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JP4097416B2 - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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JP4097416B2 - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、以下「IGBT」という。)及びその製造方法に関する。さらに詳細には、オン抵抗を低く保ちながらさらに高速スイッチング特性が改善されたIGBT及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IGBTは、パワーMOSFETの高速スイッチング特性とバイポーラトランジスタの低いオン抵抗特性を併せもつパワートランジスタである。図28は、このIGBTのうち、いわゆるPN接合型のIGBTの部分断面図である。図28に示されるように、このIGBT810は、上部にMOSFET構造、下部にバイポーラトランジスタ構造を備えている。
【0003】
図28を参照しながらこのIGBTの構造及び動作を説明する。このIGBT810は、P+コレクタ層812上に、N+バッファ層814A及びN-ドリフト層814Bが形成されている(これらを総称して「Nベース層」814という。)。そして、このN-ドリフト層814Bの表面にはDSA(Double Diffusion Self Align)法により、その表面が露出するようにPウェル領域816が形成されている。さらに、このPウェル領域816中にはその表面が露出するようにN+エミッタ領域818が形成されている。そして、Pウェル領域816の表面にはSiO2などの薄いゲート絶縁膜822を介して、ポリシリコンなどからなるゲート電極824が形成されている。このゲート電極824は、Pウェル領域816をまたぎ、N+エミッタ領域818からN-ドリフト層814Bに達するように配置されている。このゲート電極824直下のPウェル領域表面をチャネル形成領域820という。N+エミッタ領域818とPウェル領域816とを表面で短絡するようにエミッタ電極828が形成され、このエミッタ電極828はエミッタ端子Eに接続されている。このエミッタ電極828はゲート電極824とは層間絶縁膜826で絶縁されている。ゲート電極824はゲート端子Gに接続されている。P+コレクタ層812の表面にはコレクタ電極830が形成され、このコレクタ電極830はコレクタ端子Cに接続されている。
【0004】
このIGBT810は、エミッタ電極Eに対してコレクタ端子Cに正電圧を印加した状態で、エミッタ端子Eに対してゲート端子Gに閾値以上の正電圧を印加することにより、ターンオンする。すなわち、ゲート端子Gに閾値以上の正電圧が印加されると、MOSFET同様に、Pウェル領域816のチャネル形成領域820の表面に反転チャネルが形成され、N+エミッタ領域818から反転チャネルを通ってN-ベース層814内に電子が流入する。すると、これに対応して、P+コレクタ層812からNベース層814内にホールの注入が起こり、P+コレクタ層812とN+バッファ層814A(N-ベース層814)のPN接合は順バイアス状態となり、N-ベース層814が伝導度変調を起こす。このため、IGBT810は、本来は高抵抗に設定されているN-ドリフト層814Bが伝導度変調により低抵抗化するため、高耐圧素子であってもオン抵抗が低くなっている。
【0005】
一方、このIGBT810は、エミッタ端子Eに対してゲート端子Gに閾値以下の電圧を印加することによりターンオフする。すなわち、ゲート端子Gに閾値以下の電圧が印加されると、チャネル形成領域820において反転チャネルは消滅し、N+エミッタ領域818からの電子の流入が止まる。しかし、N-ベース層814内には依然として電子が存在する。N-ベース層814内に蓄積したホールの大部分はPウェル領域816を通り、エミッタ電極826へ流入するが、一部はN-ベース層814内に存在する電子と再結合して消滅する。N-ベース層814内に蓄積したホールがすべて消滅した時点で素子は阻止状態となり、ターンオフが完了する。
【0006】
一方、図29は、IGBTのうち、いわゆるショットキー接合型のIGBTの部分断面図である。図29に示されるように、このIGBT910もPN接合型のIGBT810と同様に、上部にMOSFET構造、下部にバイポーラトランジスタ構造を備えている。このショットキー接合型のIGBTの表面構造は、基本的には上述したPN接合型のIGBTの表面構造と同じである。
【0007】
図29を参照しながらショットキー接合型IGBTの構造及び動作を説明する。ショットキー接合型IGBT910は、N-層914の表面にDSA法により、その表面が露出するようにPウェル領域916が形成されている。さらに、このPウェル領域916中にはその表面が露出するようにN+ソース領域(N+エミッタ領域ということもある。)918が形成されている。そして、Pウェル領域916の表面にはSiO2などの薄いゲート絶縁膜922を介して、ポリシリコンなどからなるゲート電極924が形成されている。このゲート電極924は、Pウェル領域916をまたぎ、N+ソース領域918からN-層914に達するように配置されている。このゲート電極924直下のPウェル領域表面をチャネル形成領域920という。N+ソース領域918とPウェル領域916とを表面で短絡するようにソース電極(エミッタ電極ということもある。)928が形成され、このソース電極928はソース端子Sに接続されている。このソース電極928はゲート電極924とは層間絶縁膜926で絶縁されている。ゲート電極924はゲート端子Gに接続されている。N-層914の他方の表面には、「N-層914と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜からなるドレイン電極(コレクタ電極ということもある。)930が形成され、このドレイン電極930はドレイン端子Dに接続されている。
【0008】
このショットキー接合型IGBT910の動作は、上述したIGBT810の動作と基本的に同じであるが、上述したIGBT810ではPN接合を介してホールが注入されているのに対して、このショットキー接合型IGBT910では、ショットキー接合を介してホールが注入されるところが異なっている。このため、、上述したIGBT810と比較してホール注入量が低レベルとなっており、ターンオフ時に残留しているホールを少なくすることができる。その結果、従来のIGBT810よりもさらにターンオフ時間が短縮され、高速スイッチングが特性が改善されている。
【0009】
図30は、ショットキー接合型のIGBT910の表面構造を示す図である。図30に示されるように、このIGBT910の表面には、能動領域ARと、この能動領域を取り囲むように配置された固定電位拡散領域DRと、チップ周囲に形成され、やはり能動領域を取り囲むように配置されたガードリング領域GRと、外部との接続に用いられるゲートパッド領域GPとが形成されている。
【0010】
図31は、図30の能動領域ARにおける部分拡大図であり、島状に形成された多数のIGBTのユニットセル(ウェル領域916及びソース領域918)が縦横に多数配列した様子が示されている。
【0011】
図32は、図30のA−A線における断面図であり、N-型の半導体基体914の一方の表面(以下、「素子面」ということがある。)に、能動領域ARと、この能動領域ARの両側に形成された固定電位拡散領域DRと、チップ周囲に配置されたガードリング領域GRと、中央部に配置されたゲートパッド領域GPが形成されている様子が示されている。なお、図32においては、素子面上に形成されている絶縁膜や電極などは省略されている。一方、N-型の半導体基体914の他方の表面(以下、「裏面」ということがある。)には、ドレイン電極が全面に形成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの接合型のIGBTにおいても、少数キャリアであるホールの注入により伝導度変調を起こさせているため、このホールを消滅させるのに時間がかかり、ターンオフ時間を短縮するのは容易ではない。すなわち、これらIGBTは、ターンオン時には伝導度変調が起こるためオン電圧が低いという優れた特性を示す反面、ターンオフ時にはホールを消滅させるのに時間がかかるため、ターンオフ時間が長くなり高速スイッチング特性が劣るという欠点があるのである。
そこで、本発明の目的は、オン抵抗を低く保ちながら高速スイッチング特性の改善されたIGBTを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域と、を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造と、を有することを特徴とする
【0014】
本発明のIGBTでは、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているためホールの注入量が抑制されることになる。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されることになる。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、本発明のIGBTは、オン抵抗を低く保ちながら高速スイッチング特性が改善されている優れたIGBTである。
【0015】
「ホール多量注入構造」とは、注入されるホールの絶対量が多量である構造であるという意味ではなく、ホール少量注入構造と比較すれば注入されるホールの量が多量である構造であるという意味である。同様に、「ホール少量注入構造」とは、注入されるホールの絶対量が少量である構造であるという意味ではなく、ホール多量注入構造と比較すれば注入されるホールの量が少量である構造であるという意味である。「ホール少量注入構造」には、ホールがほとんど注入されない場合も含まれる。
【0016】
(2)上記(1)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、非能動領域が、通常能動領域を取り囲むように配置されているガードリング領域とチップに外部との接続に用いられるゲートパッド領域とを含むことが好ましい。チップに占めるこれらの占有面積が比較的大きくしかも能動領域に近接しているため、上述した(1)の効果が大きいからである。これに加えて、非能動領域が、能動領域に隣接して配置される固定電位拡散領域を含んでもよい。
【0017】
(3)上記(1)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記非能動領域に対応した領域の一部に、ホール多量注入構造が形成されていてもよい。例えば、ゲートパッド領域やガードリング領域や固定電位拡散領域の、能動領域に近接する領域などである。このように構成すれば、チップ設計の自由度が高まるとともに、ターンオン時におけるホール注入がより活発になる結果、伝導度変調が促進され、よりオン抵抗を低くすることができる。
【0018】
(4)一方、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記能動領域に対応した領域の一部に、ホール少量注入構造が形成されていてもよい。このように構成すれば、能動領域においてもホール注入を適度に抑制することができるので、ターンオフ時間が短縮され、さらに高速スイッチング特性を向上させることができる。
【0019】
(5)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域と、を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造と、を有し、
前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高いことを特徴とする。
【0020】
本発明のIGBTでは、ホール多量注入構造が形成されている面積に対するホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、能動領域においてより非能動領域において高いため、能動領域においてよりも非能動領域領域において特にホールの注入量が抑制されることになる。従って、能動領域においてホール注入を抑制する効果よりも、非能動領域においてホール注入を抑制する効果をより大きなものにすることができる。その結果、伝導度変調効率をそれほど低下させずにターンオフ時間を短縮することができる。このため、本発明のIGBTは、オン抵抗を低く保ちながら高速スイッチング特性が改善されている優れたIGBTである。
【0021】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記ホール多量注入構造がショットキー接合であることが好ましい。このように構成すれば、ホール多量注入構造からのホールの注入が、PN接合の場合よりも抑制されているため、さらにターンオフ時間の短縮された高速スイッチング特性の優れたIGBTとなる。
【0022】
