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JP4100470B2 - 回路基板,部品吸着具の移動制御方法および許容加,減速度決定プログラム - Google Patents
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JP4100470B2 - 回路基板,部品吸着具の移動制御方法および許容加,減速度決定プログラム - Google Patents

回路基板,部品吸着具の移動制御方法および許容加,減速度決定プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路部品が装着される回路基板あるいは電子回路部品を吸着して保持する部品吸着具の、移動開始,停止時における加,減速度の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路部品の回路基板への装着は、例えば、部品保持具の、その軸線に直角な平面内における移動と、回路基板の、その表面に平行な方向における移動とにより行われる。例えば、特公平7−63106号公報に開示された電子回路部品装着システムにおいては、複数の部品吸着具が共通の垂直な旋回軸線まわりに旋回させられ、部品受取位置および部品装着位置へ順次、移動させられて電子回路部品の受取りおよび装着を行うとともに、プリント配線板がXYテーブルにより水平方向に移動させられ、その表面に設定された被装着位置が部品吸着具の部品装着位置に対応する位置へ移動させられて電子回路部品が装着されるようにされている。
【0003】
このように部品吸着具および回路基板が移動させられて電子回路部品の装着が行われるとき、電子回路部品は部品吸着具により吸着されて保持され、回路基板に装着された電子回路部品はクリーム状はんだにより仮止めされているが、移動開始時の加速による衝撃および停止時の減速による衝撃により、電子回路部品が部品吸着具および回路基板に対してずれる恐れがある。
【0004】
そのため、上記公報に開示された電子回路部品装着システムにおいては、電子回路部品の質量が大きいほど、部品吸着具の旋回速度が小さくされて旋回開始,停止時の加,減速度が小さくされるとともに、XYテーブルの移動開始,停止時の加,減速度が小さくされ、加,減速による衝撃が小さくされて電子回路部品の位置ずれ等が生じ難くされている。以上は、複数の部品吸着具が共通の垂直な旋回軸線まわりに旋回させられる吸着具旋回型,インデックステーブル型等の電子回路部品装着システムについて述べたが、1つ以上の部品吸着具がXYロボットによりXY座標面の任意の位置へ移動させられて、電子回路部品を装着するXYロボット型の電子回路部品装着システムにおいても同様の問題が発生する。例えば、XYロボットにより部品吸着具が移動を開始させられたり、停止させられたりする際の加,減速度で電子回路部品が部品吸着具に対してずれる恐れがあるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、このように電子回路部品の質量の大きさに基づいて部品吸着具の加,減速度や回路基板の加,減速度を決定してもなお、部品吸着具の移動(旋回を含む)時や回路基板の移動時に電子回路部品がずれることがある。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景とし、部品吸着具と、回路基板との少なくとも一方について、電子回路部品を保持して移動する際に電子回路部品の位置ずれをできる限り減少させることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の回路基板の移動制御方法,回路基板移動制御プログラム,電子回路部品装着システム,電子回路部品装着システム制御プログラム,部品吸着具の移動制御方法,部品吸着具移動制御プログラム,回路基板の許容加,減速度決定プログラムおよび部品吸着具の許容加,減速度決定プログラムが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0007】
なお、以下の各項において、 (3) が請求項1に相当し、(4)項が請求項2に、 (5) が請求項3に、 (11) が請求項4に、 (12) が請求項5に、(15) 項の不安定係数関連量を不安定係数に限定したものが請求項6に、 (16) 項の不安定係数関連量を不安定係数に限定したものが請求項6に、それぞれ相当する。
(1)スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板を、その回路基板に既に仮止めされている複数の電子回路部品の許容加,減速度のうちの最小のもの以下の目標加,減速度で、その回路基板の表面に平行な方向に移動させる方法であって、
前記許容加,減速度を、前記複数の電子回路部品の各々について、各電子回路部品の質量に関連する質量関連量,各電子回路部品の高さに関連する量である高さ関連量,および各電子部品の底面の寸法に関連する量である底面寸法関連量に基づいて設定する回路基板の移動制御方法。
本発明における回路基板の移動には、回路基板に電子回路部品を装着するための基板移動装置による回路基板の移動、基板コンベヤ等の基板搬送装置による回路基板の移動、基板搬送装置に対する回路基板のローディング,アンローディング時における回路基板の移動、基板搬送装置と基板移動装置との間での回路基板の受渡し時における移動等が含まれる。また、上記質量関連量には、質量自体は勿論、質量のべき関数等関数,質量に質量分布の不均一性が加味された値等が該当する。「質量に質量分布の不均一性が加味された値」の一例は、電子回路部品の質量分布が、電子回路部品の回路基板に近い側の面である装着面側に寄っている場合には、質量に小さな係数を乗じたり、質量のべき関数の指数を小さくしたりして得られ、質量分布が装着面から遠い側に寄っている場合には、質量に大きな係数を乗じたり、質量のべき関数の指数を大きくしたりして得られる値である。高さ関連量には、高さ自体は勿論、高さのべき関数等関数,重心高さ等が該当する。底面寸法関連量には、底面積,底面の周長,底面の形状係数等が該当する。底面形状係数は、実際に加えられる加,減速度の方向が不明の場合には、底面の形状が円形に近いほど大きくされ、実際に加えられる加,減速度の方向が予め判っている場合には、加,減速度に平行な方向の底面寸法が大きいほど大きくされるものである。
仮止め剤には、例えば、クリーム状はんだ,導電性接着剤や絶縁性接着剤がある。
許容加,減速度および目標加,減速度は段階的に設定されるようにしてもよく、連続的な値で設定されるようにしてもよい。
このように許容加,減速度を、複数の電子回路部品の各々について質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定すれば、従来のように、質量関連量の一種である質量のみに基づいて加,減速度を設定する場合に比較して、より良好に電子回路部品の位置ずれを防止し得る大きさに目標加,減速度を設定することができる。例えば、電子回路部品は、加,減速度が同じであるとすれば、その高さが高いほど倒れ易く、底面積が小さいほど、回路基板による保持力が小さく、位置ずれが生じ易いというように、位置ずれ等の発生には、質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量が関わっているからである。
回路基板に仮止めされた複数の電子回路部品の各許容加,減速度は互いに同じであるとは限らないが、いずれも質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されており、そのうちの最小のもの以下の加,減速度で回路基板が移動させられる。回路基板を移動させる加,減速度は、全部の電子回路部品について許容される加,減速度であって、質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量が考慮された加,減速度であり、回路基板を、全部の電子回路部品について位置ずれ等の発生を良好に防止しつつ、かつ、可及的に迅速に移動させることができる。
【0008】
(2)スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板を、その回路基板に既に仮止めされている複数の電子回路部品の許容加,減速度のうちの最小のもの以下の目標加,減速度で、その回路基板の表面に平行な方向に移動させる方法であって、
前記許容加,減速度を、前記複数の電子回路部品の各々について、各電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、各電子部品の底面積が大きいほど大きな値とする回路基板の移動制御方法。
本項によれば、複数の電子回路部品の各許容加,減速度は、各電子回路部品の質量,高さおよび底面積に基づいて設定され、回路基板に仮止めされている全部の電子回路部品について位置ずれ等の発生を良好に防止しつつ、かつ、可及的に迅速に移動させることができる。
【0009】
(3)前記各電子回路部品の質量をM、高さをH、底面積をS、べき関数の指数をa,b,cとした場合に、前記許容加,減速度を、(Ma・Hb)/Scで表される不安定係数に応じた大きさとする (2)項に記載の回路基板の移動制御方法。
上記指数a,b,cは、質量,高さおよび底面積の不安定係数に対する寄与率と称すべきものであり、例えば、質量Mの単位をg、高さHの単位をmm、底面積Sの単位をmm2、指数aを1とした場合に、指数bは0.5〜3.5の範囲から選定されることが望ましく、0.7〜2.8の範囲から選定されることがさらに望ましい。また、指数cは0.5〜2.5の範囲から選定されることが望ましく、0.8〜1.4の範囲から選定されることがさらに望ましい。
不安定係数は、回路基板に仮止めされた電子回路部品の回路基板の移動時における位置ずれ,転倒等の生じ易さであり、不安定さを表す。
指数b,cは、電子回路部品の種類とは無関係に一定の値として選定されてもよく、電子回路部品の種類に応じて選定されてもよい。前者の場合、例えば、1枚の回路基板に装着される全部の電子回路部品について同じにすることができる。後者の場合には、例えば、電子回路部品の形状,寸法等に応じて変えられる。本項によれば、電子回路部品の質量,高さおよび底面積に基づく許容加,減速度をより精度良く、すなわち位置ずれ等の発生がより確実に防止される大きさに設定することができる。
なお、上記不安定係数は、回路基板がクランプ装置により基板移動装置にクランプされる際のクランプ部材の移動速度、回路基板が基板移動装置に対して基板表面に直角な方向に移動させられてローディング,アンローディングされる場合の移動速度あるいは加,減速度の設定のためにも利用することができる。これらの場合にも、クランプ部材の移動速度が過大であれば、回路基板の表面に直角な方向(厚さ方向)の振動が大きくなったり、回路基板が厚さ方向に移動させられる際の加,減速度が過大であったりすれば、電子回路部品が回路基板から離間して位置ずれを起こしたり(電子回路部品が回路基板の上面に仮止めされている場合)、脱落したり(電子回路部品が回路基板の下面に仮止めされている場合)するのであるが、不安定係数が大きいほど、クランプ部材の移動速度や、回路基板の厚さ方向の移動の加,減速度を小さくすれば電子回路部品の位置ずれや脱落を良好に防止することができるのである。ただし、これらの場合には、電子回路部品の高さは質量や底面積ほど不安定係数に寄与しない。したがって、高さHの指数bは非常に小さくなるのが普通であり、不安定係数としてMa/Scを採用することも可能である。
(4)前記許容加,減速度を、前記仮止め剤の粘着力が大きいほど大きくする (2)項または (3)項に記載の回路基板の移動制御方法。
不安定係数が大きく、電子回路部品が不安定であっても、仮止め剤の粘着力が大きければ、移動時に電子回路部品はずれたりし難く、その不安定性が減少し、許容加,減速度を大きくすることができる。
(5)前記許容加,減速度を、前記各電子回路部品の底面の周長が大きいほど大きくする (2)項ないし (4)項のいずれかに記載の回路基板の移動制御方法。
