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JP4094725B2 - 染料の結晶、染料の固体微粒子分散物、染料の固体微粒子分散物の製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
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JP4094725B2 - 染料の結晶、染料の固体微粒子分散物、染料の固体微粒子分散物の製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

染料の結晶、染料の固体微粒子分散物、染料の固体微粒子分散物の製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料の結晶、染料の固体微粒子分散物、染料の固体微粒子分散物の製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料において、特定の波長域の光を吸収する必要がある場合は、ハロゲン化銀乳剤層や非感光性層を染料を用いて着色する。
ハロゲン化銀乳剤層に入射する光の分光組成を制御するためには、ハロゲン化銀乳剤層よりも支持体から遠い側に染料を含む非感光性層(着色層)が設けられる。この着色層は、フィルター層と呼ばれる。フィルター層は、複数のハロゲン化銀乳剤層の間に設けられる場合もある。
【0003】
ハロゲン化銀乳剤層を通過した光がハロゲン化銀乳剤層と支持体との界面あるいは写真感光材料のバック側表面で反射されると、再びハロゲン化銀乳剤層中に入射して画像のボケ、すなわちハレーションが生じる。ハレーションを防止するためには、ハロゲン化銀乳剤層と支持体との間あるいは写真感光材料のバック側表面に、染料を含む非感光性層(着色層)が設けられる。この着色層は、ハレーション防止層と呼ばれる。
ハロゲン化銀乳剤層中での光の散乱による画像鮮鋭度の低下、すなわちイラジエーションを防止するためには、ハロゲン化銀乳剤層を染料(イラジエーション防止染料)を用いて着色する。
【0004】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いる染料は、通常、以下のような条件を満足することが要求される。
(1)適正な分光吸収を有すること
(2)写真化学的に不活性であること
(3)写真処理工程で除去または脱色され、形成される画像を着色しないこと
(4)他の層に拡散しないこと
(5)安定性が優れていること
ハロゲン化銀写真感光材料では、特に上記(3)と(4)の要求の両立が難しいとされている。原則として、(3)の要求を満足する除去しやすい染料は他の層に拡散しやすく、(4)の要求を満足する拡散しにくい染料は除去が難しい。
【0005】
以上の問題を解決するため、染料の固体微粒子分散物をハロゲン化銀写真感光材料に使用する方法が提案されている。染料の固体微粒子分散物は、他の層に拡散しにくいため、上記(4)の要求を満足する。そして、染料の分子に、弱いアニオン性基(例、カルボキシル基、スルホンアミド基)を結合させることで、上記(3)の要求を満足することができる。弱いアニオン性基は塗布液(中性)中では解離しないため、染料は塗布液中に溶解せずに固体微粒子分散物として写真感光材料に添加することができる。写真処理液(アルカリ性)中では、弱いアニオン性基が解離するため、染料が写真処理液中に溶解する。
染料の固体微粒子分散物については、特開昭55−155350号、同55−155351号、同56−12639号、同63−27838号、同63−197943号の各公報、欧州特許15601号、同274723号、同276566号、同299435号、米国特許4803150号、WO88/04794号の各明細書に記載がある。
【0006】
染料の固体微粒子分散物は、可能な限り微細な粒子とすることが望ましい。微細な粒子の染料を用いることで、層を均一に着色できる。また、微細な粒子の染料は、写真処理工程における除去も容易である。しかし、従来の染料の固体微粒子分散物で粒子サイズを小さくしようとすると、非常に長時間の分散処理が必要であった。また、従来の染料の固体微粒子分散物では、(染料そのもの、あるいはハロゲン化銀写真感光材料の保存時の)安定性に問題が生じる場合もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−123938号公報に、合成した染料を乾燥せずに(ウェットケーキ状態で)固体微粒子分散物として、ハロゲン化銀写真感光材料に使用する方法が開示されている。このようにして得られた染料の固体微粒子分散物は、微細に分散することが可能であり、安定性も優れている。しかし、ハロゲン化銀写真感光材料の機能を向上させるため、染料の分散性と安定性について、さらに改良する必要がある。
本発明の目的は、分散性と安定性が優れた染料を提供することである。
また、本発明の目的は、安定な染料の固体微粒子が液体中に微細に分散している分散物を提供することでもある。
さらに、本発明の目的は、染料の固体微粒子分散物の製造方法を提供することでもある。
さらにまた、本発明の目的は、他層に拡散せず、安定で、除去が容易な染料を含むハロゲン化銀写真感光材料を提供することでもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、染料の結晶に結晶溶媒を導入することで、分散が容易で安定性も優れた染料が得られることが判明した。
本明細書において、結晶溶媒とは、エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酢酸から選択される結晶溶媒を意味する。
本発明の目的は、下記(1)〜(5)の染料の結晶、下記(6)の染料の固体微粒子分散物、下記(7)〜(11)の染料の固体微粒子分散物の製造方法および下記(12)、(13)のハロゲン化銀写真感光材料により達成された。
【0009】
(1)エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酢酸から選択される結晶溶媒を含むことを特徴とする下記一般式(I)または(II)で表される染料の結晶。
一般式(I) A=Lo−Ar
一般式(II) A=Lo−Ae
式中、Aは、ヘテロ環骨格が下記一般式(A−VII)、(A−XVIII)または(A−XXIII)で表されるケト型酸性核を表し、Loはメチン数が1、3または5のメチン鎖を表し、一般式(I)においてはLoはさらに=N−を表し、Arはアリール基を表し、Aeはヘテロ環骨格が下記一般式(Ae−I)または(Ae−IX)で表されるエノール型酸性核を表す。
【0010】
【化3】
Figure 0004094725
【0011】
ここで、Xは−CR−、−NR−、−S−または−SO−を表し、Yは=NR、=Oまたは=Sを表し、Zは=CR−または=N−を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基またはスルホ基を表わす。
【0012】
(2)前記結晶溶媒が、前記染料1分子当たり1乃至20分子含まれていることを特徴とする(1)に記載の染料の結晶。
(3)前記染料が、前記一般式(I)で表されることを特徴とする(1)または(2)に記載の染料の結晶
(4)前記Arが、アルキルアミノ基で置換されたフェニル基であることを特徴とする(3)に記載の染料の結晶
(5)前記Arが、アルキルアミノ基およびアルキル基で置換されたフェニル基であることを特徴とする(3)に記載の染料の結晶
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の、結晶溶媒を含む染料の結晶を機械的に粉砕し、固体微粒子の状態で結晶溶媒またはそれと異なる液体中に分散していることを特徴とする染料の固体微粒子分散物
【0013】
(7)エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酢酸から選択される結晶溶媒を含む下記一般式(I)または(II)で表される染料の結晶を機械的に粉砕し、固体微粒子の分散物とすることを特徴とする染料の固体微粒子分散物の製造方法。
一般式(I) A=Lo−Ar
一般式(II) A=Lo−Ae
式中、Aは、ヘテロ環骨格が下記一般式(A−VII)、(A−XVIII)または(A−XXIII)で表されるケト型酸性核を表し、Loはメチン数が1、3または5のメチン鎖を表し、一般式(I)においてはLoはさらに=N−を表し、Arはアリール基を表し、Aeはヘテロ環骨格が前記一般式(Ae−I)または(Ae−IX)で表されるエノール型酸性核を表す。
【0014】
(8)前記結晶溶媒が、前記染料1分子当たり1乃至20分子含まれていることを特徴とする(7)に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法
(9)前記染料が、前記一般式(I)で表されることを特徴とする(7)または(8)に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法
(10)前記Arが、アルキルアミノ基で置換されたフェニル基であることを特徴とする(9)に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
(11)前記Arが、アルキルアミノ基およびアルキル基で置換されたフェニル基であることを特徴とする(9)に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
(12)(7)〜(11)のいずれかに記載の製造方法で製造された染料の固体微粒子分散物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
(13)前記ハロゲン化銀写真感光材料が、支持体、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層を有し、かつハロゲン化銀乳剤層または非感光性層が、前記染料の固体微粒子分散物を含有することを特徴とする(12)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】
