JP4093916B2 - 処理液供給ノズルおよびこれを用いた基板処理装置、並びに処理液供給ノズルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口から処理液を吐出して、半導体基板、液晶表示器のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板(以下、単に基板と称する)に供給する処理液供給ノズルおよびこれを用いた基板処理装置、並びに処理液供給ノズルの製造方法に係り、特に、処理液供給ノズルを挟み込んで、ノズル内の処理液を温調する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、処理液供給ノズルを挟み込んで、ノズル内の処理液を温調する技術として、ノズルに接続される処理液配管を取り囲むように温調配管を配設した2重管構造のものがあり、処理液配管内の処理液は温調配管内の恒温水によって温調されてノズルから吐出するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
また、故障などによって処理液配管を交換することを鑑みて、処理液配管が掃抜可能に挿通される温調配管を温調室に備え、温調室の内壁と温調配管の外壁とで形成された密閉空間内に恒温水を流通しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−291027号公報(第4−5頁、図3)
【0004】
【特許文献2】
特開平7−263326号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2重管構造を有する場合には、温調配管が大口径となり、ノズル移動時の処理液配管の曲率が大きくとれない。従って、基板の鉛直方向である上下方向の空間が必要になり、装置を上下方向に小型化することができないという問題がある。
【0006】
かかる問題を解決するために、図17に示すような技術が提案されている。すなわち、平板状の液だまり部101を有するノズル102を、2つの温調板103が水平方向から挟み込んでノズル102内の処理液を温調する。これによって装置の小型化を実現している。この液だまり部101は、体積当りの表面積が大きくなるようにするために、蛇行形状配管104で構成されており、曲がりくねった処理液流路を形成している。この蛇行形状配管104中に処理液を貯めることで、少なくとも次期吐出相当量の処理液が貯留されるようになっている。この処理液だまり部101の下端には、蛇行形状配管104に接続された突出部105が形成されており、この突出部105の先端には処理液を吐出するための吐出口105aが形成されている。
【0007】
ノズル102の内部構造について、図18を用いて詳細に説明する。図18(a)は図17に示したノズル102のD−D線断面図であり、図18(b)はノズル102の側面図であり、図18(c)はノズル102の底面図であり、図18(d)は図18(a)に示したノズル102のE−E線断面図である。ノズル102を製造するには、図18(a)、図18(d)に示すように、断面が円形であるチューブを屈曲させることで蛇行形状配管104を構成し、この蛇行形状配管104をハウジング(筐体)106が覆うことで実現する。ハウジング106の面のうち、温調板103に接触する面は、より確実に温調を行うために熱伝導部材(例えばアルミニウムや銅やステンレスやカーボンなど)で形成されている。
【0008】
しかし、この蛇行形状配管104とハウジング106との間には、図18(d)に示すように、空気層107が形成されてしまい、それが断熱層となって処理液への熱交換の効率が悪くなる。そこで、この空気層107に、熱伝導性の高い材料である高熱伝導充填材(例えば金属ペースト)を充填させる、あるいは空気層107を小さくすべく蛇行形状配管104を扁平することで、熱交換の効率を改善することが考えられるが、充填や扁平加工に手間を要する。また、このような熱交換の効率が悪いノズル102を基板処理に用いることで基板に所望の温度に設定された処理液が供給されずに基板処理を精度良く行うことができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で熱交換の効率を改善することができ、基板処理を精度良く行うことができる処理液供給ノズルおよびこれを用いた基板処理装置、並びに処理液供給ノズルの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に対して処理液を供給する処理液供給ノズルであって、内部に処理液が流れる流路部を有し、前記流路部が表裏面にわたって貫通して開放されたブロック部材と、前記ブロック部材の前記流路部が貫通して開放された表裏面に面接着して前記流路部の開放面を閉塞する熱伝導部材と、前記流路部に連通し、前記流路部内に処理液を供給する供給口と、前記流路部に連通し、前記流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の処理液供給ノズルにおいて、前記流路部は、前記供給口から前記ブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方に導いて吐出口から吐出するよう形成されることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の処理液供給ノズルにおいて、前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に、耐薬性樹脂を介在させることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の処理液供給ノズルを用いた基板処理装置であって、処理液供給ノズルを挟み込んで、ノズル内の処理液を温調する温調部を備えることを特徴とするものである。
【0015】
(削除)
