JP4118558B2 - 中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ、中空柱状シリコンインゴットの製造方法、プラズマエッチング装置用部材の製造方法、中空柱状シリコンインゴットの製造装置および中空柱状シリコンインゴット - Google Patents
中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ、中空柱状シリコンインゴットの製造方法、プラズマエッチング装置用部材の製造方法、中空柱状シリコンインゴットの製造装置および中空柱状シリコンインゴット Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェハーのプラズマエッチング装置を構成するシリコンからなる各種の部材を製造するための材料となる中空柱状シリコンインゴットの製造方法及びそれを製造するためのるつぼ、中空柱状シリコンインゴットの製造装置、中空柱状シリコンインゴット、並びに、プラズマエッチング装置用部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェハーのプラズマエッチング装置は、例えば、図6に示すように、外部からの元素のコンタミネーションを防止するための円筒状シールド部材1と、台座に載置されたシリコンウェハーWを保持するリング状部材2と、エッチング電極Eなどを主として構成されるものである。
このプラズマエッチング装置を構成するプラズマエッチング装置用部材1,2は、シリコンウェハーWに不純物が混入してしまうのを防止する等の理由により、シリコンウェハーWと同一の材料、すなわち、純度の高いシリコンによって形成されるものであり、これらに共通して、中空部を有する略リング状あるいは略円筒状をなしているものである。
【0003】
そして、これら各種のプラズマエッチング装置用部材1,2を製造するには、まず、図7に示すように、円筒状の外壁11と、これを閉塞する円板状の底部12とからなる石英のるつぼ10に、単結晶または多結晶シリコン20を添加し、このシリコン20をヒータで加熱して溶融した後、凝固させることによって図8に示すような円柱状シリコンインゴット21を製造する。
次に、この円柱状シリコンインゴット21を、例えば、図8における2点鎖線で示される切断線に沿って切断することにより、略円板状あるいは略円柱状をなす部材を形成した後、その中心を貫通するようにくり抜く切削加工を施すことで、図9(a),(b)に示されるような中空部22を有する略リング状あるいは略円筒状をなすプラズマエッチング装置用部材が形成されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような製造方法では、最初から中空部が形成された中空柱状シリコンインゴットを製造することはできないので、製造工程に手間がかかり、加えて、中空部22を形成するための切削加工に起因して、図10に示すように、この中空部22から外方側へ向けてクラックが生じやすくなっており、製品の歩留まりを低下させる大きな問題となっていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、中空柱状シリコンインゴットを容易に製造することができるるつぼ及びこれを用いて製造される中空柱状シリコンインゴットを提供することを目的とする。
また、本発明は、中空柱状シリコンインゴットを容易に製造することができる中空柱状シリコンインゴットの製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、歩留まりを高く保つことができるプラズマエッチング装置用部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼは、シリコンインゴットを製造するために用いられるるつぼであって、その底部には、一または複数の柱状部材が立設されており、さらに、るつぼの表面に、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜が形成されてされており、前記柱状部材の比重が、シリコンよりも大きく設定されていることを特徴とする。
このような構成とすると、るつぼ内に単結晶または多結晶シリコンを添加・溶融して、凝固させるだけで、容易に中空柱状のシリコンインゴットを製造することが可能となり、また、この中空柱状シリコンインゴットを切断加工すれば、中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を容易に製造することが可能となるので、従来のように中空部を形成するためのくり抜き切削加工が必要とならず、この切削加工に起因するクラックの発生をなくすことができる。
