JP4117066B2 - ノイズリダクション機能を有する増幅回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低周波信号等の増幅回路に係り、特に、ノイズ等の不要な信号に対する減衰作用の向上を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
増幅回路として従来から良く知られたものの一つとして、例えば、図4に示されたように、演算増幅器85を用い、その非反転入力端子に抵抗R1を介して信号源86からの入力信号が印加されるようにする一方、反転入力端子と演算増幅器 の出力端子との間に、帰還用の抵抗R2を接続して、いわゆる反転増幅回路を構成したものがある。
かかる増幅回路の電圧利得は、入力信号をVin、出力信号をVoutとすれば、次の式(1)により求められることは公知・周知のところである。
【0003】
Vout=−(R1/R2)×Vin・・・(式1)
【0004】
また、この増幅回路から出力される雑音Vnoiseは、下記する式(2)によって求められる。
【0005】
ave(Vnoise 2)=|R2/R1|2×ave(Vinnoise 2)+|1+R2/R1|2×ave(VOP1noise 2)+4K・T(R22/R1)Δf+4K・T・R・2Δf・・・(式2)
【0006】
ここで、記述の便宜上、ave(Vnoise 2)は、Vnoiseの自乗平均を、ave(Vinnoise 2)は、Vinnoiseの自乗平均を、ave(VOP1noise 2)は、VOP1noiseの自乗平均を、それぞれ表すものとする。そして、Vinnoiseは、信号源86の出力雑音レベルであり、VOP1noiseは、演算増幅器85で発生する雑音の入力換算雑音レベルであり、Kは、ボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、Rは、内部抵抗であり、Δfは、演算増幅器85の周波数帯域幅である。なお、R1,R2は、演算増幅器85に接続された抵抗器の抵抗値である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の増幅回路においては、不要な信号Vniが入力されると、その信号は、上述の式1で表された利得で増幅され、式2の出力雑音と重畳される結果、最終的に出力される雑音Vnoは、次の式3によって表されるレベルとなる。
【0008】
ave(Vno2)=|R2/R1|2×ave(Vni2)+ave(Vnoise 2)・・・(式3)
【0009】
すなわち、従来回路においては、不要な信号まで増幅されて、結果的には回路全体の雑音レベルが上昇するという問題があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、不要な入力信号に対する増幅を抑圧することのできるノイズリダクション機能を有する増幅回路を提供するものである。
本発明の他の目的は、不要な信号のレベル及び雑音レベルを減衰させ、必要な信号のみを所定の利得で増幅することができ、S/N比の良好なノイズリダクション機能を有する増幅回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、不要な信号として減衰させる入力信号のレベルを可変することのできるノイズリダクション機能を有する増幅回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係るノイズリダクション機能を有する増幅回路は、外部から入力される交流入力電圧を、その電圧レベルに応じた交流電流に変換する電圧・電流変換部と、所定の制御電圧が印加されると前記電圧・電流変換部から入力された電流に対して減衰を生ずる一方、前記所定の制御電圧以外では、当該制御電圧に応じて前記電圧・電流変換部から入力された電流に対して増幅を行う電圧制御増幅部と、前記電圧制御増幅部の出力電流を電圧信号に変換して出力する終段電流・電圧変換部と、前記外部から入力される交流入力電圧を直流電流に変換する交流電圧・直流電流変換部と、外部から入力される外部基準電流設定用電圧に応じて、第1の基準電流及び第2の基準電流を発生する基準電流発生部と、前記交流電圧・直流電流変換部により得られた直流電流と、前記基準電流発生部で発生された第1の基準電流との差である第1の差電流を生成し、この第1の差電流と前記基準電流発生部で発生された第2の基準電流との差である第2の差電流を生成する差電流生成部と、前記差電流生成部の第2の差電流に応じて差動的に増減する2つの制御電流を発生する制御電流発生部と、前記制御電流発生部の2つの制御電流に応じて前記電圧制御増幅部に対する制御電圧を発生する利得制御電圧発生部と、を具備してなるものである。
【0011】
かかる構成においては、特に、利得制御電圧発生部からの制御電圧に応じて利得が変えられ、所定の制御電圧では、減衰量が大となるように構成された電圧制御増幅部を設ける一方、入力信号が所定レベル以下となる場合には、差電流生成部、制御電流生成部及び利得制御電圧発生部の作用により、電圧制御増幅部へ上述の所定の制御電圧が印加されるようにしたものである。かかる構成により、不要な信号、雑音レベルを減衰させる一方、必要な信号は増幅されることとなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、回路構成について説明すれば、この発明の実施の形態におけるノイズリダクション機能を有する増幅回路(以下「本回路」と言う)は、初段増幅部100と、電圧・電流変換部110と、電圧制御増幅部120と、基準電流発生部130と、交流電圧・直流電流変換部140と、差電流生成部150と、制御電流発生部160と、利得制御電圧発生部170と、終段電流・電圧変換部180とに大別されてなるものである。
なお、本回路は、表示の都合上、図1と図2とに分けて示されているが、各々の図に示された回路は別個のものではなく、ノイズリダクション機能を有する増幅回路として一体のものであり、図1においていわゆる丸文字で示されたA,B,C,Dの各点と、図2において同じく丸文字で示されたA,B,C,Dの各点とがそれぞれ接続されるようになっている。
【0013】
初段増幅部100は、入力信号Vinを後段に伝達するに適したレベルまで増幅するためのもので、演算増幅器47と、入力抵抗器(図1においては「R1」と表記)51と、帰還抵抗器(図1においては「R2」と表記)52とを用いていわゆる反転増幅回路が構成されたものとなっている。なお、演算増幅器47の非反転入力端子は、アース又は所定の電圧に保持されるようになっている。
この初段増幅部100の出力は、次述する電圧・電流変換部110及び後述する交流電圧・直流電流変換部140にそれぞれ入力されるものとなっている。
【0014】