【発明の効果】
本発明者の研究の結果、染料の結晶に結晶溶媒を導入することに成功した。得られた結晶を本発明者が調べたところ、結晶溶媒が存在することで、結晶間の格子間距離が長くなっている。そのため、結晶格子間の結合力が通常の結晶よりも弱くなっている。この結晶を機械的に分散すると非常に微細な染料の固体微粒子分散物を得ることができる。
微細に分散された染料の固体微粒子分散物を用いることで、対象(例えば、ハロゲン化銀写真感光材料の層)を均一に着色できる。また、微細な粒子の染料の固体微粒子分散物は、適当な溶媒(例えば、写真処理液)中に溶解させることも容易である。
【0016】
結晶溶媒を含む染料の結晶は、以上のように機械的な強度は弱いが、化学的には非常に安定な状態である。そのため、染料の結晶は、保存時あるいは使用時(例えば、ハロゲン化銀写真感光材料中)における安定性も優れている。
以上のような結晶溶媒を含む染料の結晶の効果は、ハロゲン化銀写真感光材料に染料を用いる場合において特に有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】
[染料]
染料には、メチン化合物、アゾメチン化合物、トリフェニルメタン化合物、アゾ化合物やアントラキノン化合物が含まれる。本発明は、染料がメチン化合物またはアゾメチン化合物である場合に特に有効である。
本発明の染料(結晶溶媒を除いた構造)は、下記式(I)で表されるアリーリデン化合物(ヘテロアリーリデン化合物およびアゾメチン化合物が含まれる)または下記式(II)で表されるオキソノール化合物である。
【0018】
一般式(I) A=Lo−Ar
一般式( II ) A=Lo−Ae
【0019】
式中、Aは、ヘテロ環骨格が一般式(A− VII )、(A− XVIII )または(A− XXIII )で表されるケト型酸性核を表し、Loはメチン数が1、3または5のメチン鎖を表し、一般式(I)においては、Loはさらに=N−を表し、Arはアリール基を表し、Aeはヘテロ環骨格が下記一般式(Ae−I)または(Ae− IX )で表されるエノール型酸性核を表す。
【0020】
【化4】
Figure 0004094725
【0021】
ここで、Xは−CR−、−NR−、−S−または−SO−を表し、Yは=NR、=Oまたは=Sを表し、Zは=CR−または=N−を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基またはスルホ基を表わす。
【0022】
最初にAにおける一般式(A−V II )、(A− XVIII )および(A− XXIII )の各基を説明する。
【0023】
上記各式において、Xは−CR2 −、−NR−、−O−、−S−または−SO2 −であり、Yは=NR、=Oまたは=Sであり、Zは=CR−または=N−であり、そしてRは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ、ニトロまたはスルホ基を表わす。アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基およびアルコキシカルボニルアミノ基は、さらに置換基(上記Rと同じ定義)を有していてもよい。環状酸性核(A−VII、A−XVIII、A−XXIII)の環状部分は、さらに置換基(上記Rと同じ定義)を有していてもよい。式中にX、Y、ZまたはRが複数存在する場合、それらは互いに異なっていてもよい。
【0024】
ハロゲン原子の例には、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が含まれる。
アルキル基は、環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましい。鎖状アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、2−ヒドロキシエチルおよび4−カルボキシブチルが含まれる。
アルケニル基は、環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましい。鎖状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基は、二以上の二重結合を有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニルおよび1,3−ブタジエニルが含まれる。
アリール基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アリール基の(置換アリール基を含む)例には、フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニルおよび4−ブタンスルホンアミドフェニルが含まれる。
複素環基の複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。複素環には、他の複素環、芳香族環あるいは脂肪族環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子の例には、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が含まれる。飽和複素環よりも不飽和複素環の方が好ましい。複素環の(置換複素環基および縮合複素環基を含む)例には、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、フラン環、チオフェン環、スルホラン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環およびクマリン環が含まれる。
【0025】
アルコキシ基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシおよびブトキシが含まれる。
アルケニルオキシ基のアルケニル部分、アリールオキシ基のアリール部分および複素環オキシ基の複素環部分は、それぞれ、上記アルケニル基、アリール基および複素環基と同様である。
置換アミノ基の置換基も、上記アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基と同様である。置換アミノ基の炭素原子数は1乃至6であることが好ましい。置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびカルボキシエチルアミノが含まれる。
アルコキシカルボニル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルが含まれる。
アシル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至7であることがさらい好ましい。アシル基の例には、アセチル、ベンゾイルおよびプロパノイルが含まれる。
アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。アミド基の例には、アセトアミドおよびベンズアミドが含まれる。
カルバモイル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。カルバモイル基の例には、カルバモイル、メチルカルバモイルおよびエチルカルバモイルが含まれる。
【0026】
スルファモイル基の炭素原子数は、0乃至10であることが好ましく、0乃至6であることがさらに好ましい。スルファモイル基の例には、スルファモイル、メチルスルファモイル、ブチルスルファモイルおよびフェニルスルファモイルが含まれる。
スルホニル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至7であることがさらに好ましい。スルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびベンゼンスルホニルが含まれる。
スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミドおよびブタンスルホンアミドが含まれる。
スルホニルカルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至7であることがさらに好ましい。スルホニルカルバモイル基の例には、メタンスルホニルカルバモイルおよびプロパンスルホニルカルバモイルが含まれる。
アシルスルファモイル基の炭素原子数は2乃至10であることが好ましく、2乃至7であることがさらに好ましい。アシルスルファモイル基の例には、アセチルスルファモイルおよびプロピオニルスルファモイルが含まれる。
ウレイド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。ウレイド基の例には、ウレイドおよびメチルウレイドが含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は2乃至12であることが好ましく、2乃至7であることがさらに好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0027】
染料の結晶をハロゲン化銀写真感光材料に用いる場合、ケト型酸性核は、弱いアニオン性基を含むことが好ましい。弱いアニオン性基とは、塗布液(pH5乃至7のほぼ中性)中ではプロトンを解離せず、写真処理液(pH8以上のアルカリ性)中ではプロトンを解離する基を意味する。弱いアニオン性基には、カルボキシル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基およびアシルスルファモイル基が含まれる。これらの基は、前記各式のR、それらの置換基または環状酸性核の環状部分の置換基として、ケト型酸性核に導入する。ケト型酸性核は、弱いアニオン性基を1乃至3個有することがさらに好ましい。一方、染料の結晶を固体微粒子分散物として用いる場合、ケト型酸性核は、強いアニオン性基(例、スルホ)を含まないことが好ましい。
