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JP4097224B2 - ナノ構造体および電子放出素子 - Google Patents
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JP4097224B2 - ナノ構造体および電子放出素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ構造体および電子放出素子に関する。特に、本発明のAlの陽極酸化の手法を用いて作製したナノ構造体は、電子デバイスやマイクロデバイスなどの機能材料や、構造材料などとして、広い範囲で利用可能である。特に量子効果デバイス、電気化学センサー、バイオセンサー、磁気メモリ、磁気デバイス、発光デバイス、フォトニックデバイス、太陽電池などとしての応用が可能である。
金属及び半導体の薄膜、細線、ドットなどでは、ある特徴的な長さより小さいサイズにおいて、電子の動きが閉じ込められることにより、特異な電気的、光学的、化学的性質を示すことがある。このような観点から、機能性材料として、100ナノメータ(nm)より微細な構造を有する材料(ナノ構造体)の関心が高まっている。
ナノ構造体の製造方法としては、たとえば、フォトリソグラフィーをはじめ、電子線露光、X線露光などの微細パターン描画技術をはじめとする半導体加工技術による作製があげられる。
また、このような作製法のほかに、自然に形成される規則的な構造、すなわち、自己組織的に形成される構造を利用して新規なナノ構造体を実現しようとする試みがある。これらの手法は、ベースとして用いる微細構造によっては、従来の方法を上まわる微細で特殊な構造を作製できる可能性があるため、多くの研究が行われ始めている。自己組織的に形成される特異な構造の一例としては、陽極酸化アルミナ皮膜が挙げられる(たとえば、非特許文献1等参照)。
Al板を酸性電解質中で陽極酸化すると、多孔質酸化皮膜が形成される。図3(a)はAl板31を陽極酸化して表面に多孔質の陽極酸化膜32を形成してなるナノ構造体の概略断面図であり、図3(b)は例えば半導体基板33上に形成したAl薄膜34の表面を陽極酸化して多孔質の陽極酸化膜32を形成したナノ構造体の概略断面図である。図3(a)及び(b)に示した様に、陽極酸化膜の特徴は、例えば直径2rが数nm〜数100nmの極めて微細な円柱状細孔(ナノホール)35が、数10nm〜数100nmの間隔2Rで平行に配列している特異的な幾何学的構造を有している点にある。この円柱状のナノホール35は、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも優れている。またこのナノホール35の直径2rおよび間隔2Rは、陽極酸化の際の電流、電圧を調整することによりある程度の制御が可能である。また陽極酸化膜32とAl基板31或いはAl膜34との間には、バリア層(酸化Alの層)36が存在している。
この陽極酸化による陽極酸化膜の特異的な幾何学構造に着目してこれまで様々な応用が試みられている。たとえば、陽極酸化膜の耐摩耗性、耐絶縁性を利用した皮膜としての応用や、皮膜を剥離してフィルターへの応用がある。さらには、ナノホール内に金属や半導体等を充填したり、ナノホールのレプリカを用いることより、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサー、をはじめとするさまざまな応用が試みられている。さらには量子細線、MIM素子などの量子効果デバイス、ナノホールを化学反応場として用いる分子センサー、など多方面への応用が期待されている(非特許文献2)。
ところで、先に述べた半導体加工技術によるナノ構造体の作製は、歩留まりの悪さや装置のコストが高いなどの問題があり、簡易な手法で再現性よく作製できる手法が望まれており、このような観点から、上記した自己組織的手法、特にAlの陽極酸化の手法は、ナノ構造体を容易に、制御よく作製することができるという利点がある。また、これらの手法では、一般に、大面積のナノ構造体を作製することが可能である。
ところで図3(a)及び(b)に示したナノ構造体は、Al板(膜)表面に限られていたため、その応用も形態にも制限があった。たとえば、Alの融点は660℃である為、その表面に作製されたナノホールに対しても、上記温度以上の熱処理を施すことができなかったことが挙げられる。その意味で、ナノホールを機能材料として多様な方向で使用するためには、高融点の基板上に陽極酸化膜をその特徴的な幾何学構造を破壊すること無しに形成することや、高温でのクラックの発生を防止する技術が望まれている。
また、陽極酸化膜の特徴的な幾何学構造を電子デバイスに応用することを考えると、半導体、特にSi基板上に陽極酸化膜形成する技術が望まれる。Si基板上に陽極酸化膜を作製することができれば、ダイオード、トランジスタをはじめとするSi半導体技術との融合を可能にし、さらに応用範囲を広げることが期待できる。
Si基板上にナノホールを有する陽極酸化膜を構成した例として、特許文献1には、先ずSi基板上にAl膜を形成し、このAl膜を陽極酸化膜に変換した後、陽極酸化膜のナノホールの底部に存在するバリア層を除去し、露出したSi基板にSiと共晶合金が形成可能な金属層(Au、Pt、Pd、Ni、Ag、Cu)を形成し、VLS法によりSi針状結晶を成長させる技術が開示されている。この技術においては、ナノホール(細孔)をSi基板まで貫通させるために、Al膜を陽極酸化後、ナノホール底のバリアー層を除去する工程を行っている。このバリアー層を除去する手法としては、クロム酸系のエッチング液を用いる手法、陽極酸化終了後Si基板と対向電極を外部導線で接続して液中で放置する手法が挙げられている。
特開平7−272651号公報 R.C.Furneaux,W.R.Rigby & A.P.Davidson"NATURE"Vol.337 P147(1989) 益田"固体物理"31,493(1996)
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術に関して、本出願人が鋭意検討したところ、Al膜を全膜厚にわたり陽極酸化し、全てのナノホール35に関してバリアー層を残した状態で、Alを陽極酸化することは非常に困難であることが判明した。即ちナノホールの深さにはある程度ばらつきが生じるため、広い範囲にわたって均一なバリアー層を残した図4に示したような構成を作製することは困難であった。その理由は明らかでないが、Al膜を陽極酸化する過程において、バリア層がごく短時間のうちに変質もしくは失われ、電解質がSi基板に接触し、Siの酸化反応や電解質の分解が生じてしまうためであると考えられる。そして、基板上の一部においては、バリアー層を残したナノホールを形成できる場合が有るものの、このバリアー層除去工程を行うと、図5に示すようにバリア層除去部37のナノホール径の直線性が乱れ、不連続になり、またそれぞれのナノホールで形状が大きく異なるなどの問題を呈した。特にナノホールの深さが深い場合には、膜厚や陽極酸化の進行具合にばらつきが出やすく、均一な形状の貫通ナノホールを安定して形成することは極めて困難であった。
また本発明者らはこれまでの実験から、Cu、Zn、Au、Pt、Pd、Ni、Fe、Co及びWから選ばれる少なくとも1つの元素を含む導電性表面を有する基板の該導電性表面上に形成したアルミニウム膜を陽極酸化していったときに、陽極酸化電流が急激に増加し、その後に低下する現象を見出しており、その様な電流変化が観察された後の陽極酸化膜のナノホールは殆どが破壊されてしまうものの、陽極酸化電流が変化した直後に陽極酸化電流を停止すれば、導電性表面にまで貫通したナノホールを備えた陽極酸化膜を得られるとの知見を得ている。しかしその後の検討の結果、この方法によって得られるナノホールの中には導電性表面にまで到達していないものが相当数観察され、ナノホールの形状の均一性において十分でなく、より一層の改善が必要であることを確認している。
本発明は上記したような技術的要求に鑑みなされたものであり、その目的の一つはこれらの問題点を解決することにあり、半導体、貴金属、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つから選ばれる基板上に、形状の均一性に優れた貫通ナノホールを有する陽極酸化膜を具備し、該ナノホール内に充填物を有するナノ構造体を提供することにある。
また本発明の他の目的は、より多くの電子が放出される、より高性能の電子放出素子を提供する点にある。
そして上記の目的を達成することのできる本発明の第一の実施態様に関わるナノ構造体は、半導体、貴金属、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウム膜を陽極酸化して形成したナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまで貫通しており、該ナノホールは、該陽極酸化膜表面から第1の直径で該基板表面側に向かって延び、且つ該基板表面側には、該第1の直径から該第1の直径よりも大きな第2の直径になるまで、該基板表面側に向かって徐々にナノホール径が拡張している拡張部を有し、該ナノホール内に磁性体、発光体、あるいは蛍光体を有することを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成することのできる本発明の第二の実施態様に関わるナノ構造体は、半導体、貴金属、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウム膜を陽極酸化して形成したナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまで貫通しており、該ナノホールは、該陽極酸化膜表面から第1の直径で該基板表面側に向かって延び、且つ該基板表面側には、該第1の直径から該第1の直径よりも大きな第2の直径になるまで、該基板表面側に向かって徐々にナノホール径が拡張している拡張部を有し、該ナノホール内に金属、半導体、酸化物、カーボンナノチューブ、酵素、あるいは抗体を有することを特徴とするものである。
