JP4096558B2 - 粘着フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着フィルムに関する。本発明の粘着フィルムは、合成樹脂板、化粧合板、金属板および塗装鋼板のような物品の表面にそれを貼ることによって、物品の表面を塵の付着や傷付きのような好ましくない影響から保護するための表面保護フィルムとして、また、自動車の焼き付け塗装時やプリント基板のハンダ浸漬時の表面保護フィルムとして、特に好ましく用いることができる。本発明における「粘着フィルム」という用語は、粘着シートや粘着テープをも意味する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、EVAや低密度ポリエチレンのような低結晶性または非晶性の重合体からなる粘着剤層とからなる粘着フィルムや、該基材層と、SISやSEBSのようなエラストマーからなる粘着剤層とからなる粘着フィルムが用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの粘着フィルムは、高温下において経時変化し、その結果、粘着力が上昇して被着体からの剥離が困難となったり、剥離後の被着体の表面に粘着剤が残存したりする、という問題を持っている。
高温下において経時変化しない粘着フィルムとして、特開平4−55488号公報には、熱可塑性樹脂からなる基材層と、密度が0.92g/cm2以下であって、メルトインデックスが1〜20g/10分であるポリエチレンまたはエチレン/α−オレフィン共重合体からなる粘着剤層とからなる粘着フィルムが開示されている。
【0004】
また、特開平8−157791号公報には、重量平均分子量(Mw)が5×104 以上、該平均分子量と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3以下、DSC分析における融解ピーク温度が110℃以上、及び、融解熱が100J/g以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる粘着剤層と、他のポリオレフィン系樹脂からなる基材層とからなる粘着フィルムが開示されている。しかしながら、これらの粘着フィルムは、特に低温での粘着性が極端に低く、粘着力の制御が困難である、という問題を持っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粘着力が低温下や高温下においても極端に経時変化せず;粘着力を制御することができ;粘着性、剥離性、再粘着性および再剥離性が良好であり;剥離したとき被着体の表面に粘着剤が残らず;柔軟性と耐熱性と耐寒性と耐候性とのバランスに優れた粘着フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明等は、上記目的を達成し得る粘着フィルムの開発について鋭意研究を続けてきた。その結果、特定の物性を有するオレフィン共重合体からなる粘着剤層を用いると上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記の基材層と粘着剤層とからなる粘着フィルムである。
(i)熱可塑性樹脂からなる基材層。
(ii)エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフィンの重合単位を含み、かつ、下記(a)および(b)を充足するオレフィン共重合体からなる粘着剤層。
(a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上のピ−クのいずれのピークも有しない。
(b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は3以下である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフィンの重合単位(以下、「オレフィン単位」のように言う)を含む共重合体を意味する。該共重合体は、オレフィン単位の他に、必要に応じて、ポリエン化合物単位、環状オレフィン単位およびビニル芳香族化合物単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を含んでいてもよい。
【0008】
上記の炭素数3〜20のα−オレフィン、ポリエン化合物、環状オレフィンおよびビニル芳香族化合物として、以下の化合物を例示することができる。
【0009】
1.炭素数3〜20のα−オレフィン
該α−オレフィンとして、直鎖状および分岐状のα−オレフィンを例示することができる。直鎖状のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、及び2,2,4−トリメチル−1−ペンテンを例示することができる。これらの中、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、及び、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。
【0010】
2.ポリエン化合物
ポリエン化合物として、共役ポリエン化合物および非共役ポリエン化合物の双方が好ましい。共役ポリエン化合物として、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環族共役ポリエン化合物を例示することができる。脂肪族共役ポリエン化合物として、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物を例示することができる。脂肪族共役ポリエン化合物および脂環族共役ポリエン化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基のような基を含んでいてもよい。
【0011】
脂肪族共役ポリエン化合物として、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、及び、2,3−ジメチル−1,3−デカジエンを例示することができる。
【0012】
脂環族共役ポリエン化合物として、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、及び、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエンを例示することができる。
【0013】
非共役ポリエン化合物として、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物および芳香族非共役ポリエン化合物を例示することができる。脂肪族非共役ポリエン化合物として、直鎖状脂肪族非共役ポリエン化合物および分岐状脂肪族非共役ポリエン化合物を例示することができる。脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物および芳香族非共役ポリエン化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基およびアラルキルオキシ基のような基を含んでいてもよい。
【0014】
脂肪族非共役ポリエン化合物のとして、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、及び、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0015】
脂環族非共役ポリエン化合物として、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、及び、メチルテトラヒドロインデンを例示することができる。
【0016】
芳香族非共役ポリエン化合物として、ジビニルベンゼン及びビニルイソプロペニルベンゼンを例示することができる。
【0017】
3.環状オレフィン化合物
環状オレフィンとして、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、及び、シクロへプテンを例示することができる。
【0018】
4.ビニル芳香族化合物
ビニル芳香族化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、及び、ビニルナフタレンを例示することができる。
【0019】
本発明で用いられるオレフィン共重合体として、得られる粘着フィルムの粘着力の安定性の観点から、下記(1)〜(24)の重合体が好ましい。
【0020】
(1)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0021】