ケト型酸性核は、環状酸性核(前記一般式A−VII、A−XVIII、A−XXIIIのうち、ピラゾロン環(前記一般式A−VIIにおいて、Xが−NR−、Xに隣接するZが−N=、他方のZが=CR−)、バルビツール酸環(前記一般式A−XVIIにおいて、二つのXがいずれも−NR−、YがO=)、ジヒドロキシピリジン環(前記一般式A−XVIIIにおいて、Xが−NR−、Zが−CR=)またはピラゾロピリドン環( 記一般式A−XXIIIにおいて、二つのXがいずれも−NR−)を有する酸性核であることがさらに好ましく、ジヒドロキシピリジン環またはピラゾロピリドン環を有する酸性核であることが最も好ましい。
ケト型酸性核の具体例を以下に示す。
【0028】
【化5】
Figure 0004094725
【0029】
【化6】
Figure 0004094725
【0030】
【化7】
Figure 0004094725
【0031】
【化8】
Figure 0004094725
【0032】
【化9】
Figure 0004094725
【0033】
【化10】
Figure 0004094725
【0034】
【化11】
Figure 0004094725
【0035】
【化12】
Figure 0004094725
【0036】
【化13】
Figure 0004094725
【0037】
【化14】
Figure 0004094725
【0038】
【化15】
Figure 0004094725
【0039】
【化16】
Figure 0004094725
【0040】
【化17】
Figure 0004094725
【0041】
【化18】
Figure 0004094725
【0042】
【化19】
Figure 0004094725
【0043】
【化20】
Figure 0004094725
【0044】
【化21】
Figure 0004094725
【0045】
【化22】
Figure 0004094725
【0046】
【化23】
Figure 0004094725
【0047】
【化24】
Figure 0004094725
【0048】
【化25】
Figure 0004094725
【0049】
【化26】
Figure 0004094725
【0050】
【化27】
Figure 0004094725
【0051】
【化28】
Figure 0004094725
【0052】
【化29】
Figure 0004094725
【0053】
【化30】
Figure 0004094725
【0054】
一般式(I)において、Arはアリール基を表す。アリール基の好ましい基本骨格は、下記一般式(Ar−I)で表される。
【0055】
【化31】
Figure 0004094725
【0056】
上記フェニル環は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の例には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基およびスルホ基が含まれる。アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基およびアルコキシカルボニルアミノ基は、さらに置換基を有していてもよい。なお、置換基が複数存在する場合、複数の置換基は互いに異なっていてもよい。
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基およびアルコキシカルボニルアミノ基の定義および例は、前述したケト型酸性核(A)におけるRの定義および例と同様である。
染料の結晶をハロゲン化銀写真感光材料に用いる場合、芳香族核は、弱いアニオン性基を含むことが好ましい。弱いアニオン性基とは、塗布液(pH5乃至7のほぼ中性)中ではプロトンを解離せず、写真処理液(pH8以上のアルカリ性)中ではプロトンを解離する基を意味する。弱いアニオン性基には、カルボキシル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基およびアシルスルファモイル基が含まれる。これらの基は、環状部分の置換基として、芳香族核に導入する。芳香族核は、弱いアニオン性基を1乃至3個有することがさらに好ましい。一方、染料の結晶を固体微粒子分散物として用いる場合、芳香族核は、強いアニオン性基(例、スルホ)を含まないことが好ましい。
芳香族核は、フェニル基(前記式Ar−I)であることが特に好ましい
【0057】
【化32】
Figure 0004094725
【0058】
次に、一般式( II )におけるAeを説明する。
上記各式において、Xは−CR2 −、−NR−、−O−、−S−または−SO2を表し、Yは=NR、=Oまたは=Sであり、Zは=CR−または=N−を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ、ニトロまたはスルホである。アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基およびアルコキシカルボニルアミノ基は、さらに置換基(上記Rと同じ定義)を有していてもよい。各式の環状部分は、さらに置換基(上記Rと同じ定義)を有していてもよい。式中にX、ZまたはRが複数存在する場合、それらは互いに異なっていてもよい。
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基およびアルコキシカルボニルアミノ基の定義および例は、前述したケト型酸性核(A)におけるRの定義および例と同様である。
【0059】
染料の結晶をハロゲン化銀写真感光材料に用いる場合、エノール型酸性基核は、弱いアニオン性基を含むことが好ましい。弱いアニオン性基とは、塗布液(pH5乃至7のほぼ中性)中ではプロトンを解離せず、写真処理液(pH8以上のアルカリ性)中ではプロトンを解離する基を意味する。弱いアニオン性基には、カルボキシル、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基およびアシルスルファモイル基が含まれる。これらの基は、前記各式のR、それらの置換基または環状酸性核の環状部分の置換基として、エノール型酸性核に導入する。なお、エノール型酸性核のエノール型ヒドロキシ基も、弱いアニオン性基として機能する。エノール型酸性核は、エノール型ヒドロキシ基に加えて、他の弱いアニオン性基を1乃至3個有することがさらに好ましい。一方、染料の結晶を固体微粒子分散物として用いる場合、エノール型酸性核は、強いアニオン性基(例、スルホ)を含まないことが好ましい。
エノール型酸性核は、ピラゾロン環(一般式Ae−Iにおいて、Xが−NR−、Xに隣接するZが−N=、他方のZが=CR−)、バルビツール酸環(一般式Ae−IXにおいて、二つのXがいずれも−NR−、YがO=)を有する酸性核であることがさらに好ましく、ジヒドロキシピリジン環またはピラゾロピリドン環を有する酸性核であることが最も好ましい。エノール型酸性核の具体例を以下に示す。
【0060】
エノール型酸性核の具体例を以下に示す。
【0061】
【化33】
Figure 0004094725
【0062】
【化34】
Figure 0004094725
【0063】
【化35】
Figure 0004094725
【0064】
【化36】
Figure 0004094725
【0065】
【化37】
Figure 0004094725
【0066】
【化38】
Figure 0004094725
【0067】
【化39】
Figure 0004094725
【0068】
【化40】
Figure 0004094725
【0069】
【化41】
Figure 0004094725
【0070】
【化42】
Figure 0004094725
【0071】
【化43】
Figure 0004094725
【0072】
【化44】
Figure 0004094725
【0073】
一般式(I)において、Loは、メチン数が1、3または5のメチン鎖またはアゾメチン鎖(=N−)である。
一般式(II)において、Loは、メチン数が1、3または5のメチン鎖である。
メチン鎖は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素原子数が1乃至6個のアルキル基(例、メチル、エチル)が好ましい。二以上のメチン鎖の置換基が結合して、不飽和脂肪族環(例、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、イソホロン環)を形成してもよい。メチン鎖が一つの置換基を有する場合、一つの置換基は、メチン鎖の中央(メソ位)のメチンに結合することが好ましい。
メチン鎖およびアゾメチン鎖の具体例を以下に示す。
【0074】
【化45】
Figure 0004094725
【0075】
【化46】
Figure 0004094725
【0076】
アリーリデン化合物およびオキソノール化合物は、以上述べたケト型酸性核、芳香族核、エノール型酸性核、メチン鎖およびアゾメチン鎖を任意に組み合わせた化合物が使用できる。ただし、オキソノール化合物の場合は、ケト型酸性核(A)とエノール型酸性核(Ae)とが、対応する化学構造を有することが、合成の都合で好ましい。前記の具体例では、ケト型酸性核(A)とエノール型酸性核(Ae)とを対応する番号で示した。すなわち、A−1とAe−1との組み合わせは、対応関係にあるケト型酸性核とエノール型酸性核との組み合わせになる。
染料は公知の方法で合成できる。例えば、アリーリデン化合物とオキソノール化合物の場合、酸性核あるいは芳香族核に相当する化合物とメチン源(例、オルトギ酸エチル、ジフェニルアミジン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、マロンアルデヒドジアニル、グルタコンアルデヒドジアニル)あるいはホルミル体との反応により合成できる。また、アゾメチン化合物の場合、酸性核とニトロソ体(例、N,N−ジメチルニトロソアニリン)との縮合反応により合成できる。これら合成反応における反応温度は、0乃至200℃であることが好ましく、20乃至120℃であることがさらに好ましい。反応時間は、5分乃至48時間であることが好ましく、10分乃至5時間であることがさらに好ましい。なお、可能ならば、染料の合成反応の溶媒として、結晶溶媒(後述)を使用すると、染料の合成と結晶の形成とを連続して実施できるため都合がよい。