前記基板表面には、互いに電気的特性の異なる第1及び第2の領域を備えていることが好ましい
即ち本発明は、半導体、貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウム薄膜を形成し、該アルミニウム薄膜がより均一に酸化されるように工夫して陽極酸化を行なったところ、これまでの本発明者らの知見に反して陽極酸化電流が所定時間、定常値を示した後に陽極電流の低下が観察され、その陽極電流の変化に基づき陽極酸化を停止することで、形状の均一性に優れたナノホールが形成された陽極酸化膜を得られるとの本発明者の知見に基づきなされたものである。
そしてこのようなナノホールは直径が小さくなっている部位を有し、若しくは第2の直径が第1の直径よりも大きいといった特徴的な形状を有するものとなる。そして係る形状のナノホールを有する陽極酸化膜を例えばマスクとして用い、蒸着等を行なうことによって機能性物質を極めて微細なパターン状に形成することができる。また陽極酸化膜をマスクとして用いて該基板表面をエッチングすることによって該基板表面に極めて微細なパターニングを施すことができる。また第2の直径が第1の直径よりも大きなナノホールは、ナノホールに内包物を電着したときに該内包物と基板表面との間の良好な電気的接続を取るうえで好ましい形態である。
また上記の目的を達成することのできる電子放出素子の一実施態様は半導体、貴金属銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまで貫通しており該ナノホールは、該陽極酸化膜表面から第1の直径で該基板表面側に向かって延び、且つ該基板表面側には、該第1の直径から該第1の直径よりも大きな第2の直径になるまで、該基板表面側に向かって徐々にナノホール径が拡張している拡張部を有し、該ナノホール内に金属、半導体、酸化物、カーボンナノチューブ、酵素、あるいは抗体を有することを特徴とするナノ構造体を有し、且つ、前記ナノホール内に前記カーボンナノチューブを内包するとともに、前記陽極酸化膜表面に対向する位置にある電極を有することを特徴とするものである。
更に上記の目的を達成することのできるナノ構造体の製造方法の一実施態様は、半導体、貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つの材料を含む表面を有する基板上にナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面にまで貫通し、且つ該陽極酸化膜表面において第1の直径を有し、該基板表面において第2の直径を有し、更に該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまでの間に該第1の直径及び該第2の直径よりも小さな直径の部位を有するか、該第2の直径が該第1の直径よりも大きいナノ構造体の製造方法であって、
i)半導体、貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウムを含む膜を形成する工程;及び
ii)該アルミニウムを含む膜を陽極酸化する工程を有し、該工程ii)が陽極酸化電流を検知しつつ陽極酸化を行ない、該陽極酸化電流が定常値から低下したときに該アルミニウム膜の陽極酸化を停止することを特徴とするものである。
また、これらのナノ構造体を具備することを特徴とする電気化学デバイスに有効である。
更にまた上記の目的を達成することのできるカーボンナノチューブデバイスの製造方法の一実施態様は、n型半導体領域からなる表面を有する基板上にAlを含む膜を形成する工程;該Alを含む膜を、全膜厚にわたり陽極酸化してナノホールを有する陽極酸化膜を形成する工程;該ナノホールの底部の表面に触媒微粒子を電着する工程;及び該触媒微粒子からカーボンナノチューブを成長させる工程を有することを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明により以下の効果がある。
半導体、貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅やカーボンを含む導電性表面を備えた基板上に、該導電性表面にまで到達し、且つ形状の均一性にも優れたナノホールを有する陽極酸化膜を具備したナノ構造体を得ることができる。また該ナノホールに、金属、半導体、酸化物等を埋め込むことにより、このナノ構造体を新たな電子デバイスに応用できる可能性がある。
また適正な陽極酸化終了のタイミングの設定により、形状の均一性に優れたナノホールを備えた陽極酸化膜を有するナノ構造体を容易に得ることができる。この方法によれば、ナノホールはその底部近傍にくびれ部、もしくは拡径部があるような固有の形状を有する。そしてくびれ部を有するナノホールはその開口部が微細である為、該陽極酸化膜をマスクとして用いて該基板表面のパターンニングを行なうことで、該基板表面の微細パターニングを行なう上で好適に用いることができる。また拡径部を有するナノホールは、そのナノホールに内包物を充填し、且つ該充填物と該基板表面との導通させる場合に有利な構成である。
また本発明のナノ構造体の基板として、基板表面が特性の異なる第1の領域と第2の領域とを有するような基板を用いることによって、ナノホールへの機能性の付与を選択的に行なうことができる。例えば基板表面にp型半導体領域とn型半導体領域とを設けたり、或いはキャリア濃度の異なる領域を形成した基板上に陽極酸化膜を設け、得られたナノホールに基板表面の導電性の差異を利用して特定の領域上のナノホールにのみ内包物を担持させることができる。すなわちナノホールの底や内包物のパターニングができる。これを用い量子効果デバイスや電気化学センサー、光デバイス、磁気デバイスを実現できる。また、半導体下地がSiで内包物を電着やCVDなどで行う場合には、ナノホール底のSi表面を表面をエッチングによりクリーニングすることにより、内包物の接合性や結晶性、均一性が高められる。
本発明のナノ構造体は高温耐性に優れたものとなり、また熱処理により結晶性に優れた陽極酸化アルミナナノホールを形成できる。さらには、半導体下地とカーボンナノチューブが接続されたカーボンナノチューブデバイスを実現可能とする。これらは、陽極酸化アルミナナノホールをさまざまな形態で応用することを可能とするものであり、その応用範囲を著しく広げるものである。本発明のナノ構造体は、それ自体機能材料として使用可能であるが、さらなる新規なナノ構造体の母材、モールドなどとして用いることもできる。
本発明にかかるナノ構造体は、その陽極酸化膜を量子細線、MIM素子、分子センサー、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサー、耐摩耗性、耐絶縁性皮膜、フィルターをはじめとするさまざまな形態で応用することを可能とするものであり、その応用範囲を著しく広げる作用を有する。
以下、本発明の特徴を説明する。
ナノ構造体の構成
図1は本発明の一実施態様に関わるナノ構造体(半導体上ナノホール)の概略平面図であり、図2は図1のAA線断面図である。図1、2において、11は半導体基板、13は陽極酸化膜、14は該陽極酸化膜13が有するナノホール(細孔)である。この陽極酸化Al膜13は、アルミニウムと酸素を主成分とし、多数の円柱状のナノホール(細孔)14を有している。そしてナノホール14は、半導体基体の表面にほぼ垂直に配置し、それぞれのナノホールは互いに平行かつほぼ等間隔に配置している。またナノホール14は陽極酸化膜13の表面から半導体基板表面にまで貫通し、且つ陽極酸化膜13の表面において第1の直径(2r)を有し、半導体基板11の表面において第2の直径(2r’)を有し、そして陽極酸化膜表面から半導体基板表面に至るまでの間に、直径が第1の直径及び第2の直径よりも小さい部位16(くびれ部)を有している。また、各ナノホールは、図1に示すように三角格子状に配列する傾向がある。ナノホールの直径2rは数nm〜数100nm、間隔2Rは数10nm〜数100nm程度である。
ナノ構造体の製造方法
このようなナノ構造体は、例えば半導体基板の表面上に形成したAl膜の陽極酸化電流値が定常値を示した後に低下した時点で陽極酸化を停止することによって得ることができる。そして陽極酸化の停止の目安となる、Al膜の陽極酸化電流値が定常値を示した後に低下するような陽極酸化電流の変化のプロファイルを得る為には、Al膜の陽極酸化がより均等に進む様な装置や方法を採用することが好ましい。即ちこのような装置及び方法の少なくとも一方を採用することによって、Al膜の部分的な陽極酸化の進行やその結果生じるピンホールの形成を防止し、陽極酸化終了時に陽極酸化電流値が減少することなく増加に転じてしまうことを防ぐことができる。
