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JP4089566B2 - 光ファイバリコート装置及び光ファイバリコート方法 - Google Patents
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JP4089566B2 - 光ファイバリコート装置及び光ファイバリコート方法 - Google Patents

光ファイバリコート装置及び光ファイバリコート方法 Download PDF

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Description

本発明は、いったん被覆が除去された光ファイバに再被覆を施す技術に関する。
光ファイバ中に回折格子を設けたFBG(ファイバブラッググレーティング)は、光ファイバの条長中に加工を施すことにより製造することができる。FBGの加工に際しては、光ファイバから光ファイバ心線(素線、芯線ともいう)を覆っている被覆を部分的に除去(リムーブ)し、露出された光ファイバ心線にレーザ光を照射して回折格子を形成(書き込み)することでこの光ファイバ心線部分をFBGに加工し、その後、このFBG部分に被覆を再被覆(リコート)する。
リコート用の被覆材としてポリイミド、UV硬化樹脂などがある。
ポリイミドをFBGにリコートする従来技術として、ディップ方式がある。ディップ方式は、金属板上に細い溝を設けた型を用いる。型上の溝にFBGを入れ、そのFBGの周りにポリイミド前駆体を注入し、溝に蓋をして型を加熱することにより、ポリイミド前駆体がポリイミドに変質し、FBGがリコートされる。
一般の光ファイバを対象とした汎用リコート装置としてVYTRAN社製品(非特許文献1に記載)及び特許文献1のものがある。非特許文献1の装置は、特許文献1の段落0005〜0006に記載のものに類似している。これらの装置は、いずれも図4に示されるように、光ファイバの長手方向が水平面内にあるように、光ファイバ外径に合う溝103を設けた型(ダイス)101に光ファイバを載置し、上方から溝幅・溝深さを大きくした被覆材充填部102を有するダイスを重ね合わせ、被覆材充填部102にUV硬化樹脂からなる被覆材を充填し、その被覆材を紫外線照射により固化するものである。非特許文献1の装置ではリコート部が不均一になるので、特許文献1では、光ファイバ両端をクランプによって保持し、光ファイバの径中心をほぼ軸として光ファイバを回転させることで、回転させない場合と比べて均一なリコート部を得ると特許文献1に記載されている。
また、回折格子が書き込まれた光ファイバをリコートする装置として特許文献2のものがある。この装置は、リコート作業中に適切な一定張力を与える機構、割りダイスを備えた押出機が光ファイバ長手方向に可動な機構などから構成されている。
特開2002−365497号公報 特開2001−013334号公報 URL http://www.vytran.com/ptr2 00.html 2003年06月18日現在
ディップ方式では、型に設けた溝によってリコート部の寸法が決まるため、リコート部の長さや厚さを任意に変化させることができない。また、ディップ方式では、光ファイバを横置きにしてリコートするため、重力の影響で光ファイバの上側と下側の被覆の厚さが均一にならない。
特許文献1の方式では、光ファイバを横置きにするため、被覆材が重力により下方に偏り、光ファイバの周方向全体に亘り均一に塗布するのが困難である。また、塗布後にUVランプにより紫外線を照射して被覆材を硬化させる必要があるが、金属製のダイスでは紫外線が透過せず、紫外線が透過可能な材質にてダイスを製作しなければならない。紫外線が透過可能な材質として石英があるが、石英は加工が困難であり、傷も付きやすい。ダイスに傷があるとリコート部にむらができる。その傷により光ファイバの強度を劣化させる恐れもある。また、特許文献1の方式では、被覆材厚がダイスの溝の幅と深さにより決まってしまうため、溝の加工技術が難しく被覆材厚を薄くするのが困難であり、かつ、1つのダイスに1種類の被覆材厚に対応した溝しか製作できない。
