JP4096161B2 - 形状データ作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品の設計作業を支援する設計支援装置に係り、特に、形状データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のCAD/CAM/CAEシステムにおいては、データの共有化により、CADシステム,CAEシステム,CAMシステム間の連係が、かなり密になっている。すなわち、CADシステムで作成した3次元形状データから解析用データを生成してCAEシステムで解析・評価し、それらのデータをCAMシステムに送り製造加工用のNCデータを作成するまでの処理手順の流れは、ほぼ実現されている。
【0003】
しかし、これらの処理の基点となる3次元形状データの作成においては、計算機上で表現できる図形データという制約があるので、線や面を組合せた幾何学的な情報しか入力できない。したがって、CAEシステムによる解析計算やCAMシステムによる製造加工の工程において、設計意図を設計者に確認するための後戻り作業を伴う場合が多い。
【0004】
そこで、3次元CADシステムの段階においてNC機械の加工動作単位で形状を作成する方法が、特開平10-207523号公報,特開平08-161378号公報,特開平09-245071号公報などに示されている。
【0005】
製品設計時において加工コストや組立てコストなどの評価を支援する方法は、特開2001-236373号公報,特開2001-222441号公報,特開平11-120249号公報などに示されている。これらの方法においては、3次元CADデータの部品毎にコストや加工方法などの属性を入力しておき、トータルコストの算出に用いる。
【0006】
3次元CADシステムで、板構造物を加工する操作(曲げ,穴あけ,切削など)に対応するコスト表を用いて、加工コストを算出する方法が、特開平08-161378号公報などに示されている。
【0007】
予め準備した3次元CAD形状テンプレートの設計パラメータ(寸法,材質など)を変更して概算コストを算出する方法が、特開2001-142929号公報,特開平10-334127号公報などに示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
製品の加工方法や組立て方法は、求められる製品仕様によりさまざまである。また、製造ラインの変更,加工技術・組立て技術の進歩,環境影響を考慮した設計変更,原料コストの変動などの要因を考慮できる設計環境が求められている。
【0009】
CAE作業や製造加工プロセスにおいて、設計意図を設計者に確認するための後戻り作業を減らすには、設計プロセスにおける設計意図が示された形状データを下流側のCAE作業や製造プロセスに引き継ぐ必要がある。
【0010】
逆に、製造プロセスにおける加工性,組立て効率,製造コストなどを設計段階で早期に検討すると、トータルの製品開発期間を短縮できる。
【0011】
そのためには、設計者が製造プロセスを考慮して設計する際に、選択できる加工や組立ての手段にバリエーションを持たせ、さまざまな加工手段を画面上で検討しながら、加工コストや組立てコストを意識して設計できるツールが必要である。
【0012】
従来の形状データ作成方法では、特定の具体的な加工手段において、例えばワーク材質,工具径,主軸回転数のように、NC機械の加工動作単位でパラメータを入力し、それに対応する加工コストなどを部品表に基づいて算出していた。
【0013】
しかし、荒削り,中仕上げ,仕上げなどのそれぞれの段階におけるカッターパスの動作定義のように詳細な製造加工方法は、CAMシステム側で決めた方が効率が良い場合が多く、CADデータ作成の段階で詳細な加工動作を設定する作業には、非常に手間がかかる。