(7)上記(6)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面には部分的にN+領域が形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、
前記N+領域が形成されていない領域にはホール多量注入構造が形成され、前記N+領域が形成された領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0023】
このように構成すれば、N+領域が形成されていない領域にはショットキー接合が形成され、N+領域が形成された領域にはオーミック接合が形成される。すなわち、N+領域が形成されていない領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、N+領域が形成された領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成される。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0024】
上記(7)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体はN-型のシリコンからなり、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」が白金、金、バナジウム、アルミニウム又はモリブデンであることが好ましい。
このような金属を用いれば、N-型のシリコン半導体基体と接触することによりホール多量注入構造を形成しかつシリコンのN+領域と接触することによりホール少量注入構造を形成することができる。
【0025】
(8)上記(6)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面にはN+層が形成されるとともに、このN+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、
前記凹部が形成された領域にはホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成されていない領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0026】
このように構成すれば、凹部が形成されている領域にはショットキー接合が形成され、凹部が形成されていない領域にはオーミック接合が形成される。すなわち、凹部が形成されている領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、凹部が形成されていない領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成される。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0027】
上記(8)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体はN-型のシリコンからなり、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」が白金、金、バナジウム、アルミニウム又はモリブデンであることが好ましい。
このような金属を用いれば、N-型のシリコン半導体基体と接触することによりホール多量注入構造を形成しかつシリコンのN+層と接触することによりホール少量注入構造を形成することができる。
【0028】
(9)上記(6)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面にはN+層と「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜が形成されているとともに、前記N+層と前記半導体基体とが合金化された領域が部分的に形成されることにより、
合金化された領域にはホール多量注入構造が形成され、合金化されていない領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0029】
このように構成すれば、合金部が形成されている領域にはショットキー接合が形成され、合金部が形成されていない領域にはオーミック接合が形成される。すなわち、合金部が形成されている領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、合金部が形成されていない領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成される。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0030】
上記(9)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体はN-型のシリコンからなり、「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜が、白金、金、バナジウム、アルミニウム若しくはモリブデンからなる膜又はこれらの膜と他の金属との積層膜であることが好ましい。
このような金属の膜を用いれば、N-型のシリコン半導体基体と接触することによりホール多量注入構造を形成しかつシリコンのN+層と接触することによりホール少量注入構造を形成することができる。
【0031】
(10)上記(6)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜が部分的に形成されているとともに、前記膜が形成されていない部分には前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属が形成されていることにより
前記第1の金属の膜が形成された領域にはホール多量注入構造が形成され、前記第2の金属の膜が形成された領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0032】
このように構成すれば、能動領域ARに対応する領域においては、第1の金属が形成されているため、第1の金属と半導体基体とが直接接触してショットキー接合が形成される。一方、非能動領域(GR、GP、DR)に対応する領域において、第2の金属と半導体基体とが接触するためショットキー接合が形成されることもあるが、第2の金属は第1の金属よりも仕事関数が低いため、このショットキーバリアが高くなり、ホール注入が抑制されることになる。すなわち、第1の金属が形成されている領域にはホール多量注入構造が形成され、第2の金属が形成されている領域にはホール少量注入構造が形成される。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0033】
上記(10)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、例えば、第1の金属が白金であり、第2の金属がモリブデンであることが好ましいが、この組み合わせに限られるものではない。
このような金属を選択すれば、第1の金属が形成されている領域にホール多量注入構造を形成し、第2の金属が形成されている領域にホール少量注入構造を形成することができる。
【0034】
(11)上記(6)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、この半導体基体の他方の表面は部分的に粗面化されており、この粗面化された半導体基体の他方の表面には「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、
粗面化されていない領域にはホール多量注入構造が形成され、粗面化された領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0035】
このように構成すれば、半導体基体の他方の表面には全面にわたってショットキー接合が形成される一方、このうち粗面化されている領域においてはショットキー接合近傍に不純物準位を付与することができる。すると、粗面化された領域ではこの不純物準位がいわゆるライフタイムキラーとして働くため、粗面化されていない領域よりもホール注入が抑制される。このため、粗面化されていない領域にはホール多量注入構造が形成され、粗面化されている領域にはホール少量注入構造が形成されることになる。その結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0036】
上記(11)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、通常のショットキー接合型IGBTの場合と同様に、前記半導体基体はN-型のシリコンからなり、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」が白金、金、バナジウム、アルミニウム又はモリブデンであることが好ましい。
【0037】
(12)上記(10)又は(11)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面においては、外周部には絶縁膜が形成されてなるとともに、この外周部の外側端部にまで延在しないドレイン電極が前記絶縁膜を介して形成されてなり、
前記絶縁膜が形成された領域においては、前記半導体基体に、前記ドレイン電極と接触しないように、かつ、前記半導体基体の側面に露出しないように、P領域が形成されてなることが好ましい。
【0038】
このように構成すれば、ドレイン電極が外周部の外側端部にまで延在していないため、ウエハをダイシングしてチップ化する際に、ドレイン電極を構成する金属がチップ側面(ダイシング面)にまわり込んでしまうことを確実に防止することができる。その結果、極めてリークの少ないIGBTとなる。
【0039】
また、このように構成すれば、ショットキー接合の空乏層がP領域を包むように広がるため、絶縁膜端部(ショットキー接合形成領域の端部)における電界強度は弱められる。このため、誤ってソース端子とドレイン端子の間に逆極性の電圧を印加してしまったときにも耐圧を確保することができ素子の破壊を防止することができる。いわゆる逆接保護機能に優れたIGBTとなる。そのうえ、P領域とドレイン電極とは接触していないので、通常のPN接合型のIGBTを構成する部分がない。このため、ターンオフ時間が長くなることによるスイッチング損失の増大もない。
【0040】
上記(12)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、「ドレイン電極」とは、ゲート端子に接続される電極のことであり、上記(10)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにあっては「第1の金属」の膜と「第2の金属」とを含む電極のことであり、上記(11)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにあっては「半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜を含む電極のことである。
【0041】
上記(12)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、「絶縁膜」としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いることができるが、ガスの放出の少ない絶縁膜、なかでもSiO2膜、を好ましく用いることができる。
【0042】
上記(12)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記絶縁膜が形成された領域であって前記外周部の外側端部(平面図でいえばチップ外周部)にN+領域が形成されてなることも好ましい。このように構成すれば、半導体基体表面層の反転層がこのN+領域で止められるため、チャネル電流を低減することができる。
【0043】
(13)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記ホール多量注入構造をPN接合とすることもできる。このように構成すれば、オン抵抗の低いPN型のIGBTであっても、非能動領域に形成されたホール少量注入構造を有しているため、ターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性を向上させることができる。
【0044】
(14)上記(13)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面にはP+領域が部分的に形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、
前記P+領域が形成された領域にはホール多量注入構造が形成され、前記P+領域が形成されていない領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0045】