しかも、るつぼの表面には、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜が形成されているので、このようなるつぼの中にシリコンを添加して溶融させるときの熱により、石英から構成されたるつぼがクリストバライト化する。このようにクリストバライト化したるつぼは、割れやすくなっているため、凝固したシリコンが冷却されるときの収縮によって、シリコンインゴットに無理な力が加わったとしても、るつぼ自体が割れることで、中空柱状シリコンインゴットの割れを防止することができる。
さらには、このような被膜を形成することで、溶融したシリコンがるつぼの表面に溶着することを防止することもできる。
【0007】
また、前記柱状部材の比重が、シリコンよりも大きく設定されているので、るつぼの底部に載置された柱状部材が、るつぼ内で溶融したシリコン中で浮き上がってしまうことがなく、中空柱状シリコンインゴットの製造を安定して行うことができる。
【0008】
また、前記柱状部材が中空であるとともに、その少なくとも内周面に黒鉛層が形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、るつぼ内で溶融したシリコンを凝固させるときに、中空の柱状部材の少なくとも内周面に形成された黒鉛層によって、中空柱状シリコンインゴットの中空部付近を十分に冷却することが可能となり、この中空部付近に、結晶の格子欠陥が生じて割れやすくなったり、柱状部材が溶け出して純度が低下してしまうことを防止できる。
【0009】
本発明による中空柱状シリコンインゴットの製造方法は、本発明のるつぼ内に、単結晶または多結晶シリコンを添加して、溶融させた後、凝固させることを特徴とする。
とくに、このとき、前記シリコンを溶融させる際の温度を1500゜C以上に設定して、前記るつぼを高温態クリストバライト化させると、その後、このるつぼは自然と低温態クリストバライト化することになる。このような低温態クリストバライト化したるつぼは、非常に割れやすくなっているため、凝固したシリコンが冷却されて収縮していくときに、シリコンインゴットに無理な力が加わったとしても、るつぼ自体が割れることで、中空柱状シリコンインゴットの割れを防止することができる。
さらに、前記るつぼ内で溶融した単結晶または多結晶シリコンを、一方向に凝固させていくようにすると、製造される中空柱状シリコンインゴットの結晶成分が一方向に並べられ、良好な性質を有する中空柱状シリコンインゴットを得ることができる。
【0010】
本発明によるプラズマエッチング装置用部材の製造方法は、本発明の中空柱状シリコンインゴットの製造方法によって製造される中空柱状シリコンインゴットを、その横方向に切断することにより、中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を製造することを特徴とする。
このように、中空柱状シリコンインゴットを、その中空部を交差するようにして、横方向に切断すると、中空部にクラックの生じないプラズマエッチング装置用部材を容易に形成できることとなる。
【0011】
本発明による中空柱状シリコンインゴットの製造装置は、断熱材からなる支持台に、本発明の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼが載置されていることを特徴とする。
ここで、前記るつぼの上下に加熱部を配置すると、るつぼ内で溶融したシリコンを凝固させる際には、上下の加熱部による加熱のいずれか一方を停止させることで、この加熱を停止した加熱部の配置されている方から、一方向に凝固させていくことができる。
また、前記るつぼの横に加熱部を配置するとともに、この加熱部が前記るつぼの上下方向で温度勾配を設定可能にすると、るつぼ内で溶融したシリコンを凝固させる際には、加熱部における温度が低くなっている方から、一方向に凝固させていくことができる。
【0012】
本発明による中空柱状シリコンインゴットは、本発明の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼを用い、このるつぼ内に、単結晶または多結晶シリコンを添加して、溶融させた後、凝固させてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼの断面図、図2は同るつぼを備えた中空柱状シリコンインゴットの製造装置の断面図である。
【0014】
本実施形態による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ30は、石英からなり、図1に示すように、略円筒状の外壁31と略円板状の底部32とを備えているとともに、この底部32の略中央部に、底部32の面積よりも小さい断面積を有する柱状部材33が、底部32から上方に突出するようにして載置されて立設されている。
【0015】
柱状部材33は、略円筒状の外壁34と略円板状の底部35とからなる中空状となっており、この中空部の上方側が開口しているような形状、すなわち、るつぼ状とされている。
また、このるつぼ30の表面の全面、すなわち、るつぼ30の内周面及び外周面(柱状部材33の内周面及び外周面も含む)の全面に亘って、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜38が形成されている。