ここで図6は陽極酸化装置の一例を示す概略図である。図6中、60は恒温槽であり、61は試料でありその表面にAl膜67があり、試料は試料ホルダー68に設置されており、63は電解質、64は反応容器であり、62はPt板のカソード、65は陽極酸化電圧を印加する電源、66は陽極酸化電流を測定する電流計である。図では省略してあるが、このほか電圧、電流を自動制御、測定するコンピュータなどが組み込まれている。試料61(半導体基板11上にAl膜)およびカソード62は、恒温水槽により温度を一定に保たれた電解質中に配置され、電源より試料、カソード間に電圧を印加することで陽極酸化が行われる。そして陽極酸化工程において、Alを主成分とする膜および板は、電極の役割も果たす。しかし、本発明のように、Alを主成分とする膜を全膜厚にわたり陽極酸化する場合には、陽極酸化の進行に伴いAl膜自体が酸化されることで、Al膜の電極としての役割が不十分となり、その結果供給電圧が不十分となり、ナノホールの形状や、各ナノホール間のばらつきを生じる可能性がある。このような観点から、Al膜の陽極酸化をより均等に進める為に陽極酸化工程において半導体基板から電極をとることが好ましく、また半導体背面から電極をとる場合には半導体中での電圧降下が大きすぎないように抵抗を下げることが望ましい。その為には例えば低抵抗半導体基板を用いる、半導体層を薄くする、大きなショットキーバリアを形成しないようにするなどの工夫が有効である。
また陽極酸化面積を容器やホルダと比べて小さくしたり、陽極酸化されるべきAl膜を有する基板を陽極酸化に用いる電解質の対流の影響が少なくなるように基板や対向電極などを配置したり、電解質の攪拌を抑える等の手段もAl膜を均等な陽極酸化させるうえで有効である。更には対向電極を陽極酸化面積に比べて十分に大きくすることもAl膜の均等な陽極酸化の為の有効な手段の一つである。
また陽極酸化に用いる電解質は、たとえば、シュウ酸、りん酸、硫酸、クロム酸溶液などが挙げられる。特に好ましい溶液は低電圧(〜30V程度)は硫酸、高電圧(60V〜)はリン酸、その間の電圧ではシュウ酸の水溶液が好ましい。
(電流プロファイルの説明)
(半導体表面)
各種の表面抵抗値を有するn型Si及びp型Siからなる表面を有する基板の該表面上に形成したAl膜を上記した装置及び方法の少なくとも一方を採用して定電圧陽極酸化を行なった場合に観察される陽極酸化電流のプロファイルを図7に示す。例えば表面抵抗値が10mΩcmのn型Siからなる表面に形成したAl膜の陽極酸化電流値の変化を図7の(a)に示す。また表面抵抗値が1mΩcmのn型Si基板を用いたときの陽極酸化電流プロファイルを図7の(b)に、表面抵抗値が10mΩcmのp型Si基板を用いたときの陽極酸化電流のプロファイルを図7(c)に、そして表面抵抗値1mΩcmのp型Si基板を用いたときの陽極酸化電流プロファイルを図7の(d)に示す。何れのプロファイルも、初めにAl膜表面の酸化によるものと考えられる急激な電流値の減少(A)が観察された後に、電流値は増加して定常値を示す(B)。この状態はAl膜が陽極酸化され、ナノホールが形成されている状態と考えられる。その後陽極酸化がSi基板にまで到達するとAlの酸化や水溶液中へのAlイオンの拡散が抑制されて電流値が減少する(図7のC、D)。このまま陽極酸化を継続するとSiの表面が水溶液に接し、今度は水の電気分解やSiの酸化が起こり(図7のEのポイント)、ナノホールは徐々に破壊されてしまう。よって陽極酸化電流が定常値を示した後、低下し始めたときに、具体的には例えば定常電流値の5%以上の電流の減少が観察された時点で陽極酸化を停止することによってSi基板表面に貫通したナノホールが均一に形成されてなる陽極酸化Al膜を備えたナノ構造体を得ることができる。
ここでn型Si基板の場合、特に抵抗が高い場合には安定に電流減少が十分起こるが、p型Si基板の場合には電流減少が少ない。すなわちn型基板の方が安定にナノホールの底を貫通させることが出来るが、p型でも制御すれば十分可能である。またp型Siを基板に用いた場合、陽極酸化電流値が、極小値を示す時点Dを越えた後の時点Eに向けて大幅に増加する現象が観察される。そしてp型Si基板を用いたときに、時点Eまで陽極酸化を継続すると、ナノホールを損傷してしまう場合がある。したがって図7の(c)や(d)のようなプロファイルを示す基板を用いる場合で、例えば図10(a)に示した様な形状のナノホールを形成することを目的として陽極酸化を長時間継続する場合であっても、定常状態Bの電流値にまで復帰するまでに陽極酸化を停止することが好ましい。
このような方法によって得られる陽極酸化膜中のナノホールは、基板表面まで貫通しており、そのナノホールは底部まで直線性が良好であるいう特徴を有している。また我々は、ナノホール底の貫通部分はナノホールの貫通時に半導体との接触部分からもAlのイオンの移動が半導体と反対側へと起こるためか、この方法特有のくびれ構造16を有するナノホールが形成される。
すなわち、図5に示す、従来の陽極酸化工程後にバリヤー層除去工程を経たナノホールに比べ、本態様にかかる構造体のナノホールにおいては、ナノホール底部まで直線性と径の一様性に優れ、またナノホール底部において各ナノホール間の形状ばらつきが小さい。
また、特にナノホールをハニカム状に規則化させた場合には、ナノホール径などの形状やナノホール底部の貫通の均一性は向上する。この規則化には、陽極酸化に先立って、Al表面に適切な間隔で凹凸を作製しておき、その凹部をナノホール作製の開始点とすることが出来る。
(ナノホールのサイズ)
ナノホールの間隔、直径は、陽極酸化に用いる電解質の濃度と温度、及び、陽極酸化電圧印加方法、電圧値、時間、さらには、その後のポアワイド処理条件などのプロセス諸条件でかなり制御することができる。
(陽極酸化膜)
陽極酸化膜13の厚さ、ナノホール14の深さは、Alを含む膜の厚さで制御することができる。これはたとえば10nm〜100μmの間である。従来、ナノホールの深さは、陽極酸化の時間により制御するのが一般的であったが、本発明においては、Alを主成分とする膜の厚さで規定できるため、ナノホールの深さがより均一な陽極酸化アルミナナノホールを構成することができる。
(半導体基板)
半導体基板11としては、単結晶や薄膜(Si、Ge、GaAs、InP、SiC、ダイヤモンドなど)、多結晶、アモルファスSi及びSi化合物材料が適用可能である。さらには、任意の基板上にSi等を主成分とする膜を、適当な方法(抵抗加熱蒸着、EB蒸着、スパッタ、CVD等)で成長させた基板も用いることができる。
(金属基板)
また本発明に用いる陽極酸化Al膜の下地としての基板11は、半導体に限定されるものでなく、例えば貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅やカーボンを含む導電性表面を有する基板を用いた場合であっても上記したナノ構造体の製造方法を採用することによって図8に示すように、ナノホール形状の均一性に優れたナノ構造体を得ることができる。ここで貴金属としては例えばAg、Au、Pt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru等が挙げられる。
またカーボンとしては例えばグラファイト、グラッシーカーボン及びアモルファスカーボン等からなる表面が挙げられる。
貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅やカーボンを含む導電性表面を有する基板11としては、基板自体が貴金属やカーボンからなるものを用いてもよく、また図8に示した様に適当な基材82上に貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅やカーボンを含む導電膜81を適当な方法(抵抗加熱蒸着、EB蒸着、スパッタ、CVD等)で成長させた基板も用いることができる。なお貴金属やカーボンを含む表面を備えた基板を用いる場合、該表面上に形成されたAl膜の均一な陽極酸化は、半導体表面上のAl膜を均一に陽極酸化するよりも困難を伴う場合があるため、先に述べた均一陽極酸化の手法から選ばれる少なくとも2つを併用することが好ましい。
(貴金属表面Al膜の陽極酸化電流プロファイル)
ここで例えばIr膜を有する石英基板及びPt膜を有する石英基板の上に成膜したAl膜を下地層から電極をとり、シュウ酸などの電解質中で定電圧陽極酸化したときの陽極酸化電流値のプロファイルを図9に示す。最初Alの表面が酸化されて急激に電流値が下がるが、ナノホールが形成され始めると電流が徐々に増大して一定になる(図9のB)。ここで正確な酸化電流を測定するには、下地層が電解質に接触しないようにすることが好ましい。そして陽極酸化が貴金属表面にまで到達すると、Alの酸化や電解質中へのAlイオンの拡散が抑制されて電流値が減少する(図9のC、Dのポイント)。しかし、このまま陽極酸化を継続すると下地表面が水溶液に接し、今度は水の電気分解などが起こる(図9のEのポイント)。この電気分解が起こるとナノホールは徐々に破壊されてしまう。よって陽極酸化電流が定常状態Bから低下し、極小値Dを経て再度上昇を示す時点Eまでの間に陽極酸化を停止することによって貴金属基板表面に貫通したナノホールが均一に形成されてなる陽極酸化Al膜を備えたナノ構造体を得ることができる。特に5%以上の電流低下が見られたときに陽極酸化を終了するとナノホールの底を貫通させることができる。ここで基板表面の貴金属が、酸化物が安定に存在するもの(Irなど)は電流減少が十分起こり、また極小値Dを経た後の時点Eにおける電流値の上昇は比較的小さく、この場合には時点Eまで陽極酸化を行なってもナノホールの破壊は観察されない(図9の(a))。一方Ptなどでは電流減少が少なく、また極小値を示す時点Dを経た後の時点Eにおける電値の上昇が著しく、このような場合には時点Eまで陽極酸化継続するとナノホールが損傷する場合がある(図9の(b))。よって陽極酸化電流値が、図9の(b)のようなプロファイルを示す材料を基板表面とする場合には、極小値を示す時点Bを過ぎて電流値が定常状態Bの電流値にまで復帰する前までに陽極酸化を停止することが好ましい。
