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JP4097464B2 - 配線用遮断器 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内に複数のフィンガを組み込んだ配線用遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より安全ブレーカのような小型の配線用遮断器のリンク機構においては、トリガレバーの回転軸とクロスバーの回転軸とは独立であり、トリガレバーとクロスバーとを連結させるためのラッチと呼ばれる部品が必要である。またトリガレバーとクロスバーとをそれぞれケースに軸支する場合、ケースの膨張・収縮によって係合が不安定になり、特性に変動が生じる可能性がある。さらにそれぞれの軸が必要であるためにスペースを要し、ケースの小型化の障害となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決して、部品点数の削減、特性の安定性、スペースの削減などを図ることができる配線用遮断器を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、複数のフィンガを連結するクロスバーに、引き外し手段によって動作するトリガレバーを軸支させたことを特徴とするものであり、好ましくはクロスバーの軸とトリガレバーの軸を同一軸としたものである。このような構成を取ることによって、機構部の小型化を図ることができるとともに、軸を同一とすることによりケースの膨張・収縮の影響や部品の寸法公差によるばらつきの影響を少なくすることができる。なお、請求項3以下の各発明の内容とその作用効果については、実施形態とともに詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の配線用遮断器のオフ状態の断面図、図2はオン状態の断面図である。1は軸2を中心として揺動できるハンドル、3は固定接点、4は下端に可動接点5を備えたフィンガである。この配線用遮断器は内部に2極の接点を組み込んだもので、図3に示すように2極のフィンガ4、4はクロスバー6により連結され、軸7を中心として同時に開閉される構造となっている。
【0006】
8は引き外し手段によって動作するトリガレバーである。前記したように、従来はトリガレバー8とクロスバー6とはそれぞれ別個にケースに軸支されていたのであるが、本発明ではトリガレバー8はクロスバー6に軸支されている。すなわち、クロスバー6は図4に示すように両側に軸7を一体に備えており、トリガレバー8は図5に示すように孔9を備えている。そしてこの孔9を軸7に嵌めることによって、トリガレバー8はクロスバー6に直接軸支されている。このようにクロスバー6にトリガレバー8を軸支させているものであり、好ましくはクロスバー6の軸とトリガレバー8の軸を同一としたので、機構部の小型化を図ることができるとともに、軸を同一とすることによりケースの膨張・収縮の影響や部品の寸法公差によるばらつきの影響を少なくすることができる。
【0007】
また、本発明の配線用遮断器のケース10は図6に示す一方側の外側ケース11と図示しない他方側の外側ケース11と、図7に示す中間ケース12とからなるもので、各外側ケース11にはハンドル1の軸2を受ける軸受13と、クロスバー6の軸7を受ける軸受14とが形成されている。この構造によって、ハンドル1とクロスバー6はそれぞれケース10内に軸支されている。なお、図7に示すように中間ケース12の対応部分には大きな開口部15が形成されており、2極に共通のトリガレバー8とクロスバー6とが動けるようになっている。
【0008】
図1、図2に示すように、ハンドル1とトリガレバー8との間はリンクピン16により連結されており、ハンドル1によってトリガレバー8及びクロスバー6を揺動させ、フィンガ4を動かして接点の開閉が行なえるようになっている。なお、引き外し手段によってトリガレバー8が上方に動かされたときにはトリップするようになっているが、この点は基本的に従来品と同様であり、本発明の要部ではないので説明を省略する。以下に請求項3以下に記載の詳細構造について説明する。
【0009】
請求項3から請求項6は、トリガレバー8を付勢するトリガバネ17に関するものである。トリガバネ17は、トリガレバー8を引き外し手段と当接させる方向に常に弾発するためのものであり、クロスバー6に係止させたのでトリガレバー8とトリガバネ17とクロスバー6とをユニット化でき組立が容易になるもので、この実施形態では図8に示すようにつるまきバネが用いられている。図10に示すように、クロスバー6にはバネ収納用の凹部18が形成されており、つるまきバネの軸をクロスバー6の軸7と同一として、この凹部18に収納してある。そして図9に示すように、トリガレバー8でこの凹部18の表面を覆うことにより、トリガバネ17を内部に封入している。なお、図10に示すようにトリガレバー8側にも対応する凹部19を形成することにより、それぞれの部品の厚みを確保することができる。
