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JP4100459B2 - 積層コイル部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、積層コイル部品、特に、チップインダクタなどの積層コイル部品及びその製造方法に関する。
従来、チップインダクタなどの積層コイル部品は、特許文献1に記載されているように、セラミック層と1/2ターンの形状を有するコイル導体とが積層され、コイル導体の端部間をビアホール導体を介して層間接続することにより螺旋状のコイルを形成してなるものが知られていた。
近年では、この種の積層コイル部品も小型化、低背化の要求が強く、特性の向上をも考慮すると、コイル導体の線幅を細く、厚みを大きくする一方でセラミック層はより薄くしている。しかし、セラミック層を薄くしていくと、積層体においてビアホール導体が重なり合う部分で応力が集中し、インダクタンス特性、インピーダンス特性が劣化するばかりか、導体間のショートも発生するという問題点を有している。
図7はこの種の積層コイル部品の断面を示し、セラミック層51の間に積層されたコイル導体55の各端部に接続性向上のために幅広のパッド部56を設け、このパッド部56にてビアホール導体57を介してコイル導体55が層間接続されている。また、積層体の両端部には外部電極60,60が形成されている。図8は層間接続部分を拡大して示している。
パッド部56は比較的面積が広く、ビアホール導体も同時に塗布されるため、導電ペーストがコイル導体55よりも厚く塗布されやすく、パッド部56及びビアホール導体57の重なり部分の応力の集中はより大きくなり、インダクタンスの低下やショート不良の発生が顕著になり、図7に示すように積層体に凸部59が形成され、実装などにも障害を生じている。
特開2003−209016号公報
そこで、本発明の目的は、パッド部やビアホール導体の重なり部分での応力の集中を緩和し、特性が良好で、ショート不良や実装不良などの不具合を除去できる積層コイル部品及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る積層コイル部品は、セラミック層とコイル導体とが積層され、前記コイル導体の端部に形成されたパッド部をビアホール導体を介して層間接続することにより螺旋状のコイルを形成してなる積層コイル部品において、前記パッド部の厚みが前記コイル導体の厚みよりも薄いこと、を特徴とする。
本発明に係る積層コイル部品では、コイル導体の端部のパッド部はその厚みがコイル導体の厚みよりも薄く形成されているため、積層体におけるパッド部とビアホール導体との重なり部分での応力の集中が緩和されることになる。
パッド部の厚みはコイル導体の厚みに対して0.31〜0.81倍であることが好ましい。0.31倍を下回ると、断線を生じるおそれがある。また、コイル導体がセラミック層上に1/2ターンの形状を有している場合は、パッド部とビアホール導体との重なり部分が積層体の2箇所で集中するため、このような形状のコイル導体を有する積層コイル部品に応力集中の緩和が効果的に作用する。
また、本発明に係る積層コイル部品の製造方法は、セラミック層上にコイル導体をスクリーン印刷する際、該スクリーン印刷版のパッド部に相当する部分の開口率を調整することにより、パッド部の厚みを薄く形成することを特徴とする。開口率が小さくなれば、セラミック層上に塗布される導電ペーストの量が少なくなり、パッド部を薄く形成することができる。スクリーン印刷版のパッド部に相当する部分の面積開口率は25〜64%の範囲が適切である。
本発明によれば、コイル導体の端部に設けたパッド部の厚みがコイル導体の厚みよりも薄いため、積層体においてパッド部とビアホール導体との重なり部分での応力の集中が緩和され、インダクタンス特性やインピーダンス特性が良好となり、導体間でのショートのおそれを除去できる。また、積層体が部分的に膨出することを極力回避でき、実装不良をも除去できる。
本発明に係る積層コイル部品の一実施例を示す分解斜視図である。 前記積層コイル部品を構成する2種類のセラミックシート片を示す平面図である。 前記積層コイル部品の積層方向平面視の説明図である。 前記積層コイル部品の断面図である。 図4のA部拡大図である。 スクリーン印刷版の開口部を説明するための斜視図である。 従来の積層コイル部品の断面図である。 図7のB部拡大図である。
以下、本発明に係る積層コイル部品及びその製造方法の実施例について添付図面を参照して説明する。
本発明に係る積層コイル部品は、図1に示すように、コイル導体11を1/2ターンの形状に形成したセラミックシート1、引出し電極15を形成したセラミックシート2、無地のセラミックシート3を積層したものである。図2に示すように、各コイル導体11の端部にはパッド部12が形成され、一方のパッド部12には貫通孔に充填したビアホール導体13が形成されている。コイル導体11は上側に位置するビアホール導体13が下側に位置するパッド部12と接続されることにより、螺旋状のコイルを形成する。