【0077】
[結晶]
本発明において、染料の結晶(結晶状態の染料)は、エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酢酸から選択される結晶溶媒を含むことを特徴とする。結晶中の染料と本発明の上記結晶溶媒の比率(モル比)は、原則として整数比になる。染料の結晶には、染料1分子当たり結晶溶媒が1乃至20分子含まれていることが好ましく、1乃至15分子含まれていることがより好ましく、1乃至10分子含まれていることがさらに好ましく、1、2、3、4または5分子含まれていることが最も好ましい
【0079】
晶中に二種類以上の結晶溶媒が含まれていてもよい。なお、アゾメチン染料の結晶に、ジメチルホルムアミドを結晶溶媒として導入することは難しい。しかし、染料の種類に応じて、適切な結晶溶媒を選択すれば、ほとんど全ての染料の結晶に、結晶溶媒を導入することが可能である。染料と結晶溶媒との組み合わせについては、以下に結晶溶媒を含む染料の結晶の具体例として示す。Aはケト型酸性核、Loはメチン鎖またはアゾメチン鎖、Arはアリール基の芳香族核、そしてAeはエノール型酸性核であって、それぞれ前述した具体例の番号に対応する。以下のジメチルアセトアミドは、N,N−ジメチルアセトアミドを意味する。
【0080】
I−1
(A−01)=(Lo−1)−(Ar−01)・エチレングリコール
I−2
(A−37)=(Lo−1)−(Ar−01)・2メタノール
I−3
(A−38)=(Lo−1)−(Ar−02)・3エタノール
I−4
(A−39)=(Lo−3)−(Ar−01)・ジメチルアセトアミド
I−5
(A−40)=(Lo−1)−(Ar−03)・2ジメチルアセトアミド
I−6
(A−41)=(Lo−1)−(Ar−04)・2メタノール・1
−12
(A−23)=(Lo−3)−(Ar−08)・3ジメチルアセトアミド・メタノー
【0081】
−37
(A−56)=(Lo−2)−(Ar−01)・2ジメチルアセトアミ
−39
(A−57)=(Lo−2)−(Ar−23)・2ジメチルアセトアミ
−45
(A−62)=(Lo−1)−(Ar−05)・2ブタノール
I−46
(A−63)=(Lo−1)−(Ar−24)・3メタノール・水
I−47
(A−64)=(Lo−1)−(Ar−04)・エチレングリコー
−49
(A−56)=(Lo−3)−(Ar−01)・3メタノー
−51
(A−67)=(Lo−3)−(Ar−27)・3メタノール・水
I−52
(A−68)=(Lo−3)−(Ar−24)・2ジメチルアセトアミド
【0082】
II−1
(A−01)=(Lo−5)−(Ae−01)・2メタノー
II−3
(A−02)=(Lo−5)−(Ae−02)・メタノー
II−5
(A−04)=(Lo−5)−(Ae−04)・エタノール
II−6
(A−05)=(Lo−5)−(Ae−05)・ジメチルアセトアミ
II−8
(A−07)=(Lo−5)−(Ae−07)・3ジメチルアセトアミド
II−9
(A−08)=(Lo−5)−(Ae−08)・3メタノール
II−10
(A−09)=(Lo−5)−(Ae−09)・5メタノール
【0083】
II−11
(A−10)=(Lo−5)−(Ae−10)・3ジメチルアセトアミ
II−13
(A−12)=(Lo−3)−(Ae−02)・メタノール
II−14
(A−13)=(Lo−1)−(Ae−13)・2酢酸
II−15
(A−01)=(Lo−1)−(Ae−01)・酢
II−18
(A−16)=(Lo−5)−(Ae−16)・メタノール
II−19
(A−01)=(Lo−3)−(Ae−01)・メタノール・水
II−20
(A−17)=(Lo−5)−(Ae−17)・2メタノール・水
【0084】
II−23
(A−20)=(Lo−5)−(Ae−20)・ジメチルアセトアミ
II−26
(A−23)=(Lo−5)−(Ae−23)・メタノール
II−27
(A−24)=(Lo−5)−(Ae−24)・メタノー
II−30
(A−03)=(Lo−3)−(Ae−31)・3メタノール
II−37
(A−33)=(Lo−5)−(Ae−33)・3メタノール・
【0085】
結晶溶媒を染料の結晶に導入するためには、染料を結晶溶媒に溶解し、次に染料を溶媒から析出させればよい。なお、この「溶解」とは、染料が一時的あるいは部分的に溶媒中に溶解すればよい。すなわち、染料が溶解してから直ちに析出してもよいし、染料の一部が溶解して順次析出してもよい。通常は、染料の(結晶溶媒を含まない)結晶の粉末またはウェットケーキを結晶溶媒中で攪拌すれば、染料の溶解と結晶の析出とが連続して進行する。攪拌温度は、0乃至200℃であることが好ましく、20乃至120℃であることがさらに好ましく、25乃至100℃であることが最も好ましい。攪拌時間は、5分乃至20時間であることが好ましく、30分乃至6時間であることがさらに好ましい。
なお、染料の合成反応に使用する溶媒を、結晶溶媒として結晶中に導入すれば、染料の合成と結晶の形成とを連続して実施できる。
染料の結晶に結晶溶媒が導入されたかどうかは、NMR、粉末X線結晶回析や熱分析測定により確認できる。
得られた結晶は、分散状態またはウェットケーキ状態で保存することが好ましい。分散状態とは、結晶溶媒を含む染料の結晶が、固体微粒子の状態で結晶溶媒またはそれと異なる液体中に分散している固体微粒子分散物を意味する。ウェットケーキ状態とは、結晶の乾燥を防止するため、結晶とそれを湿す程度の量の溶媒(好ましくは結晶溶媒と同じ溶媒)とを共存させた状態を意味する。結晶の分散物は、親水性コロイド(例、ゼラチン)を用いて、ゼリー状態で保存することもできる。保存のため、防腐剤を使用してもよい。
前述したように、本発明の染料の結晶には、保存中の化学的な安定性が優れているとの効果がある。
【0086】
[用途]
染料の結晶は、溶液または分散物として、様々な用途に用いられる。本発明の染料の結晶は、固体微粒子分散物として使用すると、特に効果がある。
前記のように調製した染料の結晶の分散物は、そのまま固体微粒子分散物として使用できる。ただし、染料の結晶を機械的に粉砕することで、非常に微細な固体微粒子の分散物を得ることができる。前述したように、本発明の結晶は、結晶溶媒を導入したことで結晶の格子間距離が広がっているため、微細に粉砕することが容易である。
染料の結晶の粉砕は、公知の分散装置(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル)を用いて機械的に実施できる。
固体微粒子分散物の調製に使用する溶媒は、結晶溶媒と同じ溶媒または他の液体を用いる。他の液体も、前述した結晶溶媒として用いられる化合物から選択することが好ましい。分散剤として、界面活性剤またはポリマーを使用してもよい。アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤のいずれも使用できる。市販の界面活性剤(例、花王(株)製のデモールN、デモールSNB、デモールEP)を用いてもよい。分散剤は一般に、染料の結晶の粉砕前または粉砕中に、染料に添加する。ただし、固体微粒子分散物の分散状態の安定化のため、結晶の粉砕後(固体微粒子分散物の調製後)に、分散物に分散剤を添加してもよい。結晶の粉砕において、適当なpH調整剤を用いて、pHを調整してもよい。
染料の結晶を適当な溶媒(例えば、アルカリ水溶液や有機溶媒)中に溶解し、溶液のpHを低下さることで染料の固体微粒子を析出(酸析)させてもよい。
染料の固体微粒子の平均粒子径は、0.005乃至10μmであることが好ましく、0.01乃至3μmであることがさらに好ましく、0.05乃至0.5μmであることが最も好ましい。
得られた染料の固体微粒子分散物を、粉末状態、分散状態あるいはウェットケーキ状態で保存してもよい。保存方法は、前述した染料の結晶の保存方法と同様である。
【0087】
本発明の染料の結晶は、インクジェット記録方式のインクの調製のため使用できる。染料の結晶を適当な溶媒に溶解した溶液または上記の固体微粒子分散物を、インクジェット記録方式のインクとして用いることができる。固体微粒子分散物をインクとして用いることが好ましい。
インクジェット記録方式のインクは、染料型(染料の溶液を使用)と顔料型(顔料の固体微粒子分散物を使用)に分類されている。顔料型のインクは、染料型のインクと比較して、色相が良好であり、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性が優れており、毒性が低いとの多くの長所がある。しかし、インクジェットのノズルが、顔料の粒子により詰まりやすいとの問題がある。すなわち、顔料型のインクでは、ノズルを細くして画像の解像度を向上させることが難しい。
本発明の染料の結晶は、微細に粉砕することが容易であるため、非常に微細な固体微粒子の分散物を得ることができる。この分散物は、染料型インクと顔料型インクの双方の長所を有する優れたインクジェット記録方式のインクとして用いることができる。
インクジェット記録方式は、ピエゾ素子により圧力でインクをノズルから放出する方式、熱によりインク中に気泡を発生させてインクをノズルから放出する方式および静電力によりインクをノズルから放出する方式に分類できる。本発明の染料の結晶は、いずれの方式のインクにも有効に使用できる。
インクに含まれる染料の割合は、1乃至30重量%であることが好ましく、1乃至15重量%であることがさらに好ましく、1乃至5重量%であることが最も好ましい。
【0088】
本発明の染料の結晶は、ハロゲン化銀写真感光材料に使用すると、特に顕著な効果が得られる。
染料の結晶をハロゲン化銀写真感光材料に使用する場合は、溶液よりも固体微粒子分散物の状態で、ハロゲン化銀乳剤層または非感光性層に添加することが好ましい。フィルター染料またはハレーション防止染料(クロスオーバー光カット染料を含む)は、非感光性層に添加する。イラジエーション防止染料は、ハロゲン化銀乳剤層に添加する。染料の結晶を、ハロゲン化銀乳剤層とは反対側の非感光性層(バック層)に添加してもよい。二以上の層に染料の結晶を添加することもできる。