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、基板に対して処理液を供給する処理液供給ノズルの製造方法であって、ブロック部材の内部に、当該ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放される流路部を形成する流路部形成過程と、前記ブロック部材の前記流路部が貫通して開放された表裏面に熱伝導部材を面接着して前記流路部の開放面を閉塞する開放面閉塞過程と、前記流路部に連通し、前記流路部内に処理液を供給する供給口を形成する供給口形成過程と、前記流路部に連通し、前記流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口を形成する吐出口形成過程とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、前記流路部は、前記供給口から前記ブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方に導いて吐出口から吐出するよう形成されることを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させ、少なくとも前記ブロック部材と前記耐薬性樹脂とを面接着する樹脂接着過程をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の処理液供給ノズルの製造方法において、前記面接着は熱溶着により行うことを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させ、少なくとも前記ブロック部材と前記耐薬性樹脂とを面接着する樹脂接着過程をさらに備え、前記ブロック部材を、前記樹脂接着過程で接着される樹脂と同一の樹脂で形成することを特徴とするものである。
【0021】
【作用】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、内部に処理液が流れる流路部を有し、流路部が表裏面にわたって貫通して開放されたブロック部材と、このブロック部材の流路部が貫通して開放された表裏面に面接着して流路部の開放面を閉塞する熱伝導部材と、流路部に連通し、流路部内に処理液を供給する供給口と、同じく流路部に連通し、流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口とを備えることで、処理液供給ノズルを構成する。ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放された流路部は、開放された表裏面に熱伝導部材によって面接着されて開放面が閉塞され、熱伝導部材によって面接着される表裏面にブロック部材と熱伝導部材とが直接的に接触する形態となる。つまり、ブロック部材と熱伝導部材との間に空気が介在しなくなり、熱交換の効率を改善することができる。また、熱伝導部材をブロック部材が開放された表裏面に面接着するだけで処理液供給ノズルが構成されるので、簡易な構造で処理液供給ノズルを実現することができる。
【0023】
また、請求項2に記載の発明によれば、供給口からブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方位置に導いて吐出口から吐出するよう流路部を形成することで、流路内にエアを噛みこむことを確実に防止しつつ安定した処理液の供給が可能となる。
【0024】
また、請求項3に記載の発明によれば、ブロック部材と熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させることにより、処理液と熱伝導部材とが直接接することにより生じる処理液の汚染やパーティクルの混入を阻止することができる。その結果、基板に対してクリーンな処理液を供給することができる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明によれば、ブロック部材の流路部の開放面に面接着される熱伝導部材が、ブロック部材とともに温調部で挟み込んで温調することで、熱伝導部材を介して流路部内の処理液を効果的に温調することができる。そして、処理液供給ノズルの吐出口からは、所望の温度に温調された処理液を吐出して基板に供給することで、基板処理を精度良く行うことができる。
【0026】
(削除)
【0027】
(削除)
【0028】
また、請求項5に記載の発明によれば、流路部形成過程で、ブロック部材の内部に、当該ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放される流路部を形成する。開放面閉塞過程で、ブロック部材の流路部が開放された表裏面に熱伝導部材を面接着して流路部の開放面を閉塞する。供給口形成過程で、流路部に連通し、流路部内に処理液を供給する供給口を形成するとともに、吐出口形成過程で、流路部に連通し、流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口を形成する。
【0029】
かかる各過程を備えた製造方法によれば、ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放された流路部は、開放された表裏面に熱伝導部材によって面接着されて開放面が閉塞され、熱伝導部材によって面接着される表裏面にブロック部材と熱伝導部材とが直接的に接触する形態となる。つまり、ブロック部材と熱伝導部材との間に空気が介在しなくなり、熱交換の効率を改善することができる。また、かかる4つの過程で処理液供給ノズルが構成されるので、簡易な構造で処理液供給ノズルを実現することができる。
【0030】
また、請求項6に記載の発明によれば、供給口からブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方位置に導いて吐出口から吐出するよう流路部を形成することで、流路内にエアを噛みこむことを確実に防止しつつ安定した処理液の供給が可能となる。
【0031】
また、請求項7に記載の発明によれば、ブロック部材と熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させ、少なくともブロック部材と耐薬性樹脂とを面接着する樹脂接着過程をさらに備えることにより、処理液と熱伝導部材とが直接接することにより生じる処理液の汚染やパーティクルの混入を阻止することができる。その結果、基板に対してクリーンな処理液を供給することができる。
【0032】
また、請求項8に記載の発明によれば、面接着を熱溶着により行うことで、接着時に各部材間で空気層や微小な隙間等が発生するのを防止しつつ各部材同士を接着することができる。その結果、安定した処理液供給ノズルを製造することができる。
【0033】
また、請求項9に記載の発明によれば、ブロック部材を、樹脂接着過程で接着される樹脂と同一の部材で形成することで、樹脂接着過程でブロック部材と耐薬性樹脂とを熱溶着する際に、熱溶着を容易にかつ確実に行うことができる。その結果、より一層安定した処理液供給ノズルを製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施例>
