌剤が知られている。例えば、特公昭62−43966号公報には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとを併用する工業用殺菌剤が記載されている。また、Lubr.Eng.,35(10),559-63 には、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとN−置換−N−ヒドロキシメチルアミンの重縮合物とを併用する殺菌剤が記載されている。更に、特開平8−165204号公報には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンとN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物とを併用する藻類防除剤が記載されている。
【0008】
これらの殺菌剤は2成分の相乗効果により、1成分の殺菌剤よりも優れた殺菌効果を発揮する。しかしながら、種々の細菌に対する殺菌効力は充分ではなく、長期間の使用において起こる有効成分の分解や耐性菌の出現によって、持続的な殺菌効果は得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、低添加量で種々の細菌に対する殺菌効果が得られ、かつその効果が長期間にわたって持続し、またpHがアルカリ性の殺菌対象系においてもその効果が顕著に発揮される工業用殺菌剤を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者は、このような観点より、種々の工業用殺菌剤の組み合わせについて研究した結果、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム及び特定のN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物を特定の割合で組み合わせることにより、殺菌対象系中での1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの分解が抑制され、従来知られていた2成分の組み合わせからは予測できない、種々の細菌に対する顕著な殺菌効果とその殺菌効果の持続性が発揮される意外な事実を見出し、この発明を完成するに至った。
【0011】
かくして、この発明によれば、有効成分として、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、及び2−ヒドロキシメチルアミノエタノール、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン及びヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジンから選択されるN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン又はその重縮合物を、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとが重量比で1:0.1〜10であり、かつ1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとの合計量とN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン又はその重縮合物とが重量比で1:1〜100である割合で含有することを特徴とする工業用殺菌剤が提供される。
N−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物は、一般式(I):
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基、nは1〜3の整数、n=3のとき、
【0014】
【化4】
【0015】
の環状構造になる場合を含む)で表される。
【0016】
また、この発明によれば、殺菌対象系に、上記の工業用殺菌剤を、有効成分の合計濃度として10〜1000mg/リットルとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業的殺菌方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の有効成分であるBITとNAPTは、いずれも公知の殺菌剤であ り、市販のものを使用することができる。
また、この発明の有効成分であるN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物(n=3のとき環状構造になる場合も含む)は、一般式(I)で表される。式中、置換基Rのヒドロキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基の「低級アルキル基」としては、炭素数1〜3のアルキル基、例えば、メチル 基、エチル基、n-プロピル基及びiso-プロピル基が挙げられ、特にエチル基が好ましい。
【0018】
一般式(I)で表されるN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物の具体例としては、2−ヒドロキシメチルアミノエタノール(以下、HMAEと略す)、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジアザ−1−ブタノール、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシエチル)−2,4,6−トリアザ−1−ヘキサノール、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン(以下、HTHTと略す)及びヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン(以下、HTETと略す)が挙げられ、中でもHMAE、HTHT及びHTETが特に好ましい。これらのN−置換−N−ヒドロキシメチルアミンは2種以上を混合して使用することもできる。ここで重縮合物とは、一般式(I)で表される化合物のなかで、n=3のときに縮合反応を伴って環状構造が形成された化合物を意味する。
【0019】
一般式(I)で表される化合物は、公知の方法により製造することができ、例えば、第1級アミンとパラホルムアルデヒドから容易に製造することができる。具体的には、モノエタノールアミンとパラホルムアルデヒドからHMAEを製造することができる(英国特許第920301号参照)。