一般の光ファイバを対象とする特許文献1や非特許文献1の装置は、回折格子が書き込まれた光ファイバをリコートするためには、光ファイバ張力の管理機能を付加する必要がある。特許文献1や非特許文献1の装置は、光ファイバ張力の管理機能がないため、リコート中に回折格子または光ファイバに修復不可能なダメージを与えてしまう可能性がある。
また、特許文献1のように、光ファイバの径中心をほぼ軸として光ファイバを回転させると、光ファイバにねじれによるダメージを与えてしまう可能性がある。また、回転する光ファイバに対して被覆材が被覆されるとき、充填された被覆材と光ファイバに被覆されている被覆材との間に摩擦力が生じるため、クランプ部分の固定と回転が理想的であっても、光ファイバにねじり力が加わり、光ファイバにダメージを与える可能性がある。
従って、特許文献1や非特許文献1の装置は、回折格子が書き込まれた光ファイバ心線にリコートをするのには適さない。
回折格子が書き込まれた光ファイバをリコートする装置である特許文献2の図6においては、リコートを受ける光ファイバが固定され、リコートを施すダイスが光ファイバの長手方向に下から上へと移動する。ダイスが一定速度(加速度0)で移動している間は、ダイスにある樹脂には運動加速度が加わらず、安定なリコートを行うことが可能であるが、ダイスの動き始めと停止時には、ダイスに加速度が発生するために樹脂に力が働き、均一なリコートを行うことが難しくなる。
また、特許文献2には、リコートを受ける光ファイバの固定方法についての詳細な説明がなく、張力を一定に保つことと固定部材の使用にのみ言及されているだけであり、最初の張力の設定方法、固定部材の具体的形状及び光ファイバの固定方法は開示されていない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、より均一なリコートを行うことができる光ファイバリコート装置及び光ファイバリコート方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の装置は、被覆が部分的に除去され、露出した光ファイバ心線に回折格子が形成されている光ファイバの上記露出した光ファイバ心線に被覆材を塗布して上記被覆を施すための光ファイバリコート装置において、上記光ファイバ心線が上下に通過する穴を有し水平に固定されて該穴の周囲に注入された上記被覆材を上記光ファイバ心線に塗布するダイスと、このダイスの上方と下方で上記光ファイバを保持するべく上記ダイスの上方から下方まで該ダイスを迂回して差し渡されたアームと、上記アームを上下に移動させる移動手段とを備え、上記ダイスは、上記穴を中心として二つに別れる半割ダイスからなり、上記アームは、鉛直アーム部と該鉛直アーム部の両端部から水平に伸びる水平アーム部とからなり、上記水平アーム部の先端に上記光ファイバを掛け回すプーリが設けられているものである。
上記移動手段は、上記アームに設けられた雌ネジに螺合して上下に伸びたボールネジと、このボールネジを回転させるステッピングモータとからなってもよい。
上記ダイスの下から上記穴に臨ませた撮像手段と、この穴に上記光ファイバ心線を挟み込むときの画像を拡大表示する画像表示手段とを備えてもよい。
上記撮像手段を上記ダイスの穴に臨ませた使用時位置から上記ダイスの近傍を離れた不使用時位置に移動させるエアスライドテーブルを備えてもよい。
上記ダイスを水平2方向に移動させるXYステージを備えてもよい。
上記アームの上下移動開始位置と上下移動終了位置とを記憶する記憶手段を備えてもよい。
上記光ファイバに取り付けて上記光ファイバに張力を印加する錘を備えてもよい。
上記被覆材が紫外線硬化樹脂であって、上記ダイスの穴を通過した被覆材付きの光ファイバ心線に水平2方向から紫外線を照射するUVランプを備えてもよい。
上記被覆材が紫外線硬化樹脂であって、上記ダイスの穴を通過した被覆材付きの光ファイバ心線に斜め下方向から紫外線を照射してもよい。
上記被覆材が紫外線硬化樹脂であって、上記アームの上下移動開始から上下移動終了までの期間、紫外線の照射を行う照射制御手段を備えてもよい。
上記被覆材がポリイミドであって、上記ダイスの穴を通過した被覆材付きの光ファイバ
心線を加熱する加熱手段を備えてもよい。
上記加熱手段は、被覆材付きの光ファイバ心線を通過させる穴を横に2分割した半割加
熱手段であってもよい。
上記ダイスの穴は、下向きの開口径に比べて上向きの開口径が大きい逆円錐状であってもよい。
上記ダイスの穴の上向きの開口内に被覆材を貯溜し、上記光ファイバ心線を上から下へ