図1は本発明の基板処理装置の第1実施例に係る回転式塗布装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、その側面図である。
【0035】
なお、この第1実施例では、基板処理装置としての回転式塗布装置、つまり、半導体ウエハ(以下、単に「基板」と呼ぶ)に処理液であるレジスト液を吐出して基板にレジスト処理を施す回転式塗布装置を例に採って説明する。
【0036】
図1に示すように、この回転式塗布装置は、基板Wに処理液を供給して回転塗布する回転処理部10と、処理液を吐出するノズル20を把持するノズル把持部30と、このノズル把持部30を鉛直方向(Z軸方向)に移動させる垂直移動部40と、ノズル把持部30をY軸方向に移動させるY軸水平移動部50と、ノズル把持部30をX軸方向に移動させるX軸水平移動部60と、複数個(この第1実施例では、例えば6個)のノズル20を収納する待機部70とを備えている。
【0037】
回転処理部10は、基板Wを水平姿勢で保持して回転駆動する回転保持部11と、この回転保持部11の周囲を取り囲み、基板Wから飛散される処理液が外方へ拡散するのを防止する中空の飛散防止カップ12とを備えている。飛散防止カップ12は、図示しない昇降機構によって昇降可能に構成されていて、基板Wが回転駆動される際に上昇して、基板W上に吐出された処理液がこの飛散防止カップ12の外側の周囲に飛散するのを防止する。このとき、飛散防止カップ12内に飛び散った処理液は、この飛散防止カップ12に設けられている図示しない廃液回収構造によって回収される。
【0038】
図1,2に示すように、基板Wに異なる種類の処理液を吐出するための複数個(例えば6個)のノズル20が、待機部70にそれぞれ待機収納されている。使用時には、選択されたノズル20が待機部70から回転処理部10内の基板W上の所定位置に移動され、ノズル20の先端の吐出口から基板Wに向けて処理液を吐出するようになっている。
【0039】
ここで、このノズル20について、図3〜図5を用いて詳細に説明する。なお、図3(a)はノズル20の外観を示す概略斜視図であり、図3(b)はノズル20の温調面を示す概略斜視図である。図4はノズル20を構成する樹脂ブロックおよび熱伝導部材の分解斜視図である。図5(a)は図3(b)に示したノズル20のB−B線断面図であり、図5(b)はノズル20の側面図であり、図5(c)はノズル20の底面図であり、図5(d)は図5(a)に示したノズル20のC−C線断面図である。
【0040】
図3(b)、図4に示すように、ノズル20は、樹脂ブロック24、およびその樹脂ブロック24を表裏から挟み込む2つの熱伝導部材25から構成される。樹脂ブロック24は、フッ素系樹脂の種類のうち、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(以下、単に「PFA樹脂」と呼ぶ)で形成されている。この樹脂ブロック24を形成するPFA樹脂は、耐薬性の高い樹脂(耐薬性樹脂)である。熱伝導部材25としては、例えば、アルミニウムや銅やステンレスやカーボンなどが挙げられる。
【0041】
図4に示すように、樹脂ブロック24は、内部に蛇行形状の処理液流路24aを有しており、処理液流路24aは樹脂ブロック24の表裏面にわたって貫通して開放されている。また、各熱伝導部材25と樹脂ブロック24との間には、樹脂ブロック24を形成するPFA樹脂と同じ樹脂で形成された薄膜状部材24bがそれぞれ介在されている。処理液流路24aを蛇行形状としたのは、体積当りの表面積が大きくなるようにするためである。
【0042】
上述したノズル20は、本発明における処理液供給ノズルに相当し、樹脂ブロック24は、本発明におけるブロック部材に相当し、処理液流路24aは、本発明における流路部に相当する。
【0043】
なお、薄膜状部材24bは、樹脂ブロック24を形成する樹脂(PFA樹脂)と同一でなくてもよい。例えば、PFA樹脂以外のフッ素系樹脂(ポリプロピレン樹脂〔PP〕,四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕など)で薄膜状部材24bを形成してもよい。この第1実施例での薄膜状部材24bは、本発明におけるブロック部材と熱伝導部材との間に介在された耐薬性樹脂に相当する。
【0044】
樹脂ブロック24の処理液流路24aが貫通して開放された表裏面に2つの熱伝導部材25を面接着して処理液流路24aの開放面を閉塞することで、図3,図5に示す処理液だまり部22が形成される。
【0045】
この処理液だまり部22は、ノズル20の先端部の処理液配管21を通じて供給されてきた処理液を所定量(少なくとも次期吐出相当量)貯めることになる。つまり、これから基板Wに吐出すべきワンショット分(例えば、1〜10cm3)の処理液が処理液だまり部22に貯留されていて、処理液だまり部22に貯留された処理液が突出部23の先端の吐出口23aから基板Wに向けて吐出されるようになっている。
【0046】
処理液だまり部22の上方位置には、処理液流路24aに連通し、処理液配管21(図3,図5参照)を通じて処理液流路24a内に処理液を供給する供給口26aが形成されている。処理液だまり部22の下方位置には、処理液流路24aに連通し、処理液流路24a内を流れる処理液を、ノズル20の下端に形成された突出部23(図3,図5参照)を通して基板Wに供給する吐出口26bが形成されている。
【0047】
ここで、ノズル20の製造方法について説明する。まず、PFA樹脂製の樹脂ブロック24の一部を表裏貫通することで、樹脂ブロック24の内部に、当該樹脂ブロック24の表裏面にわたって貫通して開放された処理液流路24aを形成する。この処理液流路24aの形成は、本発明における流路部形成過程に相当する。
【0048】
樹脂ブロック24の処理液流路24aが貫通して開放された表裏面に各熱伝導部材25を面接着して処理液流路24aの開放面を閉塞する。この開放面の閉塞によって処理液だまり部22が形成される。この閉塞の際には、各熱伝導部材25と樹脂ブロック24との間に、フッ素系樹脂(PFA樹脂)で形成された薄膜状部材24bを介在させた状態で熱溶着を行い、この熱溶着により上述した面接着を行う。この薄膜状部材24bの厚さは、0.05mm〜0.5mm程度である。処理液流路24aの開放面の閉塞は、開放面閉塞過程に相当し、薄膜状部材24bを介在させた状態での樹脂ブロック24と熱伝導部材との面接着は、本発明における樹脂接着過程に相当する。