(2)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0022】
(3)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0023】
(4)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0024】
(5)エチレンと、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるオレフィン重合体。
【0025】
(6)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン、及び少なくとも1種のポリエン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0026】
(7)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン、及び少なくとも1種の環状オレフィン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0027】
(8)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン、及び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0028】
(9)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、および少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0029】
(10)エチレン及び少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合して得られるオレフィン重合体。
【0030】
(11)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、及び少なくとも1種のポリエン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0031】
(12)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種の環状オレフィン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0032】
(13)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0033】
(14)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、及び、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0034】
(15)エチレン、プロピレン及び少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合して得られるオレフィン重合体。
【0035】
(16)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のポリエン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0036】
(17)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種の環状オレフィン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0037】
(18)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0038】
(19)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物及び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0039】
(20)プロピレン、及び、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合して得られるオレフィン重合体。
【0040】
(21)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のポリエン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0041】
(22)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種の環状オレフィン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0042】
(23)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、及び、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0043】
(24)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、及び、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。
【0044】
上記重合体(1)〜(24)の中、得られる粘着フィルムの特に低温下における粘着力の安定性の観点から、重合体(1)、(2)および(3)が好ましく、耐候性の観点から重合体(5)、(10)、(15)および(20)が好ましい。
【0045】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、得られる粘着フィルムの低温下での粘着力の安定性の観点から、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、好ましくは0.5J/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上のピ−ク、好ましくは0.5J/g以上のピークのいずれのピークも有しない共重合体である。
【0046】
本発明で用いられるオレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる粘着フィルムの特に高温下での粘着力および、被着体表面への粘着剤の残り難さの観点から、3以下、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.5以下である。
【0047】
本発明で用いられるオレフィン共重合体の極限粘度[η]は、得られる粘着フィルムの粘着力・被着体表面への粘着剤の残り難さ・高温下での粘着力の観点から、好ましくは0.5〜10dl/g、より好ましくは1.0〜8.0dl/g、更に好ましくは1.3〜6.0dl/gである。
【0048】
本発明で使用されるオレフィン共重合体として、得られる粘着フィルムの柔軟性や粘着力の安定性の観点から、下式(1)で定義されるXが0.020以上、好ましくは0.030以上、より好ましくは0.040以上、更に好ましくは0.050以上、特に好ましくは0.060以上であることを満足するオレフィン共重合体が好ましい。
X = [A (T2M) - A (T2C)] / [|(T2A - T2B)|] (1)
【0049】
また、本発明で使用されるオレフィン共重合体として、得られる粘着フィルムの粘着力の安定性および粘着力の制御性の観点から、上式(1)で定義されるXが0.400以下、好ましくは0.380以下、より好ましくは0.360以下、更に好ましくは0.340以下、特に好ましくは0.320以下、最も好ましくは0.300以下であることを満足するオレフィン共重合体が好ましい。
【0050】
さらに、本発明で使用されるオレフィン共重合体として、得られる粘着フィルムの耐熱形状保持性や高引張伸び特性の観点から、上式(1)で定義されるXが0.250以下、好ましくは0.200以下、より好ましくは0.150以下であることを満足するオレフィン共重合体が好ましい。
【0051】