【0010】
図8に示されるように、クロスバー6にはトリガバネ17の一端が係止される係止部20が形成され、トリガレバー8には図5に示されるようにトリガバネ17の他端が係止される係止部21を設けてある。両端をこれらの係止部20,21に係止させることによって、トリガバネ17はクロスバー6とトリガレバー8との間に弾発力を与える。しかし請求項5のようにクロスバー6にトリガバネ17の他端の仮係止部22を設けておけば、トリガバネ17をユニット化した状態で組立てることができる。
【0011】
図11と図12はその組立て工程の説明図であり、まず図11のようにクロスバー6の軸7にトリガバネ17の軸を通し、トリガバネ17の一端をクロスバー6の係止部20に係止させたうえで他端を仮係止部22に仮止めする。この仮係止部22の端面は、図8にも示されるような傾斜面となっている。また仮係止部22の周囲には円弧状の凹部23が形成されている。
【0012】
この状態で図12のようにトリガレバー8をクロスバー6の軸7に嵌めるが、トリガレバー8の裏面の係止部21の端面も傾斜面24となっているので、トリガバネ17の他端はトリガレバー8の係止部21の端面の傾斜面24に押されて係止部21の基部まで誘い込まれる。この結果、トリガバネ17の他端は仮係止部22から離れてトリガレバー8の係止部21に係止される。この状態ではトリガレバー8の係止部21はクロスバー6の円弧状の凹部23内に入り、トリガバネ17は外れることがない。このようにクロスバー6にトリガバネ17を仮取付できるので、トリガレバー8を嵌めるだけでバネ荷重なしにトリガレバー8とトリガバネ17とクロスバー6とをユニット化でき、このユニット化した状態でケースに組立てできるので、組立作業性がよいものである。
【0013】
請求項7は、クロスバー6を常に開方向に付勢するクロスバーバネ25に関するものである。図13に示されるようにクロスバーバネ25は引張りコイルバネであり、その両端に空間部26,27を設けてある。一方、クロスバー6には空間部26の幅よりもやや広幅の係止部28が形成されている。この係止部28は、クロスバー6背面から見た図15に明示されている。そしてクロスバーバネ25の空間部26をこの係止部28に押し込むことによって、クロスバーバネ25はクロスバー6に係止される。
【0014】
また、図14に示されるように一方の外側ケース11にも係止部29が形成されており、クロスバーバネ25の空間部27をこの係止部29に圧入する。これによってクロスバーバネ25がケース10とクロスバー6との間に固定され、クロスバー6を常に開方向に付勢することとなる。このようにクロスバーバネ25に空間部26,27を設けた構造とすることにより、両端部にフックを設けた従来構造の引張りコイルバネよりも、全長を短くして省スペース化を図ることができ、クロスバーバネ25を係止したクロスバー6をケース10に組み入れるだけで簡単に組み付けでき、組付作業性が向上する。なお、空間部は両端に設けていなくても少なくとも一方であればよい。この実施形態では、クロスバーバネ25をクロスバー6に取付けた後、ケース10にクロスバー6を組み込むので、クロスバーバネ25のクロスバー6に対応する部分はフック形状としてケース10に対応する側だけ空間部を設けてあればよい。また、クロスバーバネ25をケース10に取付けた後、ケース10にクロスバー6を組み込むようにしたものでは、クロスバーバネ25のケース10に対応する部分はフック形状として、クロスバー6に対応する側だけ空間部を設けてあればよい。
【0015】
請求項8から請求項10は、フィンガ4をクロスバー6に対して常に閉方向に付勢し、接点の接圧を高めるためのフィンガバネ30に関するものである。なおフィンガ4は図16に示すように上端の窪み34をクロスバー6の接圧回転軸36に係止させ、また側面の窪み35をクロスバー6の軸7に遊嵌させてある。フィンガバネ30はつるまきバネであり、その軸をクロスバー6の軸7と同一としてある。これによりフィンガバネ30用の軸を別に設ける必要がなくなり、形状の単純化と省スペース化とを図ることができる。
【0016】
図17に示すように、フィンガバネ30の一端はフック形状部31としてあり、フィンガ4の外側から係止させる。また他端はストレート形状部32としてクロスバー6の突起33に係止してあるが、一端側と同様にフック形状としてもよい。少なくともフィンガバネ30の一端をフック形状としてフィンガ側に係止させるようにしたので、フィンガ4にフィンガバネ30を引っ掛ける係止部を突設しなくてもよいので、フィンガ4の形状を簡素なものとすることができる。このようにフィンガバネ30を各極のフィンガ4の外側に嵌めることによって、フィンガ4をクロスバー6とユニット化することが可能となる。またフィンガ4は上端の接圧回転軸36を中心としてフィンガバネ30によって閉方向に付勢される。