【0049】
面接着後、供給口26a,吐出口26bを形成する。なお供給口26a,吐出口26bの形成については面接着前でもよく、これらの形成のタイミングについては特に限定されない。この供給口26aの形成は、本発明における供給口形成過程に相当し、吐出口26bの形成は、本発明における吐出口形成過程に相当する。このようにしてノズル20が形成される。
【0050】
ここで、ノズル把持部30について、図6を用いて詳細に説明する。なお、図6はノズル把持部30の概略構成を示す平面図である。ノズル把持部30は、ノズル20の処理液だまり部22を把持する一対の把持アーム31,31を備えている。各把持アーム31,31は、ベース部材32の上面に敷設されたレール33,33に沿ってY軸方向の互いに反対向きにスライド移動可能に取り付けられている。
【0051】
一対の把持アーム31,31の基端側には、この一対の把持アーム31,31を互いに反対方向に水平移動させるリンク機構34と、このリンク機構34を駆動する駆動シリンダ35とが備えられている。リンク機構34は4節リンク構造を有し、リンク34aの一端とリンク34bの一端とが回動自在に連結され、リンク34cとリンク34dとの連結部が駆動シリンダ35のロッドに連結されている。さらに、リンク34bとリンク34dとの連結部およびリンク34aとリンク34cとの連結部がそれぞれ把持アーム31,31に取り付けられている。そして、駆動シリンダ35のロッドを伸長させると、一対の把持アーム31,31が互いに離反してノズル20を開放し、駆動シリンダ35のロッドを後退させると、一対の把持アーム31,31が互いに接近してノズル20の処理液だまり部22を把持する。
【0052】
一方の把持アーム31,31には、処理液だまり部22を挟み込んで処理液だまり部22内の処理液を熱交換して温調する温調板36をそれぞれ備えている。温調板36は、例えば、処理液だまり部22の熱交換部(熱伝導部材25)と同等の大きさとしている。なお、温調板36を処理液だまり部22の熱交換部よりも大きくしてもよいし、処理液だまり部22の温調に問題がなければ、温調板36を熱交換部よりも小さくしてもよい。温調板36は、本発明における温調部に相当する。
【0053】
一対の温調板36,36の挟持面側には、処理液だまり部22に当接される挟持板36aが取り付けられている。また、挟持板36aの挟持面側とは反対側の表面には、熱電冷却素子としてのペルチェ素子36bが取り付けられている。ペルチェ素子36bは、熱電冷却効果により、挟持板36aを短時間で所定の温度に設定することができる。また、ペルチェ素子36bの挟持板36aとは反対側の表面には、ペルチェ素子36bからの発熱分を除去する冷却水を供給する冷却水循環部材36cが配設されている。冷却水循環部材36cの一端には、内部に冷却水を送り込むための冷却水供給管36Aおよび冷却水を外方に取り出すための冷却水排出管36Bが接続されている。この冷却水供給管36Aおよび冷却水排出管36Bは外部に設けられた冷却水供給装置(図示省略)に接続されている。
【0054】
一対の温調板36,36によりノズル20を挟み込んで保持する際に、図7に示すように、ノズル20の処理液だまり部22の熱交換部(熱伝導部材25)をノズル把持部30の一対の把持アーム31,31で把持して、処理液だまり部22内の処理液を熱交換して温調するようになっている。
【0055】
また、図2に示すように、回転塗布処理装置の所定位置には、ペルチェ素子36b(図5参照)を駆動制御するための制御部88と、この制御部88に電源電圧を供給するための電源部89とが備えられている。処理液だまり部22(図5参照)内の処理液の温度が温度センサ(例えば熱電対)から制御部88に送られるようになっている。制御部88は、処理液が所定の温度に温調されるように温調板36のペルチェ素子36bへの電源電圧の供給を制御する。
【0056】
温調動作時には、ノズル20が収納された状態で、このノズル20の処理液だまり部22を一対の温調板36,36で所定の押圧力で挟み込んで、つまり、処理液だまり部22の各熱伝導部材25(図4,図5参照)と温調板36,36との接触圧を高めて当接させて、処理液だまり部22内の処理液を熱交換して温調する。
【0057】
続いて、垂直移動部40,Y軸水平移動部50,およびX軸水平移動部60について、図1および図2を用いて詳細に説明する。図1,図2に示すように、ノズル把持部30は、このノズル把持部30を鉛直方向(Z軸方向)に移動させる垂直移動部40に取り付けられている。垂直移動部40は、ノズル把持部30を支持する支持部材41と、この支持部材41を昇降移動させる昇降駆動部42とを備えている。
【0058】
また、昇降駆動部42は、ノズル把持部30をY軸方向に移動させるY軸水平移動部50の水平移動部材51に接続されている。水平移動部材51の一端は、Y軸方向に延びる回動ねじ52に係合している。回動ねじ52は駆動モータ(図示省略)により回動される。これにより、回動ねじ52に係合した水平移動部材51がY軸方向に往復移動し、それによって垂直移動部40およびノズル把持部30がY軸方向に往復移動する。
【0059】
さらに、Y軸水平移動部50のスライド板61の一端は、X軸方向に延びるX軸水平移動部60の回動ねじ62に係合している。回動ねじ62は駆動モータ(図示省略)により回動される。回動ねじ62の回動により、スライド板61がガイド63に沿ってX軸方向に往復移動し、それによってY軸水平移動部50、垂直移動部40およびノズル把持部30がX軸方向に往復移動する。
【0060】
図1に示すように、待機部70には、例えば6個の後述する収納ポット71がY軸方向に並設されており、異なる種類の処理液を供給する処理液供給源(図示省略)に処理液配管21を介して接続された6個のノズル20をそれぞれの収納ポット71に収納している。なお、処理液配管21の処理液供給源(図示省略)側には、電磁弁およびポンプ(図示省略)が接続されており、所定量の処理液が処理液配管21を介してノズル20に供給されるようになっている。
【0061】
続いて、収納ポット71について、図8および図9を用いて詳細に説明する。なお、図8は収納ポット71の概略構成を示す概略斜視図である。図9(a)は図1に示した収納ポット71のA−A線断面図であり、図9(b)はノズル20の収納ポット71への収納状態でこのノズル20の突出部23が待機ポット90内に挿入されることを説明するための図である。