式(1)のA(T2M)、A(T2C)、T2AおよびT2Bは、(1)本発明で使用されるオレフィン共重合体、(2)下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂および(3)該オレフィン共重合体と、下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂とからなる樹脂組成物のパルスNMRの測定結果を用いて得られる数値である。ここで、該樹脂組成物として、該オレフィン共重合体/該ポリプロピレン樹脂なる重量比がそれぞれ、▲1▼20/80、▲2▼40/60、▲3▼60/40及び▲4▼80/20の樹脂組成物を使用する。該樹脂組成物は、オレフィン共重合体とポリプロピレン樹脂とを、ラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ルーダーおよび二軸押出機のような通常の混練り装置で混練することによって調製される。混練り温度は、オレフィン共重合体およびポリプロピレンが溶融する温度であり、通常160〜250℃、好ましくは180〜240℃である。得られる樹脂組成物は、JIS K 6758に従った方法で所定の厚さにプレス成形され、試験片して用いられる。
【0052】
(A)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12.0±3.0g/10分、JIS K 7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が160±3℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が100±5J/gであるプロピレン重合体。
【0053】
(B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が145±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0054】
(C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が135±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0055】
上記の示差走査熱量計の測定に用いられる試料は、JIS K 7121の「第3項(2)試験片の状態調節:一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」に記載された方法に従って調整される。
【0056】
上記のA(T2M)およびA(T2C)のそれぞれは、オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂および樹脂組成物のそれぞれのT2緩和時間を縦軸にプロットし、樹脂組成物中のオレフィン共重合体の重量分率Paを横軸にプロットして得られる曲線を、Pa=0〜1の範囲で定積分して得られる値である。ここで、A(T2M)は、オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂および重量分率Paが異なる樹脂組成物のT2緩和時間(T2緩和時間の実測値=T2M(Pa))を縦軸にプロットし、その3次回帰式から求めた重回帰式に基づく曲線について計算された値であり;A(T2C)は、ポリプロピレン樹脂のパルスNMR測定から得られるT2緩和時間であるT2Aと、オレフィン共重合体のパルスNMR測定から得られるT2緩和時間であるT2Bとを用いて、下式(2)から求められるT2緩和時間(T2緩和時間の計算値=T2C(Pa))を縦軸にプロットし、その3次回帰から求めた重回帰式に基づく曲線について計算された値である。
【0057】
下式(2)のPvA(Pa)は、下式(3)で定義される数値である。下式(3)のVAおよびVC(Pa)のそれぞれは、ポリプロピレン樹脂および組成の異なる樹脂組成物のそれぞれの、パルスNMR測定から得られる自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成分の体積分率である。
T2C(Pa) = 1/[PvA(Pa)/T2A + (1 - PvA(Pa))/T2B] (2)
PvA(Pa) = VA×(1-Pa)/VC(Pa) (3)
【0058】
また、上記全てのT2緩和時間として、自由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲から求められる値を採用する。
【0059】
パルスNMR測定から得られるT2緩和時間は、スピン−スピン緩和時間または横緩和時間と呼ばれる。一般に、単一の90°パルス後に生じる自由誘導減衰(FID:Free Induction Decay)はexp(−t/T2)に従って減衰するので、これからT2緩和時間であるT2を求めることができる。パルスNMRによるスピン―スピン緩和時間の測定方法として、西等のJ.Chem.Phys.82、4327(1985)に記載された方法を例示することができる。
【0060】
なお、本発明においてXは、樹脂組成物中に含まれるポリプロピレン樹脂とオレフィン共重合体の相互侵入程度を評価するためのパラメーターであり、この時のXの算出に使用されるT2緩和時間は、自由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲から求められる値を採用する。すなわち、得られる自由誘導減衰(FID)データのうち、70〜150μ秒の範囲の減衰時間tと巨視的磁化M(t)値とを抽出し、tを横軸とし、M(t)の自然対数値(ln(M(t))を縦軸として最小二乗法でその関係を直線近似し、得られた直線の傾きの絶対値の逆数をT2緩和時間とする。
【0061】
また、A(T2M)およびA(T2C)の算出に使用される重回帰式は、上記樹脂組成物中のオレフィン共重合体の重量分率Paとして、0、0.2、0.4、0.6、0.8および1の6点の値を使用して算出する。
【0062】
上式(2)のPvA(Pa)は、樹脂組成物のパルスNMR測定から得られる自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成分中に占めるポリプロピレン樹脂成分の体積分率であり、上式(3)で求められる。
【0063】
上式(3)のVAおよびVC(Pa)のそれぞれは、ポリプロピレン樹脂および組成の異なる樹脂組成物のそれぞれの、パルスNMR測定により得られる自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成分の体積分率である。ここで、Pa=0のときのVC(Pa)は、ポリプロピレン樹脂についての値であり、VC(0)=VAである。
【0064】
自由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲に観測される成分の体積分率は、▲1▼0〜70μ秒、▲2▼70〜150μ秒および▲3▼150〜μ秒のそれぞれの範囲に観測される成分の体積分率から算出する。より具体的には、自由誘導減衰(FID)のデータから、▲1▼0〜70μ秒の範囲に含まれる最大の巨視的磁化M(t)(M(t)max)、▲2▼70μ秒のM(t)(M(70))および▲3▼150μ秒のM(t)(M(150))のそれぞれを抽出し、[M(70)−M(150)]/M(t)maxの計算式から求める。
【0065】
本発明においては、上記樹脂組成物中のポリプロピレン樹脂に由来する自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成分量は、ポリプロピレン樹脂成分が減少するにつれて直線的に減少すると仮定する。上式(3)の右辺の分子(VA×(1−Pa))はそれを表したものである。上式(3)によって、つまり、組成の異なる樹脂組成物のそれぞれのVA×(1−Pa)(分子)を、各組成におけるVC(Pa)(分母)で除算することによって、「自由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲に観測される全成分」に占める、「ポリプロピレン樹脂由来の成分の体積PvA(Pa)」を求めることができる。
【0066】
上式(2)のT2C(Pa)(左辺)は、「自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成分中に占めるポリプロピレン樹脂由来成分およびポリオレフィン共重合体由来成分は特定の状態にある」と仮定した場合の組成物のT2緩和時間(計算値)である。同式右辺において、PvA(Pa)は、ポリプロピレン樹脂成分に由来する体積分率;T2Aは、ポリプロピレン樹脂成分に基づくT2緩和時間;(1−PvA(Pa))は、ポリオレフィン共重合体成分に由来する体積分率;T2Bは、ポリオレフィン共重合体成分に基づくT2緩和時間、である。
【0067】