ここでSiを含む表面(以降「Si表面」)を有する基板を用いた場合には、ナノホールとSi表面との界面において、Si表面の一部が酸化される場合がある。即ちナノホール底部に酸化Siを有する場合もある。更には、Si表面の種類及び陽極酸化の条件によっては、この酸化Siは、数十ナノメートルの空孔を有する多孔質の形状を有する場合がある。そしてこのような酸化層をナノホール底部に有しているナノ構造体は、化学センサーなどに利用できる。具体的にはMOSFET構造の電気化学センサーにおけるゲート部の絶縁層として利用できる。この様な化学センサーでは絶縁層上部にあるナノホールがフィルターの役割を担うことができる。すなわちナノホール径より大きな分子や不純物、生体分子を遮断した状態でセンシング可能となる。
更に、陽極酸化後に電着によりナノホール内に金属、半導体を充填する際には基板が電極の役割を果たすため、低抵抗半導体からなる表面を有する基板を用いることは電着の制御性が良くなる為好ましい。更にまた、本態様にかかるナノ構造体は、ナノホール内の充填材と基板表面との電気的接続を良好なものとすることが可能である。
また、CoやCu、Niなどの金属を電着する場合においては、これらの元素が電着溶液中において陽イオンなので、電着されるナノホール底部の半導体は負の電圧印加が必要になる。
逆に陰イオンを電着させたり、酸化を同時に起こさせる場合には正の電圧印加が必要になる。
この場合電着には電界酸化による水酸化物などの析出も含まれているとする。つまり
Figure 0004097224
という反応が陽極表面でおこる。またここで別のイオンがあると同時に析出物の中に取り込まれる。すなわち
Figure 0004097224
という反応が起こる場合もある。
本発明では、電気泳動などによる内包物の形成も電着と呼ぶことにする。例えばDNA(子牛胸腺)は水溶液中で負に帯電しているので、上記と同様半導体に正の電圧を印加することでナノホール内にDNAを埋め込むことが可能である。
もちろん電着ではなくても、ナノホール上部からの浸透や、CVD法などの様な成膜法によってもナノホール内包物を作製することができる。また電着においても金属だけではなく、半導体や酸化物などの材料を充填することが可能である。
例えば、Si上に貫通した陽極酸化ナノホールを作製し、Auの微粒子を電着した後ジシランなどのガス中でSiを成長させると、Auが電着した部分だけSiが成長してナノホールの外まで突起物が形成される。
(ナノホール内包物)
磁性体
また、内包物が磁性体の場合には垂直磁化膜として有用な磁気媒体として利用したり、磁性体の細線として見れば、量子効果デバイスとしても有効である。またナノホール内にCoとCuを図14に示すように積層電着すれば、磁場に応答するGMR素子も作製可能である。
発光体
また、内包物が発光体や蛍光体の場合には発光デバイスはもちろん、波長変換層としても利用可能である。また内包物にアルミナとは異なる誘電体を埋め込んだ場合にもフォトニックデバイスとして有効である。
また、内包物が基板の半導体とは特性の異なる、例えば極性が異なる半導体を埋め込めば、光電変換素子やダイオードとして利用可能である。
本発明において、内包物とは陽極酸化ナノホール内部のみではなく、内部からホール外への伸びているものでも構わない。
ところで上記した様にナノホール内に各種内包物を内包させる場合であって、該内包物と基板表面とを導通させる場合には、Al膜の陽極酸化を、図7もしくは図9において陽極酸化電流が定常状態から低下した直後ではなく、例えば図7における各プロファイルのD〜E、図9における各プロファイルのD〜E近傍において陽極酸化を停止した場合には、図10(a)及び図10(b)に示したように、陽極酸化膜の表面における直径(2r)よりも、基板表面側における直径(2r’)の方が大きい、拡径部101を有するナノホールとすることができる。このようなナノホールに内包物を充填することによって図11に示した様に内包物と基板表面との導通をより確実なものとすることができる。
(ナノ構造体(陽極酸化膜)のマスクへの応用)
この様にして作成されたナノ構造体の陽極酸化膜をマスクとして用いることで、基板表面の微細加工に利用することも可能であり、更にはナノ構造体をモールドとして用いることで、微細な構造体の製造に応用することも可能である。例えば図12(a)に示すように底が貫通した陽極酸化膜13をマスクとして下地のSi基板をエッチングすることにより、Si表面に微細な凹部を形成することが出来る。また、図12(b)に示すように底が貫通した陽極酸化Al膜をマスクとしてAuを上部から蒸着することにより、Si表面に微細なAu領域を形成することが出来る。このようにマスクとして利用する場合にはナノホール内のくびれ構造は、マスク開口部分を更に狭くするため、上記したような基板表面の微細パターニングには特に有効に作用する。またナノホールの形状が逆テーパー状なのでリフトオフしたり、ナノホール上部と下部の絶縁をとる場合にも特に有効である。
ところで上記した種々の態様のナノ構造体を例えば酸溶液(たとえばリン酸溶液)中に浸すことによってナノホールのポアワイドニング処理を施し、適宜、ナノホール径を広げることができる。酸濃度、処理時間、温度、により所望のナノホール径を有するナノ構造体とすることができる。
またナノホール内に金属を電着する場合は、電着金属がイオンになっている溶液中にナノホールの基板を浸して、Siなどの基板に負の電圧を印加すればよい。この溶液には例えば硫酸コバルトの水溶液などが利用される。また表面に酸化Siが存在する場合には電着前にフッ酸やバッファーフッ酸、KOHの様なアルカリ水溶液にナノ構造体を浸して表面の酸化Siを除去することも有効である。また、電着の際に核発生を十分起こさせるために交流の電圧を印加することも有効である。また、表面に貴金属の酸化物がある場合などは、還元雰囲気でアニールすることにより、表面の高抵抗部分は低抵抗化される。
またナノホール内に電着を十分したあと、ナノホール表面を平坦にするために表面研磨することも場合により有効である。
(パターニングについて)
下地パターニングについて
上記した、本発明の一実施態様にかかるナノ構造体を電子デバイスやフォトニックデバイスに応用する場合、特定のナノホールにのみ特定の機能を付与したり、異なる領域に存在するナノホールに各々異なる機能を担持させたりすることが重要となってくると考えられる。そしてナノホールへの選択的な機能の付与は例えば図21に示したような方法によって達成可能である。即ちn−Si基板11にp型の領域231を選択的に作成する。具体的には一般的な半導体技術を利用して、SiNなどのマスクの上からイオン注入した後アニールによる再結晶化することにより、低濃度の高抵抗基板に低抵抗領域を作製したり、n型基板にp型領域231を作製できる。
次いで図21(a)に示した様にp型領域231の表面をパターン状に形成した基板11の表面にアルミニウム膜232を形成した後、先に述べた方法によって該アルミニウム膜を陽極酸化する。そして例えば陽極酸化電流のプロファイルを示した図7のポイントDの近傍の、陽極酸化電流値が定常状態Bの電流値を越えない時点で陽極酸化を停止すると、図21(b)に示した様にn型Si表面上及びp型Si表面上のナノホールは全て基板表面に到達させることができる。そして本発明者の検討の結果によれば、下地層が半導体の場合においてナノホール底部の基板のキャリアー極性や、キャリアー濃度(抵抗率)によってナノホール内部への電着の程度に明瞭な差が生じるとの知見が得られている。すなわち、CoやCu、Niなどの金属をナノホール内部に電着する場合においては、これらの元素が電着溶液中において陽イオンなので、電着されるナノホール底部の半導体は負の電圧印加が必要になる。この場合には半導体はn型の方が電着が容易に行える。例えば図21(c)及びそのBB線断面図である図21(d)に示す様にn型領域の上のナノホール内部に優先的にCoが電着され、ナノホール内にCoからなるピラー233が形成される。なおこのときp型部分を高抵抗にした方が電着量の差が明確になる。
そしてこのような技術を応用して基板表面のパターニングを櫛形電極の形状にしたり、半導体トランジスター型のパターンに対応する形状にしておけば、本発明にかかるナノ構造体の電気化学センサーやナノ構造デバイスへの応用に利用できる。
また基板表面のパターニング方法としては、p型領域の選択的形成に限定されず、例えば図22(a)に示した様に半導体や貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅或いはカーボンを含む導電性の基材242の特定の領域に絶縁体層241を設けたり、図22(b)に示す様に絶縁性基材243の特定の領域に選択的に例えば貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅やカーボン材料等を含む導電体層244を設けることによって、各々図23(a)や(b)に示した様に特定の領域にあるナノホールにのみ電着を施すことが可能である。
以上の様にして作製されたパターニング電着ナノ構造体は電着材料によって各種のデバイスなどに応用できる。内包物が磁性体の場合には垂直磁化膜として有用な磁気媒体として利用したり、磁性体の細線として見れば、量子効果デバイスとしても有効である。また図25のようにナノホール内にCoとCuを積層電着すれば、磁場に応答するGMR素子がパターニングされた状態で作製可能である。また、内包物が発光体や蛍光体の場合には発光デバイスはもちろん、波長変換層としても利用可能である。また内包物にアルミナとは異なる誘電体を埋め込んだ場合にもフォトニックデバイスとして有効である。この場合にはパターニングされた内包物が非常に有効である。