【0062】
図8,図9(a)に示すように、収納ポット71は、ノズル20を立設して収納する立設ポット80と、ノズル20の突出部23を溶剤雰囲気中に収納するための待機ポット90とを備えている。収納ポット71は、待機ポット90上に立設ポット80を積み上げた2段構造になっている。
【0063】
まず、立設ポット80について説明する。図8に示すように、立設ポット80は、ノズル20を収納するための立設容器本体81を備えている。立設容器本体81の天部および底部は開口されており、立設容器本体81の天部の開口からノズル20が挿入されるようになっている。
【0064】
続いて、立設ポット80の下側に位置する待機ポット90について説明する。待機ポット90は、ノズル20の突出部23が挿入される挿入孔91を上面側に形成した待機容器本体92を備え、待機中のノズル20の突出部23を溶剤雰囲気中に収納する。待機容器本体92の中央下部には溶剤を保持する溶剤貯留部93が形成され、その上方には溶剤空間94が形成されている。溶剤空間94には、溶剤を供給するための溶剤供給管95が接続されている。また、待機容器本体92におけるノズル20の突出部23の下方位置には、ノズル20から滴下する処理液を外方へ排出するための排出管96が接続されている。
【0065】
なお、ノズル20が収納ポット71から取り出された状態において、待機ポット90の挿入孔91から立設ポット80への溶剤雰囲気の流入を防止するために、この挿入孔91を適宜に閉塞するようにしてもよい。よって、立設ポット80の下側の待機ポット90では、その挿入孔91にノズル20の突出部23が挿入されており、ノズル20の突出部23を溶剤雰囲気中に収納している。
【0066】
次に、この第1実施例の回転式塗布装置の動作について説明する。図1に示すように、待機部70には、異なる種類の処理液を供給する処理液供給源(図示省略)に処理液配管21を介して接続された複数個(第1実施例では6個)のノズル20が収納ポット71に収納された状態で収納され、各ノズル20が待機状態にある。
【0067】
図8に示すように、収納ポット71に収納された各ノズル20は、処理液供給源(図示省略)から処理液配管21を通じて処理液が供給されており、所定量の処理液が処理液だまり部22内に貯められた状態となっている。
【0068】
回転式塗布装置は、予め定められた処理条件に従って基板Wに供給する処理液を選択し、これに対応したノズル20を選択する。ノズル20が選択されると、垂直移動部40、Y軸水平移動部50およびX軸水平移動部60が駆動され、ノズル把持部30が一対の把持アーム31,31を開いた状態でノズル20に接近する。一対の把持アーム31,31が開くことに伴って、それに備えられた一対の温調板36,36も開いた状態でノズル20に接近する。
【0069】
一対の把持アーム31,31の温調板36,36が処理液だまり部22を挟み込むことで、ノズル20を把持して温調を行う。そして、垂直移動部40を駆動させて、把持したノズル20を上方に持ち上げ、Y軸水平移動部50およびX軸水平移動部60を駆動させて、ノズル20を回転処理部10の基板W上の所定位置、例えば基板Wの中央上方の位置に移動する。
【0070】
制御部88は、処理液だまり部22内の処理液の温度を、温調板36に設けられ、例えば熱電対で構成された温度センサ(図示省略)で測定し、この測定結果に応じて温調板36のペルチェ素子36bを駆動し、処理液だまり部22の処理液を所定温度に温調する。温調のタイミングは、上述した移動時に限らず、ノズル20を把持して待機しているときであってもよい。
【0071】
基板W上の所定位置に移動したノズル20は、所定の温度に調整された処理液だまり部22内の処理液を基板Wの表面に吐出する。その後、基板Wが回転され、これによって基板Wの表面に処理液が回転塗布される。処理液の温度は所定の値に調整されているので、不適当な処理液の温度による薄膜の膜厚ばらつきを抑制することができる。
【0072】
上述したように第1実施例の回転式塗布装置によれば、樹脂ブロック24と、熱伝導部材25と、供給口26aと、吐出口26bとを備えることで、ノズル20を構成する。ノズル20の製造方法では、樹脂ブロック24の内部に、当該樹脂ブロック24の表裏面にわたって貫通して開放される処理液流路24aを形成し、樹脂ブロック24の処理液流路24aが開放された表裏面に熱伝導部材25を面接着して流路部の開放面を閉塞し、処理液流路24aに連通し、処理液流路24a内に処理液を供給する供給口26aを形成するとともに、処理液流路24aに連通し、処理液流路24a内を流れる処理液を基板Wに対して吐出する吐出口26bを形成する。
【0073】
かかる製造方法によれば、樹脂ブロック24の表裏面にわたって貫通して開放された処理液流路24aは、図5(d)に示すように、開放された表裏面に熱伝導部材25によって面接着されて開放面が閉塞され、熱伝導部材25によって面接着される表裏面に樹脂ブロック24と熱伝導部材25とが直接的に接触する形態となる。つまり、樹脂ブロック24と熱伝導部材25との間に空気が介在しなくなり、熱交換の効率を改善することができる。また、かかる製造方法、すなわち、2つの熱伝導部材25を樹脂ブロック24が開放された表裏面に面接着するだけでノズル20が構成されるので、簡易な構造でノズル20を実現することができる。
【0074】
また、第1実施例では、樹脂ブロック24と熱伝導部材25との間に薄膜状部材24bを介在させている。この薄膜状部材24bはPFA樹脂であって、このPFA樹脂は耐薬性樹脂である。従って、処理液と熱伝導部材25とが直接接触することにより生じる処理液の汚染(例えば金属汚染)やパーティクル(例えば金属粉)の混入を阻止することができる。その結果、基板Wに対してクリーンな処理液を供給することができる。
【0075】
また、第1実施例では、面接着を熱溶着により行うことで、接着時に各部材間で空気層や微小な隙間等が発生するのを防止しつつ各部材同士を接着することができる。その結果、安定したノズル20を製造することができる。
【0076】
また、第1実施例では、樹脂ブロック24を、介在させた薄膜状部材24bと同一の樹脂であるPFA樹脂で形成することで、樹脂ブロック24と薄膜状部材24bとを熱溶着する際に、熱溶着を容易にかつ確実に行うことができる。その結果、より一層安定したノズル20を製造することができる。
【0077】