本発明で使用されるオレフィン重合体として、得られる粘着フィルムの粘着力の安定性及び、被着体表面の非汚染性の観点から、下記式(4)で定義される弾性回復率が70〜100%、好ましくは72〜100%、より好ましくは74〜100%、更に好ましくは76〜100%、特に好ましくは78〜100%、最も好ましくは80〜100%であるオレフィン共重合体が好ましい。
弾性回復率S(%)=応力残留変形回復量×100/伸張変形量 (4)
【0068】
式(4)中、応力残留変形回復量および伸張変形量は、該オレフィン共重合体70重量部と、下記(B)〜(C)からなる群から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂30重量部とからなる樹脂組成物の、100%伸張ヒステリシス曲線から得られる応力残留変形回復量および伸張変形量であり、少なくとも1つの樹脂組成物が上記要件を満たすものとする。
【0069】
(B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が145±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0070】
(C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が135±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0071】
上記の示差走査熱量計の測定に用いられる試料は、JIS K 7121の「第3項(2)試験片の状態調節:一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」に記載された方法に従って調整される。
【0072】
弾性回復率(S)とは、ヒステリシス曲線よって得られる伸張変形率に対する応力残留回復率の比である。試験片を荷重下に所定の長さにまで徐々に伸張すると、荷重(横軸)−伸び(縦軸)の関係を示す曲線1が得られる。次いで、荷重を減らして試験片を縮めていくと、曲線1とは別の曲線2が得られる。曲線1と曲線2とをヒステリシス曲線という。なお、曲線2において、荷重(横軸)がゼロのときの伸び(縦軸)はゼロではない。弾性回復率の測定方法は以下の通りである。
【0073】
試験片として、JIS−K−6251に従いダンベル状1号型の試験片(標線間距離=40mm、厚さ=0.5mm)を、試験機として、東洋精機製作所社製の商品名がストログラフRなる試験機を、それぞれ用い、以下の手順で測定した。
(i)試験片を、クロスヘッドスピード200mm/minで、伸張変形率100%(標線間距離80mm)まで伸張させる。
(ii)伸張させたあと直ちにクロスヘッドをリバースさせ、クロスヘッドスピード200mm/minで、応力がゼロになるまで収縮させる。
(iii)得られるチャートから、伸張変形率に相当する寸法と、応力残留回復率に相当する寸法とを測定し、伸張変形率と応力残留回復率とを算出する
(iv)更に2個の試験片について上記と同様に測定し、それらの測定値の相加平均値を測定結果とする。
【0074】
本発明で用いられるオレフィン共重合体として、得られる粘着フィルムの粘着力の観点から、該オレフィン共重合体50重量部と、JIS−K−7203に従って測定した曲げ弾性率(Sa(MPa))が1400±100MPa、荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃であるホモポリプロピレン樹脂50重量部とからなる評価用樹脂組成物(1)のJIS K7203に従って測定される曲げ弾性率(Ua(MPa))が下式(5)を充足するオレフィン共重合体が好ましく、下式(6)を充足するオレフィン共重合体がより好ましく、下式(7)を充足するオレフィン共重合体が更に好ましく、下式(8)を充足するオレフィン共重合体が特に好ましい。これらの式中、Taは該評価用熱可塑性樹脂組成物中の該ホモポリプロピレン樹脂含有率(50重量%)を表す。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 (5)
Ua≦1.4×Sa×(Ta/100)3.3 (6)
Ua≦1.3×Sa×(Ta/100)3.3 (7)
Ua≦1.2×Sa×(Ta/100)3.3 (8)
【0075】
あるオレフィン共重合体が上式(5)〜(8)を満足するかどうかは、以下の手順からなる方法で決定される。
【0076】
(1)ホモポリプロピレン樹脂として、JIS−K−7203に従って測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPa、荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分、JIS K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃、であるプロピレンの単独重合体を用いる。該ホモポリプロピレン樹脂として、市販品を用いてもよい。
【0077】
(2)該ホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(Sa)を、JIS−K−7203に従って測定する。
【0078】
(3)該ホモポリプロピレン樹脂50重量部と、オレフィン共重合体50重量部(Ta)と、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製の商品名がイルガノックス1010なる酸化防止剤0.25重量部とを、バッチ式密閉混練機(例えば、ブラベンダー社製の商品名がプラスチコーダーPLV151型なる混練機)にて、スクリュー回転数10rpm、200℃で2分間混練した後、次いで、100rpmで5分間混練することによって、評価用樹脂組成物(1)を得る。
【0079】
(4)上記評価用樹脂組成物(1)を、JIS−K−6758に従って230℃でプレス成形し、3種類のシートを得る。
【0080】
(5)該シートの曲げ弾性率(Ua)を、JIS−K−7203に従って測定する。
【0081】
(6)上記のSa値およびTa値(50重量部)を上式(5)〜(8)の各々の右辺に代入し、右辺の値を求める。
【0082】
(7)該右辺の値と上記Ua値とを比較して、評価用樹脂組成物(1)が上式(5)〜(8)の各々を満足するかどうかを検定する。
【0083】
(8)評価用樹脂組成物(1)が上式(5)を満足する場合、上記オレフィン共重合体は本発明で用いられるオレフィン共重合体に該当するものとする。
【0084】
好ましいオレフィン共重合体は、上記ホモポリプロピレン樹脂30重量部と、オレフィン共重合体70重量部(Ta)と、上記酸化防止剤0.25重量部とを、上記(3)と同様に混練して得られる評価用樹脂組成物(2)が上式(5)を満足する場合のオレフィン重合体である。
【0085】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、公知の、チーグラー・ナッタ型触媒やシングルサイト触媒(たとえば、メタロセン系触媒)のような重合触媒を用いて製造することができる。これらの中、得られるオレフィン共重合体の組成分布の均一性という観点から、好ましい触媒は、チーグラー・ナッタ型触媒である一般式VO(OR)nX3-n(式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、nは0≦n≦3を充足する数値を表す)で示されるバナジウム化合物や、メタロセン系触媒のようなシングルサイト触媒である。
【0086】
シングルサイト触媒の中、メタロセン系触媒について記載されている先行文献として、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−193309号公報、特開平11−80233号公報および、特表平10−508055号公報を例示することができ、非メタロセン系の錯体触媒について記載されている先行文献として、特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報および、特表平11−71420号公報を例示することができる。
【0087】
これらの中、一般的にはメタロセン触媒が使用され、メタロセン触媒として、得られるオレフィン共重合体の柔軟性の観点から、少なくとも1個のシクロペンタジエン形アニオン骨格を有し、かつ、C1対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。メタロセン触媒を用いる高分子量オレフィン共重合体の好適な製造方法として、特願平11−206054に記載された方法を例示することができる。