【0016】
それゆえ、本実施形態の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ30は、被膜38が表面の全面に亘って形成された外るつぼの底部に対し、この外るつぼよりも小さい径を有して、同じく被膜38が表面の全面に亘って形成された内るつぼが載置されたような構成をなしている。
【0017】
また、柱状部材33の中空部の内周面には、その外壁34と底部35との全面に亘って、シリコンと同等の熱膨張係数をする黒鉛層36が形成されている。
さらに、柱状部材33の上方側には、中空部の開口部を閉塞するようにして、石英からなる略円板状の蓋体37が取り付けられている。
【0018】
上記のような構成のるつぼ30は、図2に示すような、中空柱状シリコンインゴットの製造装置40にて用いられる。
この中空柱状シリコンインゴットの製造装置40は、不活性ガス雰囲気に保たれることになるケース41内に、上記のるつぼ30を支持する支持台42と、支持台42の下部に取り付けられてこの支持台42ごとるつぼ30を回転させる軸部45と、るつぼ30の上下にそれぞれ配置されて、るつぼ30内に添加されたシリコン20を溶融させるためのヒータ46,46(加熱部)とが収容されたものである。
【0019】
この支持台42は、断熱材によって構成されており、るつぼ30の外壁31を取り囲むような形状に形成された外壁43と、るつぼ30の底部32が載置される載置面44とからなる。
そして、支持台42にるつぼ30が載置されると、支持台42によってるつぼ30の外周が取り囲まれた状態となる。
【0020】
このような製造装置40を用いて中空柱状シリコンインゴットを製造するには、例えばアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中に保たれたケース41内で、軸部45によりるつぼ30を回転させつつ、このるつぼ30内に単結晶または多結晶シリコン20を添加していくとともに、るつぼ30の上下に配置されたヒータ46,46によって1500゜C以上に加熱することにより、シリコン20を溶融させていく。ここで、るつぼ30は、上記の被膜38が形成されていることにより、高温態クリストバライト化する。
そして、例えば、るつぼ30の下側に配置されているヒータ46による加熱を停止することにより、るつぼ30内で溶融した状態となっているシリコン20が、その下方側、すなわち、底部32側から上方側に向かって一方向に凝固していく。ここで、上記のように高温態クリストバライト化したるつぼ30は、その温度が下がっていくにつれ、自然に、低温態クリストバライト化する。
【0021】
また、このような中空柱状シリコンインゴットの製造装置40の変形例としては、図3に示すように、ヒータ46を、るつぼ30の横を周回するように配置するとともに、るつぼ30の上下方向で温度勾配を設定可能にしたものでもよい。
このような製造装置40では、まず、るつぼ30内にシリコン20を添加して、ヒータ46により1500゜C以上に加熱して溶融し、これと同時にるつぼ30を高温態クリストバライト化させ、そして、このヒータ46に、るつぼ30の下方側から上方側に向かって温度が高くなるように温度勾配を設定することにより、溶融したシリコン20が、底部32側から上方側に向かって一方向に凝固していくとともに、るつぼ30が自然と低温態クリストバライト化する。
【0022】
るつぼ30内で溶融したシリコン20が完全に凝固したら、この凝固したシリコン20をるつぼ30から取り出すことで、図4に示すような、断面円形の中空部51を有する中空円柱状シリコンインゴット50を得ることができる。
【0023】
上記のようにして製造された中空柱状シリコンインゴット50を、図4における2点鎖線で示される切断線に沿って、その横方向、すなわち、中空部51の延びる方向と直交する方向に切断し、必要に応じて、種々の加工を施すことにより、上述したような略リング状あるいは略円筒状をなすプラズマエッチング装置用部材が製造される。
なお、このとき、製造するプラズマエッチング装置用部材の大きさや形状を事前に測っておき、これに基づいて、るつぼ30の外壁31及び柱状部材33の大きさや形状を設定しておくとよい。
【0024】
本実施形態によれば、るつぼ30の底部32に、上方に突出するようにして柱状部材33が載置されて立設されていることから、このるつぼ30を用いて、シリコンインゴットを製造すれば、自然と中空部51を有する中空柱状シリコンインゴット50を製造することが可能となり、さらに、この中空柱状シリコンインゴット50を切断すれば、上述したような中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を容易に得ることができる。
これにより、プラズマエッチング装置用部材を形成するために、従来のように、中空部が形成されていない円柱状シリコンインゴットを切断してから、中空部を形成するためのくり抜き切削加工を施す必要がなくなるので、この切削加工に起因するクラックをなくすことができ、製造されるプラズマエッチング装置用部材の歩留まりを格段に向上させることが可能となる。