このように構成すれば、P+領域が形成されている領域にはPN接合が形成され、P+領域が形成されていない領域にはPN接合が形成されない。すなわち、P+領域が形成されている領域にはPN接合からなるホール多量注入構造が形成され、P+領域が形成されていない領域にはPN接合が形成されないためホール少量注入構造が形成されることになる。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0046】
(15)上記(13)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記半導体基体の他方の表面にはP+層が形成されるとともに、このP+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、
前記凹部が形成されていない領域にはホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成された領域にはホール少量注入構造が形成されてなるように構成することが好ましい。
【0047】
このように構成すれば、凹部が形成されていない領域にはPN接合が形成され、凹部が形成されている領域にはPN接合が形成されない。すなわち、凹部が形成されていない領域にはPN接合からなるホール多量注入構造が形成され、凹部が形成されている領域にはPN接合が形成されないためホール少量注入構造が形成されることになる。この結果、上述したように、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTとすることができる。
【0048】
上記(14)又は(15)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、前記コレクタ電極を構成する金属は、通常のPN接合型IGBTで用いられる金属、例えば、クロム、チタン、アルミニウムを好ましく用いることができる。
【0049】
(16)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(7)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によって部分的にN+領域を形成するN+領域形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0050】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面に部分的にN+領域を形成するN+領域形成工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0051】
(17)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(8)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によってN+層を形成するN+層形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、前記N+層の厚みより深い孔を部分的に開けて、凹部を形成する凹部形成工程と、
(f)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0052】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面にN+層を形成するN+層形成工程と、このN+層の厚みより深い凹部を形成する凹部形成工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0053】
上記(17)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、等方性エッチングによって前記凹部形成工程を行うことが好ましい。等方性エッチングによれば精度良く凹部を形成することができる。
上記(17)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、異方性エッチングによって前記凹部形成工程を行うことも好ましい。異方性エッチングによれば、深い凹部でも精度良く形成することができる。
上記(17)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、レーザー加工によって前記凹部形成工程を行うことも好ましい。レーザー加工によれば、生産性良く凹部を形成することができる。
【0054】
(18)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(9)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入によってN+層を形成するN+層形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、
(f)前記金属膜を部分的に加熱することによって、前記金属膜と前記N+層と前記半導体基体とを部分的に合金化させる合金化工程と、を有することを特徴とする。
【0055】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の後に、半導体基体の他方の表面にN+層を形成するN+層形成工程と、金属膜とN+層と半導体基体とを部分的に合金化させる合金化工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0056】
上記(18)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、レーザー照射によって前記合金化工程を行うことが好ましい。レーザー照射によれば、生産性良く、合金化工程を行うことができる。
【0057】
(19)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(10)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜を部分的に形成する第1の金属膜工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属」の膜をさらに形成する第2の金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0058】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程において、第1の金属膜を全面に形成するのに代えて、第1の金属膜を部分的に形成するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0059】
(20)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(11)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体の他方の表面を部分的に粗面化する粗面化工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0060】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体の他方の表面を部分的に粗面化する粗面化工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0061】
上記(20)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、(c)の半導体基体形成工程と(d)の粗面化工程とを連続して実施することもできる。
【0062】
(21)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(10)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面外周部における所定領域にイオン注入法によってP領域を形成するP領域形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面外周部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
(f)前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜を部分的に形成するとともに、「前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属」の膜をさらに形成する工程を含むドレイン電極形成工程と、
(g)前記外周部の外側端部において前記ドレイン電極を除去するドレイン電極部分除去工程と、を有することを特徴とする。
【0063】
このため、上記(19)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面外周部における所定領域にイオン注入法によってP領域を形成するP領域形成工程と、半導体基体の他方の表面外周部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを追加するとともに、上記(19)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法における金属膜形成工程を含むドレイン電極形成工程の後に、外周部の外側端部においてドレイン電極を除去するドレイン電極部分除去工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、上記(19)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。
すなわち、ウエハをダイシングしてチップ化する際に、ドレイン電極を構成する金属がチップ側面(ダイシング面)にまわり込んでしまうことを確実に防止することができるため、極めてリークの少ないIGBTを製造することができる。また、半導体基体の他方の表面外周部に形成されたP領域の作用により、誤ってソース端子とドレイン端子の間に逆極性の電圧を印加してしまったときにも耐圧を確保することができ素子の破壊を防止することができる。いわゆる逆接保護機能に優れたIGBTとなる。そのうえ、このP領域とドレイン電極とは接触していないので、通常のPN接合型のIGBTを構成する部分がない。このため、ターンオフ時間が長くなることによるスイッチング損失の増大もない。
【0064】
(22)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(11)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面外周部における所定領域にイオン注入法によってP領域を形成するP領域形成工程と、
(e)前記半導体の他方の表面を部分的に粗面化する粗面化工程と、
(f)前記半導体基体の他方の表面外周部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
(g)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜を形成する工程を含むドレイン電極形成工程と、
(h)前記外周部の外側端部において前記ドレイン電極を除去するドレイン電極部分除去工程と、を有することを特徴とする。
【0065】
このため、上記(20)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面外周部における所定領域にイオン注入法によってP領域を形成するP領域形成工程と、半導体基体の他方の表面に部分的に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを追加するとともに、上記(20)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法における金属膜形成工程を含むドレイン電極形成工程の後に、外周部の外側端部においてドレイン電極を除去するドレイン電極部分除去工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、上記(20)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法が有する効果に加えて、以下の効果を有する。
すなわち、ウエハをダイシングしてチップ化する際に、ドレイン電極を構成する金属がチップ側面(ダイシング面)にまわり込んでしまうことを確実に防止することができるため、極めてリークの少ないIGBTを製造することができる。また、半導体基体の他方の表面外周部に形成されたP領域の作用により、誤ってソース端子とドレイン端子の間に逆極性の電圧を印加してしまったときにも耐圧を確保することができ素子の破壊を防止することができる。いわゆる逆接保護機能に優れたIGBTとなる。そのうえ、このP領域とドレイン電極とは接触していないので、通常のPN接合型のIGBTを構成する部分がない。このため、ターンオフ時間が長くなることによるスイッチング損失の増大もない。
【0066】