電圧・電流変換部110は、変換用抵抗器(図1においては「R3」)53を用いてなり、先の初段増幅部100と後述する電圧制御増幅部120との間に直列に挿入され、演算増幅器47の出力電圧に応じた電流が電圧制御増幅部120の第7のトランジスタ7のコレクタに流入若しくは第13のトランジスタ13のコレクタから流出されるようになっている。
【0015】
電圧制御増幅部120は、電圧・電流変換部110を介して入力された初段増幅部100の出力を、後述する利得制御電圧発生部170からの制御電圧Vcに応じた増幅度で増幅し、その増幅された信号を終段電流・電圧変換部180へ出力するようになっているものである。
この電圧制御増幅部120は、電圧制御増幅用第1の差動増幅器121と、電圧制御増幅用第2の差動増幅器122と、能動負荷用第1のカレントミラー回路123と、能動負荷用第2のカレントミラー回路124と、動作電流供給回路125とに大別されてなるものである。
電圧制御増幅用第1の差動増幅器121及び電圧制御増幅用第2の差動増幅器122は、基本的に同一の回路構成を有してなり、相互に差動的に動作するようになっているものである。
すなわち、電圧制御増幅用第1の差動増幅器121は、npn型の第7及び第8のトランジスタ(図1においては「Q7」、「Q8」と表記)7,8を主たる構成要素として構成されたものとなっている。第7及び第8のトランジスタ7,8は、エミッタ同士が後述する動作電流供給回路125のnpn型の第4のトランジスタ(図1においては「Q4」と表記)4のコレクタに接続されており、その動作電流が定まるようになっている。
【0016】
一方、電圧制御増幅用第2の差動増幅器122は、npn型の第9及び第10のトランジスタ(図1においては「Q9」、「Q10」と表記)9,10を主たる構成要素として構成されたものとなっている。第9及び第10のトランジスタ9,10は、エミッタ同士が後述する動作電流供給回路125のnpn型の第6のトランジスタ(図1においては「Q6」と表記)6のコレクタに接続されており、その動作電流が定まるようになっている。
そして、第7のトランジスタ7と第9のトランジスタ9は、ベースが共に、後述する利得制御電圧発生部170のnpn型の第18のトランジスタ(図1においては「Q18」と表記)18のエミッタに接続されている。
また、第8のトランジスタ8と第10のトランジスタ10は、ベースが共に、後述する利得制御電圧発生部170のnpn型の第19のトランジスタ(図1においては「Q19」と表記)19のエミッタに接続されている。
【0017】
一方、第7のトランジスタ7のコレクタには、先の変換用抵抗器53が接続されており、入力電流Iiが入力されるようになっている。
さらに、第7のトランジスタ7のコレクタと、第9のトランジスタ9のコレクタは、能動負荷用第1のカレントミラー回路123及びNチャンネル型の第2のMOS FET(図1においては「M2」と表記)45を介して相互に接続されている。
すなわち、まず、能動負荷用第1のカレントミラー回路123は、pnp型の第11乃至第13のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q11」、「Q12」、「Q13」と表記)11〜13を具備してなり、第13のトランジスタ13のコレクタと第7のトランジスタ7のコレクタとが、第12のトランジスタ12のコレクタと第2のMOS FET45のドレインとが、それぞれ接続されている。そして、第2のMOS FET45のソースと第9のトランジスタ9のコレクタとが接続されており、第9のトランジスタ9のコレクタ電流に対応した電流が、第13のトランジスタ13のコレクタ電流として流すことができるようになっている。なお、第11のトランジスタ11は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされており、また、第11及び第12のトランジスタ11,12のベースは相互に接続されている。さらに、第11及び第12のトランジスタ11,12のエミッタは共に、電源電圧Vccが印加されるようになっている。そして、第13のトランジスタ13は、エミッタが第11のトランジスタ11のコレクタに、ベースが第12のトランジスタ12のコレクタに、それぞれ接続されたものとなっている。
【0018】
一方、第8のトランジスタ8のコレクタと、第10のトランジスタ10のコレクタは、能動負荷用第2のカレントミラー回路124及びNチャンネル型の第3のMOS FET(図1においては「M3」と表記)46を介して相互に接続されている。
すなわち、能動負荷用第2のカレントミラー回路124は、pnp型の第14乃至第16のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q14」、「Q15」、「Q16」と表記)14〜16を具備してなり、第16のトランジスタ16のコレクタと第10のトランジスタ10のコレクタとが、第14のトランジスタ14のコレクタと第3のMOS FET46のドレインとが、それぞれ接続されている。そして、第3のMOS FET46のソースと第8のトランジスタ8のコレクタとが接続されており、第8のトランジスタ8のコレクタ電流に対応した電流が、第16のトランジスタ16のコレクタ電流として流すことができるようになっている。なお、第15のトランジスタ15は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされており、また、第14及び第15のトランジスタ14,15のベースは相互に接続されている。さらに、第14及び第15のトランジスタ14,15のエミッタは共に、電源電圧Vccが印加されるようになっている。そして、第16のトランジスタ16は、エミッタが第15のトランジスタ15のコレクタに、ベースが第14のトランジスタ14のコレクタに、それぞれ接続されたものとなっている。
【0019】
また、先の第2及び第3のMOS FET45,46は、ゲートが共に、Nチャンネルの第1のMOS FET(図1においては「M1」と表記)44のゲートと接続されており、この第1のMOS FET44は、ゲートとドレインとが接続されて、第2の定電流源76に接続されており、定電流I2が供給されるようになっている。なお、第1のMOS FET44のソースは、所定の基準電圧が印加されるようになっている。
【0020】
動作電流供給回路125は、pnp型の第1及び第2のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q1」」「Q2」と表記)1,2からなる動作電流供給用差動増幅器126と、動作電流供給用第1及び第2のカレントミラー回路127,128とから構成されたものとなっている。
すなわち、第1及び第2のトランジスタ1,2は、エミッタ同士が接続されると共に、第1の定電流源75に接続されて、定電流I1が供給されるようになっている。また、第1のトランジスタ1のベースは、所定の基準電圧が印加されるようになっている一方、第2のトランジスタ2のベースは、変換用抵抗器53と第7のトランジスタ7のコレクタの接続点に接続されており、第1及び第2のトランジスタ1,2は、後述するように、入力信号の電圧レベルに応じた電流Iiに応じて、差動的に動作するようになっている。