仮止め剤が電子回路部品の底面と回路基板との間の隙間内のみに存在するのではなく、隙間からはみ出して電子回路部品の側面と回路基板の表面とによって形成される空間にも存在する場合が多い。この場合には、上記空間に存在する仮止め剤も電子回路部品の位置ずれ等を防止する機能を果たす。この機能は、電子回路部品の周長が大きいほど大きいものであるため、許容加,減速度を電子回路部品の底面の周長が大きいほど大きくすることができる。
【0010】
(6)スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により複数の電子回路部品が仮止めされた回路基板の、その回路基板の表面に平行な方向の移動を制御するためにコンピュータにより実施されるプログラムであって、
前記回路基板に既に仮止めされている複数の電子回路部品の各々について、各電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、各電子部品の底面積が大きいほど大きな値に設定されている回路基板の許容加,減速度のうち、最小のものを取得する最小加,減速度取得ステップと、
その取得した最小加,減速度以下の加,減速度で前記回路基板を移動させる移動制御ステップと
を含む回路基板移動制御プログラム。
前記 (3)項ないし (5)項に記載の特徴は、本項のプログラムにも適用可能である。また、本項のプログラムにおける許容加,減速度を前記 (1)項に記載の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。
本項によれば、例えば、 (2)項に記載の作用,効果が得られる。
【0011】
(7)仮止め剤がスポット状に塗布された回路基板を保持し、その回路基板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させる基板移動装置と、
電子回路部品を部品保持具により保持し、前記基板移動装置により位置決めされた回路基板の前記仮止め剤が塗布された部分に、保持した電子回路部品を接触させて装着する部品装着装置と、
前記基板移動装置を制御することにより、前記回路基板を、その回路基板に既に仮止めされている複数の電子回路部品の各々について、各電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、各電子部品の底面積が大きいほど大きな値に設定されている許容加,減速度のうちの最小の許容加,減速度以下の加,減速度で移動させる基板移動制御装置と
を含む電子回路部品装着システム。
前記 (3)項ないし (5)項に記載の特徴は、本項のシステムにも適用可能である。また、本項のシステムにおける許容加,減速度を前記 (1)項に記載の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。部品装着装置は、予め定められた部品装着位置において電子回路部品を装着するものであることが望ましく、「予め定められた位置」は常に一定の位置であっても、装着動作毎に異なる位置であってもよい。
本項によれば、例えば、 (2)項に記載の作用および効果が得られる。
【0012】
(8)(a)複数の部品装着点に仮止め剤がスポット状に塗布された回路基板を保持し、その回路基板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させる基板移動装置と、(b)電子回路部品を部品保持具により保持し、前記基板移動装置により位置決めされた回路基板の前記複数の部品装着点に塗布された仮止め剤に、保持した電子回路部品を接触させて装着する部品装着装置と、(c)コンピュータを備え、前記基板移動装置を制御する基板移動制御装置とを含む電子回路部品装着システムを制御するために、前記コンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記基板移動装置に保持された回路基板に、前記部品装着装置により電子回路部品が装着される毎に、その電子回路部品が前記回路基板に装着された状態でその回路基板がその回路基板の表面に平行な方向に移動させられることが許容される許容加,減速度を取得する許容加,減速度取得ステップと、
それら取得した許容加,減速度のうちで最小のものを取得する最小許容加,減速度取得ステップと、
前記部品装着装置により電子回路部品が装着された後、前記最小許容加,減速度取得ステップで取得した最小加,減速度以下の加,減速度で前記基板移動装置に前記回路基板を移動させる基板移動制御ステップと
を含み、かつ、前記各電子回路部品の許容加,減速度が、各電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、各電子部品の底面積が大きいほど大きな値に設定されたものである電子回路部品装着システム制御プログラム。
前記 (3)項ないし (5)項に記載の特徴は、本項のシステムにも適用可能である。また、本項のシステムにおける許容加,減速度を前記 (1)項に記載の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。
許容加,減速度は、演算により取得されてもよく、既に演算されて記憶手段に記憶されている許容加,減速度の記憶手段からの読出しにより取得されてもよい。
本項によれば、例えば、 (2)項に記載の作用および効果が得られる。
【0013】
(9)吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動を制御する方法であって、
前記部品吸着具を、前記電子回路部品の質量に関連する質量関連量,各電子回路部品の高さに関連する量である高さ関連量,および前記吸着面の寸法に関連する量である吸着面寸法関連量に基づいて設定した加・減速度で移動させる部品吸着具の移動制御方法。
部品吸着具の吸着面に平行な方向の移動には、例えば、部品吸着具の、その軸線に直角な平面内における任意の位置への移動や、予め定められた旋回軸線を中心とする旋回軌跡上における移動がある。
質量関連量,高さ関連量および吸着面寸法関連量は、 (1)項の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量と同様に説明される。その際、装着面および底面を吸着面と読み替え、底面積を吸着面積と読み替える。
部品吸着具を吸着面に平行な方向に移動させる場合、例えば、電子回路部品は質量が大きく、高さが高いほど部品吸着具に対してずれ易く、吸着面の寸法が小さいほど吸着力が小さく、ずれ易い。従って、質量関連量,高さ関連量および吸着面寸法関連量に基づいて許容加,減速度を設定し、その許容加,減速度以下の範囲で可及的に大きい値に設定した加,減速度(目標加,減速度)で部品吸着具を移動させれば、電子回路部品の部品吸着具に対する位置ずれ等を良好に防止しつつ、部品吸着具を可及的に迅速に移動させることができる。なお、複数の部品吸着具が共通の移動部材に保持され、それら複数の部品吸着具のうちの複数のものが電子回路部品を保持して移動させられる場合には、移動部材の加,減速度が回路基板の場合と同様にして設定される。複数の電子回路部品について許容加,減速度が設定され、それら許容加,減速度のうちで最小のもの以下に移動部材の加,減速度、つまり複数の部品吸着具に共通の加,減速度が設定されるのである。
【0014】
(10)吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動を制御する方法であって、
前記部品吸着具を、電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、部品吸着具の吸着面の面積が大きいほど大きな加,減速度で移動させる部品吸着具の移動制御方法。
(11)電子回路部品の質量をM、高さをH、部品吸着具の吸着面の面積をS、指数をd,e,fとした場合に、前記部品吸着具の移動の加,減速度を、(Md・He)/Sfで表される不安定係数に応じた大きさとする(10)項に記載の回路基板の移動制御方法。
上記指数d,e,fは、質量,高さおよび吸着面の面積の不安定係数に対する寄与率と称すべきものであり、例えば、質量Mの単位をg、高さHの単位をmm、面積Sの単位をmm2、指数dを1とした場合に、指数eは0.5〜3の範囲から選定されることが望ましく、0.7〜2.0の範囲から選定されることがさらに望ましい。また、指数fは0.5〜2.5の範囲から選定されることが望ましく、0.6〜1.8の範囲から選定されることがさらに望ましい。
本項において不安定係数は、部品吸着具による電子回路部品の保持の不安定さを表し、不安定係数が大きいほど、電子回路部品が部品吸着具に対してずれたりし易い。したがって、部品吸着具の移動の加,減速度を、不安定係数に応じた大きさにすれば、電子回路部品のずれ等を良好に防止しつつ、部品吸着具を可及的に迅速に移動させることができる。
本項の不安定係数は、部品吸着具が、その軸方向に平行な軸線まわりに回転させられる際の加,減速度、その軸方向に平行な方向に移動させられる際の加,減速度の設定にも利用することができる。ただし、指数d,e,fが部品吸着具が軸線に直角な方向(吸着面に平行な方向)に移動させられる場合とは異なる値となるのが普通である。また、部品吸着具が軸方向に平行な方向(吸着面に直角な方向)に移動させられる際の加,減速度の設定に使用する不安定係数をMd/Sfとし得ることは、前記回路基板がそれの板面に直角な方向に移動させられる場合と同様である。さらに、部品吸着具が軸方向に平行な軸線まわりに回転させられる際の加,減速度は、回転角加,減速度とすることが望ましく、電子回路部品の質量の代わりに慣性モーメントを使用することが望ましい。
【0015】
(12)前記部品吸着具の移動の加,減速度を、前記負圧の大きさが大きいほど大きくする(10)項または(11)項に記載の部品吸着具の移動制御方法。
部品吸着具が電子回路部品を吸着するための負圧が大きいほど、大きい吸着力が得られ、電子回路部品が安定して保持される。したがって、部品吸着具の移動の加,減速度を、負圧の大きさが大きいほど大きくすることができる。
(13)前記部品吸着具の移動の加,減速度を、前記吸着面の形状係数を加味して設定する(10)項ないし(12)項のいずれかに記載の部品吸着具の移動制御方法。
吸着面の形状係数については、前記電子回路部品の底面の形状係数の説明がほぼそのまま当てはまる。
【0016】
(14)吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動を制御するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子回路部品の質量および高さが大きいほど小さく、部品吸着具の吸着面の面積が大きいほど大きく設定された許容加,減速度を取得する許容加,減速度取得ステップと、
取得した許容加,減速度以下の加,減速度で前記部品吸着具を移動させる移動制御ステップと
を含む部品吸着具移動制御プログラム。
前記(11)項ないし(13)項に記載の特徴は、本項のプログラムにも適用可能である。また、本項のプログラムにおける許容加,減速度を前記 (9)項に記載の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。
許容加,減速度は、演算により取得されてもよく、既に演算されて記憶手段に記憶されている許容加,減速度の記憶手段からの読出しにより取得されてもよい。
【0017】
(15)スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板をその回路基板の表面に平行な方向に移動させる際の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子回路部品の質量をM、高さをH、底面積をS、べき関数の指数をa,b,cとした場合に、(Ma・Hb)/Scで表される不安定係数に関連する不安定係数関連量を取得する不安定係数関連量取得ステップと、
取得した不安定係数関連量に基づいて、前記回路基板の前記移動の許容加,減速度を、前記不安定係数関連量が小さいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