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、加工プロセスおよび組立てプロセスにおける加工性、組立て効率およびコストなどをCADデータ作成時の設計段階で検討可能にでき、CAEシステムによる解析計算やCAMシステムによる製造加工の工程において、設計意図を設計者に確認するための後戻り作業を少なくすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、3次元CADを用いる形状データ作成装置において、加工操作または組立て操作に対応する具体的な複数の加工手段または組立て手段が記憶され、前記加工操作毎に加工精度と加工コストが属性として、または前記組立て操作毎に組立コストが属性として記憶された操作手段データベースと、形状データ作成時に、加工後の形状を得るための複数の前記加工手段または組立て手段を画面上に表示して選択可能とする形状操作手段選択手段と、選択された前記加工手段と該加工手段による前記加工精度と加工コストまたは組立て手段と該組立手段による前記組立コストに基づき、前記形状の加工性、組立て効率およびコストを算出する集計手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、3次元CADを用いた形状データの作成において、最終的な加工後の形状を得るための複数の加工手段または組立て手段を画面上で選択可能としているので、加工操作または組立て操作に対応する加工性、組立て効率、コストを確認して、具体的な加工手段または組立て手段を選択して形状データを作成することができる。その結果、設計意図に基づいて加工および組立て手順に則った形状データが得られ、CAEシステムによる解析計算やCAMシステムによる製造加工の工程において、設計意図を設計者に確認するための後戻り作業を少なくすることができる。
【0017】
上記の場合において、さらに、加工手段または組立て手段の操作プロセスが記憶されたプロセスデータベースを備え、前記集計手段は、予め定められた加工性の補正パラメータに従って、上流側の操作プロセスに依存して下流側の操作プロセスの加工性、組立て効率およびコストを補正する構成とすることができる。
【0018】
また、プロセスデータベースの操作プロセスの追加、削除および順番変更の処理を実行する形状操作プロセス編集手段を備えた構成とすることにより、形状操作プロセスの追加、削除および順番変更の処理を柔軟に実行することが可能である。その結果、設計変更の要求に容易に対応できる。
【0019】
さらに、作成された形状データと算出された前記形状の加工性、組立て効率およびコストとが対応させて記憶される形状データベースを備えた構成とすることができる。
【0020】
本発明においては、本CADシステムで作成した形状データ作成プロセスは、CAMを利用したNC機械による実際の製品製造プロセスとの連携性が高いので、設計プロセスと製造加工プロセスとにおいて設計意図を共有し、設計意図を製造現場に反映し易くなる。
【0021】
いずれの形状データ作成装置においても、インターネットなどを介して得られる外部データを参照して加工精度,信頼性,加工コストなどの属性を更新しまたは拡充する外部データ処理インターフェイスを備えることができる。
【0022】
本発明においては、インターネットなどを介した外部調達手段を用いて設計者が所望する加工手段または組立て手段のデータを得ることが容易なので、データベースの更新,拡充が可能となり、より適切な加工手段または組立て手段を選択できる。
【0023】
また、複数の加工操作または組立て操作候補に関する形状の加工性,組立て効率,コストを比較して表示する表示手段を備えてもよい。
【0024】
本発明においては、複数の操作プロセスを比較表示し、設計者が、重視した加工性,組立て効率,コストのいずれかの順位に基づいて最適と考える操作プロセスを容易に選択し、後続のCAMシステムまたはCAEシステムに反映できる。
【0025】
従来技術では、穴あけならワーク材質,工具径,主軸回転数などのパラメータによって、単一の加工動作に対する関数で、加工性,組立て効率,製造コストなどを評価していた。
【0026】
これに対して、本発明においては、各種の加工手段や組立て手段を格納したデータベースを備え、具体的な加工手段または組立て手段を包含する一連の形状操作プロセスを単位として扱い、この単位毎にCADデータを作成し、製品の加工性,組立て効率,コストなどを評価する。
【0027】
複数の加工・組立てプロセスを合体してCADデータを作成するために抽象的な形状操作コマンドを用いると、設計段階における部品加工や組立ての取扱い易さと後段のCAMシステムへの連携性とが向上する。
【0028】
本発明においては、最終的な加工後の形状を得るための複数の手段が画面上で選択可能であり、選択された手段に応じて、加工コストや組立て効率が評価される。
【0029】