【0017】
ここで図18のように、フィンガ4の接圧回転軸36の位置を接点から見て開閉回転軸である軸7より遠い側としておけば、同一の接圧Pを得るに必要なバネ荷重Xを軽減できる。すなわち、従来は図19のようにフィンガ4の回転軸とフィンガバネ30の軸は同一であるためレバー比D/Cが大きくなるが、図18ではレバー比B/Aは小さくなる。接圧Pを得るに必要なバネ荷重Xはレバー比×Pであるから、必要なバネ荷重Xを軽減することができる。
【0018】
請求項11はクロスバー6、中間ケース12、トリガレバー8を重なり合わせた構造に関するものである。図7に示したように、中間ケース12には大きな開口部15が形成されているため、この開口部15が異極間を連通させる穴となり絶縁性の低下を招く。しかし図20に示すように、クロスバー6、中間ケース12、トリガレバー8の順にケース10の幅方向にオーバーラップさせた構造とすることによって、異極間の穴を封鎖している。特に図4に示すクロスバー6の下方突出片37と、図5に示すトリガレバー8の端部突出片38が図20のように開口部15の下部を封鎖し、アークガスによる絶縁劣化の防止及び異極間の絶縁距離を確保している。また、図7に示すように中間ケース12の開口部15の縁部42は円弧状となっており、オン、オフいずれの状態でも的確に穴を封鎖するものである。しかもクロスバー6、中間ケース12、トリガレバー8の順に積み重ねて組み立てて行くことができるので、組立性も良好である。
【0019】
請求項12は前記したフィンガバネ30を中間ケース12で隔離されている位置でフィンガ4に係合させた構造に関するものである。すなわち図21に示すように、両極のフィンガバネ30の下端のフック形状部31,31は中間ケース12で隔離されているため、絶縁距離を確保することができる。またつるまきばねであるフィンガバネ30の各棒状部41,41を下方はフィンガ4側にして上方はケース11側に来るようにしてあり、可動接点4と近い側でフィンガバネ30と外側ケース11との間に隙間39を確保し、短絡などによってケース10の絶縁性が低下した場合にも異極間の絶縁性を確保できるようになっている。なお、上記の全体構造は図22、図23に示す通りである。
【0020】
請求項13は、リンクピン16をクロスバー6とトリガレバー8とで直接挟み込んだ構造に関するものである。すなわち図24に示すようにリンクピン16は断面円形の金属線材からなるものであり、樹脂製のクロスバー6とトリガレバー8との間に直接挟み込まれている。このため、摺れによる磨耗が少なく、潤滑油を塗布しなくてもスムーズに作動させることができる。
【0021】
最後に、図25に配線用遮断器のリンク機構の動きを示す。▲1▼に示すオン状態では、リンクピン16の下端部は図4に図示したトリガレバー8の突起44に係合してトリガレバー8の屈曲部40により左方向への移動を拘束されている。またトリガレバー8はトリガバネ17によって反時計方向に回動するように弾発されているので、オン状態では▲1▼の状態を保つ。この状態から引き外し手段によってトリガレバー8が▲2▼から▲3▼のように上方に動かされると、図4に図示したクロスバー6の円弧状の凹溝43に沿ってリンクピン16の下端部が下方に逃げて▲4▼のようにトリガレバー8の突起44との係合が外れ、その結果、クロスバー6はクロスバーバネ25によって開方向に動かされ、▲5▼のオフ状態となる。なお、図5、図24に図示したトリガレバー8の突起45は、過電流時のフィンガ4の電磁反発によってフィンガ4の係合部46が押圧して引き外し動作を行なわせるもので、直接トリガレバー8に作用するので反応性がよいものである。このトリガレバー8の突起45は図2に示した瞬時引き外し装置47の引き外し片48が押圧する部分と共用しており、押圧する場所を別々に設けなくてもよく、トリガレバー8の構造を簡素化できるものである。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1,2に記載の本発明によれば、クロスバーにトリガレバーを軸支させたことによって、部品点数の削減、スペースの削減、部品の小型化などを図ることができるうえ、トリガレバーとクロスバーとをそれぞれケースに軸支した従来品とは異なり、ケースの膨張・収縮によって係合が不安定になったり、特性に変動が生じることがない。また請求項3以下に記載の発明についても、実施形態の項において説明したとおりの作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線用遮断器のオフ状態の断面図である。