を含む回路基板の許容加,減速度決定プログラム。
前記 (3)項ないし (5)項に記載の特徴は、本項のプログラムにも適用可能である。また、本項のプログラムにおける許容加,減速度を前記 (1)項に記載の質量関連量,高さ関連量および底面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。
不安定係数関連量は、不安定係数そのものでもよく、不安定係数の大きさに対応して大きさが変化する物理量でもよく、不安定係数を求めるためのデータ、例えば、部品情報である電子回路部品の質量,高さおよび底面積でもよい。
本項のプログラムによれば、回路基板の許容加,減速度を、電子回路部品の位置ずれ等を生じない大きさであって、できる限り大きい大きさに決定することができる。
(16)吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
電子回路部品の質量をM、高さをH、部品吸着具の吸着面の面積をS、指数をd,e,fとした場合に、(Md・He)/Sfで表される不安定係数に関連する不安定係数関連量を取得する不安定係数関連量取得ステップと、
取得した不安定係数関連量に基づいて、前記部品吸着具の前記移動の許容加,減速度を不安定係数関連量が小さいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
を含む部品吸着具の許容加,減速度決定プログラム。
不安定係数関連量は、不安定係数そのものでもよく、不安定係数の大きさに対応して大きさが変化する物理量でもよく、不安定係数を求めるためのデータ、例えば、部品情報である電子回路部品の質量,高さおよび吸着具情報である吸着面の面積でもよい。
前記(11)項ないし(13)項に記載の特徴は、本項のプログラムにも適用可能である。また、本項のプログラムにおける許容加,減速度を前記 (9)項に記載の質量関連量,高さ関連量および吸着面寸法関連量に基づいて設定されたものとすることも可能である。
本項のプログラムによれば、部品吸着具の許容加,減速度を、電子回路部品の位置ずれ等を生じない大きさであって、できる限り大きい大きさに決定することができる。
【0018】
(17)スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板をその回路基板の表面に平行な方向に移動させる際の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子回路部品の質量,高さおよび底面積を取得する部品情報取得ステップと、
前記回路基板の前記移動の許容加,減速度を、前記質量および高さが大きいほど小さく、前記底面積が大きいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
を含む回路基板の許容加,減速度決定プログラム。
(18)吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子回路部品の質量,高さおよび前記吸着面の面積を取得する部品・吸着具情報取得ステップと、
前記部品吸着具の前記移動の許容加,減速度を、前記取得した質量および高さが大きいほど小さく、前記吸着面の面積が大きいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
を含む部品吸着具の許容加,減速度決定プログラム。
【0019】
(19)前記 (6)項, (8)項,(14)項,(15)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のプログラムがコンピュータにより読み取り可能に記録された記録媒体。
記録媒体は、例えば、ROMカセット等コンピュータに着脱可能な着脱式記録媒体,コンピュータに設けられた読取装置により読み取り可能な磁気テープ,磁気ディスク,光磁気ディスク,光ディスク,書換え可能なCD−ROM等の読取式記録媒体とされる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、実装一貫ラインである電子回路製造ラインを模式的に示す。本電子回路製造ラインは、上流側(図1においては左側)より下流側に向かって、仮止め剤の一種であるクリーム状はんだ(以後、はんだと略称する)を回路基板としてのプリント配線板に塗布するはんだ塗布システム2、プリント配線板に電子回路部品を装着する2つの電子回路部品装着システム4,6、およびプリント配線板に装着された電子回路部品をはんだ付けするリフロー炉システム8が配設されている。これらはいずれも回路基板を搬送する基板搬送装置を有するとともに、各システム間には、それらの各々を繋ぐ基板搬送装置10が設けられている。また、はんだ塗布システム2の上流には、本ラインにプリント配線板を搬入する基板搬入装置(ローダ)12が、リフロー炉システム16の下流には、本ラインからプリント回路板を搬出する基板搬出装置(アンローダ)14が配設され、さらに、ライン外にそれらの装置を集中管理するコンピュータを主体としたライン制御装置16が配設されている。
【0021】
上流側の電子回路部品装着システム4(以下、「第一装着システム4」という)は、複数の装着ヘッドが間欠回転させられる部品装着装置を有するインデックステーブル型の装着システムであり、下流側の電子回路部品装着システム6(以下、「第二装着システム6」という)は装着ヘッドがXYロボットにより移動させられる部品装着装置を有するXY型の装着システムであり、例えば、第一装着システム4が比較的小型の電子部品を装着し、第二装着システム6が比較的大型あるいは異形の電子回路部品を装着するといった作業分担をして、1つのプリント配線板に対する電子回路部品装着作業を行う。
【0022】
第一装着システム4を図2ないし図5に基づいて説明する。本実施形態の第一装着システム4は、特開平6−342998号公報,特開2001−345599公報およびまだ公開されていないが、本出願人による特願2001−172915の各明細書にそれぞれ記載の電子回路部品装着システムとほぼ同様に構成されており、簡単に説明する。
【0023】
第一装着システム4は、図2に示すように、システム本体としてのベッド18,ベッド18上に設けられた部品供給装置20,部品装着装置22,基板移動装置としてのXY移動装置24,基板撮像システム26および第一装着システム制御装置28(図5参照)を備えている。
【0024】
部品供給装置20は、図1に示すように、少なくとも1台、本実施形態においては2台の部品供給テーブル30,32を含んでいる。これら部品供給テーブル30,32はそれぞれ、フィーダ支持テーブル34と、フィーダ支持テーブル34上に搭載された複数のフィーダ36とを有する。複数のフィーダ36は、本実施形態では、電子回路部品38(図4参照)を部品保持テープに保持させてテープ化電子回路部品とした状態で供給するテープフィーダとされており、部品保持テープがテープ送り装置によって送られることにより電子回路部品が送られ、部品供給部から1個ずつ供給される。部品供給テーブル30,32はそれぞれ、テーブル移動装置40により互いに独立してX軸方向(図1においては左右方向)へ移動させられ、複数のフィーダ36の各部品供給部が電子回路部品38の装着順に従って部品供給位置に選択的に位置決めされ、電子回路部品38を供給する。なお、電子回路部品は種類が異なっても同じ符号を付すこととする。第二装着システム6についても同じである。
【0025】
XY移動装置24は、図1に示すように、プリント配線板保持装置50により、回路基板としてのプリント配線板52を保持し、プリント配線板52の表面である装着面54に平行な平面であって、水平な平面内の任意の位置へ移動させる。XY移動装置24は、X軸スライド駆動用モータ68および送りねじとしてのボールねじ70等により、案内装置72により案内されてX軸方向に移動させられる移動部材としてのX軸スライド74と、そのX軸スライド74上においてY軸スライド駆動用モータ76および送りねじとしてのボールねじ78等により、案内装置80により案内されてY軸方向に移動させられる移動部材としてのY軸スライド82とを備えている。Y軸方向は、水平面内においてX軸方向と直交する方向であり、X軸,Y軸方向は、水平なXY座標面の二つの座標軸に平行な方向である。上記X軸スライド駆動用モータ68およびボールねじ70等がX軸スライド移動装置86を構成し、X軸スライド74と共にX軸移動装置88を構成し、Y軸スライド駆動用モータ76およびボールねじ78等がY軸スライド移動装置90を構成し、Y軸スライド82と共にY軸移動装置92を構成している。
【0026】
プリント配線板保持装置50は、本実施形態においては、図示は省略するが、プリント配線板52を下方から支持する配線板支持装置と、プリント配線板52をクランプするクランプ装置とを備えており、プリント配線板52を水平な姿勢で保持する。ベッド18上には、図示は省略するが、前記はんだ塗布システム2との間の基板搬送装置10につながってプリント配線板52を受け取り、プリント配線板保持装置50に渡す基板搬送装置、プリント配線板保持装置50からプリント配線板52を受け取って、第二装着システム6との間の基板搬送装置10に渡す基板搬送装置が設けられている。プリント配線板52の装着面54には、図示は省略するが、複数、本実施形態においては2個の基準マークが設けられており、基板撮像システム26(図2参照)により撮像される。基板撮像システム26は、撮像装置および照明装置を備えている。
【0027】
部品装着装置22を図2ないし図5に基づいて簡単に説明する。
部品装着装置22は、複数、本実施形態においては16組の装着ヘッド100、装着ヘッド100を一軸線、本実施形態においては垂直軸線まわりに旋回させるヘッド移動装置としてのヘッド旋回装置102、装着ヘッド100を昇降させるヘッド昇降装置104,106、装着ヘッド100をその軸線まわりに回転さるヘッド回転装置108,110,112(図5参照)および部品撮像システム114(図2参照)等を備えている。
【0028】
ヘッド旋回装置102は、本実施形態においては、図3に示すように、回転体の一種である間欠回転盤130および回転体回転装置の一種である間欠回転装置132を備えている。間欠回転盤130は、部品装着装置22のフレーム134に一軸線、本実施形態においては垂直な軸線まわりに回転可能に支持されるとともに、間欠回転盤130の回転軸線を中心とする一円周上に16組の装着ヘッド100が等角度間隔に保持されている。
【0029】
間欠回転装置132は、間欠回転用モータ136(図5参照)を駆動源とするとともに、回転軸138,ローラギヤおよびローラギヤカム(図示省略。以後、カムと称する。)を含み、カムが間欠回転用モータ136によって一方向に定速で回転させられるとき、ローラギヤの複数のローラがカムのカムリブに順次係合し、回転軸138が垂直軸線まわりに一定角度ずつ、すなわち16組の装着ヘッド100の取付角度間隔に等しい角度間欠回転させられる。それにより間欠回転盤130が間欠回転させられ、16組の装着ヘッド100は、共通の旋回軸線、すなわち間欠回転盤130の回転軸線であって、垂直な軸線まわりに旋回させられ、その旋回軌跡上に設定された部品保持位置ないし部品吸着位置たる部品受取位置,部品姿勢変更位置,撮像位置ないし部品保持姿勢検出位置,部品姿勢修正位置,部品装着位置,装着ヘッド姿勢復帰位置等、16個の停止位置に順次停止させられる。これら停止位置は、本実施形態においては、予め定められた位置であって、常に一定の位置である。
【0030】
16組の装着ヘッド100は、間欠回転盤130に、その回転軸線に平行な方向に移動可能であって昇降可能に設けられており、旋回時には、フレーム134の下面に固定の円筒カム140の作用により、回転体の回転軸線に平行な方向に移動させられ、昇降させられる。16組の装着ヘッド100はそれぞれ、部品保持具の一種である部品吸着具としての複数の吸着ノズル150を着脱可能に保持している。
【0031】
吸着ノズル150は、図4に示すように、本体152および吸着管154を備え、本体152が本体部を構成し、吸着管154が吸着部を構成している。複数の吸着ノズル150は、そのうちの1つが選択的に作用位置に位置決めされ、吸着管154の先端面である吸着面156において電子回路部品38を負圧により吸着し、保持する。