【0025】
また、るつぼ30の表面に、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜38が形成されているとともに、シリコン20を溶融させるときの温度を1500゜C以上に設定していることから、石英から構成されているるつぼ30が、高温態クリストバライト化し、その後、温度を下げてシリコン20を凝固させていくにつれて、自然と低温態クリストバライト化する。
このように低温態クリストバライト化したるつぼ30は、高温態クリストバライト化したるつぼ30に比べて、熱膨張係数が高く、非常に割れやすくなっている。
すると、上記のように、凝固したシリコン20を冷却させていくときに、その収縮によって、中空柱状シリコンインゴット50に無理な力が加わったとしても、るつぼ30自体が割れることで、中空柱状シリコンインゴット50の割れを防止することができる。
【0026】
また、このような被膜38を形成することで、溶融したシリコン20がるつぼ30の表面に溶着することを防止する効果も得ることができる。
なお、この被膜38について、Naを含んでいるような場合には、その濃度としては4000ppm以下に設定されていることが好ましく、このような濃度に設定されていると、Naが中空柱状シリコンインゴット50に拡散していくことがない。
【0027】
さらに、柱状部材33が石英から構成されていて、その比重がシリコンよりも大きくなっていることから、底部32に載置された柱状部材33が、るつぼ30内で溶融したシリコン20によって浮き上がってしまうことがなく、中空柱状シリコンインゴット50の製造を安定して行うことができる。
なお、このような浮き上がり防止のためには、柱状部材33をるつぼ30の底部32に載置するとともに、接合してもよい。
【0028】
また、柱状部材33が中空であるとともに、その内周面に、シリコンと同等の熱膨張係数を有する黒鉛層36が形成されていることから、るつぼ30内で溶融したシリコン20を凝固させる際には、柱状部材33によって形づくられるシリコンインゴット50の中空部51付近に、黒鉛層36による十分な冷却効果を与えることが可能となる。これにより、中空部51付近における結晶の格子欠陥を少なくして、強度を向上させ、しかも、熱によって柱状部材33の酸素がシリコン20に溶け出すことがなく、酸素濃度が低く、純度の高い中空柱状シリコンインゴット50を得ることができる。
このとき、柱状部材33の中空部における上方側の開口部に対して、蓋体37を取り付けることにより、この中空部の開口部を閉塞していることから、熱拡散を防止して、より高い冷却効果を得ることができる。
なお、黒鉛層36は、柱状部材33の中空部の内周面だけに形成されているのではなく、中空部すべてを充填するように形成してもよい。
【0029】
また、製造された中空柱状シリコンインゴット50は、下方側から上方側に向けて一方向に凝固しているため、その結晶成分が一方向に並ぶようになり、得られる中空柱状シリコンインゴット50に対して、とくに優れた性質を付与することができる。
【0030】
また、柱状部材33の形状については、図1に示したものに限定されることなく、例えば、図5に示すように、図1における柱状部材33の上下を逆にしたような形状、すなわち、柱状部材33の中空部の開口部を下方側に向けて、この開口部をるつぼ30の底部32に載置したものでもよい。この場合には、中空部の上方側が底部35によって閉塞されている状態となる。また、柱状部材33が、中空であるとともに、この中空部の上方側及び下方側がともに開口しているような略円筒状のものであってもよい。
これらのように、柱状部材33の中空部の開口部を、底部32に載置させるようにしたとしても、るつぼ30内で溶融したシリコン20は、柱状部材33の中空部に入り込むということはなく、上述したような効果を何の遜色もなく奏することができる。
また、柱状部材33は、中空ではなく中実であったとしても構わない。
【0031】
さらに、本実施形態では、柱状部材33の横断面形状が、その上下方向で一定となっているが、上下方向で横断面形状が変化するような柱状部材33を形成することも可能である。
例えば、柱状部材33の横断面形状の大きさが、下方側から上方側に向かうにしたがい、漸次小さくなるようにしてもよいし、逆に、上端側から下端側に向かうにしたがい、漸次大きくなるようにしてもよい。
このような構成とすると、製造される中空柱状シリコンインゴット50における中空部51の横断面形状が、上下方向で連続的に変化することになり、一つの中空柱状シリコンインゴット50を切断することによって形成される複数のプラズマエッチング装置用部材に、異なる径の中空部を有する略リング状あるいは略円板状をなす部材を混在させることができる。
【0032】