【図2】本発明の配線用遮断器のオン状態の断面図である。
【図3】要部の斜視図である。
【図4】クロスバーの斜視図である。
【図5】トリガレバーの斜視図である。
【図6】外側ケースの正面図である。
【図7】中間ケースの正面図である。
【図8】トリガバネをクロスバーに仮止めした状態を示す斜視図である。
【図9】トリガバネをクロスバーとトリガレバーとの間に装着した状態を示す(A)断面図と(B)正面図である。
【図10】クロスバーの(A)断面図と(B)正面図、及びトリガレバーの(C)正面図と(D)断面図である。
【図11】トリガバネをクロスバーに装着する工程説明図である。
【図12】トリガバネをクロスバーとトリガレバーとの間に装着する工程説明図である。
【図13】クロスバーバネのクロスバーへの装着工程説明図である。
【図14】クロスバーバネのケースへの装着工程説明図である。
【図15】クロスバーの背面斜視図である。
【図16】クロスバーへのフィンガの装着状態を示す斜視図である。
【図17】フィンガバネの装着状態を示す斜視図である。
【図18】フィンガバネの作用説明図である。
【図19】従来構造のフィンガバネの作用説明図である。
【図20】中間ケースとクロスバーとトリガレバーとの関係を示す(A)正面図と(B)断面図である。
【図21】ケースとフィンガ及びフィンガバネの関係を示す断面図である。
【図22】各部品の分解図である。
【図23】各部品の分解斜視図である。
【図24】リンク機構の拡大正面図である。
【図25】リンク機構の動きを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 軸
3 固定接点
4 フィンガ
5 可動接点
6 クロスバー
7 軸
8 トリガレバー
9 孔
10 ケース
11 外側ケース
12 中間ケース
13 軸受
14 軸受
15 開口部
16 リンクピン
17 トリガバネ
18 凹部
19 凹部
20 係止部
21 係止部
22 仮係止部
23 凹部
24 傾斜面
25 クロスバーバネ
26 空間部
27 空間部
28 係止部
29 係止部
30 フィンガバネ
31 フック形状部
32 ストレート形状部
33 突起
34 窪み
35 窪み
36 接圧回転軸
37 下方突出片
38 端部突出片
39 隙間
40 屈曲部
41 棒状部
42 縁部
43 凹溝
44 突起
45 突起
46 係合部
47 瞬時引き外し装置
48 引き外し片

Claims (14)

  1. 複数のフィンガを連結するクロスバーに、引き外し手段によって動作するトリガレバーを軸支させたことを特徴とする配線用遮断器。
  2. クロスバーの軸とトリガレバーの軸を同一軸とした請求項1記載の配線用遮断器。
  3. トリガレバーを付勢するトリガバネを、クロスバーとトリガレバーとの間に設けた請求項1または2記載の配線用遮断器。
  4. トリガレバーを付勢するトリガバネを、クロスバーに係止した請求項1または2記載の配線用遮断器。
  5. トリガバネをつるまきバネとし、その軸をクロスバーの軸と同一とした請求項3または4記載の配線用遮断器。
  6. クロスバーにトリガバネの一端が係止される係止部と、トリガバネの他端の仮係止部とを設けるとともに、トリガレバーにトリガバネの他端が係止される係止部を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の配線用遮断器。
  7. クロスバーを開方向に付勢するクロスバーバネを引張りコイルバネとしてその少なくとも一方に空間部を設け、この空間部をケースかクロスバーの係止部に引っ掛けた請求項1〜6のいずれかに記載の配線用遮断器。
  8. フィンガを閉方向に付勢するフィンガバネをつるまきバネとし、その軸をクロスバーの軸と同一とした請求項1〜6のいずれかに記載の配線用遮断器。
  9. フィンガバネの一端をフック形状部としてフィンガ側に係止させた請求項8記載の配線用遮断器。
  10. フィンガバネを各極のフィンガの外側に配置した請求項8または9記載の配線用遮断器。
  11. クロスバー、中間ケース、トリガレバーとを重なり合わせることにより、異極間の穴を封鎖した請求項1記載の配線用遮断器。
  12. フィンガバネを中間ケースで隔離されている位置でフィンガに係合させた請求項11記載の配線用遮断器。
  13. リンクピンをクロスバーとトリガレバーとで直接挟み込んだ請求項1記載の配線用遮断器。
  14. クロスバーにフィンガの開閉回転軸とは別にフィンガの接圧回転軸を設け、このフィンガの接圧回転軸の位置を接点から見て開閉回転軸より遠い側とした請求項1記載の配線用遮断器。
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