【0088】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、該共重合体と、それ以外の熱可塑性樹脂との組合せからなる熱可塑性樹脂組成物として用いてもよい。該熱可塑性樹脂は、公知の熱可塑性樹脂であってもよい。該熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン樹脂;高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のようなポリエチレン樹脂;エチレンとアクリル酸モノマ−との共重合体樹脂;エチレンと酢酸ビニルモノマ−との共重合体樹脂;エチレンとメタクリル酸モノマ−との共重合体樹脂;ポリブテン樹脂;ポリ−4−メチル−ペンテン−1樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンオキサイド樹脂;ポリアセタール樹脂;ならびにポリカーボネート樹脂を例示することができる。これらの中、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂のようなポリオレフィン樹脂が好ましく、炭素数2以上の脂肪族オレフィン単位を主単位とするポリオレフィン樹脂がより好ましく、結晶性のポリエチレン樹脂または結晶性のポリプロピレン樹脂がさらに好ましい。
【0089】
上記の結晶性のポリエチレン系樹脂や結晶性のポリプロピレン系樹脂における結晶性の指標として、融点や結晶融解熱量のような物性が用いられる。融点は、得られる粘着フィルムの高温下での粘着力および、被着体表面への粘着剤の残り難さの観点から、好ましくは80〜176℃、より好ましくは90〜176℃である。結晶融解熱量は、上記と同じ観点から、好ましくは30〜120J/g、さらに好ましくは60〜120J/gである。
【0090】
粘着フィルムの粘着力や、被着体表面への粘着剤の残りにくさの観点から、上記熱可塑性樹脂組成物のJIS K 6251に従って測定される引張切断時伸びが下式(9)を充足することが好ましく、下式(10)を充足することがより好ましく、下式(11)を充足することがさらに好ましく、下式(12)を充足することが特に好ましい。
EB ▲1▼ ≧ EB ▲2▼ −30 (9)
EB ▲1▼ ≧ EB ▲2▼ −20 (10)
EB ▲1▼ ≧ EB ▲2▼ −10 (11)
EB ▲1▼ ≧ EB ▲2▼ (12)
【0091】
上式中、EB▲1▼は、オレフィン共重合体70重量%と熱可塑性樹脂30重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物の引張切断時伸び(%)を表し、EB▲2▼は、オレフィン共重合体30重量%と熱可塑性樹脂70重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物の引張切断時伸び(%)を表す。引張切断時伸び(%)は、ダンベル状3号型の形状を有する試験片を用い、引張速度200mm/minの条件下で測定される。
【0092】
粘着剤層が上記熱可塑性樹脂組成物からなる場合、オレフィン共重合体と熱可塑性樹脂との配合割合は特に制限されない。粘着剤層の柔軟性および耐熱性の観点から、オレフィン共重合体/熱可塑性樹脂なる配合割合(重量比)は、好ましくは95/5〜1/99、より好ましくは90/10〜3/97、特に好ましくは80/20〜5/95である。粘着剤層の粘着力は、熱可塑性樹脂の配合割合によって制御することができる。熱可塑性樹脂として結晶性のポリオレフィン系樹脂を用いた場合、粘着力を特に好ましく制御することができる。結晶性のポリオレフィン系樹脂の配合割合が大であるほど粘着力は低下し、従って、弱粘着性の粘着フィルムを得ることができる。
【0093】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、必要に応じて、該共重合体以外の公知のエラストマーと組合せて用いてもよい。該エラストマーとして、エチレン/α−オレフィン系共重合体ゴム、エチレン/α―オレフィン/ポリエン系共重合体ゴム、ビニル芳香族化合物単位を主単位とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物単位を主単位とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体および、該ブロック共重合体の水素添加物を例示することができる。
【0094】
上記エラストマーとして、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、天然ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコンゴム、ウレタンゴム、イソブチレン-イソプレン共重合体ゴムおよび、ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムを例示することができる。
【0095】
粘着剤層として用いられる、オレフィン共重合体や、該共重合体と熱可塑性樹脂とからなる上記熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、架橋剤を用いる公知の方法(ゴムの加硫において一般的な方法である)によって、イオウ架橋、過酸化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋および樹脂架橋のような架橋をさせることができる。架橋剤として、硫黄、フェノール樹脂、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物、p−キノンジオキシムおよび、ビスマレイミド系の架橋剤を例示することができる。架橋剤は、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と組合せて用いることができる。架橋促進剤として、鉛丹およびジベンゾチアゾイルサルファイドのような酸化剤を例示することができる。架橋剤は、金属酸化物やステアリン酸のような分散剤と組合せて用いることができる。該金属酸化物として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛および酸化カルシウムを例示することができ、この中、酸化亜鉛や酸化マグネシウムが好ましい。オレフィン共重合体と熱可塑性樹脂とからなる上記熱可塑性樹脂組成物は、架橋剤の存在下で動的架橋させてもよい。
【0096】
オレフィン共重合体と熱可塑性樹脂とからなる上記熱可塑性樹脂組成物の製造方法は制限されない。該方法として、各成分を、ラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ルーダーおよび二軸押出機のような通常の混練り装置で混練する方法を例示することができる。混練り装置は、密閉式および開放式のいずれの形式であってもよいが、不活性ガスによって置換し得る密閉式装置が好ましい。混練り温度は、通常120〜250℃、好ましくは140〜240℃である。混練り時間は、用いられる成分の種類や量および、混練り装置の種類に依存し、加圧ニーダーやバンバリーミキサーのような混練り装置を使用する場合、通常、約3〜10分程度である。混練り工程においては、各成分を一括して混練する方法を採用してもよいし、各成分の一部を混練りした後、残部を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採用してもよい。
【0097】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、必要に応じて、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂およびイソプレン系樹脂のような他の樹脂と組合せて用いることができる。
【0098】
上記ロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、及び、メチルエステル)、並びに、ロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマール化ロジン及びライム化ロジン)を例示することができる。
【0099】
上記ポリテルペン系樹脂として、α−ピネン、β−ピネン及びジペンテンのような環状テルペンの単独重合体;上記環状テルペンの共重合体;上記環状テルペンと、フェノール及びビスフェノールのようなフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂およびテルペン−ビスフェノール樹脂のようなテルペン−フェノール系樹脂);並びに、上記環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂、を例示することができる。