また、もちろん本発明の陽極酸化アルミナナノホールをマスクやモールドとして利用することも可能である。例えば図24に示すようにパターニング下地を作製してパターニングされた内包物を作製しておけば、内包物が無い部分のみエッチングすることが出来る。また例えば底が貫通した陽極酸化アルミナナノホールをマスクとしてAuを上部から蒸着することにより、Si表面に微細なパターニングされたAu領域を形成することが出来る。このようにマスクとして利用する場合にはナノホール内のくびれ構造は、マスク開口部分を更に狭くする、逆テーパー状なのでリフトオフしたり、ナノホール上部と下部の絶縁をとる場合には特に有効である。
以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明の種々の構成はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
本実施例は、Si基板上の陽極酸化アルミナナノホールを作製した場合の陽極酸化終了時間について検討した結果を説明する。
本実施例のSi基板としては、10‐2Ωcmの抵抗値を有する鏡面研磨されたn型、p型の単結晶Si基板を用いた。n型はリンドープ、p型はホウ素ドープである。
a)Si基板上にAl膜を形成
各Si基板を3枚(計6枚)の各々の表面に、RFスパッタ法によりに厚さ300nmのAl膜を製膜した。このときガスはArとしガス圧は30mTorr、RFパワーは500Wとした。
b)陽極酸化
図6の陽極酸化装置を用い陽極酸化処理を施した。
本実施例においては、電解質として0.3Mのシュウ酸水溶液を使用し、恒温水槽により溶液を17℃に保持した。ここで陽極酸化電圧はDC40Vであり、電極は均一に陽極酸化が進行するようにSiの裏側全面からとった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がAl表面から進行しSi基板まで到達したことを示す電流を検知するため、陽極酸化電流をモニターした。陽極酸化は図7に示したC,D,及びEの時点で終了した。ここで電流減少が少ない方がp型、電流減少が大きい方がn型である。Cは電流減少が始まった時点(減少率は5%未満)であり、Dは電流減少が極小を示した時点、Eは再度電流が増大してしばらく経過した時点である。但しp型Si基板を使用した試料に関しては、陽極酸化は陽極酸化電流値が定常状態Bの電流値にまで復帰する前に陽極酸化を停止した。陽極酸化処理後、純水、およびイソプロピルアルコールによる洗浄を行った。
c)ポアワイドニング処理
陽極酸化処理後を5wt%リン酸溶液中に20〜45分間浸す本処理により、適宜、ナノホールの径を広げた。
評価(構造観察)
取り出した試料の表面、断面をFE−SEM(Field Emission−Scanning Electron Microscope 電界放出走査型電子顕微鏡)にて観察した。
結果
Cのポイントで終了した試料ではナノホールの一部がSi基板の表面まで達していたが、部分的にまだナノホール底のバリア層が残っており、貫通は完全ではなかった。
Dのポイントで終了した試料ではp型、n型ともに、ナノホールの全てがSi基板の表面まで達しており、図2の様なナノホール底部近傍にくびれ構造が見られた。
Eのポイントで終了した試料では、ナノホールの全てがSi基板の表面まで達しており、図10(a)の様なナノホール底部に拡張部が見られた。
以上のFE−SEM観察から、電流減少がアルミの陽極酸化の一定電流から5%以上の減少を経て陽極酸化を施せば、貫通したナノホールが作製できることが分かった。
更に図7のEの時点まで陽極酸化した試料では、ナノホールとSi基板の界面においては、Si基板の一部が酸化されている場合があった。ナノホールとSi基板の界面はポーラス状の酸化Siとなっている状態も観察された。また、ポアワイド時間により、ナノホール径を制御できることが確認された。
また、Siへの電気接続をSiの背面ではなく、Al膜の片方の端から電極を付けて陽極酸化したところ、電極近傍のAl膜の方から早く陽極酸化が終了してしまい、均一な陽極酸化ができず、電極から離れた領域のナノホールの底が貫通していなかった。このことから、Siの背面に均一な電極を作製した方が均一な陽極酸化が出来ることがわかった。
d)Siのエッチング
上記の方法の中で図7のDで陽極酸化を終了した後、ポアワイド処理を45分した試料を6フッ化イオウ(SF)ガス中でRFプラズマのドライエッチング処理を施した。このときガス圧は50mTorr、RFパワーは300W、処理時間は60秒とした。そして再度試料の断面をFE−SEM観察したところ、Si基板表面に図12(a)のような均一なナノホールが転写され、エッチング部分121が確認された。すなわち、Si基板上の陽極酸化アルミが良好なマスクとして機能したことを示している。
実施例2
基板として抵抗0.01Ωcmのn型Siウエハーを用い、陽極酸化を図7のDの時点で終了させた以外は、実施例1と同様にしてナノ構造体を作製した。
そして実施例1と同様にポアワイド処理まで終了したn型Si上ナノホールの試料に、Co電着を施すことで、ナノホール内に触媒微粒子を電着した。メッキ浴は5%CoSO・7HO、2%・HBOを用い、AC電圧5V、電着時間10秒とした。
ここで1つの試料は電着前にフッ酸1%の水溶液に10秒浸すエッチング処理を行い、もう1つの試料はエッチング無しで電着を行った。
そしてFE−SEMで電着した試料の断面を観察したところ、エッチング処理を施した試料の方が均一にCoが電着されていた。
本実施例の結果より、Si基板の場合には陽極酸化ナノホール作製後にエッチング処理を施した方が均一な電着に効果的であることがわかる。
実施例3
本実施例においては、実施例2と同様に陽極酸化アルミを作製したのち、Niを充填した。ただしポアワイド時間は45分とした。
そして実施例2と同様にポアワイド処理まで終了した後、試料は電着前にフッ酸1%の水溶液に10秒浸すエッチング処理を行った。
この試料の断面FE−SEM観察結果は、図13に示す形態を有した。直径が約50nmの円柱状ナノホールに充填材111としてNiが充填されており、このNi充填ナノホールが多数、約百nmの間隔で互いに平行かつほぼ等間隔にに配列形成していた。
また、本実施例のナノ構造体を、液体ヘリウム中に挿入して4Kまで冷却し、Ni充填材とSi基板間の電流電圧特性を調べたところ、非線型な電流電圧応答を示した。
以上のことから本実施例に係るナノ構造体が磁気メモリや量子効果デバイスに利用可能なことが分かった。
このNiを電着した試料の表面をダイヤモンド研磨した後、試料を磁場がNi円柱に平行になるように配置して、0.5Tの磁場で着磁し、その後MFM(磁気力顕微鏡)により観察したところ、均一にNi円柱部分が垂直方向(ナノホールの軸方向)に着磁されていることが確認された。
比較例1
実施例3のナノ構造体の比較として、陽極酸化をAl全膜厚まで行わず途中までで終了した図3(b)の構成のナノ構造体を用意した。実施例3と同様にしてポアワイド処理まで終了した試料を、0.14MのNiSO、0.5MのHBOからなる電解質中で、カーボンの対向電極と共に浸して50Hz、5Vの交流電圧を印加することでナノホール底にNiを析出させた。
また、比較例のナノホールには電着ではNiが十分に充填出来なかったので、0.1MのNiSO、0.24MのNaPH、0.1MのNaからなるNi無電解析出浴を用い、ナノホール全面および表面にNiを析出させることで、ナノホールをNiで充填した。
この様にして得た比較例の試料においては、ナノホールの底がドーム状の形状を有し、充填物も同様な形状を示していたが、本実施例の試料においてはナノホールの底までナノホール径が均一で底辺近傍にくびれ構造を有する円柱状の形状を有していた。
実施例4
本実施例においては、Si上陽極酸化ナノホールへの金属の積層充填を行った。
陽極酸化を図7のDの時点で終了させ、またポアワイド時間を45分とした以外は実施例2と同様にして貫通したナノホールを備えた陽極酸化Alがn型Si上に形成されたナノ構造体を得た後、フッ酸1%溶液で10秒間エッチングした。
この試料を、硫酸コバルト0.5M、硫酸銅0.001Mからなる電解質中で、白金の対向電極と共に浸して50Hz、5Vの交流電圧を印加することでナノホール底にCoとCuの合金の核を析出させた。引き続き、−0.2V、−0.9Vの電圧を各々15秒、1秒交互に印加させてナノホール底にCo,Cuの積層膜を成長させて、図14に示すナノ構造体を作製した。
ここで−0.2Vの電圧印加時は貴なイオンであるCuのみ電着され、−0.9V印加時には濃度の濃いCoが主に電着され、結果として積層膜となった。
そして、本実施例のナノ構造体の上部に電極を付け、充填材とSi基板間の抵抗の磁場依存性を調べたところ、負の磁気抵抗を示した。これは充填された積層膜がGMR効果を示したためと考えられる。また、陽極酸化の終了を図7のEの時点で行った試料を同様に作製したところ、寄生抵抗が比較的小さかった。
以上のことからこのナノ構造体が磁気センサーに利用可能なことが分かる。
実施例5
熱耐性
実施例2と同様にしてn型Si上ナノホールを作製した後、熱処理を施し、熱耐性を調べた。比較例として、石英基板上のAl膜を途中まで陽極酸化した図3(b)の構成の比較試料を用意した。
上記本実施例のSi上ナノホールを、He雰囲気中で700℃の熱処理を行い、FE−SEMにより形態変化を観察した。比較例で作製した図3(b)のAl上ナノホールは、Alの融点(660℃)を鑑み、500℃の熱処理を行った。