移動させることで、下向きの開口から被覆材付きの光ファイバ心線を取り出してもよい。
上記アームの移動速度を任意の設定速度に制御する制御手段を備えてもよい。
上記アームの移動回数を任意の設定回数に制御する制御手段を備えてもよい。
上記装置を用いて行う本発明の方法は、上記ダイスの穴の上向きの開口内に被覆材を注入し、上記光ファイバ心線を上から下へ移動させることで、上記光ファイバ心線に上記被覆材を塗布し、上記ダイスの下向きの開口から上記被覆材が塗布された光ファイバ心線を取り出した後、乾燥・硬化させて上記光ファイバ心線に被覆を施すものである。
上記ダイスに被覆材を注入する前に予め上記アームの上下移動開始位置と上下移動終了位置とを上記記憶手段に記憶しておき、上記アームを上記記憶手段より読み出した上下移動開始位置に合わせた後、上記ダイスに被覆材を注入し、上記アームを上下移動終了位置まで移動させてもよい。
上記ダイスの穴径に基づき、上記アームの移動速度と移動回数を制御することにより、被覆の厚さを調節してもよい。
上記被覆の厚さは、除去前の被覆の厚さと同程度の厚さを目標にしてもよい。
上記画像表示手段に表示された画像に基づき上記ダイスと上記光ファイバ心線との軸合わせをしてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)ダイスが動かないので被覆材に加速度が加わらず、安定なリコートを行うことが可能である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る光ファイバリコート装置は、光ファイバ1の一部である光ファイバ心線が上下に通過する穴を有し水平に固定されて該穴の周囲に被覆材(図示せず)を注入可能なダイス2と、このダイス2の上方と下方で光ファイバ1を保持するべくダイス2の上方から下方までダイス2を迂回して差し渡されたアーム3と、このアーム3を上下に移動させることにより光ファイバ心線を上下に移動させる光ファイバ搬送部4とを備えることにより、被覆材が注入されたダイス2に光ファイバ心線を上から下へ通して光ファイバ心線の周囲に被覆材を塗布させるようになっている。ダイス2を保持して水平2方向に移動させるXYステージ5と、ダイス2を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ6を保持して移動させるエアスライドテーブル7と、上記光ファイバ搬送部4とが、水平な定盤8上に設置されている。
アーム3は、鉛直に立てられた鉛直アーム部11と、この鉛直アーム部11の上端及び下端から水平に伸びた上端水平アーム部12及び下端水平アーム部13と、鉛直アーム部11から水平に突き出した雌ネジ部14とを一体的に形成したもので、全体として略コ字状を呈する。雌ネジ部14には、図示しないが上下方向に貫通した雌ネジが切られている。上端水平アーム部12の先端と下端水平アーム部13の先端には、それぞれ上部プーリ15と下部プーリ16とが設けられている。これら上部プーリ15と下部プーリ16は、掛け回された光ファイバ1を鉛直に案内すると共にその光ファイバ1の延長方向を水平に変更するものである。上部プーリ15と下部プーリ16は、互いの回転軸が上下に重なる位置にあり、プーリ径が互いに等しいので、上部プーリ15と下部プーリ16との間に掛け渡された光ファイバ1を鉛直にすることができる。
上端水平アーム部12の水平部分と下端水平アーム部13の水平部分には、それぞれ光ファイバ1を固定・解除する上部クランプ17と下部クランプ18が設けられている。上端水平アーム部12の基端には、光ファイバ1を下方に案内するガイドピン19が設けられ、下方に案内された光ファイバ1には図示しないが錘を取り付けることができるようになっている。
アーム2を上下に移動させる移動手段は、雌ネジ部14の雌ネジに螺合して上下に伸びたボールネジ21と、このボールネジ21を回転させるステッピングモータ22とからなる。
光ファイバ搬送部4にあっては、ステッピングモータ22を一方に回転させると光ファイバ1を保持したアーム2全体が上に移動し、ステッピングモータ22を逆に回転させると光ファイバ1を保持したアーム2全体が下に移動することになる。