(23)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(14)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によって部分的にP+領域を形成するP+領域形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、コレクタ電極を構成する金属の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0067】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面に部分的にP+領域を形成するP+領域形成工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0068】
(24)本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、上記(15)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
(a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、
(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によってP+層を形成するP+層形成工程と、
(e)前記半導体基体の他方の表面に、前記P+層の厚みより深い孔を部分的に開けて、凹部を形成する凹部形成工程と、
(f)前記半導体基体の他方の表面に、コレクタ電極を構成する金属の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする。
【0069】
このため、本発明のIGBTの製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、前記半導体基体の他方の表面にP+層を形成するP+層形成工程と、このP+層の厚みより深い凹部を形成する凹部形成工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0070】
上記(24)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、等方性エッチングによって前記凹部形成工程を行うことが好ましい。等方性エッチングによれば精度良く凹部を形成することができる。
上記(24)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、異方性エッチングによって前記凹部形成工程を行うことも好ましい。異方性エッチングによれば、深い凹部でも精度良く形成することができる。
上記(24)に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、レーザー加工によって前記凹部形成工程を行うことも好ましい。レーザー加工によれば、生産性良く凹部を形成することができる。
【0071】
なお、上記(16)乃至(24)のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、半導体基体形成工程における表面加工の方法としては、研削及び研磨、研削及びCMP、研削及びエッチング、並びにエッチングの方法などを好ましく用いることができる。
【0072】
また、上記(16)乃至(24)のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法においては、(a)〜(e)(又は(a)〜(f)、(a)〜(g)若しくは(a)〜(h))の順序で工程を実施するのが好ましいが、必ずしもこの順序で工程を実施する必要はない。例えば、(b)の絶縁ゲートトランジスタ形成工程のうちの一工程(例:ソース電極形成工程)又は二工程以上を(c)工程以降に実施することもできる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0074】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るIGBTの断面図を示す図である。図1は従来のIGBT910の断面図である図30に対応している。また、図2は、実施形態1のIGBTの裏面構造を示す図である。図1及び図2を参照しながら、実施形態1のIGBT110を説明する。
【0075】
実施形態1に係るIGBT110は、N-型の半導体基体114の素子面に、能動領域ARと、この能動領域ARの両側に形成された固定電位拡散領域DRと、チップ周囲に配置されたガードリング領域GRと、中央部に配置されたゲートパッド領域GPが形成されており、従来のIGBT910と同じである。なお、図1においては、素子面上に形成されている絶縁膜や電極などは省略されている。また、実施形態1に係るIGBT110は、その裏面全面に渡って、半導体基体に接する方から白金層、モリブデン層、チタン層、ニッケル層、銀層が積層された構造を有するドレイン電極が形成されており、この点についても従来のIGBT910と同じである。
【0076】
しかしながら、実施形態1に係るIGBT110は、以下の点で、従来のIGBT910と異なっている。すなわち、従来のIGBT910では、N-型の半導体基体914の裏面はすべてN-基体のままであるのに対して、実施形態1に係るIGBT110では、N-型の半導体基体114の裏面には、能動領域ARに対応する領域を除いた非能動領域(ガードリング領域GRとゲートパッド領域GPと固定電位拡散領域DR)に対応する領域にN+領域が形成されている。すなわち、実施形態に係るIGBT110においては、図2の斜線のハッチングが施されている領域にのみN+領域が形成されている。
【0077】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、N+領域が形成されていないため、ドレイン電極を構成する白金と半導体基体とが直接接触して、従来のIGBTと同様に、ショットキー接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、ドレイン電極を構成する白金とN+領域とが接触するため、従来のIGBTの場合とは異なり、オーミック接触が形成される。このため、N+領域が形成されていない領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、N+領域が形成されている領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成されることになる。
【0078】
その結果、実施形態1に係るIGBTでは、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態1に係るIGBT110は、オン抵抗を低く保ちながらターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0079】
図3及び図4は、実施形態1に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図4及び図5を参照しながら、実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明する。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)N+領域形成工程
次に、半導体基体114の裏面の非能動領域(ガードリング領域GR、ゲートパッド領域GP、固定電位拡散領域DR)に対応する領域に、イオン注入法によって砒素などのN型不純物を高濃度で打ち込み、その後高速熱アニール(RTA)によって不純物を活性化させ、N+領域132を形成する。
(e)金属膜形成工程
次に、半導体基体114の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてドレイン電極130を形成する。
【0080】
上記製造工程を経て、図1に示したような実施形態1に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型のIGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、所定領域にN+領域を形成する工程を加えるだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0081】
なお、図2においては、ガードリング領域GR、ゲートパッド領域GP及び固定電位拡散領域DRに対応して、N+領域を形成したが、図5に示したように、N+領域の周囲を鋸刃状にすることで、能動領域の一部にもN+領域を形成するとともに、非能動領域の一部にもN+領域を形成しないようにすることもできる。こうすれば、素子面と裏面とのパターンずれがあってもIGBTのオン抵抗とスイッチング特性に及ぼす影響を少なくすることができる。また、図6に示したように、ゲートパッド領域に対応する領域にはN+領域を形成しないようにすることもできる。
【0082】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係るIGBTの断面図を示す図である。図7に示されるように、実施形態2に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態1に係るIGBTと同じである。実施形態2に係るIGBTが実施形態1に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態1に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面には、非能動領域に対応してN+領域が形成されているのに対して、実施形態2に係るIGBTでは、半導体基体の裏面全面にN+層134が形成されるとともに、このN+層134の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部136が形成されている。すなわち、図2の斜線のハッチングが施されていない領域にのみ凹部136が形成されている。
【0083】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、凹部136が形成されているため、ドレイン電極130を構成する白金と半導体基体114とが直接接触して、従来のIGBTと同様に、ショットキー接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、ドレイン電極130を構成する白金とN+層134とが接触するため、従来のIGBTの場合とは異なり、オーミック接触が形成される。このため、凹部136が形成されている領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、凹部136が形成されていない領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成されることになる。
【0084】
その結果、実施形態2に係るIGBT110では、実施形態1に係るIGBTと同様に、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態2に係るIGBT110は、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0085】
図8は、実施形態2に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図8を参照しながら、実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、(a)〜(c)までの工程は、実施形態1の場合と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)N+層形成工程
次に、半導体基体114の裏面全面にイオン注入法によって砒素などのN型不純物を高濃度で打ち込み、その後高速熱アニール(RTA)によって不純物を活性化させ、N+層134を形成する。
(e)凹部形成工程
次に、前記半導体基体の他方の表面に、等方性エッチングを用いて、前記N+層の厚みより深い孔を部分的に開けて、能動領域ARに対応する領域に凹部136を形成する。
(f)金属膜形成工程
次に、半導体基体114の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてドレイン電極130を形成する。
【0086】