【0021】
第1のトランジスタ1のコレクタには、npn型の第3及び第4のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q3」、「Q4」と表記)3,4からなる動作電流供給用第1のカレントミラー回路127に接続されており、第1のトランジスタ1のコレクタ電流に応じた電流が、先の電圧制御増幅用第1の差動増幅器121の第7及び第8のトランジスタ7,8のエミッタにコレクタが接続された第4のトランジスタ4に流されるようになっている。すなわち、第3のトランジスタ3のベースとコレクタとは、相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされており、また、コレクタは、第1のトランジスタ1のコレクタに、エミッタは、アースに接続されたものとなっている。そして、第3及び第4のトランジスタ3,4のベースが相互に接続されており、第4のトランジスタ4のエミッタは、アースに接続されたものとなっている。
【0022】
一方、第2のトランジスタ2のコレクタには、npn型の第5及び第6のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q5」、「Q6」と表記)5,6からなる動作電流供給用第2のカレントミラー回路128が接続されており、第2のトランジスタ2のコレクタ電流に応じた電流が、先の電圧制御増幅用第2の差動増幅器122の第9及び第10のトランジスタ9,10のエミッタにコレクタが接続された第6のトランジスタ6に流されるようになっている。すなわち、第5のトランジスタ5のベースとコレクタとは、相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされており、また、コレクタは、第2のトランジスタ2のコレクタに、エミッタは、アースにそれぞれ接続されたものとなっている。そして、第5及び第6のトランジスタ5,6のベースが相互に接続されており、第6のトランジスタ6のエミッタは、アースに接続されたものとなっている。
【0023】
終段電流・電圧変換部180は、先の電圧制御増幅部120を構成する電圧制御増幅用第2の差動増幅器122の第10のトランジスタ10のコレクタから得られる電流Ioを電圧信号に変換して出力するためのもので、演算増幅器48を中心にして構成されたものとなっている。すなわち、演算増幅器48の反転入力端子は、第10のトランジスタ10のコレクタに接続される一方、非反転入力端子は、所定の基準電圧が印加されるようになっている。また、演算増幅器48の反転入力端子と出力端子との間には、帰還用の第4の抵抗器(図1においては「R4」と表記)54が接続されており、反転増幅がなされるようになっている。
【0024】
基準電流発生部130は、外部から入力される外部基準電流設定用電圧VCONTに応じた基準電流を発生するためのもので、演算増幅器49を中心にして構成された基準電流発生回路131と、基準電流伝達用カレントミラー回路132とから構成されたものとなっている。
基準電流発生回路131は、非反転入力端子にCONT入力端子80を介して外部からの外部基準電流設定用電圧VCONTが印加されるようにされた演算増幅器49を供え、この演算増幅器49の出力端子は、npn型の第20のトランジスタ(図2においては「Q20」と表記)20のベースに接続されている。そして、第20のトランジスタ20のエミッタは、演算増幅器49の反転入力端子へ接続されており、第20のトランジスタ20のベース・エミッタを介していわゆるフィードバックループが形成されて、演算増幅器49は、いわゆるボルテージフォロアの動作が得られるようになっている。
さらに、第20のトランジスタ20のエミッタとアースとの間には、電流設定用抵抗器(図2においては「R5」と表記)55が接続されており、第20のトランジスタ20を流れる基準電流の大きさがこの電流設定用抵抗器55の大きさによって定まるようになっている(詳細は後述)。
【0025】
基準電流伝達用カレントミラー回路132は、pnp型の第21乃至第24のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q21」、「Q22」、「Q23」、「Q24」と表記)21〜24を主たる構成要素としてなり、先の第20のトランジスタ20のコレクタ電流に対応した電流が、第23及び第24のトランジスタ23,24から、それぞれ出力されるようになっているものである。
すなわち、まず、第22乃至第24のトランジスタ22〜24のベースは、相互に接続されたものとなっている。
そして、第22のトランジスタ22は、エミッタに第7の抵抗器(図2においては「R7」と表記)57を介して電源電圧Vccが印加されるようになっている一方、コレクタが第20のトランジスタ20のコレクタに接続されている。また、第22のトランジスタ22のベースには、第21のトランジスタ21のエミッタが接続され、第21のトランジスタ21のベースは、第22のトランジスタ22のコレクタに接続される一方、第21のトランジスタ21のコレクタは、アースに接続されている。
【0026】
さらに、第23のトランジスタ23のエミッタは、第9の抵抗器(図2においては「R9」と表記)59を介して、第24のトランジスタ24のエミッタは、第11の抵抗器(図2においては「R11」と表記)61を介して、共に電源電圧Vccが印加されるようになっている。そして、第23のトランジスタ23のコレクタは、後述する差電流生成部150の第29のトランジスタ(図2においては「Q29」と表記)29のコレクタに、第24のトランジスタ24のコレクタは、第33のトランジスタ(図2においては「Q33」と表記)33のコレクタ及び第35のトランジスタ(図2においては「Q35」と表記)35のベースにそれぞれ接続されたものとなっている。
【0027】
交流電圧・直流電流変換部140は、初段増幅部100の出力電圧に応じた電流を出力するもので、その出力は、差電流生成部150へ入力されるようになっている。
この構成例における交流電圧・直流電流変換部140は、交流・直流電圧変換回路141と、電圧・電流変換回路142と、変換電流伝達用カレントミラー回路143とに大別されてなるものとなっている。
交流・直流電圧変換回路141は、初段増幅部100により得られた交流電圧を、例えば、その平均値に等しい直流電圧に変換するもので、公知・周知の回路構成のものが好適である。
【0028】
電圧・電流変換回路142は、演算増幅器50と、npn型の第25のトランジスタ(図2においては「Q25」と表記)25とを主たる構成要素としてなるものである。すなわち、演算増幅器50の非反転入力端子には、先の交流・直流電圧変換回路141の出力が印加されるようになっている。また、演算増幅器50の反転入力端子には、第25のトランジスタ25のエミッタが、出力端子には、第25のトランジスタ25のベースが、それぞれ接続されて、いわゆるフィードバックループが形成されたものとなっている。