図3は積層体におけるセラミックシート(セラミック層)1,2とコイル導体11の重なり具合を積層方向から平面視した状態を示す。また、図4は積層体の断面を示し、積層体の両端部には外部電極20,20が形成されている。図3に示すように、コイル導体11は平面視状態で積層方向に重なり合い、パッド部12及びビアホール導体13も2箇所で集中して重なっている。
図5はパッド部12とビアホール導体13の重なり部分の拡大図であり、コイル導体11の厚みに対して、パッド部12の厚みは薄く形成されている。これにて、積層体においてパッド部12とビアホール導体13との重なり部分での応力の集中が緩和され、インダクタンス特性やインピーダンス特性が良好となり、導体間でショート不良が発生するおそれが解消する。この点については実験結果を後述する。また、図7に示したように、積層体に凸部59が生じることもなく実装不良をも除去できる。
ところで、以上の構成からなる積層コイル部品は以下のようにして製造される。製造方法は2種類に大別される。第1の方法は、貫通孔を形成したフェライトグリーンシート上に導電ペーストによりスクリーン印刷などの印刷法で所望のパターンを形成し、該シートを螺旋状のコイルが形成されるように積層、圧着、裁断、焼成することで積層コイル部品を得る。第2の方法は、フェライト材料と導体材料とをスクリーン印刷などの印刷法で交互に印刷して螺旋状のコイルを形成し、圧着、裁断、焼成することで積層コイル部品を得る。
具体的には、以下の工程によって積層コイル部品を製造した。まず、酸化第二鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化銅を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに仕込み、所定の時間湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を700℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて所定の時間湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。
次に、前記フェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで所定の時間混合し、その後、減圧により脱泡する。得られたスラリをリップコータ又はドクターブレードを用いて剥離性のフィルム上に塗布し、乾燥させ、所望の膜厚を有する長尺なフェライトグリーンシートを作製する。
次に、前記フェライトグリーンシートを所定の寸法に裁断してフェライトシート片を得る。これらのフェライトシート片には所定位置にレーザなどの方法でビアホール導体用の貫通孔が形成されている。このシート片上に銀又銀合金を主成分とする導電ペーストをスクリーン印刷により所定のパターンに塗布して加熱乾燥することでコイル導体、パッド部及びビアホール導体を形成する。ここで作製される表面に導体層を設けたシート片は図2(A),(B)に示すものであり、それ以外に図1に示すように端部に引出し電極を設けたシート片も作製される。
得られたシート片を上下に無地の保護シート片を含めて積層する。これにて、各コイル導体が端部に設けたパッド部及びビアホール導体を介して接続され、螺旋状のコイルが形成される。
前記未焼成積層体を45℃の温度下で1.0t/cm2の圧力で圧着する。そして、この積層圧着体を、ダイサや押切り刃により所定の寸法に裁断することで、積層コイル部品(積層セラミックインダクタ)の未焼成体を得る。得られた未焼成インダクタを脱バインダ及び焼成する。脱バインダは、低酸素雰囲気中で500℃、2時間加熱する。焼成は、空気雰囲気中で890℃、150分間行う。この焼成体の両端部(引出し電極の露出面)に浸漬法により銀を主成分とする導電ペーストを塗布し、100℃で10分間乾燥させた後、800℃にて15分間塗膜を焼き付けることで両端部に外部電極を有し、かつ、コイルを内蔵した積層チッピインダクタを得る。以下このように形成した積層コイル部品を本実施例と称する。
ところで、図6に示すように、スクリーン印刷版30は印刷すべき図形部32(コイル導体11やパッド部12のパターン形状に対応した形状)にメッシュ状の開口31を形成したものが使用される。なお、図6に符号35で示す部材はスキージであり、符号36は導電ペーストを示す。
図4及び図5に示したように、パッド部12の厚みをコイル導体11の厚みよりも薄く形成するには、セラミックシート1上にコイル導体11をスクリーン印刷する際、スクリーン印刷版30のパッド部12に相当する部分の面積開口率を調整すればよい。ここで、面積開口率の数値は、パッド部12に相当する部分の図形部32の開口率を100%とした場合、パッド部12に相当する部分の開口31の開口率を意味している。好ましい面積開口率については後述する。