【0032】
部品受取位置および部品装着位置には前記ヘッド昇降装置104,106が設けられており、装着ヘッド100が昇降させられ、吸着ノズル150が昇降させられて、電子回路部品38の受取りおよび装着を行う。部品姿勢変更位置,部品姿勢修正位置,装着ヘッド姿勢復帰位置にはそれぞれ、前記ヘッド回転装置108,110,112が設けられており、それぞれ、装着ヘッド100を軸線まわりに回転させることにより吸着ノズル150が回転させられ、電子回路部品38の姿勢変更(軸線まわりの位置の変更)、電子回路部品38の回転位置誤差の修正、装着ヘッド100の原位置への復帰が行われる。
【0033】
部品保持姿勢検出位置には、前記部品撮像システム114が設けられている。部品撮像システム114は、撮像装置,導光装置および照明装置を含み、電子回路部品の正面像と投影像とを選択的に撮像し得るように構成されている。
【0034】
前記第一装着システム制御装置28は、図5に示すように、PU160,ROM162,RAM164およびそれらを接続するバス165を有するコンピュータ166(以後、第一装着システムコンピュータ166と称する)を主体とするものである。バスには入出力インタフェース168が接続され、基板撮像システム26および部品撮像システム114の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ180,前記ライン制御装置16のコンピュータ182(以後、ホストコンピュータ182と称する)等の各種コンピュータ、エンコーダ186等の各種センサ、読取装置192等が接続されている。ホストコンピュータ182には、パーツデータジェネレータ(以後、PDGと略称する)188が接続されている。読取装置192は、記録媒体の一種である光磁気ディスク194に記録されたプログラムやデータを読み取ってコンピュータ166に入力する。
【0035】
入出力インタフェース168にはまた、駆動回路190を介してテーブル移動装置40等を構成するアクチュエータが接続されている。これら装置40等において駆動源を構成するモータはアクチュエータの一種であり、本実施形態においては、電動モータの一種である電動回転モータであって、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータにより構成されている。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。これらモータの回転角度は、回転角度検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいてモータ等が制御される。図5には、それらエンコーダのうちの1つを代表的に示す。
【0036】
ROM162およびRAM164には、図示を省略するメインルーチン,図16にフローチャートで表す配線板移動制御ルーチン,電子回路部品38をプリント配線板52に装着するためのプログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されている。
【0037】
ホストコンピュータ182は、詳細な図示は省略するが、第一装着システムコンピュータ166と同様に構成されており、そのRAMおよびROMには、図示を省略するメインルーチンおよび図10等にそれぞれフローチャートで表すプリント配線板の許容加,減速度決定ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されている。これらプログラムおよびデータ等は、例えば、保存の必要があれば、書き換え可能なROMに記憶されたり、RAMのバックアップ部に記憶されたり、外部記憶装置や記録媒体に記憶されたりする。
【0038】
第二装着システム6を図6ないし図9に基づいて説明する。
第二装着システム6の基本的な構成は、特許第2824378号公報に記載の電子回路部品装着システムと同様に構成されており、簡単に説明する。
【0039】
第二装着システム6は、図6に示すように、システム本体としてのベッド300,ベッド300上に設けられた配線板搬送装置302,プリント配線板保持装置304,部品装着装置306,フィーダ型部品供給装置308およびトレイ型部品供給装置310,基板撮像システム312,これら装置等を制御する第二装着システム制御装置314(図9参照)等を備えている。
【0040】
本実施形態においてプリント配線板52は、配線板搬送装置302により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた部品装着位置において停止させられるとともに、プリント配線板保持装置304により、装着面54が水平な姿勢で保持される。配線板搬送装置302は、第一装着システム4との間の基板搬送装置10およびリフロー炉システム8との間の基板搬送装置10につながっていて、第一装着システム4からプリント配線板52を受け取り、リフロー炉システム8に渡す。プリント配線板保持装置304はプリント配線板支持装置およびクランプ装置(図示省略)を備え、位置を固定して設けられており、プリント配線板52は静止した状態で電子回路部品38が装着される。
【0041】
フィーダ型部品供給装置308は、フィーダ支持テーブル上320に、複数のフィーダ322がX軸方向(図6においては左右方向)に並んで整列させられたものである。フィーダ322は、前記フィーダ36と同様にテープフィーダである。トレイ型部品供給装置310には、電子回路部品38を複数収納する複数のトレイ326がスタックされており、それぞれのトレイ326から装着ヘッドが電子回路部品38を取得可能な状態に、これらのトレイ326を順次移動させることによって電子回路部品38の供給を行う。これら部品供給装置308,310は位置を固定して設けられており、静止した状態で電子回路部品38を供給する。
【0042】
部品装着装置306は、主に、装着ヘッド330、装着ヘッド330をプリント配線板52の装着面54に平行な一平面である水平面内の任意の位置へ移動させるヘッド移動装置ないし部品吸着具移動装置としてのXYロボット334、装着ヘッド330を軸線まわりに回転させるヘッド回転装置336、装着ヘッド330を昇降させるヘッド昇降装置338等を備えている。
【0043】
XYロボット334は、図6に示すように、移動部材としてのX軸スライド340,X軸スライド移動装置342,移動部材としてのY軸スライド344,Y軸スライド移動装置346を備えている。X軸スライド移動装置342は、X軸スライド駆動用モータ348,ボールねじ350およびナット(図示省略)を備え、X軸スライド340をX軸方向に移動させ、X軸スライド340と共にX軸移動装置354を構成している。Y軸スライド344およびY軸スライド移動装置346は、X軸スライド340上に設けられている。Y軸スライド移動装置346は、Y軸スライド駆動用モータ356,ボールねじ358およびナット(図示省略)を備え、Y軸スライド344をY軸方向に移動させ、Y軸スライド344と共にY軸移動装置362を構成している。
【0044】
装着ヘッド330はノズルホルダを備え、図7および図8に示すように、吸着ノズル370を着脱可能に保持している。吸着ノズル370は、本体部としての本体372および吸着部を構成する吸着管374を備え、吸着管374の先端面である吸着面376において電子回路部品38を負圧により吸着する。吸着管374は、図示を省略する電磁方向切換弁装置の切換えにより、負圧源,正圧源および大気に選択的に連通させられて、電子回路部品38を保持,解放する。装着ヘッド330に保持された吸着ノズル370は、XYロボット334により、プリント配線板52の装着面54に平行な方向であって、吸着面376に平行な方向に移動させられる。
【0045】
装着ヘッド330はY軸スライド344上に昇降可能かつ軸線まわりに回転可能に設けられており、装着ヘッド330と共にY軸スライド344上に設けられた前記ヘッド昇降装置338により昇降させられ、吸着ノズル370が昇降させられて部品供給位置において部品供給装置308,310から電子回路部品38を受け取り、部品装着位置においてプリント配線板52に装着する。部品装着位置は、電子回路部品38の装着毎に異なる。装着ヘッド330はまた、Y軸スライド344上に設けられたヘッド回転装置336により回転させられ、吸着ノズル370が吸着した電子回路部品38の姿勢変更および回転位置誤差の修正が行われる。これら装着ヘッド330等は、本実施形態においては、特許第3093339号公報に記載の装着ヘッド330等と同様に構成されており、説明を省略する。
【0046】
Y軸スライド344にはまた、図8に示すように、前記基板撮像システム312が設けられている。基板撮像システム312は、撮像装置および照明装置を含み、XYロボット334により移動させられ、プリント配線板52の装着面54の任意の位置の撮像が可能とされている。また、X軸スライド340には、図6に一部を示すように、部品撮像システム390が2組設けられている。部品撮像システム390は、撮像装置,導光装置および照明装置を含み、吸着ノズル370に保持された電子回路部品38を撮像し、電子回路部品38の正面像と投影像とが選択的に取得される。
【0047】
前記第二装着システム制御装置314は、図9に示すように、PU400,ROM402,RAM404およびそれらを接続するバス406を有するコンピュータ410(以後、第二装着システムコンピュータ410と称する)を主体とするものであり、基本的には、前記第一装着システム制御装置28と同様に構成されており、詳細な説明を省略する。図9において符号412は入出力インタフェース、符号416は画像処理コンピュータ、符号418はエンコーダ、符号422は読取装置、符号424は光磁気ディスク、符号420は駆動回路である。XYロボット334等において駆動源を構成するモータは、本実施形態においては、サーボモータにより構成されている。また、ROM402およびRAM404には、図示を省略するメインルーチン,図17にフローチャートで表す吸着ノズル移動制御ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されている。これらプログラムおよびデータは、ホストコンピュータ182から供給される。光磁気ディスク424に記憶され、読取装置422の読取りによって供給されるようにしてもよい。第二装着システム制御装置314は、部品吸着具移動装置制御装置を構成している。
【0048】
第一装着システム4における電子回路部品38のプリント配線板52への装着を簡単に説明する。
第一装着システム4において電子回路部品38のプリント配線板52への装着時には、間欠回転用モータ136により間欠回転盤130が間欠回転させられ、複数の装着ヘッド100が順次、部品受取位置等へ移動させられる。装着ヘッド100は部品受取位置においてヘッド昇降装置104により下降させられ、吸着ノズル150に負圧が供給されて電子回路部品38を吸着し、保持する。電子回路部品38の受取り後、電子回路部品38の姿勢を変更するのであれば、装着ヘッド100は部品姿勢変更位置においてヘッド回転装置108により回転させられ、その後、部品保持姿勢検出位置において部品撮像システム114により電子回路部品38が撮像される。撮像データは画像処理コンピュータ180において処理され、吸着ノズル150による電子回路部品38の保持姿勢誤差が取得される。そして、部品姿勢修正位置において装着ヘッド100がヘッド回転装置110により回転させられて、電子回路部品38の保持姿勢誤差である回転位置誤差が修正され、部品装着位置において装着ヘッド100がヘッド昇降装置106により昇降させられ、電子回路部品38をプリント配線板52に装着する。
【0049】