また、第25のトランジスタ25のエミッタとアースとの間には、第6の抵抗器(図2においては「R6」と表記)56が接続されており、第25のトランジスタ25のコレクタ電流、すなわち、演算増幅器50の出力電圧に応じた電流の大きさが、この第6の抵抗器56によって設定されるようになっている。
そして、第25のトランジスタ25のコレクタは、変換電流伝達用カレントミラー回路143に接続されている。
【0029】
すなわち、変換電流伝達用カレントミラー回路143は、電圧・電流変換回路142で得られた電流、すなわち、第25のトランジスタ25のコレクタ電流に対応した電流を、差電流生成部150へ流すためのものである。
この構成例においては、変換電流伝達用カレントミラー回路143は、pnp型の第26乃至第28のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q26」、「Q27」、「Q28」と表記)26〜28を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
すなわち、まず、第27のトランジスタ27のエミッタは、第8の抵抗器(図2においては「R8」と表記)58を介して、第28のトランジスタ28のエミッタは、第10の抵抗器(図2においては「R10」と表記)60を介して、それぞれ電源電圧Vccが印加されるようになっている。
【0030】
また、第27及び第28のトランジスタ27,28のベース同士は、相互に接続されていると共に、第26のトランジスタ26のエミッタが接続されている。さらに、第27のトランジスタ27のコレクタと第26のトランジスタ26のベースとが相互に接続されると共に、先の電圧・電流変換回路142の第25のトランジスタ25のコレクタに接続されている。
そして、第26のトランジスタ26のコレクタは、アースに接続される一方、第28のトランジスタ28のコレクタは、次述する差電流生成部150に接続されている。
【0031】
差電流生成部150は、先の基準電流発生部130により得られた電流と、交流電圧・直流電流変換部140により得られた電流との差を生成して(詳細は後述)、後述する利得制御電圧発生部170へ、その差電流を入力するようになっているものである。
この構成例における差電流生成部150は、差電流生成用第1のカレントミラー回路151と、差電流生成用第2のカレントミラー回路152と、差電流生成用第3のカレントミラー回路153とに大別されて構成されたものとなっている。
差電流生成用第1のカレントミラー回路151は、npn型の第29及び第30のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q29」、「Q30」と表記)29,30を有してなるもので、基準電流発生部130の第23のトランジスタ23のコレクタ電流に対応した電流を、第30のトランジスタ30から出力するようになっているものである。
すなわち、第29のトランジスタ29は、そのベースとコレクタとが接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、そのベースは、第30のトランジスタ30のベースと接続される一方、コレクタは、第23のトランジスタ23のコレクタに、エミッタは、アースに、それぞれ接続されている。一方、第30のトランジスタ30のコレクタは、交流電圧・直流電流変換部140の第28のトランジスタ28のコレクタ及び差電流生成用第2のカレントミラー回路152の第31のトランジスタ31のコレクタに接続される一方、エミッタは、アースに接続されている。
【0032】
差電流生成用第2のカレントミラー回路152は、npn型の第31及び第32のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q31」、「Q32」と表記)31,32を有してなるもので、先の第28のトランジスタ28のコレクタ電流と、第30のトランジスタ30のコレクタ電流の差電流を、第32のトランジスタ32のコレクタ電流として出力するようになっているものである。
すなわち、第31のトランジスタ31は、そのベースとコレクタとが接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、そのベースは、第32のトランジスタ32のベースと接続される一方、エミッタは、アースに接続されている。一方、第32のトランジスタ32のコレクタは、次述する差電流生成用第3のカレントミラー回路153の第33のトランジスタ33のコレクタに、エミッタは、アースに、それぞれ接続されたものとなっている。
【0033】
差電流生成用第3のカレントミラー回路153は、npn型の第33乃至第35のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q33」、「Q34」、「Q35」と表記)33〜35並びにpnp型の第36及び第37のトランジスタ(図2においてはそれぞれ「Q36」、「Q37」と表記)36,37からなるもので、第24のトランジスタ24のコレクタ電流と、第32のトランジスタ32のコレクタ電流の差電流を第37のトランジスタ37のコレクタ電流として、次述する制御電流発生部160へ出力するようになっているものである。
すなわち、第33乃至第35のトランジスタ33〜35により初段カレントミラー回路153aが構成され、第36及び第37のトランジスタ36,37により後段カレントミラー回路153bが構成されたものとなっている。
まず、初段カレントミラー回路153aにおいて、第33のトランジスタ33と第34のトランジスタ34のベース同士は接続されている。また、第33のトランジスタ33のコレクタには、第35のトランジスタ35のベースが、ベースには、第35のトランジスタ35のエミッタが、それぞれ接続されており、第35のトランジスタ35のコレクタには、電源電圧Vccが印加されるようになっている。
そして、第33のトランジスタ33のエミッタは、第12の抵抗器(図2においては「R12」と表記)62を介して、第34のトランジスタ34のエミッタは、第13の抵抗器(図2においては「R13」と表記)63を介して、それぞれアースに接続される一方、第34のトランジスタ34のコレクタは、第36のトランジスタ36のコレクタに接続されている。
【0034】
後段カレントミラー回路153bにおいては、まず、第36のトランジスタ36は、ベースとコレクタとが接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、そのベースは、第37のトランジスタ37のベースと接続されている。そして、第36のトランジスタ36のエミッタは、第14の抵抗器(図2においては「R14」と表記)64を介して、第37のトランジスタ37のエミッタは、第15の抵抗器(図2においては「R15」と表記)65を介して、共に電源電圧Vccが印加されるようになっており、さらに、第37のトランジスタ37のコレクタは、次述する制御電流発生部160の第38のトランジスタ38のベースに接続されている。