【0100】
上記合成石油樹脂として、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体;これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂;芳香族系石油樹脂;脂環族系石油樹脂;並びに、脂肪族−脂環族共重合樹脂を例示することができる。合成石油樹脂として、更に、上記のナフサ分解油と上記のテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂を例示することができる。
【0101】
上記ナフサ分解油の好ましいC5留分として、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、及び、2−メチル−2−ブテンのようなメチルブテン類;1−ペンテン及び2−ペンテンのようなペンテン類;並びに、ジシクロペンタジエンを例示することができる。好ましいC6〜C11留分として、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、及び、β−メチルスチレンのようなメチルスチレン類;メチルインデン;エチルインデン;ビニルキシレン、並びに、プロペニルベンゼンを例示することができる。好ましいその他オレフィン系留分として、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン及びオクタジエンを例示することができる。
【0102】
上記フェノール系樹脂として、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、及び、これら樹脂の変性物を例示することができる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
上記キシレン系樹脂として、m−キシレンとホルムアルデヒドとから成るキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂を例示することができる。
【0103】
上記スチレン系樹脂として、スチレンの低分子量品、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂、及び、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂を例示することができる。
【0104】
上記イソプレン系樹脂として、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂を例示することができる。
【0105】
本発明で用いられるオレフィン共重合体はまた、必要に応じて、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、及び、光安定剤のような安定剤;帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、及び、防曇剤のような添加剤;ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、及び、フッ素樹脂のような充填剤;並びに、ナフテン油およびパラフィン系鉱物油のような鉱物油系軟化剤と組合せて用いてもよい。
【0106】
本発明で用いられるオレフィン共重合体はまた、必要に応じて、難燃剤と組合せて用いてもよい。難燃剤として、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤およびジルコニウム系難燃剤のような無機化合物;ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、及び、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシドのようなりん酸エステルやりん化合物;塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン及びパークロロシクロペンタデカンのような塩素系難燃剤;並びに、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、及び、テトラブロモジペンタエリスリトールのような臭素系難燃剤を例示することができる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。本発明で用いられるオレフィン共重合体はまた、必要に応じて、発泡剤と組合せて得られる発泡体であってもよい。発泡剤として、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、及び、炭酸アンモニウムのような無機発泡剤;N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合物;アゾカルボナミド及びアゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物;並びに、ベンゼンスルフォニルヒドラジン、 p,p'−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジド、及び、トルエンスルフォニルヒドラジド誘導体のようなスルフォニルヒドラジドを例示することができる。発泡剤は、サリチル酸、尿素、及び、尿素誘導体のような発泡助材と組合せて用いてもよい。
【0107】
本発明で用いられるオレフィン共重合体や熱可塑性樹脂は、必要に応じて、極性ポリマーのような高周波加工助材と組合せて用いてもよい。高周波加工助材として、エチレンと、少なくとも1種のコモノマーとの共重合体を例示することができる。コモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸およびクロトン酸のようなモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸のようなジカルボン酸;上記ジカルボン酸のモノエステル;メチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル;メチルアクリレート及びエチルアクリレートのようなアクリル酸エステル;酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのような飽和カルボン酸のビニルエステル;並びに、これらの酸やエステルのアイオノマーを例示することができる。
【0108】
本発明で用いられるオレフィン共重合体は、必要に応じて、粘着付与剤と組合せて用いてもよい。粘着付与剤として、ロジンやダンマルのような天然ロジン樹脂;変性ロジンやその誘動体;テルペン系樹脂やその変性体;ならびに、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、アルキルフェノール樹脂およびクロマンインデン樹脂のような樹脂、を例示することができる。これらの中、テルペンフェノールやα―ポリテルペンのようなテルペン類が好ましい。テルペン類として、YSレジンTO―105やクリアロン(以上、ヤスハラケミカル社製の商品名)、アルコン、エステルガムおよびペンセル(以上、荒川化学社製の商品名)を例示することができる。
【0109】
基材層用の熱可塑性樹脂として、結晶性ポリプロピレン、プロピレンの単独重合体および、プロピレンと少量のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体のようなポリプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂;ポリ−4−メチル−ペンテン−1;エチレン−α−オレフィン共重合体;α−オレフィン単位を主単位とするプロピレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−エチルアクリレート共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−メチルメタクリレート共重合体;エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体;ならびに、これらの組合せを例示することができる。これらの中、粘着性および剥離性に優れた粘着フィルムを得る観点から、本発明で用いられるオレフィン共重合体との相溶性のよいポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が好ましい。基材層と粘着剤層とが剥離し難い粘着フィルムを得る観点および、粘着フィルムのリサイクル性の観点から、基材層用の熱可塑性樹脂は、粘着剤層用のオレフィン共重合体と同種の重合体であることが好ましい。