また、設計変更を容易にするため、加工および組立てプロセスの追加,削除,順番変更などを処理する手段を設ける。
【0030】
3次元の形状データは、加工操作プロセスに直結するコマンドを使って作成しているので、形状データの作成プロセスとNC機械による実際の製品製造プロセスとを連携させ、設計意図を製造段階に反映できる。
【0031】
所望する仕様の加工手段または組立て手段のデータを得るために、インターネットなどを介して外部調達先からも新しい加工手段や組立て手段を追加し、既存データをタイムリーに更新し、データベースを常に最新の状態に保ち、最適な加工手段または組立て手段を選択できるようにする。なお、外部調達先には、自社の他部門のみならず、インターネットを介した第三者も含むようにしてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図19を参照して、本発明による形状データ作成方法および形状データ作成装置の実施形態を説明する。
【0033】
図1は、本発明による形状データ作成装置の一実施形態の全体構成を示すブロック図である。本実施形態の形状データ作成装置は、形状データ作成手段101と、入力装置109と、出力装置110と、操作手段データベース111と、外部データ処理インターフェイス112と、プロセスデータベース114と、形状データベース115とから構成される。
【0034】
形状データ作成手段101は、対話型操作インターフェイス手段102と、形状操作コマンド実行手段103と、形状操作手段選択手段104と、加工性,組立て効率,コスト集計手段105と、形状操作プロセス編集手段106と、プロセス読込み/記録手段107と、CADデータ入出力手段108とからなる。
【0035】
形状データ作成手段101は、主に対話的に3次元CADデータを作成する処理を支援する装置である。
【0036】
対話型操作インターフェイス手段102は、3次元CADデータを作成するために入力されたコマンド(形状編集,形状操作プロセスの入出力,形状操作プロセスの編集,形状データの入出力など)を解釈し、実行を制御する。
【0037】
形状操作コマンド実行手段103は、対話型操作インターフェイス手段102で指定された形状の加工や組立て操作を実行する。
【0038】
形状操作手段選択手段104は、形状操作コマンド実行手段103から出力された3次元CADを用いた形状データの作成における曲げ,切削,穴あけなどの加工操作と接続,はめ合わせ,配置などの組立て操作とに対応する命令に基づいて、加工操作または組立て操作における加工精度,信頼性,加工コストなどに係わる具体的な加工手段または組立て手段を操作手段データベース111から取り出し、取り出した複数の候補の中から選択する。
【0039】
加工性,組立て効率,コスト集計手段105は、それぞれの形状操作プロセス(加工・組立てプロセス)に設定された属性データから得られた個々の加工性,組立て効率,コストなどを演算して出力するとともに、作成された全体形状の加工性,組立て効率,コストなどの総合値を求めて出力する。
【0040】
形状操作プロセス編集手段106は、設計変更のニーズなどに基づいて、3次元CADを用いた形状データの作成における加工操作,組立て操作のプロセスの追加,削除,順番変更などの処理をする。
【0041】
プロセス読込み/記録手段107は、加工および組立てのプロセスを形状操作プロセス編集手段106とプロセスデータベース114との間で入出力する手段である。プロセス読込み/記録手段107は、形状操作プロセス編集手段106で用いる形状操作プロセスのデータをプロセスデータベース114に登録したり、過去に操作したプロセスの履歴データなどをプロセスデータベース114から読み出す。
【0042】
CADデータ入出力手段108は、本システムにより作成された3次元CADデータを名前を付けて形状データベース115に登録し、既存のCADデータを指定して形状データベース115から読み出す。
【0043】
入力装置109および出力装置110は、キーボード,マウス,ディスプレイ,プリンタなどの一般的な機器である。
【0044】
操作手段データベース111は、形状操作手段選択手段104で選択された形状データの作成における穴あけ,切削,曲げなどの加工操作または接続,はめ合わせ,配置などの組立て操作に対応する具体的な加工手段または組立て手段を蓄積するデータベースである。操作手段データベース111は、加工操作および組立て操作の単位毎に、加工精度,信頼性,加工コストなどの属性を保持している。