また、一般式(I)で表される化合物として、市販品(吉富製薬株式会社製、商品名「トミサイドG」、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「ベストサイド1087Y」及び「ベストサイド1087T」、R.T.Vanderbilt社製、商品名「Vancide TH」)を使用してもよい。これらの市販品は主に金属加工油の防腐剤として使用されている。
【0020】
この発明において、BITとNAPTとの割合は重量比で1:0.1〜10、好ましくは1:1〜5であり、かつBITとNAPTとの合計量とN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物との割合は重量比で1:1〜10 0、好ましくは1:5〜50である。
【0021】
この発明の有効成分は、通常液剤の形態に製剤化して用いるのが好ましいが、これに限定されるものでなく、使用対象によっては粉剤等の形態で用いてもよ い。また、製剤の長期貯蔵安定性などの点でそれぞれの有効成分を分離して保管するのが好ましい場合には、有効成分をそれぞれ別々に製剤化し、使用に際してそれらを併用しても差し支えない。
【0022】
殺菌対象系が製紙工程のプロセス水や工業用冷却水等の各種水系や澱粉スラリー、合成樹脂エマルション等の場合には、有効成分の溶解、分散性を考慮して、水又は親水性有機溶媒及び分散剤を用いた液剤とするのが好ましい。
【0023】
親水性有機溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのようなグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類、炭素数8までのアルコール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチルのようなエステル類が挙げられる。これらの親水性有機溶媒は、安全性及び安定性の点で好適に用いることができる。
【0024】
分散剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤のいずれも使用できるが、製剤の安定性の点ではノニオン性界面活性剤が好ましい。
このノニオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物〔エチレンオキサイドは以下、(E.O)と略す〕、アルキルフェノール (E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル (E.O)付加物、高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレンオキサイド〔以下、(P. O)と略す〕(E.O)共重合体、アルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0025】
また、これらの界面活性剤の代わりに又はその補助剤として、キサンタンガ ム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の水溶性高分子を用いてもよい。
【0026】
これら製剤の配合割合は、製剤を100重量部としたとき、有効成分の合計量が10〜90重量部、分散剤が該有効成分の合計1重量部に対して少なくとも 0.01重量部であり、残部を水又は親水性有機溶媒とするのが好ましい。
【0027】
また、殺菌対象系が重油スラッジ、切削油剤、油性塗料などの油系の場合に は、灯油、重油、スピンドル油のような炭化水素系溶媒を用いた液剤とするのが好ましく、前記界面活性剤を添加してもよい。
更に、この発明の有効成分を2〜3液に分けて製剤化する場合も、それぞれの有効成分について上記の溶媒や分散剤を用い、上記のような配合割合で製剤化することができる。
【0028】
この発明の有効成分が溶解又は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又は固体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイト、CMC等)で希釈された粉剤として用いてもよく、前記の界面活性剤を添加してもよい。また、液剤の場合と同様にして、粉剤をそれぞれの有効成分に分けて製剤化してもよい。
また、この発明の製剤は、その効果を阻害しない限り、水や界面活性剤を用いてエマルション製剤とすることもでき、更に公知の他の殺菌剤を含有させることもできる。
【0029】
この発明の方法において、上記の有効成分を殺菌対象系に同時に添加する場合には、前述のように単一の製剤として用いるのが簡便であるが、製剤の長期貯蔵安定性の点でそれぞれの有効成分を分離しておくのが好ましい場合や、殺菌対象系に別々に添加する場合には、個々の製剤の形態で用いられる。
この発明の工業用殺菌剤は、有効成分が合計濃度として10〜1000mg/リットル、好ましくは10〜500mg/リットルとなるように、殺菌対象系に、同時に又は別々に添加される。
【0030】
この発明の方法において、殺菌対象系とは、金属加工油剤(切削油剤、圧延油剤等)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、合成樹脂エマルション(SBRラテックス等)、ペイント(油性塗料等)、接着剤、ラテックスコンパウンド、セメント分散剤、糊剤等の工業製品、及び重油スラッジ、製紙工程のプロセス水や工業用冷却水等の各種水系を意味する。
【0031】
この発明の工業用殺菌剤は、上記の工業製品のうちでも水を含有し、かつアルカリ性(特にpHが9以上)の工業製品に適用されるのが好ましい。好ましい殺菌対象系としては、例えばアルカリ性のpHを示す金属加工油剤(切削油剤、圧延油剤等)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、ラテックスコンパウンド等が挙げられる。
【0032】
【実施例】
この発明を以下の製剤例及び試験例により例示するが、これらはこの発明の範囲を限定するものではない。
以下の製剤例はこの発明の3種の有効成分からなる製剤であり、比較製剤例 は、この発明の1又は2種の有効成分からなる製剤である。製剤は、各種親水性有機溶媒に各有効成分を混合し、攪拌溶解することにより調製し、供試薬剤とした。
【0033】
なお、製剤の各有効成分の化合物名と略号を以下に示す。
【0034】
製剤例1
BIT 2重量部
NAPT 8重量部
HTHT 10重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
製剤例2
BIT 2重量部
NAPT 8重量部
HMAE 10重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
製剤例3
BIT 2重量部
NAPT 8重量部
HTET 10重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