【0035】
制御電流発生部160は、制御電流発生部用差動増幅器161と、制御電流発生部用第1及び第2のカレントミラー回路162,163とに大別されて構成されたものとなっており、先の差電流生成部150の出力電流に応じた電流を後述する利得制御電圧発生部170へ出力するようになっているものである(詳細は後述)。
制御電流発生部用差動増幅器161は、pnp型の第38及び第39のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q38」、「Q39」と表記)38,39を用いて、差動的に動作するように構成されてなるものである。
すなわち、第38及び第39のトランジスタ38,39は、エミッタ同士が接続されると共に、第4の定電流源78に接続されており、定電流I4が供給されるようになっている。また、第38のトランジスタ38のベースには、ベース抵抗器としての第16の抵抗器(図2においては「R16」と表記)66を介して、第39のトランジスタ39のベースには、ベース抵抗器としての第17の抵抗器(図2においては「R17」と表記)67を介して、共に所定のバイアス電圧Vbが印加されるようになっている。
そして、第38のトランジスタ38のコレクタは、制御電流発生部用第1のカレントミラー回路162の第41のトランジスタ(図2においては「Q41」と表記)41のコレクタに、第39のトランジスタ39のコレクタは、制御電流発生部用第2のカレントミラー回路163の第42のトランジスタ(図2においては「Q42」と表記)42のコレクタに、それぞれ接続されたものとなっている。
【0036】
制御電流発生部用第1のカレントミラー回路162は、npn型の第40及び第41のトランジスタ40,41により構成されてなるもので、先の制御電流発生部用差動増幅器161の第38のトランジスタ38のコレクタ電流に応じた電流を、第40のトランジスタ40に出力するようになっているものである。
すなわち、まず、第41のトランジスタ41は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、そのベースは、第40のトランジスタ(図2においては「Q40」と表記)40のベースと接続される一方、エミッタは、第19の抵抗器(図2においては「R19」と表記)69を介してアースに接続されている。
そして、第40のトランジスタ40のエミッタが、第18の抵抗器(図2においては「R18」と表記)68を介してアースに接続される一方、コレクタは、後述する利得制御電圧発生部170の第18のトランジスタ18のエミッタに接続されている。
【0037】
一方、制御電流発生部用第2のカレントミラー回路163は、npn型の第42及び第43のトランジスタ42,43により構成されてなるもので、先の制御電流発生部用差動増幅器161の第39のトランジスタ39のコレクタ電流に応じた電流を、第43のトランジスタ43に出力するようになっているものである。
すなわち、まず、第42のトランジスタ42は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、そのベースは、第43のトランジスタ(図1においては「Q43」と表記)43のベースと接続される一方、エミッタは、第20の抵抗器(図2においては「R20」と表記)70を介してアースに接続されている。
そして、第43のトランジスタ43のエミッタが、第21の抵抗器(図2においては「R21」と表記)71を介してアースに接続される一方、コレクタは、後述する利得制御電圧発生部170の第19のトランジスタ19のエミッタに接続されている。
【0038】
利得制御電圧発生部170は、先の電圧制御増幅部120のための制御電圧Vcを発生するようになっているもので、npn型の第17乃至第19のトランジスタ(図1においてはそれぞれ「Q17」、「Q18」、「Q19」と表記)17〜19を用いてなるものである。
すなわち、第17乃至第19のトランジスタ17〜19は、ベースが共通に接続される一方、第17のトランジスタ17は、ベースとコレクタとが接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされ、さらに、そのコレクタは、第3の定電流源77が接続されて、定電流I3が供給されるようになっている。また、第18及び第19のトランジスタ18,19のコレクタには、共に電源電圧Vccが印加されるようになっている。そして、第17のトランジスタ17のエミッタには、所定の基準電圧が印加されるようになっている。
【0039】
次に、上記構成における動作について説明することとする。
まず、信号源79により初段増幅部100に入力電圧が印加されると、初段増幅部100により増幅出力された信号は、変換用抵抗器53により電流信号Iiに変換されて電圧制御増幅部120の第7のトランジスタ7のコレクタに流れ込みコレクタ電流となる。電流Iiが正の場合(図1において実線矢印方向に流れる場合)、第2のトランジスタ2のベース電位は、第1のトランジスタ1のベース電位に比して高くなる。そのため、第2のトランジスタ2のコレクタ電流は減少し、それに伴い電圧制御増幅用第2の差動増幅器122の電流が減少する一方、第1のトランジスタ1のコレクタ電流は増加し、それに伴い電圧制御増幅用第1の差動増幅器121の電流が増加することとなる。
【0040】
そのため、電圧制御増幅部120の出力電流Ioは、図1に実線矢印で示された方向に増加することとなる。すなわち、換言すれば、電圧制御増幅部120から終段電流・電圧変換部180へ流れ込む電流量が増加することとなる。
一方、電流Iiが、上述したのとは逆方向となる場合には、電圧制御増幅部120の動作も上述したのとは逆となる。すなわち、電圧制御増幅第1の差動増幅器121の電流が減少する一方、電圧制御増幅用第2の差動増幅器122の電流が増加し、そのため、電流Ioは、図1に示された実線矢印方向と反対方向に増加することとなる。
なお、入力信号の位相は、初段増幅部100で反転され、電圧制御増幅部120及び終段電流・電圧変換部180でそれぞれ反転される結果、入力信号と終段電流・電圧変換部180の出力信号の位相は同位相となる。
【0041】
ところで、初段増幅部100で増幅された入力信号は、交流電圧・直流電流変換部140において直流電流に変換されるが、その電流Ic25と入力信号Vinの関係は、下記する式4により表わされる。
【0042】
Ic25=Vin・K/R6・・・(式4)
【0043】