上記製造工程を経て、図7に示したような実施形態2に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型のIGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の他方の表面にN+層を形成するN+層形成工程と、このN+層の厚みより深い凹部を形成する凹部形成工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0087】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3に係るIGBTの断面図を示す図である。図9に示されるように、実施形態3に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態1に係るIGBTと同じである。実施形態3に係るIGBTが実施形態1に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態1に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面には、非能動領域に対応してN+領域が形成されているのに対して、実施形態3に係るIGBTでは、半導体基体の裏面全面にN+層134と「半導体基体を構成する材料と合金化して半導体基体とショットキー接合を形成しかつN+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜が形成されているとともに、この金属の膜とN+層と半導体基体とが合金化された領域が部分的に形成されている。
【0088】
「半導体基体を構成する材料と合金化して半導体基体とショットキー接合を形成しかつN+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜としては、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させた積層膜を用いている。この積層膜がドレイン電極130となる。
【0089】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、合金部138が形成されているため、この合金と半導体基体114とが接触してショットキー接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、ドレイン電極130を構成する白金とN+層134とが接触するためオーミック接触が形成される。このため、合金部138が形成されている領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、合金部138が形成されていない領域にはオーミック接合からなるホール少量注入構造が形成されることになる。
【0090】
その結果、実施形態3に係るIGBTでは、実施形態1に係るIGBTと同様に、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態3に係るIGBT110は、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0091】
図10は、実施形態3に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図10を参照しながら、実施形態3に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、この(a)〜(c)までの工程は、実施形態1と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)N+層形成工程
次に、半導体基体114の裏面全面にイオン注入法によって砒素などのN型不純物を高濃度で打ち込み、その後高速熱アニール(RTA)によって不純物を活性化させ、N+層134を形成する。
(e)金属膜形成工程
次に、半導体基体114の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてドレイン電極130を形成する。
(f)合金化工程
次に、ドレイン電極を構成する金属膜を、レーザー照射によって部分的に加熱することによって、金属膜とN+層と半導体基体とを部分的に合金化させる。
【0092】
上記製造工程を経て、図9に示したような実施形態3に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前後に、半導体基体の裏面に部分的にN+領域を形成するN+領域を形成する工程と、金属膜とN+層と半導体基体とを部分的に合金化させる合金化工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0093】
(実施形態4)
図11は、本発明の実施形態4に係るIGBTの断面図を示す図である。図11に示されるように、実施形態4に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態1に係るIGBTと同じである。実施形態4に係るIGBTが実施形態1に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態1に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面には、非能動領域に対応してN+領域が形成されているのに対して、実施形態4に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面には「半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属140」の膜が部分的に形成されているとともに、第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属142が第1の金属の膜が形成されていない部分に形成されている。
【0094】
この実施形態4においては、第1の金属としては白金を、第2の金属としてはモリブデンを用いている。
【0095】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、第1の金属140である白金と半導体基体114とが接触してショットキー接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においても、第2の金属142であるモリブデンと半導体基体114とが接触するためショットキー接合が形成されるが、モリブデンは白金に比べて仕事関数が低いため、ショットキー接合におけるバリアが高くなり、ホール注入が抑制されることになる。このため、第1の金属140が形成されている領域にはホール多量注入構造が形成され、第2の金属142が形成されている領域にはホール少量注入構造が形成されることになる。
【0096】
その結果、実施形態4に係るIGBTでは、実施形態1に係るIGBTと同様に、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態4に係るIGBT110は、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0097】
図12は、実施形態4に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図12を参照しながら、実施形態4に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、(a)〜(c)までの工程は、実施形態1と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)第1の金属膜形成工程
次に、半導体基体の裏面に、「半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」である白金の膜140を部分的に形成する。
(e)第2の金属膜形成工程
次に、半導体基体の裏面に、「第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属」であるモリブデンの膜142をさらに形成し、その後、チタン、ニッケル、銀の薄膜144、146、148を順次積層させてドレイン電極130を形成する。
【0098】
上記製造工程を経て、図11に示したような実施形態4に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程において、第1の金属膜を部分的に形成した後、第2の金属膜及び必要な薄膜を積層するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0099】
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5に係るIGBTの断面図を示す図である。図13に示されるように、実施形態5に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態1に係るIGBTと同じである。実施形態5に係るIGBTが実施形態1に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態1に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面には、非能動領域に対応してN+領域が形成されているのに対して、実施形態5に係るIGBTでは、この半導体基体の裏面には非能動領域に対応して粗面化されており、この半導体基体の裏面には「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜がさらに形成されている。
【0100】
この実施形態5において、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜としては、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させた積層膜を用いている。
【0101】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、粗面150が形成されておらず平坦面151となっているため、ドレイン電極130を構成する白金と半導体基体114とがそのまま接触して通常のショットキー接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、粗面150が形成されているため、ショットキー接合近傍に不純物準位が付与されることになる。そして、この不純物準位がいわゆるライフタイムキラーとして働くため、通常のショットキー接合の場合よりもホール注入が抑制されることになる。このため、粗面化されていない領域にはホール多量注入構造が形成され、粗面化されている領域にはホール少量注入構造が形成される。このため、粗面150が形成されている領域にはショットキー接合からなるホール多量注入構造が形成され、粗面150が形成されていない領域にはショットキー接合近傍に不純物準位が付与されることによるホール少量注入構造が形成されることになる。
【0102】
その結果、実施形態5に係るIGBTでは、実施形態1に係るIGBTと同様に、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態5に係るのIGBT110は、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0103】
図14は、実施形態5に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図14を参照しながら、実施形態5に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、(a)〜(c)までの工程は、実施形態1と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)粗面化工程
次に、半導体基体114の裏面を部分的に粗面化して、他方の表面を部分的に粗面化する。
(e)金属膜形成工程
次に、半導体基体114の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてドレイン電極130を形成する。
【0104】
上記製造工程を経て、図13に示したような実施形態5に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型IGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の裏面を部分的に粗面化する粗面化工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0105】
なお、上記(d)の粗面化工程は、半導体基体の裏面にレジストを介して微粒子を吹き付けることによって、レジスト開口部のみを粗面化する方法により行った。実施形態5における粗面化は、この方法の他に、以下の方法などでも可能である。
まず、上記(c)の半導体基体形成工程においてグラインダにより研削を行った後にライトエッチングを行い半導体基体裏面全体に粗面を形成する。
次に、最終的に粗面となる部分にレジストを形成する。
次に、フッ酸、硝酸、硫酸等により、半導体基体の裏面から、10μm以上エッチングすることにより、レジスト開口部の半導体基体を除去する。
次に、レジストを除去する。
この方法によっても、ホール少量注入構造となる部分だけを粗面化することができる。
【0106】
(実施形態6)
図15、図16及び図17は、実施形態6に係るIGBTの構造を説明するための図である。図15は実施形態6に係るIGBTの裏面構造を示す図であり、図16は図15の部分拡大図であり、図17は実施形態6に係るIGBTの部分断面図である。
【0107】