ハロゲン化銀写真感光材料には、印刷用感光材料、マイクロフイルム用感光材料、医療用Xレイ感光材料、工業用Xレイ感光材料、黒白ネガ感光材料、黒白リバーサル感光材料、黒白印画紙、カラーネガ感光材料、カラーリバーサル感光材料、カラー印画紙、黒白熱現像感光材料およびカラー熱現像感光材料が含まれる。カラーネガ感光材料については、特開平8−190164号公報(特に実施例1)に記載がある。カラー印画紙については、特開平7−301895号公報(特に実施例1の試料104)に記載がある。医療用Xレイ感光材料については、特開平8−211522号公報(特に実施例1)に記載がある。黒白印画紙については、特開昭63−141024号公報(特に実施例1)に記載がある。黒白ネガ感光材料については、特開平1−217451号公報(特に実施例1)に記載がある。熱現像感光材料については、米国特許5491059号、同5496695号(特に実施例1)の各明細書に記載がある。
ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤層および非感光性層は、一般に親水性コロイドを含む層である。親水性コロイドとしては、通常はゼラチンが用いられる。
【0089】
二種類以上の染料の結晶を、ハロゲン化銀乳剤層または非感光性層に添加してもよい。染料の使用量は、写真感光材料が必要とする必要する吸光度と染料(その固体微粒子分散物の)の吸光係数との関係で決定する。一般に、染料の固形分として、0.001乃至5g/m2の範囲の塗布量であることが好ましく、0.005乃至2g/m2 の範囲であることがさらに好ましく、0.005乃至1g/m2の範囲であることが最も好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層に用いるハロゲン化銀粒子の結晶形状、サイズおよびハロゲン組成について特に制限はない。
平板状ハロゲン化銀粒子を用いてもよい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合、ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面積の合計に対する、アスペクト比が2以上30以下の平板状粒子の投影面積の和の割合が、50乃至100%であることが好ましく、80乃至100%であることがさらに好ましい。ハロゲン化銀乳剤層に含まれる平板状ハロゲン化銀粒子のアスペクト比の平均は3乃至20であることが好ましい。アスペクト比の平均は、平板状粒子の投影面積円相当直径の平均を、平板状粒子の厚みの平均で割った値である。
平板状ハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀あるいはヨウ臭化銀のいずれのハロゲン組成を有していてもよい。臭化銀、平均ヨウ化銀含有率が0.5モル%以下のヨウ臭化銀、平均塩化銀含有率が50モル%以上の塩臭化銀および塩化銀が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子は、公知の方法で調製できる。単分散六角平板状粒子(特開昭63−151618号公報記載)および厚み平均が0.1μm以下である平板状粒子(特開昭62−115435号、特開平6−43605号、同6−43606号の各公報記載)が特に好ましい。
【0090】
本発明の染料の結晶は、非常に微細な固体微粒子の状態でハロゲン化銀乳剤層または非感光性層に添加できるため、写真処理液中に容易に溶解させることができる。
写真処理液には、現像液、定着液や漂白液が含まれる。現像液に含まれる現像主薬の例には、ポリヒドロキシベンゼン類(例、ハイドロキノン)、アスコルビン酸、エリソルビン酸およびこれらのアルカリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カリウム)塩であることが好ましい。現像液や定着液は、ハロゲン化銀写真感光材料1平米当たり、25乃至200mlの補充することが好ましい。補充量は、40乃至160mlであることがさらにこのましく、60乃至130mlであることが最も好ましい。
ハロゲン化銀写真感光材料の処理時間は、Dry to Dryで、20乃至100秒であることが好ましく、25乃至50秒であることがさらに好ましい。
【0091】
【実施例】
[実施例1]
(アリーリデン染料Aの合成)
下記の化合物(a)15gおよび下記の化合物(b)10gを、酢酸60mlと無水酢酸60mlとの混合溶媒に添加し、100℃で2時間反応させた。析出した染料を濾取した。染料をアセトン100mlおよび水100mlで洗浄して、下記のアリーリデン染料(A)を得た。染料は、水ウェットケーキ状であるが、結晶中には、水は含まれていない。
【0092】
【化47】
Figure 0004094725
【0093】
【化48】
Figure 0004094725
【0094】
(染料の結晶I−6の調製)
上記のアリーリデン染料(A)10gに、メタノール150mlおよび水50mlを加え、70℃で3時間攪拌した。攪拌終了後、30℃以下に冷却して濾過した。濾過物を水で洗浄し、水ウェットケーキ状の染料の結晶(I−6)20gを得た。ウェットケーキ中の染料含量は、46.6重量%であった。なお、この染料含量は、染料を170℃で1時間乾燥し、結晶溶媒を完全に消失させて測定した。
【0095】
【化49】
Figure 0004094725
【0096】
染料の結晶(I−6)のウェットケーキの一部を採取し、シャーレ上に薄く広げ、50℃で3時間乾燥した。乾燥した結晶を1 H−NMRで測定した。測定結果を図1に示す。図1の3.18ppm付近のピーク(Integral:6.0862)から、2分子のメタノールが確認できた。
結晶をさらに、100℃で3時間乾燥し、乾燥した結晶を1 H−NMRで測定したところ、1分子のメタノールが確認できた。
結晶をさらに、150℃で3時間乾燥し、乾燥した結晶を1 H−NMRで測定した。測定結果を図2に示す。図2に示される結果から、結晶溶媒(メタノール)がなくなり、アリーリデン染料(A)の結晶の状態に戻ることを確認した。
また、染料の結晶(I−6)のウェットケーキの一部を採取し、カールフィーシャー滴定法で調べたところ、1分子の水が確認できた。
さらに、染料の結晶(I−6)を加熱したところ、165℃に吸熱ピークが認められた。
次に、染料の結晶(I−6)の粉末を、粉末X線結晶回析法で測定した。測定結果を図3に示す。さらに、アリーリデン染料(A)の結晶の粉末を、粉末X線結晶回析法で測定した。測定結果を図4に示す。図3および図4に示される結果から、染料の結晶(I−6)と原染料(A)の結晶では、全く同一ピークがなく、結晶型が変化していることが確認された。
【0097】
[実施例2]
(染料の結晶I−37の調製)
下記の化合物(c)10gと下記の化合物(d)8gとを、N,N−ジメチルアセトアミド溶液中で反応させた。2時間後、析出した結晶を濾別し、N,N−ジメチルアセトアミドで洗浄し、N,N−ジメチルアセトアミドウェットケーキ状の染料の結晶(I−37)20gを得た。ウェットケーキ中の染料含量は、45.8重量%であった。
【0098】
【化50】
Figure 0004094725
【0099】
【化51】
Figure 0004094725
【0100】
ウェットケーキの一部を採取し、シャーレ上に薄く広げて乾燥した。乾燥した結晶を1 H−NMRで測定した。測定結果を図5に示す。図5の1.96ppm付近のピーク(Integral:5.06554)、2.79ppm付近のピーク(Integral:4.9232)および2.97ppm付近のピーク(Integral:5.1715)から、2分子N,N−ジメチルアセトアミドが確認できた。次に、染料の結晶(I−37)の粉末を、粉末X線結晶回析法で測定した。測定結果を図6に示す。
【0101】
[比較例1]
(アゾメチン染料Bの結晶の調製)
実施例2で用いた化合物(c)10gと実施例2で用いた化合物(d)8gとを、ジメチルホルムアミド溶液中で反応させた。2時間後、析出した結晶を濾別し、ジメチルホルムアミドで洗浄し、ジメチルホルムアミドウェットケーキ状の下記のアゾメチン染料(B)の結晶を得た。
【0102】
【化52】
Figure 0004094725
【0103】
ウェットケーキの一部を採取し、シャーレ上に薄く広げて乾燥した。乾燥した結晶を1 H−NMRで測定した。測定結果を図7に示す。図7に示される結果から、ジメチルホルムアミドは、結晶溶媒として結晶中に含まれていないことを確認した。次に、アゾメチン染料(B)の結晶の粉末を、粉末X線結晶回析法で測定した。測定結果を図8に示す。図6および図8に示される結果から、染料の結晶(I−37)と原染料(B)の結晶では、全く同一ピークがなく、結晶型が異なることが確認された。
【0104】
[実施例3]
(染料の固体微粒子分散物DP1の調製)
下記のオキソノール染料(C)10gに、水60mlを加えて攪拌および加熱しながら40時間還流した。室温まで冷却した後、固形分を吸収濾過で取り出した。これにより、オキソノール染料(C)の水ウェットケーキ25gを得た。ウェットケーキ中の染料含量は、40重量%であった。なお、この調製方法は、特開平6−317877号公報の実施例1における色素III-3−Dの調製と同様である。
【0105】
【化53】
Figure 0004094725
【0106】
染料を乾燥させないで、ウェットケーキとして扱い、染料固形分として3.0gを秤取した。界面活性剤(デモールSNB、花王(株)製)の25重量%水溶液2.4gを水で希釈したものに、ウェットケーキ状染料を添加し、合計量が30gになるまで水を加えた。混合物をよく攪拌してスラリーとした。
スラリーと平均粒径1mmのジルコニアビーズ120gとを、容器に入れた。これを1/16ガロンのサンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて、1500rpmにて、容器を水冷しながら5時間分散した。