熱処理前後においてFE−SEM観察を比較したところ、比較例においては、熱処理後においては、陽極酸化膜にクラックが生じていた。
一方で、本実施例のSi上ナノホール構成においては、図1に示される構造を有しており、熱処理による形状の変化は見られなかった。
本実施例により、上記Si上ナノホール構成を有するナノ構造体は、熱耐性に優れることがわかった。これにより、高温プロセスに耐えうるナノホールを構成できた。
また、TEM観察により、熱処理後の陽極酸化アルミナナノホールを構成する酸化アルミは結晶性に優れていた。さらに処理前後で陽極酸化アルミナナノホールの酸耐性を比較したところ、熱処理により化学的安定性の改善が為されていることがわかった。
実施例6
カーボンナノチューブデバイス
実施例2と同様にポアワイド処理まで終了したn型Si上ナノホールの試料に、Coメッキを施すことで、ナノホール内に図18に示す様に触媒微粒子201を電着した。メッキ浴は5%CoSO・7HO、2%HBOを用い、AC電圧5Vで1秒間電着した。
引き続き2%・C、98%Heの混合ガスの雰囲気中700℃で1時間の熱処理を施すことで、図18に示すように触媒超微粒子201からカーボンナノチューブ202を成長せしめた。
試料のFE−SEM観察したところ、図18に示すように、カーボンナノチューブがナノホール内から成長していることを確認した。カーボンナノチューブの直径は2nm〜50nmであった。
本カーボンナノチューブデバイスを用いて図20に示すような電子放出素子を組み立てた。即ち本カーボンナノチューブデバイスに対向して、1mm離した位置に蛍光体を有するアノード221設け、真空装置内に設置し、アノードに1kVの電圧を印加したところ、蛍光体の蛍光とともに、電子放出電流が確認された。
これにより、本実施例のカーボンナノチューブデバイスは良好な電子放出体として機能しうることを確認できた。
実施例7
本実施例においては、InP基板上のアルミの規則的陽極酸化ナノホールの作製と酸化物の充填を行った。
基板はn型InP基板であり、基板上にAlを1μm蒸着したものを使用した。ここで基板の抵抗は0.01Ωcm程度である。
次にリソグラフィーによりAl膜表面のハニカム(六角格子)の位置に凹凸を作製した。この時各凹部の間隔を300nmにし、凹部の深さは100nm程度に作製した。
実施例2と同様に貫通した陽極酸化ナノホールをInP基板上に形成した。但しこの時電解質は5wt%のリン酸溶液とし、電圧は140Vに設定し、陽極酸化終了は図7のDの電流極小の時点とした。その後ポアワイド処理を75分施した。
上記ポアワイド処理まで終了した試料を、60℃に保持した硝酸亜鉛0.1Mの水溶液中で、白金の対向電極と共に浸してAg/AgCl標準電極に対して−0.8Vの電圧を印加することでナノホール内にZnOの結晶を成長させた。
そしてFE−SEMでこの試料の表面を観察したところ、陽極酸化アルミナナノホールは規則的に配列しており、陽極酸化アルミナナノホール内にZnOが成長していることが分かった。
本実施例の結果より、陽極酸化アルミナナノホール内にZnOを埋め込めることがわかった。
ZnOは発光体や蛍光体として機能し、また周囲のアルミナと誘電率が異なるので、本発明が光デバイスに利用可能なことが分かる。
実施例8
本実施例においては、実施例2と同様に陽極酸化アルミナナノホールを作製した。ただし、基板は抵抗1Ωcmのp型Siウエハーで、陽極酸化の終了は図7のDの時点で行った。
そして実施例2と同様にポアワイド処理まで終了したp型Si上ナノホール試料をフッ酸1%の水溶液に10秒浸すエッチング処理を行った。
そして多結晶Siを成膜させるCVD装置を用いて、この試料のナノホールの底のSi表面上にn型のSiを穴の上部まで成膜した。
そしてこの試料の表面と下地p型Si基板間の電気特性を測定したところ、良好なpn接合特性が得られた。
本実施例の結果より、陽極酸化ナノホール作製内の半導体基板(下地)と半導体内包物間にpn接合を作製でき、電子デバイスとして有効であることがわかる。
実施例9
本実施例は、各種下地層を用いての陽極酸化アルミナナノホールを作製した場合の陽極酸化終了時間について検討した結果を説明する。
本実施例は石英基板を用い、下地電極層としては厚み100nmのMn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Os、Ru、Rhである。
a)石英基板上に下地層とAl膜を形成
石英基板上に、RFスパッタ法によりに厚さ100nmのMn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Os、Ru、Rhを成膜した後、厚さ500nmのAl膜を製膜した。このときガスはArとしガス圧は30mTorr、RFパワーは300Wとした。
b)陽極酸化
図6の陽極酸化装置を用い陽極酸化処理を施した。
本実施例においては、電解質として0.3Mのシュウ酸水溶液を使用し、恒温水槽により電解質を17℃に保持した。ここで陽極酸化電圧はDC40Vであり、電極は均一に陽極酸化が進行するように下地側からとった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がAl表面から進行し下地層まで到達したことを示す電流を検知するため、陽極酸化電流をモニターした。陽極酸化の終了は図9に示したC、D,Eの時間で行った。ここで下地層がMn、Fe、Co、Ni、Cu、Pd、Ir、Os、Ru、Rhでは電流減少が比較的多く、Au、Ag、Ptでは電流減少が比較的少なかった。図9の(b)はPt下地の場合であり、(a)はIr下地の場合の電流変化である。Cは電流減少が始まった時点(減少率は5%未満)であり、Dは電流減少が極小を示した時点、Eは再度電流が増大してしばらく経過した時点である。但しAu、Ag及びPtは陽極酸化電流値が定常状態Bの電流値を越える前に陽極酸化を停止した。
陽極酸化処理後、純水、およびイソプロピルアルコールによる洗浄を行った。
c)ポアワイドニング処理
陽極酸化処理後を5wt%リン酸溶液中に20〜45分間浸す本処理により、適宜、ナノホールの径を広げた。
評価 (構造観察)
取り出した試料の表面、断面をFE−SEM(Field Emission−Scanning Electron Microscope 電界放出走査型電子顕微鏡)にて観察した。
結果
Cのポイントで終了した試料ではナノホールの一部が下地層の表面まで達していたが、部分的にまだナノホール底のバリア層が残っており、貫通は完全ではなかった。
Dのポイントで終了した試料ではナノホールの全てが下地層の表面まで達しており、ナノホール下部には図8で示したくびれ構造が見られた。Eのポイントで終了した試料では、ナノホールの全てが下地層の表面まで達しており、ナノホール下部には図10(b)で示した拡張部が見られた。以上のFE−SEM観察から、電流減少がアルミの陽極酸化の一定電流から5%以上の減少を経て陽極酸化を施せば、貫通したナノホールが作製できることが分かった。
また、ポアワイド時間が長いとナノホール径が増大した。すなわちポアワイド時間により、ナノホール径を制御できることが確認された。
また、陽極酸化の電気接続を下地側ではなく、Al膜の片方の端の表面から電極を付けて陽極酸化したところ図9中(c)の様な電流変化が発生し、電極近傍のAl膜の方から早く陽極酸化が終了して均一な陽極酸化ができず、電極から離れた領域のナノホールの底が貫通していなかった。このことから、下地に均一に電圧印加して陽極酸化した方が均一な陽極酸化が出来ることがわかった。
実施例10
熱耐性
実施例9と同様にしてPt下地上にナノホールを作製した後、熱処理を施し、熱耐性を調べた。比較例として、石英基板上のAl膜を途中まで陽極酸化した図3(b)の構成の比較試料を用意した。
上記本実施例のPt下地上ナノホールを、He雰囲気中で700℃の熱処理を行い、FE−SEMにより形態変化を観察した。本実施例のPt下地上ナノホール構成においては、図1に示される構造を有しており、熱処理による形状の変化は見られなかった。
比較例で作製した図3(b)のAl上ナノホールは、Alの融点(660℃)を鑑み、500℃の熱処理を行った。熱処理前後においてFE−SEM観察を比較したところ、比較例においては、熱処理後においては、陽極酸化ナノホールにクラックが生じていた。
本実施例により、上記Pt下地上ナノホール構成を有するナノ構造体は、熱耐性に優れることがわかった。これにより、高温プロセスに耐えうるナノホールを構成できた。
また、TEM観察により、熱処理誤の陽極酸化アルミナナノホールを構成する酸化アルミは結晶性に優れていた。さらに処理前後で陽極酸化アルミナナノホールの酸耐性を比較したところ、熱処理により化学的安定性の改善が為されていることがわかった。
実施例11
本実施例においては、実施例9と同様に陽極酸化アルミナナノホールを作製した。ただし、下地層としては厚み100nmのCu、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Os、Ru、Rhを試み、陽極酸化の終了は図9のDの時点で行った。
そしてポアワイド処理を45分した後、Co電着を施すことで、ナノホール内にCoのピラー(円柱)を電着した。メッキ浴は5% CoSO・7HO、2%HBOを用い、DC電圧−2V、電着時間20秒とした。
そしてFE−SEMで電着した試料の断面を観察したところ、図15に示す形態を有した。直径が約50nmの円柱状ナノホールにCoが充填されており、約100nmの間隔で互いに平行かつほぼ等間隔に配列形成していた。また、ナノホールの底までピラー直径は均一で底辺近傍にくびれ構造を有する円柱状の形状を有していた。但しこの均一性はCu、Pt、Au、Pd、Agが比較的優れていた。