さらに、例えば、柱状部材33に対して、局所的に、その横方向に突出する突出部を形成して段差状としたならば、この突出部が形成された部分の柱状部材33によって形づくられる中空柱状シリコンインゴット50が、その中空部51に、内径が局所的に大きくなるような部分を形成することができ、同じく、一つの中空柱状シリコンインゴット50から、形状の異なる略リング状あるいは略円筒状をなす複数のプラズマエッチング装置用部材を得ることができる。
とくに、この柱状部材33における突出部の形状を適宜設計したるつぼ30によって得られる中空柱状シリコンインゴット50を切断した後、必要に応じて、加工を施すことで、複雑な形状のプラズマエッチング装置用部材を得ることも可能である。
【0033】
また、るつぼ30の柱状部材33の形状を、上下方向で変化させることにより、得られる中空柱状シリコンインゴット50の中空部51の横断面形状を変化させるだけではなく、るつぼ30の外壁31の形状を、上下方向で変化させるようにして、得られる中空柱状シリコンインゴット50の横断面形状を変化させてもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、るつぼ30の底部32に載置された柱状部材33は一つであるが、これに限定されることなく、複数の柱状部材33を載置33を載置して、複数の中空部51を有する中空柱状シリコンインゴット50を製造してもよく、このような中空柱状シリコンインゴット50を横方向に切断すれば、例えば、複数の中空部を有するプラズマエッチング装置のエッチング電極(プラズマエッチング装置用部材)を製造することも可能である。
さらに、本実施形態においては、断面円形状の中空部51を有する略円柱状(略円筒状)の中空柱状シリコンインゴット50を製造しているが、これに限定されることなく、例えば、断面角形状の中空部51を有する略角柱状の中空柱状シリコンインゴット50を製造できるように、るつぼ30の外壁31及び柱状部材33の形状を設定してもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼによれば、底部に中空の柱状部材が載置されていることから、るつぼ内に単結晶または多結晶シリコンを添加・溶融して、凝固させるだけで、容易に中空柱状のシリコンインゴットを製造することが可能となり、また、この中空柱状シリコンインゴットを切断加工すれば、中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を容易に製造することが可能となるので、従来のように中空部を形成するためのくり抜き切削加工が必要とならず、この切削加工に起因するクラックの発生をなくすことができ、製品の歩留まりを高く保つことができる。
しかも、るつぼの表面に、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜が形成されているために、シリコンを添加して溶融させるときの熱によって、石英から構成されたるつぼがクリストバライト化する。すると、凝固したシリコンが冷却されていくときの収縮によって、シリコンインゴットに無理な力が加わったとしても、このようなクリストバライト化した割れやすいるつぼ自体が割れることで、中空柱状シリコンインゴットの割れを防止することができる。さらには、このような被膜を形成することで、溶融したシリコンがるつぼの表面に溶着することを防止する効果も得ることができる。
【0036】
また、本発明による中空柱状シリコンインゴットの製造方法によれば、本発明のるつぼを用いたので、中空柱状シリコンインゴットを容易に製造することができる。
また、本発明によるプラズマエッチング装置用部材の製造方法によれば、本発明によって製造される中空柱状シリコンインゴットを、その横方向に切断することにより、中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を容易に製造することができ、従来のように、中空部を形成するための切削加工に起因するクラックが生じることがない。
また、本発明による中空柱状シリコンインゴットの製造装置によれば、中空柱状シリコンインゴットを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼを示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態による中空柱状シリコンインゴットの製造装置を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施形態による中空柱状シリコンインゴットの製造装置の変形例を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施形態によって得られる中空柱状シリコンインゴットを示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態による中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼの変形例を示す断面図である。
【図6】 プラズマエッチング装置を示す断面図である。
【図7】 従来のシリコンインゴット製造用るつぼを示す断面図である。