【0045】
外部データ処理インターフェイス112は、加工手段または組立て手段を蓄積する操作手段データベース111内部に所望する仕様の性能やコストを満足するデータが存在しない場合に、インターネット113などを介し外部調達手段を活用して、要求する加工手段または組立て手段を獲得するために、データを取り込み、操作手段データベース111を更新または拡充し、適切な加工手段または組立て手段を選択できるようにする。
【0046】
ネットワーク113は、LAN,インターネットに代表されるネットワークである。
【0047】
プロセスデータベース114は、形状操作プロセス編集手段106で作成された3次元CADを用いた形状データの作成における加工操作プロセス,組立て操作のプロセスを蓄積して再利用するためのデータベースである。
【0048】
形状データベース115は、本システムによって作成された3次元CADデータを格納するデータベースである。
【0049】
従来、例えば、穴あけは、ワーク材質,ドリル径,回転数などのパラメータに基づいて、単一の加工動作に対する関数で、コスト,加工性を評価していた。
【0050】
これに対して、本発明では、加工や組立て手段を各種取り揃えた操作手段データベース111を備え、加工や組立ての一連のプロセス群を単位として扱う。
【0051】
例えば、切削加工の場合では、特定の形状を得るための工具や治工具の選択から、荒削り,仕上げ加工に至る一連のプロセスを単位としてデータベースに格納する。
【0052】
その結果、加工後の形状を得るための複数の手段を画面上で選択可能となり、それぞれの手段による加工コスト,組立て効率などを評価できる。
【0053】
図2は、製作対象の3次元CAD形状の一例を示す斜視図である。本形状は、部品201と部品202とからできており、それぞれ別個に加工した後、組立てプロセスで接合される。
【0054】
加工操作としては、曲げ,穴あけ,切削などのコマンドを用意し、それぞれの加工操作毎に品質やコストにかかわる加工手段を関連付けておく。
【0055】
組立て操作としては、接続,はめ合わせなどのコマンドを用意し、例えば、接続の場合には、接続手段としてねじ,溶着,接着などの組立て手段を関連付けておく。
【0056】
図3は、図2の製作対象の形状を分解して示す斜視図である。加工操作では、板状の素材に、曲げ301,304,穴あけ302,切削による角取り303,曲げ304の操作をする。
【0057】
加工操作において、曲げ,穴あけ,切削などの順番は、製品に求められる品質,加工性,加工コスト,組立て効率などに関係しており、さまざまな組合せが存在する。また、各加工方法にも、同様に、さまざまな手段が存在する。
【0058】
本システムでは、加工コストは高いが加工性が良い,加工性が良く加工コストも安い,加工性は悪いが加工コストが安い,組立て効率が良い,製作コストが安いなどの指標として、適切な加工条件を選択するための情報を提供する。
【0059】
図4は、図2の部品201の加工手順のパターンを模式的に示す図である。素材形状401上の破線は、切削部分を示している。部材402は最初に曲げ操作した形状、部材403は最初に穴あけ操作した形状、部材404は最初に角取り操作した形状である。部材405,406,407は、次の加工操作で直前の状態に応じた曲げ,穴あけ,角取りをした中間形状である。部材408は、さらに曲げ,穴あけ,角取りをして得られた最終形状である。
【0060】
最終形状408は、どのプロセスを辿ってもほぼ同じである。
【0061】
しかし、例えば、最初に曲げてしまうと角取りや切削がしにくいとか、最初に穴をあけるとその後の曲げ位置合わせに時間がかかるなど、製品の目的によって加工手順が分かれる。
【0062】
本発明では、このような操作手順が異なる場合に加工性,コストなどを評価するために、上流側の加工操作プロセスに依存して下流側の加工操作プロセスの加工性を補正する手段を備えた。
【0063】
図5は、加工性を補正するパラメータの一例を示す図である。基準ポイント(A)は、その操作が下流側の操作に及ぼす影響の大きさを表す。加工形状寸法による補正係数(B)は、形状全体寸法に対する加工部位寸法の相対値である。本実施形態では、基準ポイントと加工形状寸法による補正係数とを掛け合わせた値(A×B)を、プロセスが追加される毎に累積していき、下流側プロセスの加工性の値に順次加算していく。