また、第1実施例の回転式塗布装置によれば、樹脂ブロック24の処理液流路24aの開放面に面接着される熱伝導部材25が、樹脂ブロック24とともに一対の温調板36,36が挟み込んで温調することで、熱伝導部材25を介して処理液流路24a内の処理液を効果的に温調することができる。そして、吐出口26bを介してノズル20の吐出口23aからは、所望の温度に温調された処理液を吐出して基板Wに供給することで、基板処理を精度良く行うことができる。
【0078】
<第2実施例>
図10,図11を参照して第2実施例について説明する。図10は、本発明の基板処理装置の第2実施例に係るノズル20の外観を示す概略斜視図であり、図11は、第2実施例に係る収納ポット71の概略構成を示す概略斜視図である。
【0079】
なお、上述した第1実施例では、図7に示す温調板36をノズル把持部30の一対の把持アーム31,31にそれぞれ備え、把持アーム31,31でノズル20を挟み込んで移動しながら、または待機しながら温調を行っているが、第2実施例では、図8,図9に示す立設ポット80内に、第1実施例と同じ構造をもつ一対の温調板82,82を設けて、収納ポット71で収納されている間に温調を行う。以下、この第2実施例および後述する第3実施例では、この立設ポット80を「温調ポット80」として説明を行う。また、上述した第1実施例と同じ構成には同じ符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0080】
なお、第2実施例の場合には、収納ポット71で収納されている間に温調を行うので、一対の把持アーム31,31の温調板36,36が処理液だまり部22を挟み込んで、ノズル20を把持しながら温調を行う必要はない。従って、一対の把持アーム31,31は、第1実施例のようにノズル20の処理液だまり部22を把持するのでなく、図10に示すように、ノズル20の基端部、つまり、処理液だまり部22の上方位置に備えられた被把持部27を一対の把持アーム31,31が把持する。ノズル20の被把持部27は、断熱部材で形成されている。ノズル把持部30がノズル20の被把持部27を把持して移動することにより、ノズル20が移動される。
【0081】
第2実施例の温調ポット80は、第1実施例の立設ポット80と相違し、温調する機能を備えている。すなわち、図11に示すように、収納ポット71は、ノズル20の処理液だまり部22を温調するための温調ポット80と、第1実施例と同様の待機ポット90とを備えている。
【0082】
温調ポット80は、ノズル20を収納するための温調容器本体81と、この温調容器本体81内に配設された、ノズル20の処理液だまり部22を挟み込む一対の温調板82,82とを備えている。温調容器本体81の天部および底部は開口されており、温調容器本体81の天部の開口からノズル20が挿入されるようになっている。一対の温調板82,82は、温調動作時には、処理液だまり部22を挟み込むように互いに接近移動し、ノズル20の挿抜時などには、処理液だまり部22の挟み込みを解除するように互いに離反移動するようになっている。温調板82は、第1実施例の温調板36と同じ構造を有している。
【0083】
上述したように、収納ポット71で収納されている間に温調を行うので、一対の把持アーム31,31で把持しながら温調を行う必要はないが、把持中においても温調を行うように、第1実施例と同様に一対の把持アーム31,31にも温調板36をそれぞれ備え、温調板36が処理液だまり部22を挟み込んで温調を行ってもよい。
【0084】
第2実施例に係る回転塗布処理装置によれば、第1実施例と同様に、熱伝導部材25(図4,図5参照)が、樹脂ブロック24とともに一対の温調板82,82が挟み込んで温調することで、熱伝導部材25を介して処理液流路24a内の処理液を効果的に温調することができる。そして、ノズル20の吐出口23aからは、所望の温度に温調された処理液を吐出して基板Wに供給することで、基板処理を精度良く行うことができる。
【0085】
<第3実施例>
図12を参照して第3実施例について説明する。図12は、本発明の基板処理装置の第3実施例に係る回転式塗布装置の概略構成を示す平面図である。
【0086】
なお、上述した第2実施例では、温調ポット80と待機ポット90とを上下2段に構成した6個の収納ポット71を待機部70に設けているが、第3実施例では、待機部70に6個の待機ポット90のみを設け、この待機ポット90とは別の位置に、単一の温調ポット80を設ける。また、上述した第1,第2実施例と同じ構成には同じ符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0087】
この第3実施例の回転式塗布装置では、6個の待機ポット90と、単一の温調ポット80とを分離独立して配置しているところに1つの特徴点がある。
【0088】
次に、この第3実施例の回転式塗布装置の動作について説明する。待機部70には、異なる種類の処理液を供給する処理液供給源(図示省略)に処理液配管21を介して接続された6個のノズル20の突出部23がそれぞれの待機ポット90の挿入孔91に挿入された状態で収納され、各ノズル20が待機状態にある。
【0089】
図12に示すように、待機部70の待機状態にある6個のノズル20の中から選択された1個のノズル20をノズル把持部30で把持して単一の温調ポット80に移動させて収納する。温調ポット80は、収納されたノズル20の処理液だまり部22内の処理液を温調する。温調ポット80による処理液だまり部22内の処理液の温調後、温調ポット80に収納されたノズル20をノズル把持部30で把持して回転処理部10の基板W上の所定位置に移動し、温調された処理液を基板Wに吐出する。温調された処理液を基板Wに吐出した後にノズル20はノズル把持部30で待機部70の対応する待機ポット90に移動され、基板Wは温調された処理液により所定の処理が施される。
【0090】
上述したように第3実施例の回転式塗布装置によれば、待機ポット90にてノズル20の吐出口23aを所定雰囲気中で待機させることができ、これから使用すべきノズル20を待機ポット90から温調ポット80に移動させて収納し、温調ポット80で処理液だまり部22内の処理液を温調することができるので、待機ポット90の数だけ温調ポット80を設ける必要がなく、少なくとも1個の温調ポット80があればよいことから、待機ポット90と同数の温調ポット80を設けることに伴う装置の複雑化が低減できる。
【0091】
なお、本発明は以下のように変形実施することも可能である。
【0092】