ここで、Kは、初段増幅部100の演算増幅器47及び交流電圧・直流電流変換部140による変換係数であり、R6は、第6の抵抗器56の抵抗値である。また、CONT入力端子80に外部から印加される外部基準電流設定用電圧VCONTと基準電流発生部130において電流設定用抵抗器55に流れる基準電流Irefとの間には、次の式5が成立する。
【0044】
Iref=VCONT/R5・・・(式5)
【0045】
ここで、R5は、電流設定用抵抗器55の抵抗値である。
これより、基準電流伝達用カレントミラー回路132の第23及び第24のトランジスタ23,24のそれぞれのコレクタ電流Ic23,Ic24(すなわち、換言すれば、第1の基準電流及び第2の基準電流)は、次の式6及び式7として表わされる。
【0046】
Ic23=(VCONT/R5)×L・・・(式6)
【0047】
Ic24=(VCONT/R5)×M・・・(式7)
【0048】
ここで、第22乃至第24のトランジスタ22〜24により構成されるカレントミラー回路のいわゆるカレントミラーの電流比は、次のように設定されているものとする。
【0049】
Ic23=Ic22×L
【0050】
Ic24=Ic22×M
【0051】
なお、ここでIc22は、第22のトランジスタ22のコレクタ電流である。
そして、上述の第23のトランジスタ23のコレクタ電流Ic23は、差電流生成用第1のカレントミラー回路151を介して差電流生成用第2のカレントミラー回路152へ伝達されると共に、交流電圧・直流電流変換部140の出力電流である第25のトランジスタ25のコレクタ電流Ic25が、第27及び第28のトランジスタ27,28による変換電流伝達用カレントミラー回路143を介して差電流生成用第2のカレントミラー回路152へ伝達される。その結果、差電流生成用第2のカレントミラー回路152へは、この二つの電流Ic25,Ic23の差電流が流れ込み、第32のトランジスタ32のコレクタ電流Ic32として出力されることとなる。
したがって、電流Ic32は、先の式4及び式6を用いて次の式8のように表すことができる。
【0052】
Ic32=Vin・K/R6−(VCONT/R5)×L・・・(式8)
【0053】
さらに、この電流Ic32と、基準電流伝達用カレントミラー回路132の第24のトランジスタ24のコレクタ電流Ic24との差電流が、差電流生成用第3のカレントミラー回路153の第37のトランジスタ37のコレクタ電流Ic37として出力される。
この電流Ic37は、上述の式7及び式8を用いて次の式9により表される。
【0054】
Ic37=(VCONT/R5)(L+M)−Vin・K/R6・・・(式9)
【0055】
ここで、差電流生成部150の出力電流である電流Ic37と入力信号Vinとの関係は次のようになっている。
すなわち、まず、Ic37≦0として式9をVinについて解くと、次の式10の如くとなる。
【0056】
Vin≧R6(L+M)VCONT/(R5×K)・・・(式10)
【0057】
これより、Vinが式10を満たすレベルでは、電流Ic37は流れ出ず、制御電流発生部用差動増幅器161を構成する第38及び第39のトランジスタ38,39のベース電位は等しくなり、その結果、制御電流発生部用第1のカレントミラー回路162の出力電流である第40のトランジスタ40のコレクタ電流Ic40と、制御電流発生部用第2のカレントミラー回路163の出力電流である第43のトランジスタ43のコレクタ電流Ic43は等しくなる(Ic40=Ic43)。そのため、利得制御電圧発生部170の第18のトランジスタ18のベース・エミッタ間電圧と、第19のトランジスタ19のベース・エミッタ間電圧は等しくなり、電圧制御増幅用第1の差動増幅器121を構成する第7及び第8のトランジスタ7,8のベース電位と、電圧制御増幅用第2の差動増幅器122を構成する第9及び第10のトランジスタ9,10のベース電位は、同電位となる。
【0058】
ここで、第7及び第8のトランジスタ7,8のベース電位と、第9及び第10のトランジスタ9,10のベース電位との差は、制御電圧Vcであり、先の電圧制御増幅用第1の差動増幅器121への入力電流Iiと、電圧制御増幅用第2の差動増幅器122の出力電流Ioとの関係は、次の式11の如くとなる。
【0059】
Io=Ii×exp(Vc/Vt)・・・(式11)
【0060】
ここで、Vtは、いわゆるサーマル電圧である。
上述のように第7及び第8のトランジスタ7,8のベース電位と、第9及び第10のトランジスタ9,10のベース電位とが等しい場合、Vc=0であるため、式11よりIo=Iiとなる。この場合、R1=R2である場合には、本回路の入出力利得は、初段増幅部100の利得で決定されることとなる。
一方、入力信号Vinが徐々に低下する場合を考える。
【0061】
すなわち、Vin≦R6(L+M)VCONT/(R5×K)・・・(式12)
【0062】
が成立すると、Ic37>0となり、第37のトランジスタ37からの電流が第16の抵抗器 に流れ込み電圧降下が生ずるため、Ic40が減少する一方、Ic43が増加することとなる。このため、制御電圧Vcは、負の値になり、電圧制御増幅部120における電流利得(式11参照)は、減少することとなる。なお、ここで、Ic37=0となる際の入力電圧VinをVinAと定義する。そして、さらにVinが減少して、Ic32<0となると、入力信号Vinについて、式8を基に、次の式13で表される関係が成立する。
【0063】
Vin≦R6・L・VCONT/R5・・・(式13)
【0064】
この式13が成立する状態においては、Ic24のみが第37のトランジスタ37へ伝達されることとなる。すなわちIc24が全てIc37となる。この条件下においては、第38のトランジスタ38は非動作状態となり、第39のトランジスタ39が動作状態で、第4の定電流源78の定電流I4が全て第32のトランジスタ32のコレクタ電流Ic43になるとすると、Ic43=I4で、かつ、Ic40=0となる。
なお、ここで、Ic32=0となる際の入力電圧VinをVinBと定義する。
【0065】
そして、Ic40=0であるため、第18のトランジスタ18のコレクタ電流は、第7及び第9のトランジスタ7,9のベース電流のみとなる。したがって、第18のトランジスタ18のベース・エミッタ間電圧Vbe18は、次の式14で表される大きさとなる。
【0066】
Vbe18=Vt×ln(2Ib/Is)・・・(式14)
【0067】
ここで、Vtは、いわゆるサーマル電圧であり、Ibは、第7及び第9のトランジスタ7,9のベース電流である。また、Isは、トランジスタのpn接合部分における逆方向飽和電流である。なお、lnは、自然対数である。
一方、第19のトランジスタ19のベース・エミッタ間電圧Vbe19は、I4>Ibであるとして、Ibを無視できるとすると次の式15で表される。ここでのIbは、第8及び第10のトランジスタ8,10のベース電流である。
【0068】
Vbe19=Vt×ln(I4/Is)・・・(式15)
【0069】