製剤例4
BIT 1重量部
NAPT 1重量部
HTHT 50重量部
エチレンジアミン 1重量部
水 47重量部
【0035】
製剤例5
BIT 15重量部
NAPT 3重量部
HTHT 40重量部
エチレンジアミン 15重量部
水 27重量部
製剤例6
BIT 1重量部
NAPT 4重量部
HMAE 50重量部
エチレンジアミン 1重量部
水 44重量部
製剤例7
BIT 4重量部
NAPT 1重量部
HMAE 50重量部
エチレンジアミン 4重量部
水 41重量部
【0036】
比較製剤例1
BIT 2重量部
NAPT 18重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
比較製剤例2
BIT 2重量部
HTHT 18重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
比較製剤例3
NAPT 10重量部
HMAE 10重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
【0037】
比較製剤例4
HTHT 20重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
比較製剤例5
HMAE 20重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
水 30重量部
比較製剤例6
BIT 2重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 68重量部
水 30重量部
【0038】
試験例1〔コーティングカラーを用いた殺菌効力確認試験〕
カオリン80重量部(以下、部と略す)、炭酸カルシウム20部、20%酸化デンプン糊液10部、SBRラテックス5部、ポリアクリル酸ソーダ0.2部及び水70部からなる混液を調製し、NaOHでpHを9.5に調整して供試試料のコーティングカラーを得た。
得られたコーティングカラーに某製紙工場から入手したコーティングカラー腐敗液(生菌数:5.9×107 個/ml)を1%添加し、更に前記の各製剤例及び比較製剤例の供試薬剤をそれぞれについて500mg/リットル及び1000mg/リットル添加して、経時的に生菌数を測定した。ブランクとして薬剤無添加の場合についても測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
試験例2〔SBRラテックスを用いた有効成分分解抑制試験〕
某製紙工場より入手したSBRラテックス(pH:9.0)に、製剤例1、比較製剤例1、2、6の供試薬剤を1000mg/リットル添加し、30℃で静置 し、経時的にBITの残留濃度を測定した(残留率を算出した)。その結果を図1に示す。
図1より、製剤例1の供試薬剤を添加した場合は、30日経過後も製剤中のBITがほぼ100%残留していることがわかる。
【0041】
試験例3〔Pseudomonas sp. に対する殺菌効力確認試験〕
某製紙工場のコーティングカラーより分離したPseudomonas sp. を用いて最小発育阻止濃度を求めた。予め前培養した菌液を一定量液体ブイヨン培地に添加した。次いで、BIT+NAPT〔(a)1:1、(b)4:1、(c)1:4〕にHTHTを種々の割合で加えた薬剤を上記の培地に添加した。これを37℃で24時間振とう培養した後、660nmでの吸光度の増加が認められない濃度を最小発育阻止濃度とした。その結果を図2に示す。この図より、BIT+NAPTとHTHTとの併用において相乗効果のあることがわかる。
【0042】
【発明の効果】
この発明の工業用殺菌剤は、有効成分として、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム及び特定のN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物を相乗効果を奏する割合で含有することを特徴とする。従って、それぞれ単独の場合、あるいは3種の有効成分のうちの2成分を組み合わせた場合に比べて、この発明の工業用殺菌剤は、低添加量で種々の細菌に対して殺菌効果を奏することができる。また、この発明の工業用殺菌剤は、製剤中の有効成分の分解が抑制されるので、その殺菌効果を長期間にわたって持続させることができる。更に、pHがアルカリ性の殺菌対象系においてもその効果を顕著に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の工業用殺菌剤の有効成分の一つであるBITの、殺菌対象系における経時的な残留率を示すグラフである。
【図2】この発明の工業用殺菌剤のBIT+NAPT〔(a)1:1、(b)4:1、(c)1:4〕とHTHTとの併用による最小発育阻止濃度を示すグラフであ る。
Claims (4)
- 有効成分として、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、
2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、及び
2−ヒドロキシメチルアミノエタノール、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン及びヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジンから選択されるN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン又はその重縮合物を、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとが重量比で1:0.1〜10であり、かつ1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムとの合計量とN−置換−N−ヒドロキシメチルアミン又はその重縮合物とが重量比で1:1〜100である割合で含有することを特徴とする工業用殺菌剤。 - 殺菌対象系に、請求項1に記載の工業用殺菌剤を、有効成分の合計濃度として10〜1000mg/リットルとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業的殺菌方法。
- 前記殺菌対象系が水を含有し、かつそのpHがアルカリ性である請求項2に記載の工業的殺菌方法。
- 前記殺菌対象系のpHが9以上である請求項3に記載の工業的殺菌方法。
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1997
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