実施形態6に係るIGBT110は、実施形態1に係るIGBTと同じく、半導体基体114の裏面に部分的にN+領域が形成されている。しかしながら、実施形態6に係るIGBTでは、そのN+領域の形成のされ方が異なっている。すなわち、実施形態6では、基本的には、能動領域においても非能動領域においても部分的にN+領域が形成されている。そして、実施形態6においては、N+領域が形成されていない面積に対するN+領域が形成されている面積の割合が、能動領域においてより非能動領域において高くなっている。
【0108】
その様子が図15、図16及び図17に示されている。図15のBで示された領域における裏面構造が図16の(a)に示され、部分断面図が図17の(a)に示されている。一方、図15のCで示された領域における裏面構造が図16の(b)に示され、部分断面図が図17の(b)に示されている。これらの図面に示されているように、実施形態6に係るIGBTでは、N+領域が形成されていない面積に対するN+領域が形成されている面積の割合が、B(能動領域)においてよりC(非能動領域)において高くなっている。
【0109】
このため、実施形態6に係るIGBTでは、ホール多量注入構造が形成されている面積に対するホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、能動領域においてより非能動領域において高いため、能動領域においてよりも非能動領域領域において特にホールの注入量が抑制されることになる。従って、能動領域においてホール注入を抑制する効果よりも、非能動領域においてホール注入を抑制する効果をより大きなものにすることができる。その結果、伝導度変調効率をそれほど低下させることなくターンオフ時間を短縮することができる。このため、実施形態6に係るIGBTは、オン抵抗を低く保ちながらさらに高速スイッチング特性が改善されている優れたIGBTである。
【0110】
実施形態6のIGBTは、実施形態1の製造方法を適用して製造することができる。すなわち、図4・(d)のN+領域形成工程において用いるレジストパターンを変更すればよい。
【0111】
(実施形態7)
図18は、実施形態7に係るIGBTの部分断面図である。実施形態7に係るIGBTの裏面構造を示す平面図は、基本的には実施形態6のIGBTと同じである。すなわち、図15及び図16に示したものと同じである。実施形態7に係るIGBTが実施形態6に係るIGBTと異なっているのは、「ホール多量注入構造とホール少量注入構造」それ自体である。すなわち、実施形態6に係るIGBTでは、N-型の半導体基体114の裏面に、部分的にN+領域132が形成されているのに対して、実施形態7に係るIGBTでは、半導体基体114の裏面に、部分的に白金膜140が形成されているとともに、白金膜が形成されていない部分には白金膜よりも仕事関数の低いモリブデン膜142が形成されている。
【0112】
このため、実施形態7に係るIGBTでは、実施形態6に係るIGBTと同様に、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高いため、能動領域においてよりも非能動領域領域において特にホールの注入量が抑制されることになる。従って、能動領域においてホール注入を抑制する効果よりも、非能動領域においてホール注入を抑制する効果をより大きなものにすることができる。その結果、伝導度変調効率をあまり低下させずにターンオフ時間を短縮することができる。このため、実施形態7に係るIGBTは、オン抵抗を低く保ちながらさらに高速スイッチング特性が改善されている優れたIGBTである。
【0113】
実施形態7のIGBTは、実施形態4の製造方法を適用して製造することができる。すなわち、図12・(d)の凹部形成工程において用いるレジストパターンを変更すればよい。
【0114】
(実施形態8)
図19は、本発明の実施形態8に係るIGBTの断面図を示す図である。図19に示されるように、実施形態8に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態4に係るIGBTと同じである。実施形態8に係るIGBTが実施形態4に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態4に係るIGBTでは、半導体基体114の裏面全面にわたってドレイン電極130が形成されているのに対して、実施形態8に係るIGBTでは、その裏面外周部にはSiO2膜158が形成されたなるとともに、このSiO2膜を介してドレイン電極130が形成されている。そして、さらに、このドレイン電極130が外周部の外周端部にまで延在していない構造を有している。
【0115】
このため、ウエハをダイシングしてチップ化する際に、ドレイン電極130を構成する金属がチップ側面(ダイシング面160)にまわり込んでしまうことを確実に防止することができる。その結果、極めてリークの少ないIGBTとなる。
【0116】
このため、実施形態8に係るIGBTは、実施形態4に係るIGBTと同様に、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTであるうえ、極めてリークの少ないIGBTである。
【0117】
図20は、実施形態8に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図20を参照しながら、実施形態8に係るIGBTの製造方法を説明する。(a)〜(c)までの工程は、実施形態4と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)SiO2膜形成工程
次に、半導体基体108の裏面外周部にSiO2膜を形成する。
(e)第1の金属膜形成工程
次に、半導体基体108の裏面に、白金の膜を部分的に形成する。
(f)第2の金属膜形成工程
次に、半導体基体の裏面に、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させるとともに、この積層膜のうち、所定部分(外周部の外側端部)をエッチングにより除去する。
【0118】
上記製造工程を経て、図19に示したような実施形態8に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、実施形態4に係るIGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体108の裏面外周部にSiO2膜を形成するSiO2膜形成工程を追加するとともに、金属膜形成工程において形成する金属膜の外周部の外側端部を除去する工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善された高いIGBTであって極めてリークの少ないIGBTを製造することができる。
【0119】
(実施形態9)
図21は、本発明の実施形態9に係るIGBTの断面図を示す図である。図21に示されるように、実施形態9に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態8に係るIGBTと同じである。実施形態9に係るIGBTが実施形態8に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態9に係るIGBTでは、実施形態8に係る半導体基体114の裏面のSiO2膜158が形成された領域の所定領域にN+領域164とP領域162とがさらに形成されている。N+領域164は、半導体基体114の裏面外周部の外側端部に形成されている。P領域162は、半導体基体114のSiO2膜158が形成された領域において、ドレイン電極130と接触しないように、かつ、半導体基体114の側面160に露出しないように形成されている。
【0120】
このため、実施形態9に係るIGBTは、N+領域164が形成されていることにより、半導体基体114の表面の反転層がN+領域164で止められる。そのため、チャネル電流が低減されている。また、P領域162が形成されていることにより、ショットキー接合の空乏層がP領域を包むように広がるため、絶縁膜端部(ショットキー接合形成領域の端部)における電界強度は弱められる。このため、誤ってソース端子とドレイン端子の間に逆極性の電圧を印加してしまったときの耐圧を確保することができる。いわゆる逆接保護機能に優れたIGBTとなる。そのうえ、P領域162とドレイン電極とが接触していないので、通常のPN接合型のIGBTを構成する部分がない。このため、ターンオフ時間が長くなることによるスイッチング損失の増大もない。
【0121】
このため、実施形態9に係るIGBTは、実施形態8に係るIGBTと同様に、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善された極めてリーク電流の低いIGBTであって、チャネル電流が低く、逆接保護機能に優れたIGBTである。
【0122】
図22は、実施形態9に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図22を参照しながら、実施形態9に係るIGBTの製造方法を説明する。(a)〜(c)までの工程は、実施形態8と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板108を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板108の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板108の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体114を形成する。
(d)P領域形成工程
次に、半導体基体108の裏面外周部の所定位置にP領域162を形成する。
(e)N+領域形成工程
次に、半導体基体108の裏面外周部の外側端部にN+領域164領域を形成する。
(f)SiO2膜形成工程
次に、半導体基体108の裏面外周部にSiO2膜を形成する。
(g)第1の金属膜形成工程
次に、半導体基体108の裏面に、白金の膜を部分的に形成する。
(h)第2の金属膜形成工程
次に、半導体基体108の裏面に、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させとともに、この積層膜のうち、所定部分(外周部の外側端部)をエッチングにより除去する。
【0123】
上記製造工程を経て、図21に示したような実施形態9に係るIGBT110が得られた。このように、この製造方法は、実施形態9に係るIGBTの製造工程におけるSiO2膜形成工程の前に、P領域形成工程と、N+領域形成工程を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善された極めてリークの少ないIGBTであって、チャネル電流が低く、逆接保護機能に優れたIGBTを製造することができる。
【0124】
(実施形態10)
図24は、本発明の実施形態10に係るIGBTの断面図を示す図である。図24を参照しながら、実施形態10のIGBTを説明する。
【0125】
実施形態10に係るIGBTは、実施形態1〜実施形態9に係るショットキー接合型のIGBT110とは異なり、PN接合型のIGBT210である。実施形態10に係るIGBTの素子面における構造は、図24にも示されるように、従来のIGBTと同じである。実施形態10に係るIGBT210が従来のIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、従来のIGBTでは、N-型の半導体基体914の裏面には全面にわたってP+領域が形成されているのに対して、実施形態10に係るIGBT210では、能動領域ARに対応する領域にのみP+領域が形成されている。すなわち、図2の斜線のハッチングが施されていない領域にのみP+領域が形成されている。
【0126】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、P+領域が形成されているため、このP+領域とN-型の半導体基体とが接触して、従来のIGBTと同様に、PN接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、ドレイン電極を構成する金属とN-型の半導体基体とが接触するため、従来のIGBTの場合とは異なり、オーミック接合又はショットキー接合が形成され、PN接合は形成されない。このため、P+領域が形成されている領域にはPN接合からなるホール多量注入構造が形成され、P+領域が形成されていない領域にはPN接合が形成されないためホール少量注入構造が形成されることになる。
【0127】
その結果、実施形態10に係るIGBT210では、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態10に係るIGBT210は、オン抵抗を低く保ちながらターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0128】
図25は、実施形態1に係るIGBT110の製造工程を示す図である。図25を参照しながら、実施形態10に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、(a)〜(c)までの工程は、実施形態1と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する。