図2(a)〜(c)に示されるように、ダイス2は、角板31に穴32を形成したものであるが、ここでは穴32が中心から真二つに別れるように、半穴32a,32bを形成した角板片31a,31bを合わせて使用する半割ダイスである。半割ダイスを用いると、半穴32a,32bで光ファイバ心線1aを挟み込むことで穴32に光ファイバ心線1aが挿通されることになる。ダイス2を構成する各角板片31a,31bは、図1に示したダイス取付アーム33a,33bにネジ止めなどにより固定される。ダイス取付アーム33a,33bは、XYステージ5に搭載されている。XYステージ5は、X軸用ステッピングモータ34とY軸用ステッピングモータ35により水平2方向に精密に移動することができるので、穴32とアーム2に保持された光ファイバ1との水平方向の位置合わせを精密に行うことができる。
ダイス2の穴32は、下向きの開口径に比べて上向きの開口径が大きく形成されている。図2の例では、穴32は、逆円錐台状である。この上向きの開口内に被覆材を注入して貯溜することができる。図1には省略したが図2(b)に示すように、穴32上に斜め方向より突き出した注入手段36が設けられており、液状・流動体状の被覆材37を穴32に注入することができる。注入手段36は、管で構成して被覆材を吐出するようにしてもよいし、針状に形成して被覆材を伝わせて滴下するようにしてもよい。
ダイス2の穴の直径(下向きの開口径)は、石英光ファイバを被覆するとき、被覆材が紫外線硬化樹脂の場合では、再被覆完了時の光ファイバ径より1.02〜1.04倍とするのが好ましく、被覆材がポリイミド前駆体の場合では、再被覆完了時の光ファイバ径より1.37〜1.39倍とするのが好ましい。
図1に示されるように、撮像手段としてのCCDカメラ6は、2台設けられ、ダイス2の下方の異なる角度からダイス2に臨ませてある。エアスライドテーブル7は、これらのCCDカメラ6を図示した使用時位置からダイス2の近傍を離れた図示しない不使用時位置に移動させることができる。
被覆材が紫外線硬化樹脂の場合、ダイス2の下には、ダイス2の穴を通過した被覆材付きの光ファイバ心線1aに水平2方向から紫外線を照射するUVランプ41が設置される。UVランプ41は、斜め下方向から紫外線を照射するようにしてもよい。被覆材がポリイミドの場合、ダイス2の下には、上記UVランプ41に代えて加熱手段(図示せず)を設置する。加熱手段は、被覆材付きの光ファイバ心線を通過させる穴を横に2分割した半割加熱手段とするのがよい。
操作盤42は、光ファイバリコート装置の各部を制御・操作するためのスイッチ類、計器類を配置したもので、内部にはコンピュータが収容されている。操作盤42により、アーム3の上下移動開始位置と上下移動終了位置とを記憶する記憶手段、アーム3の移動速度を任意の設定速度に制御する制御手段、アーム3の移動回数を任意の設定回数に制御する制御手段、アーム2の上下移動開始から上下移動終了までの期間、紫外線の照射を行う照射制御手段、加熱温度や加熱時間を設定する手段などが実現される。
光ファイバリコート装置には、図示しないが、ダイス2の穴32に光ファイバ心線1aを挟み込むときにCCDカメラ6で撮影した画像を拡大表示する画像表示手段が設けられ
ている。
以下、図1の光ファイバリコート装置で行う再被覆のプロセスを説明する。
再被覆する光ファイバ1は、当該光ファイバ1の長手方向の一部で被覆を除去し、露出させた光ファイバ心線1aを、例えば、FBGに加工したものである。
まず、再被覆する光ファイバ1をアーム3の上部プーリ15と下部プーリ16にそれぞれ掛け回すことで上部プーリ15と下部プーリ16との間に光ファイバ1を掛け渡し、この光ファイバ1を上部クランプ17と下部クランプ18により固定する。固定の際、光ファイバ1のテンションが所望の大きさになるよう、上部クランプ17では光ファイバ1を固定しない状態でガイドピン19の下方で光ファイバ1に錘を吊す。下部クランプ18では光ファイバ1を固定しているので、下部クランプ18から下部プーリ16、上部プーリ15を経てガイドピン19から下に伸びた光ファイバ1には、錘の重量に応じたテンションが加わる。錘の重量を調整することで所望のテンションを加えることができる。その後、上部クランプ17で光ファイバ1を固定すると、上部プーリ15と下部プーリ16との間の光ファイバ1のテンションは、所望の大きさに固定される。