(1)上述した各実施例装置では、基板Wが位置固定でノズル20が移動する構成であったが、逆に基板Wが移動する構成であっても本発明を適用可能である。また、ノズル20および基板Wがともに移動する構成であっても本発明を適用可能である。
【0093】
(2)上述した各実施例装置では、待機部70に6個の待機ポット90を備え、ノズル20を6個としているが、1個または6個以外の複数個のノズル20を設けるようにしてもよい。
【0094】
(3)上述した各実施例装置では、図6に示すように、温調板36のペルチェ素子36bからの発熱分を除去するために、冷却水を供給する冷却水循環部材36cをペルチェ素子36bに隣接配設しているが、冷却水を供給する冷却水循環部材36cに替えて、冷却気体を供給する冷却気体循環手段や、冷却フィンなどを備えるようにしてもよい。
【0095】
(4)上述した各実施例装置では、図6に示すように、温調板36を直接にノズル20の温調面(熱伝導部材25)に当接させているが、温調板36とノズル20の温調面とが接触若しくは近接する界面に、熱伝導率の高いゲル状の物質や、磁性流体を介在させ、接触熱抵抗を低減し、熱交換速度を促進するようにしてもよい。
【0096】
(5)上述したノズル20では、樹脂ブロック24は、図4に示すように平板状の直方体であったが、立方体やその他の形状を有する板状部材などの立体的な形状を有するものであれば特に限定されない。
【0097】
(6)上述したノズル20では、樹脂ブロック24内に有する処理液流路24aは、樹脂ブロック24の表裏面にわたって貫通して開放されたが、片面開放であってもよい。この場合には、樹脂ブロック24の1つの側面において開放された処理液流路24aを形成し、処理液流路24aが開放された面に熱伝導部材25が面接着して処理液流路24aの開放面を閉塞すればよい。このとき、熱伝導部材25は、各実施例と違って1つのみとなる。
【0098】
また、樹脂ブロック24の内部に、樹脂ブロック24の左右側面と表面(正面の側面)とにおいて開放された処理液流路24aを形成してもよいし、樹脂ブロック24の右または左のいずれか1つの側面と表面とおいて開放された処理液流路24aを形成してもよい。つまり、樹脂ブロック24の少なくとも1つの側面において開放された処理液流路24aを樹脂ブロック24の内部に形成すればよい。
【0099】
(7)上述した各実施例装置の処理液だまり部22では、図5(a),図5(d)に示すように断面が四角形である処理液流路24aを採用したが、図13に示すように、断面が円形または扁平に加工した楕円形である処理液流路24aを採用してもよい。なお、ノズル20を製造する際に、各実施例のように断面が四角形の処理液流路24aを表裏貫通する方が容易である。
【0100】
(8)上述した各実施例装置では、図5(a)に示すように、処理液流路24aは蛇行形状になっており、蛇行しながら上から下に向かう処理液流路24aを採用しているが、図14に示すように、処理液だまり部22は、処理液を下方位置に導いた後にこの下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方に導いて吐出口から吐出させる処理液流路24aを備えたものとしてもよい。図14に示す場合では、一度、処理液流路24aの下部にまで通路を落とし、そこから上方から処理液を通すような流路とすることで、処理液流路24a内にエアを噛みこむことを確実に防止しつつ安定した処理液の供給が可能となる。
【0101】
(9)上述した各実施例装置および変形例(8)では、処理液だまり部22は蛇行形状となっていたが、図15に示すように、樹脂ブロック24の大部分を表裏貫通して四角形の処理液流路24aを形成してもよい。この場合には、吐出してから次期吐出相当量の処理液を処理液だまり部22に貯留する際に、前の処理液が吐出しきれず混合する場合があるので、好ましくは、図5または図14に示した処理液だまり部22を蛇行形状に形成する。また、供給口に連通する供給口26aおよび吐出口26bは、図5に示した上方位置や下方位置に限定されず、例えば図15に示す位置に各供給口26a,吐出口26bを設けてもよい。また、図16に示すように、供給口26a,吐出口26b自身も樹脂ブロック24を表裏貫通して形成してよい。なお、変形例(6)のように樹脂ブロック24の少なくとも1つの側面において開放された処理液流路24aを形成する場合でも同様に構成すればよい。
【0102】
(10)上述したノズル20では、PFA樹脂製の薄膜状部材24bと同じ樹脂で、樹脂ブロック24を形成したが、同じ樹脂である必要はない。ただ、樹脂ブロック24と薄膜状部材24bとを熱溶着する際に、熱溶着を容易に行うには、同じ樹脂であるのが好ましい。
【0103】
また、樹脂ブロック24と2つの熱伝導部材25との間に介在される薄膜状部材24bはPFA樹脂であったが、PFA樹脂以外のフッ素系樹脂でもよく、また処理液の汚染やパーティクルの混入を阻止する耐薬性樹脂であれば、特に限定されない。また、樹脂ブロック24と2つの熱伝導部材25とを面接着させるのに用いた薄膜状部材24bは、面接着させる目的であればPFA樹脂に代表される耐薬性樹脂に限定されないが、処理液の汚染やパーティクルの混入を阻止する目的であれば、薄膜状部材24bは、耐薬性樹脂であるのが好ましい。また、薄膜状部材24bを必ずしも介在させる必要はない。
【0104】
(11)上述した各実施例では回転式塗布装置を例に採って説明したが、本発明はこのような装置に限定されるものではなく、非回転式塗布装置にも適用可能であるし、基板の処理面に適宜の処理液(例えば、現像液、リンス液等)を吐出して、基板に処理(現像処理、洗浄処理等)を行う種々の基板処理装置に広く適用することができる。
【0105】
(12)上述した各実施例では、ペルチェ素子を用いて温調板を構成していたが、例えばそれに代えて温調水を温調板に引き回すように構成することもできる。
【0106】
(13)また、第3実施例においては、ノズル20の処理液だまり部22を温調ポット80に移動させる構成を採用していたが、逆に、温調ポット80を次に使用するノズル20の処理液だまり部22が待機する場所まで移動して温調を行うようにしてもよい。
【0107】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放された流路部は、開放された面に熱伝導部材によって面接着されて開放面が閉塞され、熱伝導部材によって面接着される面にブロック部材と熱伝導部材とが直接的に接触する形態となる。つまり、ブロック部材と熱伝導部材との間に空気が介在しなくなり、熱交換の効率を改善することができる。また、熱伝導部材をブロック部材が開放された面に面接着するだけで処理液供給ノズルが構成されるので、簡易な構造で処理液供給ノズルを実現することができる。