(d)P+領域形成工程
次に、半導体基体214の裏面の能動領域に対応する領域に、イオン注入法によってボロンなどのP型不純物を高濃度で打ち込み、その後高速熱アニール(RTA)によって不純物を活性化させ、P+領域232を形成する。
(e)金属膜形成工程
次に、半導体基体214の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてコレクタ電極230を形成する。
【0129】
上記製造工程を経て、図24に示したような実施形態10に係るIGBT210が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型のIGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、所定領域にP+領域を形成する工程を加えるだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらさらにターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0130】
(実施形態11)
図26は、本発明の実施形態11に係るIGBTの断面図を示す図である。図26に示されるように、実施形態11に係るIGBTの素子面における構造は、実施形態10に係るIGBTと同じである。実施形態11に係るIGBTが実施形態10に係るIGBTと異なっているのは、裏面の構造である。すなわち、実施形態10に係るIGBTでは、N-型の半導体基体214の裏面に能動領域ARに対応してP+領域232が形成されているのに対して、実施形態11に係るIGBTでは、半導体基体の裏面全面にP+層234が形成されるとともに、このP+層234の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部236が形成されている。すなわち、図2の斜線のハッチングが施されている領域にのみ凹部236が形成されている。
【0131】
このため、能動領域ARに対応する領域においては、凹部236が形成されていないため、P+領域234とN-型の半導体基体214とが直接接触して、従来のIGBT810の場合と同様に、PN接合が形成される。一方、非能動領域に対応する領域においては、凹部が形成されているため、ドレイン電極130を構成する金属と半導体基体とが接触することになるため、従来のIGBTの場合とは異なり、PN接合は形成されない。このため、凹部236が形成されていない領域にはPN接合からなるホール多量注入構造が形成され、凹部236が形成されている領域にはPN接合が形成されないためホール少量注入構造が形成されることになる。
【0132】
その結果、実施形態11に係るIGBT210では、実施形態10に係るIGBTと同様に、非能動領域に対応した領域にホール少量注入構造が形成されているため、従来のIGBTと比較すればホールの注入量がさらに抑制されている。このため、ターンオフ時におけるホールの残存量が基準値以下になるまでの時間が短縮される結果、ターンオフ時間が短縮されている。一方、ターンオン時には、能動領域に対応した領域に形成されているホール多量注入構造からのホール注入によって伝導度変調が起こるので、オン抵抗は低く保たれている。このため、実施形態11に係るIGBT210は、オン抵抗を低く保ちながらターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTである。
【0133】
図27は、実施形態11に係るIGBT210の製造工程を示す図である。図27を参照しながら、実施形態11に係るIGBTの製造方法を説明する。なお、(a)〜(c)までの工程は、実施形態10と同じである。
(a)半導体基板準備工程
まず、N-型の半導体基板を準備する。
(b)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
次に、DSA法などを用いて、半導体基板の素子面の能動領域ARに絶縁ゲートトランジスタを形成する。
(c)半導体基体形成工程
次に、半導体基板の裏面側を研削及び研磨することによって半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する。
(d)P+層形成工程
次に、半導体基体208の裏面全面に、イオン注入法によってボロンなどのP型不純物を高濃度で打ち込み、その後高速熱アニール(RTA)によって不純物を活性化させ、P+層234を形成する。
(e)凹部形成工程
次に、半導体基体208の裏面に、前記P+層234の厚みより深い孔を部分的に開けて、凹部236を形成する。
(f)金属膜形成工程
次に、半導体基体214の裏面に、白金、モリブデン、チタン、ニッケル、銀の薄膜を順次積層させてコレクタ電極230を形成する。
【0134】
上記製造工程を経て、図26に示したような実施形態11に係るIGBT210が得られた。このように、この製造方法は、通常のショットキー接合型のIGBTの製造工程における金属膜形成工程の前に、半導体基体の裏面全面にP+層を形成するP+層形成工程と、このP+層の厚みより深い凹部を形成する凹部形成工程と、を追加するだけの簡単な方法である。このように簡単な方法でありながら、オン抵抗を低く保ちながらターンオフ時間を短縮して高速スイッチング特性の改善されたIGBTを製造することができる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のIGBTは、半導体基体の他方の表面に、能動領域に対応した領域に形成されたホール多量注入構造と、非能動領域に対応した領域に形成されたホール少量注入構造と、を有するため、オン抵抗を低く保ちながら高速スイッチング特性の改善された優れたIGBTとなっている。また、本発明のIGBTは、ホール多量注入構造が形成されている面積に対するホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、能動領域においてより非能動領域において高いため、オン抵抗を低く保ちながら高速スイッチング特性の改善された優れたIGBTとなっている。さらに、本発明のIGBTの製造方法によれば、以上のように優れたIGBTを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るIGBTの断面図である。
【図2】実施形態1に係るIGBTの裏面構造を示す図である。
【図3】実施形態1に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図4】実施形態1に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図5】実施形態1に係るIGBTの他の裏面構造を示す図である。
【図6】実施形態1に係るIGBTの他の裏面構造を示す図である。
【図7】実施形態2に係るIGBTの断面図である。
【図8】実施形態2に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図9】実施形態3に係るIGBTの断面図である。
【図10】実施形態3に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図11】実施形態4に係るIGBTの断面図である。
【図12】実施形態4に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図13】実施形態5に係るIGBTの断面図である。
【図14】実施形態5に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図15】実施形態6に係るIGBTの裏面構造を示す図である。
【図16】図15の部分拡大図である。
【図17】実施形態6に係るIGBTの部分断面図である。
【図18】実施形態7に係るIGBTの部分断面図である。
【図19】実施形態8に係るIGBTの断面図である。
【図20】実施形態8に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図21】実施形態9に係るIGBTの断面図である。
【図22】実施形態9に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図23】実施形態9に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図24】実施形態10に係るIGBTの断面図である。
【図25】実施形態10に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図26】実施形態11に係るIGBTの断面図である。
【図27】実施形態11に係るIGBTの製造工程を示す図である。
【図28】従来のIGBTの部分断面図である。
【図29】従来のIGBTの部分断面図である。
【図30】従来のIGBTの表面構造を示す図である。
【図31】図30の部分拡大図である。
【図32】従来のIGBTの断面図である。
【符号の説明】
108 N-型半導体基板
110 IGBT
114 N-基体
130 ドレイン電極
131 レジスト
132 N+領域
134 N+
136 凹部
138 合金部
140 白金層
142 モリブデン層
144 チタン層
146 ニッケル層
148 銀層
149 レジスト
150 粗面
151 平坦面
152 P拡散層
154 絶縁層
156 ゲートパッド層
158 SiO2
160 ダイシング面
162 P領域
164 N+領域
210 IGBT
214 N-基体
230 コレクタ電極
232 P+領域
234 P+
236 凹部
AR 能動領域
GR ガードリング領域
GP ゲートパッド領域
DR 固定電位拡散領域

Claims (27)

  1. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面には部分的にN+領域が形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、前記N+領域が形成されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記N+領域が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはN+層が形成されるとともに、このN+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、前記凹部が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  3. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはN+層と「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜が形成されているとともに、前記N+層と前記半導体基体とが合金化された領域が部分的に形成されることにより、合金化された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、合金化されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  4. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜が部分的に形成されているとともに、前記膜が形成されていない部分には前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属の膜が形成されていることにより、前記第1の金属の膜が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記第2の金属の膜が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  5. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    この半導体基体の他方の表面は部分的に粗面化されており、この粗面化された半導体基体の他方の表面には「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、粗面化されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、粗面化された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  6. 請求項4に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、