次に、この光ファイバ1を角板片31a,31bに挟み込むようにしてダイス2の穴32に通す。このとき、エアスライドテーブル7上のCCDカメラ6が図示した使用時位置においてダイス2の穴32を斜め下方の2つの角度から撮像した画像が画像表示手段に拡大表示される。この画像を見ながらダイス2の位置合わせをすることができる。
ダイス2の位置合わせは、XYステージ5をX軸用ステッピングモータ34とY軸用ステッピングモータ35により水平2方向に移動させて行う。なお、操作盤42には大まかに位置合わせするための粗調整モードと細かく位置合わせするための微調整モードを切替えして操作できるようにしておく。
画像表示手段には、ダイス2の穴32の下向きの開口から光ファイバ1が出ている画像が表示される。この画像から光ファイバ1が開口の中心を通過しているかどうかを視認することができる。なお、ダイス2を下方から撮像するのは、ダイス2の角板片31a,31bの合せ面の下面に焦点を合わせやすい、カメラ照明(図示せず)が当てやすい、被覆材の浸透具合(光ファイバ心線1aと穴32の隙間に出てくる被覆材)が見られるなどの理由がある。上方から撮像すると、合せ面の下面に焦点を合わせにくく、被覆材の浸透具合が見られない。
光ファイバ1が開口の中心を通過していない場合、XYステージ5を微調整してズレをなくする。このとき、2台のCCDカメラ6が90°異なる角度から撮像しているので、XY軸両方向のズレを観測することができる。
位置合せが終了して光ファイバ1が開口の中心を通過した状態になれば、エアスライドテーブル7を移動させてCCDカメラ6を非使用時位置に退去させてもよい。非使用時位置とは、これから行うリコート工程において他の部材に干渉しない位置のことである。
リコート工程では、まず、アーム3の上下移動開始位置と上下移動終了位置とを設定する。この設定によりリコート長さを決定することができる。光ファイバ搬送部4によりアーム3を上下移動開始位置、即ち、図1に実線で示したアーム3の位置に移動さると、再被覆する光ファイバ1(光ファイバ心線1a)の下端がダイス2の穴32の下向きの開口のあたりに位置することになる。
次いで、図2(b)のように、注入手段36より被覆材37を穴32に注入する。被覆材37が穴32の下に染み出して来たら光ファイバ搬送部4によりアーム3の移動を開始する。アーム3が下に移動すると、光ファイバ1も下に移動するので、光ファイバ心線1aが穴32の下へ出てくる。その際、穴32内に貯溜されている被覆材が光ファイバ心線1aに付着・塗布される。光ファイバ心線1aが穴の中心を通っているので、光ファイバ心線1aの周囲に均一に被覆材が付く。このときのリコート厚(被覆材の厚さ)は穴32の径によって決まる。図2(c)には、穴32の下へ出た光ファイバ心線1aに被覆材51が付着・塗布されている様子を示した。
リコート厚は、光ファイバ1の移動速度によっても変えられる。光ファイバ1の移動速度は、操作盤42において任意に制御することができる。また、リコート工程を光ファイバ1の同じ箇所に繰り返し適用することにより、被覆材を重ねて付着させることでリコート厚を変えられる。
被覆材が紫外線硬化樹脂の場合、ダイス2の穴を通過した紫外線硬化樹脂付きの光ファイバ心線1aに対しUVランプ41から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を一次固化させる。被覆材がポリイミドの場合、ダイス2の穴を通過したポリイミド前駆体付きの光ファイバ心線1aに対し加熱手段により熱を加えてポリイミド前駆体を一次固化させる。ただし、加熱手段が所定温度に達するまでは光ファイバ1の移動を開始しない。
以上の再被覆プロセスにおいて、本発明では、ダイス2を固定し、光ファイバ1を上下移動させるようにしたので、移動開始時・終了時に被覆材に慣性力が働かない。従って、ダイス2を移動させる従来技術で発生する移動開始時・終了時のリコート厚の不均一が本発明では発生しない。
また、本発明では、CCDカメラ6の画像を拡大表示し、その画像を見ながらダイス2と光ファイバ心線1aの位置合わせをXYステージ5で精密に行うようにしたので、リコート厚が均一になる。
次に、ポリイミド再被覆を行う実施例を説明する。
ポリイミド被覆を有する光ファイバの長手方向の一部に対し溶剤としてヒドラジンを用いてポリイミド被覆をリムーブし、光ファイバ心線にFBGを書き込み、その後、このFBGをポリイミドで再被覆するものとする。