分散終了後、染料の固形分濃度が5重量%となるように、水を加えて、染料の固体微粒子分散物DP1を得た。
得られた分散物中では、染料の結晶が微細に分散していた。カーボンレプリカ法により、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の500個の微結晶の投影面積を求めた。その結果から得られた平均粒径は、0.40μmであった。
染料の分散物を希釈し、その液の透過光検出より、光吸収スペクトルを得た。吸収極大波長は515nm、吸収極大波長での吸光度は0.45であった。
【0107】
(染料の固体微粒子分散物DP2の調製)
実施例1で調製したアリーリデン染料(A)のウェットケーキを用い、分散時間を10時間に変更した以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP2を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0108】
(染料の固体微粒子分散物DP3の調製)
実施例1で調製した染料の結晶(I−6)のウェットケーキを用い、分散時間を10時間に変更した以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP3を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0109】
(染料の固体微粒子分散物DP4の調製)
比較例1で調製したアゾメチン染料(B)のウェットケーキを用い、分散時間を15時間に変更した以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP4を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0110】
(染料の固体微粒子分散物DP5の調製)
比較例1で調製したアゾメチン染料(B)のウェットケーキを用いた以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP5を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0111】
(染料の固体微粒子分散物DP6の調製)
実施例2で調製した染料の結晶(I−37)のウェットケーキを用いた以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP6を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0112】
(染料の固体微粒子分散物DP7〜18の調製)
下記の染料のウェットケーキを用い、第1表に示す分散時間で分散処理を実施した以外は、DP1の調製と同様にして、染料の固体微粒子分散物DP7〜18を調製した。
DP1と同様に、平均粒径、吸収極大波長および吸収極大波長での吸光度を測定した。結果は第1表に示す。
【0113】
【化54】
Figure 0004094725
【0114】
【化55】
Figure 0004094725
【0115】
【化56】
Figure 0004094725
【0116】
【化57】
Figure 0004094725
【0117】
【化58】
Figure 0004094725
【0118】
【化59】
Figure 0004094725
【0119】
【化60】
Figure 0004094725
【0120】
【化61】
Figure 0004094725
【0121】
【化62】
Figure 0004094725
【0122】
【化63】
Figure 0004094725
【0123】
第1表
────────────────────────────────────────
分散物 染料(結晶溶媒) 分散時間 平均粒径 吸収極大 極大吸光度
────────────────────────────────────────
DP1 C (なし) 5時間 0.40μm 515nm 0.45
DP2 A (なし) 10時間 0.50μm 505nm 0.60
DP3 I−6 (あり) 10時間 0.25μm 550nm 0.85
DP4 B (なし) 15時間 0.40μm 565nm 0.85
DP5 B (なし) 5時間 0.75μm 580nm 0.65
DP6 I−37(あり) 5時間 0.40μm 530nm 0.80
DP7 D (なし) 5時間 0.68μm 430nm 0.55
DP8 II−15(あり) 5時間 0.45μm 420nm 0.85
DP9 E (なし) 5時間 0.55μm 510nm 0.65
DP10 II−19(あり) 5時間 0.38μm 520nm 0.75
DP11 F (なし) 10時間 0.66μm 650nm 0.66
DP12 II−23(あり) 10時間 0.40μm 750nm 0.95
DP13 G (なし) 10時間 0.75μm 470nm 0.66
DP14 I−2 (あり) 10時間 0.38μm 450nm 0.80
DP15 I−37(あり) 15時間 0.32μm 530nm 0.85
DP16 I (なし) 15時間 0.68μm 470nm 0.58
DP17 I−49(あり) 15時間 0.30μm 510nm 0.78
────────────────────────────────────────
【0124】
DP2とDP3とを比較すると、染料の結晶中にメタノールを含有させた染料の分散物DP3の方が、平均粒子サイズが小さく、かつ吸収極大波長が大きく長波長側にシフトしている。また、DP3の方が、吸光係数も大きい。
DP4、DP5とDP6とを比較すると、染料の結晶中にN,N−ジメチルアセトアミドを導入させた分散物DP6は、5時間の分散時間でも平均粒子サイズが小さい。N,N−ジメチルアセトアミドなしで、同じ平均粒子サイズとするためには、15時間の分散時間が必要であった(DP4)。DP6は、吸収極大波長が大きく短波長側にシフトしている。また、DP6は、吸光度も大きい。
その他の結晶溶媒を導入した結晶を用いた固体分散物でも、同様の結果が得られてた。
【0125】
[実施例4]
(クロスオーバーカット層の塗布液の調製)
以下の組成の水性塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。媒体となる水には、以下の順序で添加した。塗布液のpHは、酢酸または水酸化ナトリウムを少量用いて、6.0に調整した。塗布液の塗布量は、片面1m2当たり10.7mlであった。
【0126】
────────────────────────────────────────
第2表に示す染料の固体微粒子分散物 (染料固形分として)50mg
ゼラチン 0.35g
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 8.9mg
下記の添加剤A1 5mg
下記の防腐剤D 1mg
────────────────────────────────────────
【0127】
【化64】
Figure 0004094725
【0128】
(平板状ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
容器内の水1リットル中に、臭化カリウム6.9gと重量平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン8.0gを添加した。容器内を57℃に保ち撹拌しながら、硝酸銀水溶液36ml(硝酸銀4.0g)と臭化カリウム水溶液38.5ml(臭化カリウム5.9g)とをダブルジェット法により37秒間で添加した。ゼラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温しながら硝酸銀水溶液89.7ml(硝酸銀10.0g)を21.5分間かけて添加した。次に、25%のアンモニア水溶液7.0mlを添加し、70℃のまま10分間物理熟成した。さらに、100%酢酸6.5mlを添加した。
硝酸銀水溶液432ml(硝酸銀145.2g)と臭化カリウムと臭化ロジウムの水溶液677ml(臭化カリウム165g)とを、pAg8.5を保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけて硝酸銀水溶液が全量添加されるまで添加した。臭化ロジウムの添加量は、ハロゲン化銀1モル当たりに含まれるロジウム濃度が1.0×10-8モルとなるように調整した。次に、2規定のチオシアン酸カリウム水溶液35mlを添加した。70℃で5分間物理熟成した後、冷水と混合することで35℃に冷却した。
【0129】
冷却後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温して、脱イオン・アルカリ処理ゼラチン35g、前記の防腐剤D0.175gおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウム(増粘剤)0.35gを添加した。水酸化ナトリウムと硝酸銀溶液を添加して、pH5.90、pAg8.20に調整した。
ハロゲン化銀乳剤中に、アスペクト比2以上30以下の(111)面が主平面の平板状粒子が、投影面積の総和として全粒子の99%含まれていた。全粒子の投影面積の円相当直径の平均は1.05μm、その変動係数は25%であった。全粒子の厚みの平均は0.175μmであり、全粒子の平均アスペクト比は6.4であった。隣り合う辺の長さの比が0.5以上2以下の六角形の平板状粒子が全粒子の97%(個数)であった。
【0130】
以上のように調製した乳剤を撹拌しながら56℃に保ち、以下の化学増感を実施した。
ハロゲン化銀乳剤1モルに対して、エチルチオスルフィン酸ナトリウム4.4mgを添加し、次に平均粒子直径0.05μmの純ヨウ化銀乳剤を銀量として0.11モル%添加した。さらに、下記の増感色素A550mgを添加した。5分後、塩化カルシウム1.0gを添加し、その5分後、塩化金酸2.1mgを含む水溶液とチオシアン酸カリウム64mgを含む水溶液とを予め混合してから添加した。さらに、チオ硫酸ナトリウム1.7mgと下記のセレン化合物A1.1mgとを同時に添加した。40分後に化学増感の停止のため、下記のメルカプト化合物M16mgを添加して、40℃に降温した。