【0110】
基材層は、単層であっても良いし、少なくとも2層からなる多層であっても良い。基材層の表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理および紫外線照射処置のような周知の表面処理法で処理されていても良い。基材層は、無色透明の層であっても良いし、着色された又は印刷された層であっても良い。
【0111】
本発明の粘着フィルムは、基材層の片面に粘着剤層を有する粘着フィルムであっても良いし、基材層の両面に粘着剤層を有する粘着フィルムであっても良い。
【0112】
本発明の粘着フィルムの製造方法として、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置のような装置を用いて、基材層と粘着剤層とを共押出する方法や押出コーティングする方法(「押出ラミネート法」ともいう)を例示することができる。
【0113】
基材層は、必要に応じて、一軸方向または二軸方向に延伸されていても良い。一軸延伸の好ましい方法として、通常用いられているロール延伸法を例示することができる。二軸延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延伸を行う逐次延伸法や、チューブラ延伸法のような同時二軸延伸法を例示することができる。
【0114】
本発明の粘着フィルムの厚さは特に限定されず、好ましくは0.001〜5mm程度、さらに好ましくは0.005〜2mm程度である。基材層および粘着剤層のそれぞれの厚さは、被着体の種類や、粘着フィルムに要求される物性(たとえば粘着強度)に応じて決めればよい。
【0115】
本発明の粘着フィルムを重ね巻きされた巻物として製造する場合、巻物からの粘着フィルムの引き出し易さ、すなわち自己剥離性という観点から、巻物中に剥離紙を挟んだり、基材層の背面に剥離剤を塗布したりしても良い。剥離剤として、シリコーン系剥離剤および非シリコーン系剥離剤を例示することができる。シリコーン系剥離剤として、熱硬化型シリコーン系剥離剤、光硬化型シリコーン系剥離剤、他ポリマーとの共重合体剥離剤および、他ポリマーとのブレンド系剥離剤を例示することができる。非シリコーン系剥離剤として、長鎖アルキルポリマーや、ポリオレフィンや、フッ素化合物を主成分とする剥離剤を例示することができる。
【0116】
基材層用の熱可塑性樹脂は、必要に応じて、基材層表面に滑り性のような機能を付与するために、離型剤のような添加剤と組合せて用いてもよい。
【0117】
本発明の粘着フィルムが好適に用いられる分野として、半導体ウエハー用バックグラインドテープ、ダイシングテープ、電子部品搬送用保護テープおよび、プリント基板用保護テープのようなエレクトロニクス分野;窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装用フィルム、自動車をユーザーにわたるまで保護するためのガードフィルム、表示用マーキングフルム、装飾用マーキングフルムおよび、緩衝・保護・断熱・防音用のスポンジテープのような自動車分野;絆創膏や経皮吸収貼付薬のような医療・衛生材料分野;ならびに、電気絶縁用、識別用、ダクト工事用、窓ガラス保護用、養生用、包装用、梱包用、事務用、家庭用、固定用、結束用および、補修用の粘着フィルムや保護フィルムのような住宅・建設分野を例示することができる。
【0118】
本発明の粘着フィルムは特に、合成樹脂板、ステンレス板(例えば、建築資材用)、アルミ板、化粧合板、鋼板、ガラス板、家電製品、精密機械および、製造時の自動車ボディーの表面を保護するため;物品を積み重ねたり、保管したり、輸送したりする際の傷付きから防止するため;ならびに、物品を二次加工する(たとえば、曲げ加工やプレス加工)際の傷付きから防止するために、好適に用いることができる。
【0119】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0120】
オレフィン共重合体の物性は、以下の方法で測定した。
1.オレフィン共重合体の組成分析
定性分析については、IR分析から、720cm-1にエチレン単位のメチレン基の横ゆれ振動が、1154cm-1にプロピレン単位のメチル基の横ゆれ振動が、770cm-1に1−ブテン単位のエチル基中のメチル基の横ゆれ振動が、それぞれ観察されたことから、得られた共重合体はエチレン単位、プロピレン単位および1-ブテン単位を有することを確認した。
【0121】
定量分析については、Bruker社製の商品名がAC−250なる装置を用い、以下の手順(i)〜(ii)で求めた。
(i)先ず、13CNMRスペクトルにおいて、プロピレン単位中のメチル基に由来する炭素のスペクトル強度と、1−ブテン単位中のメチル基に由来する炭素のスペクトル強度との比から、プロピレン単位と1−ブテン単位との組成比を算出する。
(ii)次いで、1HNMRスペクトルにおいて、メチン基とメチレン基とに由来する水素のスペクトル強度と、メチル基に由来する水素のスペクトル強度との比から、エチレン単位、プロピレン単位および1−ブテン単位の組成比を算出する。
【0122】
2.結晶融点(℃)、結晶融解熱量(mj/mg)、結晶化温度(℃)、結晶化熱量(mj/mg)
セイコー電子工業社製の示差走査熱量計(DSC220C型)を用い、10℃/分の昇温速度および降温速度で測定した。
【0123】
3.分子量分布(Mw/Mn)
サンプル約5mgをo−ジクロロベンゼン5mlに溶解して濃度約1mg/mlの溶液を得、該溶液の400μlをGPC装置にインジェクションして、溶出温度140℃及び溶出溶媒流速1.0ml/minの条件下で、サンプルの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)並びに分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
ここで、GPC装置としてWaters社製の150C型(屈折率検出器)を用い、カラムとして昭和電工社製の商品名がShodex Packed Column A−80Mを用い、サンプルの分子量(ポリスチレンの分子量に換算された分子量)を求めるための標準物質として、分子量範囲が68〜8,400,000の東ソー社製ポリスチレンを用いた。
【0124】
4.極限粘度
サンプル300mgをテトラリン100mlに溶解して得られた濃度3mg/mlの溶液を1/2、1/3及び1/5に希釈し、各希釈溶液の粘度を135±0.1℃にてウベローデ粘度計を用いて各3回測定し、それら測定値の平均値を求めた。
【0125】
粘着フィルムの物性は、以下の方法で測定した。
1.剥離強度
以下の手順(1)〜(5)からなる方法で測定した。
(1)粘着フィルムをアクリル板に貼り付ける。
(2)これを、重さ5Kgのゴム被覆ローラーで圧着する。
(3)23℃で30分間放置する。
(4)23℃の雰囲気中、剥離幅25mm、ピール角度180°、剥離速度300mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させるに要する力を測定し、これを23℃における剥離強度(g/25mm)とした。
(5)上記手順(3)および(4)の温度を−20℃に設定して上記方法を行い、−20℃における剥離強度(g/25mm)を測定した。
【0126】
2.経時剥離力
以下の手順(1)〜(4 )からなる方法で測定した。
(1)粘着フィルムをアクリル板に貼り付ける。
(2)これを、重さ5Kgのゴム被覆ローラーで圧着する。
(3)熱風循環式オーブン中、40℃で75時間放置する。
(4)オーブンから出して23℃の雰囲気中に放置し、アクリル板の温度が23℃まで低下した後、23℃の雰囲気中、剥離幅25mm、ピール角度180°、剥離速度300mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させるに要する力を測定し、これを経時剥離力(g/25mm)とした。
【0127】
3.汚染性
上記経時剥離力測定後のアクリル板の表面を目視で観察し、粘着剤による汚染性(曇り)が無い場合を○とし、有る場合を×とした。
参考例1(オレフィン共重合体Aの製造)