ダイス2は、金属の平板の中心に貫通した穴を開け、その穴と中心を合わせた円錐台状の溝を切り、この円錐台状の溝が中心から半分になるように上記平板を半割りにする。
図1の光ファイバリコート装置において、光ファイバ心線1aにFBGが書き込まれた光ファイバ1を鉛直方向にセットする。その際、光ファイバ1の下側は下部クランプ18によりアーム3に固定し、光ファイバ1の上側は、上部プーリ15、ガイドピン19に掛け回して錘を取り付ける。錘により光ファイバ1に加わる張力が小さすぎると、光ファイバ1が移動する際に光ファイバの弛みがダイス2に引っ掛かり、均一な厚さで再被覆ができない。また、張力が大きすぎると、FBGに歪みが加わった状態で再被覆がなされてしまう。このため、錘の重量は5〜50gが適当である。
ダイス2は、中心の貫通穴で光ファイバ1を挟み込むようにセットする。その際、CCDカメラ6によって斜め右下と斜め左下から光ファイバ1をセットする貫通穴を撮像することにより、画像表示手段の画像を目視しながら光ファイバ1と穴32の中心を正確に合わせることができる。
次に、ダイス2の位置が再被覆を開始する位置と一致するようにアーム3を移動して光ファイバ1の高さを合わせる。アーム3の上下移動は、操作盤42により電子制御でき、再被覆開始位置を上下移動開始位置として記憶することができる。同様にダイス2の位置が再被覆を終了する位置と一致するようにアーム3を移動して光ファイバ1の高さを合わせ、再被覆終了位置を上下移動終了位置として記憶させる。このように、再被覆開始時と終了時の光ファイバ1の位置を記憶させることで、リコート長さを自由に変えることができる。
次に、光ファイバ1(FBGが書き込まれた光ファイバ心線1a)の位置を、先に記憶させた再被覆開始位置に合せ、注入手段36によりダイス2の穴32の開口内にポリイミド前駆体を注入する。この状態から光ファイバ1の位置を下方に移動させる。再被覆終了位置まで移動することにより光ファイバ心線1aにポリイミド前駆体が塗布される。
ポリイミド前駆体の塗布が終わると同時に(つまりダイス2の穴32のすぐ下で)加熱手段が光ファイバ心線1aに塗布されたポリイミド前駆体を加熱するので、このポリイミド前駆体は乾燥固化する。加熱手段は、光ファイバ1の左右に位置し、光ファイバ心線1aを300℃に加熱するように設定されている。加熱手段での加熱は、数秒間行われる。
その後、塗布されたポリイミド前駆体が乾燥固化された光ファイバ心線1aを300℃の炉で数分間加熱することにより、ポリイミド前駆体をポリイミドに変質させる。
ダイス2の穴径は、大きすぎるとポリイミド前駆体の塗布厚さが不均一になるため、光ファイバ心線直径の110%〜120%が適当である。
また、光ファイバの移動速度を変えることで、ポリイミド前駆体の塗布厚さを変えることができる。また、一回のリコート工程(光ファイバを1回だけ下方に移動させる)で、目標の塗布厚さが得られない場合は、リコート工程を数回繰り返すことで目標の塗布厚さが得られる。
図3に、本発明による再被覆を施した光ファイバ1の側断面を示す。即ち、被覆を有する光ファイバ1から被覆を除去した光ファイバ心線1aに対して、被覆52が施されている。リコート厚tは、光ファイバ1の曲げや歪みが不均一にならないよう、除去前の被覆の厚さである10μm程度を目標とする。新たな被覆52が元からある被覆に重なるラップ長さlは、少ないほうがよいが、被覆52が剥けないよう、30mm程度とするのが適当である。
図2に示した位置合わせの手順において、ダイス2の穴径を200μm、光ファイバ1の移動速度を91.3m/secにすることにより、リコート厚を約3μmにすることができるので、このリコート条件でリコート工程を3回行うことにより、目標リコート厚10μmを達成することができる。
ダイス2の穴径を変えることで細径光ファイバの再被覆にも対応できる。細径光ファイバの再被覆では、ダイス2の穴径を80μm程度にすると、ポリイミド前駆体を光ファイバ心線1aに均一な厚さで塗布できる。本発明では、ダイス2を固定し光ファイバ1を下方に移動させるので、ダイス2に貯溜されたポリイミド前駆体が重力(加速度)の影響を受けず、光ファイバ1を回転させることもないので、光ファイバ1の曲げや歪みが不均一にならず、再被覆を良好に施すことができる。
次に、紫外線硬化樹脂再被覆を行う実施例を説明する。