部品供給装置20においては、部品供給テーブル30,32が移動させられてフィーダ36が部品供給位置に位置決めされ、部品供給部から電子回路部品38を供給する。プリント配線板52の装着面54の複数の部品装着点にはそれぞれ、はんだ塗布システム2において、はんだがスポット状に塗布されており、プリント配線板52はプリント配線板保持装置50により保持され、XY移動装置24により移動させられて、部品装着箇所が部品装着装置22の部品装着位置に対応する位置であって、電子回路部品38が装着される位置に位置決めされる。電子回路部品38を保持した吸着ノズル150は、予め定められた部品装着位置において、XY移動装置24により位置決めされたプリント配線板52のはんだが塗布された部分に、電子回路部品38を接触させて装着する。プリント配線板52の位置決め時には、基板撮像システム26による基準マークの撮像に基づいて得られる部品装着箇所の水平位置誤差,電子回路部品38の保持位置誤差である水平位置誤差および電子回路部品38の回転位置誤差の修正により生ずる中心位置ずれが修正される。
【0050】
第二装着システム6による電子回路部品38のプリント配線板52への装着を簡単に説明する。
配線板搬送装置302により搬入され、作業位置において停止させられたプリント配線板52は、プリント配線板保持装置304により保持される。例えば、フィーダ型部品供給装置308により供給される電子回路部品38がプリント配線板52に装着されるとすれば、吸着ノズル370がXYロボット334により部品受取位置へ移動させられ、フィーダ322の部品供給部上において下降させられ、吸着ノズル370が負圧により電子回路部品38を吸着する。
【0051】
受取り後、吸着ノズル370は、XYロボット334により部品装着位置へ移動させられ、プリント配線板52の部品装着箇所上において下降させられ、電子回路部品38をプリント配線板52のはんだがスポット状に塗布された部分に接触させて装着する。この移動の途中で部品撮像システム390により電子回路部品38が撮像され、その撮像データに基づいて得られる電子回路部品38の保持姿勢誤差のうち、回転位置誤差はヘッド回転装置336によって装着ヘッド330が回転させられることにより修正され、電子回路部品38の水平位置誤差,回転位置誤差の修正による中心位置のずれおよび部品装着箇所の水平位置誤差は、吸着ノズル370の移動距離の修正により修正される。部品装着箇所の水平位置誤差は、基板撮像システム312による基準マークの撮像に基づいて取得される。
【0052】
このように第一,第二装着システム4,6において電子回路部品38をプリント配線板52に装着するための装着プログラムはそれぞれ、本実施形態においてはホストコンピュータ182において作成される。ホストコンピュータ182は、プリント配線板52に装着される電子回路部品38を第一装着システム4と第二装着システム6とに振り分けて装着プログラムを作成する。この際、ホストコンピュータ182は装着シミュレーションを行い、第一,第二装着システム4,6においてそれぞれ、所定の条件を満たしつつ電子回路部品38の装着が行われた状態で、電子回路部品38の装着に要する時間の合計が最も短くなるように振り分けを行う。プリント配線板52に装着される電子回路部品38は、例えば、プリント回路板の設計データから得られる。設計データでは、例えば、プリント回路板の全部の部品装着箇所の各々と、それら部品装着箇所の各々に装着されるべき電子回路部品とが互いに対応付けられている。
【0053】
装着シミュレーションは、第一装着システム4については、例えば、プリント配線板52に既に仮止めされている複数の電子回路部品38の許容加,減速度のうちの最小のもの以下の目標加,減速度でプリント配線板52を移動させること、プリント配線板52に許容する許容加,減速度の大きい電子回路部品38から先に装着されること、吸着ノズル150が保持して装着する電子回路部品38がプリント配線板52に既に装着されている電子回路部品38と干渉しないこと等を条件とし、プリント配線板52の移動距離(相前後して電子回路部品38が装着される部品装着箇所間の距離の和)ができるだけ短くなり、装着時間が短くなるように、電子回路部品38の装着順および部品供給装置20における電子回路部品38の配置等を設定することにより行われる。この際、電子回路部品38に関するデータは、PDG188から得られる。
【0054】
第二装着システム6については、例えば、吸着ノズル370がそれに許容される加,減速度以下の加,減速度で移動させられること、吸着ノズル370が保持して装着する電子回路部品38がプリント配線板52に既に装着されている電子回路部品38と干渉しないことを条件とし、吸着ノズル370の移動距離(部品供給装置308,310の部品供給部とプリント配線板52の部品装着箇所との間の距離の和)ができるだけ短くなり、装着に要する時間が短くなるように、電子回路部品38の装着順および部品供給装置308,310における電子回路部品38の配置(フィーダ322の並び順およびトレイ326のスタック順)等を設定することにより行われる。そして、第一,第二装着システム4,6においてそれぞれ、装着に要する時間が最も短くて済む電子回路部品38の振り分けが、第一,第二装着システム4,6において実際にプリント配線板52に装着される電子回路部品38の振り分けとして採用される。
【0055】
プリント配線板52に許容される加,減速度を説明する。
第一装着システム4において電子回路部品38がプリント配線板52に装着されるとき、電子回路部品38は、その電極が装着面54上にスポット状に塗布されたはんだ上に載置され、はんだの粘着力によってプリント配線板52に仮止めされるが、固定されるわけではなく、プリント配線板52の移動開始時の加速度および停止時の減速度の大きさによっては、位置がずれたり、倒れたりする恐れがある。
【0056】
この際、プリント配線板52を、プリント配線板52に装着された電子回路部品38について設定されている許容加,減速度、すなわちプリント配線板52に装着された状態で、プリント配線板52が装着面54に平行な方向に移動させられても電子回路部品38に位置ずれ等が生じない加,減速度であって、できるだけ大きい加,減速度で移動させれば、電子回路部品38の位置ずれ等を生ずることなく、かつ短い時間で移動させることができる。また、プリント配線板52には複数種類の電子回路部品38が装着され、それら電子回路部品38の各々について設定されている許容加,減速度が同じであるとは限らないが、プリント配線板52に装着された複数の電子回路部品38の各々について設定された許容加,減速度のうち、最小の許容加,減速度以下の目標加,減速度であって、できるだけ大きい目標加,減速度でプリント配線板52を移動させれば、プリント配線板52に装着されているいずれの電子回路部品38についても位置ずれ等を生じさせることなく、短い時間で移動させることができる。
【0057】
さらに、許容加,減速度の大きい電子回路部品38から先に装着した方が後に装着するよりも装着時間の合計を短くすることができる。プリント配線板52に仮止めされている複数の電子回路部品38の許容加,減速度のうちの最小のもの以下の目標加,減速度でプリント配線板52を移動させるため、許容加,減速度が大きい電子回路部品38から先に装着すれば、目標加,減速度は徐々に小さくなっていくが、許容加,減速度の小さい電子回路部品38を先に装着すれば、目標加,減速度が始めから小さく、移動に時間がかかるからである。
【0058】
ホストコンピュータ182においては、装着シミュレーションの実行時に、第一装着システム4については、電子回路部品38の許容加,減速度であって、プリント配線板52に許容される加,減速度(以下、プリント配線板52の許容加,減速度と称する)および最小加,減速度を求めるとともに、プリント配線板52を移動させるための目標加,減速度を設定する。プリント配線板52の許容加,減速度は、本実施形態においては、電子回路部品38の質量,高さおよび底面積とはんだの粘着力とに基づいて設定される。電子回路部品38の質量および高さが大きく、底面積が小さいほど、また、はんだの粘着力が小さいほど、移動開始時および停止時の加,減速により生ずる衝撃によって電子回路部品38に位置ずれ等が生じ易いからである。
【0059】
プリント配線板52の許容加,減速度は、図10に示すプリント配線板の許容加,減速度決定ルーチンの実行により電子回路部品38の種類毎に決定される。プリント配線板の許容加,減速度決定ルーチンのステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては、まず、プリント配線板52に装着される全部の電子回路部品38のうちの1つについて、部品情報である質量,高さおよび底面積がPDG188から読み出され、S2において、それら質量,高さおよび底面積に基づいて、その電子回路部品38の不安定係数が演算される。S1では、電子回路部品38の質量および寸法が読み出され、底面積が演算により求められるようにしてもよい。不安定係数は、電子回路部品38がプリント配線板52に装着された状態においてプリント配線板52が移動させられる際の不安定さ、すなわち位置ずれや転倒等の生じ易さを表す係数であり、不安定係数が大きいほど位置ずれ等を生じ易い。不安定係数KEは、 (1)式により得られる。
E=(Ma・Hb)/SE c ・・・(1)
ただし、Mは電子回路部品38の質量、Hは高さ、SEは底面積であり、a,b,cはべき関数の指数である。指数a,b,cは、質量,高さおよび底面積の不安定係数に対する寄与率と称すべきものであり、例えば、質量Mの単位をg、高さHの単位をmm、底面積SE の単位をmm2、指数aを1とした場合に、本実施形態においては、指数bおよび指数cはいずれも1とされている。
【0060】
不安定係数の演算後、S3が実行され、プリント配線板52の許容加,減速度が決定される。S1において部品情報が読み出された電子回路部品38であって、許容加,減速度決定対象である電子回路部品38のみがプリント配線板52に装着された状態で、プリント配線板52が装着面54に平行な方向に移動させられることが許容される許容加,減速度が求められるのである。許容加,減速度は、S2において算出した不安定係数と、不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータ(式でもよい)とに基づいて決定される。不安定係数が大きいほど電子回路部品38に位置ずれ等が生じ易く、プリント配線板52に許容される加,減速度が小さくなる。これら電子回路部品38の不安定係数とプリント配線板52に許容される加,減速度との間には、図11のグラフに示す傾向の関係がある。図11のグラフに示される曲線は、電子回路部品38の不安定係数の大きさに対して、プリント配線板52に許容される加,減速度と許容されない加,減速度との境界を規定する許容限界規定線であり、許容限界規定線より下方の領域において許容加,減速度を決定すれば、電子回路部品38が位置ずれ等を生ずる恐れがなく、許容限界規定線より上方の領域において許容加,減速度を決定すれば、電子回路部品38に位置ずれ等が生ずる可能性が高い。
【0061】
また、電子回路部品38の不安定係数が同じであっても、はんだの粘着力が大きいほど、電子回路部品38に位置ずれ等が生じ難い。したがって、不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータは、はんだの粘着力に応じて複数種類設定されてホストコンピュータ182のRAMのバックアップ部に記憶されている。いずれのデータも、不安定係数と許容加,減速度との間に得られる関係の傾向は同じであるが、許容限界規定線が、粘着力が大きいほど、同じ不安定係数に対して大きい許容加,減速度が得られる線とされる。
【0062】
S3では、はんだの粘着力に応じて選択された不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータと、不安定係数とに基づいて許容加,減速度が決定される。プリント配線板52には、はんだ塗布システム2においてはんだが塗布され、ホストコンピュータ182には、プリント配線板52に塗布されるはんだの種類等に関するデータが記憶されている。ここでは、許容加,減速度は、不安定係数に対して許容限界規定線上において得られる大きさに決定され、ホストコンピュータ182のRAMに電子回路部品38の種類と対応付けて記憶される。そして、S4が実行され、プリント配線板52に装着される全部の電子回路部品38について許容加,減速度が決定されたか否かの判定が行われる。