このCoを電着した試料を磁場がCo円柱に平行になるように配置して、0.8Tの磁場で着磁し、その後MFM(磁気力顕微鏡)により観察したところ、均一にCo円柱部分が着磁されていることが確認された。
以上のことから本発明が垂直磁化膜などの磁気デバイスに利用可能なことが分かる。
実施例12
本実施例においては、実施例11と同様に陽極酸化アルミナナノホールを作製した後、陽極酸化ナノホールへの金属の積層充填を行った。但し、下地層はPtとし、陽極酸化の終了は図9のDの時点で行った。
実施例9と同様に貫通したナノホールをPt下地層上に形成後、試料を、硫酸コバルト0.5M、硫酸銅0.001Mからなる電解質中で、白金の対向電極と共に浸して、−0.2V、−0.9Vの電圧を各々15秒、1秒交互に印加させてナノホール底にCo,Cuの積層膜を成長させて、図16に示すナノ構造体を作製した。
ここで−0.2Vの電圧印加時は貴なイオンであるCuのみ電着され、−0.9V印加時には濃度の濃いCoが主に電着され、結果として積層膜となった。
そして、本実施例のナノ構造体の上部に電極を付け、充填材上部と下地層間の抵抗の磁場依存性を調べたところ、負の磁気抵抗を示した。これは充填された積層膜がGMR効果を示したためと考えられる。また、陽極酸化の終了を図9のEの時点で行った試料を同様に作製したところ、寄生抵抗が比較的小さかった。
以上のことから本発明が磁気センサーに利用可能なことが分かる。
実施例13
本実施例においては、実施例11と同様に陽極酸化アルミナナノホールを作製した後、陽極酸化ナノホールへの金属の積層充填を行った。
実施例11と同様に貫通したナノホールをPd下地層上に形成後、試料をスパッタ装置内に設置してNiを2nm成膜した。この試料の断面をFE−SEMで観察したところ、図17に示すように上部アルミナナノホールがマスクとなり、Pd表面にNi微粒子171がスポット状に形成されていた。このスポット状のNi膜の直径はナノホールのくびれ構造を反映して、約15nmと非常に小さいものが作製できた。
この試料を空気中で表面酸化させた後、0.1MのNiSO、0.24MのNaPH、0.1MのNaからなるNi無電解析出浴を用い、ナノホール全面および表面にNiを析出させることで、ナノホールをNiで充填した。そしてこのナノ構造体の上部に電極を付け、液体ヘリウム中に挿入して4Kまで冷却し、充填材上部と下地層間の電流電圧特性を調べたところ、非線型でステップを有する電流電圧応答を示した。
以上のことから本発明が単電子デバイスや量子効果デバイスに利用可能なことが分かる。
実施例14
カーボンナノチューブデバイス
下記の方法に従って図19に示すようなカーボンナノチューブデバイスを作成した。実施例12と同様にポアワイド処理まで終了したPt下地上ナノホールの試料に、Coメッキを施すことで、ナノホール底部に触媒超微粒子201を電着した。メッキ浴は5% CoSO・7HO、2%HBOを用い、DC電圧−3Vで1秒電着した。
引き続き2%C、98%Heの混合ガスの雰囲気中700℃で1時間の熱処理を施すことで、触媒超微粒子からカーボンナノチューブを成長せしめた。
試料のFE−SEM観察したところ、図19に示すように、カーボンナノチューブ202がナノホール内から成長していることを確認した。カーボンナノチューブの直径は数nm〜数10nmであった。
本カーボンナノチューブデバイスに対向して、1mm離した位置に蛍光体を有するアノードを設け、真空装置内に設置し、アノードに1kVの電圧を印加したところ、蛍光体の蛍光とともに、電子放出電流が確認された。
これにより、本実施例のカーボンナノチューブデバイスは良好な電子放出体として機能しうることを確認できた。
実施例15
本実施例においては、規則的陽極酸化ナノホールの作製と酸化物の充填を行った。
石英基板上に抵抗加熱蒸着法によりAuを100nm成膜した上にAlを1μm蒸着したものを使用した。次にリソグラフィーによりAl膜表面のハニカム(六角格子)の位置に凹凸を作製した。この時各凹部の間隔を300nmにし、凹部の深さは100nm程度に作製した。
そして実施例11と同様にAu上に陽極酸化ナノホールを形成した。但しこの時電解質は5wt%のリン酸溶液とし、電圧は140Vに設定し、陽極酸化終了は図9のDの電流極小の時点とした。その後ポアワイド処理を75分施した。
上記ポアワイド処理まで終了した試料を、60℃に保持した硝酸亜鉛0.1Mの水溶液中で、白金の対向電極と共に浸してAg/AgCl標準電極に対して−0.8Vの電圧を印加することでナノホール内にZnOの結晶を成長させた。
そしてFE−SEMでこの試料の表面を観察したところ、陽極酸化アルミナナノホールは規則的に配列しており、陽極酸化アルミナナノホール内にはZnOが成長していることが分かった。
本実施例の結果より、陽極酸化アルミナナノホール内にZnOを埋め込めることがわかった。
ZnOは発光体や蛍光体として機能し、また周囲のアルミナと誘電率が異なるので、本発明が光デバイスや発光デバイスに利用可能なことが分かる。
実施例16
本実施例は、表面がp型領域及びn型領域を有する様に予めパターニングされたSi基板の表面上に陽極酸化膜を作製したときのナノホール形状と、パターニング電着について結果を説明する。
先ずSi基板として、10−2Ωcmの抵抗値を有する鏡面研磨されたn型の単結晶Si基板を用意した。そしてホウ素のイオン注入とアニールの再結晶化により10−1Ωcmの抵抗値を有するパターニング領域(p型領域)231を作製して図21(a)に示す様な基板とし、この基板表面に実施例1と同様にしてAl膜232を形成した(図21(a))。次いでAl膜232を実施例1と同様にして陽極酸化し、図7のDの時点で陽極酸化を終了した。こうして得られたナノ構造体の断面をFE−SEMにて観察した結果、図21(b)に示す様に、p型及びn型領域上のナノホール14の全てがSi基板の表面にまで達していた。また、ホール底を拡大してFE−SEMで観察したところ図21(b)に示した様にくびれ構造16を有することがわかった。
次にこの試料を、メッキ浴は5%CoSO・7HO、2%HBOのメッキ液に浸漬しAC電圧5V、電着時間30秒の条件でナノホール内にCoピラーを電着した。
電着後の試料の断面をFE−SEMで観察したところ、図21(c)及びそのBB線断面図である図21(d)に示した様にn型領域にあるナノホールには、ほぼ均一にCoピラー233が電着されていたが、p型領域にはCoはほとんど電着されていなかった。この結果から、n型領域のナノホールのみに選択的に電着が施せることがわかった。
次にこの試料を6フッ化イオウ(SF)ガス中でRFプラズマのドライエッチング処理を施した。このときガス圧は50mTorr、RFパワーは300W、処理時間は60秒とした。そして再度試料の断面をFE−SEM観察したところ、Coが電着されていないナノホールのある基板表面にのみ図24のような均一なナノホールが転写され、エッチング部分121が確認された。すなわち、Si基板上の陽極酸化膜が良好なマスクとして機能したことを示している。
実施例17
本実施例においてはSi基板に、図26に示すように、MOSFET類似の対向する複数のn型領域とn型領域間にp型領域231を形成した。パターニングには、一般的な半導体技術である、フォトリソグラフィー及びイオン注入の技術を用いた。各n型、p型領域の抵抗率はそれぞれ、1〜5Ωcmである。
実施例1と同様な手法により、陽極酸化アルミナナノホールを形成した。ただし陽極酸化は図7のEの時点で終了させた。但し陽極酸化は0.3Mの硫酸中、4℃の温度で行い、陽極酸化電圧は26V、ポアワイド時間は20分とした。この時、p型Si表面にのみポーラスなSiOxの酸化層261が見られた。
そしてこの試料を実施例1と同様にして、陽極酸化膜のナノホール内にCoを電着した。メッキ浴は5%CoSO・7HO、2%HBOを用い、AC電圧5V、電着時間30秒とした。この電着工程により、n型Si領域にのみCoが電着された。そしてこのCoを通してn型Siに上部電極262を接合した後、p型Si上の陽極酸化ナノホールの表面を除いて絶縁層263を成膜し、さらにポーラスSiOx層261以外が溶液に触れないよう基板背面などを絶縁保護層264で覆った。そして上部電極を電圧源、電流計に接続することで、n−p−n領域間の電気特性を測定する手段を備えた電気化学センサーを構成した。この電気化学センサーを参照電極と共に過酸化水素を10‐3Mの溶液に浸したところ、電圧電流特性が純水から変化することを確認した。すなわち本実施例の電気化学センサーは、ゲート部に陽極酸化アルミナナノホールとその下地のポーラスSiOxを適用したイオン感応性電界効果型トランジスタとして機能したと思われる。
本実施例の電気化学センサーをさらに発展させ、陽極酸化アルミナナノホールやポーラスSiOxへの酵素や抗体を固定化することによりバイオセンサーとして利用することができる。特に、陽極酸化アルミナナノホールのナノホールサイズを設定することにより、電気化学のサイズに対して特異性を有するセンサーとすることができると予想される。
実施例18
本実施例においては、パターニングされたPt上ナノホールへの金属の積層充填を行った。
図22(b)に示す様に石英基材243上にPt層244からなる領域をリフトオフ法により選択的に作製し、基板11を得た。この基板11の表面に実施例1と同様にしてAl膜を500nm成膜し、実施例1と同様に陽極酸化を施した。但し陽極酸化の終了は図9のEの時点とした。