ポリイミド被覆を有する光ファイバの長手方向の一部に対しエチレンジアミンとヒドラジンの混合液にてポリイミド被覆をリムーブし、光ファイバ心線にFBGを書き込み、その後、このFBGを紫外線硬化樹脂で再被覆するものとする。
図1の光ファイバリコート装置において、光ファイバ心線1aにFBGが書き込まれた光ファイバ1を鉛直方向にセットする。その際、光ファイバ1の上側は上部クランプ17によりアーム3に固定し、光ファイバ1の下側に錘を取り付けることで張力を印加して光ファイバ1の弛みを除去する。2つに割ったダイス2をXYステージ5の移動により光ファイバ1に近付け、ダイス2を閉じ合わせて中心の穴32に光ファイバ1を通す。ここで、光ファイバ1と穴32の縁が接触しないよう、CCDカメラ6の画像を拡大表示し、その画像を目視してXYステージ5を微調整する。なお、ダイス2が光ファイバ心線1aに触れないよう、再被覆開始位置は被覆が残っている光ファイバ1にしておく。また、ダイス2を閉じ合わせるとき、光ファイバ1を噛み込まないようにする。
塗布する紫外線硬化樹脂の厚さを該紫外線硬化樹脂の塗布外径にして光ファイバ心線1aの径の1.1倍〜1.3倍となるようにするために、ダイス2の穴径を光ファイバ心線1aの径の1.16倍〜1.24倍とする。例えば、光ファイバ心線1aが直径125μmの石英光ファイバであるとき、ダイス2の穴径を145μm〜155μmとする。紫外線硬化樹脂の厚さを塗布外径で光ファイバ心線1aの径の1.1倍〜1.3倍とするのは、紫外線硬化樹脂が湿度により膨潤して光ファイバ1に歪みを印加することを防ぐことのできる厚さだからである。
ダイス2の位置合せの後、アーム3の再被覆開始位置・再被覆終了位置を設定する。このとき、被覆する紫外線硬化樹脂がポリイミド被覆に被る長さを1mm〜5mmにするとよい。
その後、紫外線硬化樹脂をダイス2に注入する。なお、紫外線硬化樹脂を塗布する際に粘度を低くするために紫外線硬化樹脂は45℃〜55℃に予備加熱しておくとよい。
この状態から光ファイバ1の位置を下方に移動させると、光ファイバ1に紫外線硬化樹脂が塗布される。ダイス2の穴32のすぐ下では、UVランプ41から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させる。
ここで、光ファイバ1の移動速度を調整することにより、紫外線硬化樹脂を任意の厚さに塗布することができる。また、光ファイバ1の移動距離は、光ファイバ搬送部4のステッピングモータ22に目標位置を与えて制御することができ、任意のリコート長とすることができる。
本発明の一実施形態を示す光ファイバリコート装置の構成図である。 ダイスの斜視図であり、(a)はダイスを分割して光ファイバを穴に挟む様子を示し、(b)は被覆材を穴に注入する様子を示し、(c)は光ファイバを下方へ移動させる様子を示す。 再被覆した光ファイバの側断面図である。 従来の光ファイバリコート装置に用いるダイスの斜視図である。
符号の説明
1 光ファイバ
1a 光ファイバ心線
2 ダイス
3 アーム
4 光ファイバ搬送部
5 XYステージ
6 CCDカメラ
7 エアスライドテーブル
15 上部プーリ
16 下部プーリ
21 ボールネジ
22 ステッピングモータ
32 穴

Claims (19)

  1. 被覆が部分的に除去され、露出した光ファイバ心線に回折格子が形成されている光ファイバの上記露出した光ファイバ心線に被覆材を塗布して上記被覆を施すための光ファイバリコート装置において、
    上記光ファイバ心線が上下に通過する穴を有し水平に固定されて該穴の周囲に注入された上記被覆材を上記光ファイバ心線に塗布するダイスと、このダイスの上方と下方で上記光ファイバを保持するべく上記ダイスの上方から下方まで該ダイスを迂回して差し渡されたアームと、上記アームを上下に移動させる移動手段とを備え
    上記ダイスは、上記穴を中心として二つに別れる半割ダイスからなり、上記アームは、鉛直アーム部と該鉛直アーム部の両端部から水平に伸びる水平アーム部とからなり、上記水平アーム部の先端に上記光ファイバを掛け回すプーリが設けられていることを特徴とする光ファイバリコート装置。