式14及び式15を用いて制御電圧Vcを表せば、次の式16の如くとなる。
【0070】
Vc=Vbe18−Vbe19=Vt×ln(2・Ib/I4)・・・(式16)
【0071】
そして、電圧制御増幅部120における電流利得の減衰量ATTは、次の式17のように表される。
【0072】
ATT=2・Ib/I4・・・(式17)
【0073】
ここで、第7及び第9のトランジスタ7,9の電流増幅率をhfeとすると、式17は、次の式18のように書き表される。
【0074】
ATT=I1/(2・I4×hfe)・・・(式18)
【0075】
ここで、I1は、第1の定電流源75の定電流である。
結局、上述した構成、動作を有してなるノイズリダクション機能を有する増幅回路の入出力特性は、図3に示されたようなものとなる。すなわち、入力信号Vinのレベルが零から所定値VinBまで、すなわち、先に定義したように、入力信号Vinのレベルが零からIc32=0となるレベルまでは、出力レベルは、入力レベルの増大に関わらず所定値Vnoiseに保持される(図3参照)。
そして、入力信号のレベルがVinBを越えると、入力信号のレベルの増大と共に出力レベルも増大するようになる。なお、入力信号のレベルがVinA(VinB<VinA)の点を境として、その前後において、増幅度が変化している。すなわち、入力信号のレベルがVinAより小となる領域では、入力信号のレベルがそれ以降の領域に比して増幅度が若干小さくなっている(図3参照)。
【0076】
次に、不要な入力信号がどの程度減衰されるかについて説明する。
まず、不要な入力信号Vniがあった場合、先の式18で減衰するとして、その際の終段電流・電圧変換部180から得られる出力電圧Voutは、変換用抵抗器53の抵抗値R3=第4の抵抗器54の抵抗値R4であるとの条件の下、次の式19のようになる。
【0077】
Vout=R2×I1×Vni/(R1×2・I4×hfe)・・・(式19)
【0078】
一方、図1及び図2に示された回路構成における出力雑音Vnoiseは、次の式20のように表される。
【0079】
ave(Vnoise 2)={ave(Vinnoise 2)×|R2/R1|2+ave(VOP1noise 2)×|1+R2/R1|2+4K・T(R22/R1)Δf+4K・T・R・2Δf+ave(VOP3noise 2)×|R4/R3|2+4K・T(R42/R3)Δf}ATT2+4K・T・R・4Δf+ave(VOP2noise 2)・・・(式20)
【0080】
ここで、VOP1noiseは、初段増幅部100の演算増幅器47の入力換算雑音、VOP2noiseは、終段電流・電圧変換部180の演算増幅器48の入力換算雑音、VOP3noiseは、第1及び第2のトランジスタ1,2により構成された電圧制御増幅用第1の差動増幅器121における入力換算雑音、ATTは、先の式18により定義された減衰量である。また、ここで、記述の便宜上、ave(Vnoise 2)は、Vnoiseの自乗平均を、ave(Vinnoise 2)は、Vinnoiseの自乗平均を、ave(VOP1noise 2)は、VOP1noiseの自乗平均を、ave(VOP2noise 2)は、VOP2noiseの自乗平均を、ave(VOP3noise 2)は、VOP3noiseの自乗平均を、それぞれ表すものとする。
仮に、減衰量ATTが十分大きいとすると、式20は、次の式21のように近似することができる。
【0081】
ave(Vnoise 2)=4K・T・R・4Δf+ave(VOP1noise 2)・・・(式21)
【0082】
不要雑音Vnoは、式19と式21とから、次の式22の如くとなる。
【0083】
ave(Vno2)=|R2/R1|2×{I1/(2・I4×hfe)}2×ave(Vni2)+ave(Vnoise 2)・・・(式22)
【0084】
ここで、具体的な数値例を挙げてみると、例えば、I1=I4、hfe=100とした場合、式22に対応する従来回路における不要雑音を表す式3と、第1項について比較してみると、式22の場合、式3の1/40000になる。また、第2項については、先の式2で表される従来の大きさに対して、本発明の実施の形態では、先の式20で表されるように減衰量ATTが寄与するものとなっていることから本発明の実施の形態におけるもののほうが小さいということができる。このように、本発明の実施の形態におけるノイズリダクション機能を有する増幅回路においては、不要な入力信号が減衰されると共に、雑音レベル自体が減衰され、必要な信号のみが所定の利得で増幅され、いわゆるシステム全体のS/Nが向上されることとなるものである。
また、式10及び式13で表されたように、外部基準電流設定用電圧VCONTの大きさを変えることにより、入力信号を不要な信号として低利得状態とする際の、その入力信号のレベルを所望のレベルに設定することが可能となっている。
【0085】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、入力信号が所定のレベル以下では、大きな減衰が得られ、所定レベル以上の入力信号に対しては所定増幅度で増幅されるような構成とすることにより、不要な信号や雑音が不必要に増幅出力されるようなことがなくなり、S/N比の良好な増幅信号を得ることができる。
また、外部基準電流設定用電圧に応じて、基準電流の大きさが設定できるようにしたので、大きな減衰を与えるべき入力信号のレベルを所望により変えることができ、フレキシビリティのある増幅回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるノイズリダクション機能を有する増幅回路の回路構成例の一部を示す回路図である。
【図2】図1に示された回路構成例に接続される残りの回路部分を示す回路図である。
【図3】入出力特性の一試験例を示す特性線図である。
【図4】従来の回路構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
100…初段増幅部
110…電圧・電流変換部
120…電圧制御増幅部
130…基準電流発生部
140…交流電圧・直流電流変換部
150…差電流生成部
160…制御電流発生部
170…利得制御電圧発生部
180…終段電流・電圧変換部
Claims (3)
- 外部から入力される交流入力電圧を、その電圧レベルに応じた交流電流に変換する電圧・電流変換部と、
所定の制御電圧が印加されると前記電圧・電流変換部から入力された電流に対して減衰を生ずる一方、前記所定の制御電圧以外では、当該制御電圧に応じて前記電圧・電流変換部から入力された電流に対して増幅を行う電圧制御増幅部と、
前記電圧制御増幅部の出力電流を電圧信号に変換して出力する終段電流・電圧変換部と、
前記外部から入力される交流入力電圧を直流電流に変換する交流電圧・直流電流変換部と、
外部から入力される外部基準電流設定用電圧に応じて、第1の基準電流及び第2の基準電流を発生する基準電流発生部と、