【0063】
全部の電子回路部品38について決定されるまでS4の判定結果はNOになり、ルーチンの実行はS1に戻り、別の電子回路部品38について許容加,減速度が決定される。S1において読み出された電子回路部品38の種類が既に許容加,減速度が決定されたものであれば、その決定された許容加,減速度が読み出されて使用されるようにしてもよい。プリント回路板の設計データに基づいて、プリント配線板52に装着される電子回路部品38の種類を設定するデータが作成され、そのデータに基づいて電子回路部品38の種類が読み出されて許容加,減速度が決定されるようにしてもよい。このようにプリント配線板52の許容加,減速度は不安定係数およびはんだの粘着力に応じて設定され、不安定係数が小さいほど大きい値に設定され、電子回路部品38の質量および高さが大きいほど小さく、電子回路部品38の底面積が大きいほど大きい値に設定され、粘着力が大きいほど大きい値に設定される。
【0064】
プリント配線板52の目標加,減速度は、図12に示すプリント配線板52の目標加,減速度決定ルーチンに基づいて設定される。このルーチンは、電子回路部品38が1個、プリント配線板52に装着される毎に実行されることとされる。装着シミュレーション上、第一装着システム4に振り分けられた電子回路部品38が、設定された装着順でプリント配線板52に装着されたとして、目標加,減速度決定ルーチンが実行される。まず、S11においては、プリント配線板52に装着された最新の電子回路部品38について決定された許容加,減速度が、その電子回路部品38の種類に基づいてRAMから読み出される。
【0065】
次いでS12が実行され、現に設定されている目標加,減速度と、S11において読み出された許容加,減速度とのいずれが大きいかが比較される。S11において読み出された許容加,減速度が、現に設定されている目標加,減速度以上であれば、S12の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。この場合、装着された最新の電子回路部品38は許容加,減速度が大きく、現に設定されている目標加,減速度でプリント配線板52が移動させられても、位置ずれ等を生じないからである。なお、目標加,減速度の初期値は、例えば、XY移動装置24によりプリント配線板52に得られる最大値とされる。
【0066】
それに対し、S11において読み出された許容加,減速度が目標加,減速度より小さければ、S12の判定結果はYESになってS13が実行され、目標加,減速度が変更される。この場合、現に設定されている目標加,減速度でプリント配線板52を移動させれば、新しく装着された電子回路部品38に位置ずれ等が生じる恐れがあるからであり、目標加,減速度は、新しく装着された電子回路部品38について設定されている許容加,減速度以下の大きさであって、可及的に大きい値に変更される。現に設定されている目標加,減速度は、既にプリント配線板52に装着されている複数の電子回路部品についてそれぞれ設定されたプリント配線板52の許容加,減速度のうち、最小の加,減速度以下の加,減速度であり、新たに装着された電子回路部品52の許容加,減速度を現に設定されている目標加,減速度と比較し、目標加,減速度より小さい場合には、その許容加,減速度以下の大きさに目標加,減速度を設定するようにすることは、プリント配線板52に既に仮止めされている複数の電子回路部品52の各々について設定されているプリント配線板52の許容加,減速度のうち、最小のものを取得することである。
【0067】
目標加,減速度は、最新の装着電子回路部品について決定された許容加,減速度以下の加,減速度であればよい。本実施形態においては、XY移動装置24がプリント配線板52を移動させる際の加,減速度は段階的に変更されるようにされており、ここでは、目標加,減速度が、最新の装着電子回路部品の許容加,減速度より小さく、かつ、最新の許容加,減速度に最も近い段階の大きさに設定される。そして、この目標加,減速度でプリント配線板52を移動させれば、プリント配線板52上に既に仮止めされている全部の電子回路部品38に位置ずれ等を生じさせることなく移動させることができる。
【0068】
第二装着システム6の吸着ノズル370の許容加,減速度を説明する。
吸着ノズル370は電子回路部品38を吸着により保持して水平方向に移動させられるが、吸着ノズル370の移動開始,停止時における加,減速により生ずる衝撃によって、電子回路部品38が吸着ノズル370に対して位置がずれたり、落下したりする恐れがある。そのため、吸着ノズル370の許容加,減速度、すなわち吸着ノズル370を電子回路部品38を吸着した状態で移動を開始、停止させても、電子回路部品38に位置ずれ等が生じない加,減速度が、プリント配線板52に装着される全部の電子回路部品38の各々について決定される。
【0069】
吸着ノズル370の許容加,減速度は、図13に示す吸着ノズルの許容加,減速度決定ルーチンに基づいて決定される。このルーチンのS21においては、プリント配線板52に装着される全部の電子回路部品38の1つについて部品情報、ここでは電子回路部品38の質量および高さがPDG188から読み出されるとともに、吸着具情報である吸着面376の面積がホストコンピュータ182のRAMから読み出される。
【0070】
次いでS22が実行され、電子回路部品38について不安定係数が演算される。電子回路部品38は、吸着ノズル370により吸着され、吸着ノズル370の水平方向の移動により搬送されるとき、その質量および高さが大きいほど、移動開始,停止時の加,減速により生ずる衝撃によって電子回路部品が吸着管374に対してずれたりし易く、不安定であり、吸着管374の吸着面376の面積が大きいほど大きい吸着力が得られ、ずれ難く、安定性が高い。不安定係数KNは、電子回路部品の吸着ノズル370に対する位置ずれや落下等の生じ易さであり、 (2)式に従って演算される。
N=(Md・He)/SN f ・・・(2)
ただし、Mは電子回路部品38の質量、Hは高さ、SNは吸着面376の面積であり、d,e,fはべき関数の指数である。指数d,e,fは、質量,高さおよび吸着面376の面積の不安定係数に対する寄与率と称すべきものであり、例えば、質量Mの単位をg、高さHの単位をmm、吸着面376の面積SNの単位をmm2、指数eを1とした場合に、本実施形態においては、指数fおよび指数gはいずれも1とされている。
【0071】
不安定係数の演算後、S23が実行され、吸着ノズル370の許容加,減速度が決定される。許容加,減速度は、不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータ(式でもよい)と、S22において算出した不安定係数とに基づいて決定される。不安定係数が大きいほど、電子回路部品38に位置ずれ等が生じ易く、吸着ノズル370に許容される加,減速度が小さくなる。吸着ノズル370により保持された電子回路部品の不安定係数と許容加,減速度との間には、図14のグラフに示す傾向の関係がある。図14のグラフに示される曲線は、不安定係数の大きさに対して、吸着ノズル370に許容される加,減速度と許容されない加,減速度との境界を規定する許容限界規定線であり、許容限界規定線より下方の領域において許容加,減速度を決定すれば、電子回路部品38が位置ずれ等を生じる恐れがなく、許容限界規定線より上方の領域において許容加,減速度を決定すれば、電子回路部品38に位置ずれ等が生じる可能性が高い。
【0072】
また、吸着ノズル370の負圧が大きいほど高い吸着力が得られ、電子回路部品38が安定して保持され、許容加,減速度を大きくすることができる。そのため、不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータは、負圧の大きさに応じて複数種類設定されて、ホストコンピュータ182のRAMのバックアップ部に記憶されている。いずれのデータも、不安定係数と許容加,減速度との間に得られる関係の傾向は同じであるが、許容限界規定線が、負圧が大きいほど、同じ不安定係数に対して大きい許容加,減速度が得られる線とされる。なお、同一種類のプリント配線板52においては、1枚のプリント配線板52について行われる複数の電子回路部品38の装着時の吸着ノズル370の負圧は同じであることとする。電子回路部品38の形状,寸法等に応じて、吸着ノズル370の負圧の大きさを異ならせてもよい。
【0073】
S23では、吸着ノズル370の負圧の大きさに応じて選択された不安定係数と許容加,減速度との関係を規定するデータと、不安定係数とに基づいて許容加,減速度が決定され、決定された許容加,減速度はホストコンピュータ182のRAMに電子回路部品38の種類と対応付けて記憶される。そして、S24において全部の電子回路部品38について許容加,減速度が決定されたか否かが判定され、全部の電子回路部品38について吸着ノズル370に許容する許容加,減速度が決定される。
【0074】
全部の電子回路部品38について決定されるまでS24の判定結果はNOになり、ルーチンの実行はS21に戻り、別の電子回路部品38について許容加,減速度が決定される。S21において読み出された情報が、既に許容加,減速度が決定されたものであれば、その決定された許容加,減速度が読み出されて使用されるようにしてもよい。あるいはプリント配線板52に装着される電子回路部品38の種類のみのデータが作成され、そのデータおよび吸着ノズル370のデータに基づいて、吸着ノズル370の許容加,減速度の決定が行われるようにしてもよい。このように吸着ノズル370の許容加,減速度は、不安定係数および負圧の大きさに応じて決定され、不安定係数が大きいほど小さく決定され、電子回路部品38の質量および高さが大きくほど小さく、吸着面面積が大きいほど大きく設定される。また、負圧が大きいほど大きく設定される。
【0075】
第二装着システム6のXYロボット334は、本実施形態においては、加,減速度が段階的に変化させられる。そのため、第二装着システム6について装着シミュレーションが行われるとき、電子回路部品38の各々について設定された許容加,減速度に基づいて目標加,減速度が設定され、それに基づいて吸着ノズル370を移動させたとしてシミュレーションが行われる。装着ヘッド330は、本実施形態においては吸着ノズル370を1つのみ備えており、1回の装着ヘッド330の移動により装着する電子回路部品38は1つのみであり、その電子回路部品38について決定された許容加,減速度以下の範囲で可及的に大きい値に設定された目標加,減速度で吸着ノズル370を移動させることができる。
【0076】
目標加,減速度は、図15に示す目標加,減速度設定ルーチンに基づいて設定される。このルーチンは吸着ノズル370が電子回路部品38を吸着する毎に実行されることとされ、装着シミュレーション上、第二装着システム6に振り分けられ、装着順等が設定された電子回路部品38が、その設定された装着順に装着されるものとして行われる。S31においては、吸着された電子回路部品38について決定された許容加,減速度がRAMから読み出される。次いでS32が実行され、目標加,減速度が設定される。第二装着システム6においても吸着ノズル370の移動の加,減速度は段階的に変えられる。そのため、S31において読み出された許容加,減速度以下であって、許容加,減速度に最も近い段階の加,減速度が目標加,減速度に設定される。
【0077】
ホストコンピュータ182においては、装着シミュレーションを行った結果、第一,第二装着システム4,6においてそれぞれ装着される電子回路部品38が決められ、装着順,部品供給装置における電子回路部品38の配置等が決められて装着プログラムが作成され、第一,第二装着システム4,6に供給され、コンピュータ166,410のRAM164,404に記憶される。この際、部品情報、プリント配線板52の許容加,減速度、吸着ノズル370の許容加,減速度等、必要なデータも供給されて記憶される。そして、これら装着プログラムが各システム4,6において装着制御プログラムにより実行され、電子回路部品38がプリント配線板52に装着される。
【0078】