攪拌機を備えた100Lのステンレススチール製重合器の下部から、ヘキサン(溶媒)を83L/時間、プロピレンを12Kg/時間、1−ブテンを1.3Kg/時間、下式で表されるジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.260g/時間、トリイソブチルアルミニウムを1.654g/時間の速度でそれぞれ連続的に供給し、他方、重合器中の重合液が100Lを保持する速度で重合器の上部から重合液を連続的に抜き出しながら、分子量調節剤として水素を用い、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、34℃にてプロピレンと1−ブテンとを共重合させた。
重合器から抜き出された重合液に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄を行い、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去して共重合体を取り出し、該共重合体を80℃で昼夜減圧乾燥した。プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、「オレフィン共重合体A」と言う)を2.9Kg/時間の速度で得た。オレフィン共重合体Aの物性を表1に示す。
【0128】
参考例2(オレフィン共重合体Bの製造)
重合器の下部から、ヘキサン(溶媒)を83L/時間、エチレンを6.1Kg/時間、プロピレンを1.9Kg/時間、1−ブテンを17.1Kg/時間、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.297g/時間、トリイソブチルアルミニウムを3.307g/時間の速度でそれぞれ連続的に供給したこと、及び、53℃にて重合させたこと以外は参考例1と同様に行い、エチレンとプロピレンと1-ブテンとを共重合させ、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、「オレフィン共重合体B」と言う)を3.7Kg/時間の速度で得た。オレフィン共重合体Bの物性を表1に示す。
【0129】
参考例3(オレフィン共重合体Cの製造)
重合器の下部から、ヘキサン(溶媒)を83L/時間、エチレンを3.5Kg/時間、プロピレンを17.3Kg/時間、VO(OC2H5)2Clを2.22g/時間、エチルアルミニウムセスキクロライドを7.79g/時間の速度でそれぞれ連続的に供給したこと、及び、38℃にて重合させたこと以外は参考例1と同様に行い、エチレンとプロピレンとを共重合させ、エチレン−プロピレン共重合体(以下、「オレフィン共重合体C」と言う)を4.1Kg/時間の速度で得た。オレフィン共重合体Cの物性を表1に示す。
【0130】
実施例1
粘着剤層としてのオレフィン共重合体A、及び、基材層としての住友化学工業社製の商品名がエクセレンEPX KS37G1なるポリプロピレン樹脂(230℃、2.16Kg荷重におけるMI=2.5g/10分)のそれぞれを厚さ100μmのシートに成形した後、両者を張り合わせ、次いで、200℃オーブン中で加熱融着させて粘着シートを得た。この粘着シートの物性を表2に示す。
【0131】
実施例2
オレフィン共重合体A70重量部と、住友化学工業社製の商品名がノ−ブレンS131なるポリプロピレン樹脂(230℃、2.16Kg荷重におけるMI=1.5g/10分)30重量部とを、ブラベンダー社製の商品名がプラスチコーダーPLV151型なる混練機を用い、200℃にてスクリュー回転数10rpmで2分間予備混練した後、200℃にて80rpmで10分間混練し、粘着剤を得た。粘着剤層としてこの粘着剤を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、粘着シートを得た。この粘着シートの物性を表2に示す。
【0132】
実施例3
粘着剤層としてオレフィン共重合体Cを用いたこと、基材層として住友化学工業社製の商品名がスミカセンF200なるホリエチレン樹脂(190℃、2.16Kg荷重におけるMI=2g/10分)を用いたこと、及び、オーブンの温度を180℃にしたこと以外は実施例1と同様に行い、粘着シートを得た。この粘着シートの物性を表2に示す。
【0133】
実施例4
オレフィン共重合体B70重量部と、エクセレンEPX KS37G1 30重量部とを、ブラベンダー社製の商品名がプラスチコーダーPLV151型なる混練機を用い、200℃にてスクリュー回転数10rpmで2分間予備混練した後、200℃にて80rpmで10分間混練し、粘着剤を得た。 粘着剤層としての該粘着剤と、基材層としての住友化学社製の商品名がスミカセンCE2575なるポリエチレン樹脂(190℃、2.16Kg荷重におけるMFR=2g/10分)とを、プラコー(株)社製インフレフィルム成形機を用い、以下の条件で積層フィルムに加工し、粘着フィルムを製造した。該粘着フィルムの全厚さは50μm、粘着剤層の厚さ/基材層の厚さなる比は1/4であった。この粘着フィルムの物性を表2に示す。
粘着剤をφ=50mm、L/D=28の押出機から190℃にて押出し、基材用樹脂をφ=50mm、L/D=28の押出機から190℃にて押出し、両方の押出物をダイ径φ=150mm、ダイリップ=1.2mm、ダイス温度=190℃の多層インフレダイに供給し、基材層の片面に粘着剤層が積層されるように、ブロー比=1.8、引取速度=10m/分でインフレーション成形した。
【0134】
実施例5
オレフィン共重合体B60重量部と、エクセレンEPX KS37G1 40重量部とを用いたこと以外は実施例4と同様に行い、粘着フィルムを製造した。この粘着フィルムの物性を表2に示す。
【0135】
実施例6
オレフィン共重合体B50重量部と、エクセレンEPX KS37G1 50重量部とを用いたこと以外は実施例4と同様に行い、粘着フィルムを製造した。
この粘着フィルムの物性を表2に示す。
【0136】
比較例1
粘着剤層としてダウ社製の商品名がアフィニティPF1140なるエチレン−オクテン共重合体([η]=1.0dl/g、Mw/Mn=2.3、融点98℃、融解熱86J/g)を用いたこと、基材層としてスミカセンF200を用いたこと、及び、オーブンの温度を180℃にしたこと以外は実施例1と同様に行い、粘着シートを得た。この粘着シートの物性を表3に示す。
【0137】
比較例2
住友化学社製の商品名がエスプレン201なるエチレン−プロピレン共重合体([η]=1.7dl/g、Mw/Mn=3.6)70重量部と、スミカセンF200 30重量部とを用いたこと、及び、180℃にて混練したこと以外は実施例4と同様に行い、粘着剤を得た。この粘着剤と、基材としてのスミカセンF200を用い、実施例4と同様に行い、粘着フィルムを製造した。この粘着フィルムの物性を表3に示す。
【0138】
【表1】
【0139】
【表2】
【0140】
【表3】
【0141】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によって、使用温度範囲に関わらず、低温環境下や高温環境下でも極端な経時変化することなく好適な粘着性を維持し、使用後の被着体表面を汚染することなく剥離性に優れた粘着フィルムを提供することができ、更に、粘着剤層に本発明のある特定の熱可塑性樹脂組成物を用いることによって、特定の重合体と結晶性ポリオレフィン系樹脂のブレンド比率により、粘着力を制御した粘着フィルムを提供することができた。
Claims (4)
- 下記の基材層と粘着剤層とからなる粘着フィルムを、共押出または押出コーティングにより製造する方法。
(i)熱可塑性樹脂からなる基材層。
(ii)エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフィンの重合単位を含み、かつ、下記(a)および(b)を充足するオレフィン共重合体からなる粘着剤層。
(a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上のピ−クのいずれのピークも有しない。
(b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は3以下である。 - オレフィン共重合体の極限粘度[η]が0.5〜10dl/gである請求項1記載の粘着フィルムの製造方法。
- 粘着剤層が、オレフィン共重合体と熱可塑性樹脂とからなる請求項1記載の粘着フィルムの製造方法。
- 粘着剤層が、オレフィン共重合体と結晶性ポリオレフィン樹脂とからなる請求項1記載の粘着フィルムの製造方法。
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