【図8】 従来のシリコンインゴット製造用るつぼを用いて製造されるシリコンインゴットを示す斜視図である。
【図9】 従来のプラズマエッチング装置用部材を製造する工程を示す説明図である。
【図10】 従来のプラズマエッチング装置用部材を製造する工程で生じる問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 円筒状シールド部材(プラズマエッチング装置用部材)
2 リング状部材(プラズマエッチング装置用部材)
20 シリコン
30 中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ
32 底部
33 柱状部材
36 黒鉛層
38 被膜
40 中空柱状シリコンインゴットの製造装置
42 支持台
46 ヒータ(加熱部)
50 中空柱状シリコンインゴット
51 中空部
Claims (10)
- シリコンインゴットを製造するために用いられるるつぼであって、その底部には、一または複数の柱状部材が立設されており、さらに、るつぼの表面に、Si3N4、コロイダルシリカ粒子、Naを含むコロイダルシリカ粒子のうちの少なくとも一つからなる被膜が形成されており、前記柱状部材の比重が、シリコンよりも大きく設定されていることを特徴とする中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ。
- 請求項1に記載の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼであって、 前記柱状部材が中空であるとともに、その少なくとも内周面に黒鉛層が形成されていることを特徴とする中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ。
- 請求項1または請求項2に記載の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼを用いた中空柱状シリコンインゴットの製造方法であって、前記るつぼ内に、単結晶または多結晶シリコンを添加して、溶融させた後、凝固させることを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造方法。
- 請求項3に記載の中空柱状シリコンインゴットの製造方法において、 前記シリコンを溶融させる際の温度を1500゜C以上に設定して、前記るつぼを高温態クリストバライト化させることを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造方法。
- 請求項3または請求項4に記載の中空柱状シリコンインゴットの製造方法において、前記るつぼ内で溶融した単結晶または多結晶シリコンを、一方向に凝固させていくことを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造方法。
- 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の中空柱状シリコンインゴットの製造方法によって製造される中空柱状シリコンインゴットを、その横方向に切断することにより、中空部を有するプラズマエッチング装置用部材を製造することを特徴とするプラズマエッチング装置用部材の製造方法。
- 断熱材からなる支持台に、請求項1または請求項2に記載の中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼが載置されていることを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造装置。
- 請求項7に記載の中空柱状シリコンインゴットの製造装置において、 前記るつぼの上下に加熱部を配置したことを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造装置。
- 請求項7に記載のシリコンインゴットの製造装置において、前記るつぼの横に加熱部を配置するとともに、この加熱部が前記るつぼの上下方向で温度勾配を設定可能にしたことを特徴とする中空柱状シリコンインゴットの製造装置。
- 請求項1または請求項2に記載の中空柱状シリコンインット製造用るつぼを用い、このるつぼ内に、単結晶または多結晶シリコンを添加して、溶融させた後、凝固させてなることを特徴とする中空柱状シリコンインゴット。
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| JP2001381880A JP4118558B2 (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 中空柱状シリコンインゴット製造用るつぼ、中空柱状シリコンインゴットの製造方法、プラズマエッチング装置用部材の製造方法、中空柱状シリコンインゴットの製造装置および中空柱状シリコンインゴット |
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