第一装着システム4において電子回路部品38は、前述のように、プリント配線板52に装着されるが、その際、プリント配線板52の移動は、図16に示す配線板移動制御ルーチンに従って制御される。配線板移動制御ルーチンは、電子回路部品38がプリント配線板52に1つ装着される毎に実行される。このルーチンのS41ないしS43は、前記プリント配線板の目標設定加,減速度設定ルーチンのS11ないしS13と同様に実行されるため、説明を省略する。ただし、S41において、プリント配線板52に装着された最新の電子回路部品38について決定された許容加,減速度はRAM164から読み出される。また、設定された目標加,減速度がRAM164に記憶される。
【0079】
目標加,減速度が設定されたならば、S44が実行され、部品装着装置22により電子回路部品38が装着された後、プリント配線板52が次の部品装着箇所への電子回路部品38の装着に備えて移動させられるとき、XY移動装置24は設定された目標加,減速度に従ってプリント配線板52を移動させる。X軸スライド移動装置86およびY軸スライド移動装置90がそれぞれ、設定された目標加,減速度でX軸スライド74およびY軸スライド82の移動を開始させ、停止させる。
【0080】
本実施形態において目標加,減速度は、装着面54に仮止めされている複数の電子回路部品38の各許容加,減速度のうち最小の加,減速度以下の加,減速度であって、可及的に大きい加,減速度であり、プリント配線板52に装着された最新の電子回路部品の許容加,減速度が、それより前にプリント配線板52に装着されている電子回路部品の許容加,減速度より小さくても、電子回路部品38の位置ずれ等を生ずることなく、かつプリント配線板52が可及的に迅速に移動させられる。電子回路部品38の装着順は、許容加,減速度が大きい電子回路部品38から先に装着されることを条件の1つとして設定されており、プリント配線板52に装着された電子回路部品38の許容加,減速度のうちの最小の加,減速度は、当初は大きく、徐々に小さくされる。そのため、許容加,減速度が小さい電子回路部品38を先に装着する場合のように、プリント配線板52を大きい加,減速度で移動させることができるにもかかわらず、加,減速度が小さくされる場合に比較して、電子回路部品38の位置ずれ等の発生を防止しつつ、プリント配線板52を迅速に移動させることができ、第一装着システム4においてプリント配線板52への電子回路部品38の装着に要する時間ができる限り短くされる。
【0081】
なお、基板搬入装置12からはんだ塗布システム2に搬入されるプリント配線板52は、表裏両面共に電子回路部品38が仮止めされておらず、プリント配線板52は、例えば、基板搬入装置12により得ることが可能な最大加・減速度ではんだ塗布システム2に搬入することができる。はんだ塗布システム2から第一装着システム4に搬入されるプリント配線板52も同様であり、プリント配線板52は、例えば、基板搬送装置10により得ることが可能な最大加・減速度で第一装着システム4に搬入することができる。
【0082】
第一装着システム4において電子回路部品38の装着の済んだプリント配線板52は、プリント配線板52に仮止めされた全部の電子回路部品38について位置ずれ等が生じない加,減速度、例えば、最後の電子回路部品38の装着時に配線板移動制御ルーチンの実行により得られる目標加,減速度で移動させられ、プリント配線板保持装置50から、第一装着システム4の基板搬送装置に移載され、その基板搬送装置から、基板搬送装置10へ搬出され、第二装着システム6へ搬送される。第二装着システム6の配線板搬送装置302も、装着面54に装着された電子回路部品38に位置ずれ等が生じない加,減速度で、例えば、基板搬送装置10と同じ加,減速度でプリント配線板52を部品装着位置へ搬送する。
【0083】
このようにプリント配線板52が設定された目標加,減速度で移動させられるとき、間欠回転装置132の入力軸であるカム軸の回転速度は、プリント配線板52の目標加,減速度にあった大きさに制御される。例えば、カム軸で得られる最大回転速度を100%とすれば、プリント配線板52の加,減速度が大きい場合には、カムは100%の速度で回転させられ続ける。それに対し、プリント配線板52の加,減速度が小さい場合には、カムの回転速度は、1回転する間に、100%から、100%より小さい速度、例えば、70%の速度に減少させられ、再び100%に戻される。カムの回転速度が0%とされ、吸着ノズル370が停止してプリント配線板52の部品装着点が部品装着位置に到達することを待つようにされることもある。
【0084】
間欠回転盤120により保持された複数の装着ヘッド100はそれぞれ、種類の異なる複数の吸着ノズル170を備え、それら吸着ノズル170が選択的に使用されるようにされており、大きい電子回路部品38は吸着面156の面積が大きい吸着ノズル150により吸着される。そのため、吸着ノズル150には電子回路部品38を保持するのに十分な大きさの吸着力が得られ、電子回路部品38の各々について吸着ノズル170に許容する加,減速度を設定し、それに基づいてカムの回転の加,減速度を制御することを行わなくても、旋回時に電子回路部品38が吸着管154に対してずれる事態が生ずることはない。
【0085】
なお、電子回路部品38がプリント配線板52に装着されるとき、必ずしも設定された装着順に装着されるとは限らない。例えば、吸着ノズル150が部品供給装置20から電子回路部品38を受取り損ねた場合、吸着ノズル150が部品供給装置20から電子回路部品38を受け取ったが、保持姿勢誤差が修正不可能なほどずれていて、プリント配線板52に装着できなかった場合、受け取った電子回路部品38の種類が間違っていた場合等には、それら不都合によりプリント配線板に装着されなかった電子回路部品38と同種の電子回路部品38が後にプリント配線板52に装着されることがあるからである。このように装着順が変わっても、プリント配線板52の目標加,減速度は、電子回路部品38が1つ装着される毎に設定されるため、プリント配線板52は装着された電子回路部品38に応じた加,減速度で移動させられ、電子回路部品38の位置ずれ等の発生が良好に防止される。
【0086】
第二装着システム6においては、電子回路部品38がプリント配線板52に装着されるとき、吸着ノズル370の移動は、図17に示す吸着ノズル移動制御ルーチンに従って制御される。このルーチンのS51およびS52は、前記吸着ノズルの目標加,減速度設定ルーチンのS31およびS32と同様に実行されるため、説明を省略する。但し、吸着ノズル370の許容加,減速度は電子回路部品38の種類に基づいてRAM404から読み出され、目標加,減速度はRAM404に記憶される。
【0087】
目標加,減速度の設定後、S53が実行され、S52において設定された目標加,減速度でXYロボット334が制御され、その目標加,減速度でX軸スライド340,Y軸スライド344が加,減速させられ、吸着ノズル370が移動を開始し、停止させられる。この目標加,減速度は、不安定係数に応じた大きさに設定された吸着ノズル370の許容加,減速度に基づいて設定されており、不安定係数に応じた大きさとされ、吸着ノズル370は、電子回路部品38の質量および高さが大きいほど小さく、吸着面376の面積が大きいほど大きな加,減速度で移動させられる。そのため、電子回路部品38は吸着ノズル370に対する位置ずれや落下等を生ずることなく、かつできるだけ短い時間で搬送され、プリント配線板52に装着される。
【0088】
第二装着システム6において電子回路部品38の装着の済んだプリント配線板52は、配線板搬送装置302によって基板搬送装置10へ搬送され、リフロー炉システム8へ送られる。この搬送(第二装着システム6における電子回路部品38の装着終了後のプリント配線板52の搬送も含む)は、装着面54に装着された全部の電子回路部品52がそれぞれプリント配線板52について許容する許容加,減速度のうち、最小の許容加,減速度以下の目標加,減速度で行われ、電子回路部品38の位置ずれ等の発生が良好に防止される。リフロー炉システム8に加熱により電子回路部品38がプリント配線板52に電気的に接合される。リフロー炉システム8から基板搬出装置14へのプリント配線板52への搬送時における加,減速度は、リフロー炉システム8へのプリント配線板52の搬入時と同じにしてもよく、電子回路部品38の固定具合に応じて大きくしてもよい。
【0089】
回路基板の許容加,減速度は、電子回路部品の底面の周長も考慮して決定してもよい。
電子回路部品38が回路基板の一種であるプリント配線52に仮止めされた状態において、はんだ等の仮止め剤500が、図18に示すように、電子回路部品38の底面とプリント配線板52の表面との間の隙間からはみ出すことが多い。そして、このはみ出しがある場合には、はみ出しがない場合に比較して、プリント配線板52による電子回路部品38の保持力が大きい。電子回路部品38の側面502とプリント配線板52の表面である前記装着面54とによって形成される空間の隅に存在する仮止め剤500が、側面502と装着面54とをつなぐ機能を果たすからである。そのための保持力の増大量は、仮止め剤500のはみ出し量によっても変わるが、概して電子回路部品38の底面の周長2・(P+Q)によって決まる。したがって、電子回路部品38の不安定係数を取得する際、電子回路部品38の底面の周長も考慮することが望ましい。電子回路部品38の底面の形状が正方形や円に近い場合には、底面積と底面の周長との関係がほぼ一義的に決まるため、特に、周長を考慮せず、底面積のみ考慮することも可能であるが、電子回路部品38の底面の形状が種々に異なる場合には、周長を底面積とは別に考慮することが望ましいのである。例えば、不安定係数KEを(3)式で表されるものとするのである。
E=(Ma・Hb)/{SE c +〔2・(P+Q)〕g }・・・・(3)
【0090】
ただし、電子回路部品38の底面形状が、図19に示すように、長辺の長さRと短辺の長さTとが互いに著しく異なるものである場合には、電子回路部品38が長辺に平行な方向へ移動させられる場合と、短辺に平行な方向へ移動させられる場合とでは、電子回路部品38の転倒し易さが著しく異なるため、不安定係数を上記2つの方向についてそれぞれ取得することが望ましい。
【0091】
また、部品吸着具の許容加,減速度は、吸着面の形状も考慮して決定してもよい。
部品吸着具としての吸着ノズル150,370の吸着面156,376の形状が円である場合には、吸着面156,376の形状を特に考慮する必要はないが、円とは著しく異なった形状、例えば図20に示すように、長辺の長さと短辺の長さとが著しく異なる矩形の場合には、吸着面156,376の形状を考慮することが望ましい。吸着ノズル150,370の移動方向が吸着面156,376の形状との関係で決まっている場合には、長辺と平行な方向と短辺に平行な方向との各々について不安定係数を取得しておき、移動方向に応じていずれかを選択して使用することが望ましいが、移動方向が一定しない場合には、短辺に平行な方向の不安定係数を使用することが安全である。吸着ノズル150,370の移動方向が一定しない場合には、前述の方法で取得した不安定係数に、吸着面156,376の形状で決まる形状係数と称すべきものを掛ける等して補正した不安定係数を使用することもできる。形状係数は、吸着面156,376の形状が細長くなるほど小さい値となるものである。
【0092】
なお、上記実施形態においてインデックステーブル型の電子回路部品装着システムにおいては、部品装着装置の間欠回転装置を構成するカムの回転速度は、プリント配線板の目標加,減速度に応じて変えられ、装着ヘッドに保持された吸着ノズルの部品装着位置への移動と、プリント配線板の部品装着点の部品装着位置に対応する位置への移動とが合わされるようにされていたが、XY型の電子回路部品装着システムにおけると同様に、吸着ノズルについて、保持した電子回路部品の種類に応じて目標加,減速度を設定して移動(旋回)させるようにしてもよい。
【0093】