【0064】
図6は、加工操作手順を考慮した加工性の算出例を示す図である。図6(a)は、図4の例において、部材401〜404〜407〜408の手順で加工した例である。説明を簡単にするために、各プロセス単体での加工性は、それぞれ1.0としている。最初の角取り時の加工性補正値の累積値は、0.0である。次の穴あけ時には、角取りにおける加工性補正値0.1が加算される。さらに、曲げ時には、角取りの加工性補正値0.1と、穴あけの加工性補正値0.3の両方が加算され、加工性の合計値は、3.5となる。
【0065】
図6(b)は、図4の例において、部材401〜402〜405〜408の手順で加工した例である。図6(a)と同様に、各プロセス単体での加工性は、それぞれ1.0としている。最初の曲げ時の加工性補正値の累積値は、0.0である。次の穴あけ時には、曲げにおける加工性補正値2.0が加算される。さらに角取り時には、曲げの加工性補正値2.0と、穴あけの加工性補正値0.3の両方が加算され、加工性の合計値は、7.3となる。
【0066】
このようにして加工操作手順を考慮した加工性を算出する。
【0067】
操作手順による加工性に有意差がない場合には、基準ポイントと加工形状寸法による補正係数とを掛け合わせた値にさらに適当な係数(0.1や10など)を乗じると、操作手順による加工性に有意差を持たせることも可能である。
【0068】
なお、本CADシステムで作成された3次元CADデータの形状操作プロセスは、実際に製品を加工するためのCAMのプロセスにダイレクトに引き継いで利用できるので、3次元CADデータ作成時における設計意図を製造プロセスに反映することが可能になる。
【0069】
図7は、形状の加工操作における穴あけ加工メニューの一例を示す図である。被加工材の材質,加工直径,工程距離(穴あけ深さ)を入力する。さらに、加工の仕様上必要であれば、加工速度目標と加工精度目標とを入力する。操作手段データベース111には、加工プロセスまたは組立てプロセスの一連のプロセスを単位とし、この単位毎に加工操作または組立て操作における加工精度,信頼性,加工速度,加工性,加工コストを蓄積している。
【0070】
加工精度,加工速度は、加工手段データを登録する際に手入力する。
【0071】
加工コストは、単一の加工動作について、材質,加工工程,使用する工具の種類などのパラメータに基づき評価関数を用いて求められた加工コストを一連の加工プロセスを単位として累積したデータである。
【0072】
本システムを利用するにつれて、操作手段データベース111は、更新され拡充される。コスト評価の精度を高めるために、システムの操作者が経験則によって加工コストを補正してもよい。
【0073】
図8は、形状の加工操作における切削加工メニューの一例を示す図である。被加工材の材質および加工深さと加工面積を入力する。
【0074】
図9は、切削加工対象形状の一例を示す図である。切削加工対象形状は、加工深さ901と、切削加工面902とをパラメータとして規定される。この部分の面積は、3次元CADからも容易に求められるので、自動的に設定してもよい。
【0075】
図10は、具体的な加工プロセスの一例を示す図である。荒削りから中仕上げを経て仕上げまでの一連のプロセスを単位として加工操作する。3次元CAD上では、図9で示した完成形状を単位として操作するので、3次元CADの操作者が直接的に加工方法を意識する必要はない。操作手段データベース111には、図10に示したような、荒削り,中仕上げ,仕上げの各プロセスで使用する工具,主軸回転数,切削ピッチなどの加工方法が蓄積されている。この例の加工コストは、工具,回転数,切削ピッチなどのパラメータに基づいて前記手法により求められる。
【0076】
個々のプロセスの加工コストを合計した値が、図9に示した切削対象形状の加工コストとなる。
【0077】
図11は、切削の場合の特殊な例として、形状の加工操作における溝加工メニューの一例を示す図である。
【0078】
図12は、溝加工対象形状の一例を示す図である。規格品の工具を使用して、一定幅の溝1201を削り出す。実際の動作は、通常の切削と同様であるが、設計意図を分かり易くするために、加工手段のメニューを充実させた。
【0079】