なお、スクリーン印刷版30において、図形部32は必ずしも必要なものではない。この場合、面積開口率はパッド部12の面積に対する割合として算出すればよい。
作製された積層チップインダクタは、長辺0.4mm、短辺0.2mm、高さ0.2mmであり、10.5ターンのコイルを内蔵したものである。セラミックグリーンシート1の厚さは8μm(焼成後5μm)、コイル導体11の厚さは10μm(焼成後8μm)、線幅は35μm(圧着後55μm、焼成後45μm)、パッド部12の厚さは6.25μm(焼成後5μm)、直径は55μm(圧着後80μm、焼成後65μm)である。以上の本実施例において、パッド部12の面積開口率は49%とした。また、比較例として、同じサイズの積層チップインダクタをスクリーン印刷版30の面積開口率を調整しないで、即ち、コイル導体11及びパッド部12に相当する部分の面積開口率を81%として作製した。この比較例において、パッド部12の厚さは11μm(焼成後9μm)である。
前記本実施例と、パッド部12に関してスクリーン印刷版30の面積開口率を調整しないで製造した比較例のインダクタンス特性、インピーダンス特性、ショート不良率、積層体の表面凹凸の大きさを表1に示す。
Figure 0004100459
表1から明らかなように、インダクタンス特性、インピーダンス特性ともに本実施例は比較例よりも好ましい数値が測定され、ショート不良率は0%であり、表面凹凸は僅かに1μmであった。
次に、スクリーン印刷版30のパッド部12に相当する部分の面積開口率を100%から16%の間で種々に変更して作製した積層コイル部品のショート不良率、表面凹凸及び断線不良率について表2に示す。面積開口率が100%から16%に変化することに応じて、パッド部12の厚みの比率(以下、厚み比率と記す)も1.25から0.19に変化している。
Figure 0004100459
面積開口率が73%、81%(前記比較例)、100%であると、パッド部12の厚みが大きくなり、厚み比率は1.00、1.13、1.25であり、ショート不良率や表面凹凸に改善は見られない。面積開口率が16%(厚み比率0.19)ではショート不良率や表面凹凸に改善が見られるが、パッド部12が薄くなりすぎて断線不良が発生し、好ましいものではない。従って、面積開口率は25〜64%の範囲に設定することが好ましい。厚み比率でいえば、0.31〜0.81の範囲が好ましい。なお、面積開口率と厚み比率との関係はコイル導体11の線幅、パッド部12やビアホール導体13の直径などによって異なる場合がある。
(他の実施例)
なお、本発明に係る積層コイル部品及びその製造方法は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、一つのセラミック層上に形成されるコイル導体の形状は、必ずしも1/2ターンに限定するものではなく、それ以上又は以下のターン形状であってもよい。1回巻きや2回巻きであってもよい。また、本発明は積層インダクタのみならずLC複合部品などに適用することもできる。
以上のように、本発明は、チップインダクタなどの積層コイル部品に有用であり、特に、積層体の部分的な応力の集中を緩和でき、特性が良好である点で優れている。

Claims (5)

  1. セラミック層とコイル導体とが積層され、前記コイル導体の端部に形成されたパッド部をビアホール導体を介して層間接続することにより螺旋状のコイルを形成してなる積層コイル部品において、
    前記パッド部の厚みが前記コイル導体の厚みよりも薄いこと、
    を特徴とする積層コイル部品。
  2. 前記パッド部の厚みが前記コイル導体の厚みに対して0.31〜0.81倍であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の積層コイル部品。
  3. 前記コイル導体はセラミック層上に1/2ターンの形状を有していることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の積層コイル部品。
  4. 請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の積層コイル部品の製造方法であって、
    セラミック層上にコイル導体をスクリーン印刷する際、該スクリーン印刷版のパッド部に相当する部分の開口率を調整することにより、パッド部の厚みを薄く形成すること、
    を特徴とする積層コイル部品の製造方法。
  5. 前記スクリーン印刷版のパッド部に相当する部分の面積開口率を25〜64%とすることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の積層コイル部品の製造方法。
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