上記の試料を、硫酸コバルト0.5M、硫酸銅0.001Mからなる電解質中で、白金の対向電極と共に浸して50Hz、5Vの交流電圧を印加することでナノホール底にCoとCuの合金の核を析出させた。引き続き、−0.2V、−0.9Vの電圧を各々15秒、1秒交互に印加させてナノホール底にCo,Cuの積層膜を成長させて、図25に示すナノ構造体を作製した。
ここで−0.2Vの電圧印加時は貴なイオンであるCuのみ電着され、−0.9V印加時には濃度の濃いCoが主に電着され、結果として積層膜となった。そして、本実施例のナノ構造体の上部に電極を付け、充填材とSi基板間の抵抗の磁場依存性を調べたところ、負の磁気抵抗を示した。以上のことから本発明がパターニングされた磁気センサーに利用可能なことが分かる。
実施例19
本実施例は、櫛形にパターニングされたグラファイト下地層を有する陽極酸化アルミナナノホールの電気化学センサーについて説明する。
石英基材243上にスパッタリングによってカーボン膜を厚さ約100nmに成膜した後、リフトオフ法により櫛形電極膜244を作製した。次いで該基材上に500nmのAl膜を形成し、陽極酸化処理を施した。陽極酸化工程は実施例11に準じた。但し陽極酸化終了は電流の極小値(図9のD)とし、さらに45分間ポアワイド処理を施し、図27に示した素子を作製した。
この試料の特性を調べるため、不必要な部分に溶液が触れないようにして櫛形の下地パターニング領域191に電極を接続して、参照電極と対向電極とともに溶液中に設置した。この評価系の溶液はフェロシアン水溶液(濃度0.01M)であり、サイクリックボルタンメトリー測定(電圧電流測定)をしたところ明瞭な酸化還元ピークを確認した。すなわち本実施例の試料は微少カーボン電極と上部にナノホールフィルターを具備した電気化学物質センサーとして機能すると考えられる。
本実施例の電気化学物質センサーをさらに発展させ、カーボンたナノホールへの酵素や抗体を固定化することによりバイオセンサとして利用することができると考えられる。特に、陽極酸化アルミナナノホールのナノホールサイズを設定することにより、化学物質のサイズに対して特異性を有するセンサとすることができると予想される。
本発明のナノ構造体は、ナノホールに、金属、半導体、酸化物等を埋め込むことにより、このナノ構造体を新たな電子デバイスに利用できる。
また本発明のナノ構造体は、ナノホールに基板表面の導電性の差異を利用して特定の領域上のナノホールにのみ内包物を担持させることでナノホールの底や内包物のパターニングができので、量子効果デバイスや電気化学センサー、光デバイス、磁気デバイスに利用できる。
本発明のナノ構造体は、半導体下地とカーボンナノチューブが接続されたカーボンナノチューブデバイスを実現可能とする。
さらに、本発明にかかるナノ構造体は、その陽極酸化膜を量子細線、MIM素子、分子センサー、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサー、耐摩耗性、耐絶縁性皮膜、フィルターをはじめとするさまざまな形態で応用することを可能とする。
本発明の一実施態様にかかるナノ構造体の概略平面図である。 図1のAA線断面図である。 従来のナノ構造体の概略断面図である。 従来のナノ構造体の製造工程において、半導体基板上のAl膜が全膜厚に渡って陽極酸化されたときの概略断面図である。 図4のナノ構造体のナノホール底部のバリア層をエッチングによって除去し、ナノホールを貫通させたナノ構造体の概略断面図である。 陽極酸化装置の概略説明図である。 各種基板上に形成したAl膜の陽極酸化時の陽極酸化電流値の経時変化を示すグラフである。 本発明の他の実施態様にかかるナノ構造体の概略断面図である。 各種基板上に形成したAl膜の陽極酸化時の陽極酸化電流値の経時変化を示すグラフである。 本発明の他の実施態様にかかるナノ構造体の概略断面図である。(a)半導体基板を用いた構成。(b)基材上に導電性膜を設けた基板を用いた構成。 図10(a)のナノ構造体のナノホールに充填材を充填したナノ構造体の概略断面図である。 図2のナノ構造体の陽極酸化膜をマスクとして用いて基板表面をパターニングすることで得られる構成の概略説明図であり、(a)陽極酸化膜をマスクに用いて基板をエッチングした例。(b)陽極酸化膜をマスクに用いて基板表面に金を蒸着した例。 図2のナノ構造体のナノホールに充填材を充填したナノ構造体の概略断面図である。 図2のナノ構造体のナノホールに金属の積層構造体を内包させた構成の概略断面図である。 図8のナノ構造体のナノホールに充填材を充填したナノ構造体の概略断面図である。 図8のナノ構造体のナノホールに金属の積層構造体を内包させた構成の概略断面図である。 図8のナノ構造体の陽極酸化膜をマスクとして用いて基板表面を金を蒸着した構成の概略説明図である。 図2のナノ構造体のナノホールにカーボンナノチューブを内包させた構成の概略断面図である。 図8のナノ構造体のナノホールにカーボンナノチューブを内包させた構成の概略断面図である。 図18のナノ構造体を用いて作成された、本発明の一実施態様にかかる電子放出素子の概略断面図である。 特定の領域のナノホールに機能性を担持させてなるナノ構造体の製造方法を示す工程図である。 (a)導電性基材表面に絶縁層をパターン状に設けた基板を用いて作成した本発明の一実施態様にかかるナノ構造体の概略断面図、(b)絶縁性基材表面に導電層をパターン状に設けた基板を用いて作成した本発明の一実施態様にかかるナノ構造体の概略断面図である。 (a)図22の(a)のナノ構造体の特定のナノホールに充填材を充填した構成を示す概略断面図であり、 (b)図22の(b)のナノ構造体の特定のナノホールに充填材を充填した構成を示す概略断面図である。 図21(d)のナノ構造体の陽極酸化膜をマスクに用いて基板表面をエッチングしたときの状態の概略説明図である。 図22(b)のナノ構造体の導電層上に形成されたナノホールに金属の積層構造体を内包させた構成の概略断面図である。 本発明の一実施態様にかかるデバイスとしての電気化学センサの概略断面図である。 本発明の一実施態様にかかるデバイスとしての電気化学物質センサの概略断面図である。
符号の説明
11 基板
13、32 陽極酸化膜
14、35 ナノホール
15 充填材
16 くびれ
31 Al板
33 半導体基板
36 バリア層
37 バリア層除去部
60 恒温槽
61 試料
62 カソード
63 電解質
64 反応容器
65 電源
66 電流計
68 試料ホルダ
81 貴金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅またはカーボンを含む導電膜
82 基材
101 拡径部
111 充填材
121 エッチング部
123 蒸着部
141 積層金属内包物
171 蒸着部
201 触媒超微粒子
202 カーボンナノチューブ
221 アノード
232 アルミ膜
231 パターニング領域(p型領域)
233 ピラー
241 絶縁層
242 導電性基材
243 絶縁性基材
244 導電層
261 ポーラスSiOx層
262 上部電極
263 絶縁層
264 絶縁保護層

Claims (10)

  1. 半導体、貴金属、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウム膜を陽極酸化して形成したナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまで貫通しており、該ナノホールは、該陽極酸化膜表面から第1の直径で該基板表面側に向かって延び、且つ該基板表面側には、該第1の直径から該第1の直径よりも大きな第2の直径になるまで、該基板表面側に向かって徐々にナノホール径が拡張している拡張部を有し、該ナノホール内に磁性体、発光体、あるいは蛍光体を有することを特徴とするナノ構造体。
  2. 半導体、貴金属、銅及びカーボンから選ばれる少なくとも1つを含む表面を有する基板上にアルミニウム膜を陽極酸化して形成したナノホールを有する陽極酸化膜を備え、該ナノホールは該陽極酸化膜表面から該基板表面に至るまで貫通しており、該ナノホールは、該陽極酸化膜表面から第1の直径で該基板表面側に向かって延び、且つ該基板表面側には、該第1の直径から該第1の直径よりも大きな第2の直径になるまで、該基板表面側に向かって徐々にナノホール径が拡張している拡張部を有し、該ナノホール内に金属、半導体、酸化物、カーボンナノチューブ、酵素、あるいは抗体を有することを特徴とするナノ構造体。
  3. 前記基板表面には、互いに電気的特性の異なる第1及び第2の領域を備えていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のナノ構造体。
  4. 該第1の領域がn型半導体領域で、該第2の領域がp型半導体領域である請求項3記載のナノ構造体。
  5. 該第1の領域が導電性の領域で、該第2の領域が絶縁性の領域である請求項3記載のナノ構造体。
  6. 該第1の領域が半導体領域である請求項3記載のナノ構造体。
  7. 該磁性体が積層電着によるCoとCuの積層体である請求項1記載のナノ構造体。
  8. 該半導体表面上のナノホールが該表面を構成する半導体とは逆のキャリア極性を有する物質を内包する請求項3に記載のナノ構造体。
  9. 該ナノホール内に酸化アルミナの誘電率と異なる誘電率を有する物質を内包する請求項1から3のいずれか1項に記載のナノ構造体。
  10. 請求項2に記載の前記ナノ構造体を有し、且つ、前記ナノホール内に前記カーボンナノチューブを内包するとともに、前記陽極酸化膜表面に対向する位置にある電極を有することを特徴とする電子放出素子。
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