図13は、曲げ加工における加工手段の一例を示す図である。図13の場合には、被加工素材1301を治工具で固定しておき、工具1302を下方へ動作させ、または、工具1303を上方に動作させ、曲げ加工する。
【0080】
図14は、曲げ加工における加工手段の別の例を示す図である。図14の場合には、予め溝を掘った台1402上に被加工素材1401を配置し、上方の工具1403を押し込み、曲げ加工する。
【0081】
図13および図14に示したように、異なった工具と加工方法とによっても、同様に曲げ加工できる。被加工素材の寸法,要求される加工精度,加工コストに応じて、加工手段を選択可能である。曲げ加工においても、穴あけ加工メニューや切削加工メニューと同様な操作で、加工仕様を入力する。
【0082】
要求する曲げ角度を得るために必要であれば、図14の手段で荒加工し、その後、図13の手段で角度を微調整するような加工プロセスの組合せも可能である。
【0083】
図15は、複数の加工プロセスによる加工後の形状の一例を示す図であり、図16は、形状加工メニューの一例を示す図である。
【0084】
このような非定型の加工プロセスは、例えば、外部調達手段を用いて入手する。設計者は、詳細なプロセスを意識する必要はなく、最終的な加工形状を得るための寸法緒元などのパラメータを入力すればよい。
【0085】
外部調達手段における外部データ処理インターフェイス112は、設計者の要求する加工形状をネットワークなどを介して公開する。情報提供者は、設計者の要求に基づき、具体的なプロセス(使用する工具類と動作)を作成し、その製作にかかるコストや精度などの情報とともに、外部データ処理インターフェイス112に渡す。
【0086】
図4に既に示したように、このような形状の製作プロセスは、加工性,加工コスト,加工精度に応じて、種々考えられる。
【0087】
図17は、形状加工プロセスの相違を示す図である。初期形状1701から切削加工を最初にした場合には、形状1702のようになり、穴あけ加工を最初にした場合には、形状1703のようになる。その後のプロセスで、形状1702を穴あけ加工し、形状1703を切削加工すると、最終形状の1704が得られる。
【0088】
したがって、加工プロセスデータの提供者から得られる加工コスト,精度などの情報は、重要であり、設計者が、データベースから要求するデータを検索する際に必要である。
【0089】
収集されたプロセスの妥当性は、加工シミュレーションなどの手段によって検証した後、操作手段データベース111に登録する。
【0090】
設計者が提供された加工プロセスデータの精度やコストを納得して使用するために必要であれば、加工プロセスデータの提供者から、使用する工具類のデータを提供してもらうことも可能である。
【0091】
図18は、組立てプロセス手段の一例を示す図である。図2の形状201と形状202をねじ止め,溶接,接着する例を示している。接合手段としてねじ止めを選択した場合には、ねじ位置1801を指定する。
【0092】
ねじ止めでは、ねじ穴が必要になるので、この段階で穴あけ加工する。その手順は、前述の穴あけ加工操作と同様である。穴あけ加工操作後は、形状1802のようになる。ねじ止めでは、ねじの材質が、組立て手段の属性の一つとして、ねじ止め接合にかかるコストとともにデータベースに登録される。
【0093】
接合手段として溶接を選択した場合には、溶接位置1803を指定する。溶接では、溶接の種類が組立て手段の属性として、溶接にかかるコストとともにデータベースに登録される。
【0094】
接合手段として接着を選択した場合には、接着面1804を指定する。接合の場合では、接着材料,硬化時間,接合後の強度が、組立て手段の属性の一つとして、接合にかかるコストとともにデータベースに登録される。
【0095】
設計者は、これらの情報を参考にして適切な組立て方法を選択する。
【0096】
図19は、加工・組立てにかかる予想コストを形状作成画面上に表示した例を示す図である。
【0097】
材料費は、例えば、被加工物の材質と体積とから求める。作成した形状の体積は、3次元CADの機能を使っても容易に求めることができる。
【0098】
加工性は、形状操作プロセス編集手段106で記憶している加工操作の総数と基準加工操作数との比で表す。ただし、すべての加工操作が同じ加工性ではないので、加工手段によって、曲げ加工は5ポイント、切削加工は3ポイントというような重み付けをしてもよい。