【0131】
【化65】
Figure 0004094725
【0132】
【化66】
Figure 0004094725
【0133】
(ハロゲン化銀乳剤層Aの塗布液の調製)
以下の組成の水性塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。塗布液の塗布量は、片面1m2当たり19.8mlであった。
【0134】
────────────────────────────────────────
平板状ハロゲン化銀乳剤A (塗布銀量で)1.10g
ゼラチン 1.00g
デキストラン(平均分子量3.9万) 233mg
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 9mg
下記の添加剤A2 111mg
下記の添加剤A3 1.1mg
下記の添加剤A4 0.2mg
下記の添加剤A5 4.4mg
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 49.4mg
────────────────────────────────────────
【0135】
【化67】
Figure 0004094725
【0136】
【化68】
Figure 0004094725
【0137】
(平板状ハロゲン化銀乳剤Bの調製)
容器内の水1リットル中に、臭化カリウム6.9g、硝酸アンモニウム5gおよび重量平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン3.5gを添加した。容器内を40℃に保ち撹拌しながら、硝酸銀水溶液40ml(硝酸銀4.00g)と臭化カリウム水溶液45ml(臭化カリウム3.15g)とをダブルジェット法により40秒間で添加した。ゼラチン18.6gを添加した後、60℃に昇温しながら硝酸銀水溶液40ml(硝酸銀4.00g)を10分間かけて添加した。次に、1規定の水酸化ナトリウム水溶液25mlを添加し、60℃のまま20分間物理熟成した。さらに、100%酢酸5mlを添加した。
硝酸銀水溶液435ml(硝酸銀158.67g)と30重量%臭化カリウム水溶液400mlとを、pAg8.5を保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけて硝酸銀水溶液が全量添加されるまで添加した。次に、2規定のチオシアン酸カリウム水溶液17.5mlを添加した。60℃で5分間物理熟成した後、冷水と混合することで35℃に冷却した。
【0138】
冷却後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温して、脱イオン・アルカリ処理ゼラチン35g、前記の防腐剤D0.175gおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウム(増粘剤)0.35gを添加した。水酸化ナトリウムと硝酸銀溶液を添加して、pH6.4、pAg8.00に調整した。
ハロゲン化銀乳剤中に、アスペクト比2以上30以下の(111)面が主平面の平板状粒子が、投影面積の総和として全粒子の99%含まれていた。全粒子の投影面積の円相当直径の平均は0.7μm、その変動係数は27%であった。全粒子の厚みの平均は0.12μmであり、全粒子の平均アスペクト比は6.3であった。明確な角を有さない円形の平板状粒子が、全粒子の70%(個数)であり、隣り合う辺の長さの比が0.5以上2以下の六角形の平板状粒子が全粒子の30%(個数)であった。
【0139】
以上のように調製した乳剤を撹拌しながら56℃に保ち、以下の化学増感を実施した。
ハロゲン化銀乳剤1モルに対して、エチルチオスルフィン酸ナトリウム0.27gを添加し、次に1重量%沃化カリウム水溶液23.5mlを添加した。さらに、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン水溶液6.4mlを添加した。
さらに、前記の増感色素A768mgと下記の増感色素B2.4mgとを同時に添加した。3分後、塩化金酸5mgと1重量%チオシアン酸カリウム水溶液6.2mgとを予め混合してから添加した。さらに、チオ硫酸ナトリウム1.3mgと前記のセレン化合物A1.7mgとを同時に添加した。40分後に化学増感の停止のため、前記のメルカプト化合物M41mgを添加して、40℃に降温した。
【0140】
【化69】
Figure 0004094725
【0141】
(ハロゲン化銀乳剤層Bの塗布液の調製)
以下の組成の水性塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。塗布液の塗布量は、片面1m2当たり11.6mlであった。
【0142】
────────────────────────────────────────
平板状ハロゲン化銀乳剤b (塗布銀量で)0.45g
ゼラチン 0.40g
デキストラン(平均分子量3.9万) 100mg
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 12mg
前記の添加剤A2 26mg
前記の添加剤A3 0.60mg
前記の添加剤A4 0.12mg
前記の添加剤A5 0.92mg
下記の染料1のオイル乳化物 (染料固形分として)0.33g
────────────────────────────────────────
【0143】
【化70】
Figure 0004094725
【0144】
(表面保護層の塗布液の調製)
以下の組成の水性塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。塗布液は、水酸化ナトリウムを少量用いて、pHを6.8に調整した。塗布液の塗布量は、片面1m2当たり9.4mlであった。
【0145】
────────────────────────────────────────
ゼラチン 0.767g
ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 10mg
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.1mg
下記のマット剤1(平均粒径3.7μm) (固形分として)70mg
前記の添加剤A1 13.8mg
下記の添加剤A6 34.5mg
下記の添加剤A7 6.8mg
下記の添加剤A8 1.2mg
下記の添加剤A9 1.4mg
下記の添加剤A10 2.1mg
前記の防腐剤D 0.9mg
p−ベンゾキノン 0.7mg
────────────────────────────────────────
【0146】
【化71】
Figure 0004094725
【0147】
【化72】
Figure 0004094725
【0148】
【化73】
Figure 0004094725
【0149】
【化74】
Figure 0004094725
【0150】
(第1下塗り層の塗布液の調製)
以下の組成の塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。塗布液の塗布量は、片面1m2 当たり4.9mlであった。
【0151】
────────────────────────────────────────
スチレンーブタジエン共重合体ラテックス (固形分として)0.31g
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 8mg
────────────────────────────────────────
【0152】
(第2下塗り層の塗布液の調製)
以下の組成の水性塗布液を調製した。以下に示す量は、片面1m2 当たりの塗布量である。塗布液の塗布量は、片面1m2当たり7.9mlであった。
【0153】
────────────────────────────────────────
下記の添加剤11 1.8mg
前記の防腐剤D 0.27mg
ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径2.5μm) 2.5mg
────────────────────────────────────────
【0154】
【化75】
Figure 0004094725
【0155】
(ハロゲン化銀写真感光材料の作成)
2軸延伸した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、コロナ放電処理を実施したものを支持体として用いた。支持体の両面に、第1下塗り層の塗布液を、ワイヤーバーコーターを用いて塗布、乾燥して、第1下塗り層を形成した。第1下塗り層の乾燥温度は、190℃であった。第1下塗り層の上に、第2下塗り層の塗布液をワイヤーバーコーターを用いて塗布、乾燥して、第2下塗り層を形成した。第2下塗り層の乾燥温度は、185℃であった。
第2下塗り層の上に、クロスオーバーカット層、ハロゲン化銀乳剤層B、ハロゲン化銀乳剤層Aおよび表面保護層の塗布液を、同時押し出し法により両面に同時塗布し、乾燥した。このようにして、下記の層構成を有するハロゲン化銀写真感光材料を作成した。
【0156】
────────────────────────────────────────
表面保護層 (塗布量:1m2 当たり 9.4ml)
ハロゲン化銀乳剤層A (塗布量:1m2 当たり19.8ml)
ハロゲン化銀乳剤層B (塗布量:1m2 当たり11.6ml)
クロスオーバーカット層(塗布量:1m2 当たり10.7ml)
第2下塗り層 (塗布量:1m2 当たり 7.9ml)
第1下塗り層 (塗布量:1m2 当たり 4.9ml)
────────────────────────────────────────
支持体(厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフイルム)
────────────────────────────────────────