  2. 上記移動手段は、上記アームに設けられた雌ネジに螺合して上下に伸びたボールネジと、このボールネジを回転させるステッピングモータとからなることを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  3. 上記ダイスの下から上記穴に臨ませた撮像手段と、この穴に上記光ファイバ心線を挟み込むときの画像を拡大表示する画像表示手段とを備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  4. 上記撮像手段を上記ダイスの穴に臨ませた使用時位置から上記ダイスの近傍を離れた不使用時位置に移動させるエアスライドテーブルを備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  5. 上記ダイスを水平2方向に移動させるXYステージを備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  6. 上記アームの上下移動開始位置と上下移動終了位置とを記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  7. 上記光ファイバに取り付けて上記光ファイバに張力を印加する錘を備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  8. 上記被覆材が紫外線硬化樹脂であって、上記ダイスの穴を通過した被覆材付きの光ファイバ心線に水平2方向又は斜め下方から紫外線を照射するUVランプを備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  9. 上記被覆材がポリイミドであって、上記ダイスの穴を通過した被覆材付きの光ファイバ心線を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  10. 上記加熱手段は、被覆材付きの光ファイバ心線を通過させる穴を横に2分割した半割加熱手段であることを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  11. 上記ダイスの穴は、下向きの開口径に比べて上向きの開口径が大きい逆円錐状であることを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  12. 上記ダイスの穴の上向きの開口内に被覆材を貯溜し、上記光ファイバ心線を上から下へ移動させることで、下向きの開口から被覆材付きの光ファイバ心線を取り出すことを特徴とする請求項11記載の光ファイバリコート装置。
  13. 上記アームの移動速度を任意の設定速度に制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバリコート装置。
  14. 上記アームの移動回数を任意の設定回数に制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項記載の光ファイバリコート装置。
  15. 請求項1〜14いずれか記載の光ファイバリコート装置を用いて光ファイバ心線に再被覆を施す方法であって、上記ダイスの穴の上向きの開口内に被覆材を注入し、上記光ファイバ心線を上から下へ移動させることで、上記光ファイバ心線に上記被覆材を塗布し、上記ダイスの下向きの開口から上記被覆材が塗布された光ファイバ心線を取り出した後、乾燥・硬化させて上記光ファイバ心線に被覆を施すことを特徴とする光ファイバリコート方法。
  16. 上記ダイスに被覆材を注入する前に予め上記アームの上下移動開始位置と上下移動終了位置とを上記記憶手段に記憶しておき、上記アームを上記記憶手段より読み出した上下移動開始位置に合わせた後、上記ダイスに被覆材を注入し、上記アームを上下移動終了位置まで移動させることを特徴とする請求項15記載の光ファイバリコート方法。
  17. 上記ダイスの穴径に基づき、上記アームの移動速度と移動回数を制御することにより、被覆の厚さを調節することを特徴とする請求項15又は16記載の光ファイバリコート方法。
  18. 上記被覆の厚さは、除去前の被覆の厚さと同程度の厚さを目標にすることを特徴とする請求項15又は17記載の光ファイバリコート方法。
  19. 上記画像表示手段に表示された画像に基づき上記ダイスと上記光ファイバ心線との軸合わせをすることを特徴とする請求項15記載の光ファイバリコート方法。
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