前記交流電圧・直流電流変換部により得られた直流電流と、前記基準電流発生部で発生された第1の基準電流との差である第1の差電流を生成し、この第1の差電流と前記基準電流発生部で発生された第2の基準電流との差である第2の差電流を生成する差電流生成部と、
前記差電流生成部の第2の差電流に応じて差動的に増減する2つの制御電流を発生する制御電流発生部と、
前記制御電流発生部の2つの制御電流に応じて前記電圧制御増幅部に対する制御電圧を発生する利得制御電圧発生部と、
を具備してなることを特徴とするノイズリダクション機能を有する増幅回路。 - 電圧制御増幅部は、2つのトランジスタを有してなる電圧制御増幅用第1の差動増幅器と、2つのトランジスタを有してなる電圧制御増幅部用第2の差動増幅器と、これら電圧制御増幅用第1及び第2の差動増幅器に、交流入力電圧に応じて差動的に動作電流を供給する動作電流供給回路と、能動負荷用第1のカレントミラー回路と、能動負荷用第2のカレントミラー回路とを具備してなり、
前記電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのコレクタは、電圧・電流変換部の出力段に接続されて電圧・電流変換部の出力電流が入力される一方、当該一方のトランジスタのコレクタは、能動負荷用第1のカレントミラー回路の出力段に接続され、前記電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、他方のトランジスタのコレクタは、能動負荷用第2のカレントミラー回路の入力段に接続され、前記電圧制御増幅用第2の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのコレクタは、前記能動負荷用第1のカレントミラー回路の入力段に接続され、他方のトランジスタのコレクタは、前記能動負荷用第2のカレントミラー回路の出力段に接続される一方、当該他方のトランジスタのコレクタは、終段電流・電圧変換部の入力段に接続され、
前記電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのベースと、前記電圧制御増幅用第2の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのベースの接続点と、前記電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、他方のトランジスタのベースと、前記電圧制御増幅用第2の差動増幅器の2つのトランジスタの内、他方のトランジスタのベースの接続点との間に、利得制御電圧発生部の出力電圧が印加されるように当該利得制御電圧発生部が接続され、
動作電流供給回路は、電圧・電流変換部の出力電流に応じて差動的に動作するよう2つのトランジスタを用いてなる動作電流供給用差動増幅器と、前記動作電流供給用差動増幅器を構成する一方のトランジスタの電流を伝達する動作電流供給用第1のカレントミラー回路と、前記動作電流供給用差動増幅器を構成する他方のトランジスタの電流を伝達する動作電流供給用第2のカレントミラー回路とを具備してなり、
前記動作電流供給用第1のカレントミラー回路の入力段は、前記動作電流供給用差動増幅器を構成する一方のトランジスタのコレクタに接続される一方、前記動作電流供給用第1のカレントミラー回路の出力段は、前記電圧制御増幅用第1の差動増幅器を構成する2つのトランジスタのエミッタに接続され、
前記動作電流供給用第2のカレントミラー回路の入力段は、前記動作電流供給用差動増幅器を構成する他方のトランジスタのコレクタに接続される一方、前記動作電流供給用第2のカレントミラー回路の出力段は、前記電圧制御増幅用第2の差動増幅器を構成する2つのトランジスタのエミッタに接続されてなることを特徴とする請求項1記載のノイズリダクション機能を有する増幅回路。 - 差電流生成部は、差電流生成用第1のカレントミラー回路と、差電流生成用第2のカレントミラー回路と、差電流生成用第3のカレントミラー回路とを具備してなり、
前記差電流生成用第1のカレントミラー回路は、基準電流発生部で発生された第1の基準電流が前記差電流生成用第2のカレントミラー回路の入力段へ伝達されるよう設けられ、前記差電流生成用第2のカレントミラー回路は、交流電圧・直流電流変換部により得られた直流電流と、前記差電流生成用第1のカレントミラー回路を介して伝達された前記第1の基準電流との第1の差電流が流れ込み、当該第1の差電流が前記差電流生成用第3のカレントミラー回路へ伝達されるように設けられ、前記差電流生成用第3のカレントミラー回路は、基準電流発生部で発生された第2の基準電流と、前記差電流生成用第2のカレントミラー回路を介して伝達された第1の差電流との第2の差電流が流れ込み、当該第2の差電流が制御電流発生部へ伝達されるように設けられ、
制御電流発生部は、制御電流発生部用差動増幅器と、制御電流発生部用第1のカレントミラー回路と、制御電流発生部用第2のカレントミラー回路とを具備してなり、
制御電流発生部用差動増幅器は、第4の定電流源からの定電流の供給を受ける2つのトランジスタを用いてなり、それぞれのベースには、それぞれベース抵抗器を介して所定のバイアス電圧が印加されると共に、前記制御電流発生部用差動増幅器の一方のトランジスタのベースには、前記差電流生成用第3のカレントミラー回路の出力段が接続される一方、当該一方のトランジスタには、当該トランジスタの電流を利得制御電圧発生部へ伝達するため前記制御電流発生部用第1のカレントミラー回路が接続され、前記制御電流発生部用差動増幅器の他方のトランジスタには、当該トランジスタの電流を利得制御電圧発生部へ伝達するため前記制御電流発生部用第2のカレントミラー回路が接続され、
利得制御電圧発生部は、ベースが相互に接続された3つのトランジスタを有してなり、前記3つのトランジスタの内、第1のトランジスタのエミッタは基準電圧に接続される一方、相互に接続されたベースとコレクタは第3の定電流源に接続され、
前記利得制御電圧発生部の3つのトランジスタの内、第2のトランジスタのエミッタには、前記制御電流発生部用第1のカレントミラー回路の出力段と、電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのベースと、電圧制御増幅用第2の差動増幅器の2つのトランジスタの内、一方のトランジスタのベースとの接続点が接続され、
前記利得制御電圧発生部の3つのトランジスタの内、第3のトランジスタのエミッタには、前記制御電流発生部用第2のカレントミラー回路の出力段と、電圧制御増幅用第1の差動増幅器の2つのトランジスタの内、他方のトランジスタのベースと、電圧制御増幅用第2の差動増幅器の2つのトランジスタの内、他方のトランジスタのベースとの接続点が接続されてなることを特徴とする請求項2記載のノイズリダクション機能を有する増幅回路。
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