第1下塗り層 (塗布量:1m2 当たり 4.9ml)
第2下塗り層 (塗布量:1m2 当たり 7.9ml)
クロスオーバーカット層(塗布量:1m2 当たり10.7ml)
ハロゲン化銀乳剤層B (塗布量:1m2 当たり11.6ml)
ハロゲン化銀乳剤層A (塗布量:1m2 当たり19.8ml)
表面保護層 (塗布量:1m2 当たり 9.4ml)
────────────────────────────────────────
【0157】
(ハロゲン化銀写真感光材料の膨潤率の測定)
ハロゲン化銀写真感光材料を、温度38℃、相対湿度50%で5日間保存し、塗布層の厚さを測定した。次に、21℃の蒸留水に3分間浸漬してから、塗布層の厚さを測定した。浸漬前の塗布層の厚さと比較すると、浸漬後の塗布層の厚さ(膨潤率)は、いずれのハロゲン化銀写真感光材料でも180%であった。
【0158】
(ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理)
ハロゲン化銀写真感光材料を、X線スクリーン(XレイオルソスクリーンHG−M、メディカルシステム(株)製)を通して、両側からX線で像様露光した。露光したハロゲン化銀写真感光材料を、自動現像機(CEPROS30、富士メディカルシステム(株)製)を用いて現像処理および定着処理を実施した。温度設定は35℃で、処理時間(Dry to Dry)は30秒であった。現像液および定着液は、自動現像機の所定の処理剤(CE−D2、CE−F2)を使用した。
【0159】
(クロスオーバー値の測定)
ハロゲン化銀乳剤層に形成された画像の濃度と、ステップウェッジのステップ数とをプロットすることにより、2つのハロゲン化銀乳剤層についてセンシトメトリー曲線を作成した。2つのセンシトメトリー曲線について、足部と肩部との間のほぼ直線の部分3点で、感度の差(ΔlogE)を測定した。そして、クロスオーバー値(%)を1/(antilog ΔlogE+1)×100として求めた(特開平1−172828号公報号に記載の測定方法)。結果を第2表に示す。
支持体の両側にハロゲン化銀乳剤層を有するX線撮影用の感光材料では、支持体を透過する光が画像の鮮鋭度を低下させる。このため、クロスオーバー値が小さいほど優れた鮮鋭度を有する。X線撮影用の感光材料を医療用に用いる場合は、10%未満のクロスオーバー値が望ましいとされている。
【0160】
(残色の評価)
ハロゲン化銀写真感光材料を四つ切りサイズに裁断した。ハロゲン化銀写真感光材料を未露光で現像処理し、各染料の残色の程度を下記の4段階で評価した。
A:残色は全く認められない。
B:残色は痕跡程度である。
C:残色が、フイルム全体の色調が変化する程度に発生している。
D:大きな周期の残色ムラが認められる程度に、残色が強く発生している。
結果を第2表に示す。
【0161】
(写真感度の測定)
ハロゲン化銀写真感光材料の感度を測定した。測定結果は、下記第2表の写真材料1の結果を100とする相対感度に換算した。結果は第2表に示す。
【0162】
第2表
────────────────────────────────────────
写真材料 染料分散物 結晶溶媒 クロスオーバー値 残色 写真感度
────────────────────────────────────────
1 DP1 なし 8% D 100
2 DP2 なし 12% C 105
3 DP3 あり 5% A 110
4 DP4 なし 7% B 85
5 DP5 なし 12% C 95
6 DP6 あり 6% A 100
────────────────────────────────────────
【0163】
ハロゲン化銀写真感光材料1は、クロスオーバー値に問題はないが、残色が多い。
ハロゲン化銀写真感光材料2と3とを比較すると、結晶溶媒を含む染料の結晶を用いた写真材料3は、クロスオーバー値が良好で、残色の問題もない。
ハロゲン化銀写真感光材料4には、写真感度が低いとの問題がある。これは、長時間の分散が感度低下の原因になっていると考えられる。ハロゲン化銀写真感光材料5は、クロスオーバー値が大きい。結晶溶媒を含む染料の結晶を用いたハロゲン化銀写真感光材料6は、クロスオーバー値が良好で、残色の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】染料の結晶(I−6)を1H−NMRで測定した結果を示すグラフである。
【図2】染料(A)の結晶を1H−NMRで測定した結果を示すグラフである。
【図3】染料の結晶(I−6)を粉末X線結晶回析法で測定した結果を示すグラフである。
【図4】染料(A)の結晶を粉末X線結晶回析法で測定した結果を示すグラフである。
【図5】染料の結晶(I−37)を1H−NMRで測定した結果を示すグラフである。
【図6】染料の結晶(I−37)を粉末X線結晶回析法で測定した結果を示すグラフである。
【図7】染料(B)の結晶を1H−NMRで測定した結果を示すグラフである。
【図8】染料(B)の結晶を粉末X線結晶回析法で測定した結果を示すグラフである。

Claims (13)

  1. エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酸から選択される結晶溶媒を含むことを特徴とする下記一般式(I)または(II)で表される染料の結晶。
    一般式(I) A=Lo−Ar
    一般式(II) A=Lo−Ae
    式中、Aは、ヘテロ環骨格が下記一般式(A−VII)、(A−XVIII)または(A−XXIII)で表されるケト型酸性核を表し、Loはメチン数が1、3または5のメチン鎖を表し、一般式(I)においてはLoはさらに=N−を表し、Arはアリール基を表し、Aeはヘテロ環骨格が下記一般式(Ae−I)または(Ae−IX)で表されるエノール型酸性核を表す。
    Figure 0004094725
    ここで、Xは−CR−、−NR−、−S−または−SO−を表し、Yは=NR、=Oまたは=Sを表し、Zは=CR−または=N−を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基またはスルホ基を表わす。
  2. 前記結晶溶媒が、前記染料1分子当たり1乃至20分子含まれていることを特徴とする請求項1に記載の染料の結晶。
  3. 前記染料が、前記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の染料の結晶。
  4. 前記Arが、アルキルアミノ基で置換されたフェニル基であることを特徴とする請求項3に記載の染料の結晶。
  5. 前記Arが、アルキルアミノ基およびアルキル基で置換されたフェニル基であることを特徴とする請求項3に記載の染料の結晶。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の、結晶溶媒を含む染料の結晶を機械的に粉砕し、固体微粒子の状態で結晶溶媒またはそれと異なる液体中に分散していることを特徴とする染料の固体微粒子分散物。
  7. エチレングリコール、メタノール、エタノール、ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミドまたは酸から選択される結晶溶媒を含む下記一般式(I)または(II)で表される染料の結晶を機械的に粉砕し、固体微粒子の分散物とすることを特徴とする染料の固体微粒子分散物の製造方法。
    一般式(I) A=Lo−Ar
    一般式(II) A=Lo−Ae
    式中、Aは、ヘテロ環骨格が下記一般式(A−VII)、(A−XVIII)または(A−XXIII)で表されるケト型酸性核を表し、Loはメチン数が1、3または5のメチン鎖を表し、一般式(I)においてはLoはさらに=N−を表し、Arはアリール基を表し、Aeはヘテロ環骨格が下記一般式(Ae−I)または(Ae−IX)で表されるエノール型酸性核を表す。
    Figure 0004094725
    ここで、Xは−CR−、−NR−、−S−または−SO−を表し、Yは=NR、=Oまたは=Sを表し、Zは=CR−または=N−を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(置換基はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基またはスルホ基を表わす。
  8. 前記結晶溶媒が、前記染料1分子当たり1乃至20分子含まれていることを特徴とする請求項7に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
  9. 前記染料が、前記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項7または8に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
  10. 前記Arが、アルキルアミノ基で置換されたフェニル基であることを特徴とする請求項9に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
  11. 前記Arが、アルキルアミノ基およびアルキル基で置換されたフェニル基であることを特徴とする請求項9に記載の染料の固体微粒子分散物の製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法で製造された染料の固体微粒子分散物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  13. 前記ハロゲン化銀写真感光材料が、支持体、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層を有し、かつハロゲン化銀乳剤層または非感光性層が、前記染料の固体微粒子分散物を含有することを特徴とする請求項12に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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