間欠回転盤は、複数の装着ヘッドを保持しており、部品受取位置から部品装着位置までの間に位置する複数の装着ヘッドがそれぞれ保持する吸着ノズルが同時に電子回路部品を吸着して旋回する。これら複数の吸着ノズルがそれぞれ保持する電子回路部品の種類は同じであるとは限らず、同時に移動させられる電子回路部品の種類が異なる場合、それら電子回路部品の種類と吸着ノズルの種類との組合わせの各々について設定された許容加,減速度のうち、最小の加,減速度以下の加,減速度で吸着ノズルを旋回させれば(間欠回転盤を回転させれば)、いずれの電子回路部品についても吸着ノズルに対する位置ずれ等の発生を防止することができる。
【0094】
吸着ノズルの許容加,減速度は、例えば、XY型の電子回路部品装着システムの吸着ノズルの許容加,減速度と同様に、電子回路部品の質量,高さ,吸着ノズルの吸着面の面積および負圧の大きさによって決定される。そして、電子回路部品を保持している複数の吸着ノズルの各許容加,減速度のうち最小の加,減速度が取得され、間欠回転盤の目標加,減速度が、最小加,減速度以下の大きさに設定される。プリント配線板については前記実施形態と同様に目標加,減速度が設定され、間欠回転盤の目標加,減速度と、プリント配線板の目標加,減速度とが比較され、移動に要する時間が長い方の目標加,減速度に合わせて両者の目標加,減速度が設定される。間欠回転盤は、カムがモータによって回転させられることにより間欠回転させられるため、その加,減速度はカムの回転速度によって決まり、目標加,減速度が得られるようにカムの回転速度が設定される。
【0095】
回路基板の目標加,減速度や部品保持具の目標加,減速度は、連続的に変更されるようにしてもよい。
【0096】
XY型の部品装着システムにおいて、複数の部品吸着具をXY移動装置により同時に移動させ、複数の電子回路部品を同時に搬送し、回路基板に装着するようにしてもよい。例えば、XY移動装置のY軸スライドに部品吸着具をY軸方向に平行に1列に並べて設ける。複数の部品吸着具によりそれぞれ保持される電子回路部品の種類が異なるのであれば、部品吸着具の移動のための加,減速度は、各電子回路部品の許容加,減速度のうち最小の許容加,減速度以下の加,減速度に設定される。
【0097】
XY型の部品装着システムにおいて複数の電子回路部品が同時に搬送され、装着される場合、それら複数の電子回路部品は種類が同じであることが望ましく、種類が異なっていても、各許容加,減速度の大きさの差が小さいことが望ましい。そのため、電子回路部品の回路基板への装着順は、複数の部品吸着具の移動により同時に搬送される複数の電子回路部品の種類が同じになり、あるいは許容加,減速度の大きさの差が小さくなるように設定することが望ましい。
【0098】
回路基板の許容加,減速度および部品吸着具の許容加,減速度はそれぞれ、装着システムコンピュータにおいて決定されるようにしてもよい。決定された許容加,減速度は、ホストコンピュータに転送されてRAMのバックアップ部等に保存され、後にあるいは別の装着システムにおいて使用されるようにしてもよく、あるいは磁気記録媒体等の記録媒体や外部記憶装置に記憶させてもよい。
【0099】
電子回路製造ラインにおいて、複数の装着システムに、回路基板に装着する電子回路部品を振り分けるために装着シミュレーションを行うことは不可欠ではない。例えば、複数の装着システムがそれぞれ装着し得る電子回路部品の種類が異なっていて、いずれの装着システムにおいても装着可能な電子回路部品がない場合には、種類によって電子回路部品が複数の装着システムに振り分けられる。そして、各装着システムのために装着プログラムが作成され、装着順等が設定されて装着システムに供給される。装着プログラムは、例えば、装着時間が最も短くて済むように作成され、そのため、少なくともインデックステーブル型の装着システムにおいては、装着順を設定するために少なくとも回路基板の許容加,減速度が決定される。
【0100】
インデックステーブル型の電子回路部品装着システムにおいて、回路基板の裏面(装着面とは反対側の面)に既に電子回路部品が装着され、仮止めされている場合、回路基板の目標加,減速度は、裏面に装着された電子回路部品の許容加,減速度を考慮して設定される。例えば、裏面に装着された複数の電子回路部品の各許容加,減速度のうち、最小の許容加,減速度以下の加,減速度で回路基板が移動させられるようにされる。
【0101】
回路基板および部品吸着具の各許容加,減速度は、装着システムコンピュータ以外のコンピュータであって、装着システムコンピュータに接続されていないコンピュータにおいて決定されてもよい。この場合、決定された許容加,減速度は、例えば、磁気テープ,磁気ディスク,光磁気ディスク等の記録媒体に記録して、装着システムコンピュータの読取装置に読み取らせる。
【0102】
装着システムコンピュータにおいて用いられるプログラムおよびデータは、外部記憶装置から読み込まれてもよい。
【0103】
本発明は、部品吸着具が、回路基板の装着面に平行な平面内において互いに直交する2方向の一方に移動させられ、回路基板が他方に移動させられて電子回路部品が回路基板に装着される電子回路部品装着システムや、その回路基板の移動制御および部品吸着具の移動制御にも適用することができる。
【0104】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品装着システムを備えた電子回路製造ラインを示す正面図である。
【図2】上記電子回路製造ラインを構成するインデックステーブル型電子回路部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図3】上記インデックステーブル型電子回路部品装着システムを示す側面図(一部断面)である。
【図4】上記インデックステーブル型電子回路部品装着システムの部品装着装置の装着ヘッドに保持された吸着ノズルを示す正面図(一部断面)である。
【図5】上記インデックステーブル型電子回路部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図6】前記電子回路製造ラインを構成するXY型電子回路部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図7】上記XY電子回路部品装着システムを示す側面図である。
【図8】上記XY型電子回路部品装着システムの部品装着装置を示す側面図である。
【図9】上記XY型電子回路部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図10】前記電子回路製造ラインのライン制御装置の主体を成すホストコンピュータのメモリに記憶されたプリント配線板の許容加,減速度決定ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】電子回路部品の不安定係数とプリント配線板の許容加,減速度との関係を規定するグラフである。
【図12】上記ホストコンピュータのメモリに記憶されたプリント配線板の目標加,減速度設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】上記ホストコンピュータのメモリに記憶された吸着ノズルの許容加,減速度決定ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】電子回路部品の不安定係数と吸着ノズルの許容加,減速度との関係を規定するグラフである。
【図15】上記ホストコンピュータのメモリに記憶された吸着ノズルの目標加,減速度設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図16】前記インデックステーブル型電子回路部品装着システムの制御装置の主体を成すコンピュータのメモリに記憶された配線板移動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】前記XY型電子回路部品装着システムの制御装置の主体を成すコンピュータのメモリに記憶された吸着ノズル移動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図18】本発明の別の実施形態である電子回路部品装着システムにおけるプリント配線板の許容加,減速度の決定を説明するための電子回路部品を示す図である。
【図19】図18に示す電子回路部品と同様に許容加,減速度が決定される別の電子回路部品を示す図である。
【図20】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着システムにおける部品吸着具の許容加,減速度の決定を説明するための吸着ノズルの吸着面を示す図である。
【符号の説明】
2,4:電子回路部品装着システム 22:部品装着装置 24:XY移動装置 28:第一装着システム制御装置 38:電子回路部品 52:プリント配線板 54:装着面 166:コンピュータ 306:部品装着装置 314:第二装着システム制御装置 330:装着ヘッド 334:XYロボット 370:吸着ノズル 374:吸着管 376:吸着面 500:仮止め剤

Claims (7)

  1. スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板を、その回路基板に既に仮止めされている複数の電子回路部品の各々の許容加,減速度のうちの最小のもの以下の目標加,減速度で、その回路基板の表面に平行な方向に移動させる方法であって、
    前記複数の電子回路部品の各々の質量をM、高さをH、底面積をS、べき関数の指数をa,b,cとした場合に、前記複数の電子回路部品の各々の前記許容加,減速度を、(M a ・H b )/S c で表される不安定係数に応じた大きさとすることを特徴とする回路基板の移動制御方法。
  2. 前記許容加,減速度を、前記仮止め剤の粘着力が大きいほど大きくする請求項1に記載の回路基板の移動制御方法。
  3. 前記許容加,減速度を、前記各電子回路部品の底面の周長が大きいほど大きくする請求項1または2に記載の回路基板の移動制御方法。
  4. 吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動を制御する方法であって、
    複数の電子回路部品の各々の質量をM、高さをH、部品吸着具の吸着面の面積をS、指数をd,e,fとした場合に、それら複数の電子回路部品の各々を保持した前記部品吸着具を、(M d ・H e )/S f で表される不安定係数に応じた大きさの加,減速度で移動させることを特徴とする部品吸着具の移動制御方法。
  5. 前記部品吸着具の移動の加,減速度を、前記負圧の大きさが大きいほど大きくする請求項4に記載の部品吸着具の移動制御方法。
  6. スポット状に塗布された仮止め剤の粘着力により電子回路部品が仮止めされた回路基板をその回路基板の表面に平行な方向に移動させる際の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    前記電子回路部品の質量をM、高さをH、底面積をS、べき関数の指数をa,b,cとした場合に、(M a ・H b )/S c で表される不安定係数を取得する不安定係数取得ステップと、
    取得した不安定係数に基づいて、前記回路基板の前記移動の許容加,減速度を不安定係数が小さいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
    を含む回路基板の許容加,減速度決定プログラム。
  7. 吸着面に負圧により電子回路部品を吸着した部品吸着具の、前記吸着面に平行な方向の移動の許容加,減速度を決定するためにコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    複数の電子回路部品の各々の質量をM、高さをH、部品吸着具の吸着面の面積をS、指数をd,e,fとした場合に、それら複数の電子回路部品の各々の(M d ・H e )/S f で表される不安定係数を取得する不安定係数取得ステップと、
    取得した不安定係数に基づいて、前記部品吸着具の前記許容加,減速度を不安定係数が小さいほど大きく決定する許容加,減速度決定ステップと
    を含む部品吸着具の許容加,減速度決定プログラム。
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