【0108】
また、ブロック部材の流路部の開放面に面接着される熱伝導部材が、ブロック部材とともに温調部で挟み込んで温調することで、熱伝導部材を介して流路部内の処理液を効果的に温調することができる。そして、処理液供給ノズルの吐出口からは、所望の温度に温調された処理液を吐出して基板に供給することで、基板処理を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板処理装置の第1実施例に係る回転式塗布装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】 図1に示した基板処理装置の側面図である。
【図3】 (a)はノズルの外観を示す概略斜視図であり、(b)はノズルの温調面を示す概略斜視図である。
【図4】 ノズルを構成する樹脂ブロックおよび熱伝導部材の分解斜視図である。
【図5】 図3(b)に示したノズルのB−B線断面図であり、(b)はノズルの側面図であり、(c)はノズルの底面図であり、(d)は(a)に示したノズルのC−C線断面図である。
【図6】 ノズル把持部の概略構成を示す平面図である。
【図7】 図6に示したノズル把持部の把持動作を説明するための図である。
【図8】 収納ポットの概略構成を示す概略斜視図である。
【図9】 (a)は図1に示した収納ポットのA−A線断面図であり、(b)はノズルの収納ポットへの収納状態でこのノズルの突出部が待機ポット内に挿入されることを説明するための図である。
【図10】 本発明の基板処理装置の第2実施例に係るノズルの外観を示す概略斜視図である。
【図11】 第2実施例に係る収納ポットの概略構成を示す概略斜視図である。
【図12】 本発明の基板処理装置の第3実施例に係る回転式塗布装置の概略構成を示す平面図である。
【図13】(a),(b)は変形例に係る処理液だまり部を示す断面図である。
【図14】 さらなる変形例に係る処理液だまり部を示す縦断面図である。
【図15】 さらなる変形例に係るノズルを構成する樹脂ブロックおよび熱伝導部材の分解斜視図である。
【図16】 さらなる変形例に係るノズルを構成する樹脂ブロックおよび熱伝導部材の分解斜視図である。
【図17】 従来のノズルおよび温調板の概略構成を示す概略斜視図である。
【図18】 図17に示したノズルのD−D線断面図であり、(b)はノズルの側面図であり、(c)はノズルの底面図であり、(d)は(a)に示したノズルのE−E線断面図である。
【符号の説明】
20 … ノズル
22 … 処理液だまり
24 … 樹脂ブロック
24a … 処理液流路
24b … 薄膜状部材
25 … 熱伝導部材
26a … 供給口
26b … 吐出口
36 … 温調板
W … 基板
Claims (9)
- 基板に対して処理液を供給する処理液供給ノズルであって、
内部に処理液が流れる流路部を有し、前記流路部が表裏面にわたって貫通して開放されたブロック部材と、
前記ブロック部材の前記流路部が貫通して開放された表裏面に面接着して前記流路部の開放面を閉塞する熱伝導部材と、
前記流路部に連通し、前記流路部内に処理液を供給する供給口と、
前記流路部に連通し、前記流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口と、
を備えることを特徴とする処理液供給ノズル。 - 請求項1に記載の処理液供給ノズルにおいて、
前記流路部は、前記供給口から前記ブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方に導いて吐出口から吐出するよう形成されることを特徴とする処理液供給ノズル。 - 請求項1または請求項2に記載の処理液供給ノズルにおいて、
前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に、耐薬性樹脂を介在させることを特徴とする処理液供給ノズル。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の処理液供給ノズルを用いた基板処理装置であって、
処理液供給ノズルを挟み込んで、ノズル内の処理液を温調する温調部を備えることを特徴とする基板処理装置。 - 基板に対して処理液を供給する処理液供給ノズルの製造方法であって、
ブロック部材の内部に、当該ブロック部材の表裏面にわたって貫通して開放される流路部を形成する流路部形成過程と、
前記ブロック部材の前記流路部が貫通して開放された表裏面に熱伝導部材を面接着して前記流路部の開放面を閉塞する開放面閉塞過程と、
前記流路部に連通し、前記流路部内に処理液を供給する供給口を形成する供給口形成過程と、
前記流路部に連通し、前記流路部内を流れる処理液を基板に対して吐出する吐出口を形成する吐出口形成過程と
を備えることを特徴とする処理液供給ノズルの製造方法。 - 請求項5に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、
前記流路部は、前記供給口から前記ブロック部材内に供給された処理液を下方位置に導き、続いて処理液を下方位置よりも高い上方位置に導いてから再び下方に導いて吐出口から吐出するよう形成されることを特徴とする処理液供給ノズルの製造方法。 - 請求項5または請求項6に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、
前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させ、少なくとも前記ブロック部材と前記耐薬性樹脂とを面接着する樹脂接着過程をさらに備えたことを特徴とする処理液供給ノズルの製造方法。 - 請求項5から請求項7のいずれかに記載の処理液供給ノズルの製造方法において、
前記面接着は熱溶着により行うことを特徴とする処理液供給ノズルの製造方法。 - 請求項8に記載の処理液供給ノズルの製造方法において、
前記ブロック部材と前記熱伝導部材との間に耐薬性樹脂を介在させ、少なくとも前記ブロック部材と前記耐薬性樹脂とを面接着する樹脂接着過程をさらに備え、
前記ブロック部材を、前記樹脂接着過程で接着される樹脂と同一の樹脂で形成することを特徴とする処理液供給ノズルの製造方法。
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