    前記半導体基体の他方の表面においては、外周部には絶縁膜が形成されてなるとともに、この外周部の外側端部にまで延在しないドレイン電極が前記絶縁膜を介して形成されてなり、前記絶縁膜が形成された領域においては、前記半導体基体に、前記ドレイン電極と接触しないように、かつ、前記半導体基体の側面に露出しないように、P領域が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  7. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはP+領域が部分的に形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、前記P+領域が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記P+領域が形成されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  8. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記能動領域に対応した領域に形成され前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記非能動領域に対応した領域に形成され前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはP+層が形成されるとともに、このP+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、前記凹部が形成されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、
    前記非能動領域が、ゲートパッド領域とガードリング領域とを含むことを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、
    前記非能動領域に対応した領域の一部に、前記ホール多量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、
    前記能動領域に対応した領域の一部に、前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  12. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面には部分的にN+領域が形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、前記N+領域が形成されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記N+領域が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  13. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはN+層が形成されるとともに、このN+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面には「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、前記凹部が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  14. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはN+層と「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜が形成されているとともに、前記N+層と前記半導体基体とが合金化された領域が部分的に形成されることにより、合金化された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、合金化されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  15. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜が部分的に形成されているとともに、前記膜が形成されていない部分には前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属の膜が形成されていることにより、前記第1の金属の膜が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記第2の金属の膜が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  16. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    この半導体基体の他方の表面は部分的に粗面化されており、この粗面化された半導体基体の他方の表面には「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜がさらに形成されていることにより、粗面化されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、粗面化された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  17. 請求項15に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、
    前記半導体基体の他方の表面においては、外周部には絶縁膜が形成されてなるとともに、この外周部の外側端部にまで延在しないドレイン電極が前記絶縁膜を介して形成されてなり、前記絶縁膜が形成された領域においては、前記半導体基体に、前記ドレイン電極と接触しないように、かつ、前記半導体基体の側面に露出しないように、P領域が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  18. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはP+領域が部分的に形成されるとともに、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、前記P+領域が形成された領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記P+領域が形成されていない領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  19. N-型の半導体基体の一方の表面に、この半導体基体の厚さ方向に流れる電流のスイッチングを行う多数の絶縁ゲートトランジスタが形成された能動領域と、非能動領域とを有し、前記半導体基体の他方の表面に、前記絶縁ゲートトランジスタのオン時に前記半導体基体中にホールを注入して伝導度変調を起こさせるためのホール多量注入構造と、前記ホール多量注入構造と比較して少量のホールしか注入されないホール少量注入構造とを有し、前記ホール多量注入構造が形成されている面積に対する前記ホール少量注入構造が形成されている面積の割合が、前記能動領域においてより前記非能動領域において高い絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであって、
    前記半導体基体の他方の表面にはP+層が形成されるとともに、このP+層の厚さより深い孔を開けることによって下地の半導体基体が露出した凹部が形成され、前記半導体基体の他方の表面にはコレクタ電極を構成する金属の膜がさらに形成されていることにより、前記凹部が形成されていない領域には前記ホール多量注入構造が形成され、前記凹部が形成された領域には前記ホール少量注入構造が形成されてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  20. 請求項1又は12に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によって部分的にN+領域を形成するN+領域形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+領域と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  21. 請求項2又は13に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によってN+層を形成するN+層形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、前記N+層の厚みより深い孔を部分的に開けて、凹部を形成する凹部形成工程と、(f)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  22. 請求項3又は14に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入によってN+層を形成するN+層形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体を構成する材料と合金化して前記半導体基体とショットキー接合を形成しかつ前記N+層と接触することによりオーミック接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、(f)前記金属膜を部分的に加熱することによって、前記金属膜と前記N+層と前記半導体基体とを部分的に合金化させる合金化工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  23. 請求項4又は15に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面に、「この半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜を部分的に形成する第1の金属膜形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属」の膜をさらに形成する第2の金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  24. 請求項5又は16に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面を部分的に粗面化する粗面化工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する金属」の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  25. 請求項6又は17に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面外周部における所定領域にイオン注入法によってP領域を形成するP領域形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面外周部に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、(f)前記半導体基体の他方の表面に、「前記半導体基体と接触することによりショットキー接合を形成する第1の金属」の膜を部分的に形成するとともに「前記第1の金属よりも仕事関数の低い第2の金属」の膜をさらに形成する工程を含むドレイン電極形成工程と、(g)前記外周部の外側端部において前記ドレイン電極を除去するドレイン電極部分除去工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  26. 請求項7又は18に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によって部分的にP+領域を形成するP+領域形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、コレクタ電極を構成する金属の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  27. 請求項8又は19に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法であって、
    (a)N-型の半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、(b)この半導体基板の一方の表面に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、(c)前記半導体基板の他方の表面側を表面加工することによって前記半導体基板を薄くしてN-型の半導体基体を形成する半導体基体形成工程と、(d)前記半導体基体の他方の表面にイオン注入法によってP+層を形成するP+層形成工程と、(e)前記半導体基体の他方の表面に、前記P+層の厚みより深い孔を部分的に開けて、凹部を形成する凹部形成工程と、(f)前記半導体基体の他方の表面に、コレクタ電極を構成する金属の膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
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