【0099】
図19の例では、加工性を5段階で表しており、記号が3個ならば標準、3個より少なければ加工性が悪く、3個より多ければ加工性が良いことを示す。
【0100】
加工費は、それぞれの加工プロセスが属性として保持している加工費の総和である。
【0101】
組立て効率は、対象形状の組立て操作数と標準組立て操作数との比で表す。
【0102】
組立て費は、標準組立て操作数とその組立て費とから金額に換算するための係数を求めておき、今回の組立て効率に係数を乗じて求める。
【0103】
その他のコスト(工具,治工具,設備費など)は、形状操作プロセスの属性に設定された値を順次加算して求める。
【0104】
表示方法は、加工性の場合と同様である。
【0105】
なお、いずれの実施形態においても、複数の加工操作または組立て操作候補に関する形状の加工性,組立て効率,コストを、例えば一覧表にして、比較表示することもできる。
【0106】
この場合は、複数の操作プロセスを比較表示し、設計者が、重視した加工性,組立て効率,コストのいずれかの順位に基づいて最適と考える操作プロセスを容易に選択し、後続のCAMシステムまたはCAEシステムに反映できる。
【0107】
本実施形態によれば、形状を作成しながら、穴あけ,切削,曲げなどの加工操作、および、接続,はめ合わせ,配置などの組立て操作に連動して、具体的な加工手段または組立て手段より得られた加工性,組立て効率,コストなどを確認できる。
【0108】
また、形状操作プロセス編集手段106において、加工・組立てプロセスの追加,削除,順番変更などの処理をした場合の加工性,組立て効率,コストなどへの影響を評価できるので、設計変更が容易である。
【0109】
【発明の効果】
本発明においては、3次元CADを用いた形状データの作成において、加工操作または組立て操作における加工精度,信頼性,加工コストなどに係わる具体的な加工手段または組立て手段を選択して形状データを作成する。したがって、最終的な加工後の形状を得るための複数の手段を画面上で選択可能であり、形状データを作成しながら、加工操作や組立て操作に連動し具体的な加工手段または組立て手段に応じて決定された加工性,組立て効率,コストなどを確認できる。
【0110】
複数の形状操作プロセスを記憶する手段と複数の形状操作プロセスを編集する手段とを用いて、形状操作プロセスの追加,削除,順番変更などの処理を柔軟に実行することが可能である。その結果、設計変更の要求に容易に対応できる。
【0111】
本CADシステムで作成した形状データ作成プロセスは、CAMを利用したNC機械による実際の製品製造プロセスとの連携性が高いので、設計プロセスと製造加工プロセスとにおいて設計意図を共有し、設計意図を製造現場に反映し易くなる。
【0112】
インターネットなどを介した外部調達手段を用いて設計者が所望する加工手段または組立て手段のデータを得ることが容易なので、データベースの更新,拡充が可能となり、より適切な加工手段または組立て手段を選択できる。
【0113】
複数の加工操作または組立て操作候補に関する形状の加工性,組立て効率,コストを、例えば一覧表にして、比較表示すると、設計者が、重視した加工性,組立て効率,コストのいずれかの順位に基づいて最適と考える操作プロセスを容易に選択し、後続のCAMシステムまたはCAEシステムに反映できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による形状データ作成装置の一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】製作対象の3次元CAD形状の一例を示す斜視図である。
【図3】図2の製作対象の形状を分解して示す斜視図である。
【図4】図2の部品201の加工手順のパターンを模式的に示す図である。
【図5】加工性を補正するパラメータの一例を示す図である。
【図6】加工操作手順を考慮した加工性の算出例を示す図である。
【図7】形状の加工操作における穴あけ加工メニューの一例を示す図である。
【図8】形状の加工操作における切削加工メニューの一例を示す図である。
【図9】切削加工対象形状の一例を示す図である。
【図10】具体的な加工プロセスの一例を示す図である。
【図11】形状の加工操作における溝加工メニューの一例を示す図である。
【図12】溝加工対象形状の一例を示す図である。
【図13】曲げ加工における加工手段の一例を示す図である。
【図14】曲げ加工における加工手段の別の例を示す図である。
【図15】複数の加工プロセスによる加工後の形状の一例を示す図である。
【図16】形状加工メニューの一例を示す図である。
【図17】形状加工プロセスの相違を示す図である。
【図18】組立てプロセス手段の一例を示す図である。
【図19】加工・組立てにかかる予想コストを形状作成画面上に表示した例を示す図である。
【符号の説明】
101 形状データ作成手段
102 対話型操作インターフェイス手段
103 形状操作コマンド実行手段
104 形状操作手段選択手段
105 加工性,組立て効率,コスト集計手段
106 形状操作プロセス編集手段
107 プロセス読込み/記録手段
108 CADデータ入出力手段
109 入力装置
110 出力装置
111 操作手段データベース
112 外部データ処理インターフェイス
113 ネットワーク
114 プロセスデータベース
115 形状データベース
201 製作対象の3次元CAD形状の構成部品
202 製作対象の3次元CAD形状の構成部品
301 曲げ加工操作部位
302 穴あけ加工操作部位
303 切削加工操作部位
304 曲げ加工操作部位
401 素材形状
402 最初に曲げた形状
403 最初に穴をあけた形状
404 最初に角を取った形状
405 次に角を取る形状
406 次に穴をあける形状
407 次に曲げる形状
408 最終形状
901 切削加工深さ
902 切削加工面
1201 溝加工を施す部位
1301 曲げ加工対象形状
1302 曲げ加工工具の構成部品
1303 曲げ加工工具の構成部品
1401 曲げ加工対象形状
1402 曲げ加工工具の構成部品
1403 曲げ加工工具の構成部品
1701 加工前の初期形状
1702 切削加工後の形状
1703 穴あけ加工後の形状
1704 加工後の形状
1801 部品接合時のねじ締結位置表示
1802 ねじ穴をあけた後の形状
1803 部品接合時の溶接位置表示
1804 部品接合時の接着面表示
Claims (6)
- 3次元CADを用いる形状データ作成装置において、
加工操作または組立て操作に対応する具体的な複数の加工手段または組立て手段が記憶され、前記加工操作毎に加工精度と加工コストが属性として、または前記組立て操作毎に組立コストが属性として記憶された操作手段データベースと、
形状データ作成時に、加工後の形状を得るための複数の前記加工手段または組立て手段を画面上に表示して選択可能とする形状操作手段選択手段と、
選択された前記加工手段と該加工手段による前記加工精度と加工コストまたは組立て手段と該組立手段による前記組立コストに基づき、前記形状の加工性、組立て効率およびコストを算出する集計手段を備えたことを特徴とする形状データ作成装置。 - 請求項 1 に記載の形状データ作成装置において、
さらに、加工操作または組立て操作の操作プロセスが記憶されたプロセスデータベースを備え、
前記集計手段は、予め定められた加工性の補正パラメータに従って、上流側の操作プロセスに依存して下流側の操作プロセスの加工性および加工コストを補正することを特徴とする形状データ作成装置。 - 請求項2に記載の形状データ作成装置において、
さらに、前記操作プロセスの追加、削除および順番変更の処理を実行する形状操作プロセス編集手段を備えたことを特徴とする形状データ作成装置。 - 請求項2又は 3 に記載の形状データ作成装置において、
さらに、作成された形状データと算出された前記形状の加工性、組立て効率およびコストとが対応させて記憶される形状データベースを備えたことを特徴とする形状データ作成装置。 - 請求項1 乃至4のいずれか1項に記載の形状データ作成装置において、
さらに、インターネットを介して得られる外部データを参照して、前記操作手段データベースの前記加工精度と加工コストの属性を更新しまたは拡充する外部データ処理インターフェイスを備えたことを特徴とする形状データ作成装置。 - 請求項1 乃至5のいずれか1項に記載の形状データ作成装置において、
前記形状操作手段選択手段は、加工手段または組立て手段の複数の候補に対応する前記形状の加工性、組立て効率およびコストを表示手段に比較して表示することを特徴